JP4863592B2 - 酢酸及び/又は酢酸メチル製造中における触媒の安定性の向上及び/又は不活性化の防止方法 - Google Patents
酢酸及び/又は酢酸メチル製造中における触媒の安定性の向上及び/又は不活性化の防止方法 Download PDFInfo
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Description
本発明の目的は,酢酸及び/又は酢酸メチル製造方法における触媒の安定性の向上及び/又は不活性化の防止方法、並びに、本方法からなる酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法全体である。
【0002】
具体的には、本発明の目的は、少なくとも1つのハロゲン化助触媒及び少なくとも1つのイリジウム化合物からなる触媒系の存在下で、ギ酸メチルの異性化及び場合により、メタノールのカルボニル化によって、酢酸及び/又は酢酸メチルを製造する方法において、触媒の安定性を向上し、及び/又は、不活性化を防止することを可能にする改良された方法である。
【0003】
本発明はまた、本安定化方法を特に好適な手法で適用される特定の条件に関する。
【0004】
酢酸及び/又は酢酸メチルを取得する各種の方法は、公知であり、工業的に利用されている。これらの形態の中で、メタノールのカルボニル化反応は、液相で、反応物のひとつである一酸化炭素の加圧下、均一な触媒系の存在下で行なわれる。酢酸を取得する別の手法は、ギ酸メチルの異性化を行うことである。この反応自体は、通常、均一相にある触媒系の存在下で行なわれる。結局、別の方法によると、メタノールのカルボニル化及びギ酸メチルの異性化は、同時に行なわれる。
【0005】
ロジウムを用いたカルボニル化方法は公知の方法で、工業的に用いられ、例えば、米国特許US3,769,329及びUS3,813,428のような多くの文献や特許の主題となっている。
【0006】
欧州特許EP618 183及びEP618 184、及び、欧州特許EP785 919及びEP759 022では、イリジウムに基づく、及び、必要によりさらにロジウムを含む触媒系の存在下でのカルボニル化の方法が記載されている。
【0007】
イリジウム及びルテニウムを用いたカルボニル化の方法は、現在工業的に用いられており、欧州特許EP643 034に記載されている。
【0008】
さらに最近では、イリジウム存在下で、ギ酸メチルの異性化反応により構成される新しい取得方法が、フランス特許FR2,746,794及び国際出願WO97/35829に提案されている。
【0009】
それと平行して、特許FR2,746,795及び国際出願WO97/35828には、酢酸及び/又は酢酸メチルの調製方法が提案されているが、この方法は、ギ酸メチルの異性化反応及びメタノールのカルボニル化反応を同時に利用している。
【0010】
これら各種の酢酸の製造方法は、一般に、3つのゾーンを必須として有する装置の中で、連続的に行なわれる。第一は、それ自体が反応ゾーンに相当し、加圧下で、カルボニル化及び/又は異性化を液相で行う反応器からなる。第二は、生成した酸を分離するゾーンにより構成される。この操作は、反応器内より圧力を低く保ったフラッシュ装置と呼ばれる装置内で、反応混合物を部分気化することにより行なわれる。気化された部分は、次いで、酢酸を精製する第三のゾーンへ送られる。このゾーンは、例えば、生成した酢酸を水、反応物及び副生物から分離する各種の蒸留塔からなる。気化ゾーンに残る、液体状のままの、特に触媒を含む混合物の一部は、反応器へと再利用される。
【0011】
酢酸及び/又は酢酸メチルの製造装置において、第二のゾーンは、通常、触媒の不活性化及び/又は沈殿のおこる部分として当業者間に知られていて、上記の方法のうち、どの方法を用いてもおこる。
【0012】
これらの現象は、通常、このゾーン内で起こっている低い一酸化炭素圧力が原因で、これらの現象は、低い水分含量によりさらに悪化する。米国特許US5,237,097では、フラッシュ内で一酸化炭素の充分な部分圧力を保つために、フラッシュに供給する液体の中に上記成分を導入することからなる解決法が提案されている。
【0013】
フランス特許FR2,726,556及び国際出願WO96/14286には、反応器に再利用される触媒を再活性化するために、フラッシュから生じた液体画分に一酸化炭素を注入する方法が記載されている。
【0014】
欧州特許EP0 616 997及びその欧州分割出願EP0 786 447には、イリジウムにより触媒されたカルボニル化による酢酸の製造方法の改良が提案されており、この改良は、この画分に存在する触媒を安定化するために、フラッシュから生じた液体画分の水分含量を0.5重量%より大きく保つことである。
【0015】
従来技術では、ギ酸メチルの異性化による、及び、必要により、イリジウムにより触媒されるメタノールのカルボニル化方法による酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法での触媒の安定化に関して、改良は提案されていない。
