JP2004527786A - メロディのテンポ、及び位相の自動検出方法、及び調和方法、及びそれらを用いた対話型音楽再生装置 - Google Patents

メロディのテンポ、及び位相の自動検出方法、及び調和方法、及びそれらを用いた対話型音楽再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】メロディにおけるテンポ、及び位相を自動的に認識し調和させ、またそれに基づいた対話型音楽再生装置を提供する。
【解決手段】対話型音楽再生装置は、音楽再生と、信号解析と、複数の効果、及びループを用いた信号変換とを兼ね備える。本発明は、音楽トラックにおけるテンポ(A)、及び位相(P)の両方をリアルタイムに認識し、そして、それらを自動的に調和させることを可能とする。更に、信号解析は、テンポ同期した効果、及びループを制御する為に必要な出力データを与える。本発明の有利な形態では、いわゆるビートマッチングと全体のミキシング処理を、結果として自動で調和させる能力を備えており、この全体のミキシング処理は、音楽再生装置の制御部の為に生成されたデジタル制御データを、それに相当するものとして使用することで、記録されてよい。その結果として、処理とその結果とは、物理的な音楽データに依存せずに、害なく複製することができ、ミキシング処理により複数のメロディから新しい完全な曲を再生する場合、生じる可能性のある著作権問題を回避する点を特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、メロディのテンポ、及び位相を検出し調和させることに基づき、特に対話型音楽再生装置を実現する為の発明であり、この対話型音楽再生装置は、本発明における複数の有利な点の中でも、複数の再生されたメロディから1つの完全な新しい曲を生成することを可能にする。これに関連する有利な一実施形態によれば、複数のメロディを通常のCD−ROMドライブからリアルタイムで同時に再生することにより、電子形式の音楽データが取得される。
【背景技術】
【0002】
近年のダンスカルチャーにおいて、特に現代的な電子音楽で顕著であるのだが、ディスクジョッキー(DJ)に対する技術的な要求が、かなりな程度にまで高まっている。その曲自身が持つ感情的な興奮(メロディのセッティングやミキシングとして参照される)の特徴的なカーブを出しながら、再生されるべき複数のメロディのそれぞれを、完全な1つの曲となるように並べ替えることは、DJに要求される標準的な技術の1つである。これに関連して、それぞれのメロディのテンポ、及び位相を基準とすることにより、換言すると、時間格子上の拍子の位置を基準とする(ビートマッチングと言う)ことにより、個々のメロディを調和させることは重要なことであり、これにより、メロディの変更地点においてそれぞれのメロディは、リズムが途切れることなく統一感をもち、1つの曲となる。
【0003】
このような要求から、2つのメロディ及び/又は音楽トラックのテンポ、及び位相を、リアルタイムに調和させるという技術的課題が生じている。メロディをミキシングするというこの技術的側面からDJを開放する為に、及び/又は、技術的に熟練したDJの援助なしで自動的又は半自動的にミキシングされたメロディを創る為に、2つのメロディ及び/又は音楽トラックのテンポ、及び位相を、リアルタイムに自動的に調和させることが望まれる。
【0004】
これまでの所、この課題は不完全に対処されていた。例えば様々なソフトウェア再生装置は、MP3フォーマット(音楽の圧縮データの標準フォーマット)を利用可能であり、これらのソフトウェア再生装置は、まさに、リアルタイムなテンポ検出とテンポマッチングとを実現することができる。しかしながら、位相検出は、DJの聴覚とマッチングの技術とに基づいて手動で行われざるを得なかった。この位相検出は、DJに相当な労力を要求しており、この作業がなければ、DJは、例えば音楽の編集等のより芸術的側面に労力を利用することができる。
【0005】
また、テンポ、及び位相をリアルタイムに、正確に検知可能な、オーディオ情報を処理する為のハードウェア音響効果機器が知られているが、この機器は、アナログ形式だけの音楽データが与えられた場合、この音楽データのテンポと位相とを調和させることができない。当該機器は、2つの音楽トラックにおける相対的な位相シフトを、視覚的に表示することのみが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現在の所、テンポの情報を利用することで、複数のループ(短い音楽の断片であって、繰り返し再生可能である)と、複数のループのそれぞれの長さとを算出する装置は知られていない。これまで使用されている再生機器では、それらは予めカットされてから読みこまれる(ソフトウェアでのMP3再生)か、手動によって、設定、又は調和されるか(ハードウェアでのCD再生)である。
【0007】
従って、本発明の1つの目的は、2つのメロディ、及び/又は音楽トラックのそれぞれのテンポ、及び位相を、リアルタイムに、自動的に、可能な限り正確に、調和させる為の実現可能性を創ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この場合の実質的な技術的な課題は、テンポ、及び位相の測定精度であり、この測定精度は、測定にかかる時間に正比例して悪化する。従って、一番の課題は、例えばライブでのミキシングにおいて、リアルタイムにテンポ、及び位相を設定することである。
【0009】
即ち、本発明の形態によると、電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相を検出する方法であって、電子音楽データ内のリズムに関連した拍子情報が持つ時間間隔のそれぞれを、統計的に評価することにより、メロディのテンポを近似する段階と、設定されたテンポに比例する振動数で振動する基準振動器の時間格子の範囲内における電子音楽データの拍子の位置を参照することにより、メロディの位相を近似する段階と、結果として生じた体系的な位相シフトを評価し、設定された位相シフトに比例して基準振動器の振動数を調整することにより、電子音楽データに関する基準振動器が取り得る位相シフトを参照することで、メロディに関して設定されたテンポと位相とを連続的に補正する段階とを備える。
【0010】
理想値への連続的な近似は、これにより、制御回路において実行される。
【0011】
これに関連して、リズム関連拍子情報は、様々な周波数において基調となる電子音楽データを帯域通過フィルタリングすることで得られてよい。
【0012】
特に好ましい形態において、音楽データにおけるリズム間隔のそれぞれが、必要であれば2の累乗することで振動数を上げることにより、予め定められた振動数オクターブ(OKT)へと変換される場合、リズム間隔のそれぞれは、テンポを設定する為の複数の時間間隔を与える。更に、関連する間隔は、リズム間隔がグループ化された場合に得ることができ、特にペアもしくは3つでグループ化される場合、振動数の変換を行う前にそれらの時間評価を加えることで得ることができる。
【0013】
本発明の有利な実施形態によると、リズム関連拍子情報における複数の時間間隔の基準となる、取得されたデータの個数は、複数の累積点を求める為に調べられる。また、テンポに関する近似は、最大の累積点を参照した情報に基づく。
【0014】
本発明の更なる有利な実施形態によると、基準振動器における位相は、電子音楽データにおけるリズム関連拍子情報と、基準振動器のゼロパスとの間で、最大限に一致するように選択される。
【0015】
更に、好ましくは、メロディに対して設定されたテンポ、及び位相における連続的な補正が、規則的に短い間隔で行われ、その結果生じる補正動作及び/又は補正シフトは、聴き取り可能な閾値より低い値である。
【0016】
メロディに関して設定されたテンポ、及び位相における、複数の連続的な補正の全ては時間と共に累積するので、これに基づいて、次なる補正のそれぞれは、絶えず正確さを増して行われる。
【0017】
この種の補正を連続的に実行するかわりに、誤差量がある許容できる誤差閾値を下回るまで、連続的な補正が実行される。これに関連して、0.1%未満の誤差閾値が、設定されたテンポには適する。
【0018】
補正が、予め定められた周期にわたって常に負又は正方向の補正である場合、後に続く連続的な補正における、テンポ、及び位相に関する新たな近似は、メロディ内のいかなるテンポでも必ず調和するように実行される。
【0019】
上記で述べたような、自動的なテンポ、及び位相の検出に加えて、特定の目的の為に、メロディのテンポ、及び位相を調和させることが必要となる。
【0020】
この問題は、次のように展開できる。つまり、メロディのテンポ、及び位相を近似した初期段階の後、メロディの再生レートをフィードバックすることによって、これらの近似結果と調和とは、連続的に改良される。
【0021】
本発明によると、電子形式で利用可能な少なくとも2つのメロディの同期を取る方法により達成され、上記に記載された第1のメロディにおけるテンポ、及び位相を完全に設定する段階と、上記に記載された、他のメロディにおけるテンポ、及び前記位相を近似する段階と、他のメロディに割り当てられた基準振動器における振動数、及び位相を、第1のメロディに割り当てられた基準振動器における振動数、及び位相に対して連続的に合わせることにより、他のメロディにおける再生レート、及び再生の位相を調和させる段階とを備える。
【0022】
これに関連して、好ましくは、他のメロディにおける再生レート、及び再生位相は、第1のメロディにおける基準振動器と関連する他のメロディに割り当てられた基準振動器において許容される位相シフトに基づいて調和させられ、その結果として生じる体系的な位相シフトが評価され、他のメロディに割り当てられた基準振動器における振動数は、設定された位相シフトに比例して調整される。
【0023】
これにより、理想値への連続的な近似が制御回路において実行され、テンポ、及び位相情報は、音楽材料の再生スピードを求める為に、制御部へとフィードバックされる。
【0024】
現在、ビニール盤、コンパクトディスク、及びカセット等の様々な記録媒体が、予め録音された音楽を再生する為に使用されている。これらの形式では、再生処理中に、メロディ挿入を行うことができず、このため、音楽は、独創的な方法で処理されることになる。その実現は、単に望まれているというだけではない。限界はあるが、冒頭で述べられたDJ達により、既に実施されている。この場合、再生レートと再生位置とを、マニュアルで容易に合わせる事ができる為に、ビニール盤が好まれている。
