JP5198075B2 - 触媒安定剤として少なくとも1種の金属塩を組み込む酢酸製造方法 - Google Patents

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Description

開示の分野
本発明は、ロジウム基体の触媒系を使用する酢酸を製造するための方法に関する。
背景情報
大量の市販の酢酸は、液体反応混合物中、アルキルアルコール、特に、メタノールおよびその誘導体と一酸化炭素とのカルボニレーションによって製造される。このようなカルボニレーション反応は、概して、触媒、多くは、VIII族金属触媒、例えば、ロジウムおよびイリジウム;ハロゲン含有触媒促進剤、例えば、ヨウ化メチル;および、水の存在で行われる。Paulik et al.に対するU.S.特許3,769,329は、ハロゲン含有触媒促進剤、例えば、ヨウ化メチルとともに、液体反応混合物中または不活性固体上に支持された溶解されるかあるいは分散されたロジウム基体のカルボニレーション触媒の使用を開示している。Paulik et al.に対するU.S.特許3,769,329は、反応混合物に水を添加すると、反応速度に及ぼす有益な効果を発揮し、反応混合物の14wt%より高い水濃度が典型的には使用されることを開示している。これは、“高水(high water)”カルボニレーションプロセスと称されることが多い。
“高水”カルボニレーションプロセスとは別に、Smith et al.に対するU.S.特許5,001,259;Di Gioaccino et al.に対する5,026,908;および、Smith et al.に対する5,144,068に記載されているような“低水(low water)”カルボニレーションプロセスが存在する。反応混合物中14wt%以下の水濃度が“低水”カルボニレーションプロセスにて使用することができる。低水濃度を使用すると、その所望されるカルボン酸の氷酢酸形への下流処理が単純化される。反応流中に存在する水が多いほど、生成物酢酸から水を除去する操作コストが高くなり、製造物回収および精製装置での資本投下が高くなる。非常に低水濃度で運転する時に達成される効率は、可能な限り低い水濃度で運転するほど魅力的である。
しかし、反応器混合物水濃度が低いほど、操作および固定コストが最小化され、例えば、Smith etal.に対するU.S.特許5,001,259;Di Gioaccino et al.に対する5,026,908;および、Smith et al.に対する5,144,068に説明されているように、触媒の安定性および活性を維持することがより難しい。低水酢酸製造にて、特に、ロジウム基体の触媒を使用するプロセスにて、触媒金属は、反応混合物から沈殿しやすい。触媒の沈殿は、生成物回収系、特に、フラッシャーユニットにて体験されることが多い。著しい触媒の沈殿は、触媒の損失をもたらし、反応速度が低下し、ユニット操作を妨げ、完全に運転停止する。触媒安定性の問題は、触媒安定剤、例えば、溶解性の金属ヨウ化物または第4級ヨウ化物塩の使用によって最小化しうることが公知である。Smith et al.に対するU.S.特許5,001,259;Di Gioaccino et al.に対する5,026,908;および、Smith et al.に対する5,144,068に考察されているように、特に適した塩は、アルカリ金属ヨウ化物が反応混合物中で最も溶解性であり、かつ、熱的に安定であるので、アルカリ金属ヨウ化物、例えば、ヨウ化リチウムである。Smith et al.に対するEP-A-0 161 874は、低い含水率を有する液体反応混合物を使用しつつ、メタノールがカルボン酸誘導体、例えば、酢酸にカルボニレーションされる反応系を記載している。この開示は、これが液体反応混合物中で定まった濃度のヨウ化物塩、アルキルヨウ化物および対応するアルキルエステルの使用によって達成されてロジウム触媒の安定性および系生産性を維持することを説明している。Watsonに対するEP 0 506 240 B1は、IA族およびIIA族元素の1種以上のヨウ化物またはヨウ化水素の酢酸回収系のフラッシャー域への導入を開示している。ヨウ化物の導入は、酢酸の回収で補助するための酢酸に関する水の揮発性を抑制すると言われている。
