JP2015128751A - 排水処理装置及び排水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1,4−ジオキサン、有機物および油分を含有する排水を効率的に処理することができる排水処理装置および排水処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第一鉄、過酸化水素の存在下で、1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水をフェントン処理するフェントン処理反応部Xと、フェントン処理反応部Xで処理された排水を生物処理する生物処理反応部Yと、を備え、フェントン処理反応部Xの反応槽10では、フェントン処理で生成する第二鉄により前記油分が凝集処理される排水処理装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、1,4−ジオキサン、有機物及び油分を含有する排水の処理装置及び処理方法の技術に関する。
1,4−ジオキサンは、例えば、セルロース、エーテル、エステル類に対する溶剤、洗浄用溶剤、塩素系溶剤の安定剤などに使用されている。この為、1,4−ジオキサンを製造する工程からの排水や1,4−ジオキサンを使用する工程からの排水中には、1,4−ジオキサンが含有されている。また、エチレンオキシドの重合反応や、ある種の界面活性剤、例えばアルキルエーテルサルフェートなどを生成する際の副生成物として1,4−ジオキサンが生成することが知られており、上記のような工程からの排水中には1,4−ジオキサンが含有される。しかしながら、1,4−ジオキサンは難分解性物質であるため、下水処理場における生物処理では殆ど分解除去されず、水環境汚染が指摘されている。そのため、特定事業所から公共用水域および下水道へ排出される際の基準値(0.5mg/L以下)が定められ、水質汚濁防止法の有害物質として規定されている。
上記のような1,4−ジオキサン製造工程、または1,4−ジオキサン使用工程等から排出される1,4−ジオキサン含有排水中には、同時に有機物や油分が含有される場合がある。そして、1,4−ジオキサンの処理方法としては、フェントン処理が知られているが、主に排水中に含まれる有機物は、フェントン処理にて1,4−ジオキサンに作用するOHラジカルと反応して、消費されてしまうため、1,4−ジオキサン処理に対する阻害物質となってしまう。そこで、前処理として有機物を除去した後に、1,4−ジオキサンをフェントン処理にて除去する方法が知られている。
例えば、特許文献1では、排水中に共存する有機物を生物反応槽で分解除去するとともに、排水を固液分離し、分離水をフェントン処理して、1,4−ジオキサンを分解する排水処理方法が提案されている。
例えば、特許文献2では、排水中の1,4−ジオキサンを揮発、捕集し、1,4−ジオキサンと同時に揮発した易分解性有機物を生物処理するとともに、排水を固液分離し、分離水をフェントン処理して、1,4−ジオキサンを分解する排水処理方法が提案されている。
また、有機物の生物処理方法としては、活性汚泥法が知られている。この活性汚泥法においては、汚泥と処理水の固液分離を沈殿池ではなく、膜により行う膜分離活性汚泥法が開発され、普及しつつある。
通常の活性汚泥法では、汚泥の沈降性が悪化すると、沈殿池での固液分離が不十分となり、処理水へSS(Suspended solids,懸濁物質)が流出し、処理水水質が悪化するという問題がある。一方、膜分離活性汚泥法では、膜により固液分離を行うため、汚泥の沈降性に依らず、清澄な処理水を得ることができるという利点がある。
しかし、膜分離活性汚泥法において、膜の詰まりが発生すると、正常な運転ができない場合がある。膜の詰まりの原因としては、一般的に、汚泥などのSS成分や、タンパク質や油分などが考えられる。特に油分については生物処理しきれない量の油分が流入すると、膜分離活性汚泥法だけではなく、通常の活性汚泥法でも、汚泥の沈降性悪化やスカムの発生などの処理不良が生じてしまう問題がある。
油分を含有する排水から油分を除去する方法としては、前処理として、凝集処理や加圧浮上により油分を除去した後に膜分離活性汚泥法により処理を行う方法(例えば、特許文献3)、前段に油分除去装置を設置した後に膜分離活性汚泥法による処理を行う方法(例えば、特許文献4)が知られている。
特開2005−58854号公報 特開2012−35189号公報 特開2011−177608号公報 特開2006−26506号公報
ところで、特許文献1〜4を参考にして、1,4−ジオキサン、有機物および油分を含有する排水の処理を行う場合、先ず、凝集処理や加圧浮上処理により膜分離活性汚泥法の膜詰まりの要因となる油分を除去し、次いで膜分離活性汚泥法(生物処理方法)によりフェントン処理の阻害要因となる有機物を除去した後に、フェントン処理にて1,4−ジオキサンを除去することになる。しかし、この方法では、処理工程が多くなり、また、凝集処理・加圧浮上処理とフェントン処理それぞれで発生する汚泥を処理する必要がある。また、フェントン処理にて1,4−ジオキサンを分解した際に生成する有機物が処理水中に残存することも考えられる。したがって、特許文献1〜4を参考にした処理方法では、排水の効率的な処理の課題が残る。なお、上記方法では、処理工程が多くなるため、それらに掛かる設備費用が高くなり、また、凝集処理・加圧浮上処理とフェントン処理それぞれで発生する汚泥の処分が必要となるため、運転費用も高くなるという懸念もある。
