JP6320765B2 - 排水処理システムおよび排水処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、排水処理システムおよび排水処理方法に関し、特に、固液分離を行う装置を備えた排水処理システムおよび排水処理方法に関する。
従来、固液分離を行う装置を備えた排水処理システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、排水に無機凝集剤が添加され凝集反応が行われる反応槽と、無機凝集剤による凝集反応が行われた後の排水のpHが3以上5.5以下に調整されるpH調整槽と、pH調整槽によりpHが調整されたpH調整液に対して高分子凝集剤を添加して凝集物からなる沈殿物(フロック)を形成する凝集槽と、凝集沈殿により凝集されたフロックと分離液との固液分離が行われる凝集沈殿槽と、分離液(排水)に含まれるアニオン系界面活性剤を吸着除去する活性炭吸着処理装置とを備える水処理装置(排水処理システム)が開示されている。この特許文献1の水処理装置では、反応槽での凝集剤による凝集反応後にpHを3以上5.5以下に調整することによって、後の活性炭吸着工程においてアニオン系界面活性剤が活性炭に吸着されやすい状態にしている。
特開2009−6244号公報
しかしながら、上記特許文献1の水処理装置(排水処理システム)では、沈殿物と分離液との固液分離が凝集沈殿により行われるため、沈殿物が自然に沈降するのを待つ必要があり、固液分離の時間を短縮することが困難であるという問題点がある。また、pH調整工程の前後でそれぞれ無機凝集剤および高分子凝集剤を添加する必要があるので、凝集剤の添加量が増加するという問題点もある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、凝集剤の添加量が増加するのを抑制しながら、固液分離の時間を短縮することが可能な排水処理システムおよび排水処理方法を提供することである。
上記課題を解決するために本願発明者が鋭意検討した結果、凝集剤を添加せずに排水のpHを4.5以上6.2以下に調整することにより凝集が可能であることを見出すとともに、さらに、高分子凝集剤を加えて遠心脱水機を用いて固液分離を行うことによって、固体成分を排水から効果的にかつ短時間で分離することができるという知見を得た。すなわち、この発明の第1の局面による排水処理システムは、凝集剤が添加されていない状態で、排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲になるように調整することにより凝集を行うpH調整タンクと、排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲に調整され、かつ、排水に高分子凝集剤が添加された状態で、固液分離を行う遠心脱水機とを備え、排水は、インク排水である。
この発明の第1の局面による排水処理システムでは、上記のように、凝集剤が添加されていない状態で、排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲になるように調整することにより凝集を行うpH調整タンクを設けることによって、凝集剤が添加されていない状態で、排水を酸性にして排水中に浮遊している固体成分(粒子)を容易に凝集することができる。これにより、凝集剤を添加することなくpH調整のみによって凝集を行うことができるので、その分、凝集剤の添加量を減少させることができる。また、pH調整により凝集を行った排水にさらに高分子凝集剤を添加することにより、固体成分が効果的に凝集されて、固液分離により固体成分を排水から容易に取り除くことができる。さらに、排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲に調整され、かつ、排水に高分子凝集剤が添加された状態で、固液分離を行う遠心脱水機を設けることによって、遠心力により重力以上の力を作用させて高分子凝集剤により凝集された固体成分を排水から分離することができるので、凝集沈降に比べて固液分離の時間を短縮することができる。これらの結果、本発明では、凝集剤の添加量が増加するのを抑制しながら、固液分離の時間を短縮することができる。
上記第1の局面による排水処理システムにおいて、好ましくは、排水は、インク排水であり、pH調整タンクは、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水のpHが5.3以上6.2以下の範囲になるように調整されるように構成されている。このように、インク排水のpHを5.3以上6.2以下の範囲になるように調整することにより、より確実にインク排水特有の固体成分を凝集することができる。なお、インク排水のpHを5.3以上6.2以下の範囲になるように調整することにより、より確実にインク排水特有の固体成分を凝集することができることは、本願発明者が鋭意検討した結果見出したものである。
上記第1の局面による排水処理システムにおいて、好ましくは、pH調整タンクは、遠心脱水機による処理後の脱水ろ液の色が所定の色になるように、凝集剤が添加されていない状態での排水のpHが調整されるように構成されている。この色による排水のpH調整手法についても、本願発明者が種々の検討を行った結果、見出したものである。この色によるpHの調整手法を用いれば、脱水ろ液の色を確認するだけで排水のpHを微調整することができるので、固体成分が凝集する最適なpHになるように排水のpHを調整する作業を極めて簡便に行うことができる。
