JP2004533542A5 - - Google Patents

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金属表面の耐食処理方法
本発明は、金属表面の耐食処理の分野に関するものである。本発明の一様相は、非被覆金属表面上に、耐食層を沈着させることを含むものである。本発明の他の様相は、前記金属表面上に既に沈着された耐食層の耐食作用を強化することを含むものである。本発明の特徴事項は、クロム又はニッケルのような、有毒重金属が全く用いられていないことである。
耐食性を増強するために非被覆金属表面上に耐食層を沈着すること及び既に被覆されている金属表面をリンスすることに関連する広範囲にわたる先行技術がある。これら先行技術文献のいくつかを例示すると、アルミニウム表面を、クロムなし処理について具体的に記載したものがある。これに関連して用いられている用語「化成処理」は、処理溶液の成分が、金属表面に化学的に反応してその結果、前記処理溶液の成分と、金属表面からの金属原子との両方が合体して含まれる耐食層が形成されることを示すものである。
アルミニウム表面に、ほう素、硅素、チタン又はジルコニウムのフルオライドのそれぞれ、又はそれと有機重合体との組み合わせにより、非クロム含有化成処理を施して、永久耐食性を得ること、及び、それに引続く被覆のための基体を作製することは、原理的に既知である。
US−A−5129967(特許文献1)は、アルミニウムのリンスなし処理(以下これを、「即時乾燥された化成被覆」と記す。)用の処理浴を開示しており、この処理浴は、
a)10〜16g/リットルのポリアクリル酸又はその単一重合体、
b)12〜19g/リットルのヘキサフルオロジルコン酸、
c)0.17〜0.3g/リットルのフッ化水素酸、及び
d)0.6g/リットル以下のヘキサフルオロチタン酸、
を含むものである。
EP−B−8942(特許文献2)は、好ましくはアルミニウム缶に用いられる処理溶液を開示しており、この処理溶液は
a)0.5〜10g/リットルの、ポリアクリル酸又はそのエステル、及び
b)0.2〜8g/リットルの、H2ZrF6,H2TiF6及びH2SiF6から選ばれた少なくとも1成分
を含み、この溶液のpHは、3.5未満であり、かつ、前記処理液の補充用水性濃厚液は、
a)25〜100g/リットルの、ポリアクリル酸又はそのエステル、
b)25〜100g/リットルの、H2ZrF6,H2TiF6及びH2SiF6から選ばれた少なくとも1成分、及び、
c)7〜120g/リットルの遊離フルオライドを生成するための遊離フッ化物源
を含むものである。
DE−C−1933013(特許文献3)は、3.5より高いpHを有する処理浴を開示しており、この処理浴は、金属量に換算して、0.1〜15g/リットルの、ほう素、チタン又はジルコニウムの錯フルオライドの他に、0.5〜30g/リットルの酸化剤、特に、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムを、含むものである。
DE−C−2433704には、特にアルミニウムへの被覆密着性及び永久耐食保護の向上のための処理浴についての記載があり、これらの処理浴はポリアクリル酸又はその塩又はエステルを0.1〜5g/リットルと、フルオロジルコン酸アンモニウムを、ZrO2換算で0.1〜3.5g/リットルを含むことがあるものである。これらの処理浴のpHは、広い範囲にわたって変動することができる。一般に、pHが6〜8の範囲内にあるとき最良の結果が得られる。
US−A−4992116には、アルミニウムの化成処理のための処理浴が記載されており、この処理浴は、約2.5〜5のpHを有し、少なくとも下記3成分を含むものである。
a)1.1×10-5乃至5.3×10-3モル/リットルの範囲内の濃度のりん酸イオン、上記濃度は1〜500mg/リットルに相当する。
b)1.1×10-5〜1.3×10-3モル/リットルの、Zr,Ti,Hf及びSiから選ばれた1元素のフッ素酸(上記濃度は、元素の種類に応じて、1.6〜380mg/リットルに相当する)、及び
c)0.26〜20g/リットルのポリフェノール化合物、この化合物はポリ(ビニルフェノール)と、アルデヒド及び有機アミンとの反応により得ることができる。
この場合、前記フッ素酸の前記りん酸塩に対するモル比は、約2.5:1から1:10までの範囲内に保護されるべきものである。
