JP2004532890A - 光力学的療法用の水溶性ポルフィリン誘導体、及び、それらの使用並びに製造 - Google Patents
光力学的療法用の水溶性ポルフィリン誘導体、及び、それらの使用並びに製造 Download PDFInfo
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Abstract
Description
【0001】
本発明は生物学的に活性な化合物の化学に関するものであり、即ち、水溶性ポルフィリン誘導体、特には、タイプ1及び2のクロリン、バクテリオクロリン、フェオフォルビド、及びバクテリオフェオフォルビド誘導体を製造する新規な方法に関するものである。本発明の化合物は、癌、感染性疾患、及び他の疾患の光力学的療法のための光増感剤として、並びに、他のケースにおける光照射療法のための光増感剤として使用することができる。
【0002】
【化3】
式中のBは、次の化学構造式を有する環である:
【0003】
【化4】
ここで:
R1=−CH=CH2、−CH(OAlk)CH3、−CHO、−C(O)CH3、−CH2CH3、−CH(Alk)CH(COAlk)2、−CH2CH(COAlk)2、−CH(Alk)CH2COAlk、−CH(Alk)CH2CH(OH)CH3、及び−CH2CH2CH(OH)CH3
R2=−CH3、−CHO、−CH(OH)Alk、−CH=CHAlk、CH2OH、及びCH2OAlk;
R3=−OH、−OAlk、−NH−Alk、NH−X−COO−(HG)+、−NH−Y−NR8R9、−及びNH−Y−OH;
R4=−O−(HG)+、−OAlk、−NH−Alk、及びNH−X−COO−(HG)+;
R5=−O−(HG)+、−OAlk、−NH−Alk、及びNH−X−COO−(HG)+;
R6=H及び−COOAlk;
R7=−O−(HG)+、−OAlk、−NH−Alk、及び−NH−X−COO−(HG)+;
R8=H及びAlk
R9=H及びAlk。
ここで:
−NH−X−COO−=有機アミノ酸の残基;
X=アルキリデン、ペプチド、オリゴペプチド、及び−(CH2CH2O)nCH2CH2−、式中、n=1−30;
Y=アルキリデン及び−(CH2CH2O)nCH2CH2−、式中、n=1−30;
G=親水性有機アミン(f.ex.N−メチル−D−グルカミン及び他のアミノ基含有炭水化物誘導体、TRIS、アミノ酸、オリゴペプチド);及び
Alk=アルキル置換基。
【背景技術】
【0004】
光力学的療法(PDT)は、様々な医学的用途で使用すべく現在探求されている最も前途有望な技術のうちの一つであり(光力学的療法、その基本原理と臨床的適用(Photodynamic therapy,basic principles and clinical applications)。Eds.B.W.Henderson、Th.J.Dougherty、Marcel Dekker、1992年、New York)、特には、腫瘍を破壊するための広く認識された治療法である(光力学的腫瘍療法、第二世代及び第三世代の光増感剤(Photodynamic tumor therapy,2nd and 3rd generation photosensitizers)。Ed.J.G.Moser、Harwood Academic Publishers、1998年、Amsterdam)。ポルフィリンは、PDTにおいて広く使用されている化合物である。ポルフィリンの薬剤学的適用における重大な問題は、生理的溶液中における溶解度が低いことである。これは、PDT及び他の用途のための効果的な医薬品グレードの注射可能な溶液の調製を殆ど不可能に為す。
【0005】
PDT用の水溶性ポルフィリン誘導体を製造する幾つかの方法が当技術分野において知られている。Smithらによる米国特許第5,330,741号は、リシル−クロリンp6三ナトリウムを製造する方法を開示しており、その方法は、ピリジンの存在下における、メチルフェオフォルビドa変換に由来するプルプリン18メチルエステルと塩化メチレン中の水性リジンとの反応を含む。その混合物は、室温で12時間攪拌され、続いて、それらの溶媒が高度の真空下において除去される。そのようにして調製された粗生成物は、逆相HPLCにより精製され、その後、凍結乾燥される。癌のPDTのための注射可能な溶液を調製するため、その調製物は、先ず、リン酸緩衝液中に溶解され、その後、0.1Nの水酸化ナトリウムが加えられる。この溶液のpH値が0.1NのHClを用いてpH7.35に調節され、続いて、ミクロ細孔フィルターを通じて無菌濾過される。
【0006】
上述の方法の欠点は、実行する際の再現性の不足と困難性、及び有毒試薬を使用することを含み、これらの欠点が、その方法での薬剤製造を殆ど不適切に為している。更に、そのようにして調製された興味対象の水溶性生成物は、水溶液の形態では、暗所において4℃で24時間しか安定でなく、そして、固形の場合には、暗所において4℃で4ヶ月まで安定である[M.W.Leach、R.J.Higgins、J.E.Boggan、S.−J.Lee、S.Autry、K.M.Smith、ラットにおける皮下9L神経膠腫の光力学的療法でのリシルクロリンp6/クロリンp6混合物の有効性(Effectiveness of a Lysylchlorin p6/Chlorin p6 mixture in Photodynamic Therapy of the Subcutaneous 9L Glioma in the Rat)。Cancer Res.,1992年、52、1235−1239;米国特許第5,330,741号]。
【0007】
フェオフォルビドa(3)の水溶性ナトリウム塩を製造する方法が存在し、Nakazatoによる米国特許第5,378,835号に記載されている。この発明によれば、フェオフォルビドa(4)がジエチルエーテル中に溶解され、そして、その溶液に、n−プロパノール、イソ−プロパノール、またはそれらの混合液中におけるアルカリの高度希釈溶液が一滴ずつ非常にゆっくりと加えられる。フェオフォルビドaの塩が完全に沈殿するまでその反応を維持し、そして、その沈殿物が遠心分離され、真空下で乾燥される。次いで、その生成物を水に溶解して、濃度が0.5%でpHが9.2−9.5の溶液に為し、その後、この溶液がpH7.4−7.8のリン酸緩衝液で希釈される。
【0008】
Nakazatoが開示している方法の欠点は、この技術では、注射可能な濃縮(>1%)フェオフォルビドa水溶液を生成できないことである。更に、本発明の著者らは、乾燥状態で保存したときにそのような塩が化学的に不安定であることと、乾燥状態で保存した後の水中におけるそれらの溶解能力が不完全であることを実証した。
【0009】
【化5】
本発明に最も近い類似の方法は、G.V.Ponomarevらによるロシア特許RU第2144538号に開示されている方法であり、その方法は、Spirulina Platensisシアノバクテリアバイオマスからのクロロフィルaの調製、更には、標準的な手順によるクロリンe6への変換[S.Lotjonen、P.H.Hynninen、(10R)−及び(10S)−フェオフィチンa及びbを製造する改善された方法(An improved method for the preparation of (10R)− and (10S)−pheophytins a and b)。Synthesis、1983年、705−708;P.H.Hynninen、S.Lotjonen、選択的加水分解の原理を利用する、クロロフィル混合物からのホルビン誘導体の調製(Preparation of phorbin derivatives from chlorophyll mixture utilizing the principle of selective hydrolysis)。Synthesis、1980年、539−541;S.Lotjonen、P.H.Hynninen、湿性クロリンe6及びロジンg7トリメチルエステルを製造する便利な方法(A convenient method for the preparation of wet chlorin e6 and rhodin g7 trimethyl esters)。Synthesis、1980年、541−543]を包含する多段ステップの直進的な化学反応シーケンスにより、クロリンe6(7)とN−メチル−D−グルコサミンを含む広空間占有(spacious)有機アミンとの水溶性錯体を調製するものであり、それのアセトン溶液への漸次的な水の付加によるクロリンe6の沈殿と、それに続く遠心分離、水を用いる3重の洗浄、及び、その後の2g−eq.の広空間占有有機アミンの水溶液を用いる湿性クロリンe6の処理後における全体的な収率は50%を超える。
【0010】
水溶性クロリンの調製的合成にとって、特には工業的合成及び薬剤製造にとって決定的な困難性の原因となるこの方法の重大な不都合な点は以下の事項である:
1.中間生成物としてのクロリンe6は、未知の限定的なクロリンe6含量を伴う湿性の塊として得られる。得られるクロリンe6の量に関するこの不安定性は、更なる結果的溶液を標準化する能力を損なう不確定性を創出する。
【0011】
2.この合成シーケンスにおける重要な中間体は、性状が酸性であるために精製及び標準化すべく取り扱うのが困難なフェオフォルビドa(4)である。(Ponomarevが利用したような)繰り返し行われる沈殿によるフェオフォルビドa(4)の分離は定量的でなく、従って、大規模な調製には都合が悪い。
【0012】
3.この指示されている方法により得られるフェオフォルビドa(4)は、分離するのが難しい不純物を含んでいる。この不都合な状態は、フェオフォルビドa(4)の定量に不確定性をもたらし、フェオフォルビドa(4)をクロリンへ変換する過程におけるシクロペンタノン環の化学的な開放を妨害する。
【0013】
4.Ponomarevにより調製されたクロリンe6の水溶性塩のサンプルは、そこに記載されている手順を使用しても、標的とするクロリンe6生成物から分離することができないような非ポルフィリンタイプ及びポルフィリンタイプの様々な不純物を含んでいることに留意すべきである。詳細には、TLC法及びHPLC法を用いることによって認められ得るポルフィリン不純物の中には、フェオフォルビドa(4)、プルプリン18(8)、クロリンp6(9)、及び幾種類かの他の共存物がある。
【0014】
【化6】
上述の発明の親水性アミンとの塩としてのタイプ(4)、(8)、及び(9)の化合物は、それらの個々のクロリンe6塩と比較して、水に対する溶解度が著しく低いことにより特徴付けられることが認識されよう。それにもかかわらず、クロリンe6塩の存在下において、上述の発明の親水性アミンとの塩としてのタイプ(4)、(8)、及び(9)の化合物は、クロリンe6塩を伴う錯体の形成が起こり得ることによって説明され得る状態よりもはるかに高い水溶性を有している。この現象は、それらの水に対する溶解度が異なることを利用して、タイプ(4)、(8)、及び(9)の化合物の如き不純物からクロリンe6生成物を分離することを不可能に為す。
【0015】
5.水溶性クロリンを調製するためにPonomarevが使用している有機アミンは、実際に適用するのに最適なものではない。特に、比較的高い溶解度を有するクロリンとの錯体を形成するD−グルコサミンは、アルデヒド基で酸化が起こり得るため、充分に安定ではない。それと同時に、D−グルコサミンは、その溶液中において、構造的不確定性をもたらし、それ故、個々の詳細な構造的特徴付けが難しく、従って、薬剤調製のための品質管理の要件を満たさない幾種類かの異性体の形態で存在している可能性がある。Ponomarevはもう一つの広空間占有アミン、即ち、N−メチル−D−グルコサミンを使用しているが、このアミンも、上述のD−グルコサミンと同じ欠点を有しており、その上、このアミンは、調製するのが難しいため、利用しにくい。
【0016】
6.Ponomarevは、広空間占有有機アミンを用いるクロリンe6誘導体の水溶性塩の形成を特許請求しているが、例えばtert−ブチル基、ネオペンチル基、アダマンチル基、シクロヘキシル基を含有するもの等の通常の広空間占有有機アミンは、広空間占有有機部分が高度の疎水性を有しているため、水溶性クロリンe6塩の調製に使用できなかったという理由から、これは非常に疑念を抱かせる。
【0017】
この態様は、上述の他の態様と相俟って、Ponomarevにより特許請求されている方法を用いてGMP規準に準拠した効果的な医薬品グレードの組成物を製造することを不可能に為す。
【0018】
