JP2005002715A - 吊り戸の支持装置 - Google Patents

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Junpei Iwaki
淳平 岩城
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Nakao Seisakusho Co Ltd
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Nakao Seisakusho Co Ltd
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Abstract

【課題】吊り戸を前後方向に簡単に位置調整することができるようにした吊り戸の支持装置を提供することである。
【解決手段】レール1に沿って移動可能なランナ4に吊り戸6を吊り下げ支持する吊り軸24を設ける。ランナ4にブッシュ嵌合孔28を設け、そのブッシュ嵌合孔28によってブッシュ29を回転自在に支持する。ブッシュ29の中心に対する偏心位置に軸挿入孔30を形成し、その軸挿入孔30内に吊り軸24の上部を挿入して抜け止めし、ブッシュ29の回転によって吊り戸6を前後方向に位置調整する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、中折れ戸形式や引戸形式などの吊り戸の支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
開口部の上側にレールを設け、そのレールに沿って移動可能なランナにより吊り戸を支持するようにした吊り戸の支持装置においては、普通、吊り戸を吊り下げ支持したのち、吊り戸の位置を調整して吊り戸の取付け精度を高めるようにしている。
【0003】
吊り戸の位置を調整できるようにした吊り戸の支持装置として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
【0004】
上記特許文献1に記載された吊り戸の支持装置においては、レールに沿って移動可能なランナに吊り戸を支持する吊り軸を設け、吊り戸には上記吊り軸の下方に、その吊り軸に対して直角方向に延びる調整ねじを回動自在に設け、その調整ねじにねじ係合したナットと前記吊り軸の下端部とをリンクで連結し、前記調整ねじの回転によりナットを軸方向に移動させて吊り戸を上下方向に移動させるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−120320号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1に記載された吊り戸の支持装置においては、吊り戸の位置調整が上下方向のみであり、吊り戸を前後方向に位置調整することができない。
【0007】
この発明の課題は、吊り戸を前後方向に簡単に位置調整することができるようにした吊り戸の支持装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、レールに沿ってランナを移動自在に設け、そのランナに吊り戸を支持する吊り軸を設けた吊り戸の支持装置において、前記ランナに下面で開口するブッシュ嵌合孔を設け、そのブッシュ嵌合孔によって回転自在に支持されたブッシュの中心に対する偏心位置に軸挿入孔を形成し、その軸挿入孔に前記吊り軸の上部を挿入して抜け止めし、前記ブッシュのブッシュ嵌合孔の下方に臨む下端部に工具係合部を設けた構成を採用したのである。
【0009】
上記のように構成すれば、ブッシュの下端部に設けられた工具係合部にスパナ等の工具を係合してブッシュを回転させることにより、吊り戸を支持する吊り軸がブッシュの中心周りに回転するため、吊り戸を前後方向に位置調整することができる。
【0010】
また、吊り戸の前後方向の位置調整もブッシュを回転させるのみであるため、吊り戸を簡単に位置調整することができる。
【0011】
ここで、前記ブッシュ嵌合孔の上部に大径孔部を設け、前記ブッシュの上部にはその大径孔部の底面で支持される大径軸部を形成し、その大径軸部の下面と大径孔部の底面に放射状に延びる断面三角形の係合歯を設けることによって、大径孔部の底面の係合歯と大径軸部の下面の係合歯の係合によってブッシュを回り止めすることができるため、吊り戸を調整位置で安定よく保持することができる。
【0012】
