JP2005000801A - 廃水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェントン処理を用いた廃水処理の改良に関し、比較的少量の過酸化水素で効率よく有機物を分解でき、又、処理後の残存過酸化水素を出来るだけ少なく抑えることができる廃水処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】過酸化水素及び鉄塩を添加して廃水中の有機物を分解する廃水処理方法に於いて、鉄塩を複数回に分けて添加する。また、過酸化水素を添加し、鉄塩を複数回に分けて添加する処理工程を、複数サイクル繰り返す。鉄塩は、3〜7回に分けて添加し、鉄塩の総添加量は、過酸化水素1モルに対し0.4〜0.6モルである。各鉄塩を添加する前には廃水のpHを3〜5に調整する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染色廃水、畜産廃水、半導体製造廃水などの産業廃水、生活廃水などの有機性廃水の処理方法に関し、より詳しくは、フェントン酸化による廃水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場廃水、生活廃水などの有機物を含む有機性廃水の処理方法として、2価の鉄塩と過酸化水素によるフェントン酸化処理が知られている。
例えば、特開2002−282874号公報には、3価の鉄塩で廃水中の還元剤を酸化し、この3価の鉄塩が還元されて2価の鉄塩になった後、過酸化水素を添加することにより、H+Fe2+→Fe3++OH+OH・という反応により生じたOHラジカルで有機物の酸化反応を生じさせるというフェントン処理を行うことが開示されている。また、特開平6−182362号公報には、鉄塩と過酸化水素で有機性廃水をフェントン処理し、アルミ系凝集剤、凝結剤及び高分子凝集剤を添加して固液分離することが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−282874号公報(第2頁、[0011]−[0015])
【特許文献2】
特開平6−182362号公報(第2頁、[0005]−[0010])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフェントン処理による廃水処理方法では、比較的多量の過酸化水素を使用しなければならず、また、処理後に於いては過酸化水素が多量に残存するため、中和剤などを用いてこれを除去しなければならない。さらに、より効率良くOHラジカルを発生させて有機物を酸化分解することが望まれている。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑み、フェントン処理を用いた廃水処理において、比較的少量の過酸化水素で効率よく有機物を分解でき、又、処理後の残存過酸化水素を出来るだけ少なく抑えることができる廃水処理方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として、本発明は、過酸化水素及び鉄塩を添加して廃水中の有機物を分解する廃水処理方法に於いて、鉄塩を複数回に分けて添加することを特徴とする。
また、本発明の第2の手段は、過酸化水素及び鉄塩を添加して廃水中の有機物を分解する廃水処理方法に於いて、過酸化水素を添加し、鉄塩を複数回に分けて添加する処理工程を有し、この処理工程を複数サイクル繰り返すことを特徴とする。
【0007】
本発明の処理方法の如く、鉄塩を複数回に分けて添加してフェントン処理を行うと、有機物の分解を促進でき、また、反応完了後の残存過酸化水素を少なくすることができる。この作用は明確ではないが、鉄塩を分割して添加することにより、過酸化水素からOHラジカルを発生させ易いこと、複数回に分けてOHラジカルを接触させるので、ケルダール性窒素などの難分解性有機物であっても次第に分解されていくこと、複数回に分けて鉄塩を添加すると1回当たりの鉄塩の添加量が少なくなるので、フェントン反応により生じたOHラジカルが鉄塩と反応して(有機物の酸化反応に使われずに)消滅する割合を低くできること、などに起因すると思われる。
【0008】