【0025】
しかしながら、最近、音楽CDやMP3等の電子形式が、音楽の保存に広く用いられている。本発明は、音楽の創造的な処理を、いかなる電子形式においても可能とする。
【0026】
上記で述べた発明によれば、複数のメロディを収集し、完全に自動で、1つのミキシングされたメロディを作り出すことが可能であり、これにより、このミキシングされたメロディは、正確なテンポ、及び位相で、つながって配置される。
【0027】
これは、音楽再生装置において達成され、電子形式で利用可能な少なくとも2つのメロディは、既に説明したように、リアルタイムに同期されることを特徴とする。
【0028】
特に効果的な結果が音楽再生装置によって取得され、メロディの現再生位置から再生を始めた場合に、予め定められた経過時間におけるリズム関連拍子情報は、テンポを設定する為の基準として用いられることを特徴とする。
【0029】
自動的なテンポ検出の結果として、視聴者の要求に応じて、例えばCD等の音楽データの中身は、テンポ依存のシーケンスを与える、均質なミキシングされたメロディとして再生され、視聴者は、このメロディを選ぶことができる。
【0030】
従って、本発明は、同期させられた複数のメロディのそれぞれは、自動的にソート、及び統合され、リズムを持つ完全な作品として再生されることが可能な音楽再生装置を備える。
【0031】
目標とするメロディ挿入を行う為には、メロディをグラフィック表示することが重要であり、この表示により、現在の再生位置が、過去から未来における所定の期間においてどの位置であるか認識できる。この為、従来、再生位置の前後数秒の期間でのメロディ波形に関する振幅包絡線が示される。この表示は、そのメロディが再生されるレートで、リアルタイムに移動する。
【0032】
これに関連して、目標としたやり方でメロディ挿入を実行する為に、有益な情報をなるべく多くグラフィック表示することは、必要不可欠である。また、再生中に、ビニール盤に対してDJ達が行う、ターンテーブルを保持したり前後に動かしたりするスクラッチングと比較して、人間工学に適合したやり方でメロディ挿入が可能であることが望まれる。
【0033】
この問題を解決する為に、本発明は対話型音楽再生装置を提供し、1つのメロディを再生中する最中に、テンポ、及び位相を検出する機能により設定される拍子閾値を、グラフィックを用いてリアルタイムに表示する手段と、利用者がリアルタイムに、再生ポジション及び/又は再生レートを、直接操作が可能である第1操作モードへスイッチする為の第1制御部と、再生位置をリアルタイムに処理する為の第2制御部とを備える。
【0034】
有利な実施形態によると、更に、この対話型音楽再生装置は、現再生位置の前後の予め定められた時間に渡って示される、再生中のメロディにおける音波形の包絡線を、現再生位置と共にグラフィックを用いて表示する手段と、音楽サンプリングレートに相当する時間分解能で滑らかに変化する信号を形成する為に、第2制御部により予め定められた、時間的に限定された再生位置データにおける階段状のデータを平滑化する手段とを備える。
【0035】
これに関連して、表示手段は、メロディが再生されるテンポでリアルタイムに移動することを特徴とし、平滑化手段は、時間的に限定された再生位置データにおける階段状のデータに、特に傾斜平滑を行い、当該傾斜平滑により、特定された全ての再生位置メッセージ毎に、一定の傾きを持った傾斜へと分解され、また、この傾斜平滑は、平滑化された信号を予め定められた時間間隔に渡って、当該信号が有していた値を、再生位置メッセージにおける値へと変更する。傾斜平滑を行うための手段が、時間的に制限された階段状に連続した再生位置データを平滑化するために準備された場合、これにより、ある一定の傾きを持った傾斜が、全ての特定された再生位置メッセージ毎に決められ、この傾斜により、予め定められた時間間隔の範囲内において、平滑化された信号は、当該信号が有していた値から、再生位置メッセージにおける値へと変更される。あるいは、また、更に、特に第2次共振フィルタである線形デジタルローバスフィルタが、予め定められた、時間的に制限され、階段状に連続した再生位置データを平滑化するのに用いられてよい。
【0036】
操作モード間をスイッチした場合、音飛びを防ぐ為に、先行する操作モードで到達した位置が、新しい操作モードでの開始位置として用いられる。
【0037】
操作モード間をスイッチした場合、再生レートが突然変化することを防ぐ為に、先行する操作モードで到達していた現再生レートは、特にランプ傾斜平滑化機能、又は線形のデジタルローパスフィルタなどの平滑化機能により、新しい操作モードに相当する再生レートへ変えられる。
【0038】
非常に激しく急速な再生レートで再生する場合における、ビニール盤における“スクラッチング“と非常に類似した再生は、本発明に係る対話型音楽再生装置の更なる有利な実施形態において達成することができ、その音楽再生装置では、オーディオ信号にスクラッチオーディオフィルタを使用しており、オーディオ信号は、プレエンファシスフィルタで処理され、バッファに記録され、関連する再生レートとは独立に様々なテンポで読み出され、そしてデエンファシスフィルタで処理された後に、再生される。
【0039】
1つ以上の拍子の長さは、ボタンをタッチした場合のループ長さを設定する為の、十分な正確さを持ったテンポ情報に基づいて設定され、これにより、そのループは、オリジナルの音楽トラックのテンポで「つなぎ目の音」をたてずに再生することができる。上記のような方法でテンポ情報が設定された、この種の対話型音楽再生装置の更なる有利な実施形態においては、1つ以上の同期されたメロディの為に設定されたテンポ情報に基づき、メロディ内の1つ以上の拍子におよぶ再生ループの長さを定義し、このループを、拍子同期が取れた状態で、リアルタイムに再生することができる。
【0040】
これに関連して、ジャンプマーク、つまりトラック内のキューポイントを位置付ける為にボタンをタッチする毎に、或いは、拍子を開始する場合に全てのループを正確に位置付ける毎に、位相情報を使用してよい。従って、有利な対話型音楽再生装置は、更に発展させることができ、1つ以上の同期されたメロディの為に、関連するメロディの設定された位相情報を基準として、拍子同期した複数のジャンプマークのそれぞれは、関連するメロディの為に設定されたテンポ情報に基づいて、リアルタイムに定義され、メロディの範囲内を拍子の整数倍で動かされる。このようなキューポイントやループは、トラック内における拍子の整数倍で、動かされてもよい。両者の処理は、音楽トラックの再生中に、リアルタイムで実行される。
【0041】
さらに、音楽トラックのテンポ、及び位相に関して得られた情報は、いわゆるテンポ同期効果を、制御することができる。これに関連して、オーディオ信号は、自身のリズムが適合するように処理され、これにより、リズム的に効果のある、リアルタイムの音楽変化が可能となる。特に、テンポ情報は、リアルタイムに拍子同期した長さで、音楽材料から複数のループを切断するために用いられる。
【0042】
更なる有利な対話型音楽再生装置は、再生されるそれぞれの音楽データストリームが、信号処理手段、特に、フィルタ機器及び/又はオーディオ効果の手段によって、リアルタイムに処理されることを特徴とする。
【0043】
幾つかのメロディをミキシングする場合、音楽媒体の音源は、従来、幾つかの再生装置、例えば、ビニール盤再生装置やCD再生装置で再生され、そして、ミキシングデスクでミキシングされる。この処理において、音楽の録音は、最終的にミキシングされたメロディを録音することに制限される。デジタル音楽情報を処理する為のオーディオシーケンサーや、いわゆるサンプル処理プログラム等の、オーディオインタフェースと適切なオーディオ処理ソフトウェアとを備えたコンピュータシステムを用いた場合、再生中に、ユーザが対話的にメロディ挿入を行うことは不可能である。
【0044】
そのミキシング処理が複製され、ミキシングが、後になって、そのメロディ内の予め定められたその位置から正確に、再開される場合、最終的にミキシングされたメロディ以外も再生できることが望まれる。
【0045】
この目的は、音楽再生装置を備えた本発明により達成され、更に音楽再生装置は改良されて、リアルタイムの挿入、特に、幾つかのメロディ、及び/又は、付加的な信号処理の為のミキシング処理からの挿入が、デジタル制御情報として、連続する時間にわたり記録される。
【0046】
メロディのミキシング処理、及び/又は、オーディオ信号処理方法を用いたメロディへの対話的な挿入は、メロディのデジタル音楽情報とは独立して、新しい完全な1つの曲として、デジタル制御情報における形式で記録され、特に、新しい完全な曲として複製する為に、その対話型ミキシング処理、及び対話型効果処理のそれぞれは、記録され、いつでも再生することができる。
【0047】
本発明に係る更なる有利な実施形態によると、記録されたデジタル制御情報は、1つのフォーマットを有しており、フォーマットは、処理されるメロディ、及び再生位置における連続した時間を認識する為の情報と、それぞれのメロティが割り当てられた音楽再生装置における複数の制御部のそれぞれのステータス情報とを有することを特徴とする。
【0048】
この記録オプション、及び提案したフォーマットの決定的な優位性は、ミキシング処理におけるデジタル記録が、ミキシングされたメロディの音楽データとは独立して実行されるという事実である。即ち、これにより、これらの音楽データを複製することに関する著作権の問題を回避する。従って、全体的な結果は、いかなる時も独立性を保って、再生され、処理され、複写され、送信される。
【0049】
特に有利な対話型音楽再生装置は、複数のオーディオインタフェースのそれぞれに適合するように、適切にプログラムされたコンピュータシステムによって実現される。これに関連して、コンピュータシステムにおける標準的なデータ記録媒体が、記録する為の制御ファイルとして使用されてよい。記録ファイルの特に興味深い伝送であり、通常はメモリ集約的ではないその伝送は、例えばインターネットにより、実現されてよい。
【0050】
例えば、CD再生装置や、コンピュータシステムにおけるCD−ROMドライブにおいて、しばしば1つの音楽データ源しか利用できないという問題がある。通常、これらの、或いはその他の再生装置は、読み取り処理を行うのに、読み取り部を1つだけ備えている。しかしながら、上記の機能、特に、幾つかのメロディのミキシングを実行する為には、少なくとも2つのメロディの音楽データが同時に利用できる必要がある。従って、読み取り部を1つだけ備える再生装置において、このことが実現できることが望まれる。
