JP4481431B2 - 戸パネル用のランナユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右方向に延びるガイドレールに沿って引き戸や吊り戸などの戸パネルを走行案内するランナユニットに関し、とくにガイドレールに対する戸パネルの前後位置を調整可能としたものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、添付図面を借りて説明すると、左右方向に延びる上側ガイドレール2に走行自在に案内支持されるランナ本体5と、戸パネル1の上隅に装着されるランナ台6と、ランナ本体5とランナ台6とをつなぐランナ軸7とからなる戸パネル用のランナユニットにおいて、上側ガイドレール2に対する戸パネル1の前後位置を調整可能とした従来技術に特開平8−21145号公報がある。そこでの前後位置調整機構は、戸パネル1の上隅に設けた取付け穴16にホルダ17を介してランナ台6を装着するに際し、ホルダ17側に設けたカム溝にランナ軸7を挿通しておき、ホルダ17に対してランナ台6を左右横方向に調整ねじで送り操作すると、ランナ本体5に対してランナ台6が相対的に前後方向へ移動調整される。つまり結果的には、上側ガイドレール2に対して戸パネル1が前後の厚み方向に位置調整されるものとなっている。
【0003】
かかる前後位置調整機構を備えていると、上側ガイドレール2にランナユニットを介して戸パネル1を吊り込んだ状態のままで戸パネルの吊り姿勢を調整できるので、戸パネルや戸枠などに寸法上のバラつきがあっても適正に対応できる。経年使用などによって戸パネルに反り変形が生じた場合にも、例えば前後に近接配置した戸パネルどうしが当たり干渉するのを解消できることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前出の従来例では、ホルダ17にランナ台6を左右方向に移動可能に装着したうえで、ホルダ17側にカム溝を設ける必要があり、構造が複雑化して部品点数が多く、製作コストが高く付く点に問題があった。
【0005】
そこで本発明の目的は、構造が簡単で構成部品が必要最小限で足り、操作も容易に行える前後位置調整機構付きの戸パネル用ランナユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る上側ランナユニットAは、図1に示すごとく、左右方向に延びる上側ガイドレール2に走行自在に案内支持されるランナ本体5と、戸パネル1の上隅に装着されるランナ台6と、ランナ本体5とランナ台6とをつなぐランナ軸7とからなる。ランナ本体5に設けた前後位置調整機構は、ランナ本体5のランナブロック8に設けた上下貫通状の貫通孔10に挿嵌されて回転操作可能に支持される回転操作軸11と、回転操作軸11の回転中心から外れた偏心位置に配置した前記ランナ軸7とからなる。回転操作軸11の上端に形成した鍔部13を、ランナブロック8の上面に設けた円形の凹部12で受け止めて、回転操作軸11を下方へ抜け止めする。上側ガイドレール2の外側下方に臨む回転操作軸11の下端は、回転操作軸11を回転操作するための操作部15になっている。ランナ本体5と回転操作軸11との間に、回転操作軸11を一定角度ずつ節度をもって順送りしながら所定の回転位置に保持する節度手段25を設ける。前記節度手段25は、ランナブロック8の前記凹部12の外周の前後に形成した左右一対のガイド壁26・26と、両ガイド壁26・26の間の溝27と、前記鍔部13の外周に一定間隔置きに設けた係合突部29とで構成する。前記係合突部29が前記溝27に順送りで嵌入係合して回転操作軸11を所定の回転位置に保持する。
【0010】