数種の特許参考文献は、イリジウム触媒系で促進剤として使用されるルテニウム、オスミウム、カドミウム、水銀、亜鉛、ガリウム、インジウムおよびタングステンの使用を開示している。Garland et al.に対するU.S.特許5,510,524;Garland et al.に対するEP 728 726 A1;Baker et al.に対するEP 752 406 A1;Ditzel et al.に対するEP 849 249 A1;および、Williamsに対するEP 849 250 A1を参照。同様に、Muskettに対するU.S.特許6,458,996;Key et al.に対する6,472,558;および、Wattに対する6,686,500;ならびに、Garland et al.に対するEP 643 034 A1は、イリジウム触媒系用の促進剤としてルテニウムおよびオスミウムの使用を記載している。Cheung et al.に対するU.S.公開特許出願2004/0122257は、2wt%未満の水を有する酢酸製造系中のロジウム触媒系との触媒助促進剤として、ルテニウム、タングステン、オスミウム、ニッケル、コバルト、白金、パラジウム、マンガン、チタン、バナジウム、銅、アルミニウム、錫およびアンチモンの塩の使用を開示している。Pooleに対するU.S.特許5,760,279は、ロジウム触媒にマンガン安定剤を組み込むことを開示している。Singleton et al.に対するU.S.特許4,433,166およびSingletonに対する4,433,165およびSingleton et al.に対するEP 0 0 55618は、高水カルボニレーションプロセス中で使用されるロジウム触媒系安定剤として錫の使用を開示している。Stabilization OF Stannous Chloride for Rhodium Complexes Catalyst、Journal of Xiamen University(Natural Science)Vol.5 No4 at pg.488(July 1986)と題する刊行物の英語での要約書もまたロジウム触媒系安定剤としての錫の使用を開示している。ある温度と圧力範囲とを上回るロジウム触媒系安定剤としての錫の使用は、刊行物ZongXuezhang.et al.著The Thermal Stability of Rh(I) Complex Catalyst、in the Carbonylation of Methanol To Acetic Acid,Southwest Res.Inst.Chem.Ind.Naxi,Peop.Rep.China.Cuihua Xuebao(1982),3(2),110-6.CODEN:THHPD3 ISSN:0253-9837に開示されている。ロジウム触媒系安定剤または促進剤としてのルテニウムまたは錫の使用を開示する参考文献のいずれも、反応混合物の3wt%より高い濃度でヨウ化物塩によって提供されるヨウ化物イオンを含む低水系における安定剤の組み込みを何等開示していない。
Poole et al.に対するEP 0 728 727 B1とDitzel et al.に対する等価なU.S.特許5,939,585は、製造のためのアルキルハライド、例えば、ヨウ化物メチルまたは無水カルボン酸および酢酸との組み合わせで生成速度を増加させるための触媒促進剤としてルテニウムまたはオスミウムの使用を開示している。この特許は、無水カルボン酸を製造する時、ヨウ化物助促進剤が、N,N’-ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、または、好ましくは、その溶解度の限度までの濃度、例えば、30wt%ヨウ化リチウムで存在するヨウ化リチウムとして選択しうることを開示している。しかし、酢酸を製造する時、この参考文献は、ヨウ化物助促進剤がヨウ化リチウムであるのがよいが、3wt%未満のヨウ化リチウム濃度でのみ存在する必要があることを開示している。このような助促進剤は、揮発性促進剤種の形成を低下させ、それによって、生成物の回収および精製を促進するであろう。