【0051】
本発明は、この問題を、データソースから、一の読み取り部を用いて読み出した少なくとも2つのメロディに対し、デジタル音楽データをリアルタイムに与える方法により解決しており、このデータソースは、関連する再生レートよりも早いレートで音楽データを供給し、特にリングバッファである、関連するバッファメモリには、再生されるべきメロディのそれぞれが与えられ、関連するバッファメモリを、関係のある音楽データで満たす為に、より早い読み出しレートが用いられ、これにより音楽データは、再生すべきメロディの現再生位置の前後において、常に、順番に利用可能である。
【0052】
これに関連して、有利な実施形態では、十分な量のデータが利用可能であるかどうかを判断する為にバッファメモリのそれぞれの状態を監視し、予め定められた閾値をレベルが下回った場合、メロディの再生とは連結されない中央インスタンスへ命令し、必要な音楽データを与え、そしてこの中央インスタンスは、データソースにおける音楽データが必要とする領域を自動的に要求し、関連したバッファメモリに取得したデータを入力する。更に有利な実施形態においては、これ以上は必要がないデータは、バッファメモリへ入力する間に、上書きされる。更に、有利な実施形態において、中央インスタンスは、並行して受信した複数の要求を、連続して動作するように並び替える。
【0053】
この方法は、特にCD−ROMドライブに適しており、CD−グラビングのような技術を持った人に匹敵するやり方で、それらのドライブから読み取る革新的で有利な方法を開示している。更なる有利な対話型音楽再生装置においては、先に述べられた方法で動作するCD−ROMドライブが、メロディのデータソースの読み取り装置として、用いられる。
【0054】
上記の発明は、適切にプログラミングされたコンピュータシステムにおける特に有利なやり方で実現されるものであるので、本発明に係る複数の測定は、コンピュータソフトウェアの形式において実現され、このコンピュータソフトウェアは、デジタルコンピュータの内部メモリへ直接にロードされ、このコンピュータソフトウェアは、複数のソフトウェアセクションを備えており、コンピュータソフトウェアがコンピュータ上で実行された場合、本発明に係る複数の測定が実行される。
【0055】
これに関連して、本発明は、データ記録媒体、特にコンパクトディスクを備えることができ、データ記録媒体は、1つ以上のメロディのデジタル音楽データを記録する第1データ領域と、特に上記の対話型音楽再生装置を制御する為のデジタル制御情報を有する制御ファイルを記録する第2データ領域(D2)とを備え、第2データ領域における制御データは、第1データ領域における音楽データを参照することを特徴とする。
【0056】
これに関連して、特に有利であるのは、第2データ領域におけるデジタル制御データは、新しい完全な1つの曲に対して、第1データ領域におけるメロディからのデジタル音楽情報を与える場合、複数のメロディ及び/又は、メロディへの対話型挿入に施されるミキシング処理を表示する。
【0057】
更に、より好ましくは、第2データ領域に記録されたデジタル制御データは、1つのフォーマットを有しており、このフォーマットは、複数の再生位置における連続した時間を認識する為の情報と同様に第1データ領域において処理されるメロディと、メロディに割り当てられた音楽再生装置における複数の制御部のステータス情報とを含む。
【0058】
この種のデータ記録媒体において、より有利に改良することが可能であり、コンピュータソフトウェアは、デジタルコンピュータの内部メモリへ直接にロードされ、また複数のソフトウェアセクションを備え、コンピュータにおける音楽再生装置の機能、特に上記の音楽再生装置の機能を可能とし、このコンピュータソフトウェアがコンピュータ上で動作する場合、このコンピュータソフトウェアは、データ記録媒体の第1データ領域の音楽データを基準として、データ記録媒体の第2データ領域における制御データに基づいて、制御データによって表示された1つの完全な曲を再生することができる。
【0059】
対話型音楽再生装置は、様々な効果やループによる手段を用いて、音楽再生、信号解析、及び信号変換のそれぞれを連動させるので、まず第1に、音楽トラックにおけるテンポ、及び位相の、リアルタイムな検知を可能とするだけではなく、同時に、テンポ、及び位相を自動的に調和させる。信号解析は、テンポ同期することによる様々な効果やループの制御を行う為の必要な出力データを、付加的に備える。
【0060】
本発明の有利な複数な点は、DJへの基本的な要求事項であり、容易には習得できないミキシング処理である、いわゆるビートマッチング処理を自動化できる点にあり、このミキシング処理においては、2つのメロディで常に生じる変化に対し、DJは相当な注意を相当必要としていた。更に、本発明は、ミキシング処理の全体を、自動化することができる。
【0061】
本発明の更なる有利な点、及び詳細のそれぞれは、複数の図面が付された、複数の有利な実施形態に関する以下の記述により、与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下の記述は、メロディのテンポ、及び位相を近似的に検出し、テンポ、及び位相のそれぞれの調和を行う、本発明に係る実行可能な実現例を説明する為になされる。
【0063】
処理の第1段階は、メロディにおけるテンポの初期近似である。この段階は、いわゆるビートイベント間における時間間隔を統計的に評価することにより実行される。音楽材料から、リズム関連のイベントを取得する為の1つの方法として、様々な範囲の拍子周期を持つオーディオ信号に対し、狭い帯域通過フィルタが用いられる。リアルタイムでテンポを設定する為に、数秒前のビートイベントのみが、次の計算に用いられる。この場合、8から16イベントが、およそ4から8秒に相当する。
【0064】
音楽の構造が非連続的である(16分音符刻みである)ことから、テンポの計算において、4分音符の拍子間隔以外を含むことができる:その他の拍子間隔(16分音符、8分音符、2分音符、及び全音符)は、オクターブ変換(すなわち、その音の拍子周期を2の累乗すること)を行うことで、予め定義された拍子周期(例えば、90−160bpm=拍子/秒)へと変換することができ、これにより、テンポ関連情報が与えられる。そして、オクターブ変換における誤差(例えば、3連符の拍子間隔のオクターブ変換による誤差)は、相対的に稀な拍子であるために、続いて実行する統計的評価には使用しない。
【0065】
複数の3連符及び/又は入り混じった複数のリズム(それぞれの音符が、16分音符の時間格子から僅かにずれて配置される)を処理する為に、最初の場所で取得された複数の時間間隔は、それらがオクターブ変換される前に、それぞれの時間的評価を加えることにより、一組のペア、又は3つで1つのグループへとグループ化される。複数の拍子間におけるリズムの構造は、この方法を用いた時間間隔から計算される。
【0066】
このようにして取得されたデータの数量は、累積点を求める為に調べられる。一般的には、オクターブ変換処理とグループ化処理とに基づき、3つの累積極大値が発生し、それぞれの極大値は、お互いに規則的な関係を形成する(2/3、5/4、4/5、又は3/2)。いずれかの極大値の強度から、この強度が示す実際のメロディのテンポが十分には明らかでない場合、これらの極大値間の規則的な関係から、修正極大値を設定することができる。
【0067】
基準発振器は、位相を近似する為に用いられる。基準発振器は、予め設定されたテンポで発振する。そのテンポの位相は、音楽材料の拍子イベントと、基準発振器のゼロ点とが一番よく合致するように、有利に選択される。
【0068】
次に、近似されたテンポ及び位相に、連続的な修正が実行される。初期テンポ近似に必ず含まれる誤差の結果、基準発振器の位相は、初期状態においては、音楽トラックと比較して数秒間、後ろにシフトする。この体系的に生じる位相シフトにより、基準発振器が変更すべきテンポ総量に関する情報がわかる。それらのシフトや補正の動作が、耳に聞こえる閾値を常に下回るように、テンポ、及び位相の補正は、規則的な間隔で有利に実行される
【0069】
全ての位相補正は、近似的な位相補正の時点から実行され、時間経過と共に累積するので、その結果、テンポ、及び位相の計算は、絶えず増加するし時間間隔に基づいている。そのため、テンポ、及び位相の値はより正確に算出され、先に述べた近似的なリアルタイム測定方法に関連する誤差は減少する。ある短い時間が経過すると(約1分)、この方法によって取得されるテンポ値に含まれる誤差は、0.1%未満の測定誤差となり、この測定誤差が、ループ長さを算出する為の必要条件である。
【0070】
図1は、ブロック図に基づき、リアルタイムの音楽データストリームにおける近似的なテンポ、及び位相のそれぞれを検出する、技術的に実施可能な例を示す。示された構成は、“拍子検出器”と呼ぶこともできる。
【0071】
値1を持つ2つの音楽イベントEiのストリームが入力として与えられる;これらは、150Hzの拍子周期帯域F1と、4000Hz又は9000Hzの拍子周期帯域F2のそれぞれにおけるピーク値に相当する。これらの2つのイベントストリームは、初期状態において、F1、及びF2を閾値とする帯域通過フィルタにより個別にフィルタリングされ、それぞれ処理される。
【0072】
あるイベントが、前のイベントから50ms以内で発生した場合、後のイベントは無視される。50msという時間は、300bpmにおける16分音符の音の長さに相当し、従って、通常のメロディにおいて一番短い間隔よりかなり短い。
【0073】
フィルタリング後のイベントEのストリームから、複数のイベント間の単純な時間間隔であるTiで構成されるストリームが、関連する処理部BD1、及びBD2で計算される。
【0074】
加えて、バンド幅を限定された時間間隔から成る2つのストリームは、同等な処理部であるBPM_C1、及びBPM_C2のそれぞれにおいて、単純時間間隔T1iから成るストリームから形成され、より詳細に述べると、時間間隔T2iのそれぞれを用いた2つの連続的な時間間隔の合計、及び時間間隔T3iのそれぞれを用いた3つの連続的な時間間隔の合計から形成される。ここで述べられている複数のイベントのそれぞれは、重なり合ってもよい。従って、t、t、t、t、t、t...のストリームから、以下に述べる2つのストリームのそれぞれが、更に処理される。
【0075】
2i:(t+t)、(t+t)、(t+t)、(t+t)、(t+t)...
