JP2005001380A - 金属張積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも1のポリイミド層、少なくとも1層の絶縁性基材、および、少なくとも1層の金属層を含む金属張積層体であって、該ポリイミド層が、特定の化学構造式で示される繰り返し単位を有するポリイミドからなることを特徴とする金属張積層体。
【選択図】 無
Description
すなわち本発明は、少なくとも1のポリイミド層、少なくとも1層の絶縁性基材、および、少なくとも1層の金属層を含む金属張積層体であって、該ポリイミド層が、一般式Iで示される繰り返し単位を有するポリイミドからなることを特徴とする金属張積層体を提供する。
(式中、Rはシクロヘキサンから誘導される4価の基である。Φは炭素数2〜39の2価の脂肪族基、脂環族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせからなる基であり、Φの主鎖には−O−、−SO2−、−CO−、−CH2−、−C(CH3)2−、−OSi(CH3)2−、−C2H4O−、および、―S―からなる群から選ばれた少なくとも1の基が介在していてもよい。)
ポリイミド層は、前記ポリイミド(以下、“ポリイミドA”と称することがある)の有機溶剤溶液を絶縁性基材、金属層、または、その双方の表面上に塗布し、溶剤を蒸発させることにより形成される。また、ポリイミドAからなるポリイミドフィルムを、本発明におけるポリイミド層とすることもできる。
ポリイミドAのガラス転移温度は350℃以下であり、10GHzにおける誘電率は3.2以下であることが好ましい。
式中、Rはシクロヘキサンから誘導される4価の基である。Φは炭素数2〜39の2価の脂肪族基、脂環族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせからなる基であり、Φの主鎖には−O−、−SO2−、−CO−、−CH2−、−C(CH3)2−、−OSi(CH3)2−、−C2H4O−、―S―などが介在していてもよい。
(i)ジアミン系成分の有機溶剤溶液にテトラカルボン酸成分を添加、あるいは、テトラカルボン酸成分の有機溶剤溶液にジアミン系成分を添加し、好ましくは80℃以下、特に室温付近ないしそれ以下の温度に0.5〜3時間保つ。得られた反応中間体のポリアミド酸溶液にトルエンあるいはキシレンなどの共沸脱水溶剤を添加して、生成水を共沸により系外へ除きつつ脱水反応を行い、ポリイミドAの有機溶剤溶液を得る。
(ii)反応中間体のポリアミド酸溶液に無水酢酸などの脱水剤を加えてイミド化した後、メタノールなどのポリイミドAに対する溶解能が乏しい溶剤を添加して、ポリイミドAを沈殿させる。ろ過・洗浄・乾燥により固体として分離した後、N,N−ジメチルアセトアミドなどの溶剤に溶解してポリイミドAの有機溶剤溶液を得る。
(iii)クレゾールなどの高沸点溶剤を用いてポリアミド酸溶液を調製し、そのまま150〜220℃に3〜12時間保ってポリイミド化させた後、メタノールなどのポリイミドAに対する溶解能が乏しい溶剤を添加して、ポリイミドAを沈殿させる。ろ過・洗浄・乾燥により固体として分離した後、N,N−ジメチルアセトアミドなどの溶剤に溶解してポリイミドAの有機溶剤溶液を得る。
また、ポリイミドAの有機溶剤溶液は、一般のカバーレイフィルムの接着剤としても使用可能である。この場合、該カバーレイフィルムの表面にポリイミドAの有機溶剤溶液を塗布し、溶剤を除去して接着層を形成させた後、加熱プレス成形機を用いて、回路パターンを作成したプリント配線板に熱圧着し金属張積層体を製造できる。
ポリイミドAの有機溶剤溶液は、カバーコート剤としても用いることができる。回路パターンを作成した後のプリント配線板の回路面に、該溶液を塗布した後、100℃〜350℃に加熱して溶剤を蒸発させることにより、回路面にポリイミドAの皮膜(カバーコート層)を形成することにより金属張積層体を製造できる。この方法により充分な厚み、可とう性、さらに回路面と良好な密着性を有するカバーコート層を形成することができる。
(1)誘電率、誘電正接
(株)関東電子応用開発製の誘電率誘電正接測定装置(CP431/461/501//531)を用い、空洞共振器摂動法にて誘電率、誘電正接を測定した。
(2)ガラス転移温度
島津製作所製の示差走査熱量計装置(DSC−50)を用い、昇温速度10℃/minの条件でDSC測定を行い、ガラス転移温度を求めた。
(3)接着強度
JIS C 6481に準拠して接着強度を測定した。
1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物の合成
内容積5リットルのハステロイ製(HC22)オートクレーブにピロメリット酸552g、活性炭にロジウムを担持させた触媒(エヌ・イーケムキャット株式会社製)200g、水1656gを仕込み、攪拌をしながら反応器内を窒素ガスで置換した。次に水素ガスで反応器内を置換し、反応器の水素圧を5.0MPaとして60℃まで昇温した。水素圧を5.0MPaに保ちながら2時間反応させた。反応器内の水素ガスを窒素ガスで置換し、反応液をオートクレーブより抜き出し、この反応液を熱時濾過して触媒を分離した。濾過液をロータリーエバポレーターで減圧下に水を蒸発させて濃縮し、結晶を析出させた。析出した結晶を室温で固液分離し、乾燥して1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸481g(収率85.0%)を得た。