安定剤としてのヨウ化リチウムの使用は記載されておらず、揮発性の抑制剤としてのみ記載されている。しかし、この文献は、ルテニウムまたはオスミウム促進剤が一酸化炭素の低い分圧でロジウム触媒のための安定剤として作用することを指摘している。Pool et al.に対するEP 0 728 727 B1の実験“X”は、ルテニウムまたはオスミウムをオートクレーブ系に入れないと90.7%のロジウムが23時間で沈殿することを開示している。Poole et al.に対するEP 0 728 727 B1の実施例33は、オートクレーブ系中のロジウムカルボニルクロライドダイマー当り20モル当量のルテニウムトリクロライド水和物が含まれると、溶液からのロジウムの沈殿を55.6%ロジウムに低下させることを開示している。
Poole et al.に対するEP 0 728 727 B1の実験Hは、酢酸を製造するための反応混合物へのヨウ化リチウムの添加が反応を一定に保たないことを指摘している。したがって、実験Hに指摘されているように、ルテニウムまたはオスミウムは、ヨウ化リチウム含有反応混合物に添加されなかった。恐らく、低水条件と組み合わさったヨウ化リチウムの認められる速度不安定化効果により、Poole et al.に対するEP 0 728 727 B1は、低水条件下ヨウ化リチウムと組み合わせてルテニウムまたはオスミウムを添加する時、3wt%未満のヨウ化リチウム濃度でのみ行う必要があることを指摘している。
刊行物New Acetyls Technologies from BP Chemicals,Science and Technology in Catalysis 1999,M.J.Howard,et al.,pp.61-68は、刊行物に参考とされているPoole et al.に対するEP 0 728 727 B1に記載されているようなロジウム触媒を使用する低水カルボニレーション系における反応速度を増加させるための促進剤としてのルテニウムの使用の“非商業的な例”を報告している。もう1つの促進剤、例えば、ヨウ化物塩促進剤の触媒安定剤としての使用は、開示されていない。
Gaemers et al.に対する公開されたPCT出願WO 2004/101487およびGaemers et al.に対するWO 2004/101488は、触媒系として多座リガンドを配位したロジウムおよびイリジウム金属を使用する酢酸を製造するための方法を開示している。公開された出願は、促進剤として、ルテニウム、オスミウム、レニウム、カドミウム、水銀、亜鉛、ガリウム、インジウムおよびタングステン化合物を組み込む系を開示している。促進剤とロジウムまたはイリジウムとのモル比0.1:1〜20:1が開示されている。アルキルハライド助促進剤もまた開示されている。また、0.1wt%〜10wt%の水濃度が開示されている。最後に、公開された出願は、アルカリ金属ヨウ化物;アルカリ土類金属ヨウ化物;ヨウ化物イオンを発生しうる金属錯体;および、ヨウ化物イオンを発生しうる塩から選択される安定剤および/または促進剤化合物の“有効量” を組み込むことができることを示している。“有効量”の濃度に関する具体的な情報は、提供されていない。“有効量”という用語は、ルテニウムおよび錫化合物促進剤との関連にて使用するのに適した典型的な技術に開示されているヨウ化物濃度を指すと考えられる。換言すれば、3wt%未満のヨウ化物塩濃度が、ヨウ化物化合物の有効量を表すと考えられる。
要約すると、ある種の参考文献は、触媒促進剤および/または安定剤として種々のルテニウムおよび錫化合物の使用を開示している。しかし、これらの参考文献は、また、ルテニウムおよび錫促進剤および/または安定剤が低レベルのヨウ化物塩触媒助促進剤を組み込む系またはヨウ化物塩助促進剤の全く不在でのみ使用されるべきであることを開示している。
開示の概要