3i:(t+t+t)、(t+t+t)、(t+t+t)、(t+t+t)...
【0076】
1i、T2i、T3iの3つのストリームは、適切な処理部OKTにおいて、時間オクターブ変換される。時間オクターブOKTは、それぞれのストリームにおける時間間隔のそれぞれが、予め定められた間隔であるBPM_REFの範囲内で、2倍になるように、実行される。3つのデータストリーム、T1io、T2io、T3ioのそれぞれは、このようにして取得される。間隔の上限は、次式に基づいて下限bpmの閾値から算出される。
【0077】
hi(ms)=60000/bpmlow
【0078】
間隔の下限閾値は、約0.5×thiである。
【0079】
さらなる処理部CHKにおいて、2つの拍子周期バンドF1とF2の為に、上記のように取得されたそれぞれ3つのストリームの整合性が確認される。この確認は、時間オクターブ変換された連続する間隔値が、それぞれ予め定められた誤差内であるかどうかを判定する。特に、この確認は、次に示す値を用いて実行される。
【0080】
1iについては、最後の4つの関連イベント、t11o、t12o、t13o、t14oのそれぞれが、次式を満たすかどうかが確認される。
【数1】
Figure 2004527786
この式を満たす場合、t11oの値は、有効な値として取得される。
【0081】
T2iについては、最後の4つの関連イベント、t21o、t22o、t23o、t24oのそれぞれが、次式を満たすかどうかが確認される。
【数2】
Figure 2004527786
この式を満たす場合、t21oの値は、有効な値として取得される。
【0082】
T3iについては、最後の4つの関連イベント、t31o、t32o、t33o、t34oのそれぞれが、次式を満たすかどうかが確認される。
【数3】
Figure 2004527786
この式を満たす場合、t31oの値は、有効な値として取得される。
【0083】
これに関連して、整合テストa)はb)に優先し、b)はc)に優先する。従って、a)によって値が取得された場合、b)、及びc)の詳細な確認は行われない。a)によって値が取得されない場合、b)の確認が行われ、その後も同様である。しかしながら、a)、b)又はc)のいずれからも一定値が取得されない場合、オクターブ変換されない最後の4つの時間間隔(t+t+t+t)の合計が取得される。
【0084】
3つのストリームからこのように取得された一定の時間間隔を示す値を持つ1つのストリームが、下流ストリーム処理ユニットOKTにおいて、予め定められた時間間隔BPM_REFにおいて、再びオクターブ処理される。次に、オクターブ処理された時間間隔は、あるBPM値へと変換される。その結果、それぞれbpm値をもつ2つのストリームBPM1、及びBPM2のそれぞれが、2つの拍子周期範囲F1、及びF2のそれぞれについて、利用可能となる。ある1つの試作例では、固定された拍子周期5Hzで複数のストリームのそれぞれが取得され、2つのストリームのそれぞれにおける最後の8個のイベントが、統計的評価に使用される。この時点で、最後の8個のイベントだけではなく、例えば16や32イベント等、可変の(イベント制御された)サンプリングレートを用いることもできる。
【0085】
拍子周期帯域F1、及びF2のそれぞれからの、最後の8、16、又は32個のイベントは、下流処理部STATにおいてまとめられ、近似極大値Nの検査に用いられる。試作例においては、1.5bpmの誤差間隔が用いられ、これにより、入力されたイベントは互いに少なくとも1.5bpmは異なっており、それぞれのイベントは、それぞれ関連付けられて処理され、重みを付けてそれぞれ加算される。これに関連して、処理部STATは、近似がなされる複数のBPM値を決定し、また、いくつのイベントが、関連した複数の近似点に用いられるべきかどうかを決定する。そして、もっとも重みを付けられた近似点は、局地的なBPM測定とみなすことができ、期待されたテンポ値Aを与えることができる。
【0086】
この方法についての初期時における更なる発展において、局地的なBPM測定に加えて、使用するイベント数を64、128等と拡張することにより、大局的な測定が実行される。鮮明に4分音符ビートが刻まれながら、リズムのパターンが変化する場合、少なくとも128のイベントの数が、しばしば必要となり得る。この種の測定では、より高い信頼性が得られるが、より時間を必要とする。
【0087】
更なる決定的な改良が、次に述べる測定によって達成することができる。
【0088】
第1の近似極大値だけではなく第2の近似極大値が考慮される。この第2極大値は、ほぼ必ず3連符の結果として発生し、そして第1の極大値よりも強力である。しかしながら、3連符のテンポは、4分音符のテンポと明確に定義された関係を有するので、その結果として、2つの第1極大値のそれぞれのテンポ間の関係から設定することができ、この近似極大値は4分音符と3連符に起因する。
【0089】
T2=2/3×T1の場合、T2がテンポとなる。
T2=4/3×T1の場合、T2がテンポとなる。
T2=2/5×T1の場合、T2がテンポとなる。
T2=4/5×T1の場合、T2がテンポとなる。
T2=3/2×T1の場合、T1がテンポとなる。
T2=3/4×T1の場合、T1がテンポとなる。
T2=5/2×T1の場合、T1がテンポとなる。
T2=5/4×T1の場合、T1がテンポとなる。
【0090】
位相値Pは、フィルタリングされたイベント間における2つの単純時間間隔Tのうちの1つを参照することで近似され、好ましくは、低振動数F1でフィルタリングされた複数の値を参照することにより近似される。これらの値は、基準振動器の振動数を粗く近似する為に用いられる。
【0091】
図2は、クロック制御として以下で言及された、設定されたテンポA、及び位相Pの連続した補正の為の実施可能なブロック図を示す。最初に、基準振動器及び/又は基準クロックMCLKは、初期段階1において、拍子検出器から取得された粗い位相値PとテンポAとを用いて開始され、これらは図2に示された制御回路におけるリセット動作とほぼ等しい。これを受けて、更なる段階2においては、入力されるオーディオ信号と基準クロックMCLKとにおける複数の拍子イベント間の時間間隔が設定される。このため、複数の近似位相値Pは、コンパレータVにおいて基準信号CLICKと比較され、基準信号CLICKは、基準振動器MCLKの振動数を与える。
【0092】
いくつかの継続的なイベントにおいて、例えば30msよりも大きな値によって、クリティカルな偏差が体系的に超過した(+)場合、更なる処理段階3において、偏差に関連する短期間のテンポ変換により、基準振動器MCLKが、オーディオ信号に(再)調和される。
A(I+1)=A(i)+q、又は
A(I+1)=A(i)−q
qは、テンポを遅めたり早めたりすることを示す。そうでない場合(−)、テンポは一定値に保たれる。
【0093】
さらなるシーケンスにおける次なる段階4において、段階3の全ての補正イベントの総和を取る事と、内部のメモリ(不図示)における最後のリセットから経過した時間の総和を取る事とが、実行される。近似的には正確な同期(音楽データと基準クロックMCLKとにおける違いで、約5ms未満である)における、5分音符から10分音符のほぼ毎回のイベント毎に、テンポ値は、先行するテンポ値と、この時間にまで近似された複数の補正イベントと、最後のリセットからの経過時間とに基づいた更なる段階5において、次のように再計算される。
【0094】
qは、段階3において用いられるテンポを低速化或いは高速化する(例えば、0.1の値を持つ)。dtは、時間の和であり、この時間を求める為に、全体としてのテンポが遅延化或いは高速化される(高速化を正、低速化を負とする)。Tは、最後のリセットからの経過した間隔(段階1)である。bpmは、段階1で用いられるテンポ値Aである。そして、新しい、改良されたテンポは、次に示す単純な式に基づいて計算される。
bpm_new=bpm×(1+(q×dt)/T)
【0095】
更に、段階3における複数の補正が、ある一定の期間において、一貫して負であるか正であるかを判断する為の試験が実行される。音楽材料においてほぼ必ずテンポの変化があり、先に述べた処理によって補正することができない場合、このような状態であることが確認され、近似的に完璧な次なる同期イベントがやってくると、位相とテンポの開始点をリセットする為に、時間と補正のメモリが段階6において消去される。このリセット後、段階2におけるテンポを最適化する処理が再開する
【0096】
ここで、テンポと位相とを一致させることにより、第2のメロディの同期が行われる。第2のメロディの同期は、基準振動器により間接的に行われる。これまで述べたように、メロディのテンポと位相との近似の後に、これらの複数の値は、トラックにおける再生位相、及び再生レートのそれぞれが、自ずと変化する時のみ、前述の処理に従って、連続して基準振動器と調和させられる。トラックにおいて変化した先のテンポは、元の再生レートとその再生レートにおいて必要とされた変化とを比較することにより、ただちに計算される。
【0097】
以下の文章では、以前にも記述されたように、1つの読み取り部を備えた、標準的なCD−ROMドライブ、又は他のデータ源において、複数のメロディを同時に再生する可能性を述べている。これに関連して、本発明は、2つのメロディの同期を行う為に不可欠であり、この種の1つの読み取り部を備えた、2つかそれ以上のメロディをリアルタイムに与える、可能性を提供する。
【0098】
これに関連して、先行技術では、コンピュータでCD−ROMより音楽タイトルの再生を行っており(いわゆる、グラビング)、それは、従来の1つのCD再生装置において1つのメロディを再生することに対応している。
【0099】
音楽CD再生装置と同じように、CD−ROMドライブのそれぞれは、1つの読み取り部を備え、これにより、いかなる場合においても、ひとつの場所における音楽データのみを読み込むことができる。
【0100】