また、前記吊り戸に前記吊り軸に対して直角方向に延びる調整ねじを回転自在に設け、その調整ねじにねじ係合したナットと吊り軸の下端部とをリンクで連結することによって、調整ねじの回転によりナットが軸方向に移動してリンクの傾斜角度が変わるため、吊り戸を上下方向に位置調整することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3に示すように、開口部の上側に設けられたレール1は、その下面で開口する案内溝2を有し、その案内溝2の開口部両側に一対のフランジ3が内向きに形成されている。
【0014】
レール1の案内溝2内にはランナ4が設けられ、そのランナ4の両側前後に設けられた複数のガイドローラ5がレール1のフランジ3で支持され、上記レール1に沿ってランナ4が移動自在とされている。
【0015】
レール1によって吊り下げ支持される吊り戸6の上側コーナ部には切欠部7が設けられ、その切欠部7にケーシング8が挿入されている。ケーシング8はねじ9の締付けによって吊り戸6に固定されている。
【0016】
ケーシング8は一対の側板10を有し、その側板10の一側縁間に開口11が設けられ、その開口11からケーシング8の内部にケース12が抜き出し自在とされている。ケース12は、一対の側板10の上縁から内向きに形成された折曲片13によってケーシング8の上方に抜け出るのが防止される。
【0017】
ケーシング8における一対の側板10には、その一側縁において開口する一対の切欠部14が上下に設けられ、各切欠部14の開口部上側に係合片15が設けられ、各係合片15の一側下部にテーパ縁16が形成されている。
【0018】
ケース12内には係合体17が組込まれている。係合体17の両側面には一対の突片18が上下に設けられ、各突片18はケース12の側板に設けられた上下方向に長いガイド孔19内にスライド自在に挿入されている。このため、係合体17は昇降自在とされ、その下方に設けられたスプリング20は係合体17を上向きに押圧して、係合体17をその上側に設けられた操作レバー21に押し付けている。
【0019】
操作レバー21はL形をなし、その一端部がピン22で支持されている。操作レバー21はピン22を中心に揺動自在とされ、その操作レバー21を伏倒方向に揺動させることによって係合体17は押し下げられるようになっている。
【0020】
係合体17に設けられた上下一対の突片18はケース12の側面から外方に臨んでいる。その突片18の間隔は、ケーシング8の側板10に設けられた上下一対の切欠部14の間隔と等しくなっている。
【0021】
いま、ケーシング8の開口11からケーシング8の内部にケース12を挿入すると、係合片15のテーパ縁16に対する突片18の当接によって係合体17はスプリング20の弾性に抗して下降する。上記突片18が係合片15の位置を通過すると、スプリング20の弾性により係合体17が上昇して係合片15に突片18が係合し、ケース12はケーシング8によって取付け状態に保持される。
【0022】
ケース12には上面で開口する縦孔23が形成され、その縦孔23内に吊り軸24が挿入されている。また、ケース12内には吊り軸24の下方に、吊り軸24に対して直角方向に延びる調整ねじ25が組込まれている。
【0023】
調整ねじ25はケース12によって回転自在に支持され、その調整ねじ25にねじ係合したナット26と吊り軸24の下端部とはリンク27で連結され、調整ねじ25を回転してナット26を軸方向に移動させると、リンク27が吊り軸24に対する連結部を中心に揺動して傾きが変わるようになっている。
【0024】
ランナ4には上下に貫通するブッシュ嵌合孔28が設けられ、そのブッシュ嵌合孔28の上部は大径孔部28aとされている。ブッシュ嵌合孔28内に組込まれたブッシュ29は回転自在とされ、そのブッシュ29の上部に上記大径孔部28a内において回転可能な大径軸部29aが設けられている。
【0025】
ブッシュ29には中心に対する偏心位置に上下に貫通する軸挿入孔30が設けられ、その軸挿入孔30内に吊り軸24の上部が挿入され、上端部に取付けた止め輪32によって抜け止めされている。
【0026】
ブッシュ29の下端部はブッシュ嵌合孔28の下端開口から下方に突出し、その下端部にスパナ等の工具が係合可能な工具係合部33が設けられている。
【0027】
図4に示すように、ブッシュ嵌合孔28における大径孔部28aの底面とブッシュ29における大径軸部29aの下面には断面3角形の係合歯34、35が放射状に形成され、両係合歯34、35の係合によってブッシュ29は回り止めされている。
【0028】
実施の形態で示す吊り戸の支持装置は上記の構造から成り、吊り戸6の支持に際しては、図1に示すように、レール1にランナ4を取付け、そのランナ4に吊り軸24を介して吊り下げ支持されたケース12を吊り戸6に取付けたケーシング8の開口11から内部に挿入し、係合体17に設けられた突片18を切欠部14に嵌合し、係合片15と突片18の係合によってケース12を抜け止めする。