更に、上記廃水処理方法に於いては、鉄塩は、3〜7回に分けて添加することが好ましい。また、鉄塩の総添加量(分割添加量の和)は、過酸化水素1モルに対し0.4〜0.6モルが好ましく、複数回に分けて添加される鉄塩の分割添加量は、それぞれ等量が好ましい。さらに、上記廃水処理方法に於いて、複数回に分けて鉄塩を添加するに際して、各鉄塩を添加する前に廃水のpHを3〜5に調整することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図面などを参照しつつ説明する。
図1は、本発明の廃水処理システムの構成図である。図1に於いて、1は、廃水が導入され、且つ過酸化水素及び鉄塩が添加されてフェントン処理を行う酸化槽2と、酸化槽2でフェントン処理された後の廃水が導入され、且つ沈殿物が除去される沈殿槽3と、沈殿槽3の上澄液が導入され、且つ凝集剤添加による凝集沈殿物が除去される凝集沈殿槽5を備える廃水処理システムを示す。
【0010】
<第1実施形態>
第1実施形態は、過酸化水素を添加し、鉄塩を分割添加して廃水を処理する廃水処理方法に関し、図1及び図2を参照しつつ説明する。
(廃水導入工程)
処理される廃水は、スクリーンなどの粉塵除去器(図示せず)を通じて粗塵が除去された後、酸化槽2に導入される。
導入される廃水は、廃水原液、原液を前処理した廃水の何れでもよい。前処理としては、活性汚泥法、嫌気性消化などの公知の生物処理などが例示できる。これら前処理を行うことにより、廃水のBOD等を予め低減させ、或いは廃水の色度を改善することできる。
【0011】
(初期のpH調整工程)
酸化槽2に導入された廃水は、pH3〜5、好ましくはpH3.5〜4.5、より好ましくはpH4前後に調整する。これは、過酸化水素と鉄塩の添加によるフェントン反応を効率よく行うためにはpH2.7前後が最も好ましいが、予めこの最適pHよりも高く調整し、鉄塩添加時にpHを低下させてpH変動を起こすようにすることにより、OHラジカルの生成反応を促進できると考えられるからである。尚、通常、廃水のpHは5よりも高いため、pH調整剤としては、硫酸、塩酸などの酸を用いればよいが、一部の有機物を分解できることから硫酸を用いることが好ましい。
【0012】
(過酸化水素及び鉄塩について)
pH調整した後、所定量の過酸化水素を添加し、所定量の鉄塩を分割して添加するが、まず、廃水をフェントン処理するに際し必要な過酸化水素の添加量及びこれに対する鉄塩の添加量について説明する。
過酸化水素の添加量としては、染色廃水、し尿廃水、畜産廃水などの廃水の種類に応じて適宜設定され、特に限定されないが、余りに少ないと有機物の酸化を十分に行えないことから、CODMn1mg/L(リットル)に対して、1重量倍以上、好ましくは1.5重量倍以上、より好ましくは1.7重量倍以上添加することが好ましい。一方、多く添加すればOHラジカルの発生量が多くなって有機物の分解能に優れるが余りに多く添加すると過剰な過酸化水素が残存するため、上限としては同3.5重量倍以下、好ましくは2.5重量倍以下、より好ましくは2.3重量倍以下程度である。例えば、CODMnが100mg/Lの廃水1Lに対しては、100mg〜350mg、より好ましくは、170mg〜230mgの過酸化水素を添加する。
【0013】
一方、鉄塩としては、液中で2価の鉄イオンを生ずるものであれば特に限定されず、例えば、硫酸鉄(II)(FeSO)、硫酸鉄(II)水和物(FeSO・7HO)、塩化鉄(II)(FeCl)及びその水和物などを用いることができ、反応後、アルカリを添加することにより水酸化鉄(III)を容易に析出できることから硫酸鉄(II)や塩化鉄(II)、及びそれらの水和物を用いることが好ましい。
鉄塩の添加量(分割して添加されるので、分割添加量の総量)としては、過酸化水素1モルに対して、0.3〜0.7モル、好ましくは、0.4〜0.6モル、より好ましくは、0.5モル前後である。仮に過酸化水素1モルに対して鉄塩0.5モル添加する場合、例えば、過酸化水素200mgに対して硫酸鉄(II)7水和物では計約800mg添加すればよい。
【0014】
鉄塩は、複数回に分けて添加される。分割回数としては、特に限定されないが、2回に分けて添加した場合には、分割添加による効果が余り期待できず、一方、余りに多数回に分けて添加すると、1回当たりに添加される鉄塩が相対的に少量となり反応時のpH変動が小さくなってOHラジカルの生成反応が不十分となる虞があるので、3〜7回程度、好ましくは4〜6回、より好ましくは5回に分けて添加するのがよい。