この問題を解決する為に、オーディオ出力とは連結されていない平行したスレッドは、いわゆるスケジューラとして動作するように構成され、このスケジューラは、バックグラウンドで、メロディの再生要求を受信し、過去に遡って必要な音楽データをロードする。マルチスレッドの概念は、ソフトウェアプログラムの能力が、アプリケーションにおける様々な機能のそれぞれを、同時に実行することを意味していると解される。従って、デジタルコンピュータにおいて複数のプログラムが、平行して走るのではなく(マルチタスクをするのではなく)、1つのプログラムの中で、様々な機能が、そのユーザの視点から同時に実行される。これに関連して、1つのスレッドとは、実行可能なプログラムの最小単位に相当し、オペレーティングシステム(スレッドスケジューラ)の1つの部分が、1つのスレッドに、与えられた優先度に応じた計算時間を割り当てる。それぞれのスレッド間の調整は、同期メカニズム、又はいわゆる鍵により実行され、この調整により、それぞれのスレッドが編集されたことが確かめられる。ここではCD−ROMドライブのレーザ部であるが、読み取り部は、多重化されたモードで操作され、これにより読み取り部は、バッファメモリを工夫し読み取り率を高くすることで、必要なデータをリアルタイムに供給することができる。
【0101】
ここにおける本質的な技術的な障害は、オーディオCDプレーヤーと同じように、CD−ROMドライブは、利用可能な読み取り部を1つしか備えていないということである。従って、いかなる場合においても、データを1つのトラックに与えることのみが可能である。
【0102】
この問題は、再生すべきトラック毎に、十分な寸法のバッファが導入され、CD−ROMドライブにおいて、バッファのデータの読み出しにより高い読み取りレートが用いられることで解決する。この手法は、以前に述べた再生装置の状況に、適切に対応する。ユーザにとって、CDにおける複数のトラックの再生は見えないものであり、従って、その再生は、データがコンピュータのハードディスク上にデジタル形式で存在するかのうように、当然のこととして行われる。CDからデジタル形式で読み出した結果、フィルタリング処理や音響効果のような信号処理方法を通じて、音楽データを送ることができる。他の要因としては、これにより、通常の音楽CDから、逆再生、ピッチング(ピッチのレートやレベルを変えること)、拍子検出、及びフィルタリングが可能となる。
【0103】
図3は、本発明に係るCD−ROMドライブの平行読み出しの基本的な設計の構成を示す。本質的な段階は、それぞれの再生すべきTR1...TRnの音楽トラックの為に、バッファP1...P2(好ましくは、リングバッファである)を導入したことある。これに関連して、音楽データは、関連データ開始点S1...Snから開始し、リングバッファの場合、関連する再生時における再生位置A1...Anのそれぞれの前後においてデータが利用可能であるように、バッファの中間に配置される。モニタリング機構は、いくつのデータが利用可能であるかを見る為、関連するバッファP1...Pnの状態を確認することで、これを一定値に保つ。この値が閾値(例えば、現時点の再生地点から再生できる音楽データがn秒未満の場合)を下回った場合、新しい音楽データを読み出す為に、中央インスタンスSへ要求がなされる。
【0104】
この中央インスタンスは、スケジューラSとして参照され、音楽トラックTR1...TRnにおける実際の再生とは連結せず、それ自身のスレッド内で処理され、時には平行して、それぞれのトラックからの受けた要求をソートすることで、順々と実行されるべき順番に並べ替える。ここで、スケジューラSは、トラックから引用する為の要求を、CD−ROMドライブCD−ROMへ送る。CD−ROMドライブは、データ媒体から対応する電子音楽データについて要求されたセクタを読み込む。そして、スケジューラSは、該当するバッファP...Pnに、受け取ったデータを書き込む。尚、再度要求されないデータには上書きされる。
【0105】
従来、ビニール盤、コンパクトディスク、及びカセット等の様々な記録媒体が、適当な装置で、予め記録された音楽を再生する為に使用されている。これらの形式のため、音楽は、独創的な方法で処理される。しかし、その実現可能性が望まれているのであり、冒頭で言及したDJ達により、限界はあるが、実行されている。この場合、再生レートと再生位置とを、マニュアルで容易に合わせる事ができる為に、ビニール盤が好まれている。
【0106】
しかし、最近、音楽CDやMP3等の電子形式が、音楽の保存に広く用いられている。MP3は、MPEG標準(MPEG1のレイヤー3)に沿ったデジタル音楽データの為の、圧縮処理に相当する。その処理は、非対称であり、復号化よりも符号化がずっと複雑である。更に、その処理は、損失に関連した処理である。本発明は、先に名づけた音楽の創造的処理を、対話的な音楽再生装置を使用することでいかなる電子形式においても可能とし、この対話型音楽再生装置は、上述された本発明に係る手法によって創造された新しい実現可能性を活用する。
【0107】
目標とするメロディ挿入を行う為には、現再生ポイントが、再生ポイントの過去・未来の渡る所定の期間において認識することが可能な、メロディをグラフィカルに表示する表示部を備えることが重要である。この為、従来は、再生位置の前後のける数秒にわたる期間における音楽の波形の振幅包絡線が、表示される。この表示は、その音楽が演奏されるレートで、リアルタイムに移動する。
【0108】
原則的には、目的とするメロディ挿入の為に、役立つ最大限の情報が、グラフィック表示されることが望まれる。加えて、再生処理におけるメロディ挿入が、ビニール盤におけるいわゆる「スクラッチング」、つまり、再生中に、ターンテーブルを保持したり前後に動かしたりすることを意味すると理解されるのであるが、と比較して、可能な限り人間工学に基づくようになされることが、望まれる。
【0109】
本発明に係る対話型音楽再生装置の場合、特に拍子についてであるが、メロディ上、順番に関する再生位置のそれぞれは、以前に説明した(図1、及び図2)拍子検出器における複数の機能を用いてオーディオ信号から抽出され、そして、例えばコンピュータにおける表示装置やスクリーンのグラフィック画面に、マーキングを付ける等により表示され、この音楽再生装置は、適当なソフトウェアにより、この表示画面上において、実現される。
【0110】
また、ハードウェア制御部R1は、例えばボタン、特にマウスのボタンにより準備され、これにより、2つの操作モード間をスイッチングすることが可能となる:
a)メロディが一定のテンポで自由に再生される
b)再生位置とレートとが、ユーザにより、直接操作される、
モードa)は、ターンテーブルと同じレートで回転し、操作することができないビニール盤に相当する。それに対して、モードb)は、手動で保持されたり、手動で前後に押されたりするビニール盤に相当する。
【0111】
対話型音楽再生装置における1つの有利な実施形態において、モードa)における再生レートは、別の拍子と、再生されたメロディの拍子との同期を取る為に(図1、及び図2参照)、更に、自動制御により制御される。その他の拍子は、同期を取って生成されるか、又は、同時に再生されている別のメロディにより与えられる。
【0112】
加えて、更に、ハードウェア制御部R2を備える。ハードウェア制御部R2は、いわば、ディスクの位置を制御するためにモードb)で用いられ、ハードウェア制御部R2は、制御装置と一体でもよく、また、コンピュータマウスであってもよい。
【0113】
図4は、先に述べたこの種の信号処理を備えた複数の信号処理部のそれぞれの配列の一例のブロック図を示しており、本発明に係る対話型音楽再生装置に、現在再生地点における挿入を可能とする。
【0114】
この更なる制御部R2によって設定された位置データは、通常、限られた時間分解能を有しており、これにより、現在地点を示すメッセージは、規則的、又は不規則な時間間隔で送信される。しかし、保存されたオーディオ信号における再生位置は、音楽のサンプリングレートに相当した時間分解能で、一様に変化すると考えられる。従って、本発明では、この位置において平滑化機能を使用し、これにより、制御部R2によって定義された段階的な信号から、高分解能で一様に変化した信号を生成する。
【0115】
これに関連する1つの方法は、定義された時間の範囲内で、定義された位置メッセージ毎に、一定の傾きを持った傾斜値を導入することであり、この手法は、平滑化された信号を、その信号が持つ古い値を、その位置メッセージが持つ値へと置き換える。別の可能性では、階段状の波形を、平滑化された望ましい信号を出力する、線形デジタルローバスフィルタLPへ送信する。この場合、2極共振フィルタが特にこの目的には適している。また、この2つの平滑化処理を直列接続してもよく、これにより、次に示すような有利な信号処理手順が可能となる。
【0116】
定義された量子化信号→ランプ値平滑化→ローパスフィルタ→正確な再生位置
或いは、
定義された量子化信号→ローパスフィルタ→ランプ値平滑化→正確な再生位置
【0117】
図4におけるブロック図は、有利な実施形態の一例の基本的な原理を示す。制御部R1(この場合は、鍵)は、スイッチSW1に入力を与えることで、操作モードa)、及びb)の切り替えに使用される。制御部R2(この場合は、連続的にスライド可能なコントローラ)は、時間的に限定されたある分解能で、位置情報を与える。また、制御部R2は、平滑化を行う為に、ローパスフィルタLPへの入力信号を与える。平滑化された位置信号は、ここで微分され、再生レートを与える。スイッチSW1は、初期入力IN1(モードb)への信号によって制御される。他の入力IN2は、図1、及び図2(モードa))で説明したように設定可能なテンポ値Aを与えられる。それぞれの入力信号間の切り替えは、制御部R1によって実行される。
【0118】
ユーザが、あるモードから別のモードへと切り替えた場合(ターンテーブルを、保持したり放したりすることに相当する)、位置が不連続となってはならない。このため、提案の対話型音楽再生装置では、切り替える前のモードで到達した位置を、新しいモードにおける開始位置として選択する。同様にして、再生レート(位置の第1時間微分)は、不連続に変化してはならない。従って、現再生レートは、また上述したように、平滑化機能により、新しいモードに相当するレートへと選択、及び移動させられる。図4によれば、これはスルーリミッターSLによって達成され、スルーリミッタ−SLは、一定の傾きを持った傾斜値を分解し、ある定義された時間において、その信号を、当該信号が持つ古い値から新しい値へと移動させる。この位置に依存した、及び/又はレートに依存した信号が、再生レートを制御することで、音楽トラックを再生する為の実際の再生部PLAYを制御する。
【0119】
ビニール盤を“スクラッチング”する間、即ち、激しくかつ急速な再生レートで再生する間、ビニール盤に従来採用されている記録方式の特性の為に、音波形は、特徴的に変化する。レコーディングスタジオでビニール盤の為のプレスマスターを作る場合、オーディオ信号は、RIAA標準に準拠した、ピークを際立たせるための(いわゆる、特性除去)プレエンファシスフィルタ(プレ歪フィルタ)を通される。また、ビニール盤を再生する為に用いられるいずれの機器も、近似的に元の信号を取得するために、効果を反転させるためのデエンファシスフィルタ(反転歪フィルタ)に相当するフィルタを備えている。
