JP2004536035A - 酢酸及び/又は酢酸メチルを製造するための工業的プロセスにおける触媒系の変更 - Google Patents

酢酸及び/又は酢酸メチルを製造するための工業的プロセスにおける触媒系の変更 Download PDF

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Abstract

本発明は、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造を目的とする連続的な製造方法に関し、メタノール、又は、ジメチルエーテル、ハロゲン化メチル若しくは酢酸メチル等のカルボニル化し得るメタノール誘導体のカルボニル化のための連続的な工業的プロセス(初期のプロセスという)用の装置の連続的な運転の間、均一な液相中、及び、一酸化炭素圧下で、ロジウム系の均一触媒及びハロゲン化助触媒からなる触媒系の存在下、及び、反応媒体中14%以上の濃度の水の存在下、時間をかけてイリジウム化合物を添加することにより前記均一触媒の組成を徐々に変更することを特徴とするものである。
この製造方法は、装置を停止することなく、ロジウムのみに基づく均一触媒を、ロジウム及びイリジウム又は均一なイリジウムのみに基づく触媒に変更するために触媒系の組成を変更する一方、一旦イリジウムの添加を実施した反応媒体の含水率を減らすことを可能にする。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、酢酸及び/又は酢酸メチルの工業的製造分野に関する。
【0002】
更に詳しくは、触媒系の組成を特に円滑で一貫した方法で変更する間、上記工業的プロセスにおいて、触媒の変更を実施するために製造ユニットを停止する必要がなく、ロジウムのみに基づく触媒系を、ロジウム及びイリジウムに基づく触媒系に、又は、イリジウムのみに基づく均一な触媒系に変更することが可能である、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造を目的とする連続的製造方法に関する。
【0003】
均一触媒系を用いて、圧力下、液相中で、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造を目的とする多数の工業的プロセスが知られている。
本発明は、ロジウム系触媒の存在下、メタノール又はカルボニル化し得るメタノール誘導体のカルボニル化を初期に伴う製造方法の変更に、非常に明確に適用される。
【0004】
Paulikらの特許は、「モンサント(“Monsanto”)」と言われる技術又は製法の基礎を形成しており、液相中又は気相中で、ロジウム(US3769329)若しくはイリジウム(US3772380)を用いた均一触媒反応又は異質触媒反応による、反応物のカルボニル化について記載している。この技術において、反応物は、合計炭素数が20以下であるアルコールROH、エーテルR′−O−R′、エステルR′C(O)OR′及びハロゲン化物R−Xからなる。カルボニル化反応は、これらの反応物のうち一つ、一酸化炭素(1〜15000psigの一酸化炭素部分圧)、ハロゲン化助触媒の存在するロジウム又はイリジウムからなる触媒系、及び、水の存在下、50〜300℃の温度で行われる。
【0005】
開発されている第1のカルボニル化プロセスは、共触媒としてハロゲン化メチル、好ましくはヨウ化メチルの存在下、ロジウム化合物により触媒作用を受けていた。これらのプロセスは、反応速度(故に、製造方法の生産性)の増加、不純物の生成の減少、溶液中の触媒の安定性の増加、及び、製造コストの削減を一様に改善した。
【0006】
特に、反応媒体に多量のヨウ素イオンを添加すること(特許FR2551434では0.3mol/Lを超える)、及び/又は、上記反応媒体の組成の予定濃度を維持すること(EP0161874及びEP0250189)により、含水率を削減することが可能である。
【0007】
近年、ロジウムをイリジウムに入れ換える目的で行われた研究は、イリジウムのみ(EP0618184、EP0616997、EP0786447)、又は、共助触媒として主にルテニウム、オスミウム若しくはレニウム存在下でイリジウム(EP0643034、EP0728729、EP0752406)により触媒作用を受ける、新規の「低含水率(“low water content”)」と言われる製造方法に達している。
【0008】
通常、均一触媒下、液相中でのカルボニル化のこれら様々な製造方法は、3つに分かれたゾーンからなる装置で行われる。反応ゾーンと呼ばれる第1ゾーンでは、メタノール又はカルボニル化し得るメタノール誘導体は、2つの反応物を同時に導入することにより、圧力下、一酸化炭素でカルボニル化される。反応媒体の特定の組成は、上記2つの反応物を導入すること、及び、第2ゾーン及び第3ゾーンの下流に由来する流れを再生利用することにより、維持される。気化ゾーン又はフラッシュゾーンと呼ばれる第2ゾーンでは、反応媒体は、第1反応ゾーンにおける圧力より低い圧力で部分的に気化され、熱の供給で、又は、熱の供給なしで膨張が生じている。気化した部分は、主に未反応の反応物、水、ヨウ化メチル、酢酸メチル及び酢酸から構成され、生成された酢酸及び/又は酢酸メチルの蒸留分離と精製とを目的とするゾーンと言われる第3ゾーンに移される。第2フラッシュゾーンで生じた気化していない部分は、実質的に酢酸及び触媒から構成されており、第1反応ゾーンで再生利用される。第3ゾーンは、通常3つの蒸留塔から構成され、異なる成分を分離すること、反応を行うために必要な成分を再生利用すること、及び、精製された酢酸及び/又は酢酸メチルを生成することが可能である。これらの製造方法は、また、ガスの供給及び/又は排出の処理を目的とする部分からなる。更に詳細について、M.J.Howardらの論文(CATALYSIS TODAY,18(1993)325−354)を参照することができる。
【0009】
更に近年、カルボニル化プロセスは、ロジウム及びイリジウムの両方で構成される触媒系を用いるものが記載されている。
【0010】
特許EP0618183は、アルコール又は誘導体のカルボニル化に関し、単独金属としてロジウム又はイリジウムからなる触媒系と比較した、ロジウム及びイリジウムの両方で構成される触媒系の相乗作用について開示している。この製造方法は、低濃度(0〜5%、好ましくは0〜2%)の可溶性ヨウ素塩等の触媒安定剤の存在下で、又は、このような化合物の非存在下で行われる。