上記第1の局面による排水処理システムにおいて、好ましくは、遠心脱水機は、凝集剤が添加されていない状態での排水に対して、pHが調整され、かつ、消泡剤が添加された後に、高分子凝集剤が添加された状態で、固液分離を行うように構成されている。このように構成すれば、消泡剤により排水中に気泡が形成されるのを抑制することができるので、固体成分が凝集する際に気泡を包含して浮上するのを抑制することができる。これにより、排水から固体成分を容易に分離することができる。
上記第1の局面による排水処理システムにおいて、好ましくは、pHが調整された排水がpH調整タンクから遠心脱水機に送られるのと並行して、高分子凝集剤が遠心脱水機に送られるように構成されている。このように構成すれば、高分子凝集剤を排水に添加した後、排水と高分子凝集剤とを混合する混合槽を設ける必要がないので、その分、排水処理システムが大型化するのを抑制することができる。
上記第1の局面による排水処理システムにおいて、好ましくは、pH調整タンクは、凝集剤が添加されていない状態で、排水に硫酸が添加されることにより、排水のpHが調整されるように構成されている。このように構成すれば、硫酸を添加することにより、排水のpHを容易に調整して、固体成分を容易に凝集させることができる。
上記第1の局面による排水処理システムにおいて、好ましくは、遠心脱水機による処理後の脱水ろ液を生物処理する生物処理装置をさらに備える。このように構成すれば、遠心脱水機により固体成分が分離された後の脱水ろ液を生物処理装置により処理することにより、排水のBOD(生物化学的酸素要求量)およびCOD(化学的酸素要求量)を容易に低下させることができる。
本願発明者による上記第1の局面による排水処理システムと同様の知見により、この発明の第2の局面による排水処理方法は、凝集剤が添加されていない状態で、排水のpHを4.5以上6.2以下の範囲になるように調整することにより凝集を行うステップと、排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲に調整され、かつ、排水に高分子凝集剤を添加した状態で、遠心脱水機により固液分離を行うステップとを備え、排水は、インク排水である。
この発明の第2の局面による排水処理方法では、上記のように、凝集剤が添加されていない状態で、排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲になるように調整することにより凝集を行うステップを設けることによって、凝集剤が添加されていない状態で、排水を酸性にして排水中に浮遊している固体成分(粒子)を容易に凝集することができる。これにより、凝集剤を添加することなくpH調整のみによって凝集を行うことができるので、その分、凝集剤の添加量を減少させることができる。また、pH調整により凝集を行った排水にさらに高分子凝集剤を添加することにより、固体成分が効果的に凝集されて、固液分離により固体成分を排水から容易に取り除くことができる。さらに、排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲に調整され、かつ、排水に高分子凝集剤が添加された状態で、遠心脱水機により固液分離を行うステップを設けることによって、遠心力により重力以上の力を作用させて高分子凝集剤により凝集された固体成分を排水から分離することができるので、凝集沈降に比べて固液分離の時間を短縮することができる。これらの結果、本発明では、凝集剤の添加量が増加するのを抑制しながら、固液分離の時間を短縮することが可能な排水処理方法を提供することができる。

本発明によれば、上記のように、凝集剤の添加量が増加するのを抑制しながら、固液分離の時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態による排水処理システムを示した概略図である。 本発明の一実施形態による排水処理システムの水処理プロセスを示した図である。 インク排水の固体成分の凝集メカニズムを説明するための図である。 インク排水からスカムが発生するメカニズムを説明するための図である。 インク排水中の泡を消すメカニズムを説明するための図である。 本発明の一実施形態による排水処理システムのpH調整タンクのpHと脱水ろ液の状態との関係を示した図である。 実施例によるCODの減少を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態による排水処理システム1は、インク排水(原水)を再利用水(トイレ用水、散水用水等)として使用可能なように再生処理するように構成されている。なお、インク排水は、本発明の「排水」の一例である。
ここで、まず、本実施形態による排水処理システム1の概略的な構成および概略的な水処理プロセスについて説明する。排水処理システム1の概略的な構成としては、図1に示すように、1次処理部1aと2次処理部1bとが設けられている。1次処理部1aは、インク排水中の固体成分を除去するものであり、2次処理部1bは、1次処理部1aにより固液分離された後の脱水ろ液に残存するBOD(生物化学的酸素要求量)およびCOD(化学的酸素要求量)をさらに低下させるものである。
