JP2007137050A - 金属箔張積層板およびその製造方法 - Google Patents

金属箔張積層板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
耐熱性が高く、また、紫外光領域、並びに、可視光領域において、光反射率が高く、更に、加熱処理や光照射処理による光反射率の低下が少ない、LED実装用プリント配線板に用いる金属箔張積層板の提供。
【解決手段】
熱硬化性樹脂組成物と基材からなる熱硬化性樹脂組成物層に金属箔が接着された金属箔張積層板において、該金属箔の接着層が、特定のポリイミド樹脂層であり、該熱硬化性樹脂組成物が、二酸化チタンを含有する熱硬化性樹脂組成物である金属箔張積層板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)実装用プリント配線板に用いられる金属箔張積層板およびその製造方法に関するものである。本発明で得られる金属箔張積層板を用いた、LED実装用プリント配線板は、耐熱性が高く、また、紫外光領域並びに可視光領域において光反射率が高く、更に、加熱処理や光照射処理による光反射率の低下が少ない特徴を有する。
従来、LED実装用プリント配線板としては、二酸化チタンを含有したエポキシ樹脂をガラス織布に含浸させた後、加熱硬化させた積層板(例えば特許文献1参照)や、二酸化チタンに加えて、アルミナを含有したエポキシ樹脂を用いた積層板(例えば特許文献2参照)
等が知られている。これら従来技術によるエポキシ樹脂積層板は、積層板段階での反射率は、概ね満足できるレベルではあるが、プリント配線板の製造工程やLED実装工程における加熱処理や、或いはLED実装後の使用時における加熱や光照射によって、反射率の低下が大きくなることや、積層板の耐熱性が低いこともあり、LED実装後の使用時における発熱による変形が発生し、チップLEDとも呼ばれる発光素子として使用される場合に信頼性の低下が懸念されており、更なる改善が必要であった。
特開平10−202789号公報 特開2003−60321号公報
本発明の目的は、上記したような課題を解決する、耐熱性が高く、また、紫外光領域、並びに、可視光領域において、光反射率が高く、更に、加熱処理や光照射処理による光反射率の低下が少ない、LED実装用プリント配線板に用いる金属箔張積層板を提供することにある。
本発明者らは、かかる問題点の解決のため種々検討した結果、金属箔張積層板において、金属箔の接着層に、特定のポリイミド樹脂層を使用し、二酸化チタンを含有する熱硬化性樹脂組成物層と組み合わせることにより、耐熱性が高く、紫外光領域、並びに、可視光領域において、光反射率が高く、また、加熱処理や光照射処理による光反射率の低下が少ない、LED実装用プリント配線板が得られることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、熱硬化性樹脂組成物と基材からなる熱硬化性樹脂組成物層に金属箔が接着された金属箔張積層板において、該金属箔の接着層が、式(1)で表される繰り返し単位、又は、式(1)で表される繰り返し単位と式(2)で表される繰り返し単位からなり、前記式(1)の繰り返し単位の割合が全繰り返し単位の50モル%以上であるポリイミド樹脂層であり、該熱硬化性樹脂組成物が、二酸化チタンを含有する熱硬化性樹脂組成物である金属箔張積層板であり、好ましくは、該ポリイミド樹脂層の厚みが 1〜10μmであり、該二酸化チタンの含有量が、熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分100重量部に対して、10〜100重量部である金属箔張積層板であり、より好ましくは、該熱硬化性樹脂組成物が、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物であり、シアン酸エステル化合物及び/または酸無水物を含有する熱硬化性樹脂組成物であり、更に好ましくは、該金属箔張積層板が、金属箔の片面に該ポリイミド樹脂層を形成した樹脂複合金属箔と、該熱硬化性樹脂組成物と基材からなるプリプレグとを組み合わせ、加熱・加圧下に積層成形してなるものである金属箔張積層板の製造方法である。
Figure 2007137050
(1)
Figure 2007137050
(2)
本発明で得られる金属箔張積層板は、耐熱性が高く、紫外光領域、並びに、可視光領域において、光反射率が高く、また、加熱処理や光照射処理による光反射率の低下が少ないことから、LED実装用プリント配線板等に好適に使用される。
本発明の金属箔張積層板におけるポリイミド樹脂層に使用されるポリイミド樹脂(以下、適宜、ポリイミドAと表す)は、下記式(1):
Figure 2007137050
(1)

で表される繰り返し単位、又は上記式(1)で表される繰り返し単位と下記式(2):
Figure 2007137050
(2)
で表される繰り返し単位からなり、式(1)で表される繰り返し単位の割合が全繰り返し単位の50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上である。ポリイミドAは、ブロックコポリマーあるいはランダムコポリマーのどちらでも良い。