本発明における興味対象を合成するための開始(starting)ポルフィリン誘導体は、伝統的には、純粋且つ標準的な生のポルフィリン材料であるメチル(5)またはエチル(6)フェオフォルビドaから得られる。生物学的な原料からポルフィリンを分離するための今日までに知られている一般的な方法は、先ずクロロフィルを得るために有機溶媒を用いて行われる面倒な一連の長い洗浄ステップ、及び/又は、その生物材料の細胞壁を破壊するための凍結ステップ、及び、そのバイオマスの化学的な処理と共に繰り返し行われる抽出ステップを含み、次いで、そのクロロフィルは、フェオフィチンに変換され、続いて、フェオフォルビドを生成すべく加水分解される(K.M.Smith、D.A.Goff、及びD.J.Simpson、J.Amer.Chem.Soc.、1985年、107、4946−4954;R.K.Pandey、D.A.Bellnier、K.M.Smith、及びT.J.Dougherty、Photochem.Photobiol.、1991年、53、65−72)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、医学的な適用、特には光力学的療法に適した、標準的な含量の望ましい物質を伴う、純粋で化学的に安定した医薬品グレードの水溶性ポルフィリン誘導体を製造する簡単且つ効率的な方法を提供することに対するニーズがある。本発明は、このニーズを満たし、更に、関連する他の利点提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一つの目的は、標準的な含量の望ましい物質を伴い、且つ、種々の医学的適用、特にはPDTに適した、化学的に安定な水溶性ポルフィリン誘導体を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、薬剤組成物において有効な、医薬品グレードで高純度の水溶性ポルフィリン誘導体を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、化学的に安定した水溶性ポルフィリン誘導体を製造する方法を提供することである。
【0023】
本発明の尚も別の目的は、先行技術の欠点を回避しながら、生物学的原料から化学的に安定した水溶性ポルフィリン誘導体を製造する簡単で時間的に効率のよい方法を提供することである。
【0024】
本発明の更に別の目的は、癌及び他の過増殖性疾患、感染症、及び他の病気などの治療等、医学的な用途において使用するための薬剤学的に許容可能な調製物における、化学的に安定した水溶性ポルフィリン誘導体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の一つの実施形態は水溶性ポルフィリン誘導体を製造する方法からなり、その方法は、生物学的な原料をワン−ステップまたは2工程で直接的に酸性アルコーリシスして結晶性アルキルフェオフォルビドを生成するステップ、得られたアルキルフェオフォルビドを酸性ポルフィリンに変換するステップ、及び、水中または水性有機溶液中においてその酸性ポルフィリンを親水性有機アミンと反応させるステップを含む。
【0026】
本発明の別の実施形態は水溶性ポルフィリン誘導体を製造する方法からなり、その方法は、水中または水性有機溶液中において酸性ポルフィリンを親水性有機アミンと反応させるステップを含む。
【0027】
本発明の尚も別の実施形態は水溶性ポルフィリン誘導体を製造する方法からなり、その方法は、生物学的な原料をワン−ステップまたは2工程で直接的に酸性アルコーリシスして結晶性アルキルフェオフォルビドを生成するステップ、得られたアルキルフェオフォルビドを酸性ポルフィリンに変換するステップ、水中または水性有機溶液中においてその酸性ポルフィリンを親水性有機アミンと反応させるステップ、及び、結果として生じた水溶性ポルフィリン誘導体を、揮発性溶媒を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製するステップを含む。
【0028】
更に別の実施形態では、本発明は水溶性ポルフィリン誘導体を製造する方法を提供し、その方法は、水中または水性有機溶液中において酸性ポルフィリンを親水性有機アミンと反応させるステップ、及び、揮発性溶媒を用いる逆相クロマトグラフィーにより水溶性ポルフィリン誘導体を精製するステップを含む。更に、本発明は、光力学的療法及び他の医学的用途において使用するための薬剤組成物に有用な、この発明により提供される方法によって得られる、化学式(1)及び(2)の水溶性ポルフィリン誘導体を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を説明する前に、この開示で使用される特定の用語の定義について説明することが有用であろう。
【0030】
ポルフィリンは、それぞれ、ピロールに結合して特徴的なテトラピロール環構造を形成する1個の炭素原子または1個の窒素原子のブリッジを有する大環状化合物である。ポルフィリン誘導体には、ジヒドロピロール単位を含有するものを含め、多くの異なるクラスがある。本明細書では、ポルフィリンという用語は、ポルフィリン、フタロシアニン、クロリン、フェオフォルビド、それらのメタロ誘導体、及び、PDT及び薬剤調製に適した他のポルフィリン様化合物を指し示すべく使用される。
【0031】
本明細書で使用する場合、生物学的な原料は、例えば植物、藻類、血液成分、及び昆虫の分泌物等を含む、本発明の化合物を製造する材料である。
【0032】
本発明の目的は、水中または水性有機溶液中における酸性ポルフィリンを、親水性有機アミンと、好適には、薬剤調製に有用なポリヒドロキシル化された安定で無毒な化合物であるN−メチル−D−グルカミン(10)と、または、マルトース誘導体(11)及び(12)等のアミノアルキル及びアミノアリールグリコシド、あるいは、炭水化物誘導体に結合された他のアミノ基と反応させるステップを含む、ここで説明されている方法により達成される。他の意図される試薬は、これらに限定するものではないが、これも安定且つ無毒で薬剤調製に有用な化合物であるトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRISとしても知られている)(13)、または化合物(14)及び(15)等のTRIS誘導体を伴うもの、並びに、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン(16)の如き他のタイプの親水性アミンを含む。また、オリゴリジン、好ましくはペンタリジン及びヘキサリジン等のアミノ酸またはオリゴペプチドも、本発明による水溶性ポルフィリン誘導体を調製するのに適した親水性有機アミンとして使用することができる。
【0033】
【化7】
実施例9で説明されているような本発明の一つの好適な実施形態によれば、(遊離酸としての)化学的に純粋なポルフィリンと適切な親水性有機アミンとの定量的な化学量論的反応が、不活性ガス下における暗所において室温で実行される。使用される溶媒は、不活性ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム、または他のもの)で脱気された化学的に純粋な水か、あるいは、必要な場合には、化学的に純粋で脱気された適当な有機溶媒と水との混合物かのいずれかである。この有機溶媒は、その後、(開始ポルフィリンの起こり得る破壊を回避するため)加熱することなく、真空下で蒸発させられ、そして、その生成物が凍結乾燥される。場合によっては、(遊離酸としての)ポルフィリンと適切な親水性有機アミンとの反応が起こるように、開始ポルフィリンを溶解することによってその反応を補助すべく、有機溶媒を加えることが必要になる。可能な有機溶媒の例は、アセトン、または、塩化メチレンとメタノールの混合物である。結果として生じる水溶性の凍結乾燥ポルフィリンは、化学的に純粋で、医学的または生物学的に適用するための滅菌を除き、それ以上の精製を何ら必要としない。
【0034】
本発明の別の好適な実施形態によれば、開始ポルフィリンの湿性ペーストを含む、純粋でない成分を使用することができる。その反応は、すべてのポルフィリンコンポーネントと反応させるために過剰量の親水性有機アミンが使用される点を除き、上述の場合と同様に実施される。真空下における反応混合物の濃縮後、結果として生じた水溶性ポルフィリンは、好ましくはRP C−8またはC−18タイプの適切な逆相吸着剤を伴うカラムでのクロマトグラフィーにより精製される。標的生成物を伴うフラクションを収集し、有機溶媒を除去するため、加熱することなく、真空下において蒸発させ、次いで、凍結乾燥することにより、所望の水溶性ポルフィリン誘導体を得ることができる。揮発性溶媒を用いる逆相クロマトグラフィーによって水溶性ポルフィリン誘導体を精製するために開発されたプロトコルは、医療用調製物を製造する上で非常に重要な、標準的且つ高品質の生成物をもたらす。
【0035】
本発明の尚も別な実施形態は、生物学的な原料からポルフィリン化合物を得る簡単且つ効率的な方法である。その方法は、生物学的原料のワン−ステップまたはツー−ステップからなる直接的な酸性アルコーリシス、好適にはメタノーリシスまたはエタノーリシスを実施し、標的ポルフィリン誘導体を得るための更なる種々の化学的変換に適した重要な中間生成物として、結晶性アルキルフェオフォルビド(好適にはメチル及びエチル)を得るステップを含む。このシンプルで、且つ、比較的素早い手順は、これまでに知られている手順で必要とされた、有機溶媒を用いる面倒な洗浄ステップ、または、開始生物材料の(細胞壁を破壊するために行われる)凍結ステップ、及び、繰り返し行われる抽出ステップ等を伴うことなく、生物学的原料からポルフィリン誘導体を調製することができる。
【0036】
合成過程における中間生成物として結晶性のアルキルフェオフォルビド(好適にはメチル及びエチル)を使用することは、シンプルな精製と標準化の可能性を提供し、これは、PDT等の医学的手順において使用するための薬剤調製物を製造する上で非常に重要である。
【0037】
アルコーリシスの成果は、開始する生物学的原料の質、特にはそれの乾燥度に依存し、この乾燥度は、アルコーリシス中における必要な酸の濃度を維持する上で重要である。従って、例えば乾燥されたSpirulinaまたはChlorella(クロレラ)のバイオマス、または、粉末状の乾燥したイラクサの葉等の充分に乾燥した材料のケース(実施例1−5参照)では、アルキルフェオフォルビドの直接的なワン−ステップ調製を実施することが可能である。
【0038】
充分に乾燥していない原料のケースでは、アルキルフェオフォルビドの調製は、ホウレンソウからのメチルフェオフォルビドa(5)及びb(17)の調製(実施例6参照)により例証されているような、ツー−ステップのアルコーリシスにより実施される。そのようなケースでは、開始原料中における大量すぎる量の水の存在は、フィトールエステルを開裂するのに適した酸の適切な濃度の発生を妨げる。それにもかかわらず、最初のアルコーリシスステップ後に得られるフェオフィチンは、第二のアルコーリシスステップにおける結晶性アルキルフェオフォルビドの調製で充分に使用できる程度に乾燥している。
【0039】
水溶性の形態への更なる変換に適した酸性ポルフィリンの調製は、ポルフィリン原料、例えば、本発明で説明されている手順に従って生物学的な原料から得られる結晶性アルキルフェオフォルビドの化学的な変換により果たされる。
【0040】
【化8】
詳細には、エトキシ−誘導体(19)等の2−デビニル−2−(1−アルコキシエチル)−クロリンe6は、酢酸中におけるHBrの飽和溶液を用いるメチルまたはエチルフェオフォルビドaのヒドロ臭素化により、それぞれの2−デビニル−2−(1−ブロモエチル)−フェオフォルビドaを生成し、更に、アルコーリシスにより、2−デビニル−2−(1−アルコキシエチル)フェオフォルビドa(例えば化合物18)をもたらし(C.Rimington、A.Roennestad、A.Western、及びJ.Moan、Int.J.Biochem.、1988年、20、1139−1149;K.R.Adams、C.R.Berembaum、R.Bonnett、A.N.Nizhnik、A.Salgado、及びM.A.Valles、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1、1992年、1465−1470)、その後、鹸化によって、三酸(19)、または、例えばN−メチル−D−グルカミン(10)との水溶性塩(実施例10)としてのそれぞれの2−デビニル−2−(1−アルコキシエチル)−クロリンe6を形成することにより得ることができる。
【0041】
2−デビニル−2−(1−ブロモエチル)−フェオフォルビドのアルコーリシスの代わりに行われる、同様な仕方の別のタイプの求核試薬と2−デビニル−2−(1−ブロモエチル)−フェオフォルビドとの反応は、本発明によるそれらの水溶性の形態の調製において使用され得る種々の可能なポルフィリン誘導体の形成をもたらす。
【0042】
また、水溶性の形態における種々の異なるクロリン及びフェオフォルビド誘導体を製造する本発明の方法は、アミン(10)と酸(4)及び(20)−(33)との水溶性の塩を製造する実施例15−30(以下で開示される)により例証することもできる。
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
本発明による酸性ポルフィリン誘導体と親水性アミンとの反応は、それぞれの水溶性塩の形成をもたらす。詳細には、フェオフォルビド誘導体の場合、これらは単塩であり、一方、三酸クロリン(34)からは、位置6(原子のナンバリングは化合物4−6で示されている)のカルボキシル基が塩を形成するのに充分な酸性を呈示しないため、[以下の反応図式1で示されているように、中間体(35)等の生じ得る単塩のうちの一つの中間体形成を介して]二塩が形成される。
反応図式1.