【0016】
現在までは当業者間では、触媒の安定性を確保するためには比較的高い水分含量、常に0.5%より大きいことが必要であり、また、最小限の一酸化炭素含量によって触媒が安定化していると考えられていたが、本発明者らは、装置内の液体画分で特に低い水分含量であっても、また、気化していない液体画分に対して0.5重量%未満の水分含量であっても、また、媒質中に一酸化炭素がほとんど存在しなくても、触媒の不活性化及び不安定化の問題は、フラッシュから生じた液体画分中のギ酸及びギ酸メチルの総含量を充分に維持することにより解決されうることを全く驚くべき方法で発見した。
【0017】
つまり、第一の目的によると本発明は、イリジウム系触媒系を利用した酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法に適用できる改良に関する。この改良は、触媒の安定性の向上及び/又は不活性化の防止を目的とするためのものである。
【0018】
本安定化方法は、反応媒質及びフラッシュゾーンの両方において、水分含量を大きく低下させることができ、得られた生成物の回収のための余分な工程でのコストを制限できるため、このことは、経済的な観点で無視できない利点を構成する。つまり、この触媒の安定化は、触媒の安定化を目的とする改良を含む、酢酸及び/又は酢酸メチルの改良された調製方法での条件を定義することを可能にしたものである。さらに、これによると、水分含量は極めて低い。
【0019】
つまり、第二の側面によると本発明は、触媒の安定化及び水分含量の両方の観点において、満足できる条件下で、酢酸及び/又は酢酸メチルを製造する方法全体に関する。これは、現存する方法に対して、経済的な観点から、二重の利点を構成する。
【0020】
具体的には、上記第一の発明によると、本発明は、反応工程と呼ばれる第一の工程で、一酸化炭素、並びに、少なくとも1つのハロゲン化助触媒及び少なくとも1つのイリジウム系触媒化合物からなる触媒系の存在下で、少なくとも1つのギ酸メチルの異性化反応を液相において行い、フラッシュ工程と呼ばれる第二の工程で、フラッシュセパレーターと呼ばれるセパレーター中で、第一工程から生じた反応媒質の部分気化を行うことからなる酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法において、触媒の安定性の向上及び/又は不活性化の防止を行う方法に関する。このような方法では、上記フラッシュセパレーターから生じた気化していない液体画分中において、ギ酸及びギ酸メチルの総含量は、上記液体画分の1重量%以上に維持されている。好ましくは、上記液体画分に対して1〜50重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。
【0021】
上記第二の発明によると、本発明は、一酸化炭素、並びに、少なくとも1つのハロゲン化助触媒及び少なくとも1つのイリジウム系触媒化合物からなる触媒系の存在下で、少なくとも1つのギ酸メチルの異性化反応を液相において行う反応工程と呼ばれる第一の工程、並びに、フラッシュセパレーターと呼ばれるセパレーター中で、第一工程から生じた反応媒質の部分気化を行うフラッシュ工程と呼ばれる第二の工程からなる酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法全体に関する。この方法によると、上記フラッシュセパレーターから生じた気化していない液体画分中でのギ酸及びギ酸メチルの総含量は、上記液体画分の1重量%以上に維持されている。
【0022】
本方法によると、フラッシュから生じた液体画分中の水分含量は、フラッシュから生じた上記液体画分に対して、5重量%未満、好ましくは2重量%未満、さらに好ましくは0.5重量%未満に好適に保たれる。
【0023】
上述した触媒の安定化及び活性の維持の方法、並びに、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法全体は、反応工程において行なわれる反応が、一酸化炭素、並びに、少なくとも1つのハロゲン化助触媒及び少なくとも1つのイリジウム系触媒化合物からなる触媒系の存在下でギ酸メチルの液相異性化反応を必ず含む、1種又はその他の酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法に関する。
【0024】
しかし、本発明の各2つの側面の好適な形態によると、このギ酸メチルの異性化反応は、メタノールのカルボニル化反応と同時に行なわれ、このメタノールのカルボニル化を反応工程に導入された一酸化炭素の消費によって示すことができる。
【0025】
別の好適な形態によると、本発明による触媒の安定化及び活性の維持方法は、フラッシュから生じた液体画分中の水分含量を制御することにより実施される。この含量は、上記フラッシュから生じた液体画分に対して、5重量%未満、好ましくは2重量%未満に好適に保たれる。