DE−A−2715292には、アルミニウム缶のクロムを含まない予備処理用の処理浴が開示されている。これらの処理浴は、少なくとも10ppmのチタン及び/又はジルコニウム、10〜1000ppmのりん酸塩と、及び、存在するチタン及び/又はジルコニウムの錯フルオライドを形成するのに十分な量の、但し、少なくとも13ppmの、フルオライドとを含み、かつ1.5〜4の範囲内のpHを有するものである。
WO92/07973は、アルミニウムに対する、クロムを用いない処理方法を開示しており、この処理方法は、酸性水性溶液中に不可欠成分として含まれた0.01〜約18重量%のH2ZrF6及び0.01〜約10重量%の3−(N−C1-4−アルキル−N−2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−4−ヒドロキシスチレンポリマーを用いるものである。必要により使用される成分は、0.05〜10重量%のSiO2分散体、0.06〜0.6重量%のポリマー可溶化剤、並びに界面活性剤である。
前記広範囲にわたる先行技術(その一部のみがこゝに報告されている)にも拘らず、金属表面の耐食保護処理のためのさらに処理剤及び処理方法の改善が必要とされている。
未公開のドイツ特許出願DE10005113は、ビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体が、優れた腐食防止作用を有していることを見出したことに基くものである。この発明は、その第1の様相において、金属表面の耐食保護処理方法に関するものであって、この方法は金属表面を、ビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体と接触させることを特徴とするものである。この場合、この発明の第1の態様において、前記金属表面は、先ず最初に先行技術による化成処理、例えば、亜鉛又は鉄を用いるりん酸塩、化成処理、金属、例えばチタン、ジルコニウム、又はハフニウム、或は場合によりほう素又は硅素、のフッ素酸を用いる化成処理、或は、ビニルピロリドン単位を含まない有機重合体の溶液又は懸濁液を用いる処理に供される。前記重合体の例は、前記特許出願明細書の導入部に引用された文献中に記載されている。
前記引用された発明のその他の態様は、前記金属表面を、ビニルピロリドンの単一重合体、又は共重合体と接触させ、それと同時に、前記金属表面を、化成処理に供することを含むものである。従って、この場合、前記単一重合体又は共重合体は、処理溶液中に含まれ、この手段により、化成層が、前記金属表面上に形成される。化成層形成用処理溶液は、例えば、りん酸又はそのアニオンを含んでいてもよい。亜鉛及び/又はマンガンなどの2価のカチオンも前記処理溶液中に含まれていてもよい。前記化成層形成用処理溶液の具体的例はりん酸亜鉛化成処理溶液であり、この溶液は、前記金属表面上に、亜鉛を含む金属りん酸塩の結晶層を形成する。しかしながら、この処理溶液は、りん酸及び/又はそのアニオンも含んでいてもよいが、しかし、2価の金属は含まないものである。その一例は、りん酸鉄溶液であり、これは、金属表面上に、具体的には、鉄含有表面上に、りん酸金属塩及び/又は、金属酸化物の実質的に非結晶質の層を形成する。このような処理浴液中のビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体の存在は、この化成層により得られる耐食保護効果を改善する。このことは、若し前記処理溶液が、ビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体に加えて、化成層を形成するための成分として、フッ酸及び/又は、金属及びセミ金属、例えばほう素、硅素、チタン、ジルコニウム及び/又はハフニウム、の錯フルオライドを、含む場合にも適用される。
前記に引用したDE10005113によれば、金属表面処理用の即席使用溶液は、0.05〜200g/リットルのビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体を含むことが好ましい。
本発明が解決しようとする課題は、前記DE10005113の課題手段を、使用される薬剤の効果に関して、更に改良した金属表面の処理方法を提供することにある。
本発明は、金属表面を処理するための方法に関するものであり、この処理方法は、金属表面に、化成処理中に、リン酸及び/又はZr,Ti,Hf及びSiからなる群から選ばれた1種以上の元素のフルオロ酸、又はそのアニオンと、ビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体とを含む配合液と接触させること、前記配合液が、
