JP2008055357A - 排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】古紙パルプ製造工程で排出される排水の処理方法について、前記排水を、pH7を超える条件下で、強アニオン性の高分子有機凝集剤及び無機凝集剤を添加して、加圧浮上処理する。
【選択図】なし
Description
しかしながら、古紙処理工程から排出される排水は、劣化したパルプ繊維の砕片やインクや無機微粒子を多量に含有する極めてSSやCOD成分の量が多い排水であり、微細繊維が主たる成分であるSS分の沈降速度が遅い、塗料やバインダーに由来するポリマー粒子も比重が軽い、残留界面活性剤が存在するため泡が生じやすく、泡により沈降が妨げられる等の問題を有している。特に、近年の古紙パルプ製造量の増大により、従来の凝集沈殿や微生物処理工程などを有する総合排水処理工程の処理負荷を増大する原因になっている。
もっとも、排水中には、微細繊維やインキ由来物質、クレー、タルク、二酸化チタン等の填料・顔料由来物質、澱粉、ポリビニルアルコール(PVA)等の紙力増強剤由来物質、ラテックス、酸化澱粉、炭酸カルシウム等の塗工層由来物質、などのさまざまな懸濁物質が存在する。したがって、排水のSS濃度は、約2000〜4000ppmにも達し、そのまま公共水域に放流することができないため、公共水域に放流するに先立って、例えば清澄等の排水処理をする必要がある。
総合排水処理工程の負荷を低減するため、古紙処理工程から排出される排水に特化した排水の処理方法としては、特許文献1に示す方法がある。
この方法は、フローテーター等の浮選機で浮上分離された脱墨処理工程排水(Floss、浮選機で浮上分離されたインキやカーボン粒子などを含む泡)からなる排水に、酸及び硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の無機凝集剤を加えて、pH4〜7に、好ましくは4〜6.5に低下せしめ、更にポリアクリルアミド等の有機高分子凝集剤を添加した後、加圧浮上方式を用いて凝集物と水とを分離する排水処理方法である。
しかしながら、この方法は、凝集効果向上を目的としてpHを7以下にするために、酸薬品を添加する必要があり、費用がかさむとの問題を有する。また、この方法は、pHを7以下にするため、後段工程で、例えば活性汚泥処理等をする場合には、中性に戻すためにアルカリ薬品を添加する必要があるとの問題を有する。さらに、この方法は、懸濁物質を凝集し、この凝集物を加圧浮上するという思想を軸としており、当然、凝集時間を長くした方がより大きな効果が発揮されるため、結果として処理時間が長くなるとの問題も有する。この他、この方法によっても、微細な懸濁物質がなお処理排水中に残留するため、その前後で行う、例えば、単沈(単純沈澱・無薬注沈殿)、凝沈(凝集沈澱)、加圧浮上、活性汚泥処理などの公知の処理の負荷があがり、処理設備の大型化・増設などが必要になるとの問題も有する。特に、近年では、資源の有効利用が重要視され、古紙パルプの製造量が増加しているため、これらの問題はより大きなものとなっている。
また、排水の処理方法としては、特許文献2に示す方法もある。
この方法は、第1段目において、活性汚泥処理の前処理として加圧浮上方式の分離装置を用いて排水中の懸濁物質を浮上分離させ、次いで残る排水を2段目で活性汚泥処理し、さらに3段目で凝集処理を行わせ、その際、第1段目の前処理における加圧浮上分離槽内を、(イ)硫酸バン土の添加量を300ppm以上、(ロ)pHを6.0〜5.0、(ハ)高分子凝集剤を0.5ppm以上、の条件下に保持しつつ浮上分離を遂行させ、さらに第2段の活性汚泥処理した後の排水を、(ニ)pH6.0以下、(ホ)ポリ硫酸鉄を40ppm以上、(へ)硫酸バン土を200ppm以上、(ト)高分子凝集剤を0.5ppm以上、の条件下で凝集して分離する排水処理方法である。
しかしながら、この方法も、pHを6.0〜5.0又はpH6.0以下にするために、酸薬品を添加する必要があり、費用がかさむとの問題を有する。また、この方法は、いったんpHを6.0〜5.0にした後に活性汚泥処理をする方法であり、通常、活性汚泥処理をするに際して、いったん中性に戻すことになるため、アルカリ薬品を添加する必要があるとの問題を有する。さらに、この方法は、硫酸バン土等の薬品の添加量やpHを細かく調節する必要があり、処理が複雑であるとの問題も有する。
