JPH071251U - 引き戸の下部振れ止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 引き戸の移動始端部と移動終端部とが位置す
る戸口の下壁部にガイドローラを設け、このガイドロー
ラを引き戸の下部に設けた振れ止めレールに係合させる
ことにより、引き戸の下部の横振れを防止しながら戸口
部での通行を円滑にかつ戸口の通路部の外観をよくす
る。 【構成】 引き戸３の上桟に設けた吊りローラを戸口の
上壁部に固定したレールに転動可能に係止し、引き戸の
下部に該引き戸の移動方向に延びる振れ止めレール１０
を設け、引き戸の移動始端部と移動終端部とが位置する
戸口の下壁部にガイドローラ１１を設けるとともに、該
ガイドローラを前記振れ止めレールの両側に転動可能に
接触させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、引き戸の下部が横振れするのを防止する引き戸の下部振れ止め装置 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術として図６および図７に示すものがあった。図６において、１は壁 に固定された戸口の枠体であり、その左右両側に一対の固定戸２を移動不能に嵌 合固定し、該固定戸２の正面側（図６において下部）に引き戸３を左右方向移動 可能に嵌合支持する。即ち、図７に示すように、引き戸３の上桟３ａの移動方向 両端部にブラケット４を上方に向けて突出固定し、これら各ブラケット４の左側 （固定戸２側）に吊りローラ５を水平軸心を中心として回転自在に取付け、これ ら各吊りローラ５を枠体１の上桟に設けたレール６に転動可能に載置する。

【０００３】 上記引き戸３の下桟３ｂの移動方向両端部に振れ止めピン７を下方に向けて突 出固定し、また枠体１の下桟の長手方向全域に上面が開口する細長い溝形のガイ ドレール８を取付ける。そして上記ガイドレール８に引き戸３の各振れ止めピン ７を摺動可能に嵌合させ、ガイドレール８により振れ止めピン７を介して引き戸 ３の下部が横振れつまり移動方向と直交する方向に揺動するのを防止する。なお ２ａ，３ｃは固定戸２および引き戸３に取り付けた板ガラスである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のものは、溝形のガイドレール８が戸口部の通路を縦断していたので 、ガイドレール８内に塵埃が浸入して振れ止めピン７の摺動を阻害し、引き戸３ が円滑に作動しなくなる欠点があった。また戸口部を通過する際に車輪が上記ガ イドレール８に嵌まって通行が困難になったり、外観を損ねたりする欠点があっ た。本考案は上記欠点を解消した新規な引き戸の下部振れ止め装置を得ることを 目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために、以下の如く構成したものである。即ち 、引き戸の上桟に吊りローラを設け、該吊りローラを戸口の上壁部に固定したレ ールに転動可能に係止し、前記引き戸の下部に該引き戸の移動方向に延びる振れ 止めレールを設け、前記引き戸の移動始端部と移動終端部とが位置する戸口の下 壁部にガイドローラを上方に突出させて設けるとともに、該ガイドローラを前記 振れ止めレールの両側に転動可能に接触させる構成にしたものである。

【０００６】

【作用】

本考案は上記構成にしたものであるから、引き戸はその上部が吊りガイドロー ラとレールとによって、また下部が振れ止めレールとガイドローラとによって開 閉方向に移動可能にかつ該開閉方向と直交する方向に移動不能に係止されること になる。また上記ガイドローラは引き戸が開閉する戸口の通路部に露出しなくな る。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図面において、図１は本考案 の実施例を示す開作動時の概略平断面図、図２はその閉作動時の概略平断面図、 図３は図２のIII−III断面図、図４は図３のIV−IV断面図、図５は図４のV−V断 面図である。図１および図２において、１は壁に固定された戸口の枠体、２は枠 体１の左右両側に移動不能に嵌合固定した固定戸、３は固定戸の正面側で上記枠 体１に左右方向移動可能に嵌合させた引き戸であり、これらは前述した従来と略 同構造となっている。

【０００８】 上記引き戸３の下桟３ｂの下面全域に、図３および図４に示すように、該引き 戸３の移動方向に延びかつ下面が開口した逆溝形の振れ止めレール１０を固定す る。また、上記引き戸３の移動始端部アと移動終端部イ（図１、図２）との間に 対応する枠体１の下桟１ａにガイドローラ１１（１１ａ〜１１ｄ）を上方に突出 させて取付ける。即ち図３〜図５に示すように、上記下桟１ａの上面に箱形のブ ラケット１２を小ねじ１３により固定し、このブラケット１２の中心部に軸１４ を上下方向に向けて嵌挿し、その上端部に長方形状の支持板１５をその中心部で 締付け固定する。この支持板１５の長手方向両端部（図４において左右両端部） に、図５に示すように４個のガイドローラ１１ａ，１１ｂ、１１ｃ，１１ｄを鉛 直軸心を中心として回転自在に取り付ける。