そこで、本発明は、1,4−ジオキサン、有機物および油分を含有する排水を効率的に処理することができる排水処理装置および排水処理方法を提供することを目的とする。
本発明の排水処理装置は、第一鉄、過酸化水素の存在下で、1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水をフェントン処理するフェントン処理反応部と、前記フェントン処理反応部で処理された排水を生物処理する生物処理反応部と、を備え、前記フェントン処理反応部では、フェントン処理で生成する第二鉄により前記油分が凝集処理されるものである。
また、前記排水処理装置において、1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水中の油分濃度は、n−ヘキサン抽出物質濃度で、50mg/L以上であることが好ましい。
また、前記排水処理装置において、前記生物処理反応部は、前記生物処理された排水を膜ろ過する分離膜を備えることが好ましい。
また、本発明の排水処理方法は、第一鉄、過酸化水素の存在下で、1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水をフェントン処理するフェントン処理工程と、前記フェントン処理工程で処理された排水を生物処理する生物処理工程と、前記フェントン処理工程では、フェントン処理で生成する第二鉄により前記油分が凝集処理されるものである。
また、前記排水処理方法において、1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水中の油分濃度は、n−ヘキサン抽出物質濃度で、50mg/L以上であることが好ましい。
また、前記排水処理方法において、前記生物処理工程は、前記生物処理された排水を膜ろ過する膜分離工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、1,4−ジオキサン、有機物および油分を含有する排水を効率的に処理することができる排水処理装置および排水処理方法を提供することが可能となる。
本実施形態に係る排水処理装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る排水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。 実施例3及び比較例1〜2における浸漬型分離膜の吸引圧力の推移を示す図である。 実施例4における鉄(II)/1,4−ジオキサン(化学当量比)とフェントン処理水の1,4−ジオキサン濃度との関係を示した図である。 実施例5における鉄(II)/n−ヘキサン抽出物質割合とフェントン処理水のn−ヘキサン抽出物質濃度との関係を示した図である。 鉄(II)/TOC濃度割合とフェントン処理水の1,4−ジオキサン濃度との関係を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る排水処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、排水処理装置1は、フェントン処理反応部Xと、生物処理反応部Yと、から構成されており、フェントン処理反応部Xは、反応槽10、還元槽12、凝集槽14、沈殿槽16aから主要部が構成され、生物処理反応部Yは、生物処理槽18、沈殿槽16bから主要部が構成されている。図1に示す反応槽10は、pH調整装置20a、第一鉄添加装置22、過酸化水素添加装置24、撹拌装置26aを備えている。また、図1に示す還元槽12は、還元剤添加装置28、撹拌装置26bを備えている。また、図1に示す凝集槽14は、pH調整装置20b、撹拌装置26cを備えている。図1に示す生物処理槽18は、曝気装置30を備えている。
本実施形態のフェントン処理反応部Xは、主に第1鉄塩、過酸化水素の存在下で、1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水に対してフェントン処理を行う領域であればよいため、少なくとも反応槽10を備えていればよく、図1に示すように、反応槽10、還元槽12、凝集槽14、沈殿槽16aから構成されるものに限定されない。また、本実施形態の生物処理反応部Yは、フェントン処理反応部Xで処理された排水に対して生物処理を行う領域であればよいため、少なくとも生物処理槽18を備えていればよく、図1に示すように、生物処理槽18、沈殿槽16bから構成されるものに限定されない。
