JP2004536931A - ハロゲン化光学ポリマー組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、空気中で硬化されることが可能であるとともに電気通信スペクトルのC帯域とL帯域の両方で光学的損失が低い高分子光学材料を提供する。この高分子材料は、少なくとも二官能性のチオール化合物と少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物のラジカル重合によって製造され、ここでチオール化合物およびエチレン性不飽和化合物の少なくとも一方は少なくとも部分的にハロゲン化されている。損失が低く複屈折が低い平面光導波路を製作するために本発明の組成物を用いてもよい。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に高分子材料、より詳しくは、電気通信のための機器の構造中で有用なハロゲン化高分子材料に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムにおいて、メッセージは、レーザーおよび発光ダイオードのような光源によって発生する光学的振動数で電磁搬送波によって伝達される。こうした光通信システムは、従来の通信システムに比べて幾つかの利点をもたらすため関心が高い。
【0003】
一点からもう一点に光学的振動数の波を発信するか、または導くための一つの好ましい機器は、光導波路である。光導波路の作用は、光透過媒体が屈折率のより低い外部媒体によって取り囲まれるか、または別な風に制限される時に、外部媒体との境界に実質的に平行な内部媒体の軸に沿って導入された光が、光透過媒体中に光を閉じ込める境界で高度に反射され、よって通信路間で導波効果をもたらすという事実に基づく。光透過エレメントのような光導波構造を組み込んだ様々な光学機器を製造することが可能である。平面光スラブ導波路、通信路光導波路、リブ導波路、オプティカルカプラー、オプティカルスプリッタ、オプティカルスイッチ、オプティカルフィルタ、配列導波路格子、導波路ブラッグ格子および可変減衰器などは、こうした機器の例である。特定の振動数の光について、光導波路は、内部光導波領域の寸法および内部媒体と周囲外部媒体との間の屈折率の差に応じて、単一光学モードまたは多モードを支持することが可能である。
【0004】
光導波路機器および他の光学相互連結機器は有機ポリマー材料から構築することが可能である。ガラス製の平面導波路から構築された単一モード光学機器が温度によって比較的影響を受けないのに対して、有機ポリマーから製造された機器は温度による特性の著しい相違を示す場合がある。これは、有機高分子材料が比較的高い熱光学係数(dn/dT)を有するという事実による。従って、有機ポリマーが温度の変化を受けるにつれて、その屈折率はかなり変化する。有機ポリマー製の光透過エレメントを組み込んだ活性熱同調可能機器または活性熱制御可能機器を製造するために、この特性を利用することが可能である。熱同調可能機器の一例は、熱光学効果によって活性化された1X2スイッチングエレメントである。従って、入力導波路からの光は、抵抗ヒータによって誘発された温度勾配の利用によって二個の出力導波路間で切り替えることが可能である。典型的には、加熱/冷却プロセスは1〜数ミリ秒の範囲にわたって起きる。
【0005】
しかし、殆どの高分子材料は、電気通信用途において一般に用いられる1550nm波長範囲において強く吸収する炭素−水素結合を含み、こうした材料から製造された機器に許容できないほど高い挿入損失を負わせる。C−H結合を、C−D結合またはC−ハロゲン結合で置き換えることによる材料中のC−H結合の濃度を下げることにより、赤外線波長での吸収損失を下げることが可能である。弗素化ポリイミドおよび重水素化ポリメタクリレートまたは弗素化メタクリレートから製造された平面導波路は1300nmで0.10dB/cmほどに小さい単一モード損失を達成した一方で、これらの材料から光学機器を製造するのは比較的難しい。例えば、これらの導波路を典型的に製造するプロセスは、反応性イオンエッチングプロセスの使用を含み、このプロセスは厄介であり、散乱のために高い導波路損失を引き起こしうる。さらに、重水素化は1550nm波長範囲内で損失を減少させる効果的な手段ではない。弗素化ポリイミドおよび重水素化ポリメタクリレートまたは弗素化メタクリレートは、1550nm付近の電気通信ウインドーにおいて典型的には概略0.6dB/cmのより高い損失を有する。O−H結合およびN−H結合も1310nmおよび1550nm付近の波長での損失の大きな一因である。O−H結合およびN−H結合の濃度が最少である組成物が求められている。
【0006】
感光性ポリマーは、標準写真印刷技術を用いてパターン化され得るため光学相互連結用途のために特に関心をもたれてきた。写真印刷法は化学線のパターンに材料を露光させることにより感光性ポリマーの層を選択的に重合することを含む。化学線に露光される材料は重合されるのに対して、露光されない材料は重合されないままである。パターン化された層は、適切な溶媒により、例えば、露光されなかった未重合材料の除去によって現像される。
【0007】
【特許文献1】
米国特許出願第09/745,076号明細書
【特許文献2】
米国特許出願第08/842,783号明細書
【特許文献3】
米国特許出願第09/747,068号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,391,587号明細書
【特許文献5】
米国特許出願第09/846,697号明細書
【非特許文献1】
W.R.SorensonおよびT.W.Campbell著、「ポリマー化学における調製方法」、第2版(ニューヨーク州のInterscience Publishers出版)、1968年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
多くの既知の感光性ポリマーの内、アクリレート材料は、光学的透明性、低い複屈折および広範囲のモノマーの容易な入手可能性のために導波路材料として広く研究されてきた。しかし、多くのアクリレート材料から製造された光学機器の性能は、高い光学的損失、低い耐老化性および黄変、ならびに重合された材料の熱不安定性のために劣っていた。さらに、アクリレート材料は、L帯域(約1565nm〜約1620nm)内で1dB/cmに至る比較的高い損失を有し、空気中で効果的に硬化せず、無酸素条件の使用を必要とする。
【0009】
高弗素化低屈折率ポリマー光導波路への光ファイバーの取り付けにおいて、高弗素化低屈折率接着剤をピグテールするとして知られたプロセスが必要である。最も適切には、後方反射を減らすために、接着剤の屈折率は、弗素化ポリマー導波路の屈折率(約1.33〜約1.40)と光ファイバーの屈折率(約1.46)との間にある。エポキシおよびビニルエーテルなどの空気の存在下でUV硬化することで知られている材料は、一般に、より高い屈折率(約1.47〜約1.52)を有する。さらに、これらの材料は、非極性材料への必要なカチオン光開始剤の不溶性のゆえに、それらの屈折率を低下させるために高弗素化モノマーと合わせて配合することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの態様は、少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および選択された量のフリーラジカル開始剤を含むエネルギー硬化性組成物であって、前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも部分的にハロゲン化されており、チオール部分対エチレン性不飽和化合物部分の比が約1:2〜約2:1の間であり、前記チオール化合物および前記エチレン性不飽和化合物がエネルギー硬化性組成物の約35〜約99.9%の間を占めることを特徴とする組成物に関する。
【0011】
本発明のもう一つの態様は、少なくとも約0.05Mの濃度のチオエーテル部分および少なくとも一個の過ハロゲン化部分を有する高分子材料に関する。
【0012】
本発明のもう一つの態様は、少なくとも約0.05Mの濃度のチオエーテル部分および少なくとも一個の少なくとも部分的にハロゲン化された部分を含む高分子コアを有する光学エレメントに関する。
【0013】
本発明のもう一つの態様は、(a)少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および選択された量のフリーラジカル開始剤を含むクラッド組成物であって、前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも部分的にハロゲン化されており、チオール部分対単離されたエチレン性不飽和化合物部分の比が約1:2〜約2:1の間であり、前記エチレン性不飽和化合物が前記クラッディング組成物の約35〜約99.9重量%の間を占めることを特徴とするクラッド組成物の層を基板に被着させる工程と、(b)前記クラッディング組成物を少なくとも部分的に硬化させて、高分子クラッディング層を形成する工程と、(c)少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および有効量のフリーラジカル開始剤を含むコア組成物であって、前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも部分的にハロゲン化されており、チオール部分対単離されたエチレン性不飽和化合物部分の比が約1:2〜約2:1の間であり、前記エチレン性不飽和化合物が前記コア組成物の約35〜約99.9重量%の間を占めることを特徴とする感光性コア組成物を、前記高分子クラッディング層の表面に被着させて、コア組成物層を形成する工程と、(d)画像形成部分の少なくとも部分的な重合を行うとともに前記感光性コア組成物層の少なくとも一つの非画像形成部分を形成させるのに十分な化学線に前記感光性コア組成物を画像状に露光させる工程と、(e)前記画像形成部分を除去せずに前記少なくとも一つの非画像形成部分を除去し、それによって前記画像形成部分から高分子パターン化コアを形成させる工程と、(f)感光性オーバークラッド組成物を前記高分子パターン化コア上に被着させる工程と、(g)前記オーバークラッド組成物を少なくとも部分的に硬化させて、高分子オーバークラッド層を形成する工程とを含む光学エレメントを製造する方法であって、前記高分子オーバークラッド層および高分子クラッディング層が高分子パターン化コアより低い屈折率を有することを特徴とする方法に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の組成物、方法および機器は、先行技術の組成物、方法および機器と比べて多くの利点をもたらす。例えば、本発明の組成物は、類似のアクリレート材料より硬化中に酸素に遙かに影響されず、空気の存在下で実質的に完全に硬化するように配合することが可能であり、よって導波路製造プロセスの写真印刷露光工程の場合などの加工中に酸素を除く必要性を無くす。本発明の重合された組成物は、C帯域とL帯域の両方全体を通して光学的損失が低く、いずれの帯域でも用いるために適切な光導波路機器の構築を見込んでいる。本発明の組成物が空気中で硬化するので、これらの組成物は、例えば、光ファイバーを導波路機器にピグテールする際に接着剤として用いてもよい。本発明の組成物は低屈折率を有するように配合してもよいので、本発明の組成物は、光ファイバーを高弗素化ポリマー光導波路機器にピグテールする際に特に有用となる。
【0015】
本発明の別の特徴および利点は以下の詳細な説明において記載し、ある程度はその記載から当業者に容易に明らかになるか、または本明細書の書き込まれた説明および請求の範囲ならびに添付図に記載されたように本発明を実施することにより認められるであろう。
【0016】
前述した一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は本発明の単なる例であり、本発明が請求されたように本発明の性質と特徴を理解する概要または枠組みを提供することが意図されていることが理解されるべきである。
【0017】
添付図は、本明細書の一層の理解を提供するために含まれており、本明細書中に包含され本明細書の一部を構成する。該図面は、本発明の一つ以上の実施形態を例示しており、説明と合わせて本発明の原理および作用を説明するために提示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、C帯域とL帯域の両方において光学的損失が低い高分子材料を作るために空気の存在下で硬化され得るエネルギー硬化性組成物を提供する。本明細書で用いられるエネルギー硬化性組成物は、熱と化学線の少なくとも一方によって硬化されうる組成物である。エネルギー硬化性組成物は、少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および選択された量のラジカル光開始剤を含む。ラジカル源によって開始された時に、チオール部分およびエチレン系不飽和部分は付加反応を受けてチオエーテル部分を形成させることが可能である。この硬化系のための一切の特定の説明に縛られる積もりはないが、反応に関するメカニズムは、一般に次の通りであると解される。
【0019】
【化1】
【0020】
この反応は、チオール−エン反応として一般に知られている。反応の開始工程において、開始剤誘導ラジカルは、チオールから水素原子を引き抜いてチイルラジカルを作る。成長反応工程において、チイルラジカルはエチレン系不飽和部分の炭素−炭素二重結合と反応し、チオエーテル(R−S−CH2−)および炭素中心ラジカル中間体を作る。この炭素中心ラジカル中間体は、チオールのもう一個の分子から水素原子を引き抜き、成長反応工程は繰り返す。当業者によって認められるように、反応は多くの方法のいずれか一方法で停止させてもよい。上に示した反応機構において、停止反応はチイルラジカルと炭素中心ラジカルの組み合せを通して起きて、ビスチオエーテル構造を生じさせる。しかし、停止反応は、他の任意の技術上認められた方式で起きてもよい。
【0021】
ポリマーを作るこの反応のために、チオール化合物とエチレン性不飽和化合物の両方は少なくとも二官能性でなければならない。少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物は、互いに共役されてなく芳香族環系の一部ではない少なくとも二つのエチレン系不飽和を有する。エチレン系不飽和は、一般には炭素−炭素二重結合であり、例えば、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、アリルエーテル、アルケン、チオアクリレートエステル、チオメタクリレートエステル、ビニルチオエーテル、アリルチオエーテル、ノルボルネンおよびマレイミドなどの部分を含む。同様に、少なくとも二官能性のチオール化合物は少なくとも二個のチオール部分を有する。図1に示したように、二官能性チオールと二官能性エチレン性不飽和化合物の反応は線状ポリマーを生じさせる。架橋済みポリマーを形成させるこの反応のために、化合物の少なくとも一方は少なくとも三官能性であることが必要である。図2は、二官能性エチレン性不飽和化合物と三官能性チオールから製造された架橋済みポリマーを示している。
【0022】
本発明において用いるためのチオールは、少なくとも二個の反応性チオール(−SH)部分を有して少なくとも二官能性でなければならない。チオールは脂肪族または芳香族であってもよく、例えば、エステル、アミド、エーテル、チオエーテル、チオエステルおよびウレタンなどの他の官能基を含んでもよい。少なくとも二官能性のチオールの例には、例えば、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、ベンゼンジメタンチオール、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)およびエチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
【0023】
上述したチオールに加えて、本発明において用いるために特に適切なチオールは少なくとも部分的にハロゲン化されている。チオールは、炭素−弗素結合、炭素−塩素結合および/または炭素−臭素結合を含んでもよい。ハロゲン化の程度および種類は、屈折率および高分子材料に対してチオールが一因となる光学的損失を制御するために用いてもよい。
【0024】
本発明において用いるために望ましいチオールは、過ハロゲン化部分または実質的に過ハロゲン化の部分を含む。過ハロゲン化部分は、CH結合がC−X結合(X=F、ClまたはBr)によって置き換えられたハロゲン化炭素部分であり、酸素、窒素および硫黄などの他の元素を含んでもよい。過ハロゲン化部分は、例えば、パーハロアリール、パーハロアリーレン、分岐パーハロアルカンおよび分岐パーハロアルキレン、ならびに直鎖パーハロアルカンおよび直鎖パーハロアルキレンなどの多くの構造類から選択してもよい。
【0025】
本発明において用いるために特に望ましいチオールは過弗素化部分を含む。過弗素化部分は、C−H結合がC−F結合によって置き換えられたハロゲン化炭素部分であり、酸素、窒素および硫黄などの他の元素を含んでもよい。過弗素化部分は、パーフルオロアリール、パーフルオロアリーレン、分岐パーフルオロアルカンおよび分岐パーフルオロアルキレンならびに直鎖パーフルオロアルカンおよび直鎖パーフルオロアルキレンなどの多くの構造類から選択してもよい。
【0026】
本明細書で用いられる実質的に過ハロゲン化された部分は、C−H結合の76%以上がC−X結合によって置き換えられている部分として定義される。同様に、実質的に過弗素化された部分は、C−H結合の76%以上がC−F結合によって置き換えられている部分として定義される。
【0027】
本発明において用いるために特に適切な過弗素化部分には、例えば、
−(CF2)x−、
−(C6F4)x−、
−(CF3)2C−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
が挙げられる。式中、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。例えば、テトラフルオロフタロイルなどの他の過弗素化部分の使用も本発明の範囲内で考慮されている。
【0028】
本発明において用いるために望ましいチオール化合物は、構造(HS)n−R−Rf−R’−(SH)n'を有する。
式中、Rfは、
−(CF2)x−、
−(C6F4)x−、
−(CF3)2C−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
からなる群から選択される過弗素化部分である。式中、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。
【0029】
RおよびR’は、アルキル、アリール、エステル、エーテル、アミド、アミン、ウレタン、チオエステルおよびチオエーテル基からなる群から独立的に選択される二価または三価の連結部分であり、Rが二価であるならnは1であり、Rが三価であるならnは2であり、R’が二価であるならn’は1であり、R’が三価であるならn’は2である。特に適切な連結部分には、−CH2−および
【0030】
【化2】
【0031】
この開示を考慮して、当業者は、本明細書に特に記載された連結部分に加えて種々の連結部分を使用できることを認めるであろう。
【0032】
本発明において用いるために過弗素化部分を含む適切なチオール化合物には、
【0033】
【化3】
【0034】
が挙げられる。これらの化合物は、以下の実施例に記載されているように、対応するジオールまたはテトラオールを対応するビスまたはテトラキス(ノナフルオロ−1−ブタンスルホネート)に転化し、その後、チオ尿素と反応させ、鹸化することにより合成してもよい。
【0035】
本発明において用いるための望ましいチオール化合物の他の例には、
【0036】
【化4】
【0037】
が挙げられる。これらの化合物は、当業者によって認められるように且つ以下の実施例に記載されているように、例えば、対応するジオールまたはテトラオールをメルカプトプロピオン酸でエステル化することにより合成してもよい。
【0038】
本明細書に詳しく記載されたもの以外の少なくとも二官能性のチオールの使用は、本発明の範囲内で考慮されている。少なくとも二官能性のハロゲン化チオールまたは非ハロゲン化チオールは、例えば、少なくとも二官能性のアルコールを3−メルカプトプロピオン酸でエステル化するか、または少なくとも二官能性の臭化物、p−トルエンスルホネートまたはノナフルオロ−1−ブタンスルホネートをチオ尿素と反応させ、その後鹸化することを含む、当業者に一般に知られている任意の方法によっても製造してよい。
【0039】
本発明において用いるためのエチレン性不飽和化合物は少なくとも二個のエチレン系不飽和部分を含む。エチレン系不飽和部分はチオール−エン反応において反応性であるように選択され、例えば、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、アリルエーテル、アルケン、チオアクリレートエステル、チオメタクリレートエステル、ビニルチオエーテル、アリルチオエーテルおよびマレイミドであってもよい。エチレン系不飽和部分はラジカル単独重合(例えばメタクリレート)を受けることが可能であってもよく、あるいはラジカルメカニズム(例えばビニルエーテル)によって単独重合されなくてもよい。
【0040】
エチレン系不飽和部分自体がハロゲン化されてもよい。例えば、2−(トリフルオロメチル)アクリレート、トリフルオロアクリレート、トリフルオロビニルおよびトリフルオロアルカンなどの化学種の使用は、C−H結合の低い濃度および対応する低い光学的損失のゆえに望ましい場合がある。本明細書で用いるために、エチレン系不飽和部分はアルキンであってもよい。