1次処理部1aは、原水槽10と、pH調整タンク20と、硫酸槽21と、高分子凝集剤溶解槽22と、遠心脱水機30と、ろ液受水槽40と、一次処理水槽50とを含んでいる。2次処理部1bは、定量供給槽60と、苛性ソーダ槽61と、曝気槽70と、MBR(膜分離活性汚泥法)曝気槽71と、オゾン反応塔80と、活性炭吸着塔90とを含んでいる。なお、曝気槽70およびMBR曝気槽71は、本発明の「生物処理装置」の一例である。
また、排水処理システム1の概略的な水処理プロセスとしては、図2に示す1次処理および2次処理を含む水処理プロセスにより、インク排水を処理するように構成されている。具体的には、まず、1次処理として、pH調整タンク20に供給された原水(インク排水)のpH調整が行われるとともに、消泡剤が添加される。この際、本実施形態による排水処理システム1では、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水のpHが2.5以上6.2以下の範囲に調整されて、インク排水内の固体成分が凝集される。ここで、この凝集剤が添加されていない状態でインク排水のpHを2.5以上6.2以下の範囲に調整することによりインク排水内の固体成分が凝集される点は、本願発明者が種々の検討を行った結果、見出したものである。そして、このpH調整による凝集後にさらにインク排水に凝集剤が添加されて、遠心脱水機により固液分離が行われる。次に、2次処理として、固液分離された後の脱水ろ液が生物処理(曝気処理およびMBR曝気処理)により処理されるとともに、生物処理後に、オゾン処理および活性炭処理が行われる。このようにして、インク排水が再利用水に再生される。
次に、本実施形態による排水処理システム1の1次処理部1aの各構成要素(原水槽10、pH調整タンク20、硫酸槽21、高分子凝集剤溶解槽22、遠心脱水機30、ろ液受水槽40、および、一次処理水槽50)の詳細について説明する。
原水槽10は、インク、のり、ニス、軟水器再生水などを含む原水(インク排水)が送り込まれて貯留されるように構成されている。また、原水(インク排水)は、たとえば、2−アミノエタノール(防錆剤)、エチレングリコール(溶剤)、トルエン、亜鉛の水溶性化合物(樹脂架橋剤)、モリブデン(顔料、潤滑油添加剤)、モリブデン化合物(顔料、潤滑油添加剤)、ポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテル(界面活性剤)、ベンゾフェノン、ジエタノールアミン塩、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1−ブタノールなどの化学物質を含む。また、原水槽10には、MBR曝気槽71の活性汚泥の一部が返送されるように構成されている。
原水槽10には、図1に示すように、撹拌装置101と、ポンプ102と、水位計103とが設けられている。撹拌装置101は、ブロワ(送風機)(図示せず)から送られる空気をインク排水中で吐出して、原水槽10内のインク排水を撹拌するように構成されている。ポンプ102は、原水槽10のインク排水(原水)をpH調整タンク20に送るように構成されている。水位計103は、原水槽10内のインク排水(原水)の水位を検知するように構成されている。原水槽10内のインク排水の量が少なくなり、水位が低くなった場合は、ポンプ102が停止される。また、原水槽10内のインク排水の量が多くなり、水位が高くなった場合は、ポンプ102によりインク排水を原水槽10から送り出して水位の上昇が抑制される。
ここで、本実施形態では、pH調整タンク20は、凝集剤が添加されていない状態のインク排水のpHを設定されたpHに調整するように構成されている。具体的には、pH調整タンク20は、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水のpHが2.5以上6.2以下の範囲(酸性)で設定されたpHになるように調整することにより凝集を行うように構成されている。また、pH調整タンク20は、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水に硫酸が添加されることにより、インク排水のpHが2.5以上6.2以下の範囲になるように調整されるように構成されている。好ましくは、pH調整タンク20は、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水のpHが5.3以上6.2以下の範囲になるように調整されるように構成されている。より好ましくは、pH調整タンク20は、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水のpHが5.3以上5.7以下の範囲になるように調整されるように構成されている。
また、図1に示すように、pH調整タンク20には、撹拌装置201と、pH計202と、水位計203と、ポンプ204とが設けられている。また、pH調整タンク20は、バッチ式によりインク排水のpHが調整されるように構成されている。つまり、pH調整タンク20では、所定の量のインク排水が供給されて、pH調整後に排出される処理が繰り返される。
また、pH調整タンク20では、インク排水にpH調整用の硫酸に加えて消泡剤が添加されるように構成されている。消泡剤は、たとえば、親水部分と疎水部分とが混在した非イオン界面活性剤が用いられる。非イオン界面活性剤は、たとえば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが用いられる。また、消泡剤は、水で約5倍に希釈された(約20体積%)溶液としてpH調整タンク20に添加される。また、消泡剤の約5倍希釈(約20体積%)溶液は、pH調整タンク20内のインク排水に対して約1.25体積%以下の割合で添加される。つまり、消泡剤は、pH調整タンク20内のインク排水に対して約0.25体積%以下の割合で添加される。