【0045】
【化11】
G−親水性アミン。
本発明の水溶性ポルフィリン塩は(反応図式2のクロリンで例証されているように)水中に溶解されている間に加水分解を受け得るため、本発明の水溶性塩を調製し、それらを、過剰な親水性アミンの存在下において溶解された状態で保存するのが望ましい。
【0046】
本発明の水溶性クロリン二塩は、実施例9Bで例証されているように、カラムクロマトグラフィーでの精製により個々の状態で得ることができる。精製された二塩の水中における溶解は、二塩と比べて低く、更に恐らくは、水に溶けにくい親クロリン(1)と比べてさえ低い水溶解度を有し得る単塩(例えばタイプ35の単塩、反応図式2参照)を与える可逆的加水分解を伴う。そのようなプロセスは、溶液の保存中に少量の沈殿物の形成をもたらし得る。
反応図式2.
【0047】
【化12】
G−親水性アミン。
【0048】
PDTの如き医学的な用途でこれらの溶液を使用するためには、そのような望ましくないプロセスを防ぎ、透明で均質な溶液を維持することが必ず必要になるが、それらを果たすためには、望ましいポルフィリン誘導体が二塩の形態に保たれ、従って、二塩の加水分解による単塩及び親クロリンの形成が防止されるように、少量且つ既知量のそれぞれの親水性アミン(例えば、2モル当量未満、より好適には、0.05当量から0.5当量までの間)の存在下において、二塩を水に溶解することが好ましい。
【0049】
本明細書で開示されている親水性アミンとクロリン及びフェオフォルビド誘導体との塩は、水に対して1mg/Lの10分数(tenths)のオーダーの溶解度を有しており、これは、様々な用途においてそれらを有用に為す。本発明の一つの付加的な目的は、アミノ酸フラグメントを伴わない親フェオフォルビド化合物よりも水に対する溶解度が100倍以上高いことを特徴とする親水性アミンとの塩を形成すべく、ペプチド結合を介して取り付けられたアミノ酸単位を担持するフェオフォルビド誘導体を調製することである。特に、N−メチル−D−グルカミン(10)とフェオフォルビド誘導体(36)との塩は40mg/Lの溶解度を有しており、一方、ペプチド結合で接続されたアミノ酸残基を担持する誘導体(7、20−33)は5g/Lより大きな溶解度を有している。
【0050】
【化13】
本発明の別の目的は、化学式(1)及び(2)による化学的に安定で水溶性のポルフィリン誘導体を様々な医学的用途で使用することである。上述の化合物は、癌及び他の過増殖性疾患、感染症、乾癬、アテローム性動脈硬化症、AMD、及び、光力学的療法で治療するのに適した他の疾患及び感染症を治療するためのPDTにおいて使用するのに特に好適である。上述の化合物は、水に対するそれらの溶解度のため、例えば注射等の種々の異なる投与法のための薬剤学的に許容可能で活性な様々の調製物の形態で調合することができる。
【0051】
また、本発明は、癌及び他の過増殖性疾患、並びに感染症の光力学的療法での、本発明により製造される高純度で水溶性のポルフィリン誘導体の使用も考慮に入れている。PDTは、先ず、それらの誘導体を特定の治療部位へ送給するための薬剤学的に許容可能な適用賦形剤(application vehicle)にそれらの誘導体を組み入れることにより遂行される。皮膚癌及び他の皮膚疾患等の病気を対象とした一つの実施形態では、上述の適用賦形剤は、一般的に、皮膚科用クリーム剤、ゲル剤、または、時として、エアロゾル液体分散剤である。賦形剤中におけるそれらの誘導体を治療領域へ投与した後、罹患組織にそれらのポルフィリン誘導体が優先的に蓄積するように充分な時間が掛けられる。最後に、上述の罹患組織の細胞を壊死させるため、その治療領域が、適切な波長とそれらのポルフィリン誘導体を活性化するのに充分なパワーとを有する光で照射される。
【0052】
細胞培養実験における、本発明の一つのポルフィリン誘導体、即ち、実施例9Bにより調製されたN−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)との水溶性塩の暗毒性(実施例31、図1)及び光毒性(実施例32、図2)の決定は、PDTにおいて使用するためのそれらの化合物が優れた特性を有していることを示した。また、それらの実験は、同じ化合物であるが、Ponomarevのテクノロジー(RU第2144538号)により調製された化合物の特性が劣っている(暗毒性が高く、光毒性が低い)ことを実証するためにも実施された。
【0053】
しかし、特殊なケースでは、種々の異なるポルフィリン誘導体の親水性アミン塩からなる定められた混合物が罹患組織に対して更に高い光毒性を発揮するのであれば、それらの混合物を投与することが有利であろう。この増強された光毒性は、クロリンe6の親水性アミン塩の存在下における同じ親水性アミンとの塩としての化合物(4)、(7)、及び(8)からなる混合物の水に対する溶解度が増強したという観測現象によってもたらされたものと考えることができよう。
【0054】
本発明の水溶性の形態の良好な光毒性に関する他の例が表1及び2に与えられており、それらの表は、N−メチル−D−グルカミン(10)と酸(4)、(7)、(22)及び(25)との水溶性塩を用いたHeLa細胞における暗毒性及び光毒性実験の結果をまとめたものである。
【0055】
本発明の別の目的は、ここに開示されている水溶性の形態のクロリン及びフェオフォルビド誘導体を抗菌的な光力学的療法において使用することである。これは、表3に提示されているデータによって例証されており、表3は、N−メチル−D−グルカミン(10)と酸(4)、(7)、(22)及び(25)との水溶性塩を用いた数多くの微生物の光力学的治療の結果をまとめたものである。
【0056】
実施例
以下の実施例は、薬剤組成物の調製において使用されるべき本発明の水溶性ポルフィリン誘導体を如何にして製造するかについての充分且つ例証的な開示及び説明を当業者に与えるために提示されたものであり、本発明者が発明と考えている内容の範囲を制限すべく意図されたものではない。使用されている数字(例えば、量、温度等)に関する正確さを保証すべく努力が為されているが、幾分かの実験誤差及び偏差を考慮に入れるべきである。
【実施例1】
【0057】
Spirulina platensisからのメチルフェオフォルビド(5)の取得
(A)20gのSpirulina platensis、60mLのメタノール、及び10mLの濃硫酸からなる混合物を室温で3時間攪拌し、30mLのメタノールで希釈した後、Celiteのパッドを通じて濾過した。漏斗の内容物をメタノール(70mL)で洗った。上述の溶液をヘキサン(2×30mL)で抽出し、クロロホルム(100mL)で希釈した後、塩化カリウムの飽和水溶液(300mL)中に注いだ。結果として生じた混合物をCeliteのパッドを通じて濾過し、水性相をクロロホルム(2×50mL)で抽出した。それらを合わせた抽出液を水で洗浄した後、綿を通じて濾過し、濃縮した。その残分をクロロホルム−ヘキサン(1:1、30mL)の混合物中に溶解し、酸化アルミニウムのパッドを通じて濾過した後、最初にヘキサン(非極性の非クロリンコンポーネントを取り除くため)で洗い、次に塩化メチレン(メチルフェオフォルビドを得るため)で洗浄した。塩化メチレン溶液を濃縮し、その残分を、最初に塩化メチレン−メタノール(3mL+7mL)から再結晶化させ、二回目に塩化メチレン−メタノール(1mL+10mL)から再結晶化させ、最後にメタノール(10mL)で洗浄することにより、113mgの純粋なメチルフェオフォルビドa(5)を得た。1H−NMRスペクトル:9.41、9.23、8.56(3H、すべてs、メソ−H);7.88(1H、q、−CH=CH2)、6.25−6.10(2H、−CH=CH2)、6.28(1H、s、シクロペンタノン−H)、4.50、4.25(2H、m、7−H、8−H);3.55(2H、q、4−CH2CH3);3.93、3.70、3.63、3.39、3.15(15H、すべてs、5×−CH3);2.75−2.20(4H、m、−CH2CH2COOCH3);1.85(3H、d、8−CH3);1.71(3H、m、4−CH2CH3);0.55及び−1.68ppm(2H、2つのブロードs、2×−NH−)。その生成物は、Porphyrin Products Inc.(USA)から得られた同じ化合物とあらゆる点で一致した。
【0058】
(B)10gのSpirulina platensis、30mLのメタノール、及び5mLのconc.硫酸からなる混合物を室温(r.t.)で3時間攪拌し、冷水(70mL)で希釈した後、Celiteのパッドを通じて濾過した。漏斗の内容物をpH7までの水、エタノール(50mL)、ヘキサン(4×30mL)で洗い、アセトン(120mL)を用いて、必要なメチルフェオフォルビドを漏斗の内容物から取り出した。上述の溶液を濃縮し、クロロホルム中に溶解した後、硫酸ナトリウム(無水)のパッドを通じて濾過し、濃縮した。その残分を、最初に塩化メチレン−メタノール(1.5mL+5mL)から再結晶化させ、二回目に塩化メチレン−メタノール(1.5mL+10mL)から再結晶化させ、最後にメタノール(15mL)で洗浄することにより、60mgの純粋なメチルフェオフォルビドa(5)を得た。
【0059】
(C)MeOH(1500mL)中における500gのSpirulina platensisの懸濁液にH2SO4(conc.、250mL)を室温で攪拌しながら加えた。形成されたその混合物を3時間r.t.に保持した後、水(6L)中に注ぎ、Celiteのパッド(直径12cm、高さ2cm;フィルターSchott N3上)を通じて濾過した。そのフィルター上のペーストを水(3×800mL、pH6まで)で洗い、次いで、エタノール(3×300mL)及び石油エーテル(40−60℃、3×250mL)で洗浄した。次に、アセトン(合計で1.2L)を用いて、そのパッドから標的生成物を取り出し、濃縮し、CHCl3(200mL)中に溶解し、脱脂綿を通じて濾過した後、真空下において濃縮し、その残分をCH2Cl2(40mL)とMeOH(200mL)の混合物から結晶化させることにより、〜90%の純度(CHCl3/アセトン(95:5)におけるTLC)からなる2.45gのメチルフェオフォルビドaを得た。そのメチルフェオフォルビドaをCHCl3(20mL)中に溶解した後、CHCl3で溶出することにより、Al2O3(中性、Grade II;d 8cm、h 5cm)のパッドを通過させた;濃縮、及び、CH2Cl2(50mL)とMeOH(250mL)の混合物からの再結晶化は、2.38gの純粋(TLC対照)なメチルフェオフォルビドa(5)を与えた。両結晶化ステップの母液の通常の後処理(クロマトグラフィー及び再結晶化)により、付加的な量のメチルフェオフォルビドa(〜10−15%)を得ることができる。
【実施例2】
【0060】
Spirulina platensisからのエチルフェオフォルビド(6)の取得
60mLの96%水性エタノールと10mLの濃硫酸中において20gのSpirulina platensisをエタノーリシスし、その後、すべてのステップにおいてメタノールの代わりにエタノールを使用する点を除き、メチルフェオフォルビドa(5)を製造する実施例1Aで説明されているようにして後処理することにより、110mgの結晶性エチルフェオフォルビドa(6)を得た。1H−NMRスペクトル:9.57、9.42、8.61(3H、すべてs、メソ−H);7.99(1H、q、−CH=CH2)、6.32、6.26(2H、dd、−CH=CH2)、6.27(1H、s、シクロペンタノン−H)、4.51、4.28(2H、m、7−H、8−H);4.07(2H、q、−COOCH2CH3);3.71(2H、q、4−CH2CH3);3.89、3.72、3.41、3.27(12H、すべてs、4×−CH3);2.69、2.47、2.37、2.22(4H、m、−CH2CH2COOCH2CH3);1.83(3H、d、8−CH3);1.73(3H、t、4−CH2CH3);1.12(3H、t、−COOCH2CH3);0.57、−1.46ppm(2H、2つのブロードs、2×−NH−)。
【実施例3】
【0061】
Spirulina maximaからのメチルフェオフォルビドa(5)の取得
10gのSpirulina maximaを30mLのメタノールと5mLの濃硫酸で処理し、その後、実施例1Bにおけるメチルフェオフォルビドa(5)の調製で説明されているようにして後処理することにより、64mgの純粋なメチルフェオフォルビドa(5)を得ることができた。
【実施例4】
【0062】
Chlorellaからのメチルフェオフォルビドa(5)及びb(17)の取得