ポリイミドAは、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物および1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸エステル類などの反応性誘導体から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸成分と、ジアミン及びその反応性誘導体から選ばれる少なくとも1種のジアミン成分とを反応させる事により得られる。テトラカルボン酸成分としては、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が好ましい。なお、テトラカルボン酸成分は異性体を含むものも適用可能である。
ジアミン成分としては、ジアミン、ジイソシアネート、ジアミノジシランなどが挙げられるが、ジアミンが好ましい。上記式(1)の繰り返し単位を形成するためのジアミン成分は、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンおよびその反応性誘導体であり、上記式(2)の繰り返し単位を形成するためのジアミン成分はm-キシリレンジアミンおよびその反応性誘導体である。
ポリイミドAは、前記ジアミン成分1モルに対して前記テトラカルボン酸成分を、好ましくは0.66〜1.5モル、より好ましくは0.9〜1.1モル、さらに好ましくは0.97〜1.03モル反応させることにより製造される。反応時間は2〜12時間、反応温度は180〜205℃であるのが好ましい。
通常、ポリイミドAの分子末端は、アミノ基、カルボキシル基、又はカルボン酸無水物基である。これらの分子末端にカルボン酸無水物基やアミノ基を有する化合物を反応させることにより、分子末端の官能基を可能な限り減らすこと、又は、意図的に分子末端にアミノ基、カルボキシル基などの官能基やこれ以外の置換基を導入することができる。得られるプリント配線板の吸水率を低下させるために、分子末端に極性の小さい置換基(官能性のない置換基)を導入してもよい。
ポリイミドAは、通常、有機溶剤溶液として製造される。有機溶剤としては特に限定されないが、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、ジメチルスルホキシド、m-クレゾ−ル、フェノ−ル、p-クロルフェノール、2-クロル-4-ヒドロキシトルエン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジオキサン、γ-ブチロラクトン、ジオキソラン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどが使用可能であり、2種以上を併用しても良く、特にN-メチル-2-ピロリドン(以下NMPと記す)、N,N-ジメチルアセトアミド、γ-ブチロラクトンを単独又は併用するのが好ましい。有機溶剤は、得られる有機溶剤溶液中のポリイミドA濃度が、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%になるような量用いる。また、溶液重合による製造の場合、上記溶剤と併せてヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の貧溶媒を、重合体が析出しない程度に使用することができる。
ポリイミドAの製造方法としては、溶液重合法、ポリアミック酸溶液を調製し、これを製膜し、イミド化する方法、テトラカルボン酸二無水物のハーフエステル塩などの塩又はイミドオリゴマーを得、固相重合を行なう方法、テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネートを反応させる方法、その他従来公知の方法で製造することができる。それぞれの方法を併用しても良い。テトラカルボン酸成分とジアミン成分との反応は、酸、三級アミン類、酸無水物などの従来公知の触媒の存在下で行ってもよい。これらの方法の中で、ポリイミドAの有機溶剤溶液が直接得られるので、溶液重合法が好ましい。
ポリイミドAを製造する溶液重合方法としては、ジアミン成分、有機溶剤、および必要に応じて触媒を含む混合物を10〜600rpmで攪拌して均一溶液とし、これを温度30〜90℃に保ち、テトラカルボン酸成分および必要に応じて触媒を添加するか、またはテトラカルボン酸成分、有機溶剤、および必要に応じて触媒を含む混合物を10〜600rpmで攪拌して均一溶液とし、これを温度30〜90℃に保ち、ジアミン成分および必要に応じて触媒を添加した後に、0.1〜6時間かけて160〜230℃、好ましくは180〜205℃まで昇温する。この温度は使用する有機溶剤の沸点によって左右される。反応系外に除去される成分を捕集しつつ、温度を0.5〜24時間、好ましくは2〜12時間ほぼ一定に保つ。その後必要ならば有機溶剤を更に添加し、適温まで冷却する方法などが例示される。
この溶液重合は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N-メチルピロリジン、N-エチルピロリジン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、イミダゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリンなどの3級アミン化合物から選ばれる少なくとも1種の触媒の存在下で行ってもよい。使用する場合、触媒の使用量は、テトラカルボン酸成分の0.1〜100モル%が好ましく、1〜10モル%がより好ましい。
本発明で使用するポリイミドAの数平均分子量は、3000〜100000である。3000未満であると、ポリイミド樹脂自体の強度が弱く、充分な接着力を示すプリント配線板が得られない。100000を超えると有機溶剤溶液が高粘度になり、金属箔等への塗布の際に、大幅な希釈が必要となり、取り扱いが難しくなる。ポリイミド樹脂の諸特性のバランスを保ちながら接着強度を向上させるためには、数平均分子量は3000〜70000であることが好ましい。