撹拌装置201は、撹拌翼を回転させて、pH調整タンク20内のインク排水を撹拌するように構成されている。これにより、pH調整タンク20内のインク排水のpHが均一にされるとともに消泡剤が均一に拡散される。pH計202は、pH調整タンク20内のインク排水のpHを検出するように構成されている。水位計203は、pH調整タンク20内のインク排水の水位を検知するように構成されている。pH調整タンク20にインク排水を送る際に、水位計203によりpH調整タンク20内のインク排水の量(水位)が所定の量に達したと検知した場合に、ポンプ102が停止されてpH調整タンク20へのインク排水の供給が停止される。ポンプ204は、pH調整後のインク排水をpH調整タンク20から遠心脱水機30に送るように構成されている。
硫酸槽21は、pH調整タンク20に添加する硫酸を貯留するように構成されている。また、硫酸槽21には、図1に示すように、ポンプ211が設けられている。ポンプ211は、pH調整タンク20に硫酸を送るように構成されている。また、ポンプ211は、pH調整タンク20のpH計202の検出結果に基づいて、pH調整タンク20内のインク排水が設定されたpHになるように硫酸を送るように構成されている。具体的には、ポンプ211は、pH計202により検出されたpHが設定されたpHより高い場合に硫酸をpH調整タンク20に送るように構成されている。また、ポンプ211は、設定されたpHになった場合に停止されるように構成されている。
高分子凝集剤溶解槽22は、pH調整後のインク排水に添加する高分子凝集剤を溶解して水溶液を調製するように構成されている。高分子凝集剤は、たとえば、両性ポリマーが用いられる。両性ポリマーは、たとえば、ポリアクリル酸エステル系の高分子が用いられる。たとえば、アクリルアミド・アクリル酸・2―(アクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロリド・2―(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム=クロリド共重合物が用いられる。
また、高分子凝集剤溶解槽22は、高分子凝集剤を水に溶解させて約0.2体積%の水溶液を調製するように構成されている。また、高分子凝集剤溶解槽22は、pH調整されたインク排水に対して混合後の割合が約15体積%以上約35体積%以下になるように約0.2体積%高分子凝集剤水溶液を添加するように構成されている。つまり、高分子凝集剤は、pH調整後のインク排水に対して、混合後の割合が約0.03体積%以上約0.07体積%以下の割合で添加される。
また、高分子凝集剤の水溶液は、pHが2.5以上6.2以下の範囲になるように調整されたインク排水がpH調整タンク20から遠心脱水機30に送られるのと並行して、遠心脱水機30に送られるように構成されている。つまり、高分子凝集剤は、インク排水と混合される混合槽を介さずに、インク排水とともに遠心脱水機30に直接供給される。
また、高分子凝集剤溶解槽22には、図1に示すように、フィーダ221と、撹拌装置222と、水位計223と、ポンプ224とが設けられている。フィーダ221は、固体の高分子凝集剤を高分子凝集剤溶解槽22に供給するように構成されている。撹拌装置222は、撹拌翼を回転させて、高分子凝集剤溶解槽22内の高分子凝集剤水溶液を撹拌するように構成されている。水位計223は、高分子凝集剤溶解槽22内の高分子凝集剤水溶液の水位を検知するように構成されている。ポンプ224は、高分子凝集剤水溶液を遠心脱水機30に送るように構成されている。
遠心脱水機30は、インク排水の固液分離を行うように構成されている。具体的には、遠心脱水機30は、インク排水のpHが2.5以上6.2以下の範囲に調整され、かつ、インク排水に高分子凝集剤が添加された状態で、固液分離を行うように構成されている。より詳細には、遠心脱水機30は、凝集剤が添加されていない状態でのインク排水のpHが2.5以上6.2以下の範囲に調整され、かつ、消泡剤が添加された後に、高分子凝集剤が添加された状態で、固液分離を行うように構成されている。
また、遠心脱水機30は、インク排水および高分子凝集剤が連続的に供給されて固液分離を行うように構成されている。また、遠心脱水機30では、pH調整により凝集された塊(フロック)が、高分子凝集剤によりさらに大きな塊(フロック)に凝集される。そして、フロックとなった固体成分と、液体成分(脱水ろ液)とが、遠心力により分離されるように構成されている。
ここで、図3〜図5を参照して、本実施形態による排水処理システム1を用いた場合のインク排水の固体成分の凝集メカニズム等について詳細に説明する。
pH調整タンク20において凝集剤が添加されていない状態のインク排水に硫酸が添加されると、図3の中央の図に示すように、水素イオンが増加して、インク排水中の2つの固体粒子間の電解質濃度が変化すると考えられる。これにより、固体粒子の表面の電荷のバランスが変化し、2つの固体粒子間での引力と斥力とのバランスが崩れていく。つまり、2つの固体粒子間の力のバランスが不安定となり、引力の影響が強くなると考えられる。その結果、複数の固体粒子が凝集されていくことにより、インク排水中の固体成分が凝集されると考えられる。次に、インク排水に高分子凝集剤が添加されると、図3の右側の図に示すように、pH調整タンク20において凝集された固体成分がさらに高分子凝集剤により大きく凝集される。具体的には、高分子凝集剤分子に含まれる活性基と、凝集された固体成分とが物理的および化学的な作用により結合される。これにより、インク排水中の固体成分がさらに大きな塊(フロック)に凝集される。そして、大きく凝集された塊(フロック)は、遠心脱水機30において、遠心力により、外側に集められる。