また、本発明に係る下側ランナユニットBは、図6に示すごとく、左右方向に延びる下側ガイドレール3に下端のガイド部40が走行自在に案内されるランナ軸41と、戸パネル1の下面に埋設固定されるホルダ42と、ホルダ42内に下方から挿嵌されて縦軸心まわりに回転操作可能に支持される回転操作体43とからなる。回転操作体43の回転中心から外れた偏心位置に設けた上下方向の軸穴45に、前記ランナ軸41の上端が上下動自在に支持されて、ランナ軸41がばね66で下向きに押圧付勢されている。ホルダ42の下面から突出する回転操作体43の下端は、回転操作体43を回転操作するための操作部67になっている。ホルダ42と回転操作体43との間に、回転操作体43を一定角度ずつ節度をもって順送りしながら所定の回転位置に保持する節度手段70を設ける。節度手段70は、操作部67の上方外周の対向位置に突設した係合突部71・71と、ホルダ42の鍔壁53の外周に下向きに突設した円環状のガイド壁72と、ガイド壁72に一定間隔置きに形成した係合溝73とで構成する。係合突部71・71が前記係合溝73と順に係合して、回転操作体43を所定の回転位置に保持する。
【0012】
【発明の作用効果】
本発明によれば、上側ガイドレール2に戸パネル1を吊り込んだ状態のまま、回転操作軸11を回転操作すると、ランナ軸7が回転操作軸11の偏心位置にあるので、ランナ軸7が前後方向に変位する。その結果、ランナ軸7を介して上側ガイドレール2に対し戸パネル1を前後の厚み方向に移動調整できる。そこでは、ランナ本体5にランナ軸7を回転操作軸11を介して支持するだけであり、部材としては回転操作軸11を付加するだけで足りるので、構造の簡略化を図って製作コストの削減化が図れる。
【0013】
上側ガイドレール2の外側下方に臨む回転操作軸11の下端が、そのまま回転操作軸11を回転操作するための操作部15になっておれば、回転操作用の調整ねじも不要となって部材点数の最小限化に有利であるとともに、上側ガイドレール2とランナ台6の上面との間に生じる隙間を利用して、戸パネル1を吊り込んだ姿勢のままスパナなどの工具で回転操作軸11を現場にて容易に回転操作できる。
【0014】
ランナ本体5と回転操作軸11との間に節度手段25が設けられていると、前後方向の位置調整がクリック感をもって過不足無く容易に行え、かつ調整後に戸パネル1の開閉衝撃などを受けても回転操作軸11が妄動回転をすることがないものとなる。
【0016】
また、本発明は、左右方向に延びる下側ガイドレール3に下端のガイド部40が走行自在に案内されるランナ軸41と、戸パネル1の下面に埋設固定されてランナ軸7を支持するホルダ42とからなる下側ランナユニットBにおいても、ホルダ42に回転操作体43を縦軸心まわりに回転操作可能に支持し、この回転操作体43の回転中心から外れた偏心位置に前記ランナ軸41の上端が支持されている。従って、ここでも回転操作体43を回転操作すれば、ランナ軸41が前後方向に変位する。その結果、ランナ軸41を介して戸パネルの下端側は下側ガイドレール3に沿って円滑に走行案内することができる。ランナ軸41の上端側は回転操作体43を介してホルダ42に支持するだけであり、部材としては回転操作体43を付加するだけで足りるので、構造の簡略化を図って製作コストの低減化が図れる。
【0017】
ホルダ42の下面から突出する回転操作体43の下端が、そのまま回転操作体43を回転操作するための操作部67になっておれば、回転操作用の調整ねじの類も不要となって部品点数の最小限化に有利であるとともに、下側ガイドレール3と戸パネル1の下面との間に生じる隙間を利用して、スパナなどの工具で回転操作体43を現場にて容易に回転操作できる。
【0018】
ホルダ42と回転操作体43との間に、節度手段70が設けられていると、前後方向の位置調整がクリック感をもって過不足無く容易に行え、かつ調整後に戸パネル1の開閉衝撃などを受けても回転操作軸11が妄動回転をすることがないものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図面は本発明に係るランナユニットを引き戸に適用した実施例を示す。図1および図2において、符号1は木製の戸パネル(引き戸)であり、2は左右方向に延びる上側ガイドレールである。図6において、符号3は左右方向に延びる下側ガイドレールである。上側と下側のガイドレール2・3はいずれもアルミニウム型材からなる。