本発明の金属箔張積層板において、上記ポリイミド樹脂層の厚さは、特に限定されないが、厚くなると、ポリイミド樹脂層の形成時の加熱工程での乾燥が不十分となることに加え、コストアップに繋がるため、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましい。
本発明の金属箔張積層板に使用される金属箔は、プリント配線板に使用される公知の銅箔またはアルミニウム箔であれば特に限定されないが、好適には電解銅箔、圧延銅箔、これらの銅合金等、または軟質アルミニウム箔、硬質アルミニウム箔等が使用される。これらの金属箔に、例えばニッケル、コバルト処理等、公知の表面処理が施されたものも使用可能である。金属箔の厚さは特に限定されないが、好適には、銅箔を使用する場合は35μm以下であり、アルミニウム箔を使用する場合は100μm以下である。
本発明の金属箔張積層板において、前記ポリイミド樹脂層を金属箔の接着層に使用する方法は特に限定されないが、好ましくは、前述の製造方法で得られたポリイミドAの有機溶剤溶液を、金属箔の片面に塗工し、乾燥することにより樹脂複合金属箔を作製し、後述の熱硬化性樹脂組成物層(プリプレグ)と一体化して使用する方法が挙げられる。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物に含有させる二酸化チタンとしては、結晶構造が、ルチル型、アナターゼ型の二酸化チタンが用いられる。二酸化チタンの平均粒子径としては、5μm以下のものが好ましく、更には、0.5μm以下のものが好適であり、粒度分布や平均粒子径を変化させたものを適宜組み合わせて使用することも可能である。二酸化チタンは表面に被覆層を形成した二酸化チタンが好ましく、被覆層としては、SiO2、Al2O3、ZrO2またはZnO処理であり、更に、被覆層が、SiO2、Al2O3、ZrO2またはZnO処理した後、ポリオール処理、シランカップリング剤処理、アミン処理してなるものである二酸化チタンが特に好ましい。二酸化チタンの樹脂組成物に対する攪拌分散方法としては、適切な攪拌能力を有する攪拌機を付設した攪拌槽にて実施してもよく、ボールミル、ビーズミルなどの混合を目的とした装置、または、公転・自転型の混合装置を用いても行うことができる。
二酸化チタンの含有量は、熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計量100重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは25〜70重量部である。酸化チタンの含有量が、上記範囲より少ない場合、光反射率が不充分で、LED実装用プリント配線板に不適であり、上記範囲より多い場合、絶縁層が硬くなり過ぎ、プリント配線板、チップLEDの製造時の搬送等での割れ、欠けが発生しやすくなると共に、プリント配線板におけるメカニカルドリル加工やチップLEDにおけるダイシング加工において、ドリルビットやダイシングブレードの折損や加工できないという不具合が発生する。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物には、二酸化チタンに加えて、無機充填剤として、天然シリカ、合成シリカ、タルク、焼成タルク、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム等の公知の無機充填剤を使用することも可能である。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物としては、各種プリント配線板材料に使用される公知の樹脂組成物であれば特に限定されないが、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物が好ましい。このビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂のエポキシ化物であれば特に限定されない。ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂の好ましい含有量は、樹脂組成物中のエポキシ樹脂成分の65〜95重量%、より好ましくは、70〜90重量%である。ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂の含有量が、上記範囲より少ない場合は、得られた銅張積層板の加熱処理や光照射処理による変色がやや大きくなり、また耐熱性も低下する。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物に好適に使用される脂環式エポキシ樹脂としては、公知の脂環式化合物のエポキシ化物であれば特に限定されない。具体的には、「総説エポキシ樹脂」(出版・編:エポキシ樹脂技術協会、発行:2003年)等の公知の書籍,文献に記載されているもの等が用いられる。