【0011】
可溶性ヨウ化塩は、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のヨウ化物、又は、4級アンモニウム若しくは亜リン酸ヨウ化物からなるものである。
【0012】
特許FR2750984では、第1ゾーン(主反応装置)と第2気化(フラッシュ)ゾーンとの間に第2カルボニル化反応装置を導入することによってもたらされた一酸化炭素消費の改良を記載しており、触媒系は、イリジウムから構成され、任意でロジウムと組み合わせる。
【0013】
特許FR2750985は、メタノールのカルボニル化に関し、可溶性のイリジウムとロジウムとの複合体から構成される触媒系を安定させる方法を提案しており、上記方法は、第2気化(フラッシュ)ゾーンから第1反応ゾーンに再生利用された気化していない液体部分中で、0.5%を超える濃度の水を維持することからなるものである。
【0014】
国際特許出願WO00/27785では、1種の金属のみからなる系と比較した、イリジウム及び白金、並びに、任意でロジウムから構成される触媒系の相乗作用を開示している。上記特許出願では、導入された可溶性ヨウ素塩とイリジウムとのモル比を10未満に維持することを提言している。
【0015】
国際特許出願WO00/78700は、イリジウム及び任意でロジウムの存在下、蟻酸メチルの異性化及びメタノールのカルボニル化を伴う同時反応による酢酸の製造に関する。上記特許出願は、第2気化(フラッシュ)ゾーンから気化していない部分中で、1%を超えるホルミルラジカル(蟻酸メチル+蟻酸)濃度を維持することによる触媒系の安定化を教示している。たとえ濃度範囲が定まらないとしても、媒体中、ヨウ素は可溶性イオンの形態で保持することを提言している。
【0016】
国際特許出願WO00/24701は、ロジウム及びイリジウムの両方で構成される触媒系を用いたメタノールのカルボニル化を記載しており、これら触媒の安定剤/共助触媒としてヨウ素イオンが存在している。反応溶媒の組成は、一定に保持される:水14%未満(好ましくは0.1〜8%)、ヨウ化メチル5〜30%、酢酸メチル0.5〜30%、ヨウ素(好ましくはヨウ化リチウム)2〜20%、及び、各金属で触媒100〜5000ppmであり、触媒系は、遷移金属、好ましくはルテニウムの塩からなるものでもよい。
【0017】
上述の特許及び特許出願は、ロジウム及びイリジウムの両方で構成されている触媒系を基礎として確立しているカルボニル化反応媒体について記載しており、その組成は、これらの発明の要求する結果に達するために最適化されている。これらの文献は何れも、ロジウムのみから構成される触媒系から、ロジウム+イリジウム触媒の混合物に基づく触媒系に変更することを指摘も示唆もしていない。
【0018】
更に、このような変更において、一般的、通常的にカルボニル化反応媒体中に存在する腐蝕金属(鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、ジルコン、及び、工業設備の腐蝕が起源であり、製造中、反応装置に再生利用され得るその他の金属)の役割に注意を払わなければならないことは周知である。特に、特許FR2551434で明らかにされたところ、これらの腐蝕金属は、転換反応又は水性ガス反応(Water Gas Shift Reactionを短縮してWGSRともいう):
O + CO → H + CO
を促進するので、通常、全体としてロジウムのみによる触媒作用において、有害な効果を有すると考えられている。
【0019】
また、ロジウムのみによる触媒作用において、特許EP0384652は、より選択的であり、カルボニル化速度と、故に製造方法の生産性とにおける肯定的な影響を有するVIb属の金属(Mo、W、Cr)のみを残すために、鉄及びニッケルを除去することを提言している。変形は、これらのVIb属の腐蝕金属をカルボニル化反応媒体に添加することからなる。
【0020】
一方、イリジウムのみによる触媒作用において、腐蝕金属により示される問題は、より単純に思われる:反応媒体中での濃度は、
・まず、ロジウムの場合のように、水性ガス反応、
・そして次に、イリジウムにより触媒作用を受けるカルボニル化に悪影響を与えると考えられている、ヨウ素イオンの濃度、
を制限するために、数百ppm(特許FR2750984)、又は、200ppm未満(特許出願WO00/27785及びWO00/78700)の値に制限されなければならない。実際に、これらのヨウ素イオンは、異なる供給源が起源であり、腐蝕金属のヨウ化物で代表される塩により一部が導入される。特許FR2750984及び特許出願WO00/27785では、ヨウ素イオンとイリジウムのモル比を10未満に保持することを提案している。
【0021】
上述したように、メタノール又はそのカルボニル化し得る誘導体の1種のカルボニル化による酢酸の製造を目的とする連続的製造方法の場合、腐蝕金属の濃度とヨウ素イオンの濃度との両方の異なる影響(触媒系に依存する)を考慮して、ロジウムに基づく触媒系から、イリジウムを相当多く含有するロジウムに基づく、又は、イリジウムのみに基づく触媒系に変更することを希望する当業者にこれまで予見されていた唯一の解決法は、反応溶媒を変更するため、特に腐蝕金属及びヨウ素の濃度を、新規の触媒系を用いる製造方法の充分な稼働を妨げない値に調節するために、装置を止めることである。
【0022】
しかしながら、あらゆる予期に反して、本発明の発明者らは、装置を停止することなく、当初はロジウム系の触媒によって触媒作用を受け、かつ、モンサント(Monsanto)技術で既知の通常の組成、すなわち、数千ppmの腐蝕金属、酢酸からなる残留物の存在下、少なくとも14%の水、多くとも15%のヨウ化メチル、多くとも2%の酢酸メチル、及び、数百ppmのロジウムを含有する反応媒体を有するカルボニル化反応媒体に、イリジウム系の触媒を均一的及び漸進的に添加することにより触媒の組成を変化させることが可能であることを開示している。
【0023】
本発明は、ゆえに、酢酸の製造を目的とする通常の工業的プロセス、又は、モンサント(Monsanto)型製造方法において、