反応槽10には、排水流入ライン32が接続されている。また、反応槽10と還元槽12との間、還元槽12と凝集槽14との間、凝集槽14と沈殿槽16aとの間、沈殿槽16aと生物処理槽18との間、生物処理槽18と沈殿槽16bとの間には、送液ライン34a〜34eが設置されている。また、沈殿槽16bには処理水排出ライン36が接続されている。また、沈殿槽16a,16bには、汚泥排出ライン38a,38bが接続されている。汚泥排出ライン38bと生物処理槽18との間には汚泥返送ライン40が設けられている。
図1に示すpH調整装置20a,20bは、pH調整剤を反応槽10、凝集槽14に供給するためのものであり、例えば、pH調整剤を収容するタンク、pH調整剤を吐出するためのポンプ、pH調整剤を反応槽10、凝集槽14へ送液するための配管等から構成されている。
図1に示す第一鉄添加装置22は、第一鉄を反応槽10に供給するためのものであり、例えば、第一鉄を収容するタンク、第一鉄を吐出するためのポンプ、第一鉄を反応槽10へ送液するための配管等から構成されている。
図1に示す過酸化水素添加装置24は、過酸化水素を反応槽10に供給するためのものであり、例えば、過酸化水素を収容するタンク、過酸化水素を吐出ためのポンプ、過酸化水素を反応槽10へ送液するための配管等から構成されている。
図1に示す還元剤添加装置28は、過酸化水素を還元する還元剤を還元槽12に供給するためのものであり、例えば、還元剤を収容するタンク、還元剤を吐出するためのポンプ、還元剤を還元槽12に送液するための配管等から構成されている。
以下に、図1に示す排水処理装置1を用いて、本実施形態の排水処理方法の一例を説明する。本実施形態の処理対象は、1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水であり、以下では、単に原水と呼ぶ場合がある。本明細書における有機物とは、JIS K 0102の生物化学的酸素消費量(BOD)や有機態炭素(TOC)で検出される物質のうち、1,4−ジオキサン以外の物質である。一例として、本明細書における有機物は、多糖類(たんぱく質など)、有機酸(酢酸など)、アルコール、アミノ酸などである。また、本明細書における油分とは、JIS K 0102のヘキサン抽出物質により検出される物質である。一例として、本明細書における油分は、トリグリセリド形状のものであり、動植物油(牛脂、豚脂、サラダ油など)、鉱物油(軽油、重油、グリース、ワセリンなど)等である。
<フェントン処理反応工程>
1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水(原水)は、排水流入ライン32から反応槽10に導入される。また、反応槽10内の排水が撹拌装置26aにより撹拌されると共に、第一鉄添加装置22から反応槽10に第一鉄が添加され、また、過酸化水素添加装置24から反応槽10に過酸化水素が添加される。反応槽10内では、過酸化水素に鉄(II)イオンが触媒的に反応して、酸化力の強いヒドロキシラジカルが発生する。ヒドロキシラジカルは、主に排水中の1,4−ジオキサン及び有機物と反応し、これらを分解する(酸化分解工程)。更に反応槽10内では、第一鉄が、過酸化水素と反応して第二鉄となり、この第二鉄が、凝集剤として作用し、主に排水中の油分が凝集処理される。このように、本発明者らは、ヒドロキシラジカルの発生に伴って生成する第二鉄の凝集作用を利用して、排水中の油分を凝集処理できることを見出した。これにより、1,4−ジオキサン及び有機物の分解と共に、油分の処理も可能となるため、反応槽10の前段に、油分を除去するための凝集処理や加圧浮上処理等の設備を設ける必要がなくなり、処理工程の簡略化を図りながら、効率的に排水の処理が可能となる。
第一鉄塩の溶液として存在できるpH条件、ヒドロキシラジカルの生成の点等で、過酸化水素、第一鉄の添加と共に、pH調整装置20aから、塩酸、硫酸等の酸をpH調整剤として添加し、排水のpHを酸性領域(例えば、2.5以上4.0以下)にすることが好ましい。
次に、反応槽10で処理された排水は、送液ライン34aを通して、還元槽12へ送液される。一般的に、1,4−ジオキサンの濃度を排水基準値以下(0.5mg/L以下)にするために、反応槽10に添加される過酸化水素は、排水中の1,4−ジオキサンの濃度より高くなるように添加されるため、送液ライン34aを通る排水中には、過酸化水素が残留している場合がある。そこで、還元剤添加装置28から還元槽12に還元剤を添加することによって、還元槽12内で、還元槽12へ送液された排水中に残留する過酸化水素が還元剤により還元(除去)される(還元工程)。還元処理の際には、還元槽12内の排水を撹拌装置26bにより撹拌しておくことが好ましい。なお、過酸化水素が残留していない場合(又は残留していても微量の場合)等は、還元槽12を設置する必要はない。