【0026】
上述したように、フラッシュから生じた液体画分中の水分含量を0.5重量%未満に保つことにより、触媒の安定化に関して、全く好適な結果を得ることさえできる。このことは、上述したように、従来技術の方法より、非常に有用である。
【0027】
特に好適な本発明の形態によると、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法は、反応工程と呼ばれる第一の工程、及び、フラッシュ工程と呼ばれる第二の工程に加えて、部分気化工程から生じた気化画分からの酢酸及び/又は酢酸メチルの精製及び回収工程と呼ばれる第三の工程を用いる。
【0028】
この工程中、酢酸及び/又は酢酸メチルは、当業者に公知の種々の手段によって、水やギ酸のような低分子量の化合物から分離される。
【0029】
特に好適な本発明の形態によると、蒸留塔の下部にメタノールを注入し、精製された酢酸を塔の底部から、及び、メタノールとギ酸メチルの混合物を塔の頭部から除去する反応性蒸留により、ギ酸を酢酸から分離する。
【0030】
以下の記載において、反応媒質及びフラッシュから生じた液体媒質の両方における特に好適な条件を明確にすることが注目される、触媒の安定化及び/又は活性の維持の方法、並びに、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法全体の両方に適用する条件を示す。
【0031】
以下の記載では、特に明記しない限りは、「反応」とは、反応ゾーンで起こる全ての反応を意味するものと解し、この語は反応ゾーンに存在する異性化及び場合によりカルボニル化、及び、全ての平衡の反応を包含することを当然のこととする。
【0032】
よって、特に「反応温度」という用語は、反応工程中に課される温度を意味するものとして解される。
【0033】
通常、反応は、150〜250℃の間の温度で行なわれる。具体的には、反応温度は、175〜210℃の間である。好ましくは175〜200℃の間である。
【0034】
通常反応が行なわれる全圧は、大気圧よりも大きい。具体的には、200.105Pa未満が好適であり、好ましくは50.105Pa以下である。圧力は絶対パスカル(Pascals)で表し、加熱下、すなわち反応温度の条件下で測定される。
【0035】
一酸化炭素分圧は、0.5.105〜15.105Paの間に維持されるのが好ましい。
【0036】
反応媒質中でのギ酸及びギ酸メチルの総含量は、反応混合物の1重量%以上の値に好適に維持され、好ましくは1〜50%の間、さらに好ましくは1〜30%の間である。
【0037】
触媒系を以下で説明する。
本発明を実施する条件下において、反応媒質中に可溶、又は、溶解されうるイリジウム化合物は、全て用いることができる。例えば、限定されないが、イリジウム金属、その単塩、その酸化物又はその配位錯体までもが、本発明を実施する上で特に適している。
【0038】
イリジウム単塩としては、ハロゲン化イリジウムが通常用いられる。ハロゲンは、最も具体的には、塩素、臭素及びヨウ素から選択され、後者が好ましい。つまり、本発明の方法では、IrI3、IrBr3、IrCl3、IrI3・4H2O、IrI4、IrBr3・4H2Oのような化合物が用いられる。
【0039】
本発明による方法では、IrO2、Ir2O3・xH2Oより選択される酸化物が等しく好適に用いられる。
【0040】
可溶性イリジウム配位錯体としては、最もよく用いられる化合物は、一酸化炭素又は一酸化炭素/ハロゲンの組み合わせから選ばれるリガンドを持つものであり、ハロゲンは、塩素、臭素、さらに具体的にはヨウ素から選択される。しかし、例えば、有機リン化合物及び有機窒素化合物から選択されるリガンドを持つ可溶性イリジウム錯体を用いることも除外されない。
【0041】
本発明を実施する上で、特に好適な当業者間で公知の配位錯体としては、Ir4(CO)12、Ir(CO)2I2 −Q+、Ir(CO)2Br2 −Q+、Ir(CO)2Cl2 −Q+が挙げられるが、限定されない;式中、Qは特に水素、NR4基又はPR4基であり、Rは水素又は炭化水素基から選択される。
【0042】
これらの触媒は、当業者に公知のいずれの方法によっても得られる。つまり、本発明を実施するのに適したイリジウム系触媒溶液の調製には、特許EP657 386及びEP737 103が参照される。
【0043】
本発明による反応は、イリジウム化合物のみか又はさらに、ロジウム化合物を含む触媒系により行ないうることが注目されるべきである。
【0044】
イリジウム系及びロジウム系の化合物は、特許EP0 618 183に記載されている。
【0045】
ロジウムを含有する触媒系が必要な場合は、ロジウムのイリジウムに対する原子比を0.01〜99の間の広い範囲で変えうる。
【0046】
通常、反応媒質中のイリジウム又は必要により、(イリジウム+ロジウム)の濃度は、0.1〜100mmol/lの間であり、好ましくは、1〜20mmol/lの間である。
【0047】