代表的なものを具体的な商品を含め例示すると、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート{商品名:セロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P(以上ダイセル化学工業(株)製)、ERL4221、ERL4221D、ERL4221E(以上ダウケミカル日本(株)製)}、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート{商品名:ERL4229(ダウケミカル日本(株)製)、EXA7015(大日本インキ化学工業(株)製)}、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン、リモネンジエポキシド、セロキサイド2081(ダイセル化学工業(株)製)、エピコートYX8000、エピコートYX8034、エピコートYL7170(以上ジャパンエポキシレジン(株)製)、セロキサイド2081、セロキサイド3000、エポリードGT301、エポリードGT401、EHPE3150(以上ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。好ましい脂環式エポキシ樹脂としては、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、エピコートYX8000、エピコートYX8034、エポリードGT301、エポリードGT401、EHPE3150が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂の好ましい含有量は、樹脂組成物中のエポキシ樹脂成分の5〜35重量%、より好ましくは、10〜30重量%である。脂環式エポキシ樹脂の含有量が、上記範囲より少ない場合は、得られた銅張積層板の加熱処理や光照射処理による変色がやや大きくなり、上記範囲より多い場合には、耐熱性が低下する。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を併用することも可能である。これらのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、或いはこれらのハロゲン化物などが例示される。
本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂を使用することが好ましく、この場合、硬化成分として、アミン化合物、フェノール化合物、シアン酸エステル化合物、酸無水物等を併用することが可能であるが、特にシアン酸エステル化合物及び/または酸無水物が好適である。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物に好適に使用されるシアン酸エステル化合物としては、1分子中に2個以上のシアナト基を有する化合物であれば特に限定されない。具体的には、1,3-または1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、ビス(3,5-ジメチル-4-シアナトフェニル)メタン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-または2,7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシアナトビフェニル、ビス(4-シアナトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、および、各種ノボラック樹脂とハロゲン化シアンとの反応により得られるシアン酸エステル化合物などが例示され、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。好ましいシアン酸エステル化合物としては、1,3-または1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、ビス(3,5-ジメチル-4-シアナトフェニル)メタン、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、フェノールノボラック型のシアン酸エステルが挙げられる。シアン酸エステル化合物の含有量は、樹脂組成物中のエポキシ樹脂100重量部に対して、10〜40重量部、好ましくは、15〜35重量部である。シアン酸エステル化合物の含有量が、上記範囲より少ない場合は、得られた銅張積層板の耐熱性向上効果が減少する。また上記範囲より多い場合には、加熱処理・光照射処理による変色が大きくなる。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物に好適に使用される酸無水物としては、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族酸無水物、ハロゲン化無水物等の公知の酸無水物であれば特に限定されない。具体的には、「総説エポキシ樹脂」(出版・編:エポキシ樹脂技術協会、発行:2003年)等の公知の書籍、文献に記載されているもの等が用いられる。代表的なものでは、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメロット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物等やエピクロンB4400(大日本インキ化学工業(株)製)等の脂環式四塩基酸無水物や特開2005-36218号公報に示されている、シクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物等の脂環式二塩基酸無水物等が挙げられる。好ましい酸無水物としては、エピクロンB4400、シクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物が挙げられる。酸無水物の含有量は、樹脂組成物中のエポキシ樹脂100重量部に対して、3〜30重量部、好ましくは、5〜25重量部である。