JPH09151336A - 金属表面処理組成物及び金属表面処理方法 - Google Patents

金属表面処理組成物及び金属表面処理方法

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JPH09151336A
JPH09151336A JP31236795A JP31236795A JPH09151336A JP H09151336 A JPH09151336 A JP H09151336A JP 31236795 A JP31236795 A JP 31236795A JP 31236795 A JP31236795 A JP 31236795A JP H09151336 A JPH09151336 A JP H09151336A
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resin
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treatment composition
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Tomoyuki Sugata
智之 菅田
Atsuhiko Tounaka
敦彦 當仲
Yasuhiro Shibata
康弘 柴田
Toshiaki Shimakura
俊明 島倉
Kiyotada Yasuhara
清忠 安原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性や塗膜密着性を改善し、更に摩擦抵抗
性を付与する金属表面処理組成物及び処理方法を提供す
る。 【解決手段】 水溶性、水分散性又はエマルジョン性の
樹脂又はその塩を含有する金属表面処理組成物である。
樹脂は、イオウ原子を少なくとも1つ含み、エポキシ系
樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリブタジエ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂の少なくとも1種の樹脂骨
格を有する化合物である。また、重金属は、ジルコニウ
ム、モリブデン、タングステン、ニオブ、ニッケル、コ
バルト、マンガン、タンタルの少なくとも1種である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属表面処理組成
物、特に耐食性、塗膜密着性や摩擦抵抗性を改良した金
属表面組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】食缶、自動車のボディー、鋼板のコイル
コーティング等の金属材の表面処理として、従来はリン
酸塩処理、クロメート処理やノンクロメート処理等が行
われていた。例えば、鉄、亜鉛、アルミニウム等の金属
表面に塗料、接着剤等の有機皮膜を塗布する場合、前処
理としてリン酸塩処理によって金属表面にリン酸塩皮膜
を形成させる。次いで、塗料等の有機皮膜がその上面に
形成されることによって耐食性、塗膜密着性が向上す
る。しかし、従来のリン酸塩処理方法等における金属表
面処理剤は、耐食性、塗膜密着性や摩擦抵抗性(「すべ
り性」ともいう)が必ずしも近年の要求に対して十分で
はなかった。
【0003】そこで、通常更に耐食性の向上を図るため
に、リン酸塩処理の後、プライマー塗料を塗布してから
塗料を塗装する方法が行われていた。しかし、プライマ
ーを塗装すると、耐食性及び塗膜密着性は向上するもの
の、塗装工程が増加して作業が煩雑になると共に、塗装
コストが高くなるという課題を有していた。
【0004】そこで、高度な耐食性及び塗膜密着性を付
与しつつ、プライマー塗装を省略することを目的とする
金属表面処理剤として、例えば特開平5−117869
号公報の「複合皮膜形成用金属表面処理剤」が提案され
ている。上記公報の金属表面処理剤は、陽イオン性窒素
原子を1個以上含み、分子量が1000〜100000
0である陽イオン性有機高分子化合物又はその塩を含有
するリン酸塩表面処理液からなることが開示されてい
る。
【0005】また、特開昭51−73938号公報の
「アルミニウム及びその合金の表面処理法」には、特
に、表面処理を行う金属をアルミニウム等に限定して、
耐食性及び塗膜密着性を付与するすることを目的とする
金属表面処理法が提案されている。この金属表面処理法
は、酢酸ビニル・塩化ビニリデン、アクリル酸等の水溶
性樹脂又はエマルジョン樹脂を含む有機高分子皮膜形成
物質と、水溶性チタン化合物とを主成分とする処理液を
用いることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記金
属表面処理剤や処理液は、従来の金属表面処理剤等に比
べれば耐食性及び塗膜密着性が向上するものの、近年の
要求水準には、未だ到達していない。
【0007】特に、アルミニウム又はその合金を用いて