また、複数回に分割して添加する際の各段階での鉄塩の分割添加量は、最初に多く添加し次第に量を減じていくなどのように、各段階毎に分割添加量を変えてもよいが、各段階で等量添加する(分割添加量=鉄塩の添加量÷分割回数)ことが好ましい。例えば、硫酸鉄(II)7水和物を総量で800mgを5回に分けて添加する場合には、各段階での分割添加量として160mgずつ添加する。
【0015】
(第1処理工程)
上記初期pH調整工程を経て、pH調整された廃水に、過酸化水素の全量を添加すると共に、第1回目の鉄塩添加処理として、分割添加量相当分の鉄塩を添加し、十分に混合する。例えば、CODMn100mg/Lの廃水に対して、過酸化水素の200mgと、総量約800mgを5分割した160mgの硫酸鉄(II)7水和物を添加して、十分に混合する。尚、過酸化水素と分割鉄塩の添加手順は、先に過酸化水素を添加した後、鉄塩を添加することが好ましいが、両者を実質的に同時に添加してもよく、又、鉄塩を先に添加してもよい。
反応させる時間は、廃水の量などによって異なるが、通常、数分から1時間程度で完了する。
【0016】
(再処理工程)
鉄塩を添加するとpHが低下するため、水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加して、初期のpH調整工程と同様にpH3〜5、好ましくはpH3.5〜4.5、より好ましくはpH4前後に調整する。この際、水酸化鉄(III)の茶褐色フロックが析出する。これに次回目の鉄塩添加処理として、同様の分割鉄塩を添加して反応させる。その後、この再処理工程を繰り返す。例えば、鉄塩を5分割して添加する場合には、再処理工程を4回行えばよい。
このように全ての鉄塩を添加して反応を完了させると、過酸化水素の残存量はほぼ無視できる程度であるが、少量の過酸化水素が残存する場合には、硫酸鉄(II)及びその水和物や亜硫酸ナトリウムなどの中和剤を添加してこれを除去しておく。
【0017】
(中和処理工程)
所定回数の鉄塩の添加処理を行った後、水酸化ナトリウムなどのアルカリでpHを7〜8程度に中和する。その後、処理廃水を沈殿槽3に導入し、静止させて水酸化鉄(III)などの沈殿物を除去する固液分離を行う。
【0018】
(凝集処理工程)
沈殿槽3で固液分離した後の処理廃水は、凝集沈殿槽5に導入され、凝集剤を添加した後、更に固液分離を行う。凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウムなどの無機高分子凝集剤、アニオン系又はカチオン系高分子凝集剤などを用いることができる。また、処理廃水中の溶存有機物が比較的多い場合には、凝集剤を添加する前に紫外線照射をすることが好ましい。凝集剤を添加した後、通常、静止させておくとフロックが沈殿するが、沈降性が悪い場合には、脱水機などを用いて固液分離してもよい。
この固液分離によって得られた処理廃水は、そのまま系外に排出してもよく、また、必要に応じて、接触材が投入された接触ばっ気槽に処理廃水を導入し、ばっ気しながら好気的な状態で処理廃水中の有機物を分解吸着するなどの生物処理などを施してもよい。また、必要に応じて、処理廃水を酸化槽2に返送して、上記の廃水処理を再度行ってもよい。
【0019】
<第2実施形態>
第2実施形態は、過酸化水素及び鉄塩を分割添加する処理工程を1サイクルとし、この処理工程を複数サイクル繰り返して行う廃水処理方法に関し、図1及び図3を参照しつつ説明する。この処理方法は、特にCOD値が高い廃水などを処理する場合に有効である。
(廃水導入工程及び初期pH調整工程)
廃水導入工程及び初期pH調整工程は、第1実施形態と同様であり、廃水は、酸化槽2に導入され、pH3〜5、好ましくはpH3.5〜4.5、より好ましくはpH4前後に調整される。
【0020】
(過酸化水素及び鉄塩について)
過酸化水素の添加量及び鉄塩の添加量についても、第1実施形態と同様である。例えば、CODMnが2,000mg/Lの廃水1Lに対して、過酸化水素を4,000mg、硫酸鉄(II)7水和物を16,000mgなどが例示できる。
【0021】
(第1処理工程)