また、インク排水の固体成分が凝集する際のスカムの発生メカニズムとしては、図3の固体成分の凝集メカニズムと同様に、インク排水に硫酸が添加されると、図4の中央の図に示すように、固体成分が凝集される。この際、泡(気泡)がインク排水中に存在すると、凝集された固体成分が泡に付着する場合がある。この状態で、インク排水に高分子凝集剤が添加されると、図4の右側の図に示すように、高分子凝集剤により、凝集された固体成分が泡を包含しながらさらに大きく成長する。これにより、泡を包含した固体成分が泡の浮力により浮上される。この場合、遠心分離機30では、固体成分は、ろ液側に排出される。つまり、凝集させる際にインク排水中の泡を抑制することにより、効率よく固体成分を分離除去することが可能となる。
また、インク排水中の泡を消すメカニズムとしては、泡の表面は界面活性剤が疎水基を外側にして複数配置されていることから、この泡に親水部分と疎水部分とが混在している消泡剤が近づくことにより、図5の中央の図に示すように、泡の表面の界面活性剤の一部が消泡剤に置換される。そして、泡表面の界面活性剤が減ることにより、泡の表面の膜厚が減少し、図5の右側の図に示すように、限界まで薄くなった時点で泡が破裂する。これにより、インク排水中の泡が壊される。その結果、固体成分を凝集させる際に、泡を包含して凝集することを抑制して、スカムの発生を抑制することが可能である。
上記したメカニズムにより凝集されて分離された固体成分は、図1に示すように、脱水ケーキとしてコンテナ31に排出されて貯められる。コンテナ31に貯められた脱水ケーキは、廃棄物として定期的に処分される。また、分離された液体成分は、脱水ろ液としてろ液受水槽40に送られる。なお、脱水ろ液は、ろ液受水槽40に送られる際に、泡立ち抑制のために消泡剤が添加される。ろ液受水槽40の脱水ろ液は、一次処理水槽50に送られる。
ここで、本実施形態では、ろ液受水槽40では、脱水ろ液の色およびにごりの状態をユーザが目視により確認することが可能に構成されている。なお、脱水ろ液の色およびにごりの状態は、pH調整タンクによるインク排水のpHの調整により変化する。また、pH調整タンク20では、遠心脱水機30による処理後の脱水ろ液の色が所定の色(たとえば、薄黄色)になるように、凝集剤が添加されていない状態での排水のpHが調整されるように構成されている。
すなわち、本願発明者が鋭意検討した結果、インク排水のpHと脱水ろ液の色およびにごりとの間に以下のような関係があることを見出し、その知見に基づいて、本実施形態では、ユーザの目視によりpHの調整を行っている。
具体的には、図6に示すように、脱水ろ液の色は、pH調整タンク20のインク排水のpHが2.0付近では、紫になる。また、脱水ろ液は、pHが高くなるにしたがって、紫からピンクに変化していく。そして、脱水ろ液は、pHが4.5付近から黄色味がかってきて、pHが5.3以上6.0以下付近で薄黄色になる。また、脱水ろ液は、pHが5.5以上6.2以下付近になると白濁してくる。また、pHが6.2を超える領域では、脱水ろ液の色は黒くなる。つまり、固体成分が分離されずに脱水ろ液に残っている状態となる。また、脱水ろ液のにごりの状態は、pHが2.0付近では、粒子が多くにごっている。そして、pHが大きくなるにしたがって、にごりが減ってくる。また、pHが5.3以上6.0以下の領域では、脱水ろ液のにごりが無くなり、ほぼ透明となる。また、pHが6.2以上になると脱水ろ液の色が黒くにごる。この場合、たとえば、ろ液受水槽40(遠心脱水機30による処理後)の脱水ろ液の色が薄黄色になるように、インク排水のpHがpH調整タンク20で調整される。
一次処理水槽50では、遠心脱水機30により固液分離された脱水ろ液が貯留されるように構成されている。また、一次処理水槽50には、図1に示すように、水位計501と、ポンプ502とが設けられている。水位計501は、一次処理水槽50内の脱水ろ液の水位を検知するように構成されている。ポンプ502は、一次処理水槽50の脱水ろ液を定量供給槽60に送るように構成されている。
次に、本実施形態による排水処理システム1の2次処理部1bの各構成要素(定量供給槽60、苛性ソーダ槽61、曝気槽70、MBR曝気槽71、オゾン反応塔80、および、活性炭吸着塔90)の詳細について説明する。
定量供給槽60は、下流の生物処理装置(曝気槽70およびMBR曝気槽71)に送られる脱水ろ液の量が一定になるように調整するために設けられている。また、定量供給槽60は、脱水ろ液の温度を調整するとともに、脱水ろ液の溶存酸素量(DO)を増加させるように構成されている。また、定量供給槽60は、生物処理装置(曝気槽70およびMBR曝気槽71)に送られる脱水ろ液のpHを調整するように構成されている。
また、定量供給槽60には、図1に示すように、ヒータ601と、フォームジェット602と、pH計603と、水位計604と、ポンプ605とが設けられている。ヒータ601は、定量供給槽60の脱水ろ液の温度が25℃以上になるように温めるように構成されている。これにより、脱水ろ液の生物処理に最適な温度で脱水ろ液を生物処理装置(曝気槽70)に送ることが可能である。フォームジェット602は、定量供給槽60の脱水ろ液の溶存酸素量を増加させるために、エアを脱水ろ液内に吐出するように構成されている。