a)0.02〜20g/リットルの、りん酸及び/又はZr,Ti,Hf及びSiからなる群から選ばれた1種以上の元素のフルオロ酸、或はそれぞれのアニオンと、
b)10〜49.9mg/リットルの、ビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体を
含む即時使用用溶液であること、及び
前記配合液が、前記成分(a)として、りん酸及び/又はそのアニオンを含むとき、2価の金属を含まないこと、
を特徴とするものである。
本発明の金属表面処理方法において、前記配合液が、ニッケル及びクロムを含まないことが好ましい。
本発明の金属表面処理方法において、前記ビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体が、カプロラクタム基を含むことが好ましい。
本発明の金属表面処理方法において、前記金属表面に、前記配合液を接触させる前に、前記金属表面を酸の水溶液により処理することが好ましい。
りん酸が存在する場合、本発明に用いられる金属表面処理用処理剤は、りん酸塩化成処理溶液である。この溶液が、2価の金属、すなわち、亜鉛及び/又はマンガン、のイオンを含まない場合には、この溶液は“皮膜非形成性”りん酸塩化成溶液と称され、これは、例えば、りん酸鉄化成溶液の形状にあってもよい。亜鉛及び/又はマンガンを含むりん酸塩化成処理溶液(これは、例えば、0.3〜2g/リットルの亜鉛イオンと、必要により、それに加えて、或はその代りに、ほぼ、前記と同一濃度のマンガンイオンを含む)は、化成処理分野においては、“皮膜形成性“りん酸塩化成処理液と称されている。この処理溶液は、りん酸とともに、或はその代りに、Zr,Ti,Hf及びSiから選ばれた1種以上の元素の1種以上のフッ素酸を含んでいてもよい。この溶液の設定されたpHに応じて、前記りん酸及び前記フッ素酸の両者は、部分的に、負の1価に、又は複数価に帯電したアニオンの形状に部分的に存在する。酸のアニオンの非解離酸に対する比は、各酸のプロトリシス定数(protolysis constant)及び実際に設定されたpHに応じて定まる。この現象は、一般に、酸−塩基平衡として知られている、上記の不可欠成分に加えて、本発明方法に用いられる処理剤は、水を含み、かつ必要により、pHを規定するための、耐食作用を増進するための、使用の容易性を改良するための、及び、他の目的のために有効な、他の活性成分或は、補助物質を含むものである。
本発明方法に用いられる処理剤が、ビニルピロリドンの共重合体を含む場合には、これらの共重合体は、ビニルピロリドンに加えて、1種以上の他のモノマーを含んでいてもよい。よって、これら共重合体は、例えば、2成分を含む共重合体、或は、3成分を含む共重合体(三元共重合体)である。単一重合体と二成分共重合体との混合物、単一重合体と三元共重合体との混合物、或は、二成分共重合体と三元共重合体との混合物もまた使用することができる。
本発明方法に用いられる即席使用処理剤は、濃厚液を希釈することにより得ることができる。これは、未公開ドイツ特許出願DE10005113の主題である。具体的組成に応じて、既にすべての活性成分を含む濃厚液は、長期間にわたる貯蔵において、十分に安定ではないことがある。このような場合には、この濃厚液を、少なくとも2つの成分に分け、各成分が、即席使用耐食処理剤の選択された成分を含むようにすることが好ましい。例えば、前記濃厚液の一成分が、少なくとも主に、処理剤の無機構成成分を含み、濃厚液の他の少なくとも1成分が、有機重合体を含むことが、適切であると思われる。また、濃厚液の2成分は、互に異るpH値を有していてもよく、それによって、濃厚液成分の貯蔵中の安定性を向上させることができる。即席使用の形状にある処理剤を調製するため、或は、補充するために、当該濃厚液の成分を各個に、水で、希釈して、活性成分が、所望の濃度範囲内にあるようにする。このとき、酸或は苛性アルカリ溶液を添加して、pHを、所要の範囲内に規定することが必要と思われる。
処理液中の活性成分a)及びb)の好ましい濃度範囲は、りん酸又は、りん酸塩イオンの場合は、5〜20g/リットル、特に8〜10g/リットルのりん酸塩イオンであり、フッ素酸の場合には、それに含まれるZr,Ti,Hf及び/又はSiの量が、20〜1000mg/リットル、特に、50〜400mg/リットルである。処理液中のビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体の濃度は、20〜45mg/リットルの範囲内にあることが好ましい。
