JP2005247889A - 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及びこれを用いた積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハロゲン系難燃剤を用いずに難燃性を有し、かつ耐熱性に優れた環境問題対応の熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及びそれを使用した積層板を提供する。
【解決手段】 (a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)1%重量減少温度が250℃以上である高耐熱水酸化アルミニウムを含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物の有機樹脂固形分100重量部に対し、(c)高耐熱水酸化アルミニウムを50〜200重量部含む熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 (a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)1%重量減少温度が250℃以上である高耐熱水酸化アルミニウムを含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物の有機樹脂固形分100重量部に対し、(c)高耐熱水酸化アルミニウムを50〜200重量部含む熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は,各種電子材料に用いられる難燃性を有するハロゲン系化合物を含まない熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板に関する。
地球規模で環境破壊に関する問題意識が高まっている。大気や土壌を汚染する可能性があるハロゲンやアンチモン,Pb化合物等は使用規制の対象となっている。このため,家電品をはじめとしてパーソナルコンピュータ等の各種情報端末機器を中心にハロゲンフリー化やPbフリー化が進んでいる。このような電子機器に使用されるプリント配線板や実装部品も例外ではない。一般に,プリント配線板やプラスチックパッケージ(以下,PKGと略す)に用いられる基板材料(積層板)は,難燃化のためにハロゲン系化合物を使用している。また,実装部品のはんだ接続にはSn−Pb系を使用しているのが現状である。
一方,実装部品のはんだ材料に関しても,従来Sn−Pb系が主に使用されているが,廃棄処理時等に土壌等を汚染する可能性があるPbを用いないはんだ材料の検討も進んでいる。はんだ材料のPbフリー化に関する報告等を見ると融点は上昇することが予想されており,これに伴ってリフロー温度も上昇する可能性が高い。こうした状況において,基板材料(積層板)としては,ハロゲンフリーと同時にこれまで以上に高い耐熱性が要求される。
特開平11−124489号公報
特開平11−199753号公報
臭素化合物に代わるハロゲンフリー化の手法としては,従来からリンや窒素化合物の添加や樹脂骨格への導入等が行われている(特開平11−124489号公報,特開平11−199753号公報参照)。しかしながら,リンや窒素により難燃性を確保するためにはある程度の量を配合する必要があり,これによって吸水率の増加や耐熱性の低下等を引き起こす問題があった。このため,リンや窒素の導入量の低減を目的に,金属水和物を併用する方法がある。しかしながら,金属水和物は燃焼時に冷却効果を発現する水を多くトラップしているため,ある程度の量以上を配合すると耐熱性が急激に低下する問題がある。これは,金属水和物が水をリリースする温度が、はんだの溶融温度よりも低いことに起因しており、今後、溶融温度が更に高くなることが予想されているPbフリーのはんだでは、より顕著になると思われる。
本発明は、かかる状況を鑑みなされたもので、ハロゲン系難燃剤を用いずに難燃性を有し、耐熱性に優れた環境問題対応の熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及びそれを使用した積層板を提供することを目的とする。
本発明は、以下に記載の各事項に関する。
(1)(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)1%重量減少温度が250℃以上である高耐熱水酸化アルミニウムを含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物の有機樹脂固形分100重量部に対し、(c)高耐熱水酸化アルミニウムを50〜200重量部含む熱硬化性樹脂組成物。
(2)(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸し、加熱乾燥して得られるプリプレグ。
(3)(2)に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね、その片面若しくは両面に金属箔を配して加熱加圧成形して得られる積層板。
(1)(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)1%重量減少温度が250℃以上である高耐熱水酸化アルミニウムを含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物の有機樹脂固形分100重量部に対し、(c)高耐熱水酸化アルミニウムを50〜200重量部含む熱硬化性樹脂組成物。
(2)(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸し、加熱乾燥して得られるプリプレグ。
(3)(2)に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね、その片面若しくは両面に金属箔を配して加熱加圧成形して得られる積層板。
本発明より作製した積層板は、ハロゲンフリーの材料で有り、難燃性、耐熱性に優れたプリント配線板を製造することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、(c)高耐熱水酸化アルミニウムを、熱硬化性樹脂組成物の有機樹脂固形分100重量部に対し、50〜200重量部配合することにより、燃焼の際に水和水を放出するので、(c)熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られた積層板に難燃性を付与できる。更に高耐熱性水酸化アルミニウムを使用することで、水酸化アルミニウムが水を放出する温度を上げることができ、はんだ付けのような加工の際の温度で、水が放出されることがないので、それによって積層板がふくれを生じることはない。以下、本発明について詳述する。