【0120】
ここで、例えば、“スクラッチング”をしている間に、再生時のレートが記録時のレートと同一ではない、そのようなことが発生した場合、そのビニール盤における拍子周期の全ての成分は、相対的にシフトさせられ、デエンファシスフィルタで、それぞれ減衰させられる。特徴的な音は、この結果として生成される。
【0121】
図4に相当する構成を備えた、本発明に係る対話型音楽再生装置に関する更なる有利な実施形態によれば、上述された特性効果をシミュレートする為のスクラッチオーディオフィルタを、更に備える。このため、図5に示すように、この処理のデジタルシミュレーションの為に、オーディオ信号は、図4の再生部PLAYの中で、更なる信号処理を受ける。再生すべきメロディのデジタル音楽データは、記録媒体D、及び又は音源(例えば、CDやMP3)から読み出され、復号部DECで復号された後、オーディオ信号は、プレエンファシスフィルタ処理PEFを受ける。このようにしてフィルタリングされた信号は、次に、図4で示したように、バッファBに保存され、次の処理Rにおいて、モードa)、及びb)とは関わり無く、SL部からの出力信号に合わせた、様々なレートで読み出される。読み出された信号は、複製される(AUDIO_OUT)前に、デエンファシスフィルタDEFを通過する。
【0122】
好ましく選択された2つの極位置とゼロ位置とを備えた2次デジタルIIRフィルタは、プレエンファシスPEF、及びデエンファシスDEFに使用され、これによりRIAA標準で定められたフィルタと同等の周波数応答を備える。1つのフィルタにおける極位置が、別のフィルタにおけるゼロ位置と同じである場合、これら2つのフィルタの作用は、オーディオ信号がオリジナルの再生レートで再生される場合、その要望通りに増幅される。他の全ての場合においても、これらのフィルタは、“スクラッチング”に関する特徴的な音響効果を生成する。もちろん、前述のスクラッチングオーディオフィルタは、“スクラッチング”機能を備えた他のいかなるタイプの音楽再生装置とも関連付けて使用することができる。
【0123】
提案したCD−グラビング処理との組み合わせにおいて、ミキシングされ、及び/又は自動的なミキシング処理でそれ自体が「再ミキシング」される為に、或いは、それまでの拍子を失うことなく、長い1つのミキシングされた曲として再生可能である為に、ある1つの同じタイトルが、対話型音楽再生装置に2回読みこまれてよい。これにより、非常に短いメロディであっても、DJの望むように、長く伸ばすことができる。
【0124】
更に、聴衆を興奮させたり静めたりする為に設定された幾時間かのライブの間、マスタークロックMCLK(図2における基準発振器)は、目標とする拍子周期を変えることで、ミキシングされたメロディのテンポを、徐々に高くしたり低くしたりすることができる。
【0125】
既に述べたように、従来、いくつかのメロディがミキシングされた場合、音楽媒体から取り出した音源は、幾つかの再生装置で再生され、ミキシングデスクでミキシングされる。この処理において、オーディオデータの録音は、最終的なミキシングの結果だけを録音することに制限される。従って、既に行われたミキシング処理を再度実行したり、後になってから、メロディ内の予め定められたある位置から正確に、再スタートしたりすることは不可能である。
【0126】
本発明では、録音する手段と、音源から正確に複製する手段とに対して、インタラクティブに複数の処理効果をミキシング処理に与えることのできる、デジタル制御情報に関するファイルのフォーマットを提案することで、この目的を達成する。これは、前に述べたように、特に、音楽再生装置において可能となる。
【0127】
録音処理は、使用される音源に関する記述と、ミキシング処理、及び付加的な効果処理の為の制御情報に関する時間シーケンスとに、分割される。
【0128】
ミキシング処理の結果を複製する為には、実際のミキシング処理についての情報と、オリジナルの音源が必要である。実際のデジタル音楽データは、外部から与えられる。この場合、著作権法において問題となりうる、プロテクトされた音楽については、処理を行わない。従って、再生位置、同期情報、及びオーディオ信号処理を利用したリアルタイム調和等に関係のあるデジタル制御データを保存することで、使用された複数の効果と共に複数の音楽についてミキシングされたメロディに相当する幾つかのメロディをミキシング処理することができ、これにより比較的長い再生期間の新しい完全な作品が実現される。
【0129】
このことは、ミキシング処理による音楽データと比して、音源の処理の記述が相対的に短くなるという有利性と、ミキシング処理は、いかなる望ましい位置においても、編集、及び再開することができるという有利性とを与える。加えて、従来の音楽を、さまざまな編集物、或いは相互に関連したより長い演奏として、再生することができる。
【0130】
これまで、従来の音楽媒体、及び再生装置において、ユーザとの対話的な操作を、記録し、複製することはできなかった。なぜならば、従来知られた再生機器は、これを十分正確に制御する為に必要な技術上の条件を、備えていないからである。本発明の結果として、これが可能となり、従って、幾つかのデジタル音源は、複製され、このの再生位置のそれぞれは、設定され制御される。その結果、全での処理手順は、デジタル的に実行され、それぞれの処理に関連する制御データはファイルに保存される。これらのデジタル制御データは、好ましくは、処理されるデジタル音楽データのサンプリングレートにおける分解能と共に記録される。
【0131】
記録方法は、本質的に以下の2つの部分へと分割される:例えば、WAV、MPEG、AIFFのような圧縮、及び非圧縮形式のデジタルに記録された音楽データや、コンパクトディスクのようなデジタルに記録されたデジタル音楽媒体等の、使用している音源のリストと、制御情報における時間手順である。
【0132】
使用された音楽ソースのリストは、例えば、その音楽を識別する為の情報や、付加的に計算された情報であり、その音楽の特性(例えば、再生長とテンポ情報)を表す情報や、その音楽の原本、及び著作権に関する記述的な情報(例えば、アーティスト、アルバム、出版社等)や、その音楽のメタ情報、例えばその音楽の背景についての付加的な情報(音楽上のジャンルや、アーティストや出版社についての情報)等、を有する。
【0133】
他のデータとして、制御情報は、制御データのタイムシーケンス、音楽源の正確な再生位置におけるタイムシーケンス、及び再生を行う為の再スタート位置として動作する全ての制御部の為に必要な、完全なステータス情報を含む時間間隔を、記録している。
【0134】
以下、例えば、複数の音楽からなるリストをXML形式で管理した場合の、実施可能な一例を述べる。ここで、XMLとは、エクステンション・マーカップ言語(Extention Markup Language)の省略形である。エクステンション・マーカップ言語とは、ワールドワイドウェブにおいて、ページを記述する為のメタ言語の名称である。HTML(ハイパーテキストマーカップ言語)と比べ、XML文書の作成者は、その文書それ自体の範囲内において、その文書における部分について文書タイプを定義するというXML所定の拡張を定義することができ、また、同一文書において、これらの定義を用いることができる。
【0135】
Figure 2004527786
Figure 2004527786
【0136】
音源のリストから参照される制御情報データは、好ましくは、バイナリ形式で記録される。記録された制御情報の、ファイルの基本構造は、例えば、以下のように記述することができる。
【0137】
Figure 2004527786
【0138】
[identification of controller]は、対話型音楽再生装置における制御部を識別する値(例えば、量、レート、位置)を定義する。幾つかの、サブチャンネルである[controller channel]は、例えば再生モジュールの数であるが、この種の制御部に割り当てられて良い。明白な制御点Mは、[identification of controller]、及び[controller channel]に置かれる。
【0139】
その結果、ミキシング処理におけるデジタル記録が生成され、それらは、例えばインターネットを介して複製、及び伝送された音楽源を参照することにより、害無く記録され、複製される。
【0140】
図6は、制御ファイルを参照した1つの有利な実施形態であるデータ記録媒体Dを示す。データ記録媒体Dは、普通の音楽CDにおいて、第1のデータ領域D1におけるデジタル音楽データAUDIO_DATAと、すべてのミキシングファイルMIX_DATAを再生する為のCDにおける更なるデータ領域D2に配置されたプログラムPRG_DATAとの組み合わせを備え、MIX_DATAはまた、CD上にあってよく、CD上に記録されたAUDIO_DATAの上に隣接してよい。これに関連して、再生及び/又はミキシングアプリケーションPRG_DATAは、この種のデータ記録媒体における必須の構成要素ではない。本発明に係る音楽プレーヤと組み合わせる場合、デジタル音楽情報AUDIO_DATAを有する第1のデータ領域D1と、1つかそれ以上の、デジタル制御データMIX_DATAを含んだファイルを有する第2のデータ領域D2とを組み合わせることにより、この種のデータ媒体は、利用可能なデジタル音源から、より短い時間で作り上げられる1つの完全な新しい作品を複製する為の、必要な全ての情報を含むことができる。
【0141】
また、本発明は(例えば、再生及び/又はミックスアプリケーションPRG_DATA等の)、適切なオーディオインタフェースを持つ、適切にプログラミングされたコンピュータ上において、コンピュータシステムにおける手続きの段階を、ソフトウェアプログラムにより実行することで、特に有利な形態で、実現することができる。標準的なCD−ROMドライブにおいて実行される、有利なCD−グラビング方法と組み合わせることで、上述のデータ媒体は、本発明のもつ機能の全てを可能とする。
【0142】
たとえ既に知られた従来技術が可能であったとしても、上記の説明、及び図の中で述べられた全ての特徴は、権利範囲内の発明の構成要素として、或いはコンビネーションにおける発明の構成要素として捉えられるべきである。
【0143】