【0041】
本発明において用いるために望ましいエチレン性不飽和化合物は少なくとも部分的にハロゲン化されており、炭素−弗素結合、炭素−塩素結合および炭素−臭素結合を含んでもよい。ハロゲン化の程度および種類は、屈折率および高分子材料に対してエチレン性不飽和化合物が一因となる光学的損失を制御するために用いてもよい。
【0042】
本発明において用いるために特に望ましいエチレン性不飽和化合物は過弗素化部分を含む。過弗素化部分は、実質的に炭素−水素結合を有さない弗化炭素部分であり、酸素、窒素、硫黄、塩素および臭素などの他の元素を含んでもよい。過弗素化部分は、パーフルオロアリール、パーフルオロアリーレン、分岐パーフルオロアルカンおよびパーフルオロアルキレン、ならびに直鎖パーフルオロアルカンおよび直鎖パーフルオロアルキレンなどの多くの構造類から選択してもよい。本発明において用いるために特に望ましいエチレン性不飽和化合物は構造(A)n−R−Rf−R’−(A)n'を有する。式中、Rfは、
−(CF2)x−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
からなる群から選択される過弗素化部分である。式中、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。
【0043】
RおよびR’は、アルキル、アリール、エステル、エーテル、アミド、アミンおよびウレタン、チオエステルおよびチオエーテル基からなる群から独立的に選択される二価または三価の連結部分であり、Aは、
CX2=C(X)COE−、
CX2=C(CX3)COE−、
CX2=CX−、
CX2=CX−E−および
CX2=CX−CH2−E−
からなる群から選択されたエチレン系不飽和基である。式中、E=OまたはS、各Xは独立的にH、D、FまたはClである。Rが二価であるならnは1であり、Rが三価であるならnは2であり、R’が二価であるならn’は1であり、R’が三価であるならn’は2である。特に適切な連結部分には、例えば、
【0044】
【化5】
【0045】
が挙げられる。これらの適切な材料および他の適切な材料は、共有された同時係属米国特許出願(特許文献1)に記載されている。この特許を本明細書に引用して援用する。この開示を考慮すると、当業者は、本明細書に特に記載されたものに加えて種々の連結部分を用いることができることを認めるであろう。
【0046】
−(CF2)n−などの過弗素化部分および−CH2−などの連結部分を含むエチレン性不飽和化合物は、構造HO−CH2−(CF2)n−CH2−OHの弗素化ジオールの、例えば、アクリル化、メタクリル化、ビニル化またはアリル化によって製造してもよく、式中、nは1〜約10である。こうした材料の例は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートである。これらの材料は、高架橋密度の比較的硬い膜を作る傾向がある。こうした材料は優れた接着剤特性を有するが、本明細書において用いるために記載された他のエチレン性不飽和化合物の幾つかより高い吸収損失を有する。
【0047】
過弗素化部分Rfが−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−である時、m:nの比は一般に約0.5:1から約1.4:1まで異なる。これらの材料のサンプルは、反復サブユニットの異なる数を有する分子の分布を含む。こうしたサンプルにおいて、mの平均値は一般に約6.34〜約18.34の範囲内に入り、nの平均値は一般に約5.94〜約13.93の範囲内に入る。特に適切な材料は、約1のm:nの比、約10.3のmおよびnの平均値および約2000〜約2800の間の分子量を有する。これらの材料は、「フルオロリンクD10」(Fluorolink(登録商標)D10)という商品名で、米国のオーシモント(Ausimont)によって販売されている構造HO−CH2CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2CH2−OHによるパーフルオロポリエーテルジオールのアクリル化、メタクリル化、ビニル化またはアリル化によって製造してもよく、あるいは別案として「フルオロリンクT」(Fluorolink(登録商標)T)という商品名で、米国のオーシモント(Ausimont)によって販売されている構造HO−CH2CH(OH)CH2OCH2CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2CH2OCH2CH(OH)CH2−OHによるパーフルオロポリエーテルテトラオールから製造してもよい。技術上認められた典型的なアクリル化法、メタクリル化法、ビニル化法およびアリル化法を用いてもよい。パーフルオロポリエーテルのアクリル化およびアリル化の例を本明細書で以下に記載する。
【0048】
上述したように、少なくとも部分的にハロゲン化されたエチレン性不飽和化合物は塩素または臭素を含んでもよい。従って、適切なエチレン性不飽和化合物の例は(A)n−R−Rh−R’−(A)n'である。
式中、Rhは、
−(CF2CFX1)a−CF2−、
−(CF2CFX1)a−(CFX2CF2)b−、
−(CF2CFX1)a−(CFX2CF2)b−CF2および
−(CF2CFX1)a−(CFY1Y2)b−(CF2CFX1)c−CF2
からなる群から選択されたハロゲン化部分である。式中、X1=ClまたはBr、X2=F、ClまたはBr、Y1およびY2は独立してH、CH3、F、ClまたはBrであり、a、bおよびcは独立して1〜約10の整数であり、RおよびR’は、アルキル、アリール、エステル、エーテル、アミド、アミンおよびウレタン、チオエステルおよびチオエーテル基からなる群から独立的に選択される二価または三価の連結部分であり、Aは、
CX2=C(X)COE−、
CX2=C(X3)COE−、
CX2=CX−および
CX2=CX−E−および
CX2=CX−CH2−E−
からなる群から選択されたエチレン系不飽和基であり、式中、E=OまたはS、各Xは独立的にH、D、FまたはClである。Rが二価であるならnは1であり、Rが三価であるならnは2であり、R’が二価であるならn’は1であり、R’が三価であるならn’は2である。特に適切な連結部分には、例えば、
【0049】
【化6】
【0050】
が挙げられる。これらの適切な材料および他の適切な材料は、共有された同時係属米国米国特許出願(特許文献2)に記載されており、この特許を本明細書に引用して援用する。この開示を考慮すると、当業者は、本明細書に特に記載されたものに加えて種々の連結部分を用いることができることを認めるであろう。構造中に塩素原子または臭素原子を組み込む際の一つの目的は、C−H結合吸収ゆえの光学的損失を増やさずに、完全弗素化系の塩素原子または臭素原子より上に屈折率および表面エネルギーを高めることである。
【0051】
少なくとも部分的にハロゲン化されたチオメチルアクリレート、チオアクリレートおよびビニルチオエーテルならびにアリルチオエーテルは、当業者によって知られ理解された方法によって上述したチオールを含む対応するチオールから製造してもよい。例えば、チオアクリレートは、塩基の存在下で対応するチオールを塩化アクリロイルで処理することにより合成してもよい。アリルチオエーテルは、対応するチオールを臭化アリルで処理することにより製造してもよい。
【0052】
本発明において用いるために適切な少なくとも部分的にハロゲン化された他のエチレン性不飽和化合物には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロプロパンジアクリレート、「L−12043」という商品名で、3M スペシャリティ ケミカルズ ディビジョン(3M Specialty Chemicals Division)によって販売されているCH2=CHCO2−CH2CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)CH2O2CCH=CH2、「L−9367」という商品名で、3M スペシャリティ ケミカルズ ディビジョン(3M Specialty Chemicals Division)によって販売されているCH2=CHCO2−CH2CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2On)]−CF2CH2−O2CCH=CH2および「FAVE4101」という商品名で、ハネウェル(Honeywell)によって販売されているF(CF2)7−CH2CH2−C(CO2CH2CH2CH2CH2O−CH=CH2)2ならびに共有された米国特許出願(特許文献3)に記載されたクロロ弗素化ポリエステルアクリレート
【0053】
【化7】
【0054】
が挙げられ、この特許を本明細書に引用して援用する。
【0055】
さらに、少なくとも二官能性の非ハロゲン化エチレン性不飽和化合物を本発明において用いてもよい。当業者は、例えば、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジアリルフタレートおよびポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテルを含むこうした化合物の膨大な選択が技術上存在することを認めるであろう。
【0056】
エネルギー硬化性組成物は、選択された量のフリーラジカル開始剤を含んでもよい。フリーラジカル開始剤は、化学線に露光されるとラジカル種を発生させる光開始剤であることが可能である。チオール−エン反応を開始させることが知られている任意の光開始剤も用いることが可能である。光開始剤は、一般的な室温で熱的に不活性であることが望ましく、約60℃より低い温度で不活性であることが好ましい。適切なラジカル型光開始剤には、非限定的に、キノキサリン化合物、ビシナル−ポリケタールドニル化合物、アルファ−カルボニル、アシロインエーテル、トリアリールイミダゾリルダイマー、アルファ−炭化水素置換芳香族アシロイン、多核キノンおよびs−トリアジンが挙げられる。
【0057】
適切な光開始剤には、ベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケトンおよび他の芳香族ケトン、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルおよびベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインおよび他のベンゾインが挙げられる。典型的な光開始剤は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure(登録商標)184)、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾジメチルケタール(Irgacure651)、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(Darocur(登録商標)1173)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン(Darocur2959)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(Irgacure907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(Irgacure369)、ポリ{1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン}(Esacure(登録商標)KIP)および[4−(4−メチルフェニルチオ)−フェニル]フェニルメタノン(英国ロンドンのグレート レークス ファイン ケミカルズ社(Great Lakes Fine Chemicals Limited)製のQuantacure(登録商標)BMS)である。最も望ましい光開始剤は、照射した時に黄変しない傾向がある光開始剤である。こうした光開始剤には、ベンゾジメチルケタール(Irgacure(登録商標)651)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(独国ダルムシュタットのE.メルク(E.Merck)から入手可能なDarocur1173)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure184)、および1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(Darocur2959)が挙げられる。3M製のL−12043およびL−9367を含むものなどの、より高度に弗素化されたエネルギー硬化性組成物のために、米国特許公報(特許文献4)に記載された2−(1H、1H、2H、2H−ヘプタデカフルオロ−1−デコキシ)−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどの弗素化光開始剤が必要な場合がある。この特許を本明細書に引用して援用する。
【0058】
本発明において用いるための開始剤は、熱に曝されるとラジカル種を発生させる選択された量の熱開始剤も含んでよい。既知の適切な熱開始剤には、置換または非置換の有機過酸化物、アゾ化合物、ピナコール、チウラムおよびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。作用可能な有機過酸化物の例には、過酸化ベンゾイル、過酸化p−クロロベンゾイル、過酸化メチルエチルケトン、t−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロペルオキシド、ジ−s−ブチルペルオキシドおよび1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが挙げられるが、それらに限定されない。適切なアゾ化合物開始剤には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)および2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0059】
ラジカル発生用の光開始剤または熱開始剤は、適切な種類の十分なエネルギーに曝された時に組成物の重合を行うのに十分な選択された量でエネルギー硬化性組成物中に存在してもよい。例えば、光開始剤は、十分な化学線に露光された時に重合を行うのに十分な量で存在する。開始剤は、一般には全体的な組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より普通には約0.1%〜約6%、適切には組成物の全重量を基準にして約0.5重量%〜約4重量%の量で存在する。開始剤の混合物も用いてよい。電子ビーム線に供されることにより硬化するなどのある種の特殊な場合、エネルギー硬化性組成物は、ラジカルが電子ビーム線の作用によってその場で発生しうるのでフリーラジカル開始剤を必要としない場合がある。
【0060】
光開始剤および熱開始剤の別の例は、当業者に知られている刊行物、例えば、(非特許文献1)に見られる。
【0061】
組成物の目的および最終用途に応じて、他の添加剤もエネルギー硬化性組成物に添加してよい。これらの例には、溶媒、酸化防止剤、光安定剤、体積増量剤、シリカ、チタニアおよびガラス球などの充填剤(特にナノ規模体系の時、約100nm未満の粒子サイズ)、染料、ラジカル捕捉剤、コントラスト増強剤、ニトロンおよびUV吸収剤が挙げられる。酸化防止剤には、チバ・アディティブズ(Ciba Additives(Tarrytown,NY))製のイルガノックス1010(Irganox(登録商標)1010)を含むフェノールおよび特にヒンダードフェノールのような化合物、スルフィド、有機硼素化合物、有機燐化合物、「イルガノックス1098」(Irganox1098)という商品名で、チバ・アディティブズ(Ciba Additives)によって販売されているN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)が挙げられる。光安定剤およびより特にヒンダードアミン光安定剤には、「シアソーブ」(Cyasorb(登録商標)UV−3346)という商品名で、サイテック・インダストリーズ(Cytec Industries(Wilmington,DE))によって販売されているポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]が挙げられるが、それに限定されない。体積増量化合物には、Baileyのモノマーとして知られているスパイラルモノマーのような材料が挙げられる。染料の例には、メチレングリーンおよびメチレンブルーなどが挙げられる。適切なラジカル捕捉剤には、酸素、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノールおよび2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)などが挙げられる。適切なコントラスト増強剤には、ニトロンなどの他のラジカル捕捉剤が挙げられる。UV吸収剤には、ベンゾトリアゾールおよびヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの添加剤の各々は、組成物の全重量を基準にして約6%以下、普通は約0.1%〜約1%の量で含めてもよい。
【0062】
当業者が認めるように、二種以上のエチレン性不飽和化合物、チオール化合物および光開始剤を単一組成物中で用いてもよい。異なる化合物のブレンディングは、当業者によるエネルギー硬化性組成物と高分子材料の特性の調整を見込んでいる。エネルギー硬化性組成物は、ハロゲン化と非ハロゲン化のチオールとエチレン性不飽和化合物の混合物を用いて配合することが望ましい場合がある。例えば、適切なエネルギー硬化性組成物は、ハロゲン化エチレン性不飽和化合物と混合して非ハロゲン化チオールを含んでもよい。あるいは、適切なエネルギー硬化性組成物は、非ハロゲン化エチレン性不飽和化合物と混合してハロゲン化チオールを含んでもよい。本発明のエネルギー硬化性組成物において、チオール化合物またはエチレン性不飽和化合物の少なくとも一方は少なくとも部分的にハロゲン化されている。さらに、これらの配合物中に溶解された熱可塑性ポリマー材料の使用を含めることも可能である。別のモノマーおよびポリマーの使用は、本発明の硬化されたポリマーとの相溶性によって厳密に制限される。通常、全体的組成物のすべての成分は、互いに混合しており、最も望ましくは実質的に均一に混合している。
【0063】
エチレン性不飽和化合物および/またはチオール化合物の混合物は、エネルギー硬化性組成物およびエネルギー硬化性組成物から誘導された硬化したポリマーの屈折率を調整するために用いてもよい。例えば、組成物の屈折率は、低屈折率パーフルオロポリエーテルアクリレートとより高い屈折率の2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートの組成比を変えることにより制御してもよい。組成物の屈折率は、低屈折率パーフルオロポリエーテルチオールとより高い屈折率の1,6−ヘキサンジチオールの組成比を変えることによっても制御してよい。これは、種々の層が明確な屈折率をもたなければならない平面導波路用の組成物を配合する際に特に必要である。
【0064】
当業者によって認められるように、エチレン性不飽和化合物および/またはチオール化合物の混合物は、例えば、粘度、湿潤性、架橋密度、硬度、表面エネルギーおよびこうした他の特性などの、エネルギー硬化性組成物およびポリマー材料の他の特性を調整するために用いてもよい。チオール部分とエチレン系不飽和部分の組成比は硬化したポリマーの所望特性に応じて選択される。チオール−エン反応の化学量論比は上述したように1:1であるので、チオール部分とエチレン系不飽和部分の等数を用いてもよい。適切なエネルギー硬化性組成物は、約9:10〜約10:9の間のチオール部分:エチレン系不飽和部分の比を有し、特に適切なエネルギー硬化性組成物は、約19:20〜約20:19の間のチオール部分:エチレン系不飽和部分の比を有する。エチレン系不飽和部分が単独重合できない実施形態において、約1:1のチオール部分:エチレン系不飽和部分の比は組成物のすべての重合性基の非常に効果的な硬化を確実にする。
【0065】
しかし、多くの状況において、チオール部分:エチレン系不飽和部分の異なる比を用いることが望ましい場合がある。例えば、重合プロセスにおいてエチレン系不飽和部分をチオエーテルに完全に転化することが必要な場合、2:1以下のチオール部分:エチレン系不飽和部分のモル比に至るチオールの過剰は用いてもよい。S−H結合は通信波長で強く吸収しないので、未反応チオールは高分子材料の光学的損失に実質的に悪い影響を及ぼさないであろう。重合中にすべてのチオールをチオエーテルに転化することが必要な場合、1:2以上のチオール部分:エチレン系不飽和部分のモル比を用いてよい。エチレン系不飽和部分が単独重合できる実施形態において、チオール部分:エチレン系不飽和部分の1:1の比は、チオール部分とエチレン系不飽和部分の実質的にすべての完全な反応のために必要とは限らない。効果的な反応は、エチレン性不飽和化合物が単独重合できる時、1:2以上の比で起きうる。チオール部分:エチレン性不飽和化合物のこうした非化学量論比は、高分子材料中の未反応炭素−炭素二重結合の濃度を下げる際に、従って、L帯域内の高分子材料の光学的損失を低下させる際に効果的でありうる。特定のエチレン性不飽和化合物またはチオール化合物のその構造に基づく相対的な長所を評価する際に、特定の候補材料に関する水素への光吸収性結合のモル濃度を決定することが有用である。C−H結合、N−H結合およびO−H結合伸縮振動オーバートーンが通信波長における主要な吸収損失源であるので、これらの結合の濃度の減少は材料の吸収損失を減らす。表面水素結合の類似のオーバートーンは非常に弱く、1900nmより上で現れ、従って、著しい吸収損失源ではない。特定の化合物に関する水素のモル濃度(CH)は、分子当たりのC−H結合、N−H結合およびO−H結合の数(H)、化合物の分子量(Mw)および材料の密度(ρ)から以下の式に示したように計算することが可能である。