次に、還元槽12から排出された排水は、送液ライン34bを通して、凝集槽14へ送液される。一般的に、1,4−ジオキサンの濃度を排水基準値以下(0.5mg/L以下)にするために、反応槽10に添加される第一鉄は、排水中の1,4−ジオキサンの濃度より高くなるように添加されるため、送液ライン34a,34bを通る排水中に第一鉄が残留している場合がある。そこで、pH調整装置20bから凝集槽14にpH調整剤を添加することによって、排水のpHを中性域からアルカリ性域(例えば、6.8以上10.5以下)、後段の生物処理への影響の点から好ましくは6.5から7.5にして、凝集槽14へ送液された排水中に残留する鉄(II)イオンを水酸化鉄へと変化させる。そして、この水酸化鉄により排水中の汚泥がフロック化され、凝集処理される(凝集工程)。ここで使用するpH調整剤は、凝集槽14へ送液される排水のpHによって適宜選択されるものであるが、通常は反応槽10を酸性域としてフェントン反応を行うため、水酸化ナトリウム等のアルカリ等が用いられる。凝集処理の際には、凝集槽14内の排水を撹拌装置26cにより撹拌しておくことが好ましい。また、必要に応じて図示されていない添加装置により高分子凝集剤等の凝集剤を添加してもよい。
フロック化した汚泥を含む排水は、凝集槽14から排出され、送液ライン34cを通して、沈殿槽16aに送液される。沈殿槽16aでは、自然沈降分離等により水酸化鉄等を含む汚泥と、フェントン処理された排水とに固液分離される(固液分離工程1)。汚泥は、汚泥排出ライン38aから排出され、フェントン処理された排水は、送液ライン34dから排出される。このように反応槽10、還元槽12、凝集槽14、及び沈殿槽16aでなされるフェントン処理により、排水中の1,4−ジオキサンが除去され、また有機物の一部が除去される。また、排水中の油分は、フェントン反応により生成された第二鉄により、凝集処理される(除去される)。
<生物処理工程>
原水(1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水)の性状は、一般的に、1,4−ジオキサン濃度より、有機物の濃度が高いため、フェントン処理により、1,4−ジオキサンを処理しても、通常、有機物の全てを処理しきれず、フェントン処理された排水中に残留してしまう。また、1,4−ジオキサンの処理によって発生する有機物も、フェントン処理された排水中に残留してしまう。
そこで、本実施形態では、フェントン処理された排水中の有機物に対して生物処理を実施する。図1に示す排水処理装置1では、まず、フェントン処理反応部Xで処理された排水は、送液ライン34dを通して、生物処理槽18へ送液され、また、曝気装置30により、生物処理槽18内に空気が供給される。そして、生物処理槽18内では、好気性条件下で、排水中の有機物が、微生物により分解される(生物処理工程)。次に、生物処理槽18から排出された排水は、送液ライン34eを通して、沈殿槽16bへと送液され、排水中の汚泥と処理水とに固液分離される(固液分離工程2)。処理水は、処理水排出ライン36から排出され、汚泥は、汚泥排出ライン38bから排出される。また、汚泥排出ライン38bから排出される汚泥の少なくとも一部を汚泥返送ライン40から生物処理槽18へ返送してもよい。
本実施形態の排水処理装置及び方法についてのその他の条件について以下説明する。
処理対象とされる原水(酸化分解工程前の排水)中の1,4−ジオキサン濃度は、特に限定されるものではないが、2mg/L以上、好ましくは2〜20mg/Lの範囲の1,4−ジオキサンを含有する排水に対して、本実施形態の排水処理は、特に効果的である。例えば、1,4−ジオキサン濃度が2mg/L未満であると、フェントン処理の際に添加する第一鉄の添加量が少量で済むが、排水中の油分を凝集させる凝集剤としての鉄が不足する虞がある。また、1,4−ジオキサン濃度が20mg/Lを超えると、フェントン処理の際に添加する第一鉄及び過酸化水素の添加量が多量となり、後段でそれらの残留分を除去するための時間が増加するおそれがある。
また、処理対象とされる原水(酸化分解工程前の排水)中の油分濃度は、特に制限されるものではないが、n−ヘキサン抽出物質濃度で50mg/L以上の排水に対して、本実施形態の排水処理は、特に効果的である。本実施形態では、フェントン処理の際に生成する第二鉄を油分の凝集に利用しているため、50mg/L以上の高い油分濃度でも、フェントン処理反応部Xで効率的に油分を除去し、生物処理槽18内に油分が残留することを抑制することが可能となる。なお、従来の生物処理では、50mg/L以上の油分濃度の排水を十分に処理できないため、油分の処理水へのリークに加え、MBRでは膜の詰まり、標準活性汚泥法では汚泥の沈降性悪化やスカムの発生が生じる等、処理不良となる虞がある。
また、処理対象とされる原水(酸化分解工程前の排水)中の有機物濃度は、特に制限されるものではないが、生物処理速度の観点から、BOD濃度で300〜2000mg/L、CODMn濃度で150〜1000mg/L、TOC濃度で150〜1000mg/Lの範囲であることが好ましい。
酸化分解工程における排水のpH、すなわち反応槽10内の排水のpHは、ヒドロキシラジカルを効率的に生成する観点等から、2.5〜4.0の範囲が好ましく、2.5〜3.5の範囲がより好ましい。反応槽10に添加する第一鉄(鉄(II)化合物)は、例えば、硫酸鉄、塩化鉄、硝酸鉄などが挙げられるが、ヒドロキシラジカルを効率的に生成する点で硫酸鉄が好ましい。