【0020】
図示例の上側ガイドレール2は、図2に示すごとく前後一対のレール部2a・2aを有し、各レール部2a・2aに前後の戸パネル1・1が近接する状態で吊り掛けられている。すなわち、各戸パネル1の両側端の上隅が、上側ガイドレール2に上側ランナユニットAで吊り掛け支持されている。そして各戸パネル1の両側端の下面側が、下側ガイドレール3に下側ランナユニットBで振れ止め状に支持されている。
【0021】
上側ランナユニットAは、上側ガイドレール2に走行自在に案内支持されるランナ本体5と、戸パネル1の両側端の上隅に装着されるランナ台6と、ランナ本体5とランナ台6とをつなぐ縦長のランナ軸7とからなる。
【0022】
図1ないし図3に示すごとくランナ本体5は、左右横長の四角形状に形成されたフラスチック製のランナブロック8の前後左右に4個のローラ9を軸支してなる。ランナブロック8の中央には、貫通孔10を上下貫通状に設け、この貫通孔10に回転操作軸11を上方から挿嵌して下方への抜け止めを図っている。その抜け止め手段として、ランナ本体5のランナブロック8の上面には、前記貫通孔10まわりに円形の凹部12が形成されており、回転操作軸11の上端外周に円形の鍔部13が形成されており、前記凹部12に前記鍔部13を嵌合して受け止めることにより、ランナ本体5に対する回転操作軸11の下方への抜け止めが図られている。
【0023】
回転操作軸11の下端部は、ランナブロック8の下面より下方に突出していて、この突出下端部が外周面を六角形などの角形に形成することで操作部15になるようにしてある。上側ガイドレール2内にランナ本体5がローラ9を介して走行自在に支持された状態において、回転操作軸11の下端の操作部15は、上側ガイドレール2の開口を介して該レール2の外側下方に臨んでいる。
【0024】
戸パネル1の両側端の上隅には、上面および外側方が開口する取付け穴16を形成してあり、この取付け穴16にホルダ17を介してランナ台6が装着される。ホルダ17は上面および外側方が開口しており、ビス19で取付け穴16に固定される。
【0025】
ランナ台6は、下面が開口するフラスチック成形品であり、ホルダ17にこれの横外側方から挿嵌されて上方への抜け止めが図られたうえで、ビス20にて取付け穴16に横外側方へは抜け止め状に固定される。
【0026】
ランナ本体5側には、戸パネル1の吊り位置をその前後厚み方向へ調整するための前後位置調整機構を備えており、ランナ台6の内部には、戸パネル1の吊り高さを調整するための上下高さ調整機機構を備えている。ランナ軸7は、上端側が前後位置調整機構を介してランナ本体5につながっており、下端側が上下高さ調整機機構を介してランナ台6につながっている。
【0027】
図1および図4において、前後位置調整機構は、ランナ本体5のランナブロック8に前述の要領で縦軸心まわりに回転操作可能に支持した先の回転操作軸11と、この回転操作軸11の回転中心から外れた偏心位置に配置される前記ランナ軸7とからなる。すなわち、回転操作軸11には、これの回転中心から外れた偏心位置に軸孔22を上下貫通状に設け、この軸孔22に下端側からランナ軸7を挿嵌し、ランナ軸7の上端にカシメ止めした止め金具23でランナ軸7の下方への抜け止めを図っている。
【0028】
スパナのような工具で操作部15を介して回転操作軸11をランナ軸7ごと回転操作すると、ランナ本体5のランナブロック8上で回転操作軸11は定点回転するのに対し、回転操作軸11上の偏心位置にあるランナ軸7は、前後方向に変位する。これにより、ランナ本体5に対してランナ台6が前後方向へ相対的に移動する。但し、ランナ本体5は上側ガイドレール2の定位置にあり、ランナ台6は戸パネル1側に固定されているので、上側ガイドレール2に対して戸パネル1の吊り位置をこれの前後厚み方向へ調整できることになる。