pH計603は、定量供給槽60内の脱水ろ液のpHを検出するように構成されている。水位計604は、定量供給槽60内の脱水ろ液の水位を検知するように構成されている。ポンプ605は、脱水ろ液を定量供給槽60から曝気槽70に送るように構成されている。
苛性ソーダ槽61は、定量供給槽60に添加する苛性ソーダ(水酸化ナトリウム(NaOH))水溶液を貯留するように構成されている。また、苛性ソーダ槽61には、図1に示すように、ポンプ611が設けられている。ポンプ611は、定量供給槽60に苛性ソーダ水溶液を送るように構成されている。また、ポンプ611は、定量供給槽60のpH計603の検出結果に基づいて、定量供給槽60内の脱水ろ液が設定されたpHになるように苛性ソーダ水溶液を送るように構成されている。具体的には、ポンプ611は、pH計603により検出されたpHが設定されたpHより低い場合に苛性ソーダ水溶液を定量供給槽60に送るように構成されている。なお、定量供給槽60の脱水ろ液のpHの設定値は、曝気槽70の脱水ろ液のpHが、6.5以上8.0以下の範囲になるように設定されている。
曝気槽70およびMBR曝気槽71は、遠心脱水機30による処理後の脱水ろ液を活性汚泥により生物処理を行うように構成されている。曝気槽70には、定量供給槽60からポンプ605により脱水ろ液が送り込まれる。この際、脱水ろ液が泡立つようであれば、曝気槽70の脱水ろ液に消泡剤が添加される。また、硝化菌の増殖により硝酸が発生(pHが低下)している場合、曝気槽70の脱水ろ液に硝化抑制剤が添加される。また、曝気槽70には、図1に示すように、水位計701と、エアレータ702と、エアリフトポンプ703とが設けられている。
水位計701は、曝気槽70内の脱水ろ液の水位を検知するように構成されている。曝気槽70内の脱水ろ液の量(水位)が所定の量に達すると、ポンプ605が停止されて曝気槽70への脱水ろ液の供給が停止される。エアレータ702は、曝気槽70の脱水ろ液にエアを供給するように構成されている。これにより、曝気槽70の活性汚泥に酸素が供給されるとともに、脱水ろ液および活性汚泥が混合される。エアリフトポンプ703は、エアを送り込むことにより、曝気槽70の脱水ろ液をMBR曝気槽71に送るように構成されている。
MBR曝気槽71は、曝気槽70により1段目の生物処理が行われた脱水ろ液に対して活性汚泥により2段目の生物処理を行うように構成されている。また、MBR曝気槽71には、メタノールが供給されるように構成されている。これにより、曝気槽70による1段目の生物処理の際に消費されたBOD源が補給され、MBR曝気槽71の脱水ろ液中のBODとCODとのバランスが調整される。その結果、MBR曝気槽71の活性汚泥(微生物)により、BODとともにCODを効率的に低減させることが可能である。
また、MBR曝気槽71には、図1に示すように、汚泥返送ポンプ711と、膜部材712と、エアレータ713と、水位計714と、ポンプ715とが設けられている。汚泥返送ポンプ711は、MBR曝気槽71内の活性汚泥を曝気槽70または原水槽10に返送するように構成されている。MBR曝気槽71の活性汚泥は、通常は弁721を介して曝気槽70に返送される。また、MBR曝気槽71の活性汚泥は、所定のタイミング(たとえば、1週間に数回)で、弁722を介して原水槽10に返送される。つまり、弁721および722の開閉が制御されて、MBR曝気槽71の活性汚泥が、曝気槽70または原水槽10に返送される。
膜部材712は、中空糸膜や平膜などを含み、MBR曝気槽71内の脱水ろ液をろ過して固液分離するように構成されている。エアレータ713は、MBR曝気槽71の脱水ろ液にエアを供給するように構成されている。これにより、MBR曝気槽71の活性汚泥に酸素が供給されるとともに、脱水ろ液および活性汚泥が混合される。水位計714は、MBR曝気槽71内の脱水ろ液の水位を検知するように構成されている。MBR曝気槽71内の脱水ろ液の量(水位)が所定の量に達すると、エアリフトポンプ703が停止されてMBR曝気槽71への脱水ろ液の供給が停止される。ポンプ715は、MBR曝気槽71の膜部材712によりろ過された脱水ろ液をオゾン反応塔80に送るように構成されている。
オゾン反応塔80は、オゾン(O3)により、脱水ろ液を処理するように構成されている。具体的には、オゾン反応塔80は、オゾンにより、脱水ろ液のBOD源およびCOD源を酸化して、BODおよびCODを低減するように構成されている。オゾン反応塔80により処理された脱水ろ液は、活性炭吸着塔90に送られる。