続いて、得られた1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸450gと無水酢酸4000gとを、5リットルのガラス製セパラブルフラスコ(ジムロート冷却管付)に仕込み、攪拌しながら反応器内を窒素ガスで置換した。窒素ガス雰囲気下で溶媒の還流温度まで昇温し、10分間溶媒を還流させた。攪拌しながら室温まで冷却し、結晶を析出させた。析出した結晶を固液分離し、乾燥して一次結晶を得た。更に分離母液をロータリーエバポレーターで減圧下に濃縮し、結晶を析出させた。この結晶を固液分離し、乾燥して二次結晶を得た。一次結晶、二次結晶を合わせて1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物375gが得られた(無水化の収率96.6%)。
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えた500mL5つ口フラスコに、窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル10.0g(0.05モル)と、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン85gを仕込んで溶解させた後、室温にて参考例で合成した1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物11.2g(0.05モル)を固体のまま1時間かけて分割投入し、室温下2時間撹拌した。次に共沸脱水溶剤としてキシレン30.0gを添加して180℃に昇温して3時間反応を行い、ディーンスタークでキシレンを還流させて、共沸してくる生成水を分離した。3時間後、水の留出が終わったことを確認し、1時間かけて190℃に昇温しながらキシレンを留去し29.0gを回収した後、内温が60℃になるまで空冷してポリイミドの有機溶剤溶液を得た。得られた溶液をガラス板に塗布し、90℃のホットプレート上で1時間加熱して溶剤を蒸発させた後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜をステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥器中220℃で2時間加熱して溶剤をさらに蒸発させ、薄茶色のフレキシブルな膜厚100μmのフィルムを得た。このフィルムのIRスペクトルを測定したところ、ν(C=O)1772、1700(cm−1)にイミド環の特性吸収が認められ、下記式IIの繰り返し単位を有するポリイミドであると同定された。
得られたフィルムのガラス転移温度、誘電率、誘電正接を表1、2に示す。
上記ポリイミドの有機溶剤溶液を市販のポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製、カプトン100H、厚さ25μm、以下、“カプトン100Hフィルム”と略称する)上にドクターブレードを用いて200μmの厚さに塗布した。90℃のホットプレート上で1時間乾燥後、さらに熱風乾燥器中220℃で1時間乾燥させ、厚さ20μmの接着層を形成した。この接着層に、電解銅箔(三井金属鉱業(株)製3EC−VLP、厚さ18μm、以下、“銅箔3EC−VLP”と略称する)を330℃に設定した熱プレスで30分熱圧着して銅張積層体を得た。接着強度を表1に示す。接着性は良好であった。
実施例1と同じ500mlの5つ口のフラスコに、参考例で合成した1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物11.2g(0.05モル)と溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン40.0gを仕込んで溶解させ、室温下、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン10.5g(0.05モル)を45.0gのジメチルアセトアミドに溶解した溶液を滴下ロートより2時間かけて滴下した。滴下終了後90℃に昇温し、1時間撹拌した。次に共沸脱水溶剤としてキシレン30.0gを添加して180℃に昇温して3時間反応を行い、ディーンスタークでキシレンを還流させて、共沸してくる生成水を分離した。3時間後、水の留出が終わったことを確認し、1時間かけて190℃に昇温しながらキシレンを留去し30.0gを回収した後、内温が60℃になるまで空冷してポリイミドの有機溶剤溶液を得た。得られた溶液をガラス板に塗布し、90℃のホットプレート上で1時間加熱して溶剤を蒸発させた後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜をステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥器中220℃で2時間加熱して溶剤をさらに蒸発させ、無色透明でフレキシブルな膜厚100μmのフィルムを得た。このフィルムのIRスペクトルを測定したところ、ν(C=O)1764、1691(cm−1)にイミド環の特性吸収が認められ、式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドであると同定された。