本発明に係る、上述された好ましい複数の実施形態の記述は、説明を目的としてなされたものである。これらの実施形態は、全てを含むものではない。加えて、本発明は、上記に記載された形態に限定されず、上記に記載された技術的な原理内において、様々な改良や修正が可能である。本発明に係る基本となる詳細と実際的な適用とを説明する為に、1つの好ましい実施形態を選択し、記述した。多くの好ましい実施形態と更なる改良とが、専門的な領域における応用例おいて考慮されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】音楽データストリーム内のテンポと位相とを概算する為に、リズム関連情報、及びその評価を取得する様子を描いたブロック図を示す。
【図2】それぞれ設定されたテンポと位相とを、連続して補正する為の別のブロック図を示す。
【図3】本発明に係る、CD−ROMドライブを平行読み出しする為のセットアップを描いたブロック図を示す。
【図4】現再生位置への挿入を可能な、本発明に係る対話型音楽再生装置のブロック図を示す。
【図5】本発明とに係るスクラッチオーディオフィルタを実現する、付加的なオーディオ処理のブロック図を示す。
【図6】本発明に係る音楽データから完全な曲を複製する為に音楽データと制御ファイルとを兼ね備えるデータ記録媒体を示す。
【符号の説明】
【0145】
・・・音楽ストリームでのイベント
・・・時間間隔
F1、F2・・・振動帯域
BD1、BD2・・・リズム関連情報検出部
BPM_REF・・・基準時間間隔
BPM_C1・・・
BPM_C2・・・テンポ検出処理部
1i・・・非グループ化された時間間隔
2i・・・時間間隔のペア
2i・・・3つの時間間隔のグループ
OKT・・・時間オクターブ変換部
1i O...T3i O・・・時間オクターブ変換済の時間間隔
CHK・・・調和テスト処理
BPM1、BPM2・・・テンポ値bpmと独立したストリーム
STAT・・・テンポ値の統計的評価
N・・・累積点
A、bpm・・・メロディにおける近似されたテンポ
P・・・メロディにおける近似された位相
1...6・・・処理段階
MCLK・・・基準振動器/主クロック
V・・・コンパレータ
+・・・位相一致
−・・・位相シフト
q・・・補正値
bpm_new・・・結果としての新しいテンポ値A
RESET・・・テンポを変更した場合の、新しい開始
CD−ROM・・・音楽データ源/CD−ROMドライブ
S・・・中央インスタンス/スケジューラ
TR1...TRn・・・音楽データトラック
P1...Pn・・・バッファメモリ
A1...An・・・現再生位置
S1...Sn・・・データ開始位置
R1、R2・・・制御装置/制御部
LP・・・ローパスフィルタ
DIFF・・・差別化要因(差分器、微分器)
SW1・・・スイッチ
IN1、IN2・・・第1と第2の入力
a・・・第1操作モード
b・・・第2操作モード
SL・・・傾斜平滑化手段
PLAY・・・再生部
DEC・・・デコーダ
B・・・バッファメモリ
R・・・可変テンポ読み取り部
PEF・・・プレエンファシスフィルタ/プレディストーションフィルタ
DEF・・・デエンファシスフィルタ/反転歪みフィルタ
AUDIO_OUT・・・オーディオ出力
D・・・音キャリア/データソース
D1、D2・・・データ領域
AUDIO_DATA・・・デジタル音楽データ
MIX_DATA・・・デジタル制御データ
PRG_DATA・・・コンピュータプログラムデータ

Claims (35)

  1. 電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相を検出する方法であって、
    電子音楽データ(Ei)内のリズムに関連した拍子情報が持つ時間間隔(Ti)のそれぞれを、統計に評価(STAT)することにより、前記メロディの前記テンポ(A)を近似する段階と、
    設定された前記テンポに比例する振動数で振動する基準振動器(MCLK)の時間格子における前記電子音楽データの前記拍子の位置を参照することにより、前記メロディの位相(P)を近似する段階と、
    結果として生じた体系的な位相シフトを評価し、設定された前記位相シフトに比例して前記参照振動器の前記振動数を調整することにより、前記電子音楽データに関する前記基準振動器(MCLK)が取り得る位相シフトを参照することで、前記メロディに関して設定された前記テンポ(A)と位相(P)とを連続的に補正する段階と
    を備える電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相の検出方法。
  2. 前記リズム関連情報(Ti)は、基本的な前記電子音楽データを帯域通過フィルタリングすること(F1、F2)で得られることを特徴とする請求項1に記載の電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相の検出方法。
  3. 音楽データにおけるリズム間隔は、必要があれば、2の累乗することで前記振動数を上げることにより、予め定められた振動数オクターブ(OKT)へと変換され、当該リズム間隔は、前記テンポを設定する為の複数の時間間隔(T1io...T3io)を与えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相の検出方法。
  4. 振動数の変換(OKT)は、複数の前記リズム間隔に対応する時間的評価を加えることにより、複数の前記リズム間隔(T1i)のぞれぞれを、グループ化すること、特に複数のペア(T2i)へグループ化すること、或いは3つのグループへ(T3i)グループ化すること、に先だって実行されることを特徴とする請求項3に記載の電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相の検出方法。
  5. 前記リズム関連拍子情報(N)における複数の時間間隔(BPM1、BPM2)の為に取得されたデータの個数は、複数の累積点を求める為に調べられ、テンポに関する前記近似は最大の累積点を参照した情報に基づき実行されることを特徴とする、請求項2から請求項4のいずれかに記載の電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相の検出方法。
  6. 前記基準振動器(MCLK)における前記位相は、前記メロディの前記位相を近似する為に、前記電子音楽データにおける前記リズム関連拍子情報と、前記基準振動器(MCLK)のゼロパスとの間で、最大限に一致するように選択されることを特徴とする請求項1から請求項5に記載の電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相の検出方法。
  7. 前記メロディに関して設定された前記テンポ、及び前記位相における前記連続的な補正(2、3、4、5)は、規則的に短い間隔で行われ、その結果生じる補正動作及び/又は補正シフトは、聴き取り可能な閾値より低い値であることを特徴とする請求項1から請求項6に記載の電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相の検出方法。
  8. 前記メロディに関して設定された前記テンポ、及び前記位相における、複数の連続的な補正の全ては時間と共に累積し(4)、これにより、絶えず正確さを増して次なる補正のそれぞれがなされ、
    複数の前記連続的な補正のそれぞれは、設定された前記テンポにおける誤差が、予め定められた許容閾値を下回るまで、特に前記許容閾値0.1%未満に下がるまで、続くことを特徴とする前記請求項の少なくとも1つの請求項に記載の電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相の検出方法。
  9. 複数の前記補正のそれぞれが、予め定められた周期を越えた、常に負又は正方向の補正である場合、テンポ(A)、及び位相(P)に関する新たな近似(RESET)が、前記常に負又は正方向の補正の後に続く連続的な補正(2、3、4、5)により実行されることを特徴とする前記請求項の少なくとも1つの請求項に記載の電子形式で利用可能なメロディにおけるテンポ、及び位相の検出方法。
  10. 電子形式で利用可能な少なくとも2つのメロディの同期を取る方法であって、
    上記に記載されたいずれかの請求項に基づき、第1のメロディにおける前記テンポ、及び前記位相を完全に設定する段階と、
    上記に記載されたいずれかの請求項に基づき、他のメロディにおける前記テンポ、及び前記位相を近似する段階と、
    前記他のメロディに割り当てられた基準振動器における前記振動数、及び前記位相を、前記第1のメロディに割り当てられた基準振動器における前記振動数、及び前記位相に対して連続的に合わせることにより、前記他のメロディにおける再生レート、及び再生の位相を調和させる段階と
    を備える同期方法。
  11. 前記他のメロディにおける前記再生レート、及び前記再生位相は、前記第1のメロディにおける前記基準振動器と関連する前記他のメロディに割り当てられた前記基準振動器において許容される前記位相シフトに基づいて調和させられ、
    結果として生じる体系的な前記位相シフトが評価され、
    前記他のメロディに割り当てられた前記基準振動器における振動数は、設定された前記位相シフトに比例して調整されることを特徴とする請求項10に記載の同期方法。
  12. 電子形式で利用可能な少なくとも2つのメロディにおいて、請求項10又は請求項11に従ってリアルタイムに同期を取ることが可能な音楽再生装置であって、
    前記メロディにおける現再生位置と関連する予め定められた経過時間からの、リズム関連拍子情報(Ti)は、前記テンポをリアルタイムに設定する為の基準としてそれぞれの場合において用いられことを特徴とする音楽再生装置。
  13. 同期させられた複数の前記メロディのそれぞれは、自動的にソートされ、統合されたリズムを持つ完全な作品として再生されることを特徴とする請求項11、又は請求項12に記載の音楽再生装置。
  14. 1つのメロディを再生中する最中に、特に請求項1から請求項10のいずれかに記載のテンポ、及び位相を検出する機能により設定される拍子閾値を、グラフィックを用いてリアルタイムに表示する手段と、
    利用者がリアルタイムに、前記再生ポジション、及び/又は前記再生レートを、直接操作が可能である第1操作モード(a)へスイッチする為の第1制御部(R1)と、
    前記再生位置をリアルタイムに処理する為の第2制御部(R2)と
    を備える請求項11から請求項13に記載の対話型音楽再生装置。