本開示は、ハロゲン促進剤;および、0.1wt%〜14wt%の水濃度を有する反応混合物中3wt%より高いのに等価なヨウ化物濃度でのヨウ化物塩助促進剤に関連したロジウム基体の触媒系の存在でアルキルアルコール、アルキルアルコールの反応性誘導体およびアルキルアルコールの混合物ならびにそれらの反応性誘導体のカルボニレーションにより、酢酸を製造するための方法に係る。本方法は、少なくとも1種のルテニウム塩、錫塩またはそれらの混合物を触媒安定剤として反応混合物に組み込む。本明細書に記載するヨウ化物塩助促進剤の濃度レベルは、安定剤または促進剤、例えば、ルテニウムおよび錫化合物との関連にて使用するのが慣用的に容易であると考えられるよりも高い。
少なくとも1種のルテニウム塩、錫塩またはそれらの混合物は、ロジウム基体の触媒系を安定化させ、酢酸生成物の回収の間、特に、酢酸回収スキームのフラッシャーユニットでロジウムの沈殿を最小とする。ロジウム基体の触媒系の安定性は、なお、酢酸が低い含水率反応混合物中で製造される時にも達成される。安定化金属塩は、金属とロジウムとが約0.1:1〜20:1のモル濃度で酢酸を製造するための反応混合物中に存在するのがよい。金属塩安定剤は、その他の触媒安定剤および触媒促進剤と組み合わせることもできる。
詳細な開示
本開示は、アルキルアルコール、アルキルアルコールの反応性誘導体およびそれらの混合物のカルボニレーションにより酢酸を製造するための方法に関する。特に、本開示は、カルボニレーション反応が生ずる反応混合物の約0.1wt%〜約14wt%の水濃度で生ずるこのようなカルボニレーションプロセスに関する。さらに、本明細書に記載の方法は、ハロゲン触媒促進剤と反応混合物中約3wt%より高いのに等価なヨウ化物濃度でのヨウ化物塩触媒助促進剤の存在で、ロジウム基体の触媒系により触媒されるカルボニレーション反応に関する。最後に、本明細書に記載する方法は、少なくとも1種のルテニウム塩、少なくとも1種の錫塩またはそれらの混合物を反応混合物に組み込み、ハロゲン促進剤およびヨウ化物塩触媒助促進剤を組み込むロジウム基体の触媒系を安定化する。
本明細書に記載する方法の重要な態様は、ハロゲン触媒促進剤、ヨウ化物塩助促進剤、低水カルボニレーション環境中で使用されるルテニウムおよび/または錫安定剤のユニークな組み合わせによって生ずる触媒安定性の改良である。このユニークな組み合わせにて、ヨウ化物塩助促進剤は、反応混合物中約3wt%より高い濃度で存在する。特に、本明細書に記載するヨウ化物塩助促進剤の濃度は、ルテニウムおよび/または錫安定剤または促進剤との関連した使用に適していると先に考えたヨウ化物塩助促進剤濃度より高い。それは、低水環境中でこれらの3成分の記載された濃度で存在するヨウ化物塩助促進剤との組み合わせであり、予想しえないほどの高い触媒安定性を生じた。
ある種の実施態様にて、本明細書に記載するプロセス中の反応混合物の水濃度は、約1wt%から14wt%である。ある種のその他の実施態様にて、本明細書に記載するプロセス中の反応混合物中の水濃度は、約1wt%〜約8wt%である。その他の実施態様にて、本明細書に記載するプロセス中の反応混合物中の水濃度は、約1wt%〜約6wt%である。なおその他の実施態様にて、本明細書に記載するプロセス中の反応混合物中の水濃度は、約1wt%〜約4wt%である。
反応混合物中への少なくとも1種の金属塩の組み込みは、ロジウム基体の触媒系のロジウムを酢酸の製造および精製の間に溶液から沈殿させる傾向を低下させる。ロジウム化合物は、酢酸の回収の間、特にフラッシャーユニットにてRhI3としてロジウム触媒の沈殿をもたらす不安定化を特に受けやすい。ロジウムは、非常に高価な金属であり、沈殿を通しての金属の損失は、触媒の使用および高生産の維持に悪影響を及ぼすことによって商業的な酢酸製造プロセスに顕著なマイナスの金銭上のインパクトを有しかねない。
上記考察したように、ある種の系にて触媒促進剤または安定剤としてのルテニウムおよび錫の使用は、公知であるが、公知系のいずれも、低水条件下で、本明細書に記載されているような、ハロゲン促進剤および高ヨウ化物塩助促進剤濃度との組み合わせにてロジウム触媒安定剤としてのルテニウムまたは錫の使用を開示していない。本明細書に記載する方法は、カルボニレーション系成分のこのユニークな組み合わせがロジウム基体の触媒系に有意な安定性を生ずると認識される。