【0029】
ランナ本体5と回転操作軸11との間には、回転操作軸11を一定角度ずつ節度をもって順送りに回転操作し、かつ所定の回転位置に保持するための節度手段25を有する。図示例の節度手段25としては、図5に示すごとくランナブロック8の前記凹部12の外周の前後に左右一対のガイド壁26・26が溝27を介して立ち上げ形成され、回転操作軸11の前記鍔部13の外周に係合突部29が一定間隔置き(図示例では8等分点位置)に設けられており、各係合突部29が順送りで前記ガイド壁26・26間の前記溝27に嵌入係合するようになっている。すなわち、ランナ軸7を前後方向に±2mmの幅寸法で変位可能とする場合は、回転操作軸11を右または左に45°回転させる毎に係合突部29が溝27に係合してランナ軸7が1mmずつ変位するようになっている。
【0030】
かかる節度手段25を備えていると、回転操作軸11を一定角度ずつ過不足無しに回転操作でき、かつ戸パネル1の開閉に伴う外部衝撃などを受けても、回転操作軸11が不用意に妄動回転して調整後に戸パネル1が位置ずれするのをよく防止できるものとなる。
【0031】
ランナ台6内における上下高さ調整機構としては、図1に示すごとく軸30を中心にして揺動する揺動アーム31と、揺動アーム31の下部に支持した金属製の板ナットからなる雌ねじ体32と、雌ねじ体32を介して揺動アーム31を揺動操作する調整ビス33と、調整ビス33を抜け止め保持する止め金具35とからなり、揺動アーム31の二股状の上腕部36でランナ軸7の下端の受板37を上下操作する。すなわち、受板37の上面が上腕部36に当たることでランナ軸7の上動限界を規制している。軸30はランナ台6の前後壁に設けられた軸孔に支持されている。
【0032】
ランナ台6の横外側方からドライバで調整ビス33を回転操作すると、揺動アーム31が軸30まわりに揺動操作され、これでランナ軸7の上下高さを調整できる。このように、前後位置調整機構に加えて上下高さ調整機構を備えたランナユニットAによれば、戸パネル1を吊り込んだ状態のままで、吊り姿勢を前後および上下に調整できるので、戸パネル1や戸枠に寸法などのばらつきがある場合でも、両調整機構を調整操作するだけで適正に吊り込みを行うことができ、施工後のメンテナンスも容易となる。
【0033】
戸パネル1の両側端の下面には、戸パネルの前後方向の振れ止めを図って戸パネル1を下側ガイドレール3に沿って走行案内する下側ランナユニットBが設けられている。
【0034】
図6および図7において、下側ランナユニットBは、下端のガイド部40が下側ガイドレール3に走行案内される縦長のランナ軸41と、戸パネル1の下面に埋設状に固定される縦長筒状のホルダ42と、ホルダ42内に下方から挿嵌されて縦軸心まわりに回転操作可能な回転操作体43とからなり、回転操作体43の回転中心から外れた偏心位置に上下方向の軸孔45を設け、この軸孔45にランナ軸41が上下動自在に下方へは抜け止め状に支持されている。
【0035】
ランナ軸41の下端のガイド部40は、鍔部46付きのローラ47からなり、ランナ軸41の下端にランナ軸心まわりに回転自在に装着されている。下側ガイドレール3は、床面Fに埋設される浅底の断面U字形状に形成された溝本体49の開口上端にフランジ50を有する。戸パネル1を下側ガイドレール3に沿って走行させたとき、ガイド部40は、ローラ47が溝本体49内に嵌入して溝本体49の前後の対向内側面に接触して回転し、鍔部46がフランジ50の上面に後述する要領で常に押しつけられた状態で摺接する。
【0036】
ホルダ42は、縦長円筒状の縦筒51と、縦筒51の上面を塞ぐ上壁52と、縦筒51の下端外周に張り出し形成した鍔壁53とを有し、戸パネル1に設けた上下向きの取付け穴55にこれの開口下面側から圧入嵌合されて固定される。