−ロジウムのみからなる触媒系からロジウム+イリジウムからなる触媒系への変化を実施するために製造を停止することなく、
−反応媒体、特に、生来存在するヨウ素イオン、及び、腐蝕金属の組成を大きく変更することなく、
−触媒系の安定性を減ずることなく、
−カルボニル化速度、及び、故に製造方法の生産性を維持又は改良すると同時に、
−そして、蒸留物を貯蔵するエネルギーを供給するため、反応媒体の含水率を減少させることにより製造コストを削減すると同時に、
ロジウムにより触媒作用を及ぼし、イリジウムを用いてロジウムを少なくとも部分的に置換することにより触媒系を変更することを提案する。
【0024】
また、他の効果は、以下の詳細な記載からよりはっきりと明確になる。
触媒系が、特に円滑な方法で、装置を停止させることなく変更されることが特に明らかになり、このことが、反応媒体を変更するための装置の完全な停止を回避することができるので、第一の経済的効果を示す。イリジウムを豊富にすることを目的とする触媒系のこの変更の過程において、含水率を相当減少し得ることもまた明らかになり、このことが、本発明の製造方法の第二の重要な経済的効果を構成する。更に、反応媒体の含水率の変更は、工業的条件下で、初期のカルボニル化と同時に蟻酸メチルの異性化反応が行われ、上記異性化反応もまた酢酸及び/又は酢酸メチルの形成を導く、ということを予見することができ、又は、同様に蟻酸メチル異性化反応のみの酢酸及び/又は酢酸メチルの生産を制限することができ、全てのこれらの変更は、装置を停止することなく実施され、重要な経済的効果を示す。
【0025】
このように、これら不可欠な特徴の一つによれば、本発明は、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造を目的とする連続的な製造方法であって、メタノール、又は、ジメチルエーテル、ハロゲン化メチル若しくは酢酸メチル等のカルボニル化し得るメタノール誘導体のカルボニル化のための連続的な工業的プロセス(初期のプロセスという)用の装置の連続的な運転の間、均一な液相中、及び、一酸化炭素圧下、ロジウム系の均一触媒及びハロゲン化助触媒からなる触媒系の存在下、及び、反応媒体中に14%以上の濃度の水の存在下、イリジウム化合物を時間をかけて添加することにより上記均一触媒の組成を徐々に変更することを特徴とするものである。
【0026】
本発明の製造方法は、ゆえに、製造プロセス(初期のプロセスという)で用いられる触媒系の組成が、時間をかけて徐々に変化することにあり、モンサント(Monsanto)製造方法、すなわち、ロジウム含有均一触媒の存在下、圧力下、液相中でのメタノール又はカルボニル化し得るメタノール誘導体のカルボニル化により、酢酸及び/又は酢酸メチルが連続的に製造される製造方法に由来する。
【0027】
本発明の製造方法は、ゆえに、以後変更段階と呼ぶ必須段階からなり、触媒系の変化を実施するためのいかなる方法においても、イリジウム系の化合物を添加することにより触媒系を変更する間、製造を停止する必要なく、すなわち、装置を停止する必要なく、装置を空にする必要なく、及び、装置を水洗、掃除又は調整する必要がない。
【0028】
本発明の製造方法は、上述したように、ロジウム系の均一触媒及びハロゲン化助触媒、後者は特にヨウ化メチルからなる触媒系を初期に操作するモンサント(Monsanto)製造方法に由来するあらゆる初期のプロセスに適用される。
【0029】
モンサント(Monsanto)型のあらゆるシステムのように、この開始システムは、水の含有量が14%以上である反応媒体で機能する。
【0030】
本発明による製造方法の変更段階は、目標とする触媒系の組成に従って変化するであろう期間を延長することができ、平均して、数カ月の期間を約5年に延長することができる。
【0031】
本発明の製造方法の変更段階の終了は、ロジウムのみにより触媒作用を受ける系から、ロジウム及びイリジウムの混合物に基づく均一触媒により触媒作用を受ける系、又は、イリジウムのみにより触媒作用を受ける系に変更することを可能にする。
【0032】
製造方法の変更段階の終了は、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造を目的とする製造方法の生産性及び反応速度の両方を改良するため、本明細書の「実施例」の節で実施している形式の予備試験、及び、変更段階の間に得られた結果の両方に基づいて、当業者が容易に決定することができる。
【0033】
このようにして、この変更段階の後、酢酸及び/又は酢酸メチルの連続的製造は、変更段階において変更された触媒系の組成を維持しながら、更に継続することができる。この新しい段階を、以後、安定段階と呼ぶ。
【0034】
変更段階に続くこの段階において、反応媒体中のロジウム及びイリジウムの濃度は、従来の当該技術の方法において、製造操作を継続する間の触媒の損失、及び、特に工業的プロセスにおいて様々な再生利用操作が行われているにもかかわらず、回避することが困難である触媒のエントレインメントに起因し得る損失を補填するために、ロジウム化合物及び/又はイリジウム化合物を添加することにより維持される。
【0035】
ロジウムのみ(又はイリジウムのみ)により触媒作用を受けるカルボニル化プロセスにおいて、ロジウム(又はイリジウム)をより多くの回数、又は、より少ない回数添加することにより、反応ゾーンにおける触媒活性を維持又は調節することは、一般的、慣用的である。これらの添加は、例えば、フラッシュゾーン並びに蒸留/精製ゾーンで通常行われている気化操作及び蒸留操作における、不溶物(不活性触媒)を原因とする、又は、小胞のエントレインメントを原因とする触媒の欠損を補填するために、反応媒体中での活性触媒の濃度を一定に保持することを意図している。
【0036】
本発明の場合、変更段階の間のイリジウム化合物の様々な添加は、種々の方法、特に、一貫した方法又は非一貫した方法で、かつ、連続的又は回分的に実施することができるが、どの方法も製造を停止する必要がない。
【0037】