考察したように、本明細書に記載する方法は、ロジウム基体の触媒系の使用に関する。この開示の目的に対して、“ロジウム基体の触媒系”または“ロジウム基体の触媒”は、少なくとも300ppmのメタノールカルボニレーション反応混合物中のロジウム金属濃度を与える触媒系を意味する。
ある種の実施態様にて、本明細書に記載するロジウム基体の触媒系は、反応混合物中約300ppm〜約5,000ppmのロジウムを生ずる。その他の実施態様にて、本明細書に記載するロジウム基体の触媒系は、反応混合物中約1,000ppm〜約4,000ppmのロジウムを生ずる。なおその他の実施態様にて、本明細書に記載するロジウム基体の触媒系は、反応混合物中約2,000ppm〜約3,000ppmのロジウムを生ずる。ある種の実施態様にて、反応混合物中のロジウム濃度は、少なくとも1000ppmである。その他の実施態様にて、反応混合物中のロジウム濃度は、少なくとも1500ppmである。なおその他の実施態様にて、反応混合物中のロジウム濃度は、少なくとも2000ppmである。
ロジウム以外に、本明細書に記載する方法の反応混合物は、また、ハロゲン促進剤、例えば、ヨウ化水素または有機ヨウ化物およびヨウ化物塩助促進剤を含む。ある種の実施態様にて、有機ヨウ化物は、アルキルヨウ化物、例えば、ヨウ化メチルである。ハロゲン促進剤は、約2.0wt%〜約30wt%の濃度で反応混合物中に存在するのがよい。その他の実施態様にて、ハロゲン促進剤は、約5.0wt%〜約15wt%の反応混合物中の濃度で存在する。なおもう1つの実施態様にて、ハロゲン促進剤は、約5wt%〜約10wt%の濃度で反応混合物中に存在する。
本明細書に記載する方法の反応混合物中で使用されるヨウ化物塩助促進剤は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属または第4級アンモニウムあるいはホスホニウム塩の溶解性塩の形であってもよい。ある種の実施態様にて、触媒助促進剤は、ヨウ化リチウム、酢酸リチウムまたはそれらの混合物である。塩助促進剤は、ヨウ化物塩を発生するであろう非ヨウ化物塩として添加することができる。ヨウ化物触媒安定剤は、反応系に直接導入することができる。あるいは、ヨウ化物塩は、反応系の運転条件下、広範囲の非ヨウ化物塩前駆体がメチルヨウ化物と反応して、対応する助促進剤ヨウ化物塩安定剤を発生するであろうからin situで発生させてもよい。ヨウ化物塩発生にかかわるさらなる詳細については、Smith et al.に対するU.S.特許5,001,259;Di Gioacchino et al.に対する5,026,908;および、Smith et al.に対する5,144,068を参照。
助促進剤の濃度は、それが約3wt%より高い反応混合物中のヨウ化物イオン濃度を発生するようである。なおその他の実施態様にて、助促進剤の濃度は、それが約4wt%〜約20wt%の反応混合物中でのヨウ化物イオン濃度を発生するようである。さらなる実施態様にて、助促進剤の濃度は、それが約5.0wt%〜約20wt%の反応混合物中のヨウ化物イオン濃度を発生するようである。その他の実施態様にて、助促進剤の濃度は、それが約10wt%〜約20wt%の反応混合物中のヨウ化物イオン濃度を発生するようである。なおその他の実施態様にて、助促進剤の濃度は、それが約5wt%〜約10wt%の反応混合物中のヨウ化物イオン濃度を発生するようである。
上記考察したように、本明細書に開示する方法の反応混合物は、また、反応混合物中に少なくとも1種のルテニウム塩、少なくとも1種の錫塩またはそれらの混合物を組み込み、ロジウム基体の触媒系を安定化させる。安定化金属塩は、金属とロジウムとのモル濃度約0.1:1〜約20:1で反応混合物中に存在するのがよい。その他の実施態様にて、安定化金属塩は、金属の合計とロジウムとのモル濃度約0.5:1〜約10:1で反応混合物中に存在するのがよい。なおその他の実施態様にて、安定化金属塩は、合計金属:ロジウムのモル濃度1:1〜5:1で反応混合物中に存在するのがよい。
排他的ではないが、例として、本明細書に記載するような触媒安定剤として使用するのに適当なルテニウムおよび錫塩としては、ルテニウムおよび錫のハライド、アセテート、ナイトレート、オキシドおよびアンモニウム塩が挙げられる。