さらに、排水の処理方法としては、特許文献3に示す方法もある。
この方法は、排水中に、水溶性多価金属化合物とカチオン系凝集剤を添加し、pHを3〜7にする排水処理方法である。しかしながら、この方法も、凝集効果向上を目的としてpHを7以下にするために、酸薬品を添加する必要があり、費用がかさむとの問題を有する。また、この方法も、pHを7以下にするため、後段工程で、例えば活性汚泥処理等をする場合には、中性に戻すためにアルカリ薬品を添加する必要があるとの問題を有する。
〔請求項1記載の発明〕
古紙パルプ製造工程で排出される排水の処理方法であって、
前記排水を、pH7を超える条件下で、強アニオン性の高分子有機凝集剤及び無機凝集剤を添加して、固液分離処理する、ことを特徴とする排水の処理方法。
前記排水が、脱墨工程から排出される脱墨工程の排水を主とする排水であり、排水をpH7を超える条件下で、強アニオン性の高分子有機凝集剤及び無機凝集剤を添加して、固液分離処理する、請求項1記載の排水の処理方法。
前記固液分離処理後の排水を沈殿処理し、この沈殿処理によって得られた沈殿物を製紙用無機粒子の使用工程に送る、請求項1又は請求項2記載の排水の処理方法。
前記固液分離処理が、加圧浮上処理である、請求項1〜3に記載の排水の処理方法。
本形態における排水の処理方法は、新聞古紙や雑誌古紙、チラシ古紙、一品色上古紙、色上古紙等の古紙から再生紙の原料パルプとなる古紙パルプを製造する工程で排出される排水を処理の対象とする方法である。
本形態において、古紙パルプの製造工程が、どのような処理からなるかは、特に限定されない。一般には、古紙を、パルパー等の機械的解繊を伴う離解装置でスラリー(繊維懸濁液)とし(離解処理)、スクリーンやクリーナー等の除塵装置で異物を除去し(精選処理)、必要に応じて過酸化水素等で漂白し(漂白処理)、フローテーター等の浮選機で微細繊維やインキ成分等を浮上選別し(浮選処理)、洗浄処理、脱水処理するなどして、古紙パルプを製造している。もちろん、例えば、浮選処理を多段としていたり、一連の処理の途中でニーディング(混練)処理を行っていたりすることもある。
このようにしてなる古紙パルプの製造工程からは、浮選処理によって浮上選別される脱墨工程排水や、精選処理、脱水処理、濃縮処理、洗浄処理等の他の処理によって排出される排水が、古紙処理工程排水として、排出される。本形態においては、これらの排水を一括処理することもできるが、脱墨処理工程排水を主とする排水とこの排水を除く他の古紙処理工程排水とに選別しておき、前記排水と他の古紙処理工程排水とをそれぞれ単独で処理(別々に処理)するのが好ましい。脱墨処理工程排水は、懸濁物質を多く含み、しかもこの懸濁物質は、微細繊維やポリマー粒子等の比重が軽いものであるため、微細空気の存在や界面活性剤の残留による発泡作用によって比較的浮上し易い。これに対し、浮選処理以外の処理によって排出される排水中の懸濁物質は、比較的沈降し易い。したがって、排水を一括処理すると、浮上し易い懸濁物質と沈降し易い懸濁物質とを同時に処理することになってしまい、浮上処理及び沈澱処理のいずれの処理を行う場合においても、処理時間が長くなり、あるいは処理設備を大きくし、あるいは薬品の添加量を多くする必要が生じる。これに対し、選別排水と他の排水とを別々に処理することとすれば、各排水の性質に応じた効率的な処理が可能となる。
なお、本明細書において、脱墨処理工程排水を主とする排水という「主とする」とは、50容量%以上を意味する。これは、脱墨処理工程排水に対して脱墨処理工程排水を除く排水を、50容量%未満の範囲で混入したものも含ませる趣旨である。処理設備の内容、規模等によっては、排水に、脱墨処理工程排水以外の排水を混入した方が、脱墨処理工程排水を単独で処理するよりも効率的になる場合がある。
本形態において、排水(一括処理する場合は、全ての排水)は、pH7を超える条件下で、好ましくはpH7.2〜9.0の条件下で、より好ましくはpH7.2〜8.0の条件下で、強アニオン性の高分子有機凝集剤と無機凝集剤とを添加して固液分離処理する、好適な固液分離処理方法としては、比重差が少ない構成成分の場合でも比較的分離能が高い加圧浮上処理である。以下の好適な固液分離処理方法との代表例として、加圧浮上処理にて説明する。