元素周期表の分類のVIII族金属から選択される触媒を、イリジウム化合物、又は、イリジウム+ロジウム混合物に添加しうる。
【0048】
上述した化合物に加えて、本発明による触媒系は、ハロゲン化助触媒を含む。このハロゲン化助触媒は、ハロゲンのみの形でもいいし、例えば、水素、メチル基又はアセチル基などの他の元素との併用でもよい。
【0049】
通常、ハロゲンは、塩素、臭素又はヨウ素から選択され、ヨウ素が好ましい。
【0050】
助触媒としても使用しうるハロゲン化化合物としては、ヨウ素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチル及びヨウ化アセチルを挙げることができる。
【0051】
ハロゲン化助触媒として、ヨウ化メチルを用いることが好ましい。
【0052】
本発明の形態によると、ハロゲン化助触媒の一部又は全部は、反応媒質中に前駆体の形で導入される。この場合、上記前駆体は、通常、ハロゲン若しくは媒質中に存在するか、又は、その末端に導入された、特にハロゲン化水素酸の作用により、上述したハロゲン化助触媒の炭化水素基を反応媒質中に放出できる化合物の形である。
【0053】
適当な前駆体の限定的でない例としては、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル又はギ酸メチルから選択される化合物が挙げられ、これらは単独又は混合物として用いられる。
【0054】
反応混合物中に存在するハロゲン化助触媒の量は、上記混合物の総重量に対して20%以下が好適である。好ましくは、ハロゲン化助触媒の含量は、15%以下である。
【0055】
上記助触媒の一部、又は全部が前駆体の形で導入される場合、前駆体又は助触媒/前駆体混合物は、上述した量と同等の量を得ることを可能にする量であることが注目されるべきである。
【0056】
これらの化合物に加えて、反応媒質は、水、ギ酸、ギ酸メチル及び酢酸を以下に示す好ましい重量比で含んでおり、それらは同時に維持されることが好ましい。
【0057】
水の含量は、反応媒質に対して、好ましくは5重量%未満、さらに好ましくは2%未満である。
【0058】
ギ酸の含量は、好ましくは反応媒質の15重量%未満、さらに好ましくは12%未満である。
【0059】
ギ酸メチルの含量は、反応媒質に対して、媒質の20重量%未満に維持されることが好ましい。
【0060】
本発明の詳しい形態によると、酢酸メチルの含量は、40重量%未満、好ましくは20%未満である。
【0061】
酢酸の含量は、反応媒質中、25%以上である。
【0062】
本発明による触媒の安定性の向上及び/又は不活性化の防止の方法、並びに、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法は、反応媒質中で可溶な形のヨウ化物の存在下で実施しうる。ヨウ化物は、反応媒質中にそのまま導入しうるが、可溶性ヨウ化物を形成しうる化合物の形でも導入しうる。
【0063】
「ヨウ化物」は、イオン化物、つまり、共有結合ヨウ化物(特に、例えばハロゲン化助触媒)やヨウ化水素酸を含まない種類を意味するものと解される。
【0064】
つまり、上記媒質に、導入されるヨウ化物自体は、無機又は有機ヨウ化物から選択される。
【0065】
無機ヨウ化物としては、主に、アルカリ土類金属又はアルカリ金属のヨウ化物が挙げられ、後者が好ましい。これらのうち、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム及びヨウ化ナトリウムが挙げられる。
【0066】
有機ヨウ化物としては、少なくとも1つの有機リン基及び/又は少なくとも1つの有機窒素基を持つ有機化合物が挙げられ、それはヨウ素系化合物と反応して、このハロゲンを含有するイオン化物となるものである。例としては、ヨウ化テトラフェニルホスホニウム、及び、ヨウ化N−メチルトリエチルアンモニウムが挙げられる。
【0067】
特に、酢酸リチウム、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のカルボン酸塩又は水酸化物は、反応媒質に可溶なヨウ化物を形成しうる化合物として例示しうる。
【0068】
さらに、ヨウ化物は、上述したもの以外に由来するものでもよいことが注目されるべきである。
【0069】
つまり、これらの化合物は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のような不純物、触媒溶液を調製するのに用いられる開始物質中に存在する不純物に由来するものでありうる。
【0070】
ヨウ化物はさらに、反応中に生成する腐食金属に由来しうる。
【0071】
本発明による触媒の安定性の向上及び/又は不活性化の防止の方法、並びに、酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法は、数百ppm未満、好ましくは200ppm未満の腐食金属含量存在下で好ましく実施される。腐食金属は、特に、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン及びジルコニウムである。反応媒質中の腐食金属含量は、例えば、選択的沈殿、液−液抽出及びイオン交換樹脂の通過のような、当業者に公知のいずれの方法によっても維持される。