反応混合物中に一度入ると、ルテニウムおよび錫塩は、ヨウ化物塩、酢酸塩またはそれらの混合物の少なくとも1種の形に変換される。したがって、ロジウム金属を安定化するために反応混合物中に添加されるルテニウムまたは錫塩の本質は変わるかもしれない。この開示の目的のために、ルテニウムおよび錫塩の濃度またはモル比は、個々の塩がヨウ化物塩、酢酸塩またはヨウ化物および酢酸塩の混合物であるかなしかにかかわらず、ルテニウムおよび錫塩の全ての形の合計を称す。モル比については、ルテニウムまたは錫のモル比は、当然のことながら、それが存在する形にかかわらず、それぞれの金属の濃度によって支配される。
本明細書に記載するようなカルボニレーション反応を生じさせるためには、全ての選択される反応混合物成分を反応混合物容器または反応器に溶解または分散させる。活性な反応期間、メタノールおよび一酸化炭素が一酸化炭素の所望される分圧が維持される反応混合物を含有する反応器に連続的に供給される。カルボニレーション反応器は、典型的には、その内部で、反応液体成分が一定のレベルに維持される攪拌オートクレーブである。反応器内に、新たなメタノール;反応媒体中の水の所望される濃度を維持するために十分な水;フラッシャー基底からリサイクルされる触媒溶液;および、典型的には、リサイクルされるメチルヨウ化物ならびにヨウ化メチル-酢酸スプリッターカラムの上方からの酢酸メチルが連続的に導入される。ある種の実施態様にて、酢酸メチルは、約0.5wt%〜約30wt%の濃度で反応混合物中に維持される。これとは別の蒸留系も、粗製の酢酸を回収し、反応器触媒溶液、ヨウ化メチルおよび酢酸メチルにリサイクルするための手段が提供される限り使用することができる。一酸化炭素は、内容物を攪拌するために使用される攪拌機の直下で反応器に連続的に導入される。一酸化炭素は、反応混合物を通して完全に分散される。ガス状のパージ流は、反応器の頭部から排気され、ガス状の副生物の発生を防止し、設定した一酸化炭素の分圧を決められた合計反応器圧力に維持する。反応器の温度をコントロールし、一酸化炭素は、一定の合計反応圧力に維持するのに十分な速度で導入される。合計反応器圧力は、約1.5MPa〜約4.5MPa絶対であり、反応温度は、典型的には、約150℃〜約250℃に維持した。
液体生成物は、反応混合物の一定のレベルを維持するのに十分な速度でカルボニレーション反応器から引取り、フラッシャーユニットに導入する。フラッシャーユニットにて、触媒溶液は、ロジウム触媒、ヨウ化物塩助促進剤およびルテニウムおよび/または錫安定剤を含有する主として酢酸を含む基底流として、少量の酢酸メチル、ハロゲン促進剤および水とともに引取られる。フラッシャーからの上方流は、ヨウ化メチル、酢酸メチルおよび水とともに主として生成物酢酸を含む。ガス状の副生物、例えば、メタン、水素および二酸化炭素とともに一酸化炭素の一部は、フラッシャーの頂部を出る。酢酸製造系およびスキームに関する追加の情報は、Singleton et al.に対するU.S.特許4,433,166;Smith et al.に対する5,144,068;および、Huckman et al.に対する6,677,480を参照。カルボニレーション反応を介する酢酸を製造するための個々の方法に関するさらなる情報については、刊行物:Graub,M.,Seidel,A.,Torence,P.,Heymanns,P.,Synthesis of Acetic Acid and Acetic Acid Anhydride from Methanol.Applied Homogeneous Catalysis with Organometallic Compounds.(1996),Volume 1,104-138.Editor(s):Cornils,B.,Herrmann,W.,Publisher:VCH,Weinheim,Germany参照。
上記考察したように、ロジウム触媒沈殿は、生成物回収系、特に、フラッシャーユニットにて体験されることが多い。ロジウム触媒沈殿を低下させる本明細書に記載の系の利点は、以下の実験的評価によって例証される。
実験的評価