従来は、例えば、特許第3225655号公報の段落0010に記載されるように、pHが7を超えると、懸濁物質の凝集が不十分となり、高分子有機凝集剤を増添しても効果は少ないとされ、pHが7以下とされていた。しかしながら、高分子有機凝集剤として、強アニオン性のものを使用すると、後述実施例から明らかなように、懸濁物質を十分に除去することができることが知見された。しかも、排水がpH7以上のアルカリ性であると、排水に残留する界面活性剤等によって排水が発泡し易くなるため、加圧浮上処理効率が向上する。したがって、薬品の使用量を抑えることができる。
また、排水は、古紙の離解処理を効率的に行うために、一般にアルカリ性となっている。したがって、pH7以下とするには、酸薬品の添加が必要になるが、pH7を超える条件とする本形態では、薬品を使用する必要がなく、薬品の使用量を抑えることができる。さらに、pH7を超える条件とする本形態では、装置の材質を耐酸性とする必要がない、後工程で活性汚泥処理等を行う場合においても、pHを戻すためのアルカリ薬品添加が必要にならない、とのメリットもある。
高分子有機凝集剤の種類は、強アニオン性であるという点以外、特に限定されない。強アニオン性の高分子有機凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド系、変性ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系、変性ポリアクリル酸ソーダ系、ポリスルホン酸系(例えば、ポリスチレンスルホン酸(塩)、ナフタレンスルホン酸(塩)等。)、ホルマリン重縮合物、アルキル(C1〜6)ナフタレンスルホン酸(塩)、ホルマリン重縮合物、1N−NaNO3水溶液中30℃で測定した固有粘度(dl/g)が0.1〜3のものなどを、使用することができる。
なお、アニオン性の高分子有機凝集剤とは、分子内にアニオン性基を有する高分子有機凝集剤、すなわち水に溶解した際にアニオン性を示す高分子有機凝集剤である。また、強アニオン性とは、イオン性が0.25meq以上の場合をいう。
高分子有機凝集剤の添加量は、0ppmまたは、多くとも10ppm以下である。他方、10ppmを超えると、沈降性を有する懸濁物質まで凝集し、加圧浮上させることができるが、薬品使用量が増え不経済である。本形態のように、選別排水を単独処理する形態として沈降性を有する懸濁物質の量を減らしたり、後述するように加圧浮上処理後の排水を沈殿処理したりするなどして、対応した方がよい。
高分子有機凝集剤の添加量は、処理排水の性状に応じて暫時調整すべきものであり、残留高分子有機凝集剤の効果が継続する場合は、添加量を0ppmにすることができる。
本形態において無機凝集剤は、高分子有機凝集剤の架橋作用を補助する薬剤(凝集補助薬剤)として併用するものである。
無機凝集剤の種類は、特に限定されない。無機凝集剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸バンド、アンモニウムミョウバン、カリウムミョウバン、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、塩化コッパラス、ポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化第二鉄、消石灰、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどを、使用することができる。ただし、無機凝集剤としては、硫酸バンドを使用するのが好ましい。硫酸バンドは、微細繊維同士の凝集を促進するとともに、他の微粒子を繊維に付着させる作用を有する。また、使用量の低減、製紙用無機粒子として再利用する際における白色度の向上という観点からは、鉄分を含まない無機凝集剤の使用が好ましい。具体的には、好ましくは消石灰、より好ましくは硫酸バンド、ポリ硫酸アルミニウム、特に好ましくはポリ塩化アルミニウムである。
無機凝集剤の添加量は、0ppmまたは、多くとも600ppm以下である。他方、600ppmを超えると、高分子有機凝集剤と同様の問題を生じる。