【0072】
フラッシュゾーンでの条件について、以下で説明する。
【0073】
温度は、80℃〜200℃の間で、全圧は、0〜20.105絶対Paの間で好適に維持される。
【0074】
フラッシュから生じた液相に存在する化合物は、上述した、反応媒質中に含まれているものと同じである。
【0075】
本発明の主な特徴は、ギ酸及びギ酸メチルの総含量を、フラッシュから生じた液体画分の1重量%以上に維持することであり、好ましくは1〜50%の間、さらに好ましくは1〜30%の間である。
【0076】
フラッシュから生じた気化していない液体画分に対する重量パーセントで表すと、好ましくは同時に維持される種々の構成成分の割合は、好適には以下のようである:
−ハロゲン化助触媒の含量は、20%未満、好ましくは15%未満であり、
−水分含量は、5%未満、好ましくは2%未満であり、特に好適な実施形態によると、触媒の安定性は、水分含量が0.5%未満であっても確保され、
−ギ酸の含量は、15%未満、好ましくは12%未満であり、
−ギ酸メチルの含量は、20%未満に維持され、
−本発明の特定の実施形態によると、酢酸メチルの含量は、40%未満、好ましくは20%未満であり、
−酢酸の含量は、25%以上である。
【0077】
フラッシュから生じた気化していない液体画分は、上記画分に可溶なイオン化合物の形でヨウ化物を含みうる(反応媒質でのそれらの記載を参照のこと)。
【0078】
フラッシュに含まれる一酸化炭素の含量は、ゼロではない。一酸化炭素は、反応媒質から生じ、可溶型中で気化され、COを一掃しうる。さらに、フラッシュから生じた液体画分中に直接注入、及び、反応器へ再利用しうる。どちらの場合でも、フラッシュゾーンでの一酸化炭素の分圧は、反応ゾーンで維持されている一酸化炭素の分圧未満である。
【0079】
上述した酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法において、フラッシュから生じた気相に含まれているこれら2つの生成物は、例えば、1つ又は複数の蒸留塔での分別蒸留によって、低分子量化合物、水、ギ酸、及び、その他の不純物から分離される。その後、これらの化合物、反応器に再利用されうるものがある。
【0080】
好ましい実施形態では、ギ酸は、蒸留塔の下部にメタノールを注入することによる反応性蒸留により酢酸から分離され、選択的に生成したギ酸メチルは、反応器に再利用され、このように精製された酢酸は、塔の底部から除去される。
【0081】
通常、本発明は、連続的に行なわれる製造方法を好適に際立たせる。
【0082】
以下の実施例は、単に実例として示してあり、限定するものではない。
【0083】
I−安定性試験
I−1.使用器具
全ての試験は、長さ16cm、内径0.7cm、すなわち総容量6mlの、高圧を維持する透明な試験管で行なった。
【0084】
この試験管は:
−通常は一酸化炭素である、試験管の気体雰囲気をパージできるようにする気体の導入口、
−温度調節のできる電気加熱器による試験管の加熱装置、及び
−振動台による攪拌装置
を備えていた。
【0085】
I−2.反応体の調製
* 反応器中、50.105Pa(50 bars)の一酸化炭素圧力下、150℃で4時間加熱、攪拌して、ヨウ化水素酸及び酢酸の混合物中にヨウ化イリジウムを溶解し、触媒溶液を調製した。このようにして得られた触媒溶液は、約2.6%のイリジウム(すなわち26,000ppm、又は、mg/kg)が滴定された。
【0086】
* 種々の構成成分:
−酢酸、酢酸メチル、ヨウ化メチル、
−この溶液によってもたらされる酢酸の量を考慮した触媒溶液、
−及び試験1〜10では、ギ酸及びギ酸メチル
の計量及び混合による安定性試験のための反応体の調製。
【0087】
* このように調製された反応体(初期組成)を分析した。
【0088】
I−3.一般的な方法
試験管に4gの反応体を入れ、試験管を攪拌し、適当な気体で3回パージした。その後、2.2.105Pa(2.2絶対bars)の、この気体の圧力下で放置した。
【0089】
この気体は、試験1、2、3、4、5、7、8、A、B、C、Dでは、一酸化炭素;試験6、9及び10では空気であった。攪拌は20秒続け、その後、試験管を単離した。漏れによる損失がないか調べるために試験管を計量した。試験管を電気加熱器に入れ、目的の時間、目的の温度(130又は150℃)で、攪拌せずに加熱した。その後、加熱を停止し、試験管を冷却した。漏れによる損失がないか調べるために試験管を再び計量し、この場合、試験を実証した。その後、試験管及びその内容物の外見、着色、沈殿/析出を、目視により観察した。安定性試験を行う前(初期状態)及び後(最終状態)での反応体の分析を行うために必要なサンプルを採取した。
【0090】