本発明で用いる(a)エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を持つ化合物であればよく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、その他二官能フェノール類のグリシジルエーテル化合物、二官能アルコール類のグリシジルエーテル化合物、及びそれらの水素添加物などがあり、これら何種類かを併用することもできる。
(b)硬化剤としては、特に限定されるものではなく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、カテコールノボラック樹脂およびこれらのアルキル基置換等の多官能性フェノール樹脂、芳香族ジアミン、ジシアンジアミド、無水トリメリット酸等の酸無水物等が挙げられ、これらの硬化剤は何種類か併用してもよい。
本発明に用いる(c)高耐熱水酸化アルミニウムとしては、1%重量減少温度が250℃以上であればよく、形状については特に制限はない。1%重量減少温度(脱水温度)が250℃未満だと基板の耐熱性が劣る傾向にある。(c)高耐熱水酸化アルミニウムは、市販されているものを使用することができ、商品名:ALH、河合石灰工業株式会社製などが挙げられる。この(c)高耐熱水酸化アルミニウムは、熱硬化性樹脂組成物の有機樹脂固形分100重量部に対して、50〜200重量部、好ましくは70〜150重量部が用いられる。(c)高耐熱水酸化アルミニウムの量が、50重量部未満の場合は、充分な難燃性が得られず、200重量部を超える場合は、耐熱性や成形性が不十分となる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記(a)、(b)、(c)の成分の他に、任意に各種成分を配合することが出来る。(a)エポキシ樹脂成分の硬化を促進するために、必要に応じて硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤の種類は特に限定するものではなく、例えばイミダゾール系化合物、アミン類等が用いられ、2種類以上を併用してもよい。イミダゾール系化合物としては,2−メチルイミダゾール,2−エチル−4−メチルイミダゾール,2−ウンデシルイミダゾール,2−ヘプタデシルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,2−フェニル−4−メチルイミダゾール,1−ベンジル−2−メチルイミダゾール,2−エチルイミダゾール,2−イソプロピルイミダゾール,1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール,1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール,1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール,1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾール,1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート,1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールトリメリテート,1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテート,1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールトリメリテート,1−シアノエチル−2−フェニル−4,5ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール等が挙げられる。アミン類として,ジメチルアミノメチルフェノール−2,4,6,−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール,トリ(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルヘキサン塩等が挙げられる。また,この他に,3ふっ化ほう素錯化合物である,3ふっ化ほう素・モノエチルアミン錯化合物,3ふっ化ほう素・トリエチルアミン錯化合物,3ふっ化ほう素・ピペリジン錯化合物,3ふっ化ほう素・n−ブチルエーテル錯化合物,3ふっ化ほう素・アミン錯化合物等が挙げられる。硬化促進剤は,(a)エポキシ樹脂と(b)硬化剤の合計100重量部に対し,0.1〜10重量部配合することが好ましい。0.1重量部未満だと耐熱性に対し効果が乏しく,10重量部を超えるとプリプレグの保存安定性が悪くなる。
更に耐熱性、難燃性等の向上を目的として、また硬化物に適切な機械的性質を与えるため、(c)高耐熱水酸化アルミニウム以外の無機充填剤を併用しても良い。このような無機充填剤としては、アルミナ、シリカ、酸化チタン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウム、ケイ酸マグネシュウム、ケイ酸アルミニウム、マイカ、ガラス短繊維等が用いられ、またホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素等の各種ウイスカーが用いられる。これらは、2種以上併用してもよい。