酸無水物の含有量が、上記範囲より少ない場合は、得られた銅張積層板の加熱処理・光照射処理に対する耐変色性向上効果が減少する。また上記範囲より多い場合には、未反応の酸無水物が過剰となり、耐薬品性が低下する。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じ、硬化速度を適宜調節するために硬化促進剤を併用することも可能である。これらは、エポキシ樹脂等の硬化促進剤として一般に使用されるものであれば、特に限定されるものではない。これらの具体例としては、イミダゾール類及びその誘導体、第3級アミン等が挙げられる。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物には、ポリジメチルシロキサン系界面活性剤を併用することが好適である。このポリジメチルシロキサン系界面活性剤は、ポリジメチルシロキサンに有機官能基を導入したものであり、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン、フェノール変性ポリジメチルシロキサン、メタクリル変性ポリジメチルシロキサンなどがあり、無機充填剤である二酸化チタンを、樹脂組成物中に均一に分散させるために使用される。具体的な商品名としては、ビッグケミー・ジャパン(株)製のBYK-306、307、308、310、330、333、341、344等や、東レ・ダウコーニング(株)製のSH-203、230、3764、8400、8700、SF-8410、8416、8419、8422、FS-1265等が例示される。ポリジメチルシロキサン系界面活性剤の含有量は、二酸化チタンの含有量100重量部に対して、0.005〜0.5重量部、好ましくは、0.01〜0.2重量部である。
本発明で使用される基材としては、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを使用することが出来る。例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、Tガラス、クォーツ等の無機繊維、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどの有機繊維が挙げられ、目的とする用途や性能により適宜選択し、単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。形状としては織布、不織布などが挙げられ、織布の織り方としては、平織り、ななこ織り、綾織り等公知のものが使用でき、これらを開繊処理したものやシランカップリング剤などで表面処理したガラス織布が好適に使用される。基材の厚さや重量は、特に限定されないが、厚み200μm以下、重量250g/m2以下のガラス織布が好ましい。
本発明で使用されるプリプレグの製造方法は、熱硬化性樹脂組成物と基材とを含有するプリプレグが得られる方法であれば、特に限定されない。例えば、上記のガラス織布に、前記熱硬化性樹脂組成物を含浸または塗布させた後、100〜200℃の乾燥機中で、1〜30分加熱させる方法などにより半硬化させ、プリプレグを製造する方法などが例示される。プリプレグにおけるガラス織布含有量は、25〜75重量%の範囲が好ましい。
本発明で使用されるプリプレグを製造する際に、熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、有機溶剤を配合することが可能である。この有機溶剤としては、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂との混合物と相溶するものであれば、特に限定されるものではない。具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド類等が挙げられる。
本発明の金属箔張積層板の製造方法は、前記樹脂複合金属箔と上記プリプレグを少なくとも1枚以上とを組み合わせ、加熱・加圧下に積層成形し、金属箔張積層板とするものである。この際、必要に応じて、上記プリプレグの下に他のプリプレグを配置して、使用することも可能である。金属箔張積層板の積層成形条件としては、通常のプリント配線板用積層板の手法が適用でき、例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機などを使用し、温度:100〜300℃、圧力:2〜100kgf/cm2、加熱時間:0.1〜5時間の範囲が一般的であるが、絶縁層厚みの均一化、気泡の除去等の点から、積層成形は70mmHg以下の真空下で行うことが好ましい。
上記の手法により得られた金属箔張積層板は、例えば、「プリント回路ハンドブック」(出版:近代科学社、C.F.クームズJr.編、プリント回路学会監訳、1991年発行)等の公知のプリント配線板の製法に関する文献、書籍に提示されている方法に準じて、プリント配線板に加工される。具体的には、メカニカルドリル加工やレーザー加工等による孔あけ工程、無電解銅メッキ工程、電解銅メッキ工程、サブトラクティブ工法やセミアディティブ工法或いはアディティブ工法等によるパターン形成工程、ソルダーレジスト工程、外形加工工程、洗浄工程等を経て、プリント配線板に加工される。更に、こうして得られたプリント配線板は、公知の方法により、LEDが実装される。具体的には、プラズマ等での洗浄、LED素子の搭載、搭載用樹脂の硬化、ワイヤボンディング接合、フリップチップ接合等によるLED素子とプリント配線板との電気的接続、LED素子と電気的接続部の樹脂による保護(封止)、保護した樹脂の硬化、ダイシング加工による個片化等の工程を経てチップLEDとも呼ばれる発光素子に加工される。こうして得られた発光素子は、常態、或いは、加熱・光照射などの負荷を与えられた後に、その表面の反射率の測定が行なわれ、その光学的な特性が評価される。尚、金属張積層板としての光学特性評価としては、プリント配線板,チップLEDへの加工を経ずに、常態、或いは、加熱・光照射などの負荷を与えられた後に反射率の測定が行なわれる。