添加する第一鉄の添加量は、処理対象となる原水の性状等により異なるが、例えば、鉄(II)イオン濃度が、原水の1,4−ジオキサン濃度対して化学当量比で250倍以上 (すなわち、鉄(II)イオン/1,4−ジオキサン(化学当量比)=250倍以上)となるように第一鉄を添加することが好ましく、500倍以上となるように第一鉄を添加することがより好ましい。鉄(II)イオンの濃度が、原水の1,4−ジオキサン濃度に対して250倍未満の場合、ヒドロキシラジカルの生成が1,4−ジオキサン分解必要量に対し不十分となり、良好な処理が得られない場合がある。
また、添加する第一鉄の添加量は、処理対象となる原水の性状等により異なるが、例えば、鉄(II)イオン濃度が、原水のn−ヘキサン抽出物質濃度(油分濃度)に対して3倍以上 (すなわち、鉄(II)イオン濃度/n−ヘキサン抽出物質濃度=3以上)となるように第一鉄を添加することが好ましく、4倍以上となるように第一鉄を添加することがより好ましい。鉄(II)イオンの濃度が、原水のn−ヘキサン抽出物質濃度に対して3倍未満の場合、第二鉄の生成量が油分除去必要量に対し不十分となり、良好な処理が得られない場合がある。
また、添加する第一鉄の添加量は、処理対象となる原水の性状等により異なるが、例えば、鉄(II)イオン濃度が、原水のTOC濃度対して1倍以上 (すなわち、鉄(II)イオン濃度/TOC濃度=1以上)となるように第一鉄を添加することが好ましく、1.5倍以上となるように第一鉄を添加することがより好ましい。鉄(II)イオンの濃度が、原水のTOC濃度に対して1倍未満の場合、生成されたヒドロキシラジカルが有機物と反応、消費され、1、4ジオキサン分解必要量に対し不十分となり、良好な処理が得られない場合がある。
上記のように、第一鉄の添加量は、処理対象となる原水の1,4−ジオキサン濃度、油分濃度又は有機物濃度に対して設定されることが望ましく、特に、第一鉄の添加量の下限値は、原水の1,4−ジオキサン濃度、油分濃度又は有機物濃度に対して設定される第一鉄の添加量のうちの最低値を、第一鉄の添加量の下限値とすることが好ましい。
過酸化水素の添加量は、添加する第一鉄の濃度に対して設定されることが望ましく、例えば、鉄(II)イオン濃度に対して化学当量比で1〜3倍となるように過酸化水素を添加することが好ましく、1〜2倍となるように過酸化水素を添加することがより好ましい。過酸化水素添加量が、鉄(II)イオン濃度の3倍を超えると、残留過酸化水素濃度が高くなり過酸化水素還元処理コストが増大してしまう場合がある。また、過酸化水素添加量が鉄(II)イオン濃度の1倍未満であると、ヒドロキシラジカルの生成が1,4−ジオキサン分解必要量に対し不十分となり、良好な分解が得られない場合がある。
還元工程では、還元槽12から排出される排水中の残留過酸化水濃度が、好ましくは100mg/L以下、より好ましくは50mg/L以下となるまで、過酸化水素を還元処理することが望ましい。還元槽12から排出される排水中に過酸化水素が100mg/L超残留していると、後段の固液分離工程1(沈殿槽16a)での汚泥沈降性が悪化する場合や、生物処理工程(生物処理槽18)での生物処理阻害、処理水CODの増加が生じる場合等がある。還元槽12に添加される還元剤は、過酸化水素を還元することができるものであればよく、例えば、アルカリ金属の亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ギ酸塩等が挙げられ、具体的には、重亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
凝集工程では、凝集槽14内の排水のpHが、残留する第一鉄を水酸化鉄に変換する点、後段の生物処理への有機物処理速度の影響の点等から、6〜8.5の範囲に調整されることが好ましくは、6.5〜7.5の範囲に調整されることがより好ましい。また、凝集槽14に高分子凝集剤等の凝集剤を添加してもよく、使用する高分子凝集剤は、例えば、アニオン系、ノニオン系の高分子凝集剤等が挙げられる。
生物処理工程は、従来知られている生物処理が行われ、例えば、活性汚泥処理や、流動担体を添加して処理効率を高めた流動床式、充填物へ通水する固定床式、後述する浸漬型膜分離汚泥処理などが行われる。
図2は、本実施形態に係る排水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図2に示す排水処理装置2において、図1に示す排水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付している。図2に示す排水処理装置2は、フェントン処理反応部Xと、生物処理反応部Yと、から構成されており、フェントン処理反応部Xは、反応槽10、還元槽12、凝集槽14、沈殿槽16aから主要部が構成され、生物処理反応部Yは、生物処理槽42から主要部が構成されている。図2に示す反応槽10は、pH調整装置20a、第一鉄添加装置22、過酸化水素添加装置24、撹拌装置26aを備えている。また、図2に示す還元槽12は、還元剤添加装置28、撹拌装置26bを備えている。また、図2に示す凝集槽14は、pH調整装置20b、撹拌装置26cを備えている。図2に示す生物処理槽42は、曝気装置30、浸漬型分離膜モジュール44が設置されている。