本発明のある変形では、添加は、事前に溶解したイリジウムの形態、特に、反応媒体と相性がよいいかなる溶液に溶解したイリジウムの形態で達成される。この変形は、工業的規模で実施することが非常に容易であるので、特に有益である。溶液は、イリジウム(金属、酸化物又は水酸化物、錯塩等)により触媒作用を受ける製造方法において通常用いられる固形の化合物から調製することができる。この溶解化は、当業者に知られており、かつ、当該技術の規則と整合した方法のいかなるものによっても達成することができ、特に、カルボニル化反応で有用な、注入し得る触媒溶液を直接調製する方法が記載されている特許EP0657386及びEP0737103に記載されたような製造方法を用いることにより実施することができる。
【0038】
好ましくは、従来のカルボニル化プロセスにおいて、ロジウムを溶解化するために用いた工業装置に適合するイリジウム溶解化手順が一般的に与えられる。
【0039】
他の変形では、イリジウム化合物は、反応媒体の系中で溶解する固形のイリジウム誘導体の形態で導入することができる。
【0040】
このような場合、イリジウム誘導体は、反応装置に直接導入され、かつ、その溶解化及び触媒的な活性種の合成は、ハロゲン化助触媒、特にヨウ化メチルの存在下、一酸化炭素圧下の反応溶媒中で生じる。
【0041】
このように、あらゆる場合において、結末は、ロジウム若しくはイリジウム又は両方を一時に添加することにより反応媒体中の濃度を常に調節することができる、ロジウム及びイリジウムの混合物により触媒作用を受けるカルボニル化反応である。
【0042】
上述したように、イリジウム化合物は、種々の物理的形態で反応媒体中にこのように導入することができる。
【0043】
導入も、また、種々の変形に従って、行うことができる。
第1の変形では、初期のプロセスで実施されるより多くの回数、又は、より少ない回数のロジウムの添加は、変更期間を通してイリジウムの添加に対応する単なる置き換えである。
【0044】
ゆえに、この変形では、イリジウム化合物は、ロジウムの損失を補填するために添加され、損失したロジウムは、イリジウムに置換される。
【0045】
別の変形では、イリジウム化合物は、連続的に添加される。
さらに別の変形では、イリジウムは、回分的に添加される。
【0046】
あらゆる場合において、上述したように、予備試験、並びに、反応速度及び系の生産性を評価することは、いつ変更段階を停止して、決定したIr/Rhモル比で触媒系を安定させる安定段階に変更するかを決定することを可能にする。
【0047】
イリジウム化合物の導入を目的とする様々な変形において、一旦触媒系で望ましい比が達成されると、ロジウム及び/又はイリジウム化合物を添加することにより、反応媒体中のロジウム及びイリジウムの濃度を、維持又は調整してもよい。
【0048】
本発明の特に有益な変形において、反応媒体中のロジウム及びイリジウム濃度を維持及び/又は調整するためにロジウム及びイリジウムの両方を添加することが必然であることを証明する場合、これら2つの金属触媒は、これらを含有する事前に調製された溶液の形態で同時に導入される。このような技術は、多数の利点、特にシステム・エンジニアリング(system engineering)を単純にし、かつ、コストを削減するという利点を有し、ロジウム及びイリジウムを同時に添加することが可能であることにより、2つの別々の触媒溶液を調製すること、及び、それらを反応媒体中に別々に導入することの必要性を未然に防止する。
【0049】
触媒溶液は、ロジウム及びイリジウムが、ロジウム化合物及びイリジウム化合物から共同かつ同時に溶解する触媒溶液の形態で、ロジウム及びイリジウムの同時添加が可能ないかなる方法によって調製されてもよい。
【0050】
本発明の発明者により行われた実施例から、ロジウム及びイリジウム、特にヨウ化ロジウム及びヨウ化イリジウムの形態での同時溶解を、ヨウ化ロジウムのみのモンサント(Monsanto)製造方法に記載されている形式の従来条件のもとで実施し得ることが明らかである。
【0051】
一般的な条件では、触媒系の変更段階及び安定段階の両方において、ロジウム及びイリジウムのモル濃度は、反応媒体中、ロジウム0.1〜50mmol/L、及び、イリジウム0.1〜25mmol/Lで有利に維持される。
更に、イリジウム/ロジウム原子比は、1/99〜99/1の値で有利に維持される。
【0052】
上述したように、イリジウムが均一触媒系に存在する唯一の金属となるまで、変更段階においてイリジウム化合物を添加し続けることも可能である。
【0053】
本発明の製造方法は、温度が150〜250℃の値で維持され、合計圧力が5×10Pa〜200×10Paである反応ゾーンI、及び、反応ゾーンIで生じた生成物が反応ゾーンIにおける一般的な圧力より低い圧力で部分的に気化するフラッシュゾーンIIからなる装置で行われる、このフラッシュゾーンIIで生じた気化していない部分は、反応ゾーンIで再生利用され、気化した部分は、形成された酢酸及び/又は酢酸メチルの分離/蒸留/精製により、ゾーンIIIで精製され、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造を目的とする連続的製造方法に特に適用することができる。
【0054】
イリジウム化合物の様々な注入は、物理的な形態に関係なく、特に3つの主要ゾーンからなる上述した型の装置の様々な位置で、上述したような様々な方法で実施することができる。
【0055】
ある変形では、イリジウム化合物は、固形又は溶液で、反応ゾーンIの反応媒体中、フラッシュゾーンIIの気化していない部分中、又は、上記気化していない部分をゾーンIIからゾーンIに再生利用するためのライン中に直接導入することができ、最後の変形が好ましい。
【0056】
イリジウム化合物は、故に、ゾーンIの反応媒体中に、又は、ゾーンII若しくはIIIから反応ゾーンIに再生利用される流れの中に、直接注入することができる。
【0057】
上述したように、腐蝕金属は、イリジウム添加を行うために、通常以上に除去する必要がない。
【0058】
従来の製造方法の技術の規則では、反応媒体中で超過すべきでない腐蝕金属の含量を5000mg/kg(ppm)の値に定めた。
【0059】
この規則は、また、イリジウム添加、故に、変更段階を通じたカルボニル化プロセスの稼働、また安定段階の間にも適用することができる。
【0060】
この腐蝕金属の濃度は、既にロジウムのみ又はイリジウムのみにより触媒作用を受ける製造方法に広く適用されている、当業者に公知の通常の方法のいかなるもの:
−選択的沈殿、
−液−液抽出、
−イオン交換膜への濾過、