第1実施形態と同様に、過酸化水素を添加し、鉄塩を分割して添加するが、後述するように、この処理工程を1サイクルとし、これを複数サイクル繰り返して行うため、過酸化水素は、総添加量の一部(過酸化水素の総添加量÷サイクル数)を添加し、同様に鉄塩についても総添加量の一部(鉄塩の総添加量÷サイクル数)を分割添加する。例えば、上記のようにCODMnが2,000mg/Lの廃水を処理するに必要な過酸化水素の添加量が4000mg/L、硫酸鉄(II)7水和物が16,000mgの場合であって4サイクル繰返して行う場合には、過酸化水素を1000mg/L添加する。そして、これに対して、4000mg/Lの鉄塩を分割して(5分割で均等添加の場合には、800mg/L)を添加する。
(再処理工程)
その後、第1実施形態と同様にして、pH調整を行い、再び分割添加量相当の鉄塩を添加し、このpH調整及び分割鉄塩の添加を、分割回数分繰り返して行う。
【0022】
(反復工程)
次に、1サイクル当たりの分割鉄塩を全て添加した後、初期pH調整工程に戻ってpH調整した後、第1処理工程で次の分割添加量相当分の過酸化水素を再度添加し、その後同様にして再処理工程を行う処理工程を、サイクル数に応じてこれを繰返して行う。
このサイクル数は、特に限定されないが、概ね2〜5サイクル程度が好ましい。
【0023】
(中和処理工程及び凝集処理工程)
反復工程を行った後、水酸化ナトリウムなどのアルカリでpHを7〜8程度に中和する。その後、処理廃水を沈殿槽3に導入し、静止させて水酸化鉄(III)などの沈殿物を除去する固液分離を行い、凝集沈殿槽5で凝集剤を用いて固液分離を行う。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳述する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
表1に示す染色廃水を用い、常温下に於いて、このCODMn99.6mg/Lの染色廃水500mLに硫酸を入れてpHを約4.0に調整した後、35重量%(比重約1.13)の過酸化水素水を0.4mL(0.8mL/L、過酸化水素158mg)添加し、攪拌した。次に、硫酸鉄(II)7水和物を128mg添加攪拌し、約5分間放置した。その後、水酸化ナトリウムを添加してpHを約4.0に戻し、これに硫酸鉄(II)7水和物を128mg添加攪拌する作業(pH調整及び分割鉄塩の添加)を4回繰り返して行った(硫酸鉄(II)7水和物の総添加量640mg)。尚、水酸化ナトリウムを添加してpHを4.0に戻した際には水酸化鉄(III)のフロックが生じた。
全ての鉄塩を添加した後の処理廃水中に含まれる残存過酸化水素を確認するため、溶存過酸化物イオンを測定したところ、約10mg/Lであった。
次に、硫酸鉄(II)7水和物を30mg添加して残存過酸化水素を除去した後、水酸化ナトリウムを添加して、pHを7.5〜8.0にし、沈殿物を除去した。これにポリ塩化アルミニウムを0.25mL添加し、凝集沈殿物を除去した後の処理液について、CODMn、TOC、透明度について測定した。その結果を表1に示す。
尚、各実施例及び比較例に於いて、CODMn、TOC、BOD、透明度についてはJIS K 0102に準拠して測定し、色度については、JIS K 0101に準拠して測定した。また、残存過酸化水素量の測定は、市販の過酸化物イオン試験紙(メルク社製のクァントシリーズ)を用いて行った。
【0025】
比較例
実施例1で用いた染色廃水500mLに硫酸を入れてpHを約4.0に調整した後、35重量%の過酸化水素水を0.4mL添加攪拌し、硫酸鉄(II)7水和物を640mg添加攪拌し、約5分間放置した。この処理廃水中に含まれる残存過酸化水素を確認するため、溶存過酸化物イオンを測定したところ、約90mg/Lであった。
次に、硫酸鉄(II)7水和物を350mg添加して残存過酸化水素を除去した後、実施例1と同様にして、処理液のCODMn、TOC、透視度について測定した。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 2005000801
【0027】
このことから過酸化水素と鉄塩の総添加量が同じであっても、鉄塩を複数回に分割して添加する方が、過酸化水素の残存量が極めて少なく、又、有機物の分解能に優れていることが確認された。他方、実施例1では、同等の分解効果を得るにあたって、比較例より少量の過酸化水素及び鉄塩で足りることが推察される。