以下に合成例、実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。尚、『部』は重量部を表す。
(合成例1)
ステンレス製半月型攪拌翼、窒素導入管、冷却管を取り付けたディーンスターク、温度計、ガラス製エンドキャップを備えた300mlの五つ口ガラス製丸底フラスコ中で、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン 19.3g(47 mmol)、m-キシリレンジアミン 0.923g(6.78 mmol)、NMP 40g、およびトリエチルアミン 0.26gを、窒素雰囲気下、100rpmで攪拌して溶液を得た。これに1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物 11.7g(52.2 mmol)、NMP 7.8gをそれぞれ一括で加えた後、マントルヒーターで加熱し、約20分かけて反応系内温度を200℃まで上げた。留去される成分を捕集しながら、反応系内温度を200℃に5時間維持した。次いで、N,N-ジメチルアセトアミド 72gを添加後、130℃付近で約30分攪拌して均一な溶液とし、100℃まで10分程度で空冷し固形分濃度20重量%のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド溶液を離型剤が極少量散布された平滑なガラス板上にコーターで塗布した後、100℃のホットプレート上で1時間加温して自己支持性フィルムを形成した。ガラス板から剥離したフィルムをステンレス製型枠にクリップで数箇所固定した後、200℃の真空乾燥機中で5時間放置して溶剤をほぼ完全に(1重量%未満)除去し、ポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムのIRスペクトルを測定したところ、ν(C=O)1772、1704(cm−1)にイミド環の特性吸収が認められた。このポリイミドの数平均分子量は8200、重量平均分子量は73000、ガラス転移温度は253℃、吸水率は2.2%であった。
(合成例2)
合成例1で使用したものと同様の五つ口ガラス製丸底フラスコ中で、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン 27.5g(67.1mmol)、γ-ブチロラクトン 51g、およびトリエチルアミン 0.336gを、窒素雰囲気下、100rpmで攪拌して溶液を得た。これに1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物 14.9g(66.4 mmol)とN,N-ジメチルアセトアミド 12gをそれぞれ一括で加えた後、マントルヒーターで加熱し、約20分かけて反応系内温度を180℃まで上げた。留去される成分を捕集しながら、反応系内温度を180℃に3時間維持した。次いで、N,N-ジメチルアセトアミド 96gを添加後、温度130℃付近で約30分攪拌して均一溶液とし、100℃まで10分程度で空冷し固形分濃度20重量%のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド溶液を使用し、合成例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムのIRスペクトルを測定したところ、ν(C=O)1774、1706(cm−1)にイミド環の特性吸収が認められた。このポリイミドの数平均分子量は10500、重量平均分子量は99000、ガラス転移温度は262℃、吸水率は1.7%であった。
(実施例1)
合成例1で得られたポリイミド溶液を、厚み 12μmの電解銅箔(JTC-LP箔、(株)日鉱マテリアルズ製)のマット面に、リバースロール塗工機を用いて塗布し、窒素雰囲気下で、80℃で10分間乾燥後、220℃で5時間加熱し、樹脂層厚み 5μmの樹脂複合銅箔Aを作製した。一方、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン 20部を、メチルエチルケトンに溶解し、これに、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名:エピクロンN865、大日本インキ化学工業(株)製) 60部、脂環式エポキシ樹脂(商品名:ERL4221D、ダウケミカル日本(株)製) 20部を加え、均一に溶解混合した。更に、オクチル酸亜鉛 0.025部、界面活性剤(商品名:BYK-310、ビックケミー・ジャパン(株)製) 0.02部を加え、溶解混合後、二酸化チタン(商品名:CR-90、平均粒径0.25μm、石原産業(株)製) 70部を加え、均一攪拌混合してワニスを得た。このワニスを、厚さ 50μm、重量 48.5g/m2の平織りEガラス織布(商品名:0634NW、有沢製作所(株)製)に含浸し、150℃で8分乾燥させ、ガラス布含有量が 45重量%のプリプレグBを作製した。このプリプレグBを2枚重ね、その上下面に、上記樹脂複合銅箔Aを配置し、220℃、35kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形し、絶縁層厚み 122μmの銅張積層板を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