反応槽10には、排水流入ライン32が接続されている。また、反応槽10と還元槽12との間、還元槽12と凝集槽14との間、凝集槽14と沈殿槽16aとの間、沈殿槽16aと生物処理槽42との間には、送液ライン34a〜34dが設置されている。また、沈殿槽16a及び生物処理槽42には、汚泥排出ライン38a,38bが接続され、生物処理槽42内の浸漬型分離膜モジュール44の排出口には、処理水排出ライン36が接続されている。汚泥排出ライン38b、処理水排出ライン36にはポンプ46a,46bが設置されている。
浸漬型分離膜モジュール44内には、浸漬型分離膜が設けられている。浸漬型分離膜は、従来から知られているものが用いられるが、設置面積を小さくすることが可能な点から、中空糸膜エレメントが望ましい。また、浸漬型分離膜の材質についても特に限定はないが、強度や薬品耐性に優れる点からポリフッ化ビニルデン多孔質膜が望ましい。
以下に、図2に示す排水処理装置2を用いて、本実施形態の排水処理方法の一例を説明する。
<フェントン処理反応工程>
原水(1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水)は、排水流入ライン32から反応槽10に導入される。また、反応槽10内の排水が撹拌装置26aにより撹拌されると共に、pH調整装置20aにより、pH調整剤が反応槽10内に添加され、反応槽10内の排水のpHが酸性領域(例えば、2.5以上4.0以下)にされる。また、第一鉄添加装置22から反応槽10に第一鉄が添加され、また、過酸化水素添加装置24から反応槽10に過酸化水素が添加される。反応槽10内では、過酸化水素に鉄(II)イオンが触媒的に反応して、酸化力の強いヒドロキシラジカルが発生する。ヒドロキシラジカルは、主に排水中の1,4−ジオキサン及び有機物と反応し、これらを分解する(酸化分解工程)。更に反応槽10内では、第一鉄が、過酸化水素と反応して第二鉄となり、この第二鉄が、凝集剤として作用し、主に排水中の油分が凝集処理される。
次に、反応槽10で処理された排水は、送液ライン34aを通して、還元槽12へ送液される。また、還元槽12内の排水が撹拌装置26bにより撹拌されると共に、還元剤添加装置28から還元槽12に還元剤が添加される。還元槽12内では、還元槽12へ送液された排水中に残留する過酸化水素が還元剤により還元(除去)される(還元工程)。
次に、還元槽12から排出された排水は、送液ライン34bを通して、凝集槽14へ送液される。また、凝集槽14内の排水が撹拌装置26cにより撹拌されると共に、pH調整装置20bにより凝集槽14へpH調整剤が添加され、排水のpHを中性域(例えば、6.5以上8.0以下)にして、凝集槽14へ送液された排水中に残留する鉄(II)イオンを水酸化鉄へと変化させる。そして、この水酸化鉄により排水中の汚泥がフロック化され、凝集処理される(凝集工程)。また、必要に応じて図示されていない添加装置により高分子凝集剤等の凝集剤を添加してもよい。
フロック化した汚泥を含む排水は、還元槽12から排出され、送液ライン34cを通して、沈殿槽16aに送液される。沈殿槽16aでは、自然沈降分離等により鉄(II)イオン等を含む汚泥と、フェントン処理された排水とに固液分離される(固液分離工程1)。そして、汚泥は汚泥排出ライン38bから排出され、フェントン処理された排水は送液ライン34dへ排出される。
<生物処理工程>
フェントン処理された排水は、送液ライン34dを通して、生物処理槽42へ送液される。また、曝気装置30により、生物処理槽42内に空気が供給され、生物処理に必要な酸素の供給、槽内の撹拌、膜単糸へのせん断力の供与などが行われる。そして、生物処理装置内では、好気性条件下で、排水中の有機物が、微生物により分解される(有機物処理工程)。次に、処理水排出ライン36に設置されたポンプ46bを稼働させ、槽内の生物汚泥を含む排水を浸漬型分離膜モジュール44で膜ろ過処理して、生物汚泥が除去された処理水が処理水排出ライン36から系外へ排出される(膜分離工程)。また、汚泥排出ライン38bに設置されたポンプ46aを稼働させることにより、槽内の生物汚泥が汚泥排出ライン38bから排出される。
本実施形態では、浸漬型の分離膜モジュールを用いたが、これに限定されるものではなく、生物処理槽42の槽外に分離膜モジュールを設置し、生物処理槽42から排出される排水を分離膜モジュールに通水して、生物汚泥が除去された処理水を得ても良い。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1−1、実施例1−2においては、1,4−ジオキサン濃度2mg/L、TOC430mg/L、CODMn470mg/L、n−ヘキサン抽出物質濃度150mg/Lの化学工場排水に対しフェントン処理を実施した。フェントン処理における添加薬剤濃度は、実施例1−1では、Fe2+濃度を500mg/L、H濃度を609mg/L、実施例1−2では、Fe2+濃度を1000mg/L、H濃度を1218mg/Lとし、両実施例ともに反応pHを3.0、反応時間を1.5時間として、反応を行った。反応終了後、処理排水に重亜硫酸ナトリウムを添加して、残留過酸化水素が5mg/L以下まで還元した。次に、還元処理した排水に水酸化ナトリウムを添加して、pHを7.0に調整し、高分子凝集剤(OA−23、オルガノ社製)を1mg/L添加しフロックを形成し、沈降させ、上澄み液をフェントン処理水として採水した。