食缶を製造する場合には、従来上記金属表面処理剤等で
は、ジャミング防止が図れず、また鋼板のコイルコーテ
ィングにおいては、潤滑性に欠けるという問題点があっ
た。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを目的としてなされたものであり、耐食性や塗膜密着
性を改善し、更に摩擦抵抗性を付与する金属表面処理組
成物及び処理方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明に係る金属表面処理組成物は、陽イオン
性イオウ原子を少なくとも1つ含む水溶性、水分散性又
はエマルジョン性の樹脂を含有する。
【0010】上記発明の構成によれば、イオウ原子含有
樹脂又はその塩の中のイオウ原子が、(重)金属に配位
するので、上記無機皮膜は、このイオウ原子を介して相
互に連結される。従って、無機皮膜の凝集破壊が防止さ
れ、ほぼ均一な塗装下地用皮膜を金属表面に形成するこ
とができる。このため、塗装下地用皮膜と上塗塗膜との
塗膜密着性が向上する。本発明における塗装下地用皮膜
とは、金属表面に形成されたイオウ原子含有樹脂又はそ
の塩によって連結された上記無機皮膜からなる金属表面
に形成された皮膜をいう。更に、上記有機皮膜形成樹脂
が塗装下地用皮膜表面にほぼ均一に存在するので、摩擦
抵抗を下げることができ、すべり性を向上させることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る金属表面処理組成物
に含有される陽イオン性イオウ原子を少なくとも1つ含
有する樹脂又はその塩は、例えば水溶性、水分散性又は
エマルジョン性の樹脂又はその塩のいずれかである。好
ましくは、陽イオン性イオウ原子含有樹脂が、エポキシ
系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリブタジ
エン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂の1
種又は2種以上の樹脂骨格を有する化合物である。
【0012】上記樹脂骨格を有することにより、金属表
面の皮膜に更なる耐食性を付与することができる。
【0013】例えば、陽イオン性イオウ原子含有樹脂又
はその塩の少なくとも1つが、化1に示す構造を有す
る。
【0014】
【化1】 特に好ましくは、陽イオン性イオウ原子含有樹脂中のイ
オウ原子の少なくとも1つは、化2に示すいずれかの構
造である。
【0015】
【化2】 上記陽イオン性イオウ原子含有樹脂によれば、樹脂の金
属への配位量が増加し、より以上の耐食性、摩擦抵抗性
が向上する。
【0016】また、陽イオン性イオウ原子含有樹脂の塩
としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩
や、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩
や、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0017】また、本発明における陽イオン性イオウ原
子含有樹脂又はその塩の分子量は、1000〜1000
0が好ましい。分子量が1000未満の場合には、耐食
性、摩擦抵抗性(以下「すべり性」という)が劣る。一
方、分子量が10000を越えると、水溶性が劣る。
【0018】また、本発明において、金属表面処理組成
物に対して陽イオン性イオウ原子含有樹脂又はその塩の
含有量は、0.01〜10g/lが好ましく、より好ま
しくは0.1〜5g/lである。陽イオン性イオウ原子
含有樹脂又はその塩の含有量が0.01g/l未満の場
合には、陽イオン性イオウ原子含有樹脂又はその塩のバ
インダー効果が発揮されず、塗装下地用皮膜の物理的な
耐久性が劣る。一方、陽イオン性イオウ原子含有樹脂又
はその塩の含有量が10g/lを超えると、耐食性が劣
化する。
【0019】本発明における陽イオン性イオウ原子含有
樹脂は、より好ましくは分子量500当り、フェニル基
を1〜5個と、水酸基を1〜12個と、イオウ原子を
0.1〜7個と、を含有することである。分子量500
当りフェニル基が1個未満の場合には、耐食性及びすべ
り性が劣化する。一方、分子量500当りフェニル基が
5個を超える場合には、水溶性及び塗膜密着性が劣化す
る。また、分子量500当り水酸基が1個未満の場合に
は、塗膜密着性及び金属表面処理液中への水溶性が劣化
する。一方、分子量500当り水酸基が12個を超える
場合には、耐食性及びすべり性が劣る。更に、分子量5
00当り陽イオン性イオウ原子が0.1個未満の場合に
は、塗膜密着性及び金属表面処理液中への水溶性が劣化
する。一方、分子量500当り陽イオン性イオウ原子が
7個を超えると、耐食性が劣る。
【0020】上記条件を満たす陽イオン性イオウ原子含
有樹脂の例を下記に示す。
【0021】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】 上記化3〜化7の化合物中の水酸基によって、皮膜の塗