【0066】
【数1】
【0067】
当業者は、配合されたエネルギー硬化性組成物に関するCHを個々の各成分のCH値の重み付き平均として計算できることを認めるであろう。CHと特定の材料または製作された機器の吸収損失との間に厳密な関係がありそうにない一方で、この関係は、光学的損失値を低下させるに際にどの材料が有用でありうるかの初期的な指標を与える。高分子材料のためにこれらの計算を行う時、化合物の硬化した膜の密度を用いることが最も適切である。それが最大の関心である硬化した膜の損失であるからである。しかし、こうした膜の密度の測定は難しいので、近似が少量の誤差しか持ち込まないということを知った上で液体の密度を用いることが可能である。本明細書において用いるために適切なエネルギー硬化性組成物および高分子材料は約55M未満のCHを有する。望ましいエネルギー硬化性組成物および高分子材料は約35M未満のCHを有する。特に望ましいエネルギー硬化性組成物および高分子材料は約20M未満のCHを有する。導波路用途について、最も望ましい組成物および高分子材料は約15M未満のCHを有する。当業者によって認められるように、異なる鎖長のハロゲン化チオール化合物と非ハロゲン化チオール化合物およびハロゲン化エチレン性不飽和化合物と非ハロゲン化エチレン性不飽和化合物の賢明な配合によってCHを制御してもよい。幾つかの代表的な材料に関するCH値を以下の実施例で示している。
【0068】
本発明のエネルギー硬化性組成物は、適切な種類および量のエネルギーに供することにより少なくとも部分的に重合してもよい。例えば、熱開始剤を用いて配合された組成物は熱を加えることにより重合させてもよい。温度は熱開始剤に応じて決まり、普通は約60℃〜約200℃の範囲である。しかし、70℃〜100℃の間の温度は好ましい。熱重合時間は、用いられる温度および開始剤に応じて数秒から数時間まで異なりうる。
【0069】
光開始剤を用いて配合された組成物は、電磁スペクトルの可視領域、紫外線領域または赤外線領域の光として定義された化学線および電子ビーム、イオンまたはビームあるいはX線に供することにより重合してもよい。化学線は、例えば、レーザーからのインコヒーレント光またはコヒーレント光の形をとってもよい。化学線源および露光の手順、時間、波長および強度は、材料の所望の重合度、屈折率、および当業者に知られている他の要素に応じて広く異なってもよい。こうした従来の光重合プロセスおよび運転パラメータは技術上周知されている。化学線源および化学線源の波長は広く異なってよく、従来の任意の波長および化学線源も用いることが可能である。加工前に通常出会う放射線(例えば、室内光)への露光がエネルギー硬化性組成物を早期に重合させないように、光開始剤が比較的短波長(高エネルギー)で光化学励起を行うことを必要とすることが好ましい。従って、紫外線またはディープ紫外線への露光は有用である。便利な線源には、加工のための所望の波長を選択するために適切な光学フィルタを備えた高圧キセノンアークランプまたは水銀−キセノンアークランプが挙げられる。短波長コヒーレント放射線も本発明の実施のために有用である。350nm付近の数波長でUVモードで運転するアルゴンイオンレーザーは望ましい。257nm波長付近の出力を備えた周波数ダブルアルゴンイオンレーザーも非常に望ましい。電子ビーム励起またはイオンビーム励起も用いてよい。あるいは、加工は、レーザーなどの高強度の化学線源によって開始された多光子プロセスを用いることが可能である。典型的な露光時間は、化学線源に応じて秒の数十分の一から約数分まで異なる。部分的硬化が必要である時、約50%〜約90%の間の硬化レベルが一般に好ましい。光重合温度は、通常は約10℃〜約60℃の範囲である。しかし、室温が好ましい。
【0070】
重合プロセスにおいて、チオール部分は、想定上、上述したメカニズムによってチオエーテル部分に転化される。当業者によって認められるように、重合パラメータは、部分的に重合した材料を生じさせるように選択してもよい。部分的に重合したとは、すべてのチオール部分−エチレン系不飽和部分ペアーがチオエーテルに転化されるとは限らないことを意味する。従って、多少のエチレン系不飽和部分および多少のチオール部分が重合後に存在する。これは、チオール部分の数の0%より多いが50%未満、好ましくは20%未満またはエチレン系不飽和部分の数の0%より多いが50%未満、好ましくは20%未満が重合プロセスにおいて未反応のままであることを意味する。部分的な重合は、層状構造の構築の際に特に有用である。エネルギー硬化性組成物の第2の層の被着前のエネルギー硬化性組成物の第1の層の部分的な重合によって、二層は界面で混ぜ合わせることが可能となる。一層中の反応性部分は隣接層の反応性部分と反応し、層間粘着力を改善する。さらに、層間の傾斜屈折率は、層間でのモノマーの拡散によって形成されうる。
【0071】
少なくとも部分的に重合した材料のサンプル中のチオエーテル部分の濃度は、元のエネルギー硬化性組成物中のチオール部分の濃度と重合度の両方に応じて決まる。単一チオール化合物および単一エチレン性不飽和化合物を有するとともに過剰のチオール部分を有する組成物を重合することにより製造されたポリマーの場合、チオエーテル部分の濃度は以下の式を用いて推定してもよい。
【0072】
【数2】
【0073】
式中、x:yは組成物中のチオール部分対エチレン系不飽和部分の比であり、Mwtはチオール化合物の分子量であり、Mweはエチレン性不飽和化合物の分子量であり、ftはチオール化合物の官能価であり、feはエチレン性不飽和化合物の官能価であり、Mwfruは基本反復単位の分子量であり、Nfruは基本反復単位中のチオエーテル連結の数であり、DOCeは重合プロセスにおいてチオエーテルに転化したエチレン系不飽和部分のフラクションであり、ρは高分子材料の密度である。
【0074】
単一チオール化合物および単一エチレン性不飽和化合物を有するとともに過剰のエチレン系不飽和部分を有する組成物を重合することにより製造されたポリマーの場合、チオエーテル部分の濃度は以下の式を用いて計算してもよい。
【0075】
【数3】
【0076】
式中、DOCtは重合プロセスにおいてチオエーテルに転化したチオール部分のフラクションである。上述したように、初期のエネルギー硬化性組成物の密度は、硬化した材料の密度のための近似として用いてもよい。さらに、当業者は、エネルギー硬化性組成物が完全にチオール化合物およびエチレン性不飽和化合物からなることをこれらの式が仮定していることを認めるであろう。この式は、この仮定から著しく異なる本発明組成物を反映するように調節してもよい。また、本発明によるポリマーは、二種以上のチオール化合物および/または二種以上のエチレン性不飽和化合物を有する組成物から製造してもよい。当業者は、この事実を反映させるために所定の式を修正するであろう。代表的な材料のチオエーテル濃度は以下の実施例で示される。
【0077】
本発明の組成物は、炭素−炭素二重結合の反応によって硬化した類似材料(例えばポリアクリレート)より硬化した時に少ない収縮を受ける。例えば、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートが厚いスラブとして硬化した時、サンプルは硬化した時に応力のために割れ、著しい量の収縮を示した。二官能性エチレン性不飽和化合物である2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートおよび三官能性チオールであるトリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)の組成物は硬化して、収縮が大幅により少ない亀裂のないスラブを生じさせた。さらに、この材料はポリアクリレートより柔らかく且つ可撓性であった。チオール−エン誘導材料のより少ない応力および収縮はポリマー構造中の架橋サイトの分離による。ポリアクリレート材料において、架橋分岐点は一個の原子だけ離されるのみである。本発明の材料において、架橋分岐点はチオール化合物の主鎖とエチレン性不飽和化合物の主鎖の組み合わせた長さによって離される。上で示した例において、架橋サイトは25個の原子だけ離され、よって系における応力を減少させる。低収縮材料は最少複屈折を有するので、低収縮材料は光学機器において分極作用を最少にするために有益となる。
【0078】
本発明の組成物およびポリマーは、平面光導波路の製作において特に有用である。高分子導波路の製作のための方法は、共有された同時係属米国特許出願(特許文献5)において開示されている。この特許を本明細書に引用して援用する。本発明の材料は、無酸素条件下での加工を必要としないように配合してもよいので特に有利である。例えば、チオール部分:エチレン系不飽和部分の比が1:1以上であるエネルギー硬化性組成物は、類似のアクリレート組成物またはメタクリレート組成物より硬化中に酸素に対して遙かに影響を受けにくい。導波路構造の例は図3に示されている。本発明の実施形態において、適切な基板2は、例えば、水性濃水酸化ナトリウムで厳密に化学洗浄される。その後、基板2は、アクリレート−、チオール−、アミノ−またはイソシアナト−官能化クロロ化合物またはアルコキシシラン化合物で下塗してもよい。例えば、基板2を(3−アクリルオキシプロピル)トリクロロシランで処理してもよい。これは、続いて任意に、スピン被覆を介して感光性接着促進繋ぎ層組成物が被着される。この後続のスピン被覆工程において、スピニングプロセスにおいて形成されたエッジビードは、当業者によって知られている方法(例えば、最終数秒の回転中に適切な溶媒でウェハの周縁をリンスする)によって除去してもよい。この繋ぎ層は、好ましくは非常に架橋性であり、エチレン系不飽和部分、チオール部分または両方のいずれかを含む。繋ぎ層組成物を用いる場合、繋ぎ層組成物は、少なくともゲル化点より高いレベルに繋ぎ層を架橋させるのに十分な化学線に露光される。あるいは、適切な繋ぎ層は、エポキシ、ポリアクリレートまたはポリ(ビニルエーテル)などの他のポリマーを含んでもよい。その後、感光性緩衝組成物の層4はスピン被覆によって被着される。この緩衝組成物は本発明により配合され、硬化した時にコア材料の屈折率より約1%〜約3%低い屈折率を有するように上述したように配合される。緩衝組成物は、完全硬化より低くゲル化点より高いレベルに部分的に硬化するのに十分な化学線に露光される。その後、感光性クラッド組成物6は、スピン被覆によって高分子緩衝層の表面5に被着される。このクラッド組成物は本発明により配合され、硬化した時にコア材料の屈折率より約0.3%〜約1.5%低い屈折率を有するように上述したように配合される。こうして構築された積層体は、完全硬化より低くゲル化点より高いレベルにクラッド組成物を部分的に硬化させるのに十分な化学線に露光される。その後、本発明により配合された感光性コア組成物の層は、スピン被覆によって高分子クラッド層の表面7に被着される。その後、コア組成物は、コア組成物の画像形成部分の少なくとも部分的な重合を行うとともにコア組成物の少なくとも一つの非画像形成部分を形成させるのに十分な化学線に画像状に露光される。例えば、フォトマスクを用いてもよい。このプロセスにおいて、フォトマスクは、コア組成物層の上で、普通はコア組成物層より約20μm未満上で、より普通にはコア組成物層より約5μm〜約20μm上で所定レベルに下げられる。コア組成物層の表面へのマスクの距離は、例えば、所望の厚さの薄いワイヤなどのスペーサーを用いて制御してもよい。完全硬化より低くゲル化点より高いレベルにコア組成物を部分的に硬化させるのに十分な化学線によるフォトマスクを通した露光は、露光された部分的に重合したコアと露光されなかった液体コア組成物の領域を生じさせる。あるいは、コア組成物は、レーザーによって発生したものなどの化学線の明確なビームで書き込むことにより画像形成してもよい。露光の方法には関係なく、露光されなかったコア組成物は、適切な溶媒でリンスし、露光された部分的に重合したパターン化コア8を残すことにより現像してもよい。パターン化コアは、例えば、矩形断面または正方形断面を有する導波路構造を形成することが可能である。その後、感光性オーバークラッド組成物10はスピン被覆によってコアの表面9に被着される。このオーバークラッド組成物はパターン化コア機構の頂上および側面を被覆する。オーバークラッド組成物は本発明により配合され、硬化した時にコア材料の屈折率より約0.3%〜約1.5%低い屈折率を有するように上述したように配合される。この構造は膜を完全に硬化させるのに十分な化学線に露光される。最後に、すべての層の完全な重合を確実にするために構造は熱的に焼きなましてよく、一切の揮発物質を除去してもよい。重合プロセスがより酸素に影響されにくいので、高分子材料は、先行技術の高度に弗素化されたアクリレート組成物を基準としてより高い硬化度を示し、それは、ポリマー表面への金属の粘着力、基板へのポリマーの粘着力および熱安定性を改善する。
【0079】
本発明による導波路構造の例の断面図は図3に示されている。その構造は少なくとも0.05Mの濃度のチオール部分と少なくとも一個の少なくとも部分的にハロゲン化された部分を含む高分子組成物を含む高分子パターン化コア8を含む。高分子パターン化コアは、高分子クラッド層6と少なくとも片側で隣接し、高分子オーバークラッド層10と少なくとも片側で隣接している。クラッド層は基板2上に配置されている。クラッド層は基板上に直接載っているか、あるいは基板上に載っている緩衝層4上に載っている。当業者は、本明細書において開示された組成物およびポリマーを用いて製造されうる多くの別の技術上認められた導波路構造が本発明の範囲内で考慮されていることを認めるであろう。
【0080】
当業者によって認められるように、層の厚さおよび屈折率は導波路機器の性能に対して決定的である。層の屈折率は、高屈折率および低屈折率のチオール化合物およびエチレン性不飽和化合物の賢明な配合によって画定してもよい。通常、コアの屈折率は約1.33〜約1.7、またはより望ましくは約1.4〜約1.55の範囲内である。本発明の高分子材料の屈折率は、硫黄の存在のために炭素−炭素二重結合の付加によって製造された類似のポリマー(例えばアクリレート)の屈折率より高い。緩衝層、クラッド層およびオーバークラッド層の屈折率は、上述したようにコアの屈折率より低いのがよい。層の厚さは、回転速度および持続時間によって、およびエネルギー硬化性組成物の粘度によってスピン被覆工程において決定される。コア層の導波路の高さはスピン被覆工程によって定められる一方で、導波路の幅はフォトマスクの機構の寸法によって決定される。層の寸法および屈折率は、最終機器に所望の導波特性を与えるために既知の方法によって選択される。本発明の実施形態において、単一モード導波路は、約7μm×7μmのコア横断面寸法、1550nmでの約1.336のコア屈折率、約2μmのアンダークラッド厚さ、1550nmでの約1.329のアンダークラッド屈折率、約10μmの緩衝厚さ、1550nmでの約1.313の緩衝屈折率、約12μmのオーバークラッド厚さおよび1550nmでの約1.329のオーバークラッド屈折率を有する。
【0081】
低損失および低極性依存性を有する導波路を製造するために、平面光導波路は、好ましくは、約50℃以下、より好ましくは約0℃以下のガラス転移温度を有する高分子コアを有する。所望の感光性コア組成物は、少なくとも部分的に重合された時に約50℃以下、より望ましくは約0℃以下のガラス転移温度を有する高分子コアをもたらす。所望の平面光導波路は、約40℃以下のガラス転移温度を有する高分子クラッドおよびオーバークラッドを有する。所望の感光性クラッド組成物およびオーバークラッド組成物は、少なくとも部分的に重合された時に約40℃以下のガラス転移温度を有する高分子材料をもたらす。特に望ましい高分子ガラス転移温度は、高分子材料が製造されるエネルギー硬化性配合物のキャラクタリゼーションおよび賢明な配合により当業者によって得ることが可能である。ガラス転移温度は、重合が行われる照射露光時間および温度を変えることによっても制御してよい。
【0082】
適切なポリマー光学エレメントはC帯域とL帯域の両方において光学的損失が低い。例えば、所望の光学エレメントは、1550nmで0.75dB/cm未満、1617nmで0.75dB/cm未満の光学的損失を有する高分子コアを有する。非常に望ましい光学エレメントは、1550nmで0.5dB/cm未満、1617nmで0.5dB/cm未満の光学的損失を有する高分子コアを有する。吸収損失がCHに関連付けられるので、当業者は、低CHを有する化合物から製造された組成物を用いて本発明の低光学的損失高分子材料を製造できることを認めるであろう。例えば、Fluorolink Tに基づく18.1MのCHを有する化合物から製造されたポリマーは、0.2dB/cm未満の光学的損失を有する場合がある。
【0083】
ポリマー光導波路は、上で詳述したプロセス以外のプロセスによって製造してもよい。例えば、感光性コア組成物は、より低い屈折率の基板の表面上に直接被覆し、フォトマスクを通して露光し、そして上述したようにオーバークラッドしてもよい。あるいは、導波路パターンを形成するためにUVエンボシングまたは反応性イオンエッチングなどのプロセスを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の組成物およびポリマーは、機器の上に沈着した金属電極の粘着力を高めるための繋ぎ層として用途を見つけることも可能である。例えば、本発明により配合された繋ぎ層組成物は、特に上述した方式で製作されている場合の下にあるポリアクリレート層によく接着する。繋ぎ層は、下にある導波路の導波特性を乱さないために低い屈折率を有するように配合されるべきである。チオール−エン誘導繋ぎ層は、酸素の存在下で完全に硬化することができ、従って、高い表面硬化度を有する場合がある。沈着した金属層は繋ぎ層によく接着する。
【0085】
本発明の組成物およびポリマーが空気の存在下で完全に硬化し、硬化する時に収縮が小さいので、本発明の組成物およびポリマーは接着剤としても有用である。低光学的損失は、導波路ポリマーにおけるよりも接着剤においてあまり重要でなく、従って、CHを最小化する重要性は減少する。ピグテールする際に用いるために、光ファイバーの屈折率(約1.46)とポリマー光導波路の屈折率(約1.33〜約1.40)の間の屈折率は望ましい。これらの屈折率は本発明の材料を用いて達成可能である。低屈折率接着剤は、他の光学エレメントを接合するために望ましい場合があり、こうした用途は本発明の範囲内で考慮されている。図4は、本発明のポリマーによって接合された二個のエレメントを示している。複数のエレメントを取り付ける本発明方法において、本発明によるエネルギー硬化性組成物が提供される。エレメント12は所望の構成で配列されており、エネルギー硬化性組成物14は、エレメントの間およびエレメントの周りの領域に被着され、組成物は、組成物を少なくとも部分的に重合させるのに十分な量のエネルギーに曝される。
【0086】
本明細書において開示された材料を加工するために、当業者に知られている他の方法を用いてもよい。例えば、層状薄膜構造は、反復スピン/硬化工程によって製作してもよい。モノリシックエレメントは、型にキャスティングし、その後硬化させることにより製造してもよい。表面細部を有する薄膜を製作するためにUVエンボシングを用いてもよい。
【0087】
以下の非限定的な実施例は本発明を例示するために提示する。エネルギー硬化性組成物の成分のエレメント中の割合および選択物の変形および材料加工法の変形は当業者に対して明らかであろうし、本発明の範囲内でもあることは認められるであろう。
【実施例】
【0088】
エネルギー硬化性組成物を配合するために、チオール化合物およびエチレン性不飽和化合物を開始剤および他の一切の添加剤と混合し、よく攪拌した。ポリマーを製造するために、適切なスペーサーを用いてスピン被覆、スロット被覆または直接液体キャスティングによってエネルギー硬化性組成物を被覆し薄い液体膜にした。回転速度またはスペーサー厚さによって膜の厚さを制御した。50μm未満の膜の厚さはSloan Dektak IIAプロフィルメータで測定し、50μmより厚い膜の厚さは顕微鏡で測定した。
【0089】
本発明において用いるための幾つかのハロゲン化エチレン性不飽和化合物は市販されている。例えば、上述したように、特定のパーフルオロポリエーテルアクリレートは、ミネソタ州セントポールの3M スペシャリティ ケミカルズ ディビジョン(3M Specialty Chemicals Division)から入手可能である。あるいは、本発明において有用な弗素化エチレン性不飽和化合物は、当業者に対して一般に知られている方法を用いて市販弗素化ポリオールから製造することが可能である。四官能性ポリオール
【0090】
【化8】
【0091】
は、ニュージャージー州トロファーのオーシモント・ユーエスエー社(Ausimont USA,Inc.)からFluorolink Tとして入手可能である。2,2,3,3,4,4,5,5,−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジオールなどの弗素化アルカンジオールは、ニューハンプシャー州ウィンダムのランカスター・シンセシス(Lancaster Synthesis,Inc.)から入手できる。本発明において用いるためのチオール化合物は商業的に購入してもよい。望ましい弗素化チオール化合物は、当業者に精通されている方法によって合成してもよい。例えば、弗素化ポリオールは、3−メルカプトプロピオン酸で完全にエステル化してよい。あるいは、弗素化ポリオールは、対応するポリ臭化物に転化され、その後、チオ尿素と完全に反応され、鹸化されて、対応する多官能性チオール化合物を生成させてもよい。当業者が認めるように、適切な非ハロゲン化チオール化合物およびエチレン性不飽和化合物は市販されているか、または既知の方法によって合成してもよい。