I−4.分析方法
−イリジウム濃度は、ICP(誘導結合プラズマスペクトロメトリー)で測定し、
−水分濃度は、Karl Fischer法で測定し、
−有機生成物の組成は、気相クロマトグラフィーで測定し、
−溶液中のイリジウムの安定性は、%で表し、
[Ir]最終/[Ir]初期 × 100
により計算し;イリジウムの安定性は、±10%であった。
【0091】
I−5結果
I−5.a)130℃での安定性試験
130℃での実施例1〜6及びA〜D、並びに、安定性試験の結果である表A及びB
試験1〜6は、本発明による試験に対応した。これらの試験の条件及び結果を、以下の表Aに示した。
【0092】
試験A〜Dは、比較例であり、本発明による試験には対応しなかった。条件及び結果は、以下の表Bに示した。
【0093】
表A及びBでは、各試験、並びに、各初期及び最終状態の結果を示した。これらの表中、以下について明記した:
−酢酸(AcOH)、ギ酸(HCOOH)、酢酸メチル(AcOMe)、ギ酸メチル(HCOOMe)、ヨウ化メチル(CH3I)、水(H2O):
の反応混合物の組成を重量%で、
−イリジウム含量をppm(mg/kg)で、
−気体の絶対圧力(PCO)を105Pa(又はbar)で、
−130℃での加熱時間、
−加熱時間後の溶液中のイリジウムの割合。
【0094】
表A及びBの分析−試験1〜6の結果の活用
以下の全てにおいて、全ての“ギ酸+ギ酸メチル”を“ホルミル化化合物”と呼ぶ。
【0095】
実施例1及びA、水分0.4%での試験
ほぼ同じ初期酢酸メチル及びヨウ化メチル含量(11及び2%)で、0.4%水分の存在下、130℃で120分後、実施例1でのイリジウムの安定性は95%、それに対して、比較例Aでは31%であった。
【0096】
13%の“ホルミル化化合物”が初期に存在することにより、触媒は大きく安定化された。
【0097】
実施例2及びB、水分非存在下での試験
実施例2では、初期含量は実施例1のものと近似していた;水分の非存在下、130℃で15分後、イリジウムの損失はなかった。ほぼ同じ条件下で、水分及び“ホルミル化化合物”の非存在下、比較例Bでは、触媒の安定性は72%に低下した。
【0098】
実施例3:水分非存在下での試験
実施例3では、“ホルミル化化合物”の初期含量を4.7%に減少することで、水分非存在下で、130℃で15分後、イリジウムの優れた安定性を維持することを可能にした(100%)。
【0099】
実施例4:“ホルミル化化合物”16.7%での試験
試験3とは逆に、“ホルミル化化合物”の初期含量を16.7%に増加した。130℃で60分後、0.3%のみの水分存在下で、イリジウムの安定性は、96%を確保した。
【0100】
実施例5、C及びD、高ヨウ化メチル含量での試験
これら3つの試験は、2.2.105Paの絶対一酸化炭素圧力下、130℃で120分の、通常の条件で行なった。
【0101】
実施例5では、“ホルミル化化合物”5.7%、ヨウ化メチル5.1%が初期に存在し、イリジウムの安定性は96%であった。
【0102】
“ホルミル化化合物”非存在下、ほぼ同じ水分及び酢酸メチル含量で、比較例C及びDでは:
−1.3%の初期低ヨウ化メチル含量存在下(試験C)、イリジウムの安定性は大きく低下し(27%)、
−初期ヨウ化メチル含量を9%に増加すると(試験D)、イリジウムの安定性は73%に向上したが(従来技術では公知の作用)、試験5の安定性(96%)には及ばなかった。
【0103】
実施例6 一酸化炭素非存在下
この試験は、空気下で行なった:COの非存在下、130℃で60分後、5.3%の“ホルミル化化合物”が初期に存在することにより:
−試験6と同じヨウ化メチル及び酢酸メチルの初期組成で、120分後(比較試験A)、31%、
−120分後(比較試験C)、27%であった比較試験でのイリジウムの安定性の結果と比較して、イリジウムの安定性を90%に維持することができた。
【0104】
I−5.b)150℃での安定性試験
150℃で行なった、本発明による安定性試験(7、8、9及び10)、及び、比較試験(E)の結果並びに条件は、以下の表Cに示した。
【0105】
150℃での実施例7、8及びE−安定性試験の結果である表C
加熱温度を130℃に代えて150℃とした以外は、上記の実施例と同様の条件で試験を行った。
【0106】
これらの試験の条件及び結果は、以下の表Cに示した。
【0107】
0.35〜0.4%の間の、ほぼ等しい水分含量において、それぞれ93及び99%のイリジウムの安定性は、“ホルミル化化合物”非存在下で行なった比較試験Eでは40%であったことから、これら3つの試験は、これら該化合物(試験7での初期含量6.3%−試験8では13.2%)の存在の重要性を示した。
【0108】
ここで、130℃〜150℃の間での温度の増加の影響が観察されるとすると、イリジウムの安定性の減少を示すために、試験3及び7、2及び8、並びに、B及びEは、組にして比較することができ、(その他のものは、全て同じであった:組成、時間)イリジウムの安定性の減少は、