膜密着性が向上する。また、上記化3の化合物中のフェ
ニル基の部位によって、皮膜の耐沸水黒変性、すべり性
が向上する。更に上記化3の化合物中のイオウ原子によ
って、皮膜の金属に対する付着性が向上する。更に、上
記化3の化合物中のイオウ原子がイオン化するので、処
理浴が安定になる。ここで、耐沸水黒変性とは、食缶
(アルミ)において、殺菌のために行う水道水等による
沸水処理時に、未塗装部の素地が水中の金属と作用して
黒色化する現象をいう。
【0022】本発明に係る金属表面処理組成物が含有す
る重金属は、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、
モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニオブ(N
b)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン
(Mn)、タンタル(Ta)の少なくとも1種である。
好ましくは、重金属は、ジルコニウム(Zr)、チタン
(Ti)、ニオブ(Nb)、マンガン(Mn)、タンタ
ル(Ta)である。上記重金属の供給源は、上記重金属
の錯フッ化物が好ましく、その他硝酸塩、リン酸塩等が
挙げられる。
【0023】本発明に係る金属表面処理組成物に対する
重金属の錯フッ化物の含有量は、0.01〜10g/l
が好ましい。重金属の錯フッ化物の含有量が0.01g
/l未満の場合には、耐食性が劣化する。一方、重金属
の錯フッ化物の含有量が10g/lを超える場合にも、
耐食性が劣化する。
【0024】本発明に係る金属表面処理組成物は、耐食
性向上のために更にリン酸又はリン酸塩を含有してもよ
い。リン酸又はリン酸塩としては、H3 PO4 、Na3
PO4 、Na2 HPO4 、NaH2 PO4 、(NH4
3 PO4 等が挙げられる。上記金属表面処理組成物に対
してリン酸又はリン酸塩の含有量は、20g/l未満が
好ましい。より好ましくは、0.05〜0.1g/lで
ある。リン酸又はリン酸塩の含有量が20g/l以上で
は、塗膜密着性が劣化する。
【0025】本発明に係る金属表面処理組成物は、必要
に応じて、以下のエッチング剤やエッチング助剤を含有
してもよい。
【0026】エッチング剤としては、フッ化水素及びそ
の塩が挙げられる。そして、このエッチング剤は、適宜
金属表面処理組成物に対して0.005〜0.5g/l
含有してもよい。エッチング剤の含有量が0.005g
/l未満の場合には、エッチング性が不足し、塗装下地
用皮膜が十分に金属表面に形成されない。一方、エッチ
ング剤の含有量が0.5g/lを超えると、エッチング
が過多になるという問題がある。
【0027】エッチング助剤としては、過酸化水素(H
2 2 )及び/又は亜硝酸(HNO2 )、及びその塩、
HBF4 が挙げられる。そして、このエッチング助剤の
過酸化水素(H2 2 )及び/又は亜硝酸(HN
2 )、及びその塩は、適宜金属表面処理組成物に対し
て0.005〜5g/l含有してもよい。上記エッチン
グ助剤の含有量が0.005g/l未満の場合には、耐
食性が劣化する。一方、上記エッチング助剤の含有量が
5g/lを超えても、耐食性が劣化する。また、HBF
4 は、適宜金属表面処理組成物に対して0.003〜
0.2g/l含有してもよい。HBF4 の含有量が0.
003g/l未満の場合には、耐食性が劣化する。一
方、HBF4 の含有量が0.2g/lを超えても、耐食
性が劣化する。
【0028】上記組成のpHは、約2.0〜約5.0の
範囲であり、好ましくは2.5〜3.0の範囲である。
本発明の組成物と金属素材とを接触させる温度は、常温
から約90℃の範囲の温度、好ましくは約35〜65℃
の範囲の温度である。一般には、金属素材と本発明の組
成物との接触時間は、高温程短くなる。
【0029】金属素材は、スプレー塗布の場合約5秒〜
約5分間、好ましくは10秒〜約60秒間本発明の組成
物と接触させるのが一般的である。浸漬法の場合には、
これより長い接触時間を要するのが一般的である。本発
明の組成と金属素材とを接触させるには、処理液組成物
と金属素材とを接触させる既知の方法を用いて行うこと
ができる。その例を挙げれば、スプレー法、浸漬法、フ
ローコート法、ローラーコート法である。本発明におい
ては金属素材と本発明の組成物とを完全に接触させるこ
とが重要である。スプレー法は、本発明の組成物と金属
素材とを接触させる好ましい方法である。
【0030】金属素材と本発明の組成物とを接触させた
後、皮膜化成処理された金属素材の水洗を行えば、化成
皮膜とならなかった本発明の処理液組成物を除去できる
ため均一な皮膜を得ることが可能である。本発明によれ
ば、無機−有機化成皮膜を一段処理で得られることがで
きる。一段処理法は、多段処理法に比べて多くの利点を
有する。
【0031】このようにして、皮膜化成処理された金属
素材は、次いで、乾燥される。皮膜処理された金属素材