10gのChlorellaの乾燥バイオマスをメタノーリシスに掛け、その後、実施例3で説明されているようにして後処理することにより、1H NMR分光法で決定したときの比が20:7のメチルフェオフォルビドaとbの混合物(140mg)が生成された。得られたその混合物を、クロロホルム−トルエン−アセトン(15:30:1.5)で溶出する、Silica(シリカ)ゲル60(Fluka、70−230メッシュ)を伴うカラムでのクロマトグラフィーに掛けることにより、個々のメチルフェオフォルビドa(5)及びb(17)が生成された。このメチルフェオフォルビドa(5)は、上で説明されている生成物とあらゆる点で一致した。メチルフェオフォルビドb(17)に対する1H−NMRスペクトルデータ:11.0(1H、s、CHO)、10.22、9.50、8.55(3H、すべてs、メソ−H);7.98(1H、q、−CH=CH2)、6.40−6.15(2H、−CH=CH2)、6.25(1H、s、シクロペンタノン−H)、4.48、4.20(2H、m、7−H、8−H);3.60(2H、q、4−CH2CH3);3.93、3.78、3.75、3.40(12H、すべてs、4×−CH3);2.75−2.20(4H、m、−CH2CH2COOCH3);1.85(3H、d、8−CH3);1.71(3H、m、4−CH2CH3);0.48及び−1.60ppm(2H、2つのブロードs、2×−NH−)。
【実施例5】
【0063】
粉末状の乾燥したイラクサの葉からのメチルフェオフォルビドa(5)及びb(17)の取得
500gの乾燥した粉末状のイラクサの葉をメタノーリシスし、その後、実施例1Cで説明されているようにして後処理することにより、1H NMR分光法で決定したときの比が6.5:1のメチルフェオフォルビドa(5)とb(17)の混合物(1.74g)が生成された。
【実施例6】
【0064】
凍結されたホウレンソウの葉からのメチルフェオフォルビドa(5)及びb(17)の取得
100gの凍結させたホウレンソウの葉とMeOH(100mL)の混合物に、H2SO4(conc.、5mL)をr.t.で攪拌しながら加えた。形成されたその混合物を16時間r.t.に保持し、水(100mL)で希釈した後、Celiteを通じて濾過した。その残分をアセトン(3×50mL)で洗浄し、それらのアセトン抽出液をCH2Cl2−水(1:1、100mL)で希釈した後、その有機相を分離し、濃縮した。その残分を、MeOH中における100mLの5%conc.H2SO4中においてメタノーリシスに掛け、その後、実施例1Cで説明されているようにして後処理することにより、1H NMR分光法で決定したときの比が2:1のメチルフェオフォルビドa(5)とb(17)の40mgの混合物を得た。
【実施例7】
【0065】
メチル2−デビニル−2−(1−エトキシエチル)−フェオフォルビドa(18)の調製
3.5g(5.8mmol)のメチルフェオフォルビドa(5)を臭化水素と酢酸(d 1.44、50mL)の混合物に溶解し、18時間放置した。その後、その混合物を真空下において50℃で蒸発乾固させ、無水エタノール(100mL)を攪拌しながら加えた。18時間後、その反応混合物を砕いた氷に攪拌しながら注ぎ、CH2Cl2(3×40mL)で抽出した。それらを合わせた抽出液を水(4×70mL)で洗い、真空下で蒸発乾固させた。その残分をCH2Cl2で溶出するシリカゲル(40−63μm、Merck)でのカラムクロマトグラフィーに掛けることにより、2.95gの生成物(18)(収率77%)を得た。1H−NMRスペクトル:9.82、9.58、8.55(3H、すべてs、メソ−H);6.31(1H、s、10−H)、5.96(1H、q、2−CHCH3);4.53、4.25(2H、m、7−H、8−H);3.71(4H、dq、4−CH2CH3、−OCH2CH3);3.93、3.87、3.63、3.41、3.28(15H、すべてs、5×−CH3);2.67、2.51、2.37、2.23(4H、m、−CH2CH2COOCH3);2.11(3H、d、2−CHCH3);1.80(3H、d、8−CH3);1.75(3H、t、4−CH2CH3);1.36(3H、t、−OCH2CH3);0.55、−1.41(2H、2つのブロードs、2×−NH)。
【実施例8】
【0066】
クロリンe6(7)の調製
アルゴン下における(ヘリウムで)脱気されたアセトン(12mL)中の140mg(231μmol)のメチルフェオフォルビドa(35)の攪拌溶液にKOHの水溶液(脱気、10%−soln、10mL)を加えた。その混合物を40℃で40分間攪拌し、65℃まで加熱した後、KOHの3%水溶液(5mLの脱気された10%aq.KOHと11mLの脱気水から調製)を加えた。結果として得られたその混合物をアルゴン下において2.5時間攪拌し、65℃で加熱した後、r.t.まで冷却し、100mLの水で希釈した後、2NのHCl(12mL)で酸性化した。その後、その沈殿物を遠心分離(5000rpmで3分間)し、水(3×30mL)で洗い、再度遠心分離し、10mLの水に再懸濁させ、凍結乾燥させることにより、遊離酸として粗クロリンe6(120mg、TLCを対照として87%、〜90%の純度)を得た。TLC:RP−18 TLCプレート(Merck)、MeOH−CH2Cl2(3:1)、Rf0.6;汚染物質:もっと極性の高いRf<0.3の不純物。最終精製:20mgの粗クロリンe6をMeOH−CH2Cl2−水(3:1:1、4mL)中に溶解し、MeOH−CH2Cl2−水(4:3:1、2mL/分)で溶出するRP−8カラム(Merck、#11447、240×10、40−63μm)でのMPLCに掛けることにより、純粋なクロリンe6(7)(15mg、75%)を得た。汚染性不純物はMeOH−CH2Cl2(3:1)で溶出された。1H−NMRスペクトル(DMSO−d6):9.88、9.78、9.18(3H、すべてs、メソ−H);8.33(1H、dd、−CH=CH2);6.47(1H、d、シス−CH=CH2);6.22(1H、d、トランス−CH=CH2);5.38(2H、m、−CH2COOH);4.62(1H、m、−CHCH3);4.48(1H、m、−CHCH2);3.83(2H、m、−CH2CH3);3.59、3.53、3.33(9H、すべてs、−CH3);2.62、2.27、2.14(4H、m、−CH2CH2COOH);1.70、1.66(6H、m、−CHCH3+−CH2CH3);1.64、−1.90(2H、強度の異なる2つのブロードs、2×−NH−)。13C−NMRスペクトル(DMSO−d6)特徴的な信号のみ:174.15、173.46、172.34(COOH);129.21(−CH=CH2);122.25(−CH=CH2);103.74(γ);101.12(β);98.09(α);94.67(δ);52.66(CHCH2);48.19(CHCH3);37.80(−CH2COOH);30.82、29.50(−CHCH2CH2COOH);22.92(CHCH3);18.91(CH2CH3);17.58(CH2CH3);11.00、10.98(ArMe)。
【実施例9】
【0067】
N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)との水溶性塩の調製
(A)水(4mL)中におけるN−メチル−D−グルカミン(10)(4mg、21μmol)の溶液を、MeOH−CH2Cl2(3:1、20mL)(または、アセトン)中における5mg(8.4μmol)のクロリンe6(7)の溶液に加え、それらの有機溶媒を真空下で蒸発させて除去した。結果として得られたその水性溶液を膜(20μm)を通じて濾過し、凍結乾燥させることにより、この水溶性塩(9mg、過剰のN−メチル−D−グルカミンを含む)を定量的に得た。
【0068】
(B)水酸化カリウム(10mL)の脱気された10%水溶液を、脱気されたアセトン(12mL)中における50mgのメチルフェオフォルビドa(5)の溶液に加えた。その混合物を不活性な雰囲気(アルゴン)下において40℃で30分間攪拌し、その後、15mLの水酸化カリウムの脱気された3%水溶液を加えた。結果として得られたその混合物を不活性な雰囲気(アルゴン)下において65℃で2時間攪拌した後、水(100mL)で希釈し、HCl(pH6まで)の2N水溶液を加えることによりクロリンe6(7)を沈殿させた。その沈殿物を遠心分離(3000rpmで5分間)し、水(3×10mL)で洗うことによりクロリンe6の湿性ペーストがもたらされ、その湿性ペーストを、それ以上精製することなく、次のステップで直接的に使用した。得られたクロリンe6(7)の全サンプルをN−メチル−D−グルカミン(10)(30mg、2eq.)及び水(10mL)とアルゴン下において混合することにより、その水溶性塩の約5%溶液を得た。結果として得られた混合物を完全に溶解するまで攪拌し、蒸発乾固させ、水−メタノール勾配(40%から80%まで)におけるRP C−8を用いるカラムでの更なるHPLCに掛けた。標的生成物を含有するその混合物のサンプルを収集し、凍結乾燥することにより、約75−80%の収率で水溶性の二塩を得た。それの化学構造を1H NMR分光法で確認した。詳細には、(2.70ppmにおける)グルカミンコンポーネントのN−Me群と(1.75ppmにおける)クロリン単位の8−Me群の信号を積分することにより、クロリンe6(7)とN−メチル−D−グルカミン(10)部分の比が1:2であることが確認された。
【0069】
(C)50mg(84μmol)の粉末状クロリンe6(7)、40mg(0.21mmol)のN−メチル−D−グルカミン(10)、及び水(50mL、不活性ガスで予備的に脱気)の混合物を、完全に溶解するまで、アルゴン下において暗所で攪拌した。結果として生じたその溶液を膜(20μm)を通じて濾過し、凍結乾燥することにより、この水溶性塩(90mg、過剰のN−メチル−D−グルカミンを含む)を定量的に得た。
【実施例10】
【0070】
2−デビニル−2−(1−エトキシエチル)−クロリンe6(19)の調製
メチル2−デビニル−2−(1−エトキシエチル)−フェオフォルビドa(18)(2.8g、4.1mmol)を、クロリンe6の調製(実施例8)で説明されているようにして鹸化に掛けることにより、カラムクロマトグラフィー後、2.1gの生成物(19)(収率79%)を得た。1H−NMRスペクトル(DMSO−d6):9.88、9.78、9.18(3H、すべてs、メソ−H);6.47(1H、d、シス−CH=CH2);6.22(1H、d、トランス−CH=CH2);5.5.1(2H、m、−OCH2CH3);5.38(2H、m、−CH2COOH);4.62(1H、m、−CHCH3);4.48(1H、m、−CHCH2);4.29(1H、q、−CHCH3);3.83(2H、m、−CH2CH3);3.59、3.53、3.33(9H、すべてs、−CH3);2.62、2.27、2.14(4H、m、−CH2CH2COOH);1.83(1H、d、−CH(O−)CH3);1.70、1.66(6H、m、−CHCH3+−CH2CH3);1.54(3H、t、−OCH2CH3);−1.90(2H、強度の異なる2つのブロードs、2×−NH−)。13C−NMRスペクトル(DMSO−d6)特徴的な信号のみ:174.15、173.46、172.34(COOH);129.21(−CH=CH2);103.74(γ);101.12(β);98.09(α);94.67(δ);67.97(−CH(O−)CH3);63.49(−OCH2CH3);52.66(CHCH2);48.19(CHCH3);37.80(−CH2COOH);30.82、29.50(−CHCH2CH2COOH);22.92(CHCH3);20.20(−CH(O−)CH3);18.91(CH2CH3);17.58、15.23(CH2CH3+−OCH2CH3);11.00、10.98(ArMe)。
【実施例11】
【0071】
N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6誘導体(19)との水溶性塩の調製
実施例9Cで説明されているようにして30mgの2−デビニル−2−(1−エトキシエチル)−クロリンe6(19)を20mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、50mgの凍結乾燥された水溶性塩を定量的に得た。
【実施例12】
【0072】
ビス[2−(β−マルトシルオキシ)エチル]アミン(11)の調製