活性炭吸着塔90は、活性炭により、脱水ろ液中の不純物を吸着して除去するように構成されている。活性炭吸着塔90により処理された脱水ろ液は、トイレ用や散水用の再利用水として排出される。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水のpHが2.5以上6.2以下の範囲になるように調整することにより凝集を行うpH調整タンク20を設けることによって、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水を酸性にしてインク排水中に浮遊している固体成分(粒子)を容易に凝集することができる。これにより、凝集剤を添加することなくpH調整のみによって凝集を行うことができるので、その分、凝集剤の添加量を減少させることができる。また、pH調整により凝集を行ったインク排水にさらに高分子凝集剤を添加することにより、固体成分が効果的に凝集されて、固液分離により固体成分をインク排水から容易に取り除くことができる。さらに、インク排水のpHが2.5以上6.2以下の範囲に調整され、かつ、インク排水に高分子凝集剤が添加された状態で、固液分離を行う遠心脱水機30を設けることによって、遠心力により重力以上の力を作用させて高分子凝集剤により凝集された固体成分をインク排水から分離することができるので、凝集沈降に比べて固液分離の時間を短縮することができる。これらの結果、凝集剤の添加量が増加するのを抑制しながら、固液分離の時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水のpHが5.3以上6.2以下の範囲になるように調整されるように構成する。このように、インク排水のpHを5.3以上6.2以下の範囲になるように調整することによって、より確実にインク排水特有の固体成分を凝集することができる。
また、本実施形態では、上記のように、遠心脱水機30による処理後の脱水ろ液の色が所定の色になるように、凝集剤が添加されていない状態でのインク排水のpHが調整されるように構成する。これにより、脱水ろ液の色を確認するだけでインク排水のpHを微調整することができるので、固体成分が凝集する最適なpHになるようにインク排水のpHを調整する作業を極めて簡便に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、凝集剤が添加されていない状態でのインク排水に対して、pHが調整され、かつ、消泡剤が添加された後に、高分子凝集剤が添加された状態で、遠心脱水機30により固液分離を行うように構成する。これにより、消泡剤によりインク排水中に気泡が形成されるのを抑制することができるので、固体成分が凝集する際に気泡を包含して浮上するのを抑制することができる。これにより、インク排水から固体成分を容易に分離することができる。
また、本実施形態では、上記のように、pHが調整されたインク排水がpH調整タンク20から遠心脱水機30に送られるのと並行して、高分子凝集剤が遠心脱水機30に送られるように構成する。これにより、高分子凝集剤をインク排水に添加した後、インク排水と高分子凝集剤とを混合する混合槽を設ける必要がないので、その分、排水処理システム1が大型化するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、凝集剤が添加されていない状態で、インク排水に硫酸が添加されることにより、インク排水のpHが調整されるように構成する。これにより、硫酸を添加することにより、インク排水のpHを2.5以上6.2以下の酸性の範囲に容易に調整して、固体成分を容易に凝集させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、インク排水に対して混合後の割合が約0.03体積%以上約0.07体積%以下の割合で高分子凝集剤が添加された状態で遠心脱水機30により固液分離を行うように構成する。これにより、インク排水に対して混合後の割合が約0.03体積%以上約0.07体積%以下の割合で添加された高分子凝集剤により、pHが2.5以上6.2以下の範囲になるように調整されて凝集された固体成分をさらに大きく成長させることができる。その結果、大きく成長したインク排水特有の固体成分をインク排水から容易に分離することができる。
また、本実施形態では、上記のように、インク排水に対して混合後の割合が約0.25体積%以下の割合で消泡剤が添加された後に高分子凝集剤が添加された状態で遠心脱水機30により固液分離を行うように構成する。これにより、インク排水に対して約0.25体積%以下の割合で添加された消泡剤により、気泡の形成を確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、遠心脱水機30による処理後の脱水ろ液を生物処理する曝気槽70およびMBR曝気槽71を設ける。これにより、遠心脱水機30により固体成分が分離された後の脱水ろ液を曝気槽70およびMBR曝気槽71により処理することにより、インク排水のBOD(生物化学的酸素要求量)およびCOD(化学的酸素要求量)を容易に低下させることができる。
次に、図7を参照して、図1に示した本実施形態による排水処理システム1を用いて実際にインク排水に対して水処理を行った実験結果(本発明の一実施例によるCODの減少結果)について説明する。
図7に示すように、原水槽10のインク排水のCODは、3400mg/Lであった。このインク排水に対して、1次処理として、pH調整タンク20によるpHの調整後、高分子凝集剤を添加して、遠心脱水機30により固液分離を行った後の脱水ろ液のCODは、649mg/Lとなった。つまり、脱水ろ液は、原水に比べてCODが81%除去された(減少した)。そして、この脱水ろ液に対して、2次処理として、曝気槽70およびMBR曝気槽71により生物処理を行った後の脱水ろ液のCODは、129mg/Lとなった。つまり、生物処理後の脱水ろ液は、生物処理前の脱水ろ液に比べてCODが80%除去された(減少した)。そして、生物処理後の脱水ろ液に対して、オゾン反応塔80によりオゾン処理を行った後の脱水ろ液のCODは、89mg/Lとなった。つまり、オゾン処理後の脱水ろ液は、生物処理後の脱水ろ液に比べて40mg/LだけCODが低減した。そして、オゾン処理後の脱水ろ液に対して、活性炭吸着塔90による活性炭処理を行った後の脱水ろ液のCODは、15mg/Lとなった。つまり、活性炭処理後の脱水ろ液は、オゾン処理後の脱水ろ液に比べて74mg/LだけCODが低減した。
