JP2004530084A - ホースクランプ及び閉鎖工具 - Google Patents

Abstract

従来のホースクランプにおいて耳の間隙を橋渡しするために使用され、典型的なものでは、０．３ｍｍの厚さのＤＩＮ１．４３１０によるスチールから製造されているようなインサートのバンド材料から、制限された直径のためのホースクランプは、オーバーラップするバンド端部（１１，１２）を有する開放したバンドリング（１０）の形で製造される。一方のバンド端部（１１）の近傍には開口部（１３）が、また他方のバンド端部（１２）の近傍には開口部（１３）に係合するためのフック（１４）が、設けられている。このホースクランプを閉鎖するため、プライヤ様式の工具が使用され、その両方のジョー（２１，２２）は、閉鎖された状態で、本質的に中断されてない、閉鎖されたホースクランプの外径に相当する直径を有する内面を構成する。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、ホースクランプ及び閉鎖工具に関する。
【背景技術】
【０００２】
特許文献１からは、クランプ内に設けられた耳を変形させることによってシールすべきホース／チューブニップル接続部に当接させた後で狭窄されるホースクランプが公知である。ホースを狭窄する際に耳に達し、これによりチューブニップルによって持ち上げられることを回避するため、公知のホースクランプに対し、バンド材料から成るインサートが設けられており、このインサートは、このインサートが耳の間隙を橋渡しするようにホースクランプ内に収容される。
【０００３】
標準のホースクランプ、特に狭窄すべき耳を有する上で説明した様式のホースクランプのためには、０．６ｍｍの典型的な厚さを有するＤＩＮ１．４３０１による良好に変形可能なスチールが使用されるのに対して、インサートは、本質的に薄い材料から、典型的なものとしては、ＤＩＮ１．４３１０による０．２〜０．４ｍｍの厚さのスチールから、製造され、これは、高いバネ作用及び高い剛性を備え、相応に変形が困難で、従って耳の締め付けに適していない。
【特許文献１】
米国特許第４，３１２，１０１号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の課題は、上記インサートにおける欠点を解消するホースクランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
この課題は、請求項１に記載のホースクランプによって解決される。
【０００６】
本発明の基本にある思想は、公知のホースクランプにおけるこの様式のインサートにとって通常のバンド材料自体をホースクランプの製造のために考慮することである。この方法では、同じ原材料が付加的な方法で利用され、これが、コストの節約に通じる。この場合、公知のホースクランプのために設定され、そのために予定された形に切断され、変形されている完成したインサートを、本発明によるホースクランプを製造するために考慮することも基本的に可能である。
【０００７】
請求項２及び３に記載された形態は、ホースクランプの剛性にとって有効である。請求項４又は５による横断面形状は、ホースクランプに固有初期応力を与え、この固有初期応力は、公差を相殺するために有利であるばかりでなく、ホースクランプが開口部にフックを引っ掛けた後で弾性的にホースに当接することも保証する。
【０００８】
請求項６の措置は、ホースクランプを容易に閉鎖することができるように作用する。
【０００９】
請求項７及び８に記載された形態は、半径方向に広範に外方へと突出する部分を有することのない、低いプロフィルを有するホースクランプを生じさせる。
【００１０】
本発明によるホースクランプの典型的な応用範囲は、請求項９に記載されている。
【００１１】
本発明によるホースクランプを閉鎖するため、特に、請求項１０に記載されたプライヤ様式の工具が適する。この工具により、閉鎖工程は、簡単なプライヤ運動により開口部へとフックを引っ掛けて実施することができる。
【００１２】
請求項１１及び１２に記載された措置は、この措置が、シリンダリングに対するホースクランプの一様な閉鎖を保証する点に限って有効である。
【００１３】
請求項１３及び１４による工具の形態にあっては、ホースクランプがその全周囲にわたって工具によって把握されることが保証されている。
【００１４】
請求項１５及び１６の特徴は、完成した、閉鎖されたホースクランプにおけるシリンダ形状からの逸脱に通じてしまう閉鎖の際の傾きが確実に回避される点に限って有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
本発明の優れた実施例を、以下で、図面を基にして詳細に説明する。
【００１６】
図１によれば、ホースクランプは、ＤＩＮ１．４３１０によるスチールから成る開放したバンドリング１０から成り、このバンドリングは、バンド端部１１，１２が、互いにオーバーラップするように予め曲げられている。オーバーラップする外側のバンド端部１１には、長方形の開口部１３が打ち抜かれているのに対し、内側のバンド端部１２には、フック１４が、バンド材料からの部分的な打抜き及び押出しによって構成されている。図２に示されたホースクランプの閉鎖された状態は、フック１４が開口部１３に係合することによって確保される。