また(c)高耐熱水酸化アルミニウムなどの無機充填剤と熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分との親和性を高めるために、各種カップリング剤を併用してもよい。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等が用いられる。シラン系カップリング剤としては、炭素官能性シランが用いられ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2−(2,3−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなエポキシ基含有シラン;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル(メチル)ジメトキシシランのようなアミノ基含有シラン;3−(トリメトキシシリル)プロピルテトラメチルアンモニウムクロリドのようなカチオン性シラン;ビニルトリエトキシシランのようなビニル基含有シラン;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのようなアクリル基含有シラン;および3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのようなメルカプト基含有シランが例示される。チタネート系カップリング剤としては、チタンプロポキシド、チタンブトキシドのようなチタン酸アルキルエステルが例示される。このようなカップリング剤は2種以上併用してもよく、その配合量は、特に制限はない。
これら熱硬化性樹脂組成物を希釈してワニス化するために溶剤が用いられる。この溶剤は特に限定はなく、例えばアセトン,メチルエチルケトン,トルエン,キシレン,メチルイソブチルケトン,酢酸エチル,エチレングリコールモノメチルエーテル,N,N−ジメチルホルムアミド,メタノール,エタノール等があり,これらは何種類かを混合してもよい。また,熱硬化性樹脂組成物のワニスの固形分濃度は特に制限はなく,熱硬化性樹脂組成物の樹脂組成や無機充填剤の種類及び配合量等により適宜変更できるが,50〜80重量%の範囲が好ましい。50重量%より低いとワニス粘度が低く,プリプレグの樹脂分が低くなりすぎ,80重量%より高いとワニスの増粘等によりプリプレグの外観等が著しく低下しやすい。
前記各成分を配合して得た熱硬化性樹脂組成物のワニスを,基材に含浸させ,乾燥炉中で80〜200℃の範囲で乾燥させることにより,プリプレグを得る。基材としては,金属箔張り積層板や多層印刷配線板を製造する際に用いられるものであれば、特に制限されないが,通常織布や不織布等の繊維基材が用いられる。繊維基材としては,たとえばガラス,アルミナ,アスベスト,ボロン,シリカアルミナガラス,シリカガラス,チラノ,炭化ケイ素,窒化ケイ素,ジルコニア等の無機繊維やアラミド,ポリエーテルケトン,ポリエーテルイミド,ポリエーテルサルフォン,カーボン,セルロース等の有機繊維等及びこれらの混抄系があり,特にガラス繊維の織布が好ましく用いられる。
本発明のプリプレグを少なくとも1枚以上積層し、その片側または両側に金属箔を重ね、加熱加圧して積層板を製造する。金属箔としては主に銅箔やアルミ箔を用いるが、他の金属箔を用いてもよい。金属箔の厚みは通常3〜200μmである。積層板製造時の加熱加圧条件は、100〜250℃、圧力は0.5〜20MPa,加熱時間は0.2〜5時間の範囲で行うことが好ましく、加熱温度は150〜200℃,圧力は1.0〜8.0MPaの範囲がより好ましい。
以下,本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例1)
(a)エポキシ樹脂として、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:EPICLON N 860、エポキシ当量:245):10重量部
BPAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:EPICLON N 865,エポキシ当量:205):90重量部
(b)硬化剤として、フェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製,商品名:HF−4、水酸基当量:108、軟化点:108℃):52重量部
(c)1%重量減少温度が250℃以上である高耐熱水酸化アルミニウムとして、高耐熱水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製、商品名:ALH、1%熱分解温度250〜260℃):90重量部
硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール:0.5重量部
無機充填剤として、焼成クレー(土屋カオリン工業株式会社製、商品名:サティントンスペシャル):30重量部
上記成分にメチルエチルケトンを加えて、溶解,分散し,固形分70重量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
(実施例1)
(a)エポキシ樹脂として、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:EPICLON N 860、エポキシ当量:245):10重量部
BPAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:EPICLON N 865,エポキシ当量:205):90重量部
(b)硬化剤として、フェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製,商品名:HF−4、水酸基当量:108、軟化点:108℃):52重量部
(c)1%重量減少温度が250℃以上である高耐熱水酸化アルミニウムとして、高耐熱水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製、商品名:ALH、1%熱分解温度250〜260℃):90重量部
硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール:0.5重量部
無機充填剤として、焼成クレー(土屋カオリン工業株式会社製、商品名:サティントンスペシャル):30重量部
上記成分にメチルエチルケトンを加えて、溶解,分散し,固形分70重量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
(実施例2)
(b)硬化剤をHF−4からジシアンジアミドに変更し、その配合量を16重量部とした以外は,実施例1と同様に固形分70重量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
(b)硬化剤をHF−4からジシアンジアミドに変更し、その配合量を16重量部とした以外は,実施例1と同様に固形分70重量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
(実施例3)