【0092】
エチレン性不飽和化合物またはチオール化合物がポリオールから合成される場合、O−H結合およびN−H結合が電気通信用途において一般に用いられる1550nm波長範囲内で強く吸収するので、一切の残留アルコールおよびアミンあるいは他の−OHまたは−NH保持不純物を可能なかぎり多く除くように注意を払うべきである。適切な製品精製技術は実施例Aに関連して記載する。
【0093】
(実施例A)
ガラス製三つ口フラスコにコンデンサおよび攪拌器を装着した。Fluorolink Tブランド弗素化ポリオール(900g)およびp−メトキシフェノール(0.5g)をフラスコに添加した。この実施例で用いた弗素化ポリオールは、構造
【0094】
【化9】
【0095】
を有するとして表現することが可能である。式中、m:nの比は約0.5:1から約1.4:1まで異なり、mは平均で約6.45〜約18.34まで異なり、nは平均で約5.94〜約13.93まで異なる。望ましい材料は、約1のm:nの比、約10.3の平均mおよび平均nを有する。
【0096】
塩化アクリロイル(170g)を添加し、混合物を激しく攪拌した。生じた発熱は温度を70℃に至るまで上げた。その後、反応混合物の温度を90℃に上げ、混合物を3時間にわたり攪拌した。その後、系を真空下に置いて、反応によって発生した塩化水素および過剰の塩化アクリロイルを除去した。混合物を室温に冷却した。材料の赤外線スペクトルによると、ポリオール上のヒドロキシル基による3500cm-1での広い吸収の消失が確認された。トリエチルアミン(124g)を30分にわたって反応フラスコにゆっくり添加した。材料を濾過して、生成したトリエチルアミン塩酸塩を除去し、その後水で2回洗浄した。得られたテトラアクリレートはUV−Tと呼び、構造
【0097】
【化10】
【0098】
を有するとして表現することが可能である。
式中、m:nの比は約0.5:1から約1.4:1まで異なり、mは平均で約6.45〜約18.34まで異なり、nは平均で約5.94〜約13.93まで異なる。望ましい材料は、約1のm:nの比、約10.3の平均mおよび平均nを有する。これらのパーフルオロポリエーテルテトラアクリレートは低い屈折率を有し、物理的特性を変えるために硬化したポリマーの架橋密度を調節する際に有用である可能性がある。この材料の高分子量変種の損失は非常に少ない可能性がある。パーフルオロポリエーテルテトラアクリレートの一例は、2400g/モルの分子量、1.3362の液体屈折率、1.335の硬化したホモポリマーの屈折率、1.663g/mLの液体密度および約18MのCHを有する。
【0099】
(実施例B)
ガラス製三つ口フラスコにコンデンサを装着した。ジオールである2,2,3,3,4,4,5,5,−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジオール(300g)およびp−メトキシフェノール(0.5g)をフラスコに添加した。ジオールを溶融させるためにフラスコを70℃に加熱した。塩化アクリロイル(228g)を添加し、混合物を激しく攪拌した。生じた発熱は混合物の温度を90℃に上げた。温度を90℃で保持し、混合物を3時間にわたって攪拌した。その後、系を真空下に置いて、反応によって発生した塩化水素および過剰の塩化アクリロイルを除去した。混合物を室温に冷却した。材料の赤外線スペクトルによると、ポリオール上のヒドロキシル基による3500cm-1での広い吸収の消失が確認された。トリエチルアミン(124g)を30分にわたって反応フラスコにゆっくり添加した。材料を濾過して、生成したトリエチルアミン塩酸塩を除去し、その後水で2回洗浄した。その後、残りの水を真空下で除去した。得られたアクリレートである2,2,3,3,4,4,5,5,−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートをUV−8と呼んだ。このアクリレートは、370g/モルの分子量、1.42の液体屈折率、1.418の硬化したホモポリマーの屈折率、1.433g/mlの液体密度および約32.1MのCHを有する。
【0100】
(実施例C)
250mLの三つ口フラスコに滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した。Fluorolink T(104g)を添加し、その後、アリルクロロホルメート(26g)を添加した。混合物を攪拌し、氷浴を用いて5℃に冷却した。温度を20℃未満に保ちつつ、トリエチルアミン(25.5g)を滴下した。添加が完了した後に、反応混合物を放置してさらに1時間にわたり攪拌した。混合物をメタノールで3回洗浄した。残留溶媒を回転蒸発によって除去した。得られたテトラアリルパーフルオロポリエーテルはA−Tと呼び、構造
【0101】
【化11】
【0102】
を有するとして表現することが可能である。式中、m:nの比は約0.5:1から約1.4:1まで異なり、mは平均で約6.45〜約18.34まで異なり、nは平均で約5.94〜約13.93まで異なる。望ましい材料は、約1のm:nの比、約10.3の平均mおよび平均nを有する。この材料は1500nmで0.060cm-1の吸収および約18MのCHを有する。
【0103】
(実施例D)
三つ口フラスコにDean−Starkコンデンサおよびマグネチックスターラーを装着した。Fluorolink T(82g)および3−メルカプトプロピオン酸をフラスコに添加した。1滴のポリ燐酸および100mLのトルエンを混合物に添加した。フラスコを還流状態で加熱し、エステル化反応で生じた水をDean−Starkコンデンサ内に集めた。2日後に、混合物を室温に冷却し、トリエチルアミン(1mL)を添加して一切の未反応酸を中和した。混合物を90gのメタノールと10gの水の混合物で3回洗浄した。残留溶媒を回転蒸発によって除去した。この材料の比較的高い吸収(1550nmで0.085cm-1)は不完全なエステル化によっていた。赤外線分光分析法によると、残留ヒドロキシル基の存在が確認された。この材料はT−SHと呼び、構造
【0104】
【化12】
【0105】
を有するとして表現することが可能である。式中、m:nの比は約0.5:1から約1.4:1まで異なり、mは平均で約6.45〜約18.34まで異なり、nは平均で約5.94〜約13.93まで異なる。望ましい材料は、約1のm:nの比、約10.3の平均mおよび平均nを有する。2400g/モルの分子量を有するFluorolink Tから製造された材料は約17MのCHを有する。
【0106】
(実施例E)
250mLのフラスコ内で、米国のオーシモント(Ausimont)から入手できる2000g/モルの分子量を有するパーフルオロポリエーテルジオールである70gのFluorolink D10を8gのトリエチルアミンおよび100mLの1,1,1−トリクロロトリフルオロエタンと組み合わせる。2時間にわたり24gのノナフルオロ−1−ブタン弗化スルホニルを室温で添加した。12時間後に、150mLの水を導入し、重い有機相を真空で乾燥させてFluorolink D10のビス(ノナフルオロ−1−ブタンスルホネート)が生じた。
【0107】
Fluorolink D10のビス(ノナフルオロ−1−ブタンスルホネート)の17gのサンプルを20mLのイソプロパノールに分散させ、1.2gのチオ尿素を反応物に添加し、温度を不活性雰囲気下で80℃に上げる。反応を赤外分光分析法または19F NMRによって監視してもよい。約15時間後に、ビス(ノナフルオロ−1−ブタンスルホネート)の対応するビス(イソチオウロニウム塩)への転化は完了する。蒸留によって溶媒を除き、Fluorolink D10のビス(イソチオウロニウム塩)が生じた。
【0108】
Fluorolink D10のビス(イソチオウロニウム塩)の2.6gのサンプルを窒素下で10mLのエタノールに溶解させ、2.5mLの10%水性NaOHで処理する。反応物を放置して25℃で4時間にわたり反応させ、その後、10mLの5%水性HClを導入する。Fluorolink D10のジチオールは1,1,1−トリクロロトリフルオロエタンによる抽出によって単離し、構造HSCH2CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2CH2SHを有する。この化合物は約11MのCH値を有する。
【0109】
(実施例F)
UV−8(99重量%)とDarocur1173(1重量%)の混合物をガラス基板上に厚さ5mmの膜として沈着させ、空気の存在下でUVランプにより重合させて、ポリアクリレート膜を生じさせた。UV−8(51重量%)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(48重量%)およびDarocur1173(1重量%)の混合物をガラス基板上に厚さ5mmの膜として沈着させ、空気の存在下でUVランプにより重合させて、チオール−エン誘導膜を生じさせた。図5は、チオール化合物であるトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)の吸収スペクトルを示し、図6は、ガラスを除去した二枚の膜の吸収スペクトルを示している。チオール化合物はC−H帯域吸収のために比較的高い損失を有するが、C帯域またはL帯域で鮮明な転移をもたない。トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)が炭素−水素結合の高い濃度を有するので、チオール−エン誘導膜は、ポリアクリレート膜よりもC帯域(波長約1530nm〜約1560nm)において高い吸収を有する。しかし、ポリアクリレート膜は、未反応炭素−炭素二重結合上のC−H伸縮のオーバートーンによる約1617nmで吸収帯を示す。チオール−エン誘導膜は、約1617nmで鮮明なピークをもたず、よって炭素−炭素二重結合がチオール−エン重合反応において実質的に完全に反応されていることを示唆している。
【0110】
この実施例のオール−エン組成物は、1.31:1のチオール部分対エチレン系不飽和部分の比を有する。硬化したポリマーは
【0111】
【化13】
【0112】
の基本的反復単位を有する。100%硬化および1.5g/mLのポリマー密度を仮定して、この材料のチオエーテル濃度は3.5Mであると計算することが可能である。この材料は51.2Mの計算CHを有する。
【0113】
二種のエネルギー硬化性組成物の厚いスラブをUV照射によって硬化させた。ポリアクリレートスラブは割れ、実質的な収縮を示した。チオール−エン誘導スラブは割れず、ポリアクリレート膜より実質的に少ない収縮を示した。さらに、チオール−エン誘導材料は、ポリアクリレート材料より柔らかく可撓性であった。
【0114】
(実施例G)
1重量%のDarocur1173と合わせたUV−TとT−SHの等モル混合物を空気の存在下でUV線により硬化させてポリマーを生じさせた。1重量%のDarocur1173と合わせたUV−T単独では空気の存在下で硬化しなかった。チオール−エン誘導材料は、4個のチオエーテル結合を伴って、それぞれUV−TとT−SHの一分子から構築された基本的反復単位を有する。1.7g/mLのポリマー密度、UV−TおよびT−SHの2400g/モルの分子量ならびに80%の硬化度を仮定して、チオエーテル濃度は約1.1Mであると計算される。この材料のCHは約18Mであると計算される。
【0115】
(実施例H)
1重量%のDarocur1173と合わせたA−TとT−SHの等モル混合物を空気の存在下でUV線により硬化させてポリマーを生じさせた。1.7g/mLのポリマー密度、UV−TおよびT−SHの2400g/モルの分子量ならびに80%の硬化度を仮定して、チオエーテル濃度は約1.1Mであると計算される。この材料のCHは約18Mであると計算される。
【0116】
(実施例I)
1重量%のDarocur1173と合わせたT−SH、UV−TおよびA−Tの混合物(モル比1:0.5:0.5)を空気の存在下でUV線により硬化させてポリマーを生じさせた。1.7g/mLのポリマー密度、UV−TおよびT−SHの2400g/モルの分子量ならびに80%の硬化度を仮定して、チオエーテル濃度は約1.1Mであると計算される。この材料のCHは約18Mであると計算される。
【0117】
(実施例J)
T−SHと、1重量%のDarocur1173と合わせたFAVE4101との1:2モル比混合物を、Orielモデル8113UV硬化装置を用いて空気の存在下で、10mW/cm2の強度を有するUV線により30秒間で硬化させてポリマーを生じさせた。T−SHが四官能性であり、FAVEが二官能性であるので、この混合物のチオール:ビニル比は1:1であった。1重量%のDarocur1173と混合したFAVE4101のサンプルは、空気の存在下、または窒素シールした時のいずれにおいても同じ硬化装置内で900秒後でさえ液体のままであった。この材料は、約1.5Mのチオエーテル濃度および約42MのCHを有する。
【0118】
(実施例K)
適切なパーフルオロポリエーテルジイソシアネートであるポリ(テトラフルオロエチレンオキシド−co−ジフルオロメチレンオキシド)α,Ω−ジイソシアネートはウィスコンシン州ミルウォーキーのシグマ アルドリッチ(Sigma−Aldrich)から購入した。
【0119】
触媒ジブチル錫ジラウレートを用いて上述したパーフルオロポリエーテルビス(イソシアネート)を1:1エチルパーフルオロブチルエーテル/ジメチルホルムアミド中の2.2当量の1,3−ジメルカプト−2−プロパノールと合わせて還流状態で4時間にわたり加熱した。FTIRによってイソシアネート伸縮帯の消失およびカルボニル帯の成長を監視することにより反応を続けた。反応が完了すると、混合物を水でよく洗浄した。蒸発による濃縮によって、パーフルオロポリエーテルビス(ウレタンジチオール)が生じ、それは推定式
【0120】
【化14】
【0121】
を有する。
【0122】
(実施例L)
2−ヒドロキシ−1−[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノンを放置して、テトラヒドロフラン中で16時間にわたり還流状態で1.1当量のパーフルオロ無水酪酸と反応させた。反応混合物を水に注ぎ、得られた混合物をエチルパーフルオロブチルエーテルで抽出した。溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−へプタフルオロブチルオキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパンを生じさせた。
【0123】
(実施例M)
1.0gのUV−T、0.8gのT−SH、実施例Kの0.15gのパーフルオロポリエーテルビス(ウレタンジチオール)、0.05gの2−ヒドロキシ−1−[4−(2−へプタフルオロブチルオキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパン、0.03gの(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランおよび0.03gの(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシランを用いて接着剤組成物を配合した。組成物は1.55μmで1.34の屈折率を有する。光ファイバーを低屈折率フルオロポリマー導波路にピグテールするために接着剤組成物を用いた。接着剤は適切な粘度の接着剤であり、空気中でうまく硬化した。ピグテール界面は−52dBの反射減衰量を示した。
【0124】
本発明の精神および範囲から逸脱せずに種々の修正および変形を本発明に対してなすことが可能であることは当業者に対して明らかであろう。従って、本発明の修正および変形が添付した請求の範囲および請求の範囲の均等物の範囲内に入るかぎり、本発明が本発明の修正および変形を包含することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】二官能性のチオール化合物および二官能性のエチレン性不飽和化合物から製造されたポリマー系の概略図である。
【図2】三官能性のチオール化合物および二官能性のエチレン性不飽和化合物から製造されたポリマー系の概略図である。
【図3】光導波路の断面図である。
【図4】本発明の接着剤によって取り付けられる二個の光学エレメントの図である。
【0001】
本発明は、一般的に高分子材料、より詳しくは、電気通信のための機器の構造中で有用なハロゲン化高分子材料に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムにおいて、メッセージは、レーザーおよび発光ダイオードのような光源によって発生する光学的振動数で電磁搬送波によって伝達される。こうした光通信システムは、従来の通信システムに比べて幾つかの利点をもたらすため関心が高い。
【0003】
一点からもう一点に光学的振動数の波を発信するか、または導くための一つの好ましい機器は、光導波路である。光導波路の作用は、光透過媒体が屈折率のより低い外部媒体によって取り囲まれるか、または別な風に制限される時に、外部媒体との境界に実質的に平行な内部媒体の軸に沿って導入された光が、光透過媒体中に光を閉じ込める境界で高度に反射され、よって通信路間で導波効果をもたらすという事実に基づく。光透過エレメントのような光導波構造を組み込んだ様々な光学機器を製造することが可能である。平面光スラブ導波路、通信路光導波路、リブ導波路、オプティカルカプラー、オプティカルスプリッタ、オプティカルスイッチ、オプティカルフィルタ、配列導波路格子、導波路ブラッグ格子および可変減衰器などは、こうした機器の例である。特定の振動数の光について、光導波路は、内部光導波領域の寸法および内部媒体と周囲外部媒体との間の屈折率の差に応じて、単一光学モードまたは多モードを支持することが可能である。
【0004】
光導波路機器および他の光学相互連結機器は有機ポリマー材料から構築することが可能である。ガラス製の平面導波路から構築された単一モード光学機器が温度によって比較的影響を受けないのに対して、有機ポリマーから製造された機器は温度による特性の著しい相違を示す場合がある。これは、有機高分子材料が比較的高い熱光学係数(dn/dT)を有するという事実による。従って、有機ポリマーが温度の変化を受けるにつれて、その屈折率はかなり変化する。有機ポリマー製の光透過エレメントを組み込んだ活性熱同調可能機器または活性熱制御可能機器を製造するために、この特性を利用することが可能である。熱同調可能機器の一例は、熱光学効果によって活性化された1X2スイッチングエレメントである。従って、入力導波路からの光は、抵抗ヒータによって誘発された温度勾配の利用によって二個の出力導波路間で切り替えることが可能である。典型的には、加熱/冷却プロセスは1〜数ミリ秒の範囲にわたって起きる。
【0005】
しかし、殆どの高分子材料は、電気通信用途において一般に用いられる1550nm波長範囲において強く吸収する炭素−水素結合を含み、こうした材料から製造された機器に許容できないほど高い挿入損失を負わせる。C−H結合を、C−D結合またはC−ハロゲン結合で置き換えることによる材料中のC−H結合の濃度を下げることにより、赤外線波長での吸収損失を下げることが可能である。弗素化ポリイミドおよび重水素化ポリメタクリレートまたは弗素化メタクリレートから製造された平面導波路は1300nmで0.10dB/cmほどに小さい単一モード損失を達成した一方で、これらの材料から光学機器を製造するのは比較的難しい。例えば、これらの導波路を典型的に製造するプロセスは、反応性イオンエッチングプロセスの使用を含み、このプロセスは厄介であり、散乱のために高い導波路損失を引き起こしうる。さらに、重水素化は1550nm波長範囲内で損失を減少させる効果的な手段ではない。弗素化ポリイミドおよび重水素化ポリメタクリレートまたは弗素化メタクリレートは、1550nm付近の電気通信ウインドーにおいて典型的には概略0.6dB/cmのより高い損失を有する。O−H結合およびN−H結合も1310nmおよび1550nm付近の波長での損失の大きな一因である。O−H結合およびN−H結合の濃度が最少である組成物が求められている。
【0006】
感光性ポリマーは、標準写真印刷技術を用いてパターン化され得るため光学相互連結用途のために特に関心をもたれてきた。写真印刷法は化学線のパターンに材料を露光させることにより感光性ポリマーの層を選択的に重合することを含む。化学線に露光される材料は重合されるのに対して、露光されない材料は重合されないままである。パターン化された層は、適切な溶媒により、例えば、露光されなかった未重合材料の除去によって現像される。
【0007】
【特許文献1】
米国特許出願第09/745,076号明細書
【特許文献2】
米国特許出願第08/842,783号明細書
【特許文献3】
米国特許出願第09/747,068号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,391,587号明細書
【特許文献5】
米国特許出願第09/846,697号明細書
【非特許文献1】
W.R.SorensonおよびT.W.Campbell著、「ポリマー化学における調製方法」、第2版(ニューヨーク州のInterscience Publishers出版)、1968年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
多くの既知の感光性ポリマーの内、アクリレート材料は、光学的透明性、低い複屈折および広範囲のモノマーの容易な入手可能性のために導波路材料として広く研究されてきた。しかし、多くのアクリレート材料から製造された光学機器の性能は、高い光学的損失、低い耐老化性および黄変、ならびに重合された材料の熱不安定性のために劣っていた。さらに、アクリレート材料は、L帯域(約1565nm〜約1620nm)内で1dB/cmに至る比較的高い損失を有し、空気中で効果的に硬化せず、無酸素条件の使用を必要とする。