【００１７】
バンド材料の厚さは、多くても０．４ｍｍ、特に０．３ｍｍであり、その幅は、典型的なところでは、５〜１２ｍｍであり、特に８ｍｍである。この様式のバンド材料は、特にホースクランプに適し、これらのホースクランプは、図２に示された、閉鎖された状態にあっては、２０ｍｍまでの、特に３〜１３ｍｍの、内径を有する。適当な閉鎖手段（プライヤ）が使用可能である限り、最大の直径は、２０ｍｍを越えていても良い。
【００１８】
図１及び２から明らかなように、バンドリング１０は、その本質的な幅を占める中心領域１５と、外方へとフランジ付けされた縁部領域１６とを備える。８ｍｍのバンドリング１０の全幅については、それぞれのフランジ付けされた縁部領域１６の幅は約１ｍｍである。
【００１９】
バンドリング１０の外縁部１７がその中心領域１５を越えて突出する寸法は、少なくともバンド材料の厚さに相当する。
【００２０】
フック１４は、その開放した端部において、バンドリング１０から、バンド材料の厚さよりもいくらか大きい寸法だけ外へと曲げられている。これにより、ホースクランプの閉鎖された状態での開口部１３の相応の縁部におけるフック１４の確実なアンカー固定が保証されている。
【００２１】
外方へとフランジ付けされた縁部領域１６は、バンドリング１０の剛性を増大させるために役立つばかりではない。これらの縁部領域は、フック１４が引っ掛けられた状態でバンドリング１０の最も外側のプロフィルを超えては突出せず、これにより、フック１４が誤って開口部１３から解放され、ホースクランプが開くという危険が減少することも生じさせる。更に、フランジ付けされた縁部領域１６は、フック１４が開口部１５に係合するまで、両方のバンド端部の相互の案内をするために役立つ。結局、フランジ付けされた縁部領域１６は、シールすべきホース内へと切り込んでしまうシャープなエッジが回避される点に限っても有利である。
【００２２】
オーバーラップする外側のバンド端部１１は、図１及び２に示されているように、両側が、１８において、前縁部１９が本質的にバンドリング１０の中心領域１５の幅に相当する長さを有するように面取りされている。面取り部１８は、ホースクランプの曲げ及び閉鎖をする際のより良好な案内及び調心をするために役立つ。
【００２３】
図１及び２に示されたバンドリング１０は、図３ａに図示された横断面を有し、この横断面の場合は、中心領域１５がシリンダ状である。しかしながら、図３ｂ及び３ｃによれば、領域１５’、１５’’は、外方へと凸又は凹のアーチ付け部を備えていてもよく、このアーチ付け部は、バンドリング１０に、弾性の予備を与える。これにより、ホースクランプが、より簡単に閉鎖でき、引っ掛けた後で弾性的にシールすべきホースに当接することが得られる。同時に、このアーチ付け部は、公差を問わない。
【００２４】
図１及び２に図示されたホースクランプを閉鎖するための図４及び５の図示された工具２０は、プライヤの形態を有し、そのジョー２１，２２は、図５に図解した閉鎖された状態で、実際に中断されてない、閉鎖されたクランプ１０の外径に相当する直径を有するシリンダ状の内面を構成する。
【００２５】
横断面においては、この内面は、クランプ１０の外面に対して相補的に形成されており、換言すれば、ジョー２１，２２の内面は、拡幅された縁部領域を有するシリンダ状の中心領域を備える。この相補的な形態は、ホースクランプ１０が完全に閉鎖されることを保証するばかりでなく、閉鎖工程の間のホースクランプ１０の調心及び整向も生じさせる。
【００２６】
ジョー２１，２２の尖端２３，２４は、その主要部分に比べて半分の幅に縮小されていて、これらの尖端は、閉鎖された状態で互いに重なり合う。これにより、ホースクランプを包囲するジョー２１，２２のシリンダ面における中断は、工具２０が閉鎖された状態では回避される。
【００２７】
ジョー２１を担持するプライヤアーム２５は、支承ボルト２６の領域内では二脚に形成されており、その際、ジョー２２を担持するプライヤアーム２７は、アーム２５と、その脚部の間で交差する。これにより、傾きが回避されて、ジョー２１，２２は、正確に、言及したシリンダ形状を形成する。
【００２８】
図面には図示されてない変形例にあっては、ジョーの尖端は、尖端の一方が、中心の歯を担持し、この歯が、閉鎖された状態で、他方のジョーに存在する外側の２つの歯の間へと係合するように形成することができる。この形態によっても、傾きを回避することができる。
【００２９】
異なった直径のホースクランプを同一のプライヤで閉鎖するために、ジョーは、交換可能に形成することができ、その際、その場合は、それぞれのホースクランプのために相応のジョーの対が使用される。選択肢は、ジョーに柱状の内面を与える点にある。
【００３０】