一例として、高分子有機凝集剤及び無機凝集剤は、アニオン性ポリアクリルアミド(有機高分子凝集剤)を5〜10ppm、硫酸バンド(無機凝集剤)を酸化アルミニウム(Al2O3)8質量%溶液に換算して300〜500ppm(g/m3)、とすることができる。
無機凝集剤の添加量においても、処理排水の性状に応じて暫時調整すべきものであり、残留無機凝集剤の効果が継続する場合は、添加量を0ppmにすることができる。
加圧浮上処理とは、加圧によって多量の空気を排水中に溶解させ、次いで大気圧に戻すことによって排水中に気泡を発生させ、気泡に懸濁物質を付着させて浮上させ、この浮上物(スカム)を除去する処理方法である。この浮上物に含まれる懸濁物質は、有機成分が多いため、燃焼率が向上し、廃熱利用効率が高まる。
一般に、浮上処理の方法としては、加圧式のほか、例えば、散気管式等がある。しかしながら、加圧式の方が、排水中に残留する界面活性剤を発泡させ易いため、懸濁物質を効率的に浮上させることができるという点で好ましい。
ここで、加圧のための空気圧力は、通常4〜6Kg/cm2、好ましくは4〜5Kg/cm2である。また、排水量(Lm3)に対する送入空気量(GNm3)の比で表すG/L比は、通常0.1〜0.3、好ましくは0.2〜0.3である。空気圧力を4kg/cm2以上にすると、浮上し易い懸濁物質のみが効率的に浮上選別される。
本形態のように選別排水を単独処理する場合は、沈降性を有する懸濁物質の量が比較的少ないため、沈降性を有する懸濁物質を凝集させて加圧浮上させなくても、以上の方法によって十分にSS濃度を下げることができる。もっとも、以上の方法による場合は、当然ながら、排水中に沈降性を有する懸濁物質がわずかではあっても残留することになる。そして、この排水中に残留する沈降性を有する懸濁物質は、通常無機粒子が主である。そこで、加圧浮上処理後の排水は、沈殿処理し、この沈殿処理によって得られた沈殿物を、パルプスラリーに填料として内添する工程や塗工液に顔料として配合する工程等の製紙用無機粒子の使用工程に送るのが好ましい。これにより、SS濃度をよりいっそう下げることができるとともに、資源の有効利用に資する。
なお、沈殿物は、適宜、脱水、乾燥、燃焼、粉砕等を行い、再生粒子として使用することになる。この再生粒子を得る方法については、例えば、特開2002−167523号公報、特開2003−13069号公報、特開2005−53984号公報、特開2005−53985号公報等を参考にすることができる。
本形態の排水処理においては、以上の処理の前後に、必要に応じて、単純沈澱、無薬注沈殿等の単沈処理や凝集沈殿等の凝沈処理、活性汚泥処理(AST)などの公知の処理を、組み合わせることができる。この他、例えば、イオン交換樹脂によって懸濁物質、COD(化学的酸素要求量)物質、BOD(生物化学的酸素要求量)物質を吸着させる高度処理(例えば、特開昭51−15562号公報参照。)、アルミニウム電極を用いて電気分解し、生成したフロックを分離後、酸化剤を添加して残留する微細成分を分解除去する処理(例えば、特開昭52−51754号公報参照。)、高pH・高温条件下にて限外ろ過膜でろ過し、透過液を再利用する処理(例えば、特開昭58−143883号公報参照。)、カルシウム石鹸を添加した後、印刷インキ粒子などを分離する処理(例えば、特開昭54−110652号公報参照。)、酸化剤により酸化した後、第2鉄塩を加えて弱アルカリ性下で凝集沈降させる処理(例えば、特開昭58−70883号公報参照。)、槽内に流動担体上昇流動域、下降流動域及び低部に散気管を持つ三相流動型排水処理装置で好気的生物処理をした後、凝集させて分離する処理(例えば、特開平1−189399号公報参照。)なども組み合わせることができる。もっとも、他の処理を組み合わせる場合においては、本形態による効果を阻害しないよう、酸化剤等の薬液を使う処理はできるだけ避け、薬液を使用しない処理を組み合わせるのが好ましい。また、他の処理を組み合わせる場合においては、本形態の簡易な処理方法であるという点が阻害されない組み合わせとするのが好ましい。
また、懸濁物質は、活性汚泥処理の妨げとなるため、懸濁物質の除去処理は、活性汚泥処理よりも先に行うのが好ましい。これにより、流入負荷軽減等によって活性汚泥処理効率が向上し、余剰汚泥中の有機成分割合が上昇するため、余剰汚泥の燃焼率が向上し、廃熱利用効率が高まる。