【0009】
高弗素化低屈折率ポリマー光導波路への光ファイバーの取り付けにおいて、高弗素化低屈折率接着剤をピグテールするとして知られたプロセスが必要である。最も適切には、後方反射を減らすために、接着剤の屈折率は、弗素化ポリマー導波路の屈折率(約1.33〜約1.40)と光ファイバーの屈折率(約1.46)との間にある。エポキシおよびビニルエーテルなどの空気の存在下でUV硬化することで知られている材料は、一般に、より高い屈折率(約1.47〜約1.52)を有する。さらに、これらの材料は、非極性材料への必要なカチオン光開始剤の不溶性のゆえに、それらの屈折率を低下させるために高弗素化モノマーと合わせて配合することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの態様は、少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および選択された量のフリーラジカル開始剤を含むエネルギー硬化性組成物であって、前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも部分的にハロゲン化されており、チオール部分対エチレン性不飽和化合物部分の比が約1:2〜約2:1の間であり、前記チオール化合物および前記エチレン性不飽和化合物がエネルギー硬化性組成物の約35〜約99.9%の間を占めることを特徴とする組成物に関する。
【0011】
本発明のもう一つの態様は、少なくとも約0.05Mの濃度のチオエーテル部分および少なくとも一個の過ハロゲン化部分を有する高分子材料に関する。
【0012】
本発明のもう一つの態様は、少なくとも約0.05Mの濃度のチオエーテル部分および少なくとも一個の少なくとも部分的にハロゲン化された部分を含む高分子コアを有する光学エレメントに関する。
【0013】
本発明のもう一つの態様は、(a)少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および選択された量のフリーラジカル開始剤を含むクラッド組成物であって、前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも部分的にハロゲン化されており、チオール部分対単離されたエチレン性不飽和化合物部分の比が約1:2〜約2:1の間であり、前記エチレン性不飽和化合物が前記クラッディング組成物の約35〜約99.9重量%の間を占めることを特徴とするクラッド組成物の層を基板に被着させる工程と、(b)前記クラッディング組成物を少なくとも部分的に硬化させて、高分子クラッディング層を形成する工程と、(c)少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および有効量のフリーラジカル開始剤を含むコア組成物であって、前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも部分的にハロゲン化されており、チオール部分対単離されたエチレン性不飽和化合物部分の比が約1:2〜約2:1の間であり、前記エチレン性不飽和化合物が前記コア組成物の約35〜約99.9重量%の間を占めることを特徴とする感光性コア組成物を、前記高分子クラッディング層の表面に被着させて、コア組成物層を形成する工程と、(d)画像形成部分の少なくとも部分的な重合を行うとともに前記感光性コア組成物層の少なくとも一つの非画像形成部分を形成させるのに十分な化学線に前記感光性コア組成物を画像状に露光させる工程と、(e)前記画像形成部分を除去せずに前記少なくとも一つの非画像形成部分を除去し、それによって前記画像形成部分から高分子パターン化コアを形成させる工程と、(f)感光性オーバークラッド組成物を前記高分子パターン化コア上に被着させる工程と、(g)前記オーバークラッド組成物を少なくとも部分的に硬化させて、高分子オーバークラッド層を形成する工程とを含む光学エレメントを製造する方法であって、前記高分子オーバークラッド層および高分子クラッディング層が高分子パターン化コアより低い屈折率を有することを特徴とする方法に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の組成物、方法および機器は、先行技術の組成物、方法および機器と比べて多くの利点をもたらす。例えば、本発明の組成物は、類似のアクリレート材料より硬化中に酸素に遙かに影響されず、空気の存在下で実質的に完全に硬化するように配合することが可能であり、よって導波路製造プロセスの写真印刷露光工程の場合などの加工中に酸素を除く必要性を無くす。本発明の重合された組成物は、C帯域とL帯域の両方全体を通して光学的損失が低く、いずれの帯域でも用いるために適切な光導波路機器の構築を見込んでいる。本発明の組成物が空気中で硬化するので、これらの組成物は、例えば、光ファイバーを導波路機器にピグテールする際に接着剤として用いてもよい。本発明の組成物は低屈折率を有するように配合してもよいので、本発明の組成物は、光ファイバーを高弗素化ポリマー光導波路機器にピグテールする際に特に有用となる。
【0015】
本発明の別の特徴および利点は以下の詳細な説明において記載し、ある程度はその記載から当業者に容易に明らかになるか、または本明細書の書き込まれた説明および請求の範囲ならびに添付図に記載されたように本発明を実施することにより認められるであろう。
【0016】
前述した一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は本発明の単なる例であり、本発明が請求されたように本発明の性質と特徴を理解する概要または枠組みを提供することが意図されていることが理解されるべきである。
【0017】
添付図は、本明細書の一層の理解を提供するために含まれており、本明細書中に包含され本明細書の一部を構成する。該図面は、本発明の一つ以上の実施形態を例示しており、説明と合わせて本発明の原理および作用を説明するために提示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、C帯域とL帯域の両方において光学的損失が低い高分子材料を作るために空気の存在下で硬化され得るエネルギー硬化性組成物を提供する。本明細書で用いられるエネルギー硬化性組成物は、熱と化学線の少なくとも一方によって硬化されうる組成物である。エネルギー硬化性組成物は、少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および選択された量のラジカル光開始剤を含む。ラジカル源によって開始された時に、チオール部分およびエチレン系不飽和部分は付加反応を受けてチオエーテル部分を形成させることが可能である。この硬化系のための一切の特定の説明に縛られる積もりはないが、反応に関するメカニズムは、一般に次の通りであると解される。
【0019】
【化1】
【0020】
この反応は、チオール−エン反応として一般に知られている。反応の開始工程において、開始剤誘導ラジカルは、チオールから水素原子を引き抜いてチイルラジカルを作る。成長反応工程において、チイルラジカルはエチレン系不飽和部分の炭素−炭素二重結合と反応し、チオエーテル(R−S−CH2−)および炭素中心ラジカル中間体を作る。この炭素中心ラジカル中間体は、チオールのもう一個の分子から水素原子を引き抜き、成長反応工程は繰り返す。当業者によって認められるように、反応は多くの方法のいずれか一方法で停止させてもよい。上に示した反応機構において、停止反応はチイルラジカルと炭素中心ラジカルの組み合せを通して起きて、ビスチオエーテル構造を生じさせる。しかし、停止反応は、他の任意の技術上認められた方式で起きてもよい。
【0021】
ポリマーを作るこの反応のために、チオール化合物とエチレン性不飽和化合物の両方は少なくとも二官能性でなければならない。少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物は、互いに共役されてなく芳香族環系の一部ではない少なくとも二つのエチレン系不飽和を有する。エチレン系不飽和は、一般には炭素−炭素二重結合であり、例えば、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、アリルエーテル、アルケン、チオアクリレートエステル、チオメタクリレートエステル、ビニルチオエーテル、アリルチオエーテル、ノルボルネンおよびマレイミドなどの部分を含む。同様に、少なくとも二官能性のチオール化合物は少なくとも二個のチオール部分を有する。図1に示したように、二官能性チオールと二官能性エチレン性不飽和化合物の反応は線状ポリマーを生じさせる。架橋済みポリマーを形成させるこの反応のために、化合物の少なくとも一方は少なくとも三官能性であることが必要である。図2は、二官能性エチレン性不飽和化合物と三官能性チオールから製造された架橋済みポリマーを示している。
【0022】
本発明において用いるためのチオールは、少なくとも二個の反応性チオール(−SH)部分を有して少なくとも二官能性でなければならない。チオールは脂肪族または芳香族であってもよく、例えば、エステル、アミド、エーテル、チオエーテル、チオエステルおよびウレタンなどの他の官能基を含んでもよい。少なくとも二官能性のチオールの例には、例えば、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、ベンゼンジメタンチオール、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)およびエチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
【0023】
上述したチオールに加えて、本発明において用いるために特に適切なチオールは少なくとも部分的にハロゲン化されている。チオールは、炭素−弗素結合、炭素−塩素結合および/または炭素−臭素結合を含んでもよい。ハロゲン化の程度および種類は、屈折率および高分子材料に対してチオールが一因となる光学的損失を制御するために用いてもよい。
【0024】
本発明において用いるために望ましいチオールは、過ハロゲン化部分または実質的に過ハロゲン化の部分を含む。過ハロゲン化部分は、CH結合がC−X結合(X=F、ClまたはBr)によって置き換えられたハロゲン化炭素部分であり、酸素、窒素および硫黄などの他の元素を含んでもよい。過ハロゲン化部分は、例えば、パーハロアリール、パーハロアリーレン、分岐パーハロアルカンおよび分岐パーハロアルキレン、ならびに直鎖パーハロアルカンおよび直鎖パーハロアルキレンなどの多くの構造類から選択してもよい。
【0025】
本発明において用いるために特に望ましいチオールは過弗素化部分を含む。過弗素化部分は、C−H結合がC−F結合によって置き換えられたハロゲン化炭素部分であり、酸素、窒素および硫黄などの他の元素を含んでもよい。過弗素化部分は、パーフルオロアリール、パーフルオロアリーレン、分岐パーフルオロアルカンおよび分岐パーフルオロアルキレンならびに直鎖パーフルオロアルカンおよび直鎖パーフルオロアルキレンなどの多くの構造類から選択してもよい。
【0026】
本明細書で用いられる実質的に過ハロゲン化された部分は、C−H結合の76%以上がC−X結合によって置き換えられている部分として定義される。同様に、実質的に過弗素化された部分は、C−H結合の76%以上がC−F結合によって置き換えられている部分として定義される。
【0027】
本発明において用いるために特に適切な過弗素化部分には、例えば、
−(CF2)x−、
−(C6F4)x−、
−(CF3)2C−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
が挙げられる。式中、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。例えば、テトラフルオロフタロイルなどの他の過弗素化部分の使用も本発明の範囲内で考慮されている。
【0028】
本発明において用いるために望ましいチオール化合物は、構造(HS)n−R−Rf−R’−(SH)n'を有する。
式中、Rfは、
−(CF2)x−、
−(C6F4)x−、
−(CF3)2C−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
からなる群から選択される過弗素化部分である。式中、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。
【0029】
RおよびR’は、アルキル、アリール、エステル、エーテル、アミド、アミン、ウレタン、チオエステルおよびチオエーテル基からなる群から独立的に選択される二価または三価の連結部分であり、Rが二価であるならnは1であり、Rが三価であるならnは2であり、R’が二価であるならn’は1であり、R’が三価であるならn’は2である。特に適切な連結部分には、−CH2−および
【0030】
【化2】
【0031】
この開示を考慮して、当業者は、本明細書に特に記載された連結部分に加えて種々の連結部分を使用できることを認めるであろう。
【0032】
本発明において用いるために過弗素化部分を含む適切なチオール化合物には、
【0033】
【化3】
【0034】
が挙げられる。これらの化合物は、以下の実施例に記載されているように、対応するジオールまたはテトラオールを対応するビスまたはテトラキス(ノナフルオロ−1−ブタンスルホネート)に転化し、その後、チオ尿素と反応させ、鹸化することにより合成してもよい。
【0035】
本発明において用いるための望ましいチオール化合物の他の例には、
【0036】
【化4】
【0037】
が挙げられる。これらの化合物は、当業者によって認められるように且つ以下の実施例に記載されているように、例えば、対応するジオールまたはテトラオールをメルカプトプロピオン酸でエステル化することにより合成してもよい。
【0038】
本明細書に詳しく記載されたもの以外の少なくとも二官能性のチオールの使用は、本発明の範囲内で考慮されている。少なくとも二官能性のハロゲン化チオールまたは非ハロゲン化チオールは、例えば、少なくとも二官能性のアルコールを3−メルカプトプロピオン酸でエステル化するか、または少なくとも二官能性の臭化物、p−トルエンスルホネートまたはノナフルオロ−1−ブタンスルホネートをチオ尿素と反応させ、その後鹸化することを含む、当業者に一般に知られている任意の方法によっても製造してよい。
【0039】
本発明において用いるためのエチレン性不飽和化合物は少なくとも二個のエチレン系不飽和部分を含む。エチレン系不飽和部分はチオール−エン反応において反応性であるように選択され、例えば、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、アリルエーテル、アルケン、チオアクリレートエステル、チオメタクリレートエステル、ビニルチオエーテル、アリルチオエーテルおよびマレイミドであってもよい。エチレン系不飽和部分はラジカル単独重合(例えばメタクリレート)を受けることが可能であってもよく、あるいはラジカルメカニズム(例えばビニルエーテル)によって単独重合されなくてもよい。
【0040】
エチレン系不飽和部分自体がハロゲン化されてもよい。例えば、2−(トリフルオロメチル)アクリレート、トリフルオロアクリレート、トリフルオロビニルおよびトリフルオロアルカンなどの化学種の使用は、C−H結合の低い濃度および対応する低い光学的損失のゆえに望ましい場合がある。本明細書で用いるために、エチレン系不飽和部分はアルキンであってもよい。
【0041】
本発明において用いるために望ましいエチレン性不飽和化合物は少なくとも部分的にハロゲン化されており、炭素−弗素結合、炭素−塩素結合および炭素−臭素結合を含んでもよい。ハロゲン化の程度および種類は、屈折率および高分子材料に対してエチレン性不飽和化合物が一因となる光学的損失を制御するために用いてもよい。
【0042】
本発明において用いるために特に望ましいエチレン性不飽和化合物は過弗素化部分を含む。過弗素化部分は、実質的に炭素−水素結合を有さない弗化炭素部分であり、酸素、窒素、硫黄、塩素および臭素などの他の元素を含んでもよい。過弗素化部分は、パーフルオロアリール、パーフルオロアリーレン、分岐パーフルオロアルカンおよびパーフルオロアルキレン、ならびに直鎖パーフルオロアルカンおよび直鎖パーフルオロアルキレンなどの多くの構造類から選択してもよい。本発明において用いるために特に望ましいエチレン性不飽和化合物は構造(A)n−R−Rf−R’−(A)n'を有する。式中、Rfは、
−(CF2)x−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
からなる群から選択される過弗素化部分である。式中、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。
【0043】
RおよびR’は、アルキル、アリール、エステル、エーテル、アミド、アミンおよびウレタン、チオエステルおよびチオエーテル基からなる群から独立的に選択される二価または三価の連結部分であり、Aは、
CX2=C(X)COE−、
CX2=C(CX3)COE−、
CX2=CX−、
CX2=CX−E−および
CX2=CX−CH2−E−
からなる群から選択されたエチレン系不飽和基である。式中、E=OまたはS、各Xは独立的にH、D、FまたはClである。Rが二価であるならnは1であり、Rが三価であるならnは2であり、R’が二価であるならn’は1であり、R’が三価であるならn’は2である。特に適切な連結部分には、例えば、
【0044】
【化5】
【0045】
が挙げられる。これらの適切な材料および他の適切な材料は、共有された同時係属米国特許出願(特許文献1)に記載されている。この特許を本明細書に引用して援用する。この開示を考慮すると、当業者は、本明細書に特に記載されたものに加えて種々の連結部分を用いることができることを認めるであろう。
【0046】
−(CF2)n−などの過弗素化部分および−CH2−などの連結部分を含むエチレン性不飽和化合物は、構造HO−CH2−(CF2)n−CH2−OHの弗素化ジオールの、例えば、アクリル化、メタクリル化、ビニル化またはアリル化によって製造してもよく、式中、nは1〜約10である。こうした材料の例は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートである。これらの材料は、高架橋密度の比較的硬い膜を作る傾向がある。こうした材料は優れた接着剤特性を有するが、本明細書において用いるために記載された他のエチレン性不飽和化合物の幾つかより高い吸収損失を有する。
【0047】
過弗素化部分Rfが−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−である時、m:nの比は一般に約0.5:1から約1.4:1まで異なる。これらの材料のサンプルは、反復サブユニットの異なる数を有する分子の分布を含む。こうしたサンプルにおいて、mの平均値は一般に約6.34〜約18.34の範囲内に入り、nの平均値は一般に約5.94〜約13.93の範囲内に入る。特に適切な材料は、約1のm:nの比、約10.3のmおよびnの平均値および約2000〜約2800の間の分子量を有する。これらの材料は、「フルオロリンクD10」(Fluorolink(登録商標)D10)という商品名で、米国のオーシモント(Ausimont)によって販売されている構造HO−CH2CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2CH2−OHによるパーフルオロポリエーテルジオールのアクリル化、メタクリル化、ビニル化またはアリル化によって製造してもよく、あるいは別案として「フルオロリンクT」(Fluorolink(登録商標)T)という商品名で、米国のオーシモント(Ausimont)によって販売されている構造HO−CH2CH(OH)CH2OCH2CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2CH2OCH2CH(OH)CH2−OHによるパーフルオロポリエーテルテトラオールから製造してもよい。技術上認められた典型的なアクリル化法、メタクリル化法、ビニル化法およびアリル化法を用いてもよい。パーフルオロポリエーテルのアクリル化およびアリル化の例を本明細書で以下に記載する。
【0048】
上述したように、少なくとも部分的にハロゲン化されたエチレン性不飽和化合物は塩素または臭素を含んでもよい。従って、適切なエチレン性不飽和化合物の例は(A)n−R−Rh−R’−(A)n'である。
式中、Rhは、
−(CF2CFX1)a−CF2−、
−(CF2CFX1)a−(CFX2CF2)b−、
−(CF2CFX1)a−(CFX2CF2)b−CF2および
−(CF2CFX1)a−(CFY1Y2)b−(CF2CFX1)c−CF2
からなる群から選択されたハロゲン化部分である。式中、X1=ClまたはBr、X2=F、ClまたはBr、Y1およびY2は独立してH、CH3、F、ClまたはBrであり、a、bおよびcは独立して1〜約10の整数であり、RおよびR’は、アルキル、アリール、エステル、エーテル、アミド、アミンおよびウレタン、チオエステルおよびチオエーテル基からなる群から独立的に選択される二価または三価の連結部分であり、Aは、
CX2=C(X)COE−、
CX2=C(X3)COE−、
CX2=CX−および
CX2=CX−E−および
CX2=CX−CH2−E−
からなる群から選択されたエチレン系不飽和基であり、式中、E=OまたはS、各Xは独立的にH、D、FまたはClである。Rが二価であるならnは1であり、Rが三価であるならnは2であり、R’が二価であるならn’は1であり、R’が三価であるならn’は2である。特に適切な連結部分には、例えば、
【0049】