【0037】
回転操作体43は、ブロック状の本体部56から円筒状の筒壁57と、この筒壁57内を仕切る仕切り壁59とをそれぞれ立ち上げ、筒壁57の上面を塞ぐ上壁60を有する。回転操作体43は、その筒壁57をホルダ42の縦筒51にこれの下方から挿嵌する。ホルダ42の上壁52の中央には係止口61を上下貫通状に設けてあり、回転操作体43の上壁60の中央には、係止片62を上向きに突設してあり、係止片62が係止口61に嵌入して係止している。これてホルダ42内に挿嵌した回転操作体43は、縦軸心まわりに回転自在であるが、係止口61と係止片62とで下方への抜け止めが図られている。
【0038】
先の軸孔45は、回転操作体43の本体部56に縦向きに設けてあり、筒壁57内の仕切り壁59で仕切られた中空内部63が、これより径小の軸孔45に通じている。ランナ軸41の上端には径大の抜け止め部65を有し、軸孔45にこれの下方から抜け止め部65が前記中空内部63に押し込まれて納まり、該中空内部63に装着した圧縮コイルばね66が抜け止め部65に弾発作用している。
【0039】
すなわち、回転操作体43に対してランナ軸41は、抜け止め部65で下方への抜け止めが図られながら上下動自在であって、圧縮コイルばね66で常に下向きに押圧付勢されている。この圧縮コイルばね66の押圧力を受けて、ランナ軸41の下端のガイド部40は、鍔部46が前記フランジ50で受け止められてローラ47が浅溝状の下側ガイドレール3に嵌入状態で走行案内される。
【0040】
ランナ軸41の縦軸心は、前記ガイド部40が下側ガイドレール3に対して前後に位置ずれしないように調整する必要がある。そのために、回転操作体43の本体部56の下端は、ホルダ42の下面より下方に突出していて、この突出下端が外周面を六角形などの角形に形成することで操作部67になるようにしてある。この操作部67は、ホルダ42と床面Fとの間にあって外部から操作可能である。
【0041】
従って、スパナのような工具で操作部67を介して回転操作体43をランナ軸41ごと回転操作すると、ホルダ42に支持された回転操作体43は定点回転するのに対し、回転操作体43上の偏心位置にあるランナ軸41は、これの軸心が前後方向に変位する。これにより、ランナ軸41の下端のガイド部40を下側ガイドレール3にこじれることなく走行案内できる。
【0042】
ホルダ42と回転操作体43との間には、回転操作体43を一定角度ずつ節度をもって順送りに回転操作し、かつ所定の回転位置に保持するための節度手段70を有する。図示例の節度手段70としては、図7に示すごとく回転操作体43の本体部56において、下端寄りの操作部67の上方外周に2個の係合突部71・71を対向位置に突設し、ホルダ42の鍔壁53の外周に円環状のガイド壁72を下向きに突設し、このガイド壁72にいくつかの図示例では12個の係合溝73を一定間隔置きに形成し、回転操作体43を回転することにより、前記係合突部71が係合溝73に乗り越え係合するようになっている。すなわち、回転操作体43を右または左に30°回転させる毎に、係合突部71が隣の係合溝73に順に係合してランナ軸41が0.6mmずつ段階的に変位するようになっている。
【0043】
かかる節度手段70を備えていると、回転操作体43を一定角度ずつ過不足無しに回転操作でき、かつ戸パネル1の開閉に伴う外部衝撃などを受けても、回転操作体43が不用意に妄動回転して調整後に戸パネル1が位置ずれするのをよく防止できるものとなる。
【0044】
上記の実施例以外に、吊車型の上側ランナユニットAと振れ止め用の下側ランナユニットBはそれぞれ折り戸に適用することができる。下側ランナユニットBのガイド部40は、必ずしもローラ47を備えている必要はない。上側ランナユニットAにおいて、回転操作軸11の下端にランナ軸7がねじなどで固定されていてもよく、要はランナ軸7が回転軸11に対して偏心していれば足りる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上側ランナユニットの組み付け状態を示す縦断正面図