−浸透、
−選択膜上での処理、等
により、5000mg/kg以下の値で維持することができる。
【0061】
既に上述したように、技術及び実施上の利点とは別に、本発明は、装置を空にするため製造を停止し、ロジウムを含有する反応媒体を除去し、かつ、ロジウム+イリジウム、又は、イリジウムのみを含有する様々な特定の反応媒体に置換する従来の方法と比較して、節約及びコストを改良する余裕がある。
【0062】
これは、装置を停止する間の製品損失、ロジウムの損失、又は、正常な状態に戻すための問題、並びに、イリジウム及びロジウムに基づく混合触媒系を用いた新たな装置の稼働が、ロジウムのみを用いた元の装置の稼働とは異なった運転であるという事実に関連する、装置を再起動する際の問題を避けることを可能にする。
【0063】
上述したように、本発明の別の特に有益な利点は、反応媒体の含水率を、一旦イリジウム添加が実施された反応媒体の重量に基づいて、従来の値の14%未満に減らすことができることである。
【0064】
この含水率は、ロジウム+イリジウム混合物により触媒作用を受けるカルボニル化プロセスの動作特性を減少することなく、5%未満の値まで減らすことができるようである。
【0065】
実際に、当業者は、ロジウムのみを含有する従来の反応媒体の含水率に伴って、カルボニル化速度が増加することを充分承知している。カルボニル化反応は、特許EP0055618及び刊行物(HJORTKJAER and JENSEN,Ind.Eng.Chem.Prod.Res.Dev.,volume16,no.4,1977,281−285)で指示されているように、水の濃度がほぼ14〜15%(10mol/l)程度の値で最大に達し、含水率が14又は15%を超える場合でも、一定に留まる。ロジウム及びイリジウムに基づく触媒系である場合、含水率を減少する本発明により与えられる可能性は、ロジウムを用い含水率14%で得られるのと同じカルボニル化速度を維持する間、生成された酢酸及び/又は酢酸メチルの分離/蒸留/精製を目的とするゾーンIIIで水を除去する燃料コストの相当な減少を生じる。
【0066】
反応媒体の含水率をより低くすることができること、特に、上記反応媒体の重量基準で5重量%未満の値まで減少することができることの更なる利点は、メタノールのカルボニル化に加えて、一酸化炭素圧下で同時に起こる蟻酸メチル異性化反応による、酢酸及び/又は酢酸メチルの相補的な製造を予見することができることである。このことは、特に、追加の一酸化炭素を要求しない現在の装置で酢酸の製造を増加すること、及び、蒸留段階で多くのエネルギーを節約することを可能にする。
【0067】
このように、反応媒体中の水の濃度の値が、反応媒体の重量基準で、5重量%以下の値に下がるとすぐに、国際特許出願WO97/35828から明らかなように、反応媒体に蟻酸メチルを容易に導入すること、及び、メタノール又はカルボニル化し得る誘導体のカルボニル化反応と一酸化炭素下での蟻酸メチル異性化反応とを同時に行うことが可能である。
【0068】
これらの条件のもと、一酸化炭素圧下での蟻酸メチル異性化のみが生起する系に変更するため、反応媒体中へのメタノール又はカルボニル化し得るメタノール誘導体の導入を徐々に停止することさえ可能である(国際特許出願WO97/35829から明らかである)。
【0069】
最終的に、当初はロジウムに基づく触媒系が、本発明、すなわち、特に円滑な条件のもとで、ロジウム及びイリジウムの混合物に基づく触媒系、又は、もっぱらイリジウムのみからなる同様な触媒系に変換することによって変更される場合、特許出願WO00/27785に記載された利点を与える割合のイリジウム及び白金からなる均一触媒の存在下、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造を目的とする製造方法に次第に変化させるため、白金化合物の漸進的な導入を目的としてこの触媒系を変更することも可能であることが明らかである。このような場合、白金濃度は、反応媒体1リットルあたり1〜25ミリモルの値で有利に保持される。
【0070】
実施例
一連の実験は、合成溶液(カルボニル化反応媒体を再構成したもの)と、触媒系の組成及び/又は腐蝕金属の濃度及び/又は水の濃度を除いて、一連のシリーズの間であらゆる点で同一である実際の工業用カルボニル化反応媒体(反応ゾーンIのカルボニル化反応装置から直接採取した50ml試料)とで行った。
【0071】
特に明記しない限り、触媒(Rh又はIr)の量は、〔Rh〕又は〔Ir〕で示され、ミリモル(mmol)で表した。
【0072】
これら様々な一連の実験の結果は、10分間の反応時間(Rcarb10′)の後に計測された一酸化炭素消費量に基づいて計算されたカルボニル化速度として各実験について得られ、形成されたアセチルラジカル(酢酸+酢酸メチル)の量と対応する。Rcarbは、1時間当たりの最終反応媒体のmol/リットル=mol/(l.h)で表した。
【0073】
触媒系の安定性は、金属沈殿又はメタルブラック(metal black)の有無に関して、最終反応混合物−室温まで冷却し、大気圧まで減圧した後−の観察により評価した。
【0074】
1.標準的な手順
1.1合成溶液のための手順
・触媒溶液の調製
ヨウ化ロジウム、ヨウ化イリジウム、腐蝕金属、純酢酸9g及び水3gを、100mlHastelloy(登録商標)B2オートクレーブに導入した。オートクレーブを、室温で絶対圧力5barの一酸化炭素圧下に置いた。温度を、約1時間かけて190℃まで上昇させ、混合物を自生圧下(10bar)、190℃で10分間放置した。
【0075】
・カルボニル化反応(後で早急に実施)
オートクレーブの上部に位置する貯蔵部から、水、ヨウ化メチル、酢酸メチル、酢酸及びメタノールからなる混合物を一酸化炭素圧下に注入した。合成反応媒体の組成は、メタノールを除いて、以下の通りであった:水14%、ヨウ化メチル9%、酢酸メチル2%、ロジウム、イリジウム及び腐蝕金属は、実験ごとで異なり、酢酸は合計して100%。合成反応媒体の重量は、メタノールを除いて、約56〜57gであり、添加されたメタノールは、この重量の10%、すなわち、5.6gに相当した。
【0076】
温度を再び190℃まで上昇し、絶対圧力30bar、190±0.5℃で10分間、一酸化炭素を注入してカルボニル化反応を行った。オートクレーブを冷却して空にし、金属沈殿の有無に注目した。