【化6】
【0050】
が挙げられる。これらの適切な材料および他の適切な材料は、共有された同時係属米国米国特許出願(特許文献2)に記載されており、この特許を本明細書に引用して援用する。この開示を考慮すると、当業者は、本明細書に特に記載されたものに加えて種々の連結部分を用いることができることを認めるであろう。構造中に塩素原子または臭素原子を組み込む際の一つの目的は、C−H結合吸収ゆえの光学的損失を増やさずに、完全弗素化系の塩素原子または臭素原子より上に屈折率および表面エネルギーを高めることである。
【0051】
少なくとも部分的にハロゲン化されたチオメチルアクリレート、チオアクリレートおよびビニルチオエーテルならびにアリルチオエーテルは、当業者によって知られ理解された方法によって上述したチオールを含む対応するチオールから製造してもよい。例えば、チオアクリレートは、塩基の存在下で対応するチオールを塩化アクリロイルで処理することにより合成してもよい。アリルチオエーテルは、対応するチオールを臭化アリルで処理することにより製造してもよい。
【0052】
本発明において用いるために適切な少なくとも部分的にハロゲン化された他のエチレン性不飽和化合物には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロプロパンジアクリレート、「L−12043」という商品名で、3M スペシャリティ ケミカルズ ディビジョン(3M Specialty Chemicals Division)によって販売されているCH2=CHCO2−CH2CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)CH2O2CCH=CH2、「L−9367」という商品名で、3M スペシャリティ ケミカルズ ディビジョン(3M Specialty Chemicals Division)によって販売されているCH2=CHCO2−CH2CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2On)]−CF2CH2−O2CCH=CH2および「FAVE4101」という商品名で、ハネウェル(Honeywell)によって販売されているF(CF2)7−CH2CH2−C(CO2CH2CH2CH2CH2O−CH=CH2)2ならびに共有された米国特許出願(特許文献3)に記載されたクロロ弗素化ポリエステルアクリレート
【0053】
【化7】
【0054】
が挙げられ、この特許を本明細書に引用して援用する。
【0055】
さらに、少なくとも二官能性の非ハロゲン化エチレン性不飽和化合物を本発明において用いてもよい。当業者は、例えば、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジアリルフタレートおよびポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテルを含むこうした化合物の膨大な選択が技術上存在することを認めるであろう。
【0056】
エネルギー硬化性組成物は、選択された量のフリーラジカル開始剤を含んでもよい。フリーラジカル開始剤は、化学線に露光されるとラジカル種を発生させる光開始剤であることが可能である。チオール−エン反応を開始させることが知られている任意の光開始剤も用いることが可能である。光開始剤は、一般的な室温で熱的に不活性であることが望ましく、約60℃より低い温度で不活性であることが好ましい。適切なラジカル型光開始剤には、非限定的に、キノキサリン化合物、ビシナル−ポリケタールドニル化合物、アルファ−カルボニル、アシロインエーテル、トリアリールイミダゾリルダイマー、アルファ−炭化水素置換芳香族アシロイン、多核キノンおよびs−トリアジンが挙げられる。
【0057】
適切な光開始剤には、ベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケトンおよび他の芳香族ケトン、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルおよびベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインおよび他のベンゾインが挙げられる。典型的な光開始剤は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure(登録商標)184)、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾジメチルケタール(Irgacure651)、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(Darocur(登録商標)1173)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン(Darocur2959)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(Irgacure907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(Irgacure369)、ポリ{1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン}(Esacure(登録商標)KIP)および[4−(4−メチルフェニルチオ)−フェニル]フェニルメタノン(英国ロンドンのグレート レークス ファイン ケミカルズ社(Great Lakes Fine Chemicals Limited)製のQuantacure(登録商標)BMS)である。最も望ましい光開始剤は、照射した時に黄変しない傾向がある光開始剤である。こうした光開始剤には、ベンゾジメチルケタール(Irgacure(登録商標)651)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(独国ダルムシュタットのE.メルク(E.Merck)から入手可能なDarocur1173)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure184)、および1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(Darocur2959)が挙げられる。3M製のL−12043およびL−9367を含むものなどの、より高度に弗素化されたエネルギー硬化性組成物のために、米国特許公報(特許文献4)に記載された2−(1H、1H、2H、2H−ヘプタデカフルオロ−1−デコキシ)−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどの弗素化光開始剤が必要な場合がある。この特許を本明細書に引用して援用する。
【0058】
本発明において用いるための開始剤は、熱に曝されるとラジカル種を発生させる選択された量の熱開始剤も含んでよい。既知の適切な熱開始剤には、置換または非置換の有機過酸化物、アゾ化合物、ピナコール、チウラムおよびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。作用可能な有機過酸化物の例には、過酸化ベンゾイル、過酸化p−クロロベンゾイル、過酸化メチルエチルケトン、t−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロペルオキシド、ジ−s−ブチルペルオキシドおよび1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが挙げられるが、それらに限定されない。適切なアゾ化合物開始剤には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)および2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0059】
ラジカル発生用の光開始剤または熱開始剤は、適切な種類の十分なエネルギーに曝された時に組成物の重合を行うのに十分な選択された量でエネルギー硬化性組成物中に存在してもよい。例えば、光開始剤は、十分な化学線に露光された時に重合を行うのに十分な量で存在する。開始剤は、一般には全体的な組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より普通には約0.1%〜約6%、適切には組成物の全重量を基準にして約0.5重量%〜約4重量%の量で存在する。開始剤の混合物も用いてよい。電子ビーム線に供されることにより硬化するなどのある種の特殊な場合、エネルギー硬化性組成物は、ラジカルが電子ビーム線の作用によってその場で発生しうるのでフリーラジカル開始剤を必要としない場合がある。
【0060】
光開始剤および熱開始剤の別の例は、当業者に知られている刊行物、例えば、(非特許文献1)に見られる。
【0061】
組成物の目的および最終用途に応じて、他の添加剤もエネルギー硬化性組成物に添加してよい。これらの例には、溶媒、酸化防止剤、光安定剤、体積増量剤、シリカ、チタニアおよびガラス球などの充填剤(特にナノ規模体系の時、約100nm未満の粒子サイズ)、染料、ラジカル捕捉剤、コントラスト増強剤、ニトロンおよびUV吸収剤が挙げられる。酸化防止剤には、チバ・アディティブズ(Ciba Additives(Tarrytown,NY))製のイルガノックス1010(Irganox(登録商標)1010)を含むフェノールおよび特にヒンダードフェノールのような化合物、スルフィド、有機硼素化合物、有機燐化合物、「イルガノックス1098」(Irganox1098)という商品名で、チバ・アディティブズ(Ciba Additives)によって販売されているN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)が挙げられる。光安定剤およびより特にヒンダードアミン光安定剤には、「シアソーブ」(Cyasorb(登録商標)UV−3346)という商品名で、サイテック・インダストリーズ(Cytec Industries(Wilmington,DE))によって販売されているポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]が挙げられるが、それに限定されない。体積増量化合物には、Baileyのモノマーとして知られているスパイラルモノマーのような材料が挙げられる。染料の例には、メチレングリーンおよびメチレンブルーなどが挙げられる。適切なラジカル捕捉剤には、酸素、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノールおよび2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)などが挙げられる。適切なコントラスト増強剤には、ニトロンなどの他のラジカル捕捉剤が挙げられる。UV吸収剤には、ベンゾトリアゾールおよびヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの添加剤の各々は、組成物の全重量を基準にして約6%以下、普通は約0.1%〜約1%の量で含めてもよい。
【0062】
当業者が認めるように、二種以上のエチレン性不飽和化合物、チオール化合物および光開始剤を単一組成物中で用いてもよい。異なる化合物のブレンディングは、当業者によるエネルギー硬化性組成物と高分子材料の特性の調整を見込んでいる。エネルギー硬化性組成物は、ハロゲン化と非ハロゲン化のチオールとエチレン性不飽和化合物の混合物を用いて配合することが望ましい場合がある。例えば、適切なエネルギー硬化性組成物は、ハロゲン化エチレン性不飽和化合物と混合して非ハロゲン化チオールを含んでもよい。あるいは、適切なエネルギー硬化性組成物は、非ハロゲン化エチレン性不飽和化合物と混合してハロゲン化チオールを含んでもよい。本発明のエネルギー硬化性組成物において、チオール化合物またはエチレン性不飽和化合物の少なくとも一方は少なくとも部分的にハロゲン化されている。さらに、これらの配合物中に溶解された熱可塑性ポリマー材料の使用を含めることも可能である。別のモノマーおよびポリマーの使用は、本発明の硬化されたポリマーとの相溶性によって厳密に制限される。通常、全体的組成物のすべての成分は、互いに混合しており、最も望ましくは実質的に均一に混合している。
【0063】
エチレン性不飽和化合物および/またはチオール化合物の混合物は、エネルギー硬化性組成物およびエネルギー硬化性組成物から誘導された硬化したポリマーの屈折率を調整するために用いてもよい。例えば、組成物の屈折率は、低屈折率パーフルオロポリエーテルアクリレートとより高い屈折率の2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートの組成比を変えることにより制御してもよい。組成物の屈折率は、低屈折率パーフルオロポリエーテルチオールとより高い屈折率の1,6−ヘキサンジチオールの組成比を変えることによっても制御してよい。これは、種々の層が明確な屈折率をもたなければならない平面導波路用の組成物を配合する際に特に必要である。
【0064】
当業者によって認められるように、エチレン性不飽和化合物および/またはチオール化合物の混合物は、例えば、粘度、湿潤性、架橋密度、硬度、表面エネルギーおよびこうした他の特性などの、エネルギー硬化性組成物およびポリマー材料の他の特性を調整するために用いてもよい。チオール部分とエチレン系不飽和部分の組成比は硬化したポリマーの所望特性に応じて選択される。チオール−エン反応の化学量論比は上述したように1:1であるので、チオール部分とエチレン系不飽和部分の等数を用いてもよい。適切なエネルギー硬化性組成物は、約9:10〜約10:9の間のチオール部分:エチレン系不飽和部分の比を有し、特に適切なエネルギー硬化性組成物は、約19:20〜約20:19の間のチオール部分:エチレン系不飽和部分の比を有する。エチレン系不飽和部分が単独重合できない実施形態において、約1:1のチオール部分:エチレン系不飽和部分の比は組成物のすべての重合性基の非常に効果的な硬化を確実にする。
【0065】
しかし、多くの状況において、チオール部分:エチレン系不飽和部分の異なる比を用いることが望ましい場合がある。例えば、重合プロセスにおいてエチレン系不飽和部分をチオエーテルに完全に転化することが必要な場合、2:1以下のチオール部分:エチレン系不飽和部分のモル比に至るチオールの過剰は用いてもよい。S−H結合は通信波長で強く吸収しないので、未反応チオールは高分子材料の光学的損失に実質的に悪い影響を及ぼさないであろう。重合中にすべてのチオールをチオエーテルに転化することが必要な場合、1:2以上のチオール部分:エチレン系不飽和部分のモル比を用いてよい。エチレン系不飽和部分が単独重合できる実施形態において、チオール部分:エチレン系不飽和部分の1:1の比は、チオール部分とエチレン系不飽和部分の実質的にすべての完全な反応のために必要とは限らない。効果的な反応は、エチレン性不飽和化合物が単独重合できる時、1:2以上の比で起きうる。チオール部分:エチレン性不飽和化合物のこうした非化学量論比は、高分子材料中の未反応炭素−炭素二重結合の濃度を下げる際に、従って、L帯域内の高分子材料の光学的損失を低下させる際に効果的でありうる。特定のエチレン性不飽和化合物またはチオール化合物のその構造に基づく相対的な長所を評価する際に、特定の候補材料に関する水素への光吸収性結合のモル濃度を決定することが有用である。C−H結合、N−H結合およびO−H結合伸縮振動オーバートーンが通信波長における主要な吸収損失源であるので、これらの結合の濃度の減少は材料の吸収損失を減らす。表面水素結合の類似のオーバートーンは非常に弱く、1900nmより上で現れ、従って、著しい吸収損失源ではない。特定の化合物に関する水素のモル濃度(CH)は、分子当たりのC−H結合、N−H結合およびO−H結合の数(H)、化合物の分子量(Mw)および材料の密度(ρ)から以下の式に示したように計算することが可能である。
【0066】
【数1】
【0067】
当業者は、配合されたエネルギー硬化性組成物に関するCHを個々の各成分のCH値の重み付き平均として計算できることを認めるであろう。CHと特定の材料または製作された機器の吸収損失との間に厳密な関係がありそうにない一方で、この関係は、光学的損失値を低下させるに際にどの材料が有用でありうるかの初期的な指標を与える。高分子材料のためにこれらの計算を行う時、化合物の硬化した膜の密度を用いることが最も適切である。それが最大の関心である硬化した膜の損失であるからである。しかし、こうした膜の密度の測定は難しいので、近似が少量の誤差しか持ち込まないということを知った上で液体の密度を用いることが可能である。本明細書において用いるために適切なエネルギー硬化性組成物および高分子材料は約55M未満のCHを有する。望ましいエネルギー硬化性組成物および高分子材料は約35M未満のCHを有する。特に望ましいエネルギー硬化性組成物および高分子材料は約20M未満のCHを有する。導波路用途について、最も望ましい組成物および高分子材料は約15M未満のCHを有する。当業者によって認められるように、異なる鎖長のハロゲン化チオール化合物と非ハロゲン化チオール化合物およびハロゲン化エチレン性不飽和化合物と非ハロゲン化エチレン性不飽和化合物の賢明な配合によってCHを制御してもよい。幾つかの代表的な材料に関するCH値を以下の実施例で示している。
【0068】
本発明のエネルギー硬化性組成物は、適切な種類および量のエネルギーに供することにより少なくとも部分的に重合してもよい。例えば、熱開始剤を用いて配合された組成物は熱を加えることにより重合させてもよい。温度は熱開始剤に応じて決まり、普通は約60℃〜約200℃の範囲である。しかし、70℃〜100℃の間の温度は好ましい。熱重合時間は、用いられる温度および開始剤に応じて数秒から数時間まで異なりうる。
【0069】
光開始剤を用いて配合された組成物は、電磁スペクトルの可視領域、紫外線領域または赤外線領域の光として定義された化学線および電子ビーム、イオンまたはビームあるいはX線に供することにより重合してもよい。化学線は、例えば、レーザーからのインコヒーレント光またはコヒーレント光の形をとってもよい。化学線源および露光の手順、時間、波長および強度は、材料の所望の重合度、屈折率、および当業者に知られている他の要素に応じて広く異なってもよい。こうした従来の光重合プロセスおよび運転パラメータは技術上周知されている。化学線源および化学線源の波長は広く異なってよく、従来の任意の波長および化学線源も用いることが可能である。加工前に通常出会う放射線(例えば、室内光)への露光がエネルギー硬化性組成物を早期に重合させないように、光開始剤が比較的短波長(高エネルギー)で光化学励起を行うことを必要とすることが好ましい。従って、紫外線またはディープ紫外線への露光は有用である。便利な線源には、加工のための所望の波長を選択するために適切な光学フィルタを備えた高圧キセノンアークランプまたは水銀−キセノンアークランプが挙げられる。短波長コヒーレント放射線も本発明の実施のために有用である。350nm付近の数波長でUVモードで運転するアルゴンイオンレーザーは望ましい。257nm波長付近の出力を備えた周波数ダブルアルゴンイオンレーザーも非常に望ましい。電子ビーム励起またはイオンビーム励起も用いてよい。あるいは、加工は、レーザーなどの高強度の化学線源によって開始された多光子プロセスを用いることが可能である。典型的な露光時間は、化学線源に応じて秒の数十分の一から約数分まで異なる。部分的硬化が必要である時、約50%〜約90%の間の硬化レベルが一般に好ましい。光重合温度は、通常は約10℃〜約60℃の範囲である。しかし、室温が好ましい。
【0070】
重合プロセスにおいて、チオール部分は、想定上、上述したメカニズムによってチオエーテル部分に転化される。当業者によって認められるように、重合パラメータは、部分的に重合した材料を生じさせるように選択してもよい。部分的に重合したとは、すべてのチオール部分−エチレン系不飽和部分ペアーがチオエーテルに転化されるとは限らないことを意味する。従って、多少のエチレン系不飽和部分および多少のチオール部分が重合後に存在する。これは、チオール部分の数の0%より多いが50%未満、好ましくは20%未満またはエチレン系不飽和部分の数の0%より多いが50%未満、好ましくは20%未満が重合プロセスにおいて未反応のままであることを意味する。部分的な重合は、層状構造の構築の際に特に有用である。エネルギー硬化性組成物の第2の層の被着前のエネルギー硬化性組成物の第1の層の部分的な重合によって、二層は界面で混ぜ合わせることが可能となる。一層中の反応性部分は隣接層の反応性部分と反応し、層間粘着力を改善する。さらに、層間の傾斜屈折率は、層間でのモノマーの拡散によって形成されうる。
【0071】
少なくとも部分的に重合した材料のサンプル中のチオエーテル部分の濃度は、元のエネルギー硬化性組成物中のチオール部分の濃度と重合度の両方に応じて決まる。単一チオール化合物および単一エチレン性不飽和化合物を有するとともに過剰のチオール部分を有する組成物を重合することにより製造されたポリマーの場合、チオエーテル部分の濃度は以下の式を用いて推定してもよい。
【0072】
【数2】
【0073】
式中、x:yは組成物中のチオール部分対エチレン系不飽和部分の比であり、Mwtはチオール化合物の分子量であり、Mweはエチレン性不飽和化合物の分子量であり、ftはチオール化合物の官能価であり、feはエチレン性不飽和化合物の官能価であり、Mwfruは基本反復単位の分子量であり、Nfruは基本反復単位中のチオエーテル連結の数であり、DOCeは重合プロセスにおいてチオエーテルに転化したエチレン系不飽和部分のフラクションであり、ρは高分子材料の密度である。
【0074】
単一チオール化合物および単一エチレン性不飽和化合物を有するとともに過剰のエチレン系不飽和部分を有する組成物を重合することにより製造されたポリマーの場合、チオエーテル部分の濃度は以下の式を用いて計算してもよい。