合成例2で得られたポリイミド溶液をNMPで更に希釈し、固形分 15%のポリイミド溶液とした。このポリイミド溶液をし、厚み 12μmの電解銅箔(3EC-VLP箔、三井金属鉱業(株)製)のマット面に、リバースロール塗工機を用いて塗布し、窒素雰囲気下で、80℃で10分間乾燥後、220℃で5時間加熱し、樹脂層厚み 3μmの樹脂複合銅箔Cを作製した。一方、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン 15部を、メチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶解し、これにビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名:エピコート157S70、ジャパンエポキシレジン(株)製) 70部、脂環式エポキシ樹脂(商品名:セロキサイド2021P、ダイセル化学工業(株)製) 10部を加え、均一に溶解混合した。更に、シクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物(三菱ガス化学(株)製) 5部、オクチル酸亜鉛 0.03部、界面活性剤(商品名:BYK-341、ビックケミー・ジャパン(株)製) 0.05部を加え、溶解混合後、二酸化チタン(商品名:CR-80、平均粒径0.25μm、石原産業(株)製) 50部を加え、均一攪拌混合してワニスを得た。このワニスを、厚さ 30μm、重量 31.5g/m2の平織りEガラス織布(商品名:WEX570、日東紡(株)製)に含浸し、150℃で4分乾燥させ、ガラス布含有量が 42重量%のプリプレグDを作製した。このプリプレグDを2枚重ね、その上下面に、上記樹脂複合箔Cを配置し、実施例1と同様にして積層成形し、絶縁層厚み 76μmの銅張積層板を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン 15部、シクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物 5部、オクチル酸亜鉛 0.03部の代わりに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート1001、ジャパンエポキシレジン(株)製) 20部、ジシアンジアミド 4部、2-エチル-4-メチルイミダゾール 0.05部を用いた以外は実施例2と同様に行い、プリプレグEを作製した。このプリプレグEを2枚重ね、その上下面に、実施例2で作製した樹脂複合箔Cを配置し、積層成形の温度を180℃に変更した以外は実施例1と同様にして積層成形し、絶縁層厚み 78μmの銅張積層板を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(エピコート157S70) 70部、脂環式エポキシ樹脂(EHPE3150、ダイセル化学工業(株)製) 10部を均一に溶解混合した。更に、シクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物(三菱ガス化学(株)製) 20部、界面活性剤(BYK-341) 0.05部、2-エチル-4-メチルイミダゾール 0.05部を加え、溶解混合後、二酸化チタン(CR-90) 50部を加え、均一攪拌混合してワニスを得た。このワニスを、厚さ 100μm、重量 109.5g/m2の平織りEガラス織布(商品名:1031NT、有沢製作所(株)製)に含浸し、150℃で6分乾燥させ、ガラス布含有量が 37重量%のプリプレグFを作製した。 このプリプレグFを2枚重ね、その上下面に、実施例1で作製した樹脂複合箔Aを配置し、積層成形の温度を180℃に変更した以外は実施例1と同様にして積層成形し、絶縁層厚み 225μmの銅張積層板を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001) 90部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(YDCN-704、東都化成(株)製) 10部、ジシアンジアミド 3部を予めジメチルホルムアミドに溶解したものを加え、均一に溶解混合した。更に、界面活性剤(BYK-341) 0.02部を加え、溶解混合後、二酸化チタン(CR-90) 70部を加え、均一攪拌混合してワニスを得た。このワニスを、厚さ 50μm、重量 48.5g/m2の平織りEガラス織布(0634NW)に含浸し、150℃で12分乾燥させ、ガラス布含有量が 42重量%のプリプレグGを作製した。このプリプレグGを2枚重ね、その上下に厚み 12μmの電解銅箔(3EC-VLP箔)を配置し、180℃、圧力40kgf/cm2、真空度 30mmHg以下で2時間積層成形して銅張積層板を作製した。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001) 40部、同(エピコート828、ジャパンエポキシレジン(株)製) 30部、低分子量液状ゴム(CTBN1300×31、宇部興産(株)製) 30部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化成工業(株)製) 1部にメチルエチルケトン 100部を加え、室温にて1時間攪拌溶解しワニスを得た。このワニスを、厚み 12μmの電解銅箔(LTC-LP箔)のマット面に、リバースロール塗工機を用いて塗布し、150℃の加熱炉にて 10分加熱乾燥し、樹脂層厚み 7μmのエポキシ樹脂系の樹脂複合銅箔Hを作製した。この樹脂複合銅箔Hを、樹脂複合銅箔Aの代わりに使用する以外は、実施例1と同様に行い、絶縁層厚み 131μmの銅張積層板を作製した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