【0077】
・表中のデータ表示
触媒、ロジウム及びイリジウムの濃度は、実験反応媒体における適切な金属のミリモルで表した。
腐蝕金属〔CorMet〕は、金属ヨウ化物又は金属カルボニルの形態で導入し、合計濃度は、メタノール(56〜57g)を除いた反応媒体の重量基準で、mg/kg(ppm)で表した。腐蝕金属の重量による内訳は、以下の通りである:
鉄:20%;ニッケル:30%;クロム:20%;モリブデン:30%。
【0078】
1.2工業用反応媒体のための手順
・カルボニル化反応媒体の調製
ロジウムのみによる触媒作用下の、メタノールのカルボニル化を目的とする工業用反応装置における分析的試料採取位置で、50ml試料を漏出のない瓶に採取し、室温の暗所で保存した。分析的試料採取位置は、反応装置−ゾーンI−と反応装置に近いフラッシュゾーン−ゾーンII−を結合するライン上に位置する(試料は、DOPAK(登録商標)方式により漏出のない条件下で採取した)。50ml工業用反応媒体を、100mlHastelloy(登録商標)B2オートクレーブに導入した(すなわち、約56〜57g)。
【0079】
工業用反応媒体は、以下の組成を有する:水14%、ヨウ化メチル9%、酢酸メチル2%、ロジウム600mg/kg、腐蝕金属(工業設備を構成する物質の腐蝕により、工業用反応媒体に生来存在する)5000mg/kg(鉄1000、ニッケル1500、クロム1000、モリブデン1500mg/kg)、酢酸が合計して100%。ヨウ化イリジウムの導入は、実験ごとに変えた。
【0080】
オートクレーブを閉じ、室温で絶対圧力5barの一酸化炭素圧下に置いた。
混合物を、自生圧下(10bar)、1時間かけて190℃まで加熱し、190℃で10分間放置した。次いでメタノール約5.6g(すなわち、反応混合物の約10%)を、一酸化炭素圧下で貯蔵部から添加した。混合物を190℃まで上昇させ、絶対圧力30bar、190±0.5℃で10分間、一酸化炭素を注入してカルボニル化反応を行った。オートクレーブを冷却して空にし、金属沈殿の有無に注目した。
【0081】
・表中のデータ表示(上記1.1を参照)
【0082】
2.合成溶液での実験
2.1腐蝕金属の濃度ゼロ
これらの実験は、1.1で定めた標準的な手順を適用することによって行った。
これらの実験は、腐蝕金属が無い状態(〔CorMet〕=0)で行われ、以下の〔CorMet〕>0である実験で参照目的(reference purposes)に用いるための比較実験として斟酌した。それにも関わらず、これらの実験は、0.33〜0.34ミリモルの一定のロジウム濃度に対してイリジウムの添加を0〜0.8ミリモル増加することの影響を示している。カルボニル化速度は、Rh/Irモル比100/0〜70/30で5〜6mol/l.hで一定であり、Rh/Irモル比50/50〜30/70で7.5〜10mol/l.hに増加した。
【0083】
Rh+Irの存在する実験は、Rhのみが働く触媒系に対して、触媒系の非常に優れた安定性−金属沈殿が無いこと−を示した。
条件及び結果は、添付の表1に整理した。
【0084】
2.2腐蝕金属の濃度0〜4000mg/kg
これらの実験は、1.1で定めた標準的な手順を適用することによって行った。
Rh/Irモル比100/0〜30/70各々に対して、腐蝕金属の濃度0〜4000mg/kgにわたって調査した。
実施された様々な実験の全ての条件及び結果は、添付の表2に整理した。
〔CorMet〕=0で行われた全ての実験は、比較実験である。
【0085】
2.2.1〔Rh〕=定数;〔Ir〕=変数とした実験
・Rh/Irモル比=100/0;〔Rh〕=0.33〜0.34mmol;〔Ir〕=0
本発明の範囲外である比較実験は、〔Ir〕=0であることから、参照目的に用いられる。
・Rh/Irモル比=90/10;〔Rh〕=0.33〜0.34mmol;〔Ir〕≒0.04mmol
・Rh/Irモル比=80/20;〔Rh〕=0.33〜0.34mmol;〔Ir〕≒0.08〜0.09mmol
・Rh/Irモル比=70/30;〔Rh〕=0.33〜0.34mmol;〔Ir〕≒0.14mmol
・Rh/Irモル比=50/50;〔Rh〕=0.33〜0.34mmol;〔Ir〕≒0.33mmol
・Rh/Irモル比=30/70;〔Rh〕=0.33〜0.34mmol;〔Ir〕≒0.8mmol
【0086】
以下の結論は、全ての実験から引き出すことができる:
→Rh/Irモル比90/10〜50/50(除外)に関して、Rh+Irからなる系のカルボニル化速度は、Rhのみからなる系(Rh/Ir=100/0)のカルボニル化速度に比例して維持され、0〜4000mg/kg(5〜6mol/l.h)の腐蝕金属の濃度にかかわりない。
【0087】
→Rh/Irモル比50/50〜30/70に関して、Rh+Irからなる系のカルボニル化速度は、腐蝕金属の濃度が0〜4000mg/kg(Rh/Ir=50/50で7.5〜5.5mol/l.h、Rh/Ir=30/70で10〜8mol/l.h)に増加するにつれて、減少した。
【0088】
→触媒系の安定性:
ロジウムのみの実験では、腐蝕金属の濃度が4000mg/kgである場合を除いて、金属沈殿が存在した。
Rh+Irの存在下で行われた全ての他の実験では、腐蝕金属の濃度にかかわらず、金属沈殿がなかった。
【0089】
2.2.2〔Rh〕+〔Ir〕=定数=0.33〜0.34mmolとした実験
・Rh/Irモル比=100/0;〔Rh〕は、〔Ir〕=0であるので、この場合もやはり比較実験の参照系である。
・Rh/Irモル比=70/30;〔Rh〕≒0.23mmol;〔Ir〕≒0.11mmol
・Rh/Irモル比=50/50;〔Rh〕≒0.165mmol;〔Ir〕≒0.166mmol
・Rh/Irモル比=30/70;〔Rh〕≒0.10mmol;〔Ir〕≒0.23mmol
【0090】
以下の所見を得た:
→Rh/Irモル比70/30〜50/50(除外)に関して、Rh+Irからなる系のカルボニル化速度は、仮に腐蝕金属の濃度が0〜4000mg/kgに増加したとしても、Rh+Irからなる系のカルボニル化速度は、わずかに減少するのみである(又は、少なくとも、参照実験でRh/Ir=100/0を超えることによっては減少しない)。
【0091】