得られたフィルムのガラス転移温度、誘電率、誘電正接を表1、2に示す。
上記ポリイミドの有機溶剤溶液を銅箔3EC−VLP上にドクターブレードを用いて200μmの厚さに塗布した。90℃のホットプレート上で1時間乾燥後、さらに熱風乾燥器中220℃で1時間乾燥させ、厚さ20μmの接着層を形成した。この接着層に、カプトン100Hフィルムを280℃に設定した熱プレスで30分熱圧着して銅張積層体を得た。接着強度を表1に示す。接着性は良好であった。
実施例1と同じ500mlの5つ口のフラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル10.0g(0.05モル)と溶剤としてジメチルアセトアミド85.0gを仕込んで溶解させ、窒素気流下室温にてピロメリット酸二無水物10.9g(0.05モル)を固体のまま約1時間かけて添加し、添加終了後室温下3時間撹拌し、ポリアミド酸接着剤溶液を得た。
得られた接着剤溶液をガラス板に塗布し、50℃のホットプレート上で1時間乾燥後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜をステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥機中、100℃で3時間、200℃で3時間、250℃で2時間、300℃で1時間、さらに400℃で1時間加熱して溶剤を蒸発させ、褐色でフレキシブルな膜厚50μmのフィルムを得た。得られたフィルムのガラス転移温度、誘電率、誘電正接を表1に示す。
上記ポリアミド酸接着剤溶液をカプトン100Hフィルム上にドクターブレードを用いて200μmの厚さに塗布した。50℃のホットプレート上で1時間乾燥後、熱風乾燥機中、100℃で3時間、200℃で3時間、250℃で2時間、300℃で1時間、さらに400℃で1時間加熱してイミド化処理を行い、厚さ15μmの接着層を形成した。この接着層に、銅箔3EC−VLPを350℃に設定した熱プレスで30分熱圧着して、銅張積層体を得た。接着強度を表1に示す。接着強度は不充分であった。
使用ポリイミドフィルム:東レ・デュポン株式会社製、カプトン100H(厚さ25μm)
CTDA:1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
DCHM:4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン
実施例2で得られたポリイミドの有機溶剤溶液をカプトン100Hフィルム上にドクターブレードを用いて200μmの厚さに塗布した。90℃のホットプレート上で1時間乾燥後、さらに熱風乾燥器中220℃で1時間乾燥させて、厚さ20μmの接着層を形成した。この接着層を有するカプトン100Hフィルムを接着性カバーレイフィルムとして用い、銅層/ポリイミド系フィルムからなる2層型フレキシブルプリント配線板(東洋紡績(株)製バイロフレックス)の回路面に接着層を介して重ね合わせ、280℃に設定した熱プレスで30分熱圧着した。カバーレイフィルムを有する銅張積層体は充分な可とう性を示し、さらに、回路面とカバーレイフィルムの密着性も良好であった。
実施例1で得られたポリイミドの有機溶剤溶液をガラス板に塗布し、90℃のホットプレート上で1時間加熱して溶剤を蒸発させた後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜を、ステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥器中220℃で2時間加熱して溶剤を蒸発させ、薄茶色のフレキシブルな膜厚30μmの接着性ポリイミドフィルムを得た。得られた接着性ポリイミドフィルムを銅箔3EC−VLPとカプトン100Hフィルムの間に挟み、330℃に設定した熱プレスで30分熱圧着して、フレキシブル銅張積層体を得た。フレキシブル銅張積層体の接着強度を表3に示す。
比較例1で得られたポリアミド酸接着剤溶液をガラス板に塗布し、90℃のホットプレート上で1時間加熱して溶剤を蒸発させた後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜を、ステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥機中、100℃で3時間、200℃で3時間、250℃で2時間、300℃で1時間、さらに400℃で1時間加熱して溶剤を蒸発させ、褐色でフレキシブルな膜厚30μmの接着性ポリイミドフィルムを得た。得られた接着性ポリイミドフィルムを銅箔3EC−VLPとカプトン100Hフィルムの間に挟み、330℃に設定した熱プレスで30分熱圧着して、フレキシブル銅張積層体を得た。フレキシブル銅張積層体の接着強度を表3に示す。
使用ポリイミドフィルム:東レ・デュポン株式会社製、カプトン100H(厚さ25μm)
CTDA:1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