ステンレス製の碇型攪拌棒、窒素導入管とストップコックのついたトラップ上に、玉付冷却管を取り付けた還流冷却器を取り付けた2リットルの三つ口フラスコに、エチレングリコールビストリメリテート二無水物 164g(400mmol)、4,4’-ジアミノ-3,3’, 5,5’-テトラエチルジフェニルメタン 124g(400mmol)、γ-バレロラクトン 4.0g(40mmol)、ピリジン 4.8g(60mmol)、NMP 300g、トルエン 20gを加え、180℃で3時間加熱し、ポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂の数平均分子量は31000、重量平均分子量は78000であった。このポリイミド溶液を、実施例1におけるポリイミド溶液の代わりに使用して樹脂層厚み6μmの樹脂複合銅箔を作製した。この樹脂複合銅箔を樹脂複合銅箔Aの代わりに使用する以外は実施例1と同様に行い、絶縁層厚み124μmの銅張積層板を作製した。評価結果を表1に示す。
(測定・評価方法)
1)IRスペクトル:日本電子(株)製 JIR-WINSPEC50を用いて測定した。
2)分子量測定:GPC(ゲル パーミエイション クロマトグラフィ)にて、NMPを溶媒とし、標準ポリスチレンの分子量に換算して測定。
3)ガラス転移温度:(株)島津製作所製DSC-50を用い、昇温速度10℃/minで40℃から350℃まで昇温したときの中間点ガラス転移温度Tmgをガラス転移温度とした。
4)吸水率:IPC-TM-650 2.6.2.1の方法に従い、50.8×50.8mmのポリイミドフィルムを120℃で1時間乾燥した後、重量(W)を測定した。このフィルムを23℃の蒸留水に24時間浸漬し、表面の水分を拭き取った後、速やかに重量(W)を測定した。
吸水率(%)=(W−W)÷W×100
5)表層絶縁層厚み:JIS C6481に準じて、樹脂複合銅箔の厚みをマイクロメータにて5点測定し、その平均値から、銅箔の公称厚みを差し引いた値。
6)耐熱性:JIS C6481に準じて、熱風乾燥機中で 240℃、30分間加熱処理後の外観変化の異常の有無を目視にて観察した。(○:異常なし、×:膨れ、剥がれが発生)
7)反射率:銅張積層板をダイシングソーでサイズ50x50mmに切断後、表面の銅箔をエッチングにより除去し、測定用サンプルを得た。この測定用サンプルを、JIS P8152に基づき、分光白色度光度計(東京電色(株)製:ERP-80WX)を用いて、457nmでの反射率を測定した。(n=5の平均値)
8)加熱後反射率:上記測定用サンプルを180℃の熱風乾燥機で1時間加熱処理した後、上記反射率の測定と同様にして反射率を測定した。(n=5の平均値)
9)光照射後反射率:上記測定用サンプルを、420nm、15Wの青色光ランプで1000時間照射した後、上記反射率の測定と同様にして反射率を測定した。(n=5の平均値)
10)Tg:銅張積層板の表面の銅箔をエッチング後、ダイシングソーでサイズ15x40mmに切断後、DMA法によりガラス転移温度を測定した。(n=5の平均値)
Figure 2007137050

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂組成物と基材からなる熱硬化性樹脂組成物層に金属箔が接着された金属箔張積層板において、該金属箔の接着層が、式(1)で表される繰り返し単位、又は、式(1)で表される繰り返し単位と式(2)で表される繰り返し単位からなり、前記式(1)の繰り返し単位の割合が全繰り返し単位の50モル%以上であるポリイミド樹脂層であり、該熱硬化性樹脂組成物が、二酸化チタンを含有する熱硬化性樹脂組成物である金属箔張積層板。
    Figure 2007137050
    (1)

    Figure 2007137050
    (2)
  2. 該ポリイミド樹脂層の厚みが 1〜10μmである請求項1記載の金属箔張積層板。
  3. 該二酸化チタンの含有量が、熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分100重量部に対して、10〜100重量部である請求項1または2記載の金属箔張積層板。
  4. 該熱硬化性樹脂組成物が、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の金属箔張積層板。
  5. 該熱硬化性樹脂組成物が、シアン酸エステル化合物及び/または酸無水物を含有する熱硬化性樹脂組成物である請求項4に記載の金属箔張積層板。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の金属箔張積層板が、金属箔の片面に該ポリイミド樹脂層を形成した樹脂複合金属箔と、該熱硬化性樹脂組成物と基材からなるプリプレグとを組み合わせ、加熱・加圧下に積層成形してなるものである金属箔張積層板の製造方法。
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