【0075】
【数3】
【0076】
式中、DOCtは重合プロセスにおいてチオエーテルに転化したチオール部分のフラクションである。上述したように、初期のエネルギー硬化性組成物の密度は、硬化した材料の密度のための近似として用いてもよい。さらに、当業者は、エネルギー硬化性組成物が完全にチオール化合物およびエチレン性不飽和化合物からなることをこれらの式が仮定していることを認めるであろう。この式は、この仮定から著しく異なる本発明組成物を反映するように調節してもよい。また、本発明によるポリマーは、二種以上のチオール化合物および/または二種以上のエチレン性不飽和化合物を有する組成物から製造してもよい。当業者は、この事実を反映させるために所定の式を修正するであろう。代表的な材料のチオエーテル濃度は以下の実施例で示される。
【0077】
本発明の組成物は、炭素−炭素二重結合の反応によって硬化した類似材料(例えばポリアクリレート)より硬化した時に少ない収縮を受ける。例えば、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートが厚いスラブとして硬化した時、サンプルは硬化した時に応力のために割れ、著しい量の収縮を示した。二官能性エチレン性不飽和化合物である2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートおよび三官能性チオールであるトリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)の組成物は硬化して、収縮が大幅により少ない亀裂のないスラブを生じさせた。さらに、この材料はポリアクリレートより柔らかく且つ可撓性であった。チオール−エン誘導材料のより少ない応力および収縮はポリマー構造中の架橋サイトの分離による。ポリアクリレート材料において、架橋分岐点は一個の原子だけ離されるのみである。本発明の材料において、架橋分岐点はチオール化合物の主鎖とエチレン性不飽和化合物の主鎖の組み合わせた長さによって離される。上で示した例において、架橋サイトは25個の原子だけ離され、よって系における応力を減少させる。低収縮材料は最少複屈折を有するので、低収縮材料は光学機器において分極作用を最少にするために有益となる。
【0078】
本発明の組成物およびポリマーは、平面光導波路の製作において特に有用である。高分子導波路の製作のための方法は、共有された同時係属米国特許出願(特許文献5)において開示されている。この特許を本明細書に引用して援用する。本発明の材料は、無酸素条件下での加工を必要としないように配合してもよいので特に有利である。例えば、チオール部分:エチレン系不飽和部分の比が1:1以上であるエネルギー硬化性組成物は、類似のアクリレート組成物またはメタクリレート組成物より硬化中に酸素に対して遙かに影響を受けにくい。導波路構造の例は図3に示されている。本発明の実施形態において、適切な基板2は、例えば、水性濃水酸化ナトリウムで厳密に化学洗浄される。その後、基板2は、アクリレート−、チオール−、アミノ−またはイソシアナト−官能化クロロ化合物またはアルコキシシラン化合物で下塗してもよい。例えば、基板2を(3−アクリルオキシプロピル)トリクロロシランで処理してもよい。これは、続いて任意に、スピン被覆を介して感光性接着促進繋ぎ層組成物が被着される。この後続のスピン被覆工程において、スピニングプロセスにおいて形成されたエッジビードは、当業者によって知られている方法(例えば、最終数秒の回転中に適切な溶媒でウェハの周縁をリンスする)によって除去してもよい。この繋ぎ層は、好ましくは非常に架橋性であり、エチレン系不飽和部分、チオール部分または両方のいずれかを含む。繋ぎ層組成物を用いる場合、繋ぎ層組成物は、少なくともゲル化点より高いレベルに繋ぎ層を架橋させるのに十分な化学線に露光される。あるいは、適切な繋ぎ層は、エポキシ、ポリアクリレートまたはポリ(ビニルエーテル)などの他のポリマーを含んでもよい。その後、感光性緩衝組成物の層4はスピン被覆によって被着される。この緩衝組成物は本発明により配合され、硬化した時にコア材料の屈折率より約1%〜約3%低い屈折率を有するように上述したように配合される。緩衝組成物は、完全硬化より低くゲル化点より高いレベルに部分的に硬化するのに十分な化学線に露光される。その後、感光性クラッド組成物6は、スピン被覆によって高分子緩衝層の表面5に被着される。このクラッド組成物は本発明により配合され、硬化した時にコア材料の屈折率より約0.3%〜約1.5%低い屈折率を有するように上述したように配合される。こうして構築された積層体は、完全硬化より低くゲル化点より高いレベルにクラッド組成物を部分的に硬化させるのに十分な化学線に露光される。その後、本発明により配合された感光性コア組成物の層は、スピン被覆によって高分子クラッド層の表面7に被着される。その後、コア組成物は、コア組成物の画像形成部分の少なくとも部分的な重合を行うとともにコア組成物の少なくとも一つの非画像形成部分を形成させるのに十分な化学線に画像状に露光される。例えば、フォトマスクを用いてもよい。このプロセスにおいて、フォトマスクは、コア組成物層の上で、普通はコア組成物層より約20μm未満上で、より普通にはコア組成物層より約5μm〜約20μm上で所定レベルに下げられる。コア組成物層の表面へのマスクの距離は、例えば、所望の厚さの薄いワイヤなどのスペーサーを用いて制御してもよい。完全硬化より低くゲル化点より高いレベルにコア組成物を部分的に硬化させるのに十分な化学線によるフォトマスクを通した露光は、露光された部分的に重合したコアと露光されなかった液体コア組成物の領域を生じさせる。あるいは、コア組成物は、レーザーによって発生したものなどの化学線の明確なビームで書き込むことにより画像形成してもよい。露光の方法には関係なく、露光されなかったコア組成物は、適切な溶媒でリンスし、露光された部分的に重合したパターン化コア8を残すことにより現像してもよい。パターン化コアは、例えば、矩形断面または正方形断面を有する導波路構造を形成することが可能である。その後、感光性オーバークラッド組成物10はスピン被覆によってコアの表面9に被着される。このオーバークラッド組成物はパターン化コア機構の頂上および側面を被覆する。オーバークラッド組成物は本発明により配合され、硬化した時にコア材料の屈折率より約0.3%〜約1.5%低い屈折率を有するように上述したように配合される。この構造は膜を完全に硬化させるのに十分な化学線に露光される。最後に、すべての層の完全な重合を確実にするために構造は熱的に焼きなましてよく、一切の揮発物質を除去してもよい。重合プロセスがより酸素に影響されにくいので、高分子材料は、先行技術の高度に弗素化されたアクリレート組成物を基準としてより高い硬化度を示し、それは、ポリマー表面への金属の粘着力、基板へのポリマーの粘着力および熱安定性を改善する。
【0079】
本発明による導波路構造の例の断面図は図3に示されている。その構造は少なくとも0.05Mの濃度のチオール部分と少なくとも一個の少なくとも部分的にハロゲン化された部分を含む高分子組成物を含む高分子パターン化コア8を含む。高分子パターン化コアは、高分子クラッド層6と少なくとも片側で隣接し、高分子オーバークラッド層10と少なくとも片側で隣接している。クラッド層は基板2上に配置されている。クラッド層は基板上に直接載っているか、あるいは基板上に載っている緩衝層4上に載っている。当業者は、本明細書において開示された組成物およびポリマーを用いて製造されうる多くの別の技術上認められた導波路構造が本発明の範囲内で考慮されていることを認めるであろう。
【0080】
当業者によって認められるように、層の厚さおよび屈折率は導波路機器の性能に対して決定的である。層の屈折率は、高屈折率および低屈折率のチオール化合物およびエチレン性不飽和化合物の賢明な配合によって画定してもよい。通常、コアの屈折率は約1.33〜約1.7、またはより望ましくは約1.4〜約1.55の範囲内である。本発明の高分子材料の屈折率は、硫黄の存在のために炭素−炭素二重結合の付加によって製造された類似のポリマー(例えばアクリレート)の屈折率より高い。緩衝層、クラッド層およびオーバークラッド層の屈折率は、上述したようにコアの屈折率より低いのがよい。層の厚さは、回転速度および持続時間によって、およびエネルギー硬化性組成物の粘度によってスピン被覆工程において決定される。コア層の導波路の高さはスピン被覆工程によって定められる一方で、導波路の幅はフォトマスクの機構の寸法によって決定される。層の寸法および屈折率は、最終機器に所望の導波特性を与えるために既知の方法によって選択される。本発明の実施形態において、単一モード導波路は、約7μm×7μmのコア横断面寸法、1550nmでの約1.336のコア屈折率、約2μmのアンダークラッド厚さ、1550nmでの約1.329のアンダークラッド屈折率、約10μmの緩衝厚さ、1550nmでの約1.313の緩衝屈折率、約12μmのオーバークラッド厚さおよび1550nmでの約1.329のオーバークラッド屈折率を有する。
【0081】
低損失および低極性依存性を有する導波路を製造するために、平面光導波路は、好ましくは、約50℃以下、より好ましくは約0℃以下のガラス転移温度を有する高分子コアを有する。所望の感光性コア組成物は、少なくとも部分的に重合された時に約50℃以下、より望ましくは約0℃以下のガラス転移温度を有する高分子コアをもたらす。所望の平面光導波路は、約40℃以下のガラス転移温度を有する高分子クラッドおよびオーバークラッドを有する。所望の感光性クラッド組成物およびオーバークラッド組成物は、少なくとも部分的に重合された時に約40℃以下のガラス転移温度を有する高分子材料をもたらす。特に望ましい高分子ガラス転移温度は、高分子材料が製造されるエネルギー硬化性配合物のキャラクタリゼーションおよび賢明な配合により当業者によって得ることが可能である。ガラス転移温度は、重合が行われる照射露光時間および温度を変えることによっても制御してよい。
【0082】
適切なポリマー光学エレメントはC帯域とL帯域の両方において光学的損失が低い。例えば、所望の光学エレメントは、1550nmで0.75dB/cm未満、1617nmで0.75dB/cm未満の光学的損失を有する高分子コアを有する。非常に望ましい光学エレメントは、1550nmで0.5dB/cm未満、1617nmで0.5dB/cm未満の光学的損失を有する高分子コアを有する。吸収損失がCHに関連付けられるので、当業者は、低CHを有する化合物から製造された組成物を用いて本発明の低光学的損失高分子材料を製造できることを認めるであろう。例えば、Fluorolink Tに基づく18.1MのCHを有する化合物から製造されたポリマーは、0.2dB/cm未満の光学的損失を有する場合がある。
【0083】
ポリマー光導波路は、上で詳述したプロセス以外のプロセスによって製造してもよい。例えば、感光性コア組成物は、より低い屈折率の基板の表面上に直接被覆し、フォトマスクを通して露光し、そして上述したようにオーバークラッドしてもよい。あるいは、導波路パターンを形成するためにUVエンボシングまたは反応性イオンエッチングなどのプロセスを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の組成物およびポリマーは、機器の上に沈着した金属電極の粘着力を高めるための繋ぎ層として用途を見つけることも可能である。例えば、本発明により配合された繋ぎ層組成物は、特に上述した方式で製作されている場合の下にあるポリアクリレート層によく接着する。繋ぎ層は、下にある導波路の導波特性を乱さないために低い屈折率を有するように配合されるべきである。チオール−エン誘導繋ぎ層は、酸素の存在下で完全に硬化することができ、従って、高い表面硬化度を有する場合がある。沈着した金属層は繋ぎ層によく接着する。
【0085】
本発明の組成物およびポリマーが空気の存在下で完全に硬化し、硬化する時に収縮が小さいので、本発明の組成物およびポリマーは接着剤としても有用である。低光学的損失は、導波路ポリマーにおけるよりも接着剤においてあまり重要でなく、従って、CHを最小化する重要性は減少する。ピグテールする際に用いるために、光ファイバーの屈折率(約1.46)とポリマー光導波路の屈折率(約1.33〜約1.40)の間の屈折率は望ましい。これらの屈折率は本発明の材料を用いて達成可能である。低屈折率接着剤は、他の光学エレメントを接合するために望ましい場合があり、こうした用途は本発明の範囲内で考慮されている。図4は、本発明のポリマーによって接合された二個のエレメントを示している。複数のエレメントを取り付ける本発明方法において、本発明によるエネルギー硬化性組成物が提供される。エレメント12は所望の構成で配列されており、エネルギー硬化性組成物14は、エレメントの間およびエレメントの周りの領域に被着され、組成物は、組成物を少なくとも部分的に重合させるのに十分な量のエネルギーに曝される。
【0086】
本明細書において開示された材料を加工するために、当業者に知られている他の方法を用いてもよい。例えば、層状薄膜構造は、反復スピン/硬化工程によって製作してもよい。モノリシックエレメントは、型にキャスティングし、その後硬化させることにより製造してもよい。表面細部を有する薄膜を製作するためにUVエンボシングを用いてもよい。
【0087】
以下の非限定的な実施例は本発明を例示するために提示する。エネルギー硬化性組成物の成分のエレメント中の割合および選択物の変形および材料加工法の変形は当業者に対して明らかであろうし、本発明の範囲内でもあることは認められるであろう。
【実施例】
【0088】
エネルギー硬化性組成物を配合するために、チオール化合物およびエチレン性不飽和化合物を開始剤および他の一切の添加剤と混合し、よく攪拌した。ポリマーを製造するために、適切なスペーサーを用いてスピン被覆、スロット被覆または直接液体キャスティングによってエネルギー硬化性組成物を被覆し薄い液体膜にした。回転速度またはスペーサー厚さによって膜の厚さを制御した。50μm未満の膜の厚さはSloan Dektak IIAプロフィルメータで測定し、50μmより厚い膜の厚さは顕微鏡で測定した。
【0089】
本発明において用いるための幾つかのハロゲン化エチレン性不飽和化合物は市販されている。例えば、上述したように、特定のパーフルオロポリエーテルアクリレートは、ミネソタ州セントポールの3M スペシャリティ ケミカルズ ディビジョン(3M Specialty Chemicals Division)から入手可能である。あるいは、本発明において有用な弗素化エチレン性不飽和化合物は、当業者に対して一般に知られている方法を用いて市販弗素化ポリオールから製造することが可能である。四官能性ポリオール
【0090】
【化8】
【0091】
は、ニュージャージー州トロファーのオーシモント・ユーエスエー社(Ausimont USA,Inc.)からFluorolink Tとして入手可能である。2,2,3,3,4,4,5,5,−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジオールなどの弗素化アルカンジオールは、ニューハンプシャー州ウィンダムのランカスター・シンセシス(Lancaster Synthesis,Inc.)から入手できる。本発明において用いるためのチオール化合物は商業的に購入してもよい。望ましい弗素化チオール化合物は、当業者に精通されている方法によって合成してもよい。例えば、弗素化ポリオールは、3−メルカプトプロピオン酸で完全にエステル化してよい。あるいは、弗素化ポリオールは、対応するポリ臭化物に転化され、その後、チオ尿素と完全に反応され、鹸化されて、対応する多官能性チオール化合物を生成させてもよい。当業者が認めるように、適切な非ハロゲン化チオール化合物およびエチレン性不飽和化合物は市販されているか、または既知の方法によって合成してもよい。
【0092】
エチレン性不飽和化合物またはチオール化合物がポリオールから合成される場合、O−H結合およびN−H結合が電気通信用途において一般に用いられる1550nm波長範囲内で強く吸収するので、一切の残留アルコールおよびアミンあるいは他の−OHまたは−NH保持不純物を可能なかぎり多く除くように注意を払うべきである。適切な製品精製技術は実施例Aに関連して記載する。
【0093】
(実施例A)
ガラス製三つ口フラスコにコンデンサおよび攪拌器を装着した。Fluorolink Tブランド弗素化ポリオール(900g)およびp−メトキシフェノール(0.5g)をフラスコに添加した。この実施例で用いた弗素化ポリオールは、構造
【0094】
【化9】
【0095】
を有するとして表現することが可能である。式中、m:nの比は約0.5:1から約1.4:1まで異なり、mは平均で約6.45〜約18.34まで異なり、nは平均で約5.94〜約13.93まで異なる。望ましい材料は、約1のm:nの比、約10.3の平均mおよび平均nを有する。
【0096】
塩化アクリロイル(170g)を添加し、混合物を激しく攪拌した。生じた発熱は温度を70℃に至るまで上げた。その後、反応混合物の温度を90℃に上げ、混合物を3時間にわたり攪拌した。その後、系を真空下に置いて、反応によって発生した塩化水素および過剰の塩化アクリロイルを除去した。混合物を室温に冷却した。材料の赤外線スペクトルによると、ポリオール上のヒドロキシル基による3500cm-1での広い吸収の消失が確認された。トリエチルアミン(124g)を30分にわたって反応フラスコにゆっくり添加した。材料を濾過して、生成したトリエチルアミン塩酸塩を除去し、その後水で2回洗浄した。得られたテトラアクリレートはUV−Tと呼び、構造
【0097】
【化10】
【0098】
を有するとして表現することが可能である。
式中、m:nの比は約0.5:1から約1.4:1まで異なり、mは平均で約6.45〜約18.34まで異なり、nは平均で約5.94〜約13.93まで異なる。望ましい材料は、約1のm:nの比、約10.3の平均mおよび平均nを有する。これらのパーフルオロポリエーテルテトラアクリレートは低い屈折率を有し、物理的特性を変えるために硬化したポリマーの架橋密度を調節する際に有用である可能性がある。この材料の高分子量変種の損失は非常に少ない可能性がある。パーフルオロポリエーテルテトラアクリレートの一例は、2400g/モルの分子量、1.3362の液体屈折率、1.335の硬化したホモポリマーの屈折率、1.663g/mLの液体密度および約18MのCHを有する。
【0099】
(実施例B)
ガラス製三つ口フラスコにコンデンサを装着した。ジオールである2,2,3,3,4,4,5,5,−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジオール(300g)およびp−メトキシフェノール(0.5g)をフラスコに添加した。ジオールを溶融させるためにフラスコを70℃に加熱した。塩化アクリロイル(228g)を添加し、混合物を激しく攪拌した。生じた発熱は混合物の温度を90℃に上げた。温度を90℃で保持し、混合物を3時間にわたって攪拌した。その後、系を真空下に置いて、反応によって発生した塩化水素および過剰の塩化アクリロイルを除去した。混合物を室温に冷却した。材料の赤外線スペクトルによると、ポリオール上のヒドロキシル基による3500cm-1での広い吸収の消失が確認された。トリエチルアミン(124g)を30分にわたって反応フラスコにゆっくり添加した。材料を濾過して、生成したトリエチルアミン塩酸塩を除去し、その後水で2回洗浄した。その後、残りの水を真空下で除去した。得られたアクリレートである2,2,3,3,4,4,5,5,−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジイルジアクリレートをUV−8と呼んだ。このアクリレートは、370g/モルの分子量、1.42の液体屈折率、1.418の硬化したホモポリマーの屈折率、1.433g/mlの液体密度および約32.1MのCHを有する。
【0100】
(実施例C)
250mLの三つ口フラスコに滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した。Fluorolink T(104g)を添加し、その後、アリルクロロホルメート(26g)を添加した。混合物を攪拌し、氷浴を用いて5℃に冷却した。温度を20℃未満に保ちつつ、トリエチルアミン(25.5g)を滴下した。添加が完了した後に、反応混合物を放置してさらに1時間にわたり攪拌した。混合物をメタノールで3回洗浄した。残留溶媒を回転蒸発によって除去した。得られたテトラアリルパーフルオロポリエーテルはA−Tと呼び、構造
【0101】
【化11】
【0102】
を有するとして表現することが可能である。式中、m:nの比は約0.5:1から約1.4:1まで異なり、mは平均で約6.45〜約18.34まで異なり、nは平均で約5.94〜約13.93まで異なる。望ましい材料は、約1のm:nの比、約10.3の平均mおよび平均nを有する。この材料は1500nmで0.060cm-1の吸収および約18MのCHを有する。
【0103】
(実施例D)
三つ口フラスコにDean−Starkコンデンサおよびマグネチックスターラーを装着した。Fluorolink T(82g)および3−メルカプトプロピオン酸をフラスコに添加した。1滴のポリ燐酸および100mLのトルエンを混合物に添加した。フラスコを還流状態で加熱し、エステル化反応で生じた水をDean−Starkコンデンサ内に集めた。2日後に、混合物を室温に冷却し、トリエチルアミン(1mL)を添加して一切の未反応酸を中和した。混合物を90gのメタノールと10gの水の混合物で3回洗浄した。残留溶媒を回転蒸発によって除去した。この材料の比較的高い吸収(1550nmで0.085cm-1)は不完全なエステル化によっていた。赤外線分光分析法によると、残留ヒドロキシル基の存在が確認された。この材料はT−SHと呼び、構造
【0104】
【化12】
【0105】