好適なビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体は、例えば、下記表1に記載のポリマー又は、表1中に記載のモノマーの重合体である。
Figure 2004533542
耐食保護効果を向上させるために、本発明方法用処理剤は、前記の他に、元素亜鉛、マンガン、セリウム又はバナジウムのイオンのような遷移金属イオン、及び、フッ化水素酸又は遊離フルオライド類を含んでいてもよい。また、クロムイオン又はニッケルイオンの存在は、原理的には有利である。しかし、工業的安全及び環境保護の理由により、クロムイオン又はニッケルイオンの添加を避けることが好ましい。従って、本発明方法好ましい態様においては、処理剤はニッケル及びクロムを含まないものである。このことは、これらの金属又はその化合物は、処理剤に意識的には添加されないことを意味する。しかし、鋼合金などのタンクの原材料、又は、その処理されるべき表面から生起したニッケル及び/又はクロムのイオンが、処理剤(処理溶液)中に低濃度で混入する可能性は、否定できない。しかし、実際においては、即席使用の処理溶液中のニッケル及び/又はクロムの濃度は、約10ppmより多量にはならないものと予想される。
本発明方法に用いられる即席使用処理剤は、1〜6の範囲内の、特に2〜5.5の範囲内のpHを有することが好ましい。このことは、元素Zr,Ti,Hf又はSiのフッ素酸類は、pH及びプロトリシス定数に応じて、部分的に、遊離酸の形状にあり、かつ部分的にその酸性アニオンの形状にあることを意味する。従って、これらのフッ素酸類が、そのまゝの形状で用いられるか、又は塩の形状で、用いられるかのいずれかについては関係がない。更に、Zr,Ti,Hf又はSiの酸可溶性化合物、及びフッ化水素酸又は可溶性フルオライド類を別々に添加してもよく、これは、上記元素のフルオロアニオン類がこれらから形成され得るからである。使用方法に応じて、pHを、上記の元素の遊離フッ素酸或は場合により、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、又はりん酸のような酸の添加により、或は、アルカリ金属の炭酸塩の溶液、アルカリ金属の水酸化物の溶液又はアンモニアの添加により、所望の範囲内に規定するべきである。
カプロラクタム基を含むビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体が、特に良好な抗腐食作用を有しているという理由により、本発明の具体的一態様において、本発明の処理剤は、カプロラクタム基を含むビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体を含んでいる。
本発明の方法において、金属表面(これは、所望により耐食性層を既に担持していてもよい)を、前記の処理剤に接触させる。前記金属表面は、例えば、鋼、亜鉛めっき鋼(電気めっき又は、溶融浸漬めっきされたもの)、亜鉛合金により被覆された鋼、或はアルミニウム又はマグネシウムから形成された表面から選択されてもよい。この場合、金属アルミニウム及びマグネシウムは、一般に純粋物の形状にはなく、他の元素、例えばリチウム、亜鉛、銅、硅素、マグネシウム(アルミニウム合金の場合)又はアルミニウム(マグネシウム合金の場合)のような他の元素との合金の形状にある。本発明方法は、特に、車輌の構成、家庭用具工業、或は、建築又は調度の分野において使用される前記金属からなる表面の処理に有用なものである。
上記事項に関連して、耐食性層を有していない前記金属の表面を処理することができる。本発明に係る前記処理方法は、このような場合、耐食性被覆層を形成し、この被覆層は、同時に、ラッカーのような必要によりその上に塗布されるべき有機被覆層との密着性を改善する。しかしながら、既に耐食性層により被覆されている前記金属表面を、さらに本発明の方法により処理してもよい。この場合、既に被覆している耐食性層の抗腐食作用がさらに増進される。例えば、本発明方法は、X−線非晶質又は結晶質被覆層を有する金属表面の後処理に好適であり、前記X−線非結晶性又は結晶性被覆層とは、例えば非被膜層形成性、又は被膜層形成性りん酸塩化成処理、例えば被膜層形成性りん酸亜鉛化成処理により形成されたものである。このような前処理された金属表面を、本発明方法により処理すると、前記前処理の後に、得られた初期耐食性層中に残存している空孔が封鎖される。