実施例2で得られたポリイミドの有機溶剤溶液をガラス板に塗布し、90℃のホットプレート上で1時間加熱して溶剤を蒸発させた後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜を、ステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥器中220℃で2時間加熱して溶剤を蒸発させ、無色透明でフレキシブルな膜厚30μmの接着性ポリイミドフィルムを得た。得られた接着性ポリイミドフィルムを接着性カバーレイフィルムとして用い、銅層/ポリイミド系フィルムからなる2層型フレキシブルプリント配線板(バイロフレックス)の回路面に、280℃に設定した熱プレスで30分熱圧着した。カバーレイフィルムを有する銅張積層体は充分な可とう性を示し、さらに、回路面とカバーレイフィルムの密着性も良好であった。
実施例1で得られたポリイミドの有機溶剤溶液をガラス板に塗布し、90℃のホットプレート上で1時間加熱して溶剤を蒸発させた後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜をステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥器中220℃で2時間加熱して溶剤を蒸発させ、無色透明でフレキシブルな膜厚30μmの接着性ポリイミドフィルムを得た。得られた接着性ポリイミドフィルムを接着性カバーレイフィルムとして用い、銅層/ポリイミド系フィルムからなる2層型フレキシブルプリント配線板(バイロフレックス)の回路面に、330℃に設定した熱プレスで30分熱圧着した。カバーレイフィルムを有する銅張積層体は充分な可とう性を示し、さらに、回路面とカバーレイフィルムの密着性も良好であった。
実施例1で得られたポリイミドの有機溶剤溶液をカバーコート剤として、銅層/ポリイミド系フィルムからなる2層型フレキシブルプリント配線板(バイロフレックス)の回路面上にドクターブレードを用いて200μmの厚さに塗布した。90℃のホットプレート上で1時間乾燥後、さらに熱風乾燥器中220℃で1時間乾燥させ、厚さ30μmのカバーコート層を形成した。カバーコート層は充分な可とう性を示し、さらにプリント配線板との密着性も良好であった。
実施例2で得られたポリイミドの有機溶剤溶液をカバーコート剤として銅層/ポリイミド系フィルムからなる2層型フレキシブルプリント配線板(バイロフレックス)の回路面上にドクターブレードを用いて200μmの厚さに塗布した。90℃のホットプレート上で1時間乾燥後、さらに熱風乾燥器中220℃で1時間乾燥させ、厚さ30μmのカバーコート層を形成した。カバーコート層は充分な可とう性を示し、さらにプリント配線板との密着性も良好であった。
比較例1で得られたポリアミド酸接着剤溶液をカバーコート剤として、銅層/ポリイミド系フィルムからなる2層型フレキシブルプリント配線板(バイロフレックス)の回路面上にドクターブレードを用いて200μmの厚さに塗布した。50℃のホットプレート上で1時間乾燥後、さらに熱風乾燥機中、100℃で3時間、200℃で3時間、250℃で2時間、300℃で1時間、さらに400℃で1時間の加熱してイミド化処理を行い、カバーコート層を形成した。カバーコート層はプリント配線板と密着せず、強度は不充分であった。
比較例1で得られたポリアミド酸接着剤溶液をガラス板に塗布し、90℃のホットプレート上で1時間加熱して溶剤を蒸発させた後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜をステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥機中、100℃で3時間、200℃で3時間、250℃で2時間、300℃で1時間、さらに400℃で1時間加熱して溶剤を蒸発させ、褐色でフレキシブルな膜厚30μmの接着性ポリイミドフィルムを得た。得られた接着性ポリイミドフィルムを接着性カバーレイフィルムとして用い、銅層/ポリイミド系フィルムからなる2層型フレキシブルプリント配線板(バイロフレックス)の回路面に、280℃に設定した熱プレスで30分熱圧着した。カバーレイフィルムはプリント配線板と密着せず、強度は不充分であった。
実施例4で得られた接着性ポリイミドフィルムを、ガラス布基材のエポキシ樹脂リジッドプリント配線板(富士通インターコネクトテクノロジーズ(株)製、NEMA:FR−4)の回路面と、銅層/ポリイミド系フィルムからなる2層型フレキシブルプリント配線板(バイロフレックス)の回路面との間に挟み、330℃に設定した熱プレスで30分熱圧着して、フレキシブルリジッド銅張積層体を得た。このフレキシブルリジッド銅張積層体には気泡などの非接着部が無く接着状態は良好であった。
実施例1で得られたポリイミドの有機溶剤溶液をカバーコート剤として、ガラス布基材のエポキシ樹脂リジッドプリント配線板(NEMA:FR−4)の回路面上にドクターブレードを用いて200μmの厚さに塗布した。90℃のホットプレート上で1時間乾燥後、さらに熱風乾燥器中220℃で1時間乾燥させ、厚さ30μmのカバーコート層を形成した。カバーコート層とプリント配線板との密着性は良好であった。
実施例1で得られたポリイミドの有機溶剤溶液をガラス板に塗布し、90℃のホットプレート上で1時間加熱して溶剤を蒸発させた後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜をステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥器中220℃で2時間加熱して溶剤を蒸発させ、薄茶色のフレキシブルな膜厚30μmの接着性ポリイミドフィルムを2枚得た。得られた接着性ポリイミドフィルムをカバーレイフィルムとして用い、銅層/ポリイミド系フィルムからなる2層型両面フレキシブルプリント配線板(バイロフレックス)の両回路面に、330℃に設定した熱プレスで30分熱圧着して、銅張積層体を得た。この銅張積層体は充分な可とう性を示し、さらに、プリント配線板の回路面とカバーレイフィルムの密着性も良好であった。