は、180℃から240℃の範囲の温度で乾燥すること
ができる。約180℃未満の温度では、皮膜処理された
アルミニウム素材の耐食性及び塗膜密着性が低下する。
【0032】更に、本発明の好ましい他の実施態様を以
下に示す。
【0033】1.重金属は、ジルコニウム、チタン、ニ
オブ、マンガン、タンタルの少なくとも1種であること
を特徴とする金属表面処理組成物である。
【0034】2.樹脂中の陽イオン性イオウ原子の少な
くとも1つが、上記の化1に示す構造を有することを特
徴とする金属表面処理組成物である。
【0035】3.樹脂中の陽イオン性イオウ原子の少な
くとも1つは、上記化2に示すいずれかの構造であるこ
とを特徴とする金属表面処理組成物である。
【0036】4.樹脂の塩は、アルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩、アンモニウム塩の少なくとも1つである
ことを特徴とする金属表面処理組成物である。
【0037】5.樹脂又はその塩の分子量は、1000
〜10000であることを特徴とする金属表面処理組成
物である。
【0038】6.金属表面処理組成物に対する樹脂又は
その塩の含有量は、0.01〜10g/lであることを
特徴とする金属表面処理組成物である。
【0039】7.金属表面処理組成物に対する樹脂又は
その塩の含有量は、0.1〜5g/lであることを特徴
とする金属表面処理組成物である。
【0040】8.樹脂は、上記化3に示す化合物である
ことを特徴とする金属表面処理組成物である。
【0041】9.金属表面処理組成物に含有される重金
属の供給源は、その重金属の錯フッ化物、硝酸塩、リン
酸塩であることを特徴とする金属表面処理組成物であ
る。
【0042】10.金属表面処理組成物に対して重金属
の錯フッ化物の含有量は、0.01〜10g/lである
ことを特徴とする金属表面処理組成物である。
【0043】11.更に、リン酸又はリン酸塩を含有す
ることを特徴とする金属表面処理組成物である。
【0044】12.上記「11.」のリン酸又はリン酸
塩は、H3 PO4 、Na3 PO4 、Na2 HPO4 、N
aH2 PO4 、(NH4 3 PO4 であることを特徴と
する金属表面処理組成物である。
【0045】13.金属表面処理組成物に対してリン酸
又はリン酸塩の含有量は、0〜20g/lであることを
特徴とする金属表面処理組成物である。
【0046】14.更にフッ化水素及びその塩を含有し
ていることを特徴とする金属表面処理組成物である。
【0047】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。
【0048】実施例1〜11及び比較例1〜8 (1)被処理物:Al−Mn系(JIS−A3004)
アルミニウム合金板をDI加工等して得られた成型缶。
【0049】(2)塗装下地用皮膜評価方法: a)耐沸水黒変性:本実施例及び比較例の組成物によっ
て表面処理を行った被処理物を沸騰水道水中に30分間
浸漬した後の外観評価を次の基準で行った。
【0050】 ○ : 外観の変化なし △ : 僅かに黒変 × : 黒変 b)塗装下地用皮膜表面のすべり性:本実施例の方法で
化成処理を行った被処理物を「HEIDON−14型」
試験機で荷重50g、触針速度300mm/min.で
動摩擦係数を求めた。
【0051】 ○ : 0.6未満 △ : 0.6〜0.8 × : 0.8を超える場合 c)BASF社製塗料(EB−70−001N 150
mmg/m2 /EB−69−002N 60mmg/
2 )を被処理物に塗装する。そしてこの塗装された被
処理物を、ウェッジベンディング加工し、折れ曲り部を
ニチバン製セロテープによりテープ剥離した時の塗膜剥
離評価を次の基準で行った。
【0052】 ○ : テープ剥離幅が15mm未満 △ : テープ剥離幅が15〜20mm × : テープ剥離幅が20mmを超える (3)金属表面処理条件: (実施例1)Al−Mn系(JIS−A3004)成型
缶を酸性脱脂剤(「サーフクリーナーNHC250」、
日本ペイント(株)製)30g/lを用いて脱脂した
(75℃、60秒スプレー)後、水洗して、リン酸ジル
コニウム系処理剤(「アルサーフ 440」、日本ペイ
ント(株)製)を20g/lに希釈した水溶液に表1に
示す水溶性の樹脂A−1を0.2g/l溶かして処理液
を作成し、その処理液を用いて、50℃で20秒間スプ
レー処理を行った。処理した後、水道水で水洗し、次い
で180℃で30分間加熱乾燥を行った。その評価結果
を表3に示す。
【0053】(実施例2〜11及び比較例1〜8)実施
例2〜11及び比較例1〜8は、水溶性の樹脂(表1に
示した)と重金属の錯フッ化物とを下記の表2に示す配
合量で含有する金属表面処理組成物であって、これらの
金属表面処理組成物を上記実施例1に準じて、金属表面
処理を行った。その評価結果を表3に示す。
【0054】