表1に、薬剤添加濃度、及びフェントン処理水の処理水質を示す。表1に示すように、TOCを250mg/L程度、CODMnを220mg/L程度、n−ヘキサン抽出物質濃度を5mg/L以下、1,4−ジオキサン濃度を0.1mg/L以下まで除去することができた。このように、フェントン処理において、1,4−ジオキサン及び油分(n−ヘキサン抽出物質)を除去し、有機物の一部を除去することができるため、その後の生物処理において、排水中に残る有機物を確実に除去することが可能となる。
実施例2−1〜2−3においては、1,4−ジオキサン濃度5mg/L、TOC470mg/L、CODMn490mg/L、n−ヘキサン抽出物質濃度150mg/Lの化学工場排水に対しフェントン処理を実施した。フェントン処理における添加薬剤濃度は、実施例2−1では、Fe2+濃度を250mg/L、H濃度を304mg/L、Fe2+/1,4−ジオキサン(化学当量比)を79、実施例2−2では、Fe2+濃度を500mg/L、H濃度を609mg/L、Fe2+/1,4−ジオキサン(化学当量比)を158、実施例2−3では、Fe2+濃度を1000mg/L、H濃度を1219mg/L、Fe2+/1,4−ジオキサン(化学当量比)を316とした。実施例2−1〜2−3のその他の条件は実施例1と同様とした。
表2に、薬剤添加濃度、及びフェントン処理水の処理水質を示す。表2に示すように、Fe2+/1,4−ジオキサン(化学当量比)を高くするにしたがい、フェントン処理水中の1,4−ジオキサン濃度が低濃度となり、より効率的に除去することができることを確認した。また、実施例2−1よりFe2+濃度/n−ヘキサン抽出物質濃度の高い実施例2−2及び2−3では、フェントン処理水中のn−ヘキサン抽出物質濃度を5mg/L未満とすることができた。
実施例3においては、1,4−ジオキサン濃度2mg/L、TOC430mg/L、CODMn470mg/L、n−ヘキサン抽出物質濃度150mg/Lの化学工場排水に対し、図2に示す排水処理装置を用いて、フェントン処理および生物処理(膜分離活性汚泥処理)を実施した。フェントン処理における添加薬剤濃度は、Fe2+濃度を500mg/L、H濃度を609mg/Lとした。実施例3のその他の条件は実施例1と同様とした。膜分離活性汚泥処理は、滞留時間を2日、汚泥濃度を6000mg/L、生物処理槽のpHを6.5〜7.5、生物処理槽の水温を20〜25℃とし、処理を行った。
比較例1では、上記化学工場排水に対して膜分離活性汚泥処理のみを行った。膜分離活性汚泥処理は、実施例3と同様の条件である。
比較例2では、上記化学工場排水に対して凝集処理を行った後に、膜分離活性汚泥処理を行った。凝集処理は以下の手順で行った。排水に塩化鉄(III)を500mg/L添加し、水酸化ナトリウムによりpHを7.0に調整して、5分間急速撹拌を行った。その後高分子凝集剤(OA−23、オルガノ社製)を1mg/L添加し、緩速撹拌を1分間行い、フロックを形成させた。形成したフロックを沈降させ、上澄み液を凝集処理水として採水し、膜分離活性汚泥処理を行った。膜分離活性汚泥処理は、実施例3と同様の条件である。
表3に実施例3のフェントン処理水の処理水質と生物処理水の処理水質、比較例1〜2の生物処理水質を示す。また、図3は、実施例3及び比較例1〜2における浸漬型分離膜の吸引圧力の推移を示す図である。
実施例3では、表3に示すように、生物処理水のTOCを10mg/L、n−ヘキサン抽出物質濃度を5mg/L以下、1,4−ジオキサン濃度を0.1mg/L以下とすることでき、非常に良好な処理水が得られた。また、実施例3では、図3に示すように、浸漬型分離膜の吸引圧力上昇も生じず、安定した運転が可能であった。一方、比較例1では、表3に示すように、生物処理水のTOCを15mg/L、n−ヘキサン抽出物質濃度を5mg/L以下まで除去可能であったが、1,4−ジオキサン濃度は1.6mg/Lであり、ほとんど除去できていなかった。また、比較例1では、図3に示すように、浸漬型分離膜の吸引圧力も上昇し、安定した運転が不可能という結果となった。また、比較例2では、表3に示すように、生物処理水のTOCを15mg/L、n−ヘキサン抽出物質濃度を5mg/L以下まで除去可能であり、図3に示すように、浸漬型分離膜の吸引圧力上昇も生じず安定した運転が可能であった。しかし、生物処理水の1,4−ジオキサン濃度は1.5mg/Lであり、ほとんど除去できていなかった。これらの結果より、1,4−ジオキサン、有機物および油分を含有する排水に対し、フェントン処理した後に生物処理を行うことで、処理工程数を削減しつつ、1,4−ジオキサン、油分、及び有機物を効率的にかつ安定して除去することが可能である。