  15. 現再生位置の前後の予め定められた時間に渡って示された、再生中のメロディにおける音波の包絡線を、前記現再生位置と共にグラフィックを用いて表示する手段と、
    前記音楽サンプリングレートに相当する時間分解能で、均一に変化する信号を形成する為に、前記第2制御部(R2)により予め定められ、時間的に制限された階段状に連続した、再生位置データを平滑化する手段(LP、SL)と
    を備え、
    手段は、前記傾斜平滑(SL)を行うため、そして特に時間的に制限された階段状に連続した再生位置データを平滑化するために準備され、この手段によって、ある一定の傾きを持った傾斜が、全ての特定された再生位置メッセージ毎に決められ、これにより、予め定められた時間間隔に渡って、前記平滑化された信号を、当該信号が有していた値から、前記再生位置メッセージにおける値へと変更することを特徴とする請求項14に記載の対話型音楽再生装置。
  16. 特に第2次共振フィルタである線形デジタルローバスフィルタ(LP)が、予め定められた、時間的に制限され、階段状に連続した再生位置データを平滑化するのに用いられることを特徴とする請求項15に記載の対話型音楽再生装置。
  17. 2つの操作モード(a、b)間において当該操作モードを変える場合、先行するモードで到達した前記再生位置が、新しいモードの開始位置として用いられることを特徴とする請求項12から請求項16に記載の、対話型音楽再生装置。
  18. 前記2つの操作モード(a、b)間で、当該操作モードを変える場合、先行する前記操作モードで到達していた現再生レート(DIFF)は、特に、傾斜平滑機能(SL)又は線形のデジタルローバスフィルタ(LP)の平滑化機能によって、新しい前記操作モードに相当する前記再生レートへと変えられることを特徴とする請求項14から請求項17に記載の対話型音楽再生装置。
  19. オーディオ信号は、スクラッチオーディオフィルタを通り、前記オーディオ信号は、当該スクラッチオーディオフィルタにおいて、プレエンファシスフィルタ(PEF)で処理された後にバッファ(B)に記録され、当該バッファから、関連する前記再生レートとは独立に様々なテンポで読み出され(R)、その後、デエンファシスフィルタ(DEF)で処理され、そして再生されることを特徴とする請求項12から請求項18に記載の対話型音楽再生装置。
  20. 1つ以上の同期された前記メロディの期間において、関連する前記メロディの為に設定された前記テンポ情報に基づいて、前記メロディにおける1つ以上の拍子に渡って続く再生ループの長さは、拍子同期が取れた状態でリアルタイムに定義され再生されることを特徴とする請求項12から請求項19に記載の対話型音楽再生装置。
  21. 1つ以上の同期された前記メロディの期間において、拍子同期した複数のジャンプマークのそれぞれは、関連する前記メロディの為に設定された前記テンポ情報に基づいてリアルタイムに定義され、前記メロディの範囲内を拍子の整数倍で動かされ、
    再生されるそれぞれの音楽データストリームは、特に、フィルタリング装置及び/又は音響効果による信号処理手段によってリアルタイムに処理されることを特徴とする請求項12から請求項20に記載の対話型音楽再生装置。
  22. 連続する時間にわたって実行される複数のリアルタイムな挿入は、デジタル制御情報(MIX_DATA)として記録され、
    特に、複数の前記挿入のそれぞれは、幾つかのメロディ及び/又は付加的な信号処理の為のミキシング処理に関連することを特徴とする請求項12から請求項21に記載の対話型音楽再生装置。
  23. メロディの前記ミキシング処理、及び/又は、オーディオ信号処理方法を用いることによる前記メロディへの前記対話型挿入は、特に複製を目的とする為に、前記メロディについてのデジタル音楽情報とは独立に、前記デジタル制御情報(MIX_DATA)における形式で、新しい完全な1つの曲として記録されることを特徴とする請求項12から請求項22に記載の対話型音楽再生装置。
  24. 記録された前記デジタル制御情報は、1つのフォーマットを有しており、
    前記フォーマットは、処理されるメロディ、及び再生位置における前記連続した時間を認識する為の情報と、それぞれのメロティが割り当てられた音楽再生装置における複数の制御部のそれぞれに関するステータス情報とを有することを特徴とする請求項22から請求項23に記載の対話型音楽再生装置。
  25. 複数のオーディオインタフェースのそれぞれに適合するように、適切にプログラムされたコンピュータシステムによって実現されることを特徴とする請求項12から請求項24に記載の対話型音楽再生装置。
  26. データソース(CD−ROM)から、一の読み取り部を用いて読み出した少なくとも2つのメロディに対し、前記デジタル音楽データをリアルタイムに与える方法であって、
    前記データソースは、関連する再生レートよりも早いレートで音楽データを供給し、
    特にリングバッファである、関連するバッファメモリ(P1...Pn)には、再生されるべきメロディのそれぞれ(TR1...TRn)が与えられ、
    前記関連するバッファメモリ(P1...Pn)を、関係した音楽データで満たす為に、より早い読み出しレートが用いられ、
    これにより前記音楽データは、再生すべきメロディの現再生位置(A1...An)の前後において、常に、順番に利用可能であることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の、同期の為のデジタル音楽データをリアルタイムに与える方法。
  27. 前記バッファメモリ(P1...Pn)のそれぞれの状態は、十分な量のデータが利用可能であるかどうかを判断する為に監視され、
    中央インスタンス(S)は、前記メロディ(TR1...TRn)の再生とは連結されず、前記レベルが予め定められた閾値を下回った場合に、必要な音楽データを与えることを命令され、前記データソース(CD−ROM)における音楽データが必要とする領域を自動的に要求し、関連した前記バッファメモリ(P1...Pn)に取得したデータを入力し、
    前記データは、これ以上は必要がない場合、特にバッファメモリ(P1...Pn)のそれぞれを入力する間に、上書きされることを特徴とする請求項26に記載のデジタル音楽データをリアルタイムに与える方法。
  28. 前記中央インスタンス(S)は、並行して受信した複数の要求を、連続して動作するように、並び替えることを特徴とする請求項26又は請求項27に記載のデジタル音楽データをリアルタイムに与える方法。
  29. 請求項26から請求項28に記載のCD−ROMドライブが前記メロディ(TR1...TRn)のデータソースとして用いられることを特徴とする請求項12から請求項25に記載の対話型音楽再生装置。
  30. コンピュータソフトウェアであって、前記コンピュータソフトウェアは、デジタルコンピュータの内部メモリへ直接にロードされ、前記コンピュータソフトウェアは、複数のソフトウェアセクションを備えており、
    前記コンピュータソフトウェアが前記コンピュータ上で実行された場合、請求項1から請求項12、又は、請求項25から請求項27のいずれかにおける複数の処理段階が実行されることを特徴とする、コンピュータソフトウェア。
  31. データ記録媒体(D)、特にコンパクトディスクであって、
    1つ以上の前記メロディ(TR1...TRn)のデジタル音楽データ(AUDIO_DATA)を記録する第1データ領域(D1)と、
    音楽再生装置、特に請求項12から請求項25に記載の対話型音楽再生装置を制御する為のデジタル制御情報を有する制御ファイル(MIX_DATA)を記録する第2データ領域(D2)とを備え、
    前記第2データ領域における前記制御データ(MIX_DATA)は、前記第1データ領域(D1)における前記音楽データ(AUDIO_DATA)を参照することを特徴とするデータ記録媒体。
  32. 前記第2データ領域における前記デジタル制御データ(MIX_DATA)は、新しい完全な1つの曲に対して、第1データ領域(D1)におけるメロディからのデジタル音楽情報(AUDIO_DATA)を与える為に、オーディオ信号処理方法を用いることで、複数のメロディ及び/又は、メロディへの対話型挿入に施されるミキシング処理を表示することを特徴とする請求項31に記載のデータ記録媒体。
  33. 前記第2データ領域に記録された前記デジタル制御データ(MIX_DATA)は、第1データ領域、及び複数の再生位置における連続した時間において処理されるメロディ(TR1...TRn)を認識する為の情報と、処理されるそれぞれの前記メロディに割り当てられた前記音楽再生装置における複数の制御部のそれぞれのステータス情報と、を含む1つのフォーマットを有することを特徴とする請求項31から請求項32に記載の対話型音楽再生装置。
  34. コンピュータソフトウェア(PRG_DATA)であって、請求項31から請求項33に記載のデータ記録媒体(D)において処理され、
    前記コンピュータソフトウェアは、デジタルコンピュータの内部メモリへ直接にロードされ、複数のソフトウェアセクションを備えており、
    前記コンピュータは、当該コンピュータソフトウェアを用いて、音楽再生装置の機能、特に請求項12から請求項25、又は請求項33に記載の音楽再生装置の機能を担い、
    当該コンピュータソフトウェア(PRG_DATA)が、前記コンピュータで動作する場合、前記データ記録媒体(D)における前記第1データ領域(D1)の音楽データ(AUDIO_DATA)を基準とする、前記データ記録媒体(D2)における前記第2データ領域(D2)の前記制御データ(MIX_DATA)に基づいて、前記制御データ(MIX_DATA)によって表示された完全な1つの曲が、再生されることを特徴とするコンピュータソフトウェア。
  35. 好ましくは、特に請求項12から請求項25に記載の音楽再生装置を制御する為のデジタル制御情報と共に制御ファイル(MIX_DATA)に記録されるデータ構造であり、
    前記制御データ(MIX_DATA)は、音楽データのミキシングが可能であるように
    音楽データ(AUDIO_DATA)を基準とし、
    制御データにおける連続した時間、音楽源の正確な再生位置における連続した時間、及び、再生の為の新たな開始点を与える全ての制御部に関する完全なステータス情報を備えた時間間隔のそれぞれが、好ましくは、前記データ構造で記録されることを特徴とするデータ構造。
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