上記のように、本発明の排水処理システムを用いることにより、インク排水のCODを効果的に減少させることができることが分かった。特に、1次処理部1aによる1次処理(pH調整、高分子凝集剤添加および遠心脱水)によって、CODを3400mg/Lから649mg/Lに大幅に減少させることが可能である点を確認することができた。
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明をインク排水の処理を行う排水処理システムに適用する例を示したが、インク排水以外の排水を処理する排水処理システムに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、脱水ろ液の色が所定の色になるようにインク排水のpHが調整される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、脱水ろ液の色およびにごりが所定の状態になるようにインク排水のpHを調整する構成であってもよい。たとえば、脱水ろ液が所定の色になり、にごりが略ない状態になるようにインク排水のpHを調整してもよい。
また、上記実施形態では、pH調整タンクにおいて消泡剤が添加される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、pH調整タンクに消泡剤を添加しない構成であってもよい。
また、上記実施形態では、pH調整タンクに硫酸を添加することにより排水のpHを調整する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、pH調整タンクに硫酸以外の酸を添加することにより排水のpHを調整してもよい。たとえば、硝酸や塩酸などをpH調整タンクに添加することにより排水のpHを調整してもよい。
また、上記実施形態では、曝気槽およびMBR曝気槽による2段階の生物処理を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1段階の生物処理を行う構成でもよいし、3段階以上の生物処理を行う構成であってもよい。
1 排水処理システム
1a 1次処理部
1b 2次処理部
10 原水槽
20 pH調整タンク
21 硫酸槽
22 高分子凝集剤溶解槽
30 遠心脱水機
40 ろ液受水槽
50 一次処理水槽
70 曝気槽(生物処理装置)
71 MBR曝気槽(生物処理装置)

Claims (8)

  1. 凝集剤が添加されていない状態で、排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲になるように調整することにより凝集を行うpH調整タンクと、
    前記排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲に調整され、かつ、前記排水に高分子凝集剤が添加された状態で、固液分離を行う遠心脱水機とを備え
    前記排水は、インク排水である、排水処理システム。
  2. 記pH調整タンクは、凝集剤が添加されていない状態で、前記インク排水のpHが5.3以上6.2以下の範囲になるように調整されるように構成されている、請求項1に記載の排水処理システム。
  3. 前記pH調整タンクは、前記遠心脱水機による処理後の脱水ろ液の色が所定の色になるように、凝集剤が添加されていない状態での前記排水のpHが調整されるように構成されている、請求項1または2に記載の排水処理システム。
  4. 前記遠心脱水機は、凝集剤が添加されていない状態での前記排水に対して、pHが調整され、かつ、消泡剤が添加された後に、前記高分子凝集剤が添加された状態で、固液分離を行うように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排水処理システム。
  5. pHが調整された前記排水が前記pH調整タンクから前記遠心脱水機に送られるのと並行して、前記高分子凝集剤が前記遠心脱水機に送られるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水処理システム。
  6. 前記pH調整タンクは、凝集剤が添加されていない状態で、前記排水に硫酸が添加されることにより、前記排水のpHが調整されるように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の排水処理システム。
  7. 前記遠心脱水機による処理後の脱水ろ液を生物処理する生物処理装置をさらに備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の排水処理システム。
  8. 凝集剤が添加されていない状態で、排水のpHを4.5以上6.2以下の範囲になるように調整することにより凝集を行うステップと、
    前記排水のpHが4.5以上6.2以下の範囲に調整され、かつ、前記排水に高分子凝集剤を添加した状態で、遠心脱水機により固液分離を行うステップとを備え
    前記排水は、インク排水である、排水処理方法。
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