ロジウム触媒安定性の実験は、密封加圧ガラス管中窒素(N2)雰囲気下で行った。密封加圧ガラス管は、温度を制御され、Genevac(RS 1000Reaction Station)によって製造された加圧管反応器系を使用し攪拌する。ほぼ2wt%〜4wt%の酢酸水溶液媒体中に15wt%ヨウ化リチウム(LiI)を含有する1,500ppm〜2,000ppmのRhを組み込む貯蔵ロジウム触媒溶液をFisher-Porterガラス装置内で調製した。貯蔵溶液は、1時間攪拌しつつ125℃〜150℃および圧力241.1kPaで一酸化炭素(CO)でパージして、触媒沈殿試験を行う前にロジウム触媒錯体を完全に溶解させた。調製した触媒溶液は、冷却し、ついで、1時間N2でパージし、触媒溶液をガラス管内に入れる前に溶解されたCOを除去し、ガラス管は、N2雰囲気下で密封した。これらの溶液は、フラッシャーユニット内でCO分圧をシミュレートする。貯蔵溶液および試験溶液についてのロジウム濃度は、原子吸光(AA)スペクトロスコピーによって決定した。
上記概説したようにして、3つのタイプの触媒溶液を調製した。第1のタイプの溶液は、ルテニウムまたは錫安定剤と15wt%のヨウ化リチウムを含まない対照溶液であった。第2のタイプの溶液は、15wt%のヨウ化リチウムとRuI2として添加したロジウム塩をルテニウムとロジウムとのモル比5.:1で含有した。第3のタイプの溶液は、15wt%のヨウ化リチウムとSnI2として添加した錫塩を錫とロジウムとのモル比10:1で含ませた。
調製した溶液は、フラッシャー条件をシミュレートする条件で、N2雰囲気下で150℃の温度および241.1kPaで密封したガラス管内に72時間維持した。各溶液におけるロジウム濃度は、24時間、48時間および72時間の間隔で決定した。
ルテニウム安定剤を含有する2つの溶液は、ルテニウムまたは錫安定剤を含有しない対照溶液と同時に試験した。概括した時間間隔で経時的に存在する溶液および対照溶液を含有するルテニウムのロジウム濃度を数値およびグラフの形で図1に報告する。
錫安定剤を含有する2つの溶液をルテニウムおよび錫を含まない対照溶液と同時に試験した。概括した時間間隔で経時的に存在する溶液および対照溶液を含有する各錫のロジウム濃度を数値およびグラフの形で図2に報告する。
図1および図2を参照すると、ロジウム触媒溶液中のルテニウムおよび錫塩の存在は、経時的なRhI3沈殿速度を有意に低下させることが観測された。特に、ルテニウムおよび錫塩も存在しない溶液では、溶解性のRhのほぼ50wt%〜70wt%が、各72時間の最後にRhI3として沈殿したと認められる。ルテニウムおよび錫塩を組み込む溶液では、72時間経過しても有意なRhI3の沈殿は、生じなかったと観測される。
上記考察した図1および図2に報告された結果を比較すると、Poole et al.に対するEP 0 728 727 B1の実験Xおよび実施例33に報告されている安定化の結果に対して、ルテニウムまたは錫と組み合わさって約3wt%より高い濃度でヨウ化物イオンを組み込む本明細書に記載する系は、Poole et al.に対するEP 0 728 727 B1に報告されているようなヨウ化物イオンを含まずルテニウムを組み込んだ系よりも劇的に良好な安定化を示すと認められる。
本明細書に記載した種々の範囲に関して、記載したいずれの上限も、当然のことながら、選択した亜範囲のいずれの下限と組み合わせられる。
優先権証明書および試験方法を含め、本明細書で参考とした全ての特許および刊行物は、ここで参考とすることによって、それらの全体を組み込む。
本明細書に記載した方法およびそれらの利点を詳細に説明したが、種々の変形、置換および変更は、本明細書に記載した方法の精神および範囲から逸脱することなく、特許請求の範囲の請求項によって定義される。
図1は、概括的な時間間隔で存在するルテニウム含有溶液および対照溶液のロジウム濃度のグラフの形を表す。 図2は、概括的な時間間隔で存在する錫含有溶液および対照溶液のロジウム濃度のグラフの形を表す。

Claims (16)

  1. 触媒を使用するカルボニレーション反応によって酢酸を製造するための方法であって、
    (i)少なくとも300ppmの濃度のロジウム;