〔CorMet〕を0〜4000mg/kgに変更することによる、カルボニル化速度のこのわずかな減少は、Rh/Ir=100/0で5%、70/30で12%、50/50で0%、そして、Rh/Ir=30/70である実験では33%であると推定される。
【0092】
→触媒系の安定性:
パラグラフ2.2.1におけるものと同じ所見。
【0093】
3.工業用反応媒体での実験
これらの実験は、1.2で定めた標準的な手順を適用することによって行った。
3.1導入するメタノール量の最適化
比較実験(イリジウムなし)のこのシリーズにおいて、添加するメタノールの量(標準的な手順では反応媒体の10%)を、5〜15%の間で変えた。他のパラメータは全て同じであり、特に〔Rh〕=0.33〜0.34mmol、〔CorMet〕=5000mg/kg、そして、〔水〕=14%であった。7mmol/l.hのカルボニル化速度最大値は、メタノール添加が10%の場合に得られ、メタノール添加量が12又は15%に増加した場合、ごくわずかに減少した(6mol/l.h)。
これらの実験の条件及び結果は、表3−1に記録した。
【0094】
3.2〔Rh〕=定数;〔Ir〕=変数とした実験
この実験のシリーズにおいて、結果及び条件は、下記の表3−2に整理し、イリジウムの増加量を、一定組成、特に、〔水〕=14%、〔CorMet〕=5000mg/kg及び〔Rh〕=0.33〜0.34mmolである初期の工業用反応媒体に添加した。
【0095】
Rh/Irモル比は、イリジウムの増加量を添加することにより、調整した:
・Rh/Ir=100/0:比較実験(イリジウムなし)
・Rh/Ir=90/10、80/20、70/30、50/50及び30/70:本発明に準じる実験
注記1:同じRh/Ir比での実験は、通常、二重である。
注記2:実験602(Rh/Ir=30/70)では、添加されたメタノール10%は、酢酸メチル25%に入れ替わり、Rcarb上の影響は、観測されなかった。
【0096】
→イリジウムの増加量は、製造物の欠損又は触媒系の安定性の欠損なしで、実際の工業用反応媒体(従来、触媒はロジウムのみ)に添加することができる。
・Rhのみでカルボニル化速度(6〜7mol/l.h)は、Rh/Irモル比が50/50、又は、Rh/Ir=30/70に改良されるまで、維持される(Rcarb=8〜8.5mol/l.h)。
・Rh/Irモル比が、100/0〜30/70であるにも関わらず、金属沈殿は、観察されない。
【0097】
3.3水の濃度及びRh/Ir比の影響
標準的な手順1.2の以下の変形が適用される:
必須の実験については、水の濃度は、初期の水の濃度14%(14−x%)及び50mlの工業用反応媒体の初期試料に基づいて計算された量の無水酢酸を導入することにより、x%(x=12%、10%、8%又は6%)に調整する;この量の無水酢酸は、オートクレーブの閉鎖及び5barの一酸化炭素圧の適用の前に、実験を開始してすぐに全て反応媒体50mlに導入する。標準的な手順は、この後に続ける。
【0098】
これら4シリーズの実験において、反応媒体の初期の組成は、〔CorMet〕=5000mg/kgと、実際面で、触媒濃度〔Rh〕+〔Ir〕=0.33〜0.44ミリモルとが、一定に保持される(第4シリーズ−実験734〜739−において、反応媒体の量が43ml/48gに減少したので、添加したメタノールは、4.8gであると指摘する。)。
実験の条件及び結果は、添付した表3−3に整理した。
【0099】
・Rh/Irモル比=100/0;〔Rh〕=0.33〜0.34mmol;〔Ir〕=0
本発明の範囲外である比較実験は、〔Ir〕=0であることから、参照目的として用いられる。
・Rh/Irモル比=90/10;〔Rh〕=0.33〜0.34mmol;〔Ir〕≒0.04mmol
・Rh/Irモル比=80/20;〔Rh〕=0.35〜0.36mmol;〔Ir〕≒0.09mmol
・Rh/Irモル比=70/30;〔Rh〕=0.23〜0.24mmol;〔Ir〕≒0.10mmol、すなわち、〔Rh〕+〔Ir〕=0.33〜0.44mmol
【0100】
これらの様々な実験は、〔Rh〕+〔Ir〕の値が実際面で一定であり、特に、〔Rh〕+〔Ir〕の値が0.33〜0.34mmolで一定である、Rh/Ir=100/0及び70/30であるシリーズに関しては、直接比較することができる。
【0101】
以下の全体的な結論を記載することができる:
→Rh/Irモル比が100/0〜70/30であることに関わらず、含水率の減少は、どのシリーズに関してもカルボニル化速度の減少という結果になる。
→実際面で、各々の水の濃度に対して、カルボニル化速度は、以下の規則に従って増加する:
Rh/Ir=100/0≦Rh/Ir=90/10≦Rh/Ir=80/20<Rh/Ir=70/30
→14%から12%又は10%への水の濃度の減少は、カルボニル化速度のごくわずかな減少のみにより生じる:Rcarb(Rh/Ir=70/30、水=12%)=Rcarb(Rh/Ir=100/0、水=14%)
→カルボニル化速度の点、又は、Rh+Irからなる触媒系の安定性(金属沈殿なし)の点のいずれにも、イリジウムの添加が増加している5000mg/kgの腐蝕金属の存在の明らかな(否定的な)影響はない。
【0102】
4.ロジウム及びイリジウムの同時溶解
これらの実施例は、ヨウ化ロジウムのみを用いるモンサント(MONSANTO)製造方法に記載されている型の従来の条件に由来する条件下で、ロジウム及びイリジウム−ヨウ化ロジウム及びヨウ化イリジウムの形態で−の同時溶解について記載している。結果として得られる溶液は、カルボニル化反応媒体へのこれら2つの触媒−Rh及びIr−の同時添加を実施することに適した触媒溶液である。
【0103】
ヨウ化ロジウム、ヨウ化イリジウム、水及び酢酸を、操作条件を示した表4−1に示す量で100mlHastelloy(登録商標)B2オートクレーブに導入する。オートクレーブを室温、一酸化炭素圧下に置いて110℃まで加熱し、圧力を、一酸化炭素を含めて5×10Pa(5bar)に調整及び維持し、特別実験により、反応を110℃で5〜8時間続けた。
【0104】
オートクレーブを冷却し、触媒溶液を回収して、漏出が無いこと、かつ、その結果実験が有効であることを検証するために、重量を測定した。