図４及び５を基にして上で説明した実施例は、特別に図１〜３によるホースクランプを閉鎖するために形成された特殊工具である。同一の工具のために、商習慣上の適合可能な直径を有するチューブプライヤも利用することができ、これは、例えば、電気業界にあっては、ホースクランプの直径に応じて選択される交換可能な半シェル状のジョーを有する通常のプライヤである。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】開放した状態にあるホースクランプを示す。
【図２】閉鎖された状態にある同じホースクランプを示す。
【図３ａ】ホースクランプを経る横断面図を示す。
【図３ｂ】ホースクランプを経る横断面図を示す。
【図３ｃ】ホースクランプを経る横断面図を示す。
【図４】開放したホースクランプが挿入された開放された工具を示す。
【図５】閉鎖された状態にある同じ工具を示す。
【符号の説明】
【００３２】
１０ バンドリング
１１，１２ バンド端部
１３ 開口部
１４ フック
１５ 中心領域
１５’ 領域
１５’’ 領域
１６ 縁部領域
１７ 外縁部
１８ 面取り部
１９ 前縁部
２０ 工具
２１，２２ ジョー
２３，２４ 尖端
２５ プライヤアーム
２６ 支承ボルト
２７ プライヤアーム

Claims (16)

1. オーバーラップするバンド端部（１１，１２）を有する開放したバンドリング（１０）と、一方のバンド端部（１１）に配設された開口部（１３）と、開口部（１３）に係合するための、他方のバンド端部（１２）に配設されたフック（１４）とから成るホースクランプにおいて、
   バンドリング（１０）が、０．４ｍｍに至るまでの厚さのホースクランプインサートの材料から製造されていることを特徴とするホースクランプ。
2. バンドリング（１０）の材料が、０．２〜０．３ｍｍの厚さのＤＩＮ１．４３１０によるスチールであることを特徴とする請求項１に記載のホースクランプ。
3. バンドリング（１０）が、本質的なバンド幅を占める中心領域（１５）に対して外方へとフランジ付けされた縁部領域（１６）を備えることを特徴とする請求項１に記載のホースクランプ。
4. バンドリング（１０）の中心領域（１５）が、横断面をアーチ付けされていることを特徴とする請求項３に記載のホースクランプ。
5. バンドリング（１０）の中心領域（１５）が、横断面を外方へと凸にアーチ付けされていることを特徴とする請求項４に記載のホースクランプ。
6. オーバーラップする外側のバンド端部（１１）が、その前縁部（１９）において、フランジ付けされた縁部領域（１６）の領域内を面取り（１８）されていることを特徴とする請求項３〜５のいずれか１つに記載のホースクランプ。
7. バンド材料から成るフック（１４）が、部分的に打ち抜かれ、かつ押し出されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１つに記載のホースクランプ。
8. 閉鎖された状態で、フック（１４）が、バンドリング（１０）の平坦な部分を超え、フランジ付けされた縁部領域（１６）以上には突出しないことを特徴とする請求項７に記載のホースクランプ。
9. バンド材料が、５〜１２ｍｍの、特に８ｍｍの幅と、多くとも０．４ｍｍの、特に０．３ｍｍの厚さとを有することを特徴とする、２０ｍｍに至るまでの、特に３〜１３ｍｍの直径を有する請求項１〜８のいずれか１つに記載のホースクランプ。
10. オーバーラップする端部を有する開放したバンドリング（１０）と、一方のバンド端部（１１）に配設された開口部（１３）と、開口部（１３）に係合するための、他方のバンド端部（１２）に配設されたフック（１４）とから成るホースクランプを閉鎖するための、特に前記請求項１〜９のいずれか１つに記載のホースクランプを閉鎖するための工具において、
    工具（２０）が、プライヤとして形成されており、その両方のジョー（２１，２２）が、閉鎖された状態で、閉鎖されたホースクランプの外径に相当する直径を有する内面を構成し、その際、ジョー（２１，２２）の内面が、その本質的な幅にわたって平滑な、拡幅された縁部領域を有するシリンダ面を構成することを特徴とする工具。
11. ジョー（２１，２２）が、閉鎖された状態で、本質的に中断されてない内面を構成することを特徴とする請求項１０に記載の工具。
12. ジョーが、それぞれのホースクランプの直径に応じて交換可能であることを特徴とする請求項１０又は１１に記載の工具。
13. ジョー（２１，２２）の尖端（２３，２４）が、閉鎖された状態で互いに重なり合うことを特徴とする請求項１０〜１２のいずれか１つに記載の工具。
14. ジョー（２１，２２）の尖端（２３，２４）が、本質的に半分の幅に縮小されていることを特徴とする請求項１３に記載の工具。
15. ヒンジ領域（２６）内では、一方のプライヤアーム（２５）が二脚に形成されており、他方のプライヤアーム（２７）が、この両方の脚部の間を経て交差することを特徴とする請求項１０〜１３のいずれか１つに記載の工具。
16. ジョーの尖端が、２つの外側の歯を備え、これらの歯の間へと、プライヤが閉鎖された状態で、他方のジョーの尖端に形成された中心の歯が係合することを特徴とする請求項１５に記載の工具。