本発明の処理方法において、金属表面に、処理溶液を、例えば、スプレーにより、又は浸漬により接触させることができる。この場合、前記接触時間の経過後、前記処理溶液を、水ですすぎ洗いする工程を設けることが好ましく、このすすぎ洗い時間は例えば30秒〜5分間であってもよい。上記方法の代りに、処理溶液を、金属表面にすすぎ洗いを施さない方法で、接触させてもよい。この場合処理溶液は、金属表面上にスプレーされるか、或は、金属表面に、塗布ローラーにより塗布される。接触時間(これは例えば2〜20秒間の範囲内にある)の経過後、処理溶液を、中間すすぎ洗いすることなしに、乾燥する。この乾燥は、例えば、加熱炉内において行われる。
本発明の処理方法において、処理溶液は、好ましくは、1〜6の範囲内のpHを有する。しかし、pHの範囲は、基体、塗布方法及び接触時間に応じて、より狭いことが、好ましい。例えば、非被覆金属表面の処理においては、pHを、2〜6の範囲内に規定することが好ましく、特にアルミニウム表面の処理のためには、pHは2〜4の範囲内にあることが好ましく、特に、鋼、亜鉛又は亜鉛めっき鋼の処理のためにはpHは3〜5の範囲内にあることが好ましい。既に前処理され、例えば、りん酸塩化成層を有する金属表面には、3.5〜5の範囲内のpHを有する処理液を接触させることが好ましい。本発明方法の実施における処理溶液の温度は、一般に、当該処理溶液の凍結温度と、沸騰温度の間にあり、室温以上の範囲内の温度が、実務上の理由により好ましい。例えば、処理溶液の温度は、15〜60℃の範囲内にあればよく、特に20〜45℃であればよい。
本発明の処理方法は、1工程であり、関連分野における他の工程と、従来の順序により連結される。例えば、処理すべき金属表面は、通常、本発明の処理の前に従来の清浄化溶液を用いて清浄化される。しかし、本発明の処理の直前に処理されるべき金属表面が被覆されたとき、例えば亜鉛めっきされるとき、或は、化成処理、例えばりん酸塩化成処理、に供されるときには、前記清浄化工程は省略されてもよい。本発明の処理工程の後に、得られた金属表面は、有機被覆層、例えば、ラッカー、により従来方法により被覆される。この被覆層は、例えば、粉体塗装層、或は、電着塗装、特にカチオン電着塗装による電着塗装層であってもよい。
本発明方法を実施するときの特に好ましい方法は、金属表面を、化成処理層を形成するための前記処理剤と接触させる前に、すなわち、化成処理中において、酸の水溶液により処理する工程を含むものである。この挿入された加工工程は、化成処理前に金属表面を、酸の水溶液で処理することを含み、この工程は、当業界においては、“酸洗い(acid pickling)”又は“酸洗い不動態化(pickle passivation)”と称される。前記酸洗い又は酸洗い不動態化に従来用いられている酸を、本発明の方法の目的のために用いることができる。これらの酸の例は、りん酸である。
実施例 化成処理としての使用
従来の酸洗い不動態化を伴う化成処理
基材:溶融浸漬めっきされた鋼材(HDG)
電気めっきされた鋼材(EG)
アルミニウム(AC120)
冷圧延鋼(CRS)
工程の順序(スプレー塗布)
1.清浄化:
Ridoline(登録商標)(リドリン)1570、3%、82秒間、55℃
Ridosol(登録商標)(リドソール)1270、0.3%、本件出願人製造の市
販の金属清浄化剤
2.すすぎ洗い: 脱イオン水
3.酸洗い不動態化:りん酸、0.23%、82秒間
4.すすぎ洗い: 脱イオン水
5.化成処理: 108秒間、30秒間、
2ZrF6酸(45%、1.38g/リットル)、及び
ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム重合体
固体含有量(37mg/リットル)、
を含む水溶液を使用
6.すすぎ洗い: 脱イオン水
7.乾燥: 圧縮空気
8.被覆処理: 鉛を含まないカチオン電着塗装法による
(BASF CG 310)
被覆層の厚さ:20〜23μm
上記と同一の工程順序による。但し、工程3及び4を省略した。
腐食試験
亜鉛めっき基体: 食塩水中に浸漬後に被覆層の密着性試験
アルミニウム: 銅促進食塩スプレー試験 CASS
DIN 50021、10日間
鋼: 食塩スプレー試験 SS DIN 50021、21日間
結果: スクライブ(刻印)に沿う塗膜のクリープ度(片側膨れ幅)