ペル−O−アセチル−マルトシルブロミド(500mg、0.7mmol)、N−ベンジルオキシカルボニル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン(56mg、0.233mmol)、及び2,4,6−トリメチルピリジン(80μl、0.605mmol)の溶液を、−20℃において、トリフルオロメタンスルホン酸銀(208mg、0.805mmol)と1.5mLの無水CH2Cl2の攪拌混合物に滴下させながら加えた。その混合物を放置してr.t.にまで温めた後、0.5mLのトリエチルアミンで処理し、200mLのジクロロメタンで希釈し、Na2S2O3(50mL)の飽和水溶液と水(50mL)で洗い、濃縮し、酢酸エチル−石油エーテル(1:1)におけるフラッシュクロマトグラフィーに掛けることにより、粗N−ベンジルオキシカルボニル−N,N−ビス[2−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルトシルオキシ)エチル]アミン(57mg)を得た。選定された構造の特異的13C NMRデータ(500MHz、CDCl3):20.41(CH3CO);46.92、47.24、48.00、及び48.02(OCH2CH2N及びOCH2CH2N);61.30、61.50、61.98、及び62.52(グルコース部分のC−6);67.18(NCOOCH2C6H5);67.81、68.33、69.14、69.84、72.02、72.55、75.10(グルコース部分のC−2−C−5);95.38(α−グルコース部分のC−1);100.18および101.10(β−グルコース部分のC−1);127.73、128.01、及び128.40(OCH2C6H5);164.00(NCOO);169.24、169.42、169.76、169.98、170.35(CH3CO)。[α]D 38.9°(c1、酢酸エチル)。得られたその生成物を無水メタノール中における0.1Mのナトリウムメチラートに溶解して2時間保持した後、イオン交換樹脂KU−2(H+)で中和し、濾過した。その濾液をPd/C下において夜通し水素化分解に掛け、濾過し、凍結乾燥させることにより、23mgの化合物(11)、[α]D 71°(c1、水)を得た。選定された構造の特異的13C NMRデータ(500MHz、D2O):48.74(OCH2CH2N)、50.85(OCH2CH2N);61.72(α−グルコース部分のC−6)、61.92(β−グルコース部分のC−6)、77.28(β−グルコース部分のC−4);100.83(α−グルコース部分のC−1);103.40(β−グルコース部分のC−1)。
【実施例13】
【0073】
ビス[2−(β−マルトシルオキシ)エチル]アミン(11)とクロリンe6(7)との水溶性塩の調製
実施例9Cで説明されているようにして5mgのクロリンe6(7)を18.6mgのアミン(11)と反応させることにより、23mgの凍結乾燥された水溶性塩を略定量的に得た。
【実施例14】
【0074】
メチルメソフェオフォルビド−a(37)の取得
メチルフェオフォルビド−a(5)(130mg、0.2mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、カーボン上の30mgの10%Pd(OH)2上で、〜1気圧のH2において、室温で1時間、水素化した。溶媒を濾過して取り除き、その溶液を濃縮することにより、純粋なメチルメソピロフェオフォルビド−a(37)(125mg、定量的)を得た。
【実施例15】
【0075】
メソクロリン−e6(20)の取得
実施例9Bで説明されているようにしてメチルメソフェオフォルビド−a(37)(20mg、0.033mmol)をアルカリ性加水分解することにより、メソクロリン−e6(17mg、86%)を生成した。MS(−)(エレクトロスプレー):597.3(M−H)。
【実施例16】
【0076】
N−メチル−D−グルカミン(10)とメソクロリンe6(20)との水溶性塩の調製
実施例9Cで説明されているようにして15mgのメソクロリンe6(20)を12mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、27mgの凍結乾燥された水溶性塩を定量的に生成した。
【0077】
【化14】
【実施例17】
【0078】
N−メチル−D−グルカミン(10)とフェオフォルビドa(4)との水溶性塩の調製
メチルフェオフォルビドa(5)(30mg、0.049mmol)を2mLの50%硫酸に溶解し、その混合物を室温で2時間攪拌した後、氷冷水で希釈し、クロロホルムで抽出した。その抽出液を水で洗い、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮することにより、粗フェオフォルビド−a(4)を得た。その後、その粗フェオフォルビド−a(4)を3mLのN−メチル−D−グルカミン(10)(11.6mg、1.2eq.)水溶液に溶解した。結果として得られた溶液を45μmのフィルターを通じて濾過し、凍結乾燥させることにより、29mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸4コンポーネント):591.2(M−H)。
【実施例18】
【0079】
N−メチル−D−グルカミン(10)とジメチルクロリンe6ジメチルエステル(21)との水溶性塩の調製
[Lotjonen S.、Hynninen P.H.、Synthesis、1980年、541−543に従って調製された]クロリン−e6トリメチルエステル(38)を50%硫酸で酸性加水分解し、実施例17で説明されているようにして9mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、32mgの凍結乾燥された水溶性塩がもたらされた。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸21コンポーネント):623.5(M−H)。
【実施例19】
【0080】
N−メチル−D−グルカミン(10)とメソピロフェオフォルビドa誘導体(25)との水溶性塩の調製
メチルフェオフォルビド−a(5)(1.3g、2.09mmol)を100mLのピリジン中に溶解し、窒素下において暗所で8時間還流させながら攪拌した。ピリジンを蒸発により除去し、その残分をジクロロメタン/メタノールから再結晶化させることにより、1.08g(92%)のメチルピロフェオフォルビド−a(39)を得た。UV/visλmax(ε)(CH2Cl2):410(112500)、509(11400)、537(9800)、611(8500)、669(47000)nm。
【0081】
メチルピロフェオフォルビドa(39)(1.0g、1.78mmol)を100mLのアセトン中に溶解し、カーボン上の300mgの10%Pd上で、〜8−10気圧のH2において、室温で2時間、水素化した。溶媒を濾過して取り除き、その溶液を濃縮することにより、純粋なメチルメソピロフェオフォルビドa(40)(1.0g、quant.)を得た。UV/visλmax(ε)(CH2Cl2):408(136000)、501(12400)、534(11800)、603(10500)、656(54600)nm;1H−NMR(200MHz、CDCl3):9.40(s、1H、β−メソH)、9.16(s、1H、α−メソH)、8.46(s、1H、δ−メソH)、5.26及び5.08(AB、J=19.7Hz、10−CH2)、4.46(dq、1H、J7、8=2.0Hz、8−H)、4.27(dt、1H、7−H)、3.80及び3.64(それぞれq、4H、J=7.5Hz、2a−及び4a−CH2)、3.63、3.52、3.28、及び3.21(それぞれs、12H、1−、3−、5−Me及びCOOMe)、2.80−2.20(m、4H、7a、b−CH2CH2)、1.80(d、3H、J=7.3Hz、8−Me)、1.71及び1.63(それぞれt、6H、J=7.5Hz、2b−及び4b−Me)、0.60及び−1.60(それぞれbr s、2H、NH)。
【0082】
メチルメソピロフェオフォルビドa(40)(250mg、0.443mmol)を5mLの50%硫酸中に溶解し、その混合物を室温で2時間攪拌した後、氷冷水で希釈し、クロロホルムで抽出した。これらの抽出液を水で洗い、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮することにより、粗メソピロフェオフォルビドa(36)を得た。この粗メソピロフェオフォルビドa(36)を20mLのジクロロメタン中に溶解した後、0.3mL(2.22mmol、〜5eq.)のトリエチルアミンを加え、続いて、0.1mL(0.576mmol、1.3eq.)のペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテートを加えた。(化合物41を生成すべく)その混合物を室温で20分間攪拌し、0.5mLの水を加え、続いて、5mLのジクロロメタン中における化合物42(200mg、GlycoSense AG、Jena、Germanyの製品)の溶液を加えた。その混合物を室温で30分間攪拌し、ジクロロメタンで希釈した後、水と5%硫酸で洗い、乾燥させ、濃縮した。その残分をSilicaゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。アセトン−ジクロロメタン(20:80)での溶出は、290mg(88%)のアミド43を与えた。UV/visλmax(ε)(CH2Cl2):408(136500)、501(12300)、534(11800)、603(10000)、656(54500)nm;1H−NMR(300MHz、CDCl3):9.41(s、1H、β−メソH)、9.20(s、1H、α−メソH)、8.47(s、1H、δ−メソH)、6.08(br s、1H、CONH)、5.26及び5.08(AB、J=19.7Hz、10−CH2)、4.51(br q、1H、8−H)、4.32(br d、1H、7−H)、3.82及び3.66(それぞれq、4H、J=7.5Hz、2a−及び4a−CH2)、3.78(s、2H、OCH2COOMe)、3.63、3.32、及び3.21(それぞれs、9H、1−、3−、及び5−Me)、3.52(s、3H、COOMe)、3.28(br s、12H、NHCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2O)、2.80−1.90(m、4H、7a、b−CH2CH2)、1.80(d、3H、J=7.3Hz、8−Me)、1.72及び1.68(それぞれt、6H、J=7.5Hz、2b−及び4b−Me)、0.70及び−1.60(それぞれbr s、2H、NH)。13C−NMR(75MHz、CDCl3):196.3、172.4、172.3、160.2、155.2、150.3、149.0、145.0、142.3、141.6、137.3、136.9、135.6、131.3、130.1、127.8、105.9、104.1、95.8、92.5、70.5、70.2、69.9、69.6、68.2、51.6、50.1、48.0、39.1、39.0、32.6、30.2、23.1、19.5、19.4、17.5、17.0、12.0、11.3、11.0。
【0083】
アミド43(195mg、0.263mmol)を4mLの50%硫酸に溶解し、その混合物を室温で2時間攪拌した後、氷冷水で希釈した。結果として生じた沈殿物を遠心分離(5000rpmで3分間)し、pH7まで水(2×50mL)で洗い(25形成)、アセトン(50mL)、メタノール(15mL)、及び水(6mL)の混合液中に溶解した。その後、上述の溶液にN−メチル−D−グルカミン(10)(56mg、0.29mmol、1.1eq.)を加えた。結果として得られた溶液を真空(〜20mmHg)下において40℃で濃縮し、有機溶媒を除去した。その濃縮プロセスの残分を40mLの水に溶解した後、45μmのフィルターを通じて濾過し、凍結乾燥させることにより、239mgの水溶性塩を得た。UV/visλmax(ε)(H2O):375(46550)、514(5750)、548(5750)、608(6320)、660(21260)。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸25コンポーネント):724.7(M−H)。
【0084】
【化15】
【実施例20】
【0085】
N−メチル−D−グルカミン(10)とバクテリオフェオフォルビド誘導体(29)との水溶性塩の調製