−本発明による試験では非常に低く、
100%→93%、及び、100%→99%
−比較試験Eでは大きかった
72%→40%。
このことは、“ホルミル化化合物”:ギ酸及びギ酸メチルの影響並びに重要性をよく証明した。
【0109】
150℃、一酸化炭素非存在下での実施例9及び10−表C
これらの試験は、“ホルミル化化合物”が存在する場合、一酸化炭素が全く存在しない中、水分含量をわずかに増加することによる良い影響、及び、イリジウムの優れた安定性を示すためであった。
【0110】
−試験7及び8(CO存在下)と比較して、15分の反応において、COの非存在下で行なった試験9では、イリジウムの安定性は、同じ程度であった(93及び99%に対して、96%)。
【0111】
−温度を130℃(試験6)から150℃(試験10)に増加することによって、イリジウムの安定性は減少しなかった(試験6では90%に対して、試験10では93%)。これら2つの試験は、空気下、60分の反応で行なわれた。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
II−本発明による方法全体の実施例
実施例11
触媒を再利用しながらの異性化及びカルボニル化反応
反応混合物の種々の組成物:酢酸、ギ酸メチル、メタノール、酢酸メチル、ヨウ化メチル及び場合により水を、上記の実施例で記載した方法により調製した触媒溶液を含むHastelloy(登録商標)B2オートクレーブに、連続的に注入した。反応器から出たフローは、酢酸を含む画分が気化するゾーンに注いだ。触媒を含む気化していない画分は、反応器に再利用された。気化画分は濃縮され、液の流れを形成した。
【0116】
この試験では、フラッシュから生じた気化していない液体画分中のギ酸及びギ酸メチルの総濃度を6.5%に、並びに、水分含量を1%に維持した。
【0117】
定常状態での反応混合物の組成は、反応媒質から採取したサンプルのガスクロマトグラフィーにより測定し、質量パーセントで表して、以下のようであった:
水: 1.3%
メタノール: 0.1%
酢酸メチル: 16.1%
ヨウ化メチル: 9.7%
ギ酸: 4.3%
ギ酸メチル: 1.6%
酢酸: 計100%になるまでの残り
イリジウムの濃度: 2050mg/kg(ppm)。
【0118】
温度は、190℃+/−0.5℃に維持した。
反応器の全圧は、2.4MPa+/−20kPa(24bars)に維持した。一酸化炭素分圧は、1.05MPa(10.5bars)の一定値に維持した;使用したCOは、99%以上の純度であった。
【0119】
ギ酸メチルの異性化及びメタノールのカルボニル化の2つの反応による、酢酸の生成速度の計算は、化学状態が安定になった後、同じ時間間隔の間に注入された化合物の流れに対し、一定期間(作用中、40〜43時間目の間)に収集された気化ゾーンからの液の流れにおいて達成されている、アウトプット/インプットのバランスにより行なった。カルボニル化速度の計算は、カルボニル化反応による一酸化炭素の消費(アウトプット/インプットのバランス)により行なった。
【0120】
生成した酢酸の異性化速度として、1.4mol.h−1l−1が得られ、生成した酢酸中のカルボニル化速度として、16.4mol.h−1l−1が得られた。酢酸は、酢酸及び酢酸メチルの形で見受けられた。
【0121】
2つの反応の合計速度(17.8mol.h−1.l−1)、及び、反応媒質の触媒濃度(0.01067mol.h−1.l−1)の比として計算される、TOF(Turnover Frequency;ターンオーバー頻度)は、1,670h−1に上昇した。
【0122】
100時間の作用期間中全体でのこの試験において、試験の開始から終了までの間、沈殿又は不活性化による触媒の損失は見られなかった。この事実は、反応媒質、フラッシュから生じた気化画分及び気化していない液体画分のイリジウム濃度の通常の分析により確認された。
Claims (22)
- 反応工程と呼ばれる第一の工程で、一酸化炭素、並びに、少なくとも1つのハロゲン化助触媒及び少なくとも1つのイリジウム系触媒化合物からなる触媒系の存在下で、少なくとも1つのギ酸メチルの異性化反応を液相において行い、フラッシュ工程と呼ばれる第二の工程で、フラッシュセパレーターと呼ばれるセパレーター中で、第一工程から生じた反応媒質の部分気化を行うことからなる酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法において、触媒の安定性の向上及び/又は不活性化の防止を行う方法であって、
ギ酸及びギ酸メチルの総含量を、前記フラッシュセパレーターから生じた気化していない液体画分中において、前記液体画分の1重量%以上に維持することを特徴とする触媒の安定性の向上及び/又は不活性化の防止を行う方法。 - ギ酸及びギ酸メチルの総含量を、前記液体画分の1〜50重量%の間に維持することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 連続的に行なわれる酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法に適用されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