沈殿の有無、並びに、原子吸光分析法によりロジウム及びイリジウムの濃度を明らかにするために、触媒溶液を分析した。
【0105】
また、金属沈殿の有無を検証するため、オートクレーブを検査した。これらの様々な分析結果を表4−2に示す。
触媒溶液の透明な外観は、理論的な濃度及び最終的に得られる溶液の分析により測定した濃度の比較と合わせて、ロジウム及びイリジウムが完全に溶解していることを証明する。
ゆえに、濃縮された触媒溶液−950mg Rh/kg溶液及び950〜2600mg Ir/kg溶液(実験780、787及び785)−、又は、非常に濃縮された触媒溶液−1重量%のRh及び1.4重量%のIr(実験788)を調製することができる。
【0106】
【表1】
Figure 2004536035
【0107】
【表2】
Figure 2004536035
【0108】
【表3−1】
Figure 2004536035
【0109】
【表3−2】
Figure 2004536035
【0110】
【表3−3】
Figure 2004536035
【0111】
【表4−1】
Figure 2004536035
【0112】
【表4−2】
Figure 2004536035

Claims (21)

  1. 酢酸及び/又は酢酸メチルの製造を目的とする連続的な製造方法であって、メタノール、又は、ジメチルエーテル、ハロゲン化メチル若しくは酢酸メチル等のカルボニル化し得るメタノール誘導体のカルボニル化のための連続的な工業的プロセス(初期のプロセスという)用の装置の連続的な運転の間、均一な液相中、及び、一酸化炭素圧下で、ロジウム系の均一触媒及びハロゲン化助触媒からなる触媒系の存在下、及び、反応媒体中に14%以上の濃度の水の存在下、時間をかけてイリジウム化合物を添加することにより前記均一触媒の組成を徐々に変更することを特徴とする製造方法。
  2. 変更された触媒系の組成を維持しながら、酢酸及び/又は酢酸メチルの連続的な製造を更に継続することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. ロジウム化合物若しくはイリジウム化合物又は両方を一度に添加することにより、反応媒体中のロジウム及びイリジウムの濃度を維持することを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 溶液中にロジウム及びイリジウムを含有する触媒溶液を用いてロジウム及びイリジウムを同時に添加することにより、反応媒体中のロジウム及びイリジウムの濃度を維持することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. 前記イリジウム化合物の添加を、事前に溶解したイリジウムの形態で実施することを特徴とする請求項1〜3の1項に記載の製造方法。
  6. 添加したイリジウム化合物の溶解に用いられる手順が、従来のカルボニル化製造方法で用いられている装置及び製造方法に適合することを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. 前記イリジウム化合物の添加を、反応媒体の系中で溶解する固形のイリジウム誘導体の形態で実施することを特徴とする請求項1〜4の1項に記載の製造方法。
  8. ロジウムの欠損を補填するために前記イリジウム化合物の添加を実施し、損失したロジウムをイリジウムに入れ替えることを特徴とする請求項1〜7の1項に記載の製造方法。
  9. 前記イリジウム化合物の添加を、連続的又は回分的に実施することを特徴とする請求項1〜8の1項に記載の製造方法。
  10. 反応媒体中で維持されるロジウム及びイリジウムのモル濃度が、それぞれ0.1〜50mmol/l及び0.1〜25mmol/lであることを特徴とする請求項1〜9の1項に記載の製造方法。
  11. イリジウム/ロジウム原子比を、1/99〜99/1の値で保持することを特徴とする請求項1〜10の1項に記載の製造方法。
  12. 前記イリジウム化合物の添加を、イリジウムが均一触媒系に存在する唯一の金属になるまで実施することを特徴とする請求項1〜9の1項に記載の製造方法。
  13. 温度が150〜250℃の値で維持され、合計圧力が5×10Pa〜200×10Paである反応ゾーンI、及び、反応ゾーンIから来る生成物が反応ゾーンIにおける一般的な圧力より低い圧力で部分的に気化するフラッシュゾーンIIからなり、フラッシュゾーンIIで生じた気化していない部分を反応ゾーンIで再生利用し、形成された酢酸及び/又は酢酸メチルの分離/蒸留/精製により、気化した部分をゾーンIIIで精製することからなる装置で行うことを特徴とする請求項1〜12の1項に記載の製造方法。
  14. 前記イリジウム化合物の添加を、反応ゾーンIの反応媒体への注入により実施することを特徴とする請求項13記載の製造方法。
  15. イリジウム化合物の前記添加を、ゾーンII又はIIIから反応ゾーンIに再生利用される流れへの注入により実施することを特徴とする請求項13記載の製造方法。
  16. 反応媒体中の腐蝕金属の濃度を、5000mg/kg以下に保持するために観測することを特徴とする請求項1〜15の1項に記載の製造方法。
  17. 反応媒体の含水率を、反応媒体の重量基準で14重量%未満の値に減らすことを特徴とする請求項1〜16の1項に記載の製造方法。
  18. 反応媒体中の水の濃度を、反応媒体の重量基準で5重量%未満の値で保持することを特徴とする請求項17記載の製造方法。
  19. 蟻酸メチルを反応媒体に導入し、メタノール又はカルボニル化し得るメタノール誘導体のカルボニル化、及び、蟻酸メチル異性化反応を、一酸化炭素圧下で同時に行うことを特徴とする請求項18記載の製造方法。
  20. 一酸化炭素圧下での蟻酸メチル異性化のみが生起する系に変更するため、メタノール又はカルボニル化し得るメタノール誘導体の反応媒体への導入を徐々に停止することを特徴とする請求項18又は19記載の製造方法。
  21. 時間をかけた白金化合物の添加により均一触媒の組成の漸進的な変更を目的とする工程を更に含み、白金の濃度を反応媒体1リットル当たり1〜25mmolの値で保持することを特徴とする請求項1〜20の1項に記載の製造方法。
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