130mLのジクロロメタン中におけるメチルメソピロフェオフォルビド−a(40)(650mg、1.152mmol)の攪拌溶液に0.5mLのピリジンを加え、続いて、600mg(2.361mmol、2.05eq.)のオスミウムテトロキシドを加えた。その反応混合物を室温で48時間攪拌した後、オスミウム酸塩を遊離ジオール(44)に変換すべく、その溶液にH2Sを5分間通気し、その混合物をSilicaゲルで分離した。アセトン−クロロホルム(5:95)での溶出は開始化合物(40)(190mg、29%)を与えた。アセトン−クロロホルム(15:85)での溶出はジオール(44)(350mg、51%)を与えた。そのジオール(44)を、室温において30分間、20mLのconc.H2SO4で処理した。その反応混合物を氷冷水で希釈した後、クロロホルムで抽出した。それらの抽出液を重炭酸ナトリウム水溶液と水で洗い、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。その残分をSilicaゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製した。アセトン−クロロホルム(1:99)での溶出はケトン(45)(180mg、(40)から始めて27%)をもたらした[cf.R.K.Pandeyら、J.Org.Chem.、1997年、62、1463−1472]。得られたケトン(45)を5mLの50%硫酸に溶解し、その混合物を室温で2時間攪拌した後、氷冷水で希釈し、クロロホルムで抽出した。それらの抽出液を水で洗い、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮することにより、粗化合物46を得た。その粗化合物46を20mLのジクロロメタン中に溶解し、0.2mL(1.58mmol、〜5eq.)のトリエチルアミンを加え、続いて、70μl(0.411mmol、1.3eq.)のペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテートを加えた。(47を与えるべく)その混合物を室温で20分間攪拌した後、0.5mLの水を加え、続いて、5mLのジクロロメタン中における化合物42(150mg、GlycoSense AG、Jena、Germanyの製品)の溶液を加えた。その混合物を室温で30分間攪拌した後、ジクロロメタンで希釈し、水と5%硫酸で洗い、乾燥させ、濃縮した。その残分をSilicaゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。アセトン−ジクロロメタン(20:80)での溶出は、205mg(85%)のアミド(48)を与えた。UV/visλmax(ε)(CH2Cl2):394(42300)、412(44100)、506(7650)、539(9100)、597(4500)、652(15750)、712(30600)nm;1H−NMR(250MHz、CDCl3):9.18、8.72、8.50(それぞれs、3H、メソH)、6.10(br s、1H、CONH)、5.20(m、2H、10−CH2)、4.50及び4.30(共にm、2H、8−H及び7−H)、3.88(s、2H、OCH2COOMe)、3.58、3.41、及び3.21(それぞれs、9H、1−、3−、及び5−Me)、3.51(s、3H、COOMe)、3.30(br s、12H、NHCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2O)、2.80−1.90(m、4H、7a、b−CH2CH2)、1.90−1.65(m、6H、2×CH2CH3)、0.5(m、3H、CH2CH3)、−0.10及び−1.70(それぞれbr s、2H、NH)。13C−NMR(75MHz、CDCl3):201.4、199.2、172.3、171.7、153.3、141.0、137/2、98.2、95.0、91.3、89.7、87.1、79.4、70.7、70.4、70.1、69.8、68.4、53.4、51.8、49.9、48.0、39.3、36.2、32.9、32.1、30.5、28.5、25.9、23.2、19.3、16.9、11.9、11.0、9.0、8.1。
【0086】
アミド誘導体(48)(205mg、0.270mmol)を4mLの50%硫酸に溶解し、その混合物を室温で2時間攪拌した後、氷冷水で希釈した。結果として生じた沈殿物を遠心分離(5000rpmで3分間)し、(29を与えるべく)pH7まで水(2×50mL)で洗い、アセトン(50mL)、メタノール(15mL)、及び水(6mL)の混合液中に溶解した。この溶液にN−メチル−D−グルカミン(10)(56mg、0.29mmol、1.1eq.)を加えた。結果として得られた溶液を真空(〜20mmHg)下において40℃で濃縮して有機溶媒を取り除いた。その残分を40mLの水に溶解し、45μmのフィルターを通じて濾過し、その溶液を真空(〜20mmHg)下において40℃で濃縮した後、真空(〜1mmHg)下において40℃で乾燥させることにより、240mgの水溶性塩を得た。UV/visλmax(ε)(H2O):420(40400)、515(5380)、561(6150)、668(9610)、776(51200)。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸29コンポーネント):740.7(M−H)。
【実施例21】
【0087】
N−メチル−D−グルカミン(10)とフェオフォルビドa誘導体(22)との水溶性塩の調製
ペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(15μL)でフェオフォルビドa(4)(17mg、0.028mmol)を活性化し、続いて、過剰なトリエチルアミンの存在下において化合物42(25mg、GlycoSense AG、Jena、Germanyの製品)と反応させ、その後、50%硫酸で酸性加水分解し、実施例19で説明されているようにして6.5mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、23mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸22コンポーネント):780.1(M−H)。
【実施例22】
【0088】
N−メチル−D−グルカミン(10)とフェオフォルビドa誘導体(23)との水溶性塩の調製
50%硫酸でメチルピロフェオフォルビドa(39)(15mg)を酸性加水分解し、続いて、ペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(15μL)で活性化し、過剰なトリエチルアミンの存在下において化合物42(25mg、GlycoSense AG、Jena、Germanyの製品)と反応させ、その後、50%硫酸で酸性加水分解し、実施例19で説明されているようにして6mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、19mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸23コンポーネント):722.1(M−H)。
【実施例23】
【0089】
N−メチル−D−グルカミン(10)とメソフェオフォルビドa誘導体(24)との水溶性塩の調製
50%硫酸でメチルメソフェオフォルビド−a(37)(16mg)を酸性加水分解し、続いて、ペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(15μL)で活性化し、過剰なトリエチルアミンの存在下において化合物42(25mg、GlycoSense AG、Jena、Germanyの製品)と反応させ、その後、50%硫酸で酸性加水分解し、実施例19で説明されているようにして6mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、18mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸24コンポーネント):782.2(M−H)。
【実施例24】
【0090】
N−メチル−D−グルカミン(10)とメソピロフェオフォルビドa誘導体(26)との水溶性塩の調製
ペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(20μl)でメソピロフェオフォルビドa(36)(20mg、0.034mmol)を活性化し、続いて、過剰なトリエチルアミンの存在下において化合物49(40mg、GlycoSense AG、Jena、Germanyの製品)と反応させ、そして、実施例19で説明されているようにして7mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、32mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸26コンポーネント):856.7(M−H)。
【実施例25】
【0091】
N−メチル−D−グルカミン(10)とメソピロフェオフォルビドa誘導体(27)との水溶性塩の調製
ペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(15μl)でメソピロフェオフォルビドa(36)(15mg、0.026mmol)を活性化し、続いて、過剰なトリエチルアミンの存在下において20mgのグリシンメチルエステルと反応させ、その後、50%硫酸で酸性加水分解し、実施例19で説明されているようにして5mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、19mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸27コンポーネント):592.6(M−H)。
【実施例26】
【0092】
N−メチル−D−グルカミン(10)とメソピロフェオフォルビドa誘導体(28)との水溶性塩の調製
ペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(15μl)でメソピロフェオフォルビド−a(36)(14mg、0.024mmol)を活性化し、続いて、過剰なトリエチルアミンの存在下において25mgのε−アミノカプロン酸メチルエステルと反応させ、その後、50%硫酸で酸性加水分解し、実施例19で説明されているようにして5mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、20mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸28コンポーネント):648.5(M−H)。
【実施例27】
【0093】
N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリン−e6誘導体(30)との水溶性塩の調製
(化合物50を生成すべく)1,4−ジオキサン(3mL)中におけるメチルフェオフォルビドa(5)(38mg、0.063mmol)とN,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン(100μL)の混合物を室温に10時間保持した。この溶液に6MのNaOH水溶液(0.1mL)を加え、結果として得られたその混合物を10分間還流させた。その後、5mLの水を加え、還流を更に10分間続けた。その混合物を冷却し、30mLの水で希釈した後、pH4.5まで酢酸で酸性化した。形成された沈殿物を遠心分離(5000rpmで3分間)した後、水で洗うことにより、二酸誘導体(30)を得た。その二酸誘導体(30)を7mLのN−メチル−D−グルカミン(10)(30mg、1.2eq.)水溶液に溶解した。結果として得られた溶液を45μmのフィルターを通じて濾過し、凍結乾燥させることにより、62mgの水溶性塩を得た。MS(+)(エレクトロスプレー)(酸30コンポーネント):681.3(M+H)。
【実施例28】
【0094】
N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6誘導体(31)との水溶性塩の調製
メチルフェオフォルビドa(5)(22mg、0.036mmol)を1,7−ジアミノヘプタン(100μL)と反応させ、続いて、NaOH水溶液でアルカリ性加水分解した後、実施例27で説明されているようにして18mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、41mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸31コンポーネント):709.4(M+H)。