【０００９】 上記ガイドローラ１１ａ〜１１ｄは、引き戸３の開口時における通路側の縦桟 ３ｄの外端（引き戸３の移動始端部ア）と固定戸２の通路（戸口）側の縦桟２ｂ の内端（引き戸３の移動終端部イ）との間隔Ｌ（図１）内に位置させるとともに 、該ガイドローラ１１ａ〜１１ｄの左右方向（引き戸３の移動方向）のピッチＰ （図４）を上記間隔Ｌと略対応させる。本例では上記間隔Ｌを１００mm、上記ピ ッチＰを８５mmとする。

【０００１０】 上記各ガイドローラ１１ａ〜１１ｄは前述した振れ止めレール１０内に収容し てその両側内面に接触させる。また図５に示すように上記軸１４の上下方向中間 部に作動板１６をブラケット１２内にてその長手方向に向けて突出固定し、この 作動板１６にブラケット１２の幅方向から嵌挿した調節ねじ１７に螺合させ、該 調節ねじ１７を正逆回転させることにより、軸１４を介して支持板１５を所定方 向に回動させてガイドローラ１１ａ〜１１ｄの振れ止めレール１０の内面への接 触力を調節し、該ガイドローラ１１ａ〜１１ｄにより振れ止めレール１０を介し て引き戸３の下部が横振れつまり移動方向と直交する方向に揺動するのを防止す る。なお図１〜図５において図６および図７と同符号の部分は、該図６および図 ７と同構造となっている。

【０００１１】 上記実施例によれば、引き戸３はその上部が従来と同様に吊りローラ５とレー ル６とによって開閉方向に移動可能にかつ該開閉方向と直交する方向に揺動（横 振れ）不能に係止されることになる。また引き戸３の下部は触れ止めレール１０ とガイドローラ１１とによって開閉方向に移動可能にかつ該開閉方向と直交する 方向に揺動（横振れ）不能に係止されることになる。この場合、上記ガイドロー ラ１１は、引き戸３移動始端部（ア）と移動終端部（イ）との間隔Ｌ内に位置し ているので、引き戸３が開閉する戸口の通路部に露出しなくなり、該戸口の通路 部は平滑面となる。また上記ガイドローラ１１は、その左右方向（引き戸３の移 動方向）のピッチＰを上記間隔Ｌと略対応させて長手方向の二点で引き戸３の下 部を係止するようにしたので、図２に示すように引き戸３が閉じられた場合であ っても、これの横振れを確実に阻止することになる。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな如く、本考案によれば、戸口の通路部に引き戸を案内 するガイドレールが存在しなくなるので、引き戸が常に円滑に作動するとともに 戸口の通路部の外観がよくなり、また戸口部での通行が円滑になる等の効果を奏 する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す開作動時の概略平断面図
である。

【図２】図１の閉作動時の概略平断面図である。

【図３】図２のIII−III断面図である。

【図４】図３のIV−IV断面図である。

【図５】図４のV−V断面図である。

【図６】従来例を示す開作動時の概略平断面図である。

【図７】図６のVII−VII断面図である。

【符号の説明】

１ 枠体 １ａ 下桟 ２ 固定戸 ２ａ 板ガラス ２ｂ 縦桟 ３ 引き戸 ３ａ 上桟 ３ｂ 下桟 ３ｃ 板ガラス ３ｄ 縦桟 ４ ブラケット ５ 吊りローラ ６ レール １０ 振れ止めレール １１ ガイドローラ １２ ブラケット １３ 小ねじ １４ 軸 １５ 支持板 １６ 作動板 １７ 調節ねじ （ア） 引き戸の移動始端部 （イ） 引き戸の移動終端部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 引き戸の上桟に吊りローラを設け、該吊
   りローラを戸口の上壁部に固定したレールに転動可能に
   係止し、前記引き戸の下部に該引き戸の移動方向に延び
   る振れ止めレールを設け、前記引き戸の移動始端部と移
   動終端部とが位置する戸口の下壁部にガイドローラを上
   方に突出させて設けるとともに、該ガイドローラを前記
   振れ止めレールの両側に転動可能に接触させたことを特
   徴とする引き戸の下部振れ止め装置。