【図2】上側ガイドレールを示す縦断側面図
【図3】上側ランナユニットの平面図
【図4】上側ランナユニットの斜視図
【図5】上側ランナユニットの拡大平面図
【図6】下側ランナユニットの縦断正面図
【図7】図6におけるP−P線断面図
【符号の説明】
1 戸パネル
2 上側ガイドレール
3 下側ガイドレール
5 ランナ本体
6 ランナ台
7 上側ランナユニットのランナ軸
8 ランナブロック
10 貫通孔
11 回転操作軸
15 上側ランナユニットの操作部
25 上側ランナユニットの節度手段
40 ランナ軸のガイド部
41 下側ランナユニットのランナ軸
42 ホルダ
43 回転操作体
67 下側ランナユニットの操作部
70 下側ランナユニットの節度手段
Claims (2)
- 左右方向に延びる上側ガイドレール(2)に走行自在に案内支持されるランナ本体(5)と、戸パネル(1)の上隅に装着されるランナ台(6)と、ランナ本体(5)とランナ台(6)とをつなぐランナ軸(7)とからなり、
ランナ本体(5)に設けた前後位置調整機構が、ランナ本体(5)のランナブロック(8)に設けた上下貫通状の貫通孔(10)に挿嵌されて回転操作可能に支持される回転操作軸(11)と、回転操作軸(11)の回転中心から外れた偏心位置に配置した前記ランナ軸(7)とからなり、
回転操作軸(11)の上端に形成した鍔部(13)を、ランナブロック(8)の上面に設けた円形の凹部(12)で受け止めて、回転操作軸(11)が下方へ抜け止めされており、
上側ガイドレール(2)の外側下方に臨む回転操作軸(11)の下端が、回転操作軸(11)を回転操作するための操作部(15)になっており、
ランナ本体(5)と回転操作軸(11)との間に、回転操作軸(11)を一定角度ずつ節度をもって順送りしながら所定の回転位置に保持する節度手段(25)が設けられており、
前記節度手段(25)が、ランナブロック(8)の前記凹部(12)の外周の前後に形成した左右一対のガイド壁(26・26)と、両ガイド壁(26・26)の間の溝(27)と、前記鍔部(13)の外周に一定間隔置きに設けた係合突部(29)とで構成されており、
前記係合突部(29)が前記溝(27)に順送りで嵌入係合して回転操作軸(11)を所定の回転位置に保持している戸パネル用のランナユニット。 - 左右方向に延びる下側ガイドレール(3)に下端のガイド部(40)が走行自在に案内されるランナ軸(41)と、戸パネル(1)の下面に埋設固定されるホルダ(42)と、ホルダ(42)内に下方から挿嵌されて縦軸心まわりに回転操作可能に支持される回転操作体(43)とからなり、
回転操作体(43)の回転中心から外れた偏心位置に設けた上下方向の軸穴(45)に、前記ランナ軸(41)の上端が上下動自在に支持されて、ランナ軸(41)がばね(66)で下向きに押圧付勢されており、
ホルダ(42)の下面から突出する回転操作体(43)の下端が、回転操作体(43)を回転操作するための操作部(67)になっており、
ホルダ(42)と回転操作体(43)との間に、回転操作体(43)を一定角度ずつ節度をもって順送りしながら所定の回転位置に保持する節度手段(70)が設けられており、
前記節度手段(70)が、操作部(67)の上方外周の対向位置に突設した係合突部(71・71)と、ホルダ(42)の鍔壁(53)の外周に下向きに突設した円環状のガイド壁(72)と、ガイド壁(72)に一定間隔置きに形成した係合溝(73)とで構成されており、
前記係合突部(71・71)が前記係合溝(73)と順に係合して、回転操作体(43)を所定の回転位置に保持する戸パネル用のランナユニット。
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