- 一酸化炭素、並びに、少なくとも1つのハロゲン化助触媒及び少なくとも1つのイリジウム系触媒化合物からなる触媒系の存在下で、少なくとも1つのギ酸メチルの異性化反応を液相において行う反応工程と呼ばれる第一の工程、並びに、フラッシュセパレーターと呼ばれるセパレーター中で、第一工程から生じた反応媒質の部分気化を行うフラッシュ工程と呼ばれる第二の工程からなる酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法であって、
前記フラッシュセパレーターから生じた気化していない液体画分中でのギ酸及びギ酸メチルの総含量は、前記液体画分の1重量%以上に維持されていることを特徴とする酢酸及び/又は酢酸メチルの製造方法。 - 前記第一工程が、さらにメタノールのカルボニル化反応を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記液体画分中での水分含量は、フラッシュから生じた前記液体画分に対して、5重量%未満に維持されていることを特徴とする請求項1又は5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記水分含量は、フラッシュから生じた液体画分に対して、0.5重量%未満に維持されていることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 部分気化である前記第二工程の後に、前記部分気化工程から生じた気化画分からの酢酸及び/又は酢酸メチルの精製並びに回収工程である、第三の工程を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 精製及び回収である第三の工程において、蒸留塔の下部にメタノールを注入し、精製された酢酸を塔の底部からメタノールとギ酸メチルの混合物を塔の頭部から除去する反応性蒸留により、ギ酸を酢酸から分離することを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 第一工程の反応媒質中において、ハロゲン化助触媒が、20重量%以下の濃度に維持されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 第一工程の反応媒質中において、ギ酸の含量が15重量%未満の値に維持されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 第一工程の反応媒質中において、ギ酸メチルの含量が20重量%未満の値に維持されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 第一工程の反応媒質中において、酢酸メチルの含量が40重量%未満の値に維持されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 第一工程の反応媒質中において、酢酸の含量が25重量%以上の値に維持されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ハロゲン化助触媒は、ヨウ素化化合物及びその前駆体から選択されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ハロゲン化助触媒は、ヨウ素、ヨウ化メチル、ヨウ化水素酸及びヨウ化アセチルよりなる群から選択されることを特徴とする請求項15記載の方法。
- 前記ハロゲン化助触媒は、ヨウ化メチルであることを特徴とする、請求項16記載の方法。
- 触媒系は、さらにロジウム系触媒化合物を含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 第一工程の反応媒質中において、触媒化合物の総濃度は、0.1〜100mmol/lであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 第一工程の反応媒質中において、前記媒質に可溶なイオン化化合物の形のヨウ化物が維持されていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 反応工程において、温度が150〜250℃の間に、そして、圧力が0〜200.105絶対Paの間に維持されていることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 部分気化工程において、温度が80〜200℃の間に、そして、圧力が0〜20.105絶対Paの間に維持されていることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
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