【表1】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【表2】 註)*1:アルサーフ440;リン酸ジルコニム系処理
剤、日本ペイント(株)製
【表3】 これらの結果から、本発明の金属表面処理用組成物によ
れば、耐沸水黒変性、すべり性、上塗塗膜密着性のいず
れの性能も従来のものに比べ向上していることが判明し
た。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る金属表面処
理組成物によれば、重金属又はその塩からなる無機皮膜
によって透水性が抑制されるので、耐食性が向上する。
また、樹脂又はその塩中のイオウ原子は、(重)金属に
配位するので、上記無機皮膜は、そのイオウ原子を介し
て相互に連結させる。従って、無機皮膜の凝集破壊を防
止することができ、ほぼ均一な塗装下地用皮膜を金属表
面に形成することができる。このため、塗装下地用皮膜
と上塗塗膜との塗膜密着性が向上する。ここで、塗装下
地用皮膜とは、金属表面に形成された樹脂又はその塩に
よって連結された上記無機皮膜からなる皮膜をいう。更
に、上記樹脂が塗装下地用皮膜表面にほぼ均一に存在す
るので、摩擦抵抗を下げることができ、すべり性を向上
させることができる。
【0056】従って、本発明に係る金属表面処理組成物
によれば、従来に比べ著しく耐食性や塗膜密着性を改善
することができ、更に摩擦抵抗性を付与することができ
る。また、本発明に係る金属表面処理組成物によれば、
アルミニウム又はその合金を用いて食缶を製造する場合
には、ジャミング防止することができ、コイルコーティ
ングにおいては、潤滑性を付与することができる。
【0057】本発明に係る金属表面処理組成物は、食
缶、自動車のボディー、鋼板のコイルコーティング、建
材等の金属表面処理に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島倉 俊明 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 安原 清忠 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン性イオウ原子を少なくとも1つ
    含む水溶性、水分散性又はエマルジョン性の樹脂を含有
    することを特徴とする金属表面処理組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の金属表面処理組成物に
    おいて、 前記樹脂は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタ
    ン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
    フェノール系樹脂の少なくとも1種の樹脂骨格を有する
    化合物であることを特徴とする金属表面処理組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の金属表面処理組成物に
    おいて、 前記樹脂は、分子量500当り、フェニル基を1〜5個
    と、水酸基を1〜12個と、陽イオン性イオウ原子を
    0.1〜7個と、を含有することを特徴とする金属表面
    処理組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の金属表面処理組成物に
    おいて、 更に、重金属又はその塩を含有することを特徴とする金
    属表面処理組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の金属表面処理組成物に
    おいて、 前記重金属は、ジルコニウム、チタン、モリブデン、タ
    ングステン、ニオブ、ニッケル、コバルト、マンガン、
    タンタルの少なくとも1種であることを特徴とする金属
    表面処理組成物。
  6. 【請求項6】 陽イオン性イオウ原子を少なくとも1つ
    含む水溶性、水分散性又はエマルジョン性の樹脂を含有
    する金属表面処理組成物を金属表面に接触させ、その後
    水洗、乾燥させることを特徴とする金属表面処理方法。
JP31236795A 1995-07-10 1995-11-30 金属表面処理組成物及び金属表面処理方法 Expired - Lifetime JP3881392B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003526013A (ja) * 2000-03-04 2003-09-02 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン 金属表面の防錆方法
JP2008101266A (ja) * 2005-11-16 2008-05-01 Kobe Steel Ltd 表面安定性に優れたアルミニウム合金材

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