【0028】
実施例2
表2に示す染色廃水を用い、常温下に於いて、このCODMn323mg/Lの染色廃水500mLに硫酸を入れてpHを約4.0に調整し、残存する亜硫酸を少量の過酸化水素で中和した後、35重量%の過酸化水素水を0.75mL(1.5mL/L、過酸化水素297mg)添加し、攪拌した。次に、硫酸鉄(II)7水和物を240mg添加攪拌し、約5分間放置した。その後、水酸化ナトリウムを添加してpHを約4.0に戻し、これに硫酸鉄(II)7水和物を240mg添加攪拌する作業(pH調整及び分割鉄塩の添加)を4回繰り返して行った(硫酸鉄(II)7水和物の総添加量1200mg)。全ての鉄塩を添加した後の処理廃水中に含まれる残存過酸化水素を確認するため、溶存過酸化物イオンを測定したところ、ほぼ零であった。
次に、水酸化ナトリウムを添加して、pHを7.8〜8.0にし、静止させて沈殿物を除去した。この処理液にポリ塩化アルミニウムを0.5mL添加し、凝集沈殿物を除去した後の処理液について、CODMn、BOD、TOC、透視度などについて測定した。その結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
Figure 2005000801
【0030】
実施例3
表3に示す畜産廃水(活性汚泥法によって前処理したもの)を用い、常温下に於いて、このCODMn94.8mg/Lの畜産廃水500mLに硫酸を入れてpHを約4.0に調整し、35重量%の過酸化水素水を0.25mL(0.5mL/L、過酸化水素99mg)添加し、攪拌した。次に、硫酸鉄(II)7水和物を80mg添加攪拌し、約5分間放置した。その後、水酸化ナトリウムを添加してpHを約4.0に戻し、これに硫酸鉄(II)7水和物を80mg添加攪拌する作業(pH調整及び分割鉄塩の添加)を4回繰り返して行った(硫酸鉄(II)7水和物の総添加量400mg)。全ての鉄塩を添加した後の処理廃水中に含まれる残存過酸化水素を確認するため、溶存過酸化物イオンを測定したところ、約3mg/Lであった。
次に、硫酸鉄(II)7水和物を20mg添加して残存過酸化水素を除去した後、水酸化ナトリウムを添加して、pHを7.8〜8.0にし、静止させて沈殿物を除去した。この処理液にポリ塩化アルミニウムを0.5mL添加し、凝集沈殿物を除去した後の処理液について、CODMn、BOD、色度などについて測定した。
【0031】
【表3】
Figure 2005000801
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明の廃水処理方法は、反応終了後に、過酸化水素の残存量が極めて少なく、有機物の分解効率にも優れている。従って、比較的少量の過酸化水素及び鉄塩で、有機物を分解することができ、更に残存過酸化水素の除去処理を殆ど必要としないので、凝集剤の添加量も比較的少量で済み、薬品使用量を低減して廃水処理コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃水処理システムの構成図。
【図2】廃水処理方法の一実施形態を示すフロー図。
【図3】廃水処理方法の他の実施形態を示すフロー図。
【符号の説明】
1…廃水処理システム、2…酸化槽、3…沈殿槽、5…凝集沈殿槽

Claims (6)

  1. 過酸化水素及び鉄塩を添加して廃水中の有機物を分解する廃水処理方法に於いて、前記鉄塩を複数回に分けて添加することを特徴とする廃水処理方法。
  2. 過酸化水素及び鉄塩を添加して廃水中の有機物を分解する廃水処理方法に於いて、過酸化水素を添加し、鉄塩を複数回に分けて添加する処理工程を有し、この処理工程を複数サイクル繰り返すことを特徴とする廃水処理方法。
  3. 鉄塩を3〜7回に分けて添加する請求項1又は2記載の廃水処理方法。
  4. 複数回に分けて鉄塩を添加するに際し、各鉄塩を添加する前に廃水のpHを3〜5に調整する請求項1又は2記載の廃水処理方法。
  5. 鉄塩の総添加量が、過酸化水素1モルに対し0.4〜0.6モルである請求項1又は2記載の廃水処理方法。
  6. 複数回に分けて添加される鉄塩の分割添加量が、それぞれ等量である請求項1又は2記載の廃水処理方法。
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