【実施例29】
【0095】
N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6誘導体(32)との水溶性塩の調製
1,4−ジオキサン(3mL)中におけるフェオフォルビドa(4)(20mg、0.033mmol)とε−アミノカプロン酸メチルエステル(50mg、〜10eq.)の溶液を室温に120時間保持した。その混合物をジクロロメタンで希釈し、0.5NのHCl水溶液と水で洗い、乾燥させ、濃縮し、Silicaゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。3%MeOH−ジクロロメタンでの溶出は、22mg(88%)のアミド誘導体(51)をもたらした。そのアミド誘導体(51)を50%硫酸で酸性加水分解した後、実施例17で説明されているようにして13.5mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、33mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸32コンポーネント):722.3(M−H)。
【実施例30】
【0096】
N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6誘導体(33)との水溶性塩の調製
1,4−ジオキサン(3mL)中におけるフェオフォルビドa(4)(20mg、0.034mmol)と2−アミノエタノール(50μL)の溶液を室温に1時間保持した。その混合物をジクロロメタンで希釈し、0.5NのHCl水溶液と水で洗い、乾燥させ、濃縮し、Silicaゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。3%MeOH−ジクロロメタンでの溶出は、20mg(91%)のアミド誘導体33をもたらした。実施例17で説明されているようにして8mgのN−メチル−D−グルカミン(10)と反応させることにより、28mgの凍結乾燥された水溶性塩を得た。MS(−)(エレクトロスプレー)(酸33コンポーネント):652.2(M−H)。
【実施例31】
【0097】
本発明により調製されたN−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)との水溶性塩とPonomarevら(RU第2144538号)により調製されたものとの、OV2774細胞における暗毒性(細胞毒性)の対比的な決定
本発明の実施例9Bにより調製されたN−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)との水溶性塩(化合物A)とPonomarevによるロシア特許第2144538号により調製されたもの(化合物B)との細胞毒性(暗毒性)を決定するため、OV2774細胞(播種濃度:RPMI−1640w.P.(フェノールレッドを伴う)、5%のウシ胎児血清、2mMのGlutamax I、100μg/mLのPenicillin(ペニシリン)/Streptomycin(ストレプトマイシン)中において50−75個の細胞/mm2)を50μMまでの漸増する種々の濃度で24時間インキュベーションした。細胞の生存は、ニュートラルレッドアッセイを用いて、更に24時間後に、増感剤を含まない培地において測定した。数値は、インキュベーションされていない対照サンプルに対する百分率で表されている。各インキュベーション濃度に対して、3回の独立的な実験を四重に実施した。それらの実験から得られたデータが図1に記載されている。化合物Aは、化合物Bに比べ、OV2774細胞に対して低い細胞毒性を示した。細胞の生存は、25μMまでのインキュベーション濃度で有意に減少しなかった(化合物B:10μM)。これまでのところ、IC50値(対照と比較して、細胞増殖を50%に低減するインキュベーション濃度)は決定することができなかった。試験したうちで最高のインキュベーション濃度は、80%以上の細胞の生存をもたらした。
【実施例32】
【0098】
本発明により調製されたN−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)との水溶性塩とPonomarevら(RU第2144538号)により調製されたものとの、670nmでの照射下におけるOV2774細胞での暗毒性(細胞毒性)の対比的な決定
本発明の実施例9により調製されたN−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)との水溶性塩(化合物A)とPonomarevによるロシア特許第2144538号により調製されたもの(化合物B)との光毒性を決定するため、OV2774細胞(播種濃度:RPMI−1640w/oP.(フェノールレッドを伴う)、5%のウシ胎児血清、2mMのGlutamax I、100μg/mLのPenicillin/Streptomycin中において50−75個の細胞/mm2)を、化合物Bでの先の実験において使用したのと同じ濃度でインキュベーションした(10μM、24時間)。光増感剤を伴わず、また、フェノールレッドも伴わない培地における第二のインキュベーション期間後、670nmでの照射(10−25mW/cm2、0.1−2.5J/cm2)を実施した。細胞の生存はニュートラルレッドアッセイを用いて測定した。数値は、インキュベーションは為されたが、照射は為されていない対照に対する百分率で表されている。5回の独立的な実験を四重に実施した。それらのサンプルのID50値(対照と比較して、細胞増殖を50%に低減する流束量(エネルギー密度))が、光毒性の定量的な測度として機能した。それらの実験から得られたデータが図2に与えられている。結果は、化合物Bと比べ、化合物Aの光毒性が幾分高いことを示した。そのID50値は化合物Bの場合の約半分であった(0.1J/cm2対0.2J/cm2)。
【実施例33】
【0099】
N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリン(7)及びフェオフォルビド[(4)、(22)、及び(25)]誘導体との水溶性塩のHeLa細胞における暗毒性(細胞毒性)の決定
実施例9、17、19、及び21により調製されたN−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)及びフェオフォルビド−a誘導体(4、22、25)との水溶性塩の暗毒性を決定するため、HeLa(ヒト頸部癌細胞)細胞の単層培養を、2μg/mLから500μg/mLまでの量で漸増する種々の濃度の光増感剤を伴う96−ウェルプレート(播種濃度:10%のウシ胎児血清を伴うDulbeco変法必須培地(DMEM)において、1個のウェル当たり7000個の細胞)内でインキュベーションし、48時間インキュベーションした。
【0100】
それらの細胞を純粋なDMEMで洗い、室温で15分間、10%ホルマリンで処理した。また、それらの細胞を水で2回洗い、クリスタルバイオレットの0.1%溶液(50μl/ウェル)と共に15分間インキュベーションした後、水で洗い、エタノール(100μl/ウェル)で処理した。細胞の生存をモニタリングするため、形成されたエタノール溶液の光学密度を、Specord 100(Analytik Jena AG、Germany)分光光度計を用いて、594nmで測定した。
【0101】
数値は、インキュベーションされていない対照に対する百分率で表されている。各インキュベーション濃度に対して8回の実験を実施した。それらの実験から得られたデータが表1に与えられており、その表は、IC50値及びIC80値(対照と比較して、細胞増殖を50%及び20%にまで低減するインキュベーション濃度)を示している。
【0102】
表1.N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリン(7)及びフェオフォルビド[(4)、(22)、及び(25)]誘導体との水溶性塩のHeLa細胞における暗毒性(細胞毒性)データ(実施例33)
【0103】
【表1】
【実施例34】
【0104】
N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリン(7)及びフェオフォルビド[(4)、(22)、及び(25)]誘導体との水溶性塩の662nmでの照射下におけるHeLa細胞での光毒性の決定
実施例9、17、19、及び21により調製されたN−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)及びフェオフォルビド−a(4、22、25)誘導体との水溶性塩の光毒性を決定するため、HeLa(ヒト頸部癌細胞)細胞の単層培養を、0.01μg/mLから40μg/mLまでの量で漸増する種々の濃度の光増感剤を伴う96−ウェルプレート(播種濃度:10%のウシ胎児血清を伴うDMEMにおいて、1個のウェル当たり30,000個の細胞)内でインキュベーションした。30分のインキュベーション時間後、662nmでの照射[Ceralas PDTレーザー、BioLitec AG、Germany;150mW/cm2、5−20J/cm2)を実施した。細胞の生存はMTTアッセイを用いて測定した。数値は、照射は為されたが、インキュベーションは為されていない対照に対する百分率で表されている。実験は八重に実施された。それらの実験から得られたデータが表2に与えられており、その表は、10J/cm2の照射後に観測されたIC50値及びIC90値を示している。
【0105】
表2.N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリン(7)及びフェオフォルビド[(4)、(22)、及び(25)]誘導体との水溶性塩のHeLa細胞における光毒性データ(実施例34)
【0106】
【表2】
【実施例35】
【0107】
N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリン(7)及びフェオフォルビド[(4)、(22)、及び(25)]誘導体との水溶性塩の抗菌的光力学的療法実験における光毒性の決定
使用した微生物は、Staphylococcus aureus(ATCC25923)、Enterococcus faecalis(ATCC29212)、及びCandida spp(臨床的)の博物館及び臨床的な菌株であった。
【0108】
細菌のコロニーは、以下のタイプの固形培地で培養された:ブドウ球菌寒天110でのStaphylococcus aureus、5%のウマ血液を伴うColumbia寒天からなる基剤でのEnterococcus faecalis、Saburoデキストロース寒天でのCandida spp。
【0109】
McFarland規準に従って0.5−1.0(1mL中に、1.5−5×108個の細菌数)の値を有する等張NaCl溶液中における初期細菌懸濁液(IBS)を調製し、その後、1:100に希釈した。
【0110】
細菌細胞数計測の適当な対照用に、IBSの一部を等張NaCl溶液で(初期濃度の10−3まで)1:1000に希釈して、0.1mLからなる3つのアリコートを取り、それぞれを、それらの微生物に適した培地を伴う別々のペトリ皿に植えた。細菌のコロニーを37℃で24時間(Staphylococcus aureusの場合は48時間)インキュベーションした後、コロニーを計数し、それぞれ3個のペトリ皿の平均値を対照値として使用した。
【0111】
A).温度及びレーザー照射操作の管理
2.0mLの初期細菌懸濁液(IBS)を37℃で30分間保存した後、等張NaCl溶液で(初期濃度の10−3まで)1:1000に希釈して、0.1mLからなる3つのアリコートを取り、それぞれを、それらの微生物に適した培地を伴う別々のペトリ皿に植えた。細菌のコロニーを37℃に24時間保持した後、計数し、それぞれ3個のペトリ皿の平均値を決定して対照値として使用した。
【0112】
別のIBSのサンプル(2.0mL)を37℃で30分間保存した後、送給される光エネルギーの線量が50J/cm2になるように、3Wの出力パワーを有する「Ceralas PDT」レーザーで、40mmのペトリ皿(懸濁液層の厚み−2mm)にレーザー光を210秒間照射した。その混合物を等張NaCl溶液で(初期濃度の10−3まで)1:1000に希釈して、0.1mLからなる3つのアリコートを取り、それぞれを、別々のペトリ皿に植え、培養した後、上で説明されているようにして計数した。