:U/2単位:mm;
被覆層の密着性に関する石衝撃試験の結果
:(K値によるK=1のとき、最良の被覆層密着度であり、K=1 0のとき、最悪の被覆層密着度とする)
Figure 2004533542
化成処理及びそれに続く共重合体混合物使用粉体塗装(亜鉛めっき鋼)
基体: CRS,EG,HDG
工程の順序(浸漬法を適用)
1.清浄化: Ridoline(登録商標)(リドリン)1570、2%、
Ridosol(登録商標)(リドソール)1237、0.3%、
5分間、55℃(出願人より製造された市販金属清浄化剤)
2.すすぎ洗い: 脱イオン水
3.化成処理: 180秒間、30℃
下記組成の処理浴を使用
2ZrF6酸(45%、1.38g/リットル)と、
ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体(=Pa )と、
ビニルピロリドン/ビニルイミダソール共重合体(=Pb )との混 合物
(固形分含有量37mg/リットル)
4.すすぎ洗い: 脱イオン水
5.乾燥: 圧縮空気
6.被覆処理: ポリエステルPES 5807/RAL 5009GL
(TIGSを含まず、Herbert製品)、約60〜80μm厚
腐食試験
中性食塩スプレー試験 DIN 50021 SS、21日間
結果: スクライブに沿う塗膜のクリープ度、片側膨れ幅
クロスカット塗膜密着試験による塗膜の密着度
Figure 2004533542
ポリマーの配合割合例えば単一重合体/重合体比を変化させることができる。
a %=100%−Pb %、Pa >0
共重合体混合物を用いる化成処理(粉体塗装)
基材: CRS
工程の順序(浸漬法を適用)
1.清浄化: Ridoline(登録商標)(リドリン)1570、2%、
Ridosol(登録商標)(リドソール)1237、0.3%、 5分間、55℃
2.すすぎ洗い: 脱イオン水
3.化成処理: 180秒間、30℃
下記組成の処理浴を使用した。
2ZrF6酸(45%、1.38g/リットル)と、
ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体(=Pb )と、
ビニルピロリドン/ビニルイミダソール共重合体(=Pa )との混 合物、
(固形分含有量22mg/リットル)
4.すすぎ洗い: 脱イオン水
5.乾燥: 圧縮空気
6.被覆処理: ポリエステルPES 5807/RAL 5009GL
(TIGCを含まず、Herbert社の製品)、
約60〜80μm厚
腐食試験
中性食塩スプレー試験 DIN 50021 SS、21日間
Figure 2004533542

Claims (4)

  1. 金属表面に、化成処理中に、リン酸及び/又はZr,Ti,Hf及びSiからなる群から選ばれた1種以上の元素のフルオロ酸、又はそのアニオンと、ビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体とを含む配合液と接触させること、前記配合液が、
    a)0.02〜20g/リットルの、りん酸及び/又はZr,Ti,Hf及びSiからなる群から選ばれた1種以上の元素のフルオロ酸、或はそれぞれのアニオンと、
    b)10〜49.9mg/リットルの、ビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体を
    含む即時使用用溶液であること、及び
    前記配合液が、前記成分(a)として、りん酸及び/又はそのアニオンを含むとき、2価の金属を含まないこと、
    を特徴とする金属表面の処理方法。
  2. 前記配合液が、ニッケル及びクロムを含まない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ビニルピロリドンの単一重合体又は共重合体が、カプロラクタム基を含む、請求項1及び2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記金属表面に前記配合液を接触させる前に、前記金属表面を酸の水溶液により処理することをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
JP2003508743A 2001-06-30 2002-06-21 金属表面の耐食処理方法 Pending JP2004533542A (ja)

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