なお、活性汚泥処理は、排水に含まれている各種の有機物を培養基として曝気槽で溶存酸素の存在下で微生物の混合集団を連続培養し、汚染有機物を凝集、吸着、酸化分解、沈殿の各作用によって除去する処理である。
以上に対し、他の排水(選別排水を除く排水)の処理方法は、特に限定されず、例えば、前記(他の工程)として示した、公知の方法によって、処理することができる。
〔実施例1〜9〕
新聞古紙等の古紙パルプ製造工程で排出される排水のうち、浮選処理によって排出される脱墨処理工程排水(原水)を処理の対象として、試験を行った。原水のpH、SS濃度及びCOD濃度は、表1に示したとおりであった。
原水は、クロフター(加圧浮上装置、旧日本ユーエスマシナリー製)へ流送し、攪拌しながら無機凝集剤として硫酸バンド(Al2O3換算8質量%溶液)を添加し、硫酸又は苛性ソーダを加えて表1中に示すpHに調節した後、圧力5Kg/cm2の空気をG/L比が0.2になるように封入し、高分子有機凝集剤としてパワーエースA−119(協和産業製、強アニオン性ポリアクリルアミド)を添加した。10分後、クロフター下部の処理水を採取して、SS濃度、COD濃度、処理水の濁度及び加圧浮上によるスカムの性状を評価した。結果は、表1に示した。なお、硫酸バンドはAl2O3換算8質量%溶液として300ppm、パワーエースA−119は0.1質量%溶液として固形分換算で5.0ppm、それぞれ添加した。また、評価方法は、次のとおりである。
(SS濃度の測定)
JIS K 0102(工場排水試験方法・・14.1、懸濁物質)に基づいて測定した。
(COD濃度の測定)
JIS K 0102(工場排水試験方法・・17、100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量)に基づいて測定した。ただし、試料は30分間沈降させ、上澄み液のCOD濃度を測定した。
(処理水の濁度)
○:透明、△:わずかに懸濁物質がある、×:懸濁物質が多い、とした。
(加圧浮上によるスカムの性状)
加圧浮上させたスカムの濃縮状況について、目視にて評価した。〇:濃縮できている、△:僅かに濃度が低い、×:濃縮できていない、とした。
〔比較例1〜9〕
実施例1〜9と同じ原水について、pHによる効果(影響)を確認するため、硫酸又は苛性ソーダを加えて表1中に示すpHに調節し、実施例1〜9と同様の試験を行った。
〔比較例10〜12〕
実施例1〜9と同じ原水について、有機高分子凝集剤による効果(影響)を確認するため、有機高分子凝集剤をパワーエースA−155(協和産業製、中アニオン性ポリアクリルアミド)に変え、実施例1〜9と同様の試験を行った。
〔比較例13〜15〕
実施例1〜9と同じ原水について、有機高分子凝集剤による効果(影響)を確認するため、有機高分子凝集剤をパワーエースA−138(協和産業製、弱アニオン性ポリアクリルアミド)に変え、実施例1〜9と同様の試験を行った。
〔考察〕
表1の結果から、pH7を超える条件下であっても、高分子有機凝集剤として強アニオン性又は中アニオン性のものを使用することにより、濁度が向上することがわかる。また、高分子有機凝集剤としては、強アニオン性のものの方が中アニオン性のものよりも優れることがわかる。さらに、pHが7.2以上であると、SS濃度が大幅に減少することがわかる。
Claims (4)
- 古紙パルプ製造工程で排出される排水の処理方法であって、
前記排水を、pH7を超える条件下で、強アニオン性の高分子有機凝集剤及び無機凝集剤を添加して、固液分離処理する、ことを特徴とする排水の処理方法。 - 前記排水が、脱墨工程から排出される脱墨工程の排水を主とする排水であり、排水をpH7を超える条件下で、強アニオン性の高分子有機凝集剤及び無機凝集剤を添加して、固液分離処理する、請求項1記載の排水の処理方法。
- 前記固液分離処理後の排水を沈殿処理し、この沈殿処理によって得られた沈殿物を製紙用無機粒子の使用工程に送る、請求項1又は請求項2記載の排水の処理方法。
- 前記固液分離処理が、加圧浮上処理である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排水の処理方法。
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