【0113】
表3のデータ[治療方式B及びCは(7)に対して提示]は、光増感剤を伴うことなく、50J/cm2の線量でのレーザー照射下における、37℃での30分間のIBSの保管が、実際的に、細菌の生存度に影響を及ぼさないことを示している。
【0114】
B).暗毒性の決定
500μg/mLの濃度を有する光増感剤の0.5mLの保存溶液を2.0mLのIBSに加え、結果的な光増感剤の濃度を100μg/mLにした。形成されたその懸濁液を37℃で30分間保存した後、等張NaCl溶液で(初期濃度の10−3まで)1:1000に希釈した。3部の0.1mLを取り、3個のペトリ皿に植えた後、上で説明されているようにして計数した。
【0115】
表3のデータは、本発明の光増感剤が、30分のインキュベーション時間内において、100μg/mLの濃度下で、実際的な暗毒性効果を有していないことを示している。
【0116】
C).光毒性の決定
500μg/mLの濃度を有する光増感剤の0.125mLまたは0.5mLの保存溶液をIBSの2.0mL部分に加え、結果的な光増感剤の濃度をそれぞれ25μg/mL及び100μg/mLにした。形成されたその懸濁液を37℃で30分間保存した後、50J/cm2の密度で照射した。0.1mLからなる3つのアリコートを取り、3個のペトリ皿に植えた。残りの懸濁液部分を等張NaCl溶液で(初期濃度の10−2または10−3まで)1:100または1:1000に希釈し、各希釈液から取った0.1mLの3つのアリコートを3個のペトリ皿に植えた後、上で説明されているようにして計数した。
【0117】
表3のデータは、本発明の水溶性塩が、抗菌的な光力学的療法用の光増感剤として潜在的に適用可能であることを示している。
【0118】
表3.抗菌的な光力学的療法の実験における、N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリン(7)及びフェオフォルビド[(4)、(22)、及び(25)]誘導体との水溶性塩の適用(実施例35)
【0119】
【表3】
*治療方式:
A、使用した初期細菌懸濁液(IBS)中の対照細菌数;
B、IBSを37℃に30分間恒温保持した後の細菌数;
C、50J/cm2(Ceralas PDT、3W、210秒)の線量でレーザー照射した後の細菌数;
D、光増感剤(100μg/mLの濃度)と共に30分間インキュベーションした後の細菌数;
E、25μg/mLの濃度の光増感剤を用いて光力学的治療を行った後の細菌数;
F、100μg/mLの濃度の光増感剤を用いて光力学的治療を行った後の細菌数;
実施例を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明してきたが、本発明は、まさにそれらの実施形態に限定されるものではなく、当業者により、添付の特許請求項で定義されている通りの本発明の範囲または精神から逸脱することなく、そこに様々な変更及び変形を為し得ることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】図1:本発明(実施例9)により調製した場合(A)とPonomarev(RU第2144538号)により調製した場合(B)の、N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)との水溶性塩の暗毒性(細胞毒性、実施例14)の決定;この試験は、指示されている通りの種々の異なる濃度で光増感剤を付加した条件下におけるOV2774細胞で実施された。
【図2】図2:本発明(実施例9)により調製した場合(A)とPonomarev(RU第2144538号)により調製した場合(B)の、N−メチル−D−グルカミン(10)とクロリンe6(7)との水溶性塩の光毒性(実施例15)の決定;この試験は、指示されている通りの種々の異なる濃度で光増感剤を付加し、670nmで照射した条件下におけるOV2774細胞で実施された。
Claims (29)
- 高純度で医薬品グレードの水溶性ポルフィリン誘導体の製造する方法であって:
a)結晶性アルキルフェオフォルビドを与える生物学的原料を1工程または2工程で直接アルコーリシスする工程;
b)得られた該アルキルフェオフォルビドの酸性ポルフィリンへの変換工程;及び
c)水及び水性有機溶液からなる群から選択される媒質中での、該酸性ポルフィリンと親水性有機アミンと反応;
させる工程からなることを特徴とする方法。 - 生物学的原料が、自然に生育する植物、藻類、血液成分、昆虫の分泌物、微生物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
- 自然に生育する植物及び藻類がSpirulina Platensis、Spirulina maxima、Chlorella、イラクサ、及びホウレンソウを含む、請求項2記載の方法。
- 直接的な1工程または2工程の酸性アルコーリシスが、好適には、メタノリシス及びエタノリシスからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
- 親水性有機アミンがN−メチル−D−グルカミン、アミノアルキルグリコシド、TRIS、並びにそれらの誘導体、アミノ酸、及びオリゴペプチドからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
- 有機アミンがN−メチル−D−グルカミンである、請求項5記載の方法。
- 高純度で医薬品グレードの水溶性ポルフィリン誘導体を製造する方法であって、水及び水性有機溶液からなる群から選択される媒質中において酸性ポルフィリンを親水性有機アミンと反応させることを特徴とする方法。
- 親水性有機アミンがN−メチル−D−グルカミン、アミノアルキルグリコシド、TRIS、並びにそれらの誘導体、アミノ酸、及びオリゴペプチドからなる群から選択される、請求項7記載の方法。
- 有機アミンがN−メチル−D−グルカミンである、請求項7記載の方法。
- 高純度で医薬品グレードの水溶性ポルフィリン誘導体を製造する方法であって:
a)結晶性アルキルフェオフォルビドを与える生物学的原料の1工程または2工程を直接アルコーリシスに付し;
b)得られた該アルキルフェオフォルビドの酸性ポルフィリンへ変換し;
c)水及び水性有機溶液からなる群から選択される媒質中での該酸性ポルフィリンの親水性有機アミンとの反応;そして
d)揮発性溶媒を用いる逆相クロマトグラフィーにより水溶性ポルフィリン誘導体の精製する各工程;
からなることを特徴とする方法。 - 生物学的原料が、自然に生育する植物、藻類、血液成分、昆虫の分泌物、及び微生物からなる群から選ばれる請求項10記載の方法。
- 自然に生育する植物及び藻類がSpirulina Platensis、Spirulina maxima、Chlorella、イラクサ、及びホウレンソウを含む、請求項11記載の方法。
- 直接1工程または2工程の酸性アルコーリシスが、好適には、メタノリシス及びエタノリシスからなる群から選択される請求項10記載の方法。
- 親水性有機アミンがN−メチル−D−グルカミン、アミノアルキルグリコシド、TRIS、並びにそれらの誘導体、アミノ酸、及びオリゴペプチドからなる群から選択される、請求項10記載の方法。
- 有機アミンがN−メチル−D−グルカミンである、請求項14記載の方法。
- 高純度で医薬品グレードの水溶性ポルフィリン誘導体を製造する方法であって、
a)水及び水性有機溶液からなる群から選択される媒質中で酸性ポルフィリンを親水性有機アミンと反応させるステップ;及び
b)揮発性溶媒を用いる逆相クロマトグラフィーにより水溶性ポルフィリン誘導体を精製する各工程;
からなることを特徴とする方法。 - 親水性有機アミンが、N−メチル−D−グルカミン、アミノアルキルグリコシド、TRIS、並びにそれらの誘導体、アミノ酸、及びオリゴペプチドからなる群から選択される、請求項16記載の方法。
- 有機アミンがN−メチル−D−グルカミンである請求項17記載の方法。
- 次の一般式1または2:
R1=−CH=CH2、−CH(OAlk)CH3、−CHO、−C(O)CH3、−CH2CH3、−CH(Alk)CH(COAlk)2、−CH2CH(COAlk)2、−CH(Alk)CH2COAlk、−CH(Alk)CH2CH(OH)CH3、及び−CH2CH2CH(OH)CH3
R2=−CH3、−CHO、−CH(OH)Alk、−CH=CHAlk、CH2OH、及びCH2OAlk;
R3=−OH、−OAlk、−NH−Alk、NH−X−COO−(HG)+、−NH−Y−NR8R9、−及びNH−Y−OH;
R4=−O−(HG)+、−OAlk、−NH−Alk、及びNH−X−COO−(HG)+;
R5=−O−(HG)+、−OAlk、−NH−Alk、及びNH−X−COO−(HG)+;
R6=H及び−COOAlk;
R7=−O−(HG)+、−OAlk、−NH−Alk、及び−NH−X−COO−(HG)+;
R8=H及びAlk
R9=H及びAlk
ここで:
−NH−X−COO−=有機アミノ酸の残基;
X=アルキリデン、ペプチド、オリゴペプチド、及び−(CH2CH2O)nCH2CH2−、式中、n=1−30;
Y=アルキリデン及び−(CH2CH2O)nCH2CH2−、式中、n=1−30;
G=親水性有機アミン(f.ex.N−メチル−D−グルカミン及び他のアミノ基含有炭水化物誘導体、TRIS、アミノ酸、オリゴペプチド);及び
Alk=アルキル置換基)
をもつ高純度で医薬品グレードの水溶性ポルフィリン誘導体。 - 癌、他の過増殖性疾患、及び感染症の光力学的療用の、
a)上記誘導体を薬剤学的に許容可能な適用賦形剤に組み込み;
b)上記賦形剤を治療領域へ投与する工程;
c)上記ポルフィリン誘導体が前記治療領域における罹患組織に優先的に蓄積するのに充分な時間を掛ける工程;及び
d)上記ポルフィリン誘導体を活性化し、これにより、前記罹患組織の細胞を壊死させるため、適切な波長と充分なパワーを有する光で上記治療領域を照射する各工程;
からなる高純度水溶性ポルフィリン誘導体の用途。 - 適用賦形剤が皮膚科用クリーム剤である、請求項20記載の用途。
- 使用する前に、上記誘導体の二塩(bis−salts)をある量の前記親水性アミンの存在下において水中に溶解する付加的な初期ステップを含み、ここで、上記量が、保管中における上記誘導体の水に対する溶解度の安定性を維持すべく、2モル当量より多くなく、好適には、0.05モル当量と0.5モル当量との間である、請求項20記載の用途。
- 請求項19による上記高純度で医薬品グレードの水溶性ポルフィリン誘導体の二塩とある量の前記親水性アミンを含む安定な水溶液からなり、ここで、上記量が、2モル当量より多くなく、好適には、0.05モル当量と0.5モル当量との間である保管中における上記誘導体の水に対する溶解度の安定性を維持すべく安定な水溶液。
- 請求項19記載の上記高純度で水溶性のポルフィリン誘導体が活性成分である癌及び他の過増殖性疾患を治療するための薬剤組成物。
- 請求項1、請求項7、請求項10、及び請求項16記載の方法からなる群から選択される方法によって生成される、請求項19記載の高純度で医薬品グレードの水溶性ポルフィリン誘導体。
- 請求項25記載の上記高純度で水溶性のポルフィリン誘導体の使用であって:
a)上記誘導体を薬剤学的に許容可能な適用賦形剤に組み込む工程;
b)上記水溶性ポルフィリン誘導体を治療領域へ投与する工程;
c)上記ポルフィリン誘導体が前記治療領域における罹患組織に優先的に蓄積するのに充分な時間を掛ける工程;及び
d)上記ポルフィリン誘導体を活性化し、これにより、前記罹患組織の細胞を壊死させるため、適切な波長と充分なパワーを有する光で上記治療領域を照射する工程;
を含む癌、他の過増殖性疾患、及び感染症の光力学的療法のための用途。 - 上記賦形剤が皮膚科用クリーム剤である、請求項26記載の使用。
- 使用する前に、上記誘導体の二塩をある量の前記親水性アミンの存在下において水中に溶解する付加的な初期ステップを含み、ここで、上記量が、保管中における上記誘導体の水に対する溶解度の安定性を維持すべく、2モル当量より多くなく、好適には、0.05モル当量と0.5モル当量との間である、請求項26記載の使用。
- 癌及び他の過増殖性疾患を治療するための薬剤組成物であって、請求項19記載記載の上記高純度で水溶性のポルフィリン誘導体が活性成分である薬剤組成物。
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