    (ii)ヨウ化水素または有機ヨウ化物である、ハロゲン促進剤;
    (iii)反応混合物の3wt%より高いヨウ化物イオン濃度を発生する濃度のヨウ化物塩助促進剤、ここで、ヨウ化物塩助促進剤は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属または第4級アンモニウムあるいはホスホニウム塩の溶解性塩の形である;および、
    (iv)ルテニウム塩である、安定剤;
    からなるロジウム基体の触媒系と一酸化炭素の存在下で、反応混合物中のメタノールを反応させる工程を含み、
    反応混合物が0.1wt%〜14wt%の水を含み、
    ルテニウム塩が、反応混合物中ルテニウムとロジウムとのモル比0.1:1〜20:1で存在する方法。
  2. ロジウムが、反応混合物の300ppm〜5,000ppmの濃度で反応混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。
  3. ハロゲン促進剤が、反応混合物中2wt%〜30wt%の濃度で反応混合物中に存在する、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 反応混合物が、2wt%〜8wt%の水を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. ルテニウム塩が、反応混合物中ルテニウムとロジウムとのモル比1:1〜5:1で存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 反応混合物が、2wt%〜6wt%の水を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ハロゲン促進剤が、ヨウ化メチルであり、反応混合物の5wt%〜15wt%の濃度で存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 反応混合物が、0.5wt%〜30wt%の酢酸メチルを含み、ヨウ化物塩助促進剤が、ヨウ化リチウムであり、反応混合物の4wt%〜20wt%のヨウ化物イオン濃度を発生する濃度で存在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 反応混合物が、少なくとも1000ppmのロジウムを含み、反応混合物中のルテニウムとロジウムとのモル比が、0.5:1〜10:1である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  10. 水が、反応混合物の1wt%〜4wt%の濃度で反応混合物中に存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. ルテニウム塩が、ヨウ化物塩、酢酸塩およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 反応混合物が、少なくとも1500ppmのロジウムを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. ヨウ化メチルが、反応混合物の5wt%〜10wt%存在し、ヨウ化リチウムが、反応混合物の5wt%〜10wt%のヨウ化物イオン濃度を発生する濃度で存在する、請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 反応混合物が、少なくとも2000ppmのロジウムを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. ルテニウム塩が、反応混合物中のルテニウムとロジウムとのモル比0.5:1〜10:1で存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  16. ルテニウム塩が、反応混合物中のルテニウムとロジウムとのモル比1:1〜5:1で存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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