(c)高耐熱水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製、商品名:ALH)の配合量を150重量部とした以外は,実施例1と同様に固形分70重量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
(c)高耐熱水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製、商品名:ALH)の配合量を150重量部とした以外は,実施例1と同様に固形分70重量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
(実施例4)
実施例1の熱硬化性樹脂組成物に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:A−187,日本ユニカー株式会社製)を0.5重量部添加した以外は,実施例1と同様に、固形分70重量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
実施例1の熱硬化性樹脂組成物に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:A−187,日本ユニカー株式会社製)を0.5重量部添加した以外は,実施例1と同様に、固形分70重量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
(比較例1)
(c)高耐熱水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製、商品名:ALH)を、一般的な水酸化アルミニウム(商品名:CL310、住友化学工業株式会社製、1%重量減少温度230℃)に変更した以外は,実施例1と同様に固形分70重量%のワニスを作製した。
(c)高耐熱水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製、商品名:ALH)を、一般的な水酸化アルミニウム(商品名:CL310、住友化学工業株式会社製、1%重量減少温度230℃)に変更した以外は,実施例1と同様に固形分70重量%のワニスを作製した。
(比較例2)
(c)高耐熱水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製、商品名:ALH)の配合量を60重量部とした以外は、実施例1と同様に固形分70重量%のワニスを作製した。
(c)高耐熱水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製、商品名:ALH)の配合量を60重量部とした以外は、実施例1と同様に固形分70重量%のワニスを作製した。
実施例1〜4及び比較例1、2で作製したワニスを、厚さ約0.1mmのガラス布(#2116,E−ガラス)に含浸後,150℃で3〜10分加熱乾燥して、樹脂分48重量%のプリプレグを得た。これらプリプレグ4枚を重ね,その両側に厚みが18μm銅箔を重ね,175℃,90分,3.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。
作製した両面銅張積層板について,難燃性、耐熱性の評価を行った。結果を表1に示した。試験方法は以下の通りである。
(1)難燃性:UL−94燃焼性試験を行った。
(2)耐熱性:両面銅張積層板を50mm×50mmに切断し、260℃または288℃のはんだにフローティングし、ふくれが発生するまでの時間を測定した。
(1)難燃性:UL−94燃焼性試験を行った。
(2)耐熱性:両面銅張積層板を50mm×50mmに切断し、260℃または288℃のはんだにフローティングし、ふくれが発生するまでの時間を測定した。
以上の結果より,実施例1〜4の銅張積層板は,難燃性、耐熱性に優れていることがわかる。これに対して、水酸化アルミニウムの1%重量減少温度が230℃である一般的な水酸化アルミニウムを用いた比較例1は耐熱性に劣る結果となった。また、高耐熱水酸化アルミニウムの配合量が、有機樹脂固形分100重量部に対して50重量部未満の比較例2は難燃性が劣る結果となった。
Claims (3)
- (a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)1%重量減少温度が250℃以上である高耐熱水酸化アルミニウムを含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物の有機樹脂固形分100重量部に対し、(c)高耐熱水酸化アルミニウムを50〜200重量部含む熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸し、加熱乾燥して得られるプリプレグ。
- 請求項2に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね、その片面若しくは両面に金属箔を配して加熱加圧成形して得られる積層板。
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JP2004056058A JP2005247889A (ja) | 2004-03-01 | 2004-03-01 | 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及びこれを用いた積層板 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2007137050A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-06-07 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 金属箔張積層板およびその製造方法 |
JP2012229362A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-11-22 | Hitachi Chemical Co Ltd | パッケージ基板用樹脂組成物並びにこれを用いたプリプレグ及び積層板 |
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2004
- 2004-03-01 JP JP2004056058A patent/JP2005247889A/ja active Pending
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