【0029】
図2および図3は吊り戸6が吊り下げ支持された状態を示し、その状態で調整ねじ25を回転させると、ナット26が軸方向に移動し、その移動によってリンク27の傾斜角度が変化するため、吊り戸6を上下方向に位置調整することができる。
【0030】
ここで、吊り戸6にはケーシング8、ケース12およびランナ4から成る吊り下げ具が上側の2つのコーナ部に設けられる。このため、一方の吊り下げ具の調整ねじ25を回動させることによって吊り戸6の上下方向の傾きを調整することができる。
【0031】
また、吊り戸6の吊り下げ状態において、ブッシュ29の下端部に設けられた工具係合部33にスパナ等の工具を係合してブッシュ29を回転させると、吊り戸6を支持する吊り軸24が図5(I)に示すブッシュ29の中心O周りに回転するため、吊り戸6を前後方向に位置調整することができる。
【0032】
ここで、ブッシュ29の中心Oに対する吊り軸24の中心の偏心量をδとすると、δの2倍の距離だけ吊り戸6を前後方向に位置調整することができる。
【0033】
図5(I)において、吊り戸6の上方を後方とし、下方を前方とすると、図5(I)は調整量の中央に吊り戸6を位置調整した状態を示す。また、図5(II)は吊り戸6を後方に位置調整した状態を示し、さらに、図5(III )は吊り戸6を前方に位置調整した状態を示す。
【0034】
上記のような吊り戸6の前後方向の位置調整状態において、ブッシュ29の大径軸部29aの下面に設けられた係合歯35とブッシュ嵌合孔28の大径孔部28aの底面に設けられた係合歯34とは互に係合するため、ブッシュ29は回り止めされる。このため、吊り戸6を調整位置に安定よく保持することができる。
【0035】
なお、吊り戸6の上側コーナ部に設けられる2つの吊り下げ具のうち、一方の吊り下げ具のブッシュ29のみを回転させることによって吊り戸6の前後方向の傾きを調整することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、ブッシュを回転させることにより、吊り戸を支持する吊り軸がブッシュの中心周りに回転するため、吊り戸を前後方向に位置調整することができると共に、その前後方向の位置調整もブッシュを回転させるのみであるため、調整操作も容易である。
【0037】
また、ブッシュを回転停止させると、そのブッシュの大径軸部の下面に設けた係合歯とブッシュ嵌合孔の大径孔部の底面に設けた係合歯が互に係合してブッシュを回り止めするため、吊り戸を調整位置で安定よく保持することができる。
【0038】
さらに、調整ねじを回転させてそれにねじ係合するナットを軸方向に移動させると、ナットと吊り軸を連結するリンクの傾きが変化するため、吊り戸を上下方向に位置調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る吊り戸支持装置によって吊り戸を支持する手前の状態を示す一部切欠正面図
【図2】吊り戸の支持状態を示す縦断正面図
【図3】図2の縦断側面図
【図4】ランナとブッシュを示す分解斜視図
【図5】(I)乃至(III )は吊り戸を前後方向に位置調整した状態を示す平面図
【符号の説明】
1 レール
4 ランナ
6 吊り戸
24 吊り軸
25 調整ねじ
26 ナット
27 リンク
28 ブッシュ嵌合孔
28a 大径孔部
29 ブッシュ
29a 大径軸部
30 軸挿入孔
33 工具係合部
34 係合歯
35 係合歯

Claims (3)

  1. レールに沿ってランナを移動自在に設け、そのランナに吊り戸を支持する吊り軸を設けた吊り戸の支持装置において、前記ランナに下面で開口するブッシュ嵌合孔を設け、そのブッシュ嵌合孔によって回転自在に支持されたブッシュの中心に対する偏心位置に軸挿入孔を形成し、その軸挿入孔に前記吊り軸の上部を挿入して抜け止めし、前記ブッシュのブッシュ嵌合孔の下方に臨む下端部に工具係合部を設けたことを特徴とする吊り戸の支持装置。
  2. 前記ブッシュ嵌合孔の上部に大径孔部を設け、前記ブッシュの上部にはその大径孔部の底面で支持される大径軸部を形成し、その大径軸部の下面と大径孔部の底面に放射状に延びる断面三角形の係合歯を設けた請求項1に記載の吊り戸の支持装置。
  3. 前記吊り戸に前記吊り軸に対して直角方向に延びる調整ねじを回転自在に設け、その調整ねじにねじ係合したナットと吊り軸の下端部とをリンクで連結した請求項1又は2に記載の吊り戸の支持装置。
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