を有するとして表現することが可能である。式中、m:nの比は約0.5:1から約1.4:1まで異なり、mは平均で約6.45〜約18.34まで異なり、nは平均で約5.94〜約13.93まで異なる。望ましい材料は、約1のm:nの比、約10.3の平均mおよび平均nを有する。2400g/モルの分子量を有するFluorolink Tから製造された材料は約17MのCHを有する。
【0106】
(実施例E)
250mLのフラスコ内で、米国のオーシモント(Ausimont)から入手できる2000g/モルの分子量を有するパーフルオロポリエーテルジオールである70gのFluorolink D10を8gのトリエチルアミンおよび100mLの1,1,1−トリクロロトリフルオロエタンと組み合わせる。2時間にわたり24gのノナフルオロ−1−ブタン弗化スルホニルを室温で添加した。12時間後に、150mLの水を導入し、重い有機相を真空で乾燥させてFluorolink D10のビス(ノナフルオロ−1−ブタンスルホネート)が生じた。
【0107】
Fluorolink D10のビス(ノナフルオロ−1−ブタンスルホネート)の17gのサンプルを20mLのイソプロパノールに分散させ、1.2gのチオ尿素を反応物に添加し、温度を不活性雰囲気下で80℃に上げる。反応を赤外分光分析法または19F NMRによって監視してもよい。約15時間後に、ビス(ノナフルオロ−1−ブタンスルホネート)の対応するビス(イソチオウロニウム塩)への転化は完了する。蒸留によって溶媒を除き、Fluorolink D10のビス(イソチオウロニウム塩)が生じた。
【0108】
Fluorolink D10のビス(イソチオウロニウム塩)の2.6gのサンプルを窒素下で10mLのエタノールに溶解させ、2.5mLの10%水性NaOHで処理する。反応物を放置して25℃で4時間にわたり反応させ、その後、10mLの5%水性HClを導入する。Fluorolink D10のジチオールは1,1,1−トリクロロトリフルオロエタンによる抽出によって単離し、構造HSCH2CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2CH2SHを有する。この化合物は約11MのCH値を有する。
【0109】
(実施例F)
UV−8(99重量%)とDarocur1173(1重量%)の混合物をガラス基板上に厚さ5mmの膜として沈着させ、空気の存在下でUVランプにより重合させて、ポリアクリレート膜を生じさせた。UV−8(51重量%)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(48重量%)およびDarocur1173(1重量%)の混合物をガラス基板上に厚さ5mmの膜として沈着させ、空気の存在下でUVランプにより重合させて、チオール−エン誘導膜を生じさせた。図5は、チオール化合物であるトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)の吸収スペクトルを示し、図6は、ガラスを除去した二枚の膜の吸収スペクトルを示している。チオール化合物はC−H帯域吸収のために比較的高い損失を有するが、C帯域またはL帯域で鮮明な転移をもたない。トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)が炭素−水素結合の高い濃度を有するので、チオール−エン誘導膜は、ポリアクリレート膜よりもC帯域(波長約1530nm〜約1560nm)において高い吸収を有する。しかし、ポリアクリレート膜は、未反応炭素−炭素二重結合上のC−H伸縮のオーバートーンによる約1617nmで吸収帯を示す。チオール−エン誘導膜は、約1617nmで鮮明なピークをもたず、よって炭素−炭素二重結合がチオール−エン重合反応において実質的に完全に反応されていることを示唆している。
【0110】
この実施例のオール−エン組成物は、1.31:1のチオール部分対エチレン系不飽和部分の比を有する。硬化したポリマーは
【0111】
【化13】
【0112】
の基本的反復単位を有する。100%硬化および1.5g/mLのポリマー密度を仮定して、この材料のチオエーテル濃度は3.5Mであると計算することが可能である。この材料は51.2Mの計算CHを有する。
【0113】
二種のエネルギー硬化性組成物の厚いスラブをUV照射によって硬化させた。ポリアクリレートスラブは割れ、実質的な収縮を示した。チオール−エン誘導スラブは割れず、ポリアクリレート膜より実質的に少ない収縮を示した。さらに、チオール−エン誘導材料は、ポリアクリレート材料より柔らかく可撓性であった。
【0114】
(実施例G)
1重量%のDarocur1173と合わせたUV−TとT−SHの等モル混合物を空気の存在下でUV線により硬化させてポリマーを生じさせた。1重量%のDarocur1173と合わせたUV−T単独では空気の存在下で硬化しなかった。チオール−エン誘導材料は、4個のチオエーテル結合を伴って、それぞれUV−TとT−SHの一分子から構築された基本的反復単位を有する。1.7g/mLのポリマー密度、UV−TおよびT−SHの2400g/モルの分子量ならびに80%の硬化度を仮定して、チオエーテル濃度は約1.1Mであると計算される。この材料のCHは約18Mであると計算される。
【0115】
(実施例H)
1重量%のDarocur1173と合わせたA−TとT−SHの等モル混合物を空気の存在下でUV線により硬化させてポリマーを生じさせた。1.7g/mLのポリマー密度、UV−TおよびT−SHの2400g/モルの分子量ならびに80%の硬化度を仮定して、チオエーテル濃度は約1.1Mであると計算される。この材料のCHは約18Mであると計算される。
【0116】
(実施例I)
1重量%のDarocur1173と合わせたT−SH、UV−TおよびA−Tの混合物(モル比1:0.5:0.5)を空気の存在下でUV線により硬化させてポリマーを生じさせた。1.7g/mLのポリマー密度、UV−TおよびT−SHの2400g/モルの分子量ならびに80%の硬化度を仮定して、チオエーテル濃度は約1.1Mであると計算される。この材料のCHは約18Mであると計算される。
【0117】
(実施例J)
T−SHと、1重量%のDarocur1173と合わせたFAVE4101との1:2モル比混合物を、Orielモデル8113UV硬化装置を用いて空気の存在下で、10mW/cm2の強度を有するUV線により30秒間で硬化させてポリマーを生じさせた。T−SHが四官能性であり、FAVEが二官能性であるので、この混合物のチオール:ビニル比は1:1であった。1重量%のDarocur1173と混合したFAVE4101のサンプルは、空気の存在下、または窒素シールした時のいずれにおいても同じ硬化装置内で900秒後でさえ液体のままであった。この材料は、約1.5Mのチオエーテル濃度および約42MのCHを有する。
【0118】
(実施例K)
適切なパーフルオロポリエーテルジイソシアネートであるポリ(テトラフルオロエチレンオキシド−co−ジフルオロメチレンオキシド)α,Ω−ジイソシアネートはウィスコンシン州ミルウォーキーのシグマ アルドリッチ(Sigma−Aldrich)から購入した。
【0119】
触媒ジブチル錫ジラウレートを用いて上述したパーフルオロポリエーテルビス(イソシアネート)を1:1エチルパーフルオロブチルエーテル/ジメチルホルムアミド中の2.2当量の1,3−ジメルカプト−2−プロパノールと合わせて還流状態で4時間にわたり加熱した。FTIRによってイソシアネート伸縮帯の消失およびカルボニル帯の成長を監視することにより反応を続けた。反応が完了すると、混合物を水でよく洗浄した。蒸発による濃縮によって、パーフルオロポリエーテルビス(ウレタンジチオール)が生じ、それは推定式
【0120】
【化14】
【0121】
を有する。
【0122】
(実施例L)
2−ヒドロキシ−1−[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノンを放置して、テトラヒドロフラン中で16時間にわたり還流状態で1.1当量のパーフルオロ無水酪酸と反応させた。反応混合物を水に注ぎ、得られた混合物をエチルパーフルオロブチルエーテルで抽出した。溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−へプタフルオロブチルオキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパンを生じさせた。
【0123】
(実施例M)
1.0gのUV−T、0.8gのT−SH、実施例Kの0.15gのパーフルオロポリエーテルビス(ウレタンジチオール)、0.05gの2−ヒドロキシ−1−[4−(2−へプタフルオロブチルオキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパン、0.03gの(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランおよび0.03gの(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシランを用いて接着剤組成物を配合した。組成物は1.55μmで1.34の屈折率を有する。光ファイバーを低屈折率フルオロポリマー導波路にピグテールするために接着剤組成物を用いた。接着剤は適切な粘度の接着剤であり、空気中でうまく硬化した。ピグテール界面は−52dBの反射減衰量を示した。
【0124】
本発明の精神および範囲から逸脱せずに種々の修正および変形を本発明に対してなすことが可能であることは当業者に対して明らかであろう。従って、本発明の修正および変形が添付した請求の範囲および請求の範囲の均等物の範囲内に入るかぎり、本発明が本発明の修正および変形を包含することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】二官能性のチオール化合物および二官能性のエチレン性不飽和化合物から製造されたポリマー系の概略図である。
【図2】三官能性のチオール化合物および二官能性のエチレン性不飽和化合物から製造されたポリマー系の概略図である。
【図3】光導波路の断面図である。
【図4】本発明の接着剤によって取り付けられる二個の光学エレメントの図である。
Claims (28)
- 少なくとも二官能性のチオール化合物、および
少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物
を含むエネルギー硬化性組成物であって、
前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも部分的にハロゲン化されており、
チオール部分対エチレン性不飽和化合物部分の比が約1:2〜約2:1の間であり、
前記チオール化合物および前記エチレン性不飽和化合物が前記エネルギー硬化性組成物の約35〜約99.9重量%の間を占めることを特徴とする組成物。 - 選択された量のフリーラジカル開始剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー硬化性組成物。
- 前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が過弗素化部分を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギー硬化性組成物。
- 約55M未満のCHをさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性組成物。
- 約35M未満のCHをさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性組成物。
- チオール部分対エチレン性不飽和化合物部分の比が約9:10〜約10:9の間であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性組成物。
- 前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも三官能性であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性組成物。
- 前記少なくとも部分的にハロゲン化された部分が、
−(CF2)x−、
−(C6F4)x−、
−(CF3)2C−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
(式中、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性組成物。 - 前記エチレン性不飽和部分が、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、アリルエーテル、アルケン、チオアクリレートエステル、チオメタクリレートエステル、ビニルチオエーテル、アリルチオエーテルおよびマレイミドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性組成物。
- 前記エチレン性不飽和部分は構造(A)n−R−Rf−R’−(A)n'
(式中、Rfは、
−(CF2)x−、
−(C6F4)x−、
−(CF3)2C−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
(ここで、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。)からなる群から選択される過弗素化部分であり、
RおよびR’は、アルキル、アリール、エステル、エーテル、アミド、アミンおよびウレタン基からなる群から独立的に選択される二価または三価の連結部分であり、
Aは、CX2=C(X)COE−、CX2=C(CX3)COE−、CX2=CX−、CX2=CX−E−およびCX2=CX−CH2−E−(ここでE=OまたはS、各Xは独立的にH、D、FまたはClである。)からなる群から選択されたエチレン性不飽和基であり、Rが二価であるならnは1であり、Rが三価であるならnは2であり、R’が二価であるならn’は1であり、R’が三価であるならn’は2である。)を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性組成物。 - 前記少なくとも二官能性のチオール化合物は過弗素化部分を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性組成物。
- 前記少なくとも二官能性のチオール化合物は構造(HS)n−R−Rf−R’−(SH)n'
(式中、Rfは、
−(CF2)x−、
−(C6F4)x−、
−(CF3)2C−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−(ここで、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。)からなる群から選択される過弗素化部分であり、
RおよびR’は、アルキル、アリール、エステル、エーテル、アミド、アミンおよびウレタン基からなる群から独立的に選択される二価または三価の連結部分であり、
Rが二価であるならnは1であり、Rが三価であるならnは2であり、R’が二価であるならn’は1であり、R’が三価であるならn’は2である。)を有することを特徴とする請求項12に記載のエネルギー硬化性組成物。 - 少なくとも約0.05Mの濃度のチオエーテル部分および少なくとも一種の過ハロゲン化部分を含むことを特徴とする高分子材料。
- 約55M未満のCHをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の高分子材料。
- 前記過ハロゲン化部分は、
−(CF2)x−、
−(C6F4)x−、
−(CF3)2C−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
(式中、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。)からなる群から選択されることを特徴とする請求項15または16に記載の高分子材料。 - 少なくとも0.05Mの濃度のチオエーテル部分および少なくとも一個の少なくとも部分的にハロゲン化された部分を含む高分子材料を含む高分子コアを含むことを特徴とする光学エレメント。
- 高分子オーバークラッド層、
高分子クラッディング層、および
基板
をさらに含み、前記高分子コアが前記高分子オーバークラッド層と少なくとも一方側で隣接しており、前記高分子クラッディング層と少なくとも一方側で隣接しており、前記高分子クラッディング層が前記高分子コアと基板との間にあることを特徴とする請求項18に記載の光学エレメント。 - 前記少なくとも部分的にハロゲン化された部分が、
−(CF2)x−、
−(C6F4)x−、
−(CF3)2C−、
−CF2O−[(CF2CF2O)m(CF2O)n]−CF2−、
−CF(CF3)O(CF2)4O[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)−および
−CF2O−(CF2CF2O)m−CF2−
(式中、xは1〜約10の間の整数であり、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、pは−CF(CF3)CF2O−主鎖反復サブユニットの数を示す。)からなる群から選択されることを特徴とする請求項18または19に記載の光学エレメント。 - 前記高分子材料が以下の化合物
CH2=CHCO2CH2CF2O(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CH2O2CCH=CH2
(式中、mおよびnは、それぞれ無秩序に分配されるパーフルオロエチレンオキシおよびパーフルオロメチレンオキシ主鎖反復サブユニットの数を示し、m:nの比は約0.5:1〜約1.4:1の間である。)を含むエネルギー硬化性組成物から製造されることを特徴とする請求項18〜21のいずれか1項に記載の光学エレメント。 - 前記高分子コアの光学的損失が、1550nmで0.75dB/cm未満および1617nmで0.75dB/cm未満であることを特徴とする請求項18〜22のいずれか1項に記載の光学エレメント。
- 前記高分子コアの光学的損失が、1550nmで0.5dB/cm未満および1617nmで0.5dB/cm未満であることを特徴とする請求項18〜23のいずれか1項に記載の光学エレメント。
- 前記高分子オーバークラッド層および前記高分子クラッド層のガラス転移温度が約40℃以下であり、前記高分子コアのガラス転移温度は約50℃以下であることを特徴とする請求項19〜23のいずれか1項に記載の光学エレメント。
- 前記高分子オーバークラッド層および前記高分子クラッド層が、少なくとも0.05Mの濃度のチオエーテル部分および少なくとも一個の少なくとも部分的にハロゲン化された部分を含む高分子材料を含むことを特徴とする請求項19〜23のいずれか1項に記載の光学エレメント。
- (a)少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および選択された量のフリーラジカル開始剤を含むクラッド組成物であって、
前記チオール化合物および前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも部分的にハロゲン化されており、
チオール部分対単離されたエチレン性不飽和化合物部分の比が約1:2〜約2:1の間であり、
前記エチレン性不飽和化合物が前記クラッディング組成物の約35〜約99.9重量%の間を占めるクラッド組成物の層を基板に被着させる工程と、
(b)前記クラッディング組成物を少なくとも部分的に硬化させて、高分子クラッディング層を形成する工程と、
(c)少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および選択された量のフリーラジカル開始剤を含むコア組成物であって、
前記チオール化合物および前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方が少なくとも部分的にハロゲン化されており、
チオール部分対単離されたエチレン性不飽和化合物部分の比が約1:2〜約2:1の間であり、
前記エチレン性不飽和化合物が前記コア組成物の約35〜約99.9重量%の間を占める感光性コア組成物を、前記高分子クラッディング層の表面に被着させて、コア組成物層を形成する工程と、
(d)画像形成部分の少なくとも部分的な重合を行うとともに前記感光性コア組成物層の少なくとも一つの非画像形成部分を形成させるのに十分な化学線に前記感光性コア組成物を画像状に露光させる工程と、
(e)前記画像形成部分を除去せずに前記少なくとも一つの非画像形成部分を除去し、それによって前記画像形成部分から高分子パターン化コアを形成させる工程と、
(f)感光性オーバークラッド組成物を前記高分子パターン化コア上に被着させる工程と、
(g)前記オーバークラッド組成物を少なくとも部分的に硬化させて、高分子オーバークラッド層を形成する工程と
を含む光学エレメントを製造する方法であって、
前記高分子オーバークラッド層および高分子クラッディング層が高分子パターン化コアより低い屈折率を有することを特徴とする方法。 - 前記オーバークラッド組成物は少なくとも二官能性のチオール化合物、少なくとも二官能性のエチレン性不飽和化合物および選択された量のフリーラジカル開始剤を含み、前記チオール化合物と前記エチレン性不飽和化合物の少なくとも一方は少なくとも部分的にハロゲン化されており、チオール部分対単離されたエチレン性不飽和化合物部分の比は約1:2〜約2:1の間であり、前記エチレン性不飽和化合物は前記オーバークラッド組成物の約35〜約99.9重量%の間を占めることを特徴とする請求項27に記載の方法。
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