得られたカバーレイ付き銅貼り積層体の両面に、スクリーン印刷法によりアクリル系レジストを塗布し、パターン露光、現像してレジストパターンを形成した。次にこの積層体を80℃のN−メチル−2−ピロリドン浴に10分間浸漬した後に、取り出して水洗した。次に積層体を40℃の水系レジスト剥離液浴に10分間浸漬した後に、取り出して水洗した。このウエットエッチングによりカバーレイの非マスク領域が良好な形状で除去されていた。
実施例2で得られたポリイミド溶液をガラス板に塗布し、90℃のホットプレート上で1時間加熱して溶剤を蒸発させた後、ガラス板から剥がして自立膜を得た。この自立膜をステンレス製の固定治具に固定して熱風乾燥器中220℃で1時間加熱して溶剤をさらに蒸発させ、無色透明でフレキシブルな膜厚30μmの接着性ポリイミドフィルムを得た。次に、得られたポリイミドフィルムを5mol/Lのヒドラジン、1mol/Lの水酸化ナトリウムを含む水溶液に25℃にて1分間浸漬し、水洗した。このフィルムを乾燥後、高周波スパッタ装置に入れ、Arガス存在下、0.1Pa、基板温度100℃、電力密度60kW/m2、印加電圧2kVにて20分間銅をスパッタリングし、ポリイミドフィルム上に厚み0.6μmの銅薄膜を形成させた。
さらに、この銅薄膜つきポリイミドフィルムを硫酸銅を100g/L、98%硫酸を120g/L含む水溶液からなる銅めっき浴に浸漬し、1A/dm2の電流密度で、25℃で20分間電気めっきを行った。フィルム上に形成されたスパッタリング銅膜と電気銅めっき膜の合計の厚みは8μmであった。
この様にして得られたポリイミド層/銅層の積層体のポリイミド面に、カプトン100Hフィルムを重ね合わせた上で、280℃に設定した熱プレスで30分熱圧着して銅張積層体を得た。ポリイミド層とカプトンフィルムの接着強度は1.43kgf/cm2であり、接着性は良好であった。
Claims (15)
- 前記ポリイミド層が、前記絶縁性基材、前記金属層、または、その双方の表面上に形成されていることを特徴とする請求項1記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層が、前記絶縁性基材と前記金属層の間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層が、前記ポリイミドの有機溶剤溶液を前記絶縁性基材、前記金属層、または、その双方の表面に塗布し、溶剤を蒸発させることにより形成された接着層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層が、前記ポリイミドからなる接着性ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層が、前記金属張積層体の表面層であることを特徴とする請求項1または2記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層が、前記ポリイミドの有機溶剤溶液を塗布し、溶剤を蒸発させることにより形成されたカバーコート層であることを特徴とする請求項6記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層が、前記ポリイミドからなるカバーレイフィルムであることを特徴とする請求項6記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層が、非プロトン性極性有機溶媒をエッチャントとして用いたウェットエッチング法によりパターン化されていることを特徴とする請求項6記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層が、前記絶縁性基材と前記金属層の間に配置されており、かつ、前記ポリイミドの有機溶剤溶液を塗布し、溶剤を蒸発させることにより形成された接着層、または、前記ポリイミドからなる接着性ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層が、前記絶縁性基材と前記金属層からなるプリント配線板の回路面および/または非回路面上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層の上に、絶縁性基材がさらに配置されていることを特徴とする請求項11記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミド層の上に、プリント配線板がさらに配置されていることを特徴とする請求項11記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミドのガラス転移温度が350℃以下であることを特徴とする請求項1記載の金属張積層体。
- 前記ポリイミドの10GHzにおける誘電率が3.2以下であることを特徴とする請求項1記載の金属張積層体。
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