実施例4においては、1,4−ジオキサン濃度1〜25mg/L、TOC400〜1200mg/L、CODMn400〜1300mg/L、n−ヘキサン抽出物質濃度100〜200mg/Lの化学工場排水に対しフェントン処理を実施した。フェントン処理における添加薬剤濃度は、Fe2+/1,4−ジオキサン(化学当量比)を30〜2600、H/Fe2+(化学当量比)を2とした。実施例4のその他の条件は実施例1と同様とした。
図4は、実施例4における鉄(II)/1,4−ジオキサン(化学当量比)とフェントン処理水の1,4−ジオキサン濃度との関係を示した図である。図4に示すように、鉄(II)/1,4−ジオキサン(化学当量比)が好ましくは250以上、より好ましくは500以上となるように第一鉄を添加することにより、フェントン処理水の1,4−ジオキサン濃度をより低減すること、具体的には0.2mg/L以下にすることが可能となる。
実施例5においては、1,4−ジオキサン濃度1〜25mg/L、TOC400〜1200mg/L、CODMn400〜1300mg/L、n−ヘキサン抽出物質濃度100〜200mg/Lの化学工場排水に対しフェントン処理を実施した。フェントン処理における添加薬剤濃度は、Fe2+/n−ヘキサン抽出物質を1.8〜8.3、H/Fe2+(化学当量比)を2とした。実施例5のその他の条件は実施例1と同様とした。
図5は、実施例5における鉄(II)/n−ヘキサン抽出物質割合とフェントン処理水のn−ヘキサン抽出物質濃度との関係を示した図である。図5に示すように、鉄(II)/n−ヘキサン抽出物質割合が好ましくは3以上、より好ましくは4以上となるように第一鉄を添加することにより、フェントン処理水のn−ヘキサン抽出物質濃度をより低減すること、具体的には5mg/L未満にすることが可能となる。
実施例6においては、1,4−ジオキサン濃度1〜25mg/L、TOC400〜1200mg/L、CODMn400〜1300mg/L、n−ヘキサン抽出物質濃度100〜200mg/Lの化学工場排水に対しフェントン処理を実施した。フェントン処理における添加薬剤濃度は、Fe2+/TOCを0.4〜2.4、H/Fe2+(化学当量比)を2とした。実施例6のその他の条件は実施例1と同様とした。
図6は鉄(II)/TOC濃度割合とフェントン処理水の1,4−ジオキサン濃度との関係を示した図である。図6に示すように、鉄(II)/TOC濃度割合が好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上となるように第一鉄を添加することにより、フェントン処理水の1,4−ジオキサン濃度をより低減すること、具体的には0.2mg/L以下にすることが可能となる。
1,2 排水処理装置、10 反応槽、12 還元槽、14 凝集槽、16a,16b沈殿槽、18 生物処理槽、20a,20b pH調整装置、22 第一鉄添加装置、24 過酸化水素添加装置、26a〜26c 撹拌装置、28 還元剤添加装置、30 曝気装置、32 排水流入ライン、34a〜34e 送液ライン、36 処理水排出ライン、38a,38b 汚泥排出ライン、40 汚泥返送ライン、42 生物処理槽、44 浸漬型分離膜モジュール、46a,46b ポンプ。

Claims (6)

  1. 第一鉄、過酸化水素の存在下で、1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水をフェントン処理するフェントン処理反応部と、
    前記フェントン処理反応部で処理された排水を生物処理する生物処理反応部と、を備え、
    前記フェントン処理反応部では、フェントン処理で生成する第二鉄により前記油分が凝集処理されることを特徴とする排水処理装置。
  2. 1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水中の油分濃度は、n−ヘキサン抽出物質濃度で、50mg/L以上であることを特徴とする請求項1記載の排水処理装置。
  3. 前記生物処理反応部は、前記生物処理された排水を膜ろ過する分離膜を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の排水処理装置。
  4. 第一鉄、過酸化水素の存在下で、1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水をフェントン処理するフェントン処理工程と、
    前記フェントン処理工程で処理された排水を生物処理する生物処理工程と、
    前記フェントン処理工程では、フェントン処理で生成する第二鉄により前記油分が凝集処理されることを特徴とする排水処理方法。
  5. 1,4−ジオキサン、有機物、油分を含有する排水中の油分濃度は、n−ヘキサン抽出物質濃度で、50mg/L以上であることを特徴とする請求項4記載の排水処理方法。
  6. 前記生物処理工程は、前記生物処理された排水を膜ろ過する膜分離工程を含むことを特徴とする請求項4又は5記載の排水処理方法。
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