JP2004524850A - マンノース含有パームカーネルミール - Google Patents
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Abstract
パームカーネルミールにマンナン分解酵素又は酸触媒を作用させて得られるマンノース含有パームカーネルミールである。資源性の高いパーム・カーネル・ミールを用いることにより高収率でマンノースを生成させることができる。遊離したマンノースを有効に利用するには必ずしも抽出する必要はなく、分解物を含む酵素処理パームカーネルミールをそのまま使用しても良い。必要であれば、乾燥、抽出を行っても良い。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料添加用として、細菌類、特にサルモネラ菌による感染を予防する効果を持つマンノースを含有するパームカーネルミールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飼料にマンノース類を添加することにより、飼料を与えられた動物におけるサルモネラ菌の動物体外への排菌効果が期待されることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。また、ヤシ油を搾った粕として産出されるコプラミールにマンナンが豊富に含有されることも知られており、コプラミールなどガラクトマンナン類を含む原料に酵素を作用させてマンノースまたはマンノース多糖類を生成させ、抽出後スプレードライなどにより乾燥させる方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
しかしながら、コプラミールの原料となるヤシは野生のものが主体であり、その収穫量は、天候や農民の意欲により大きく左右され、年によっては、収穫量が低下したり、価格が高騰したりすることもある。
【0004】
また、収穫されたコプラは薫煙または天日により乾燥されるが、薫煙した場合、滅菌が十分でない場合があり、カビ毒の発生を誘発する場合がある。さらに、薫煙による匂いなどのため、家畜の嗜好性を著しく低下させる場合もある。
【0005】
以上のように、コプラを原料としてマンノースを生産するには、供給性において不安が生じる。このような事情から、さらに安価に飼料添加用のマンノースを安定して提供する方法が市場から求められていた。
【0006】
主としてマレーシアにおいて1940年代後半以降、パームを管理栽培することが国策として進められてきており、その結果、現在においては、200万ヘクタール以上の栽培地を誇っている。このパームの果実は油脂の原料として用いられ、果肉部から得られるパーム油および核(パームカーネル)から得られるパームカーネルオイルの2種類の油脂が産出される。本出願で利用されるパームカーネルミールは、パームカーネルから搾油した粕あるいはさらに溶剤を用いて油脂を抽出した粕として産出され、その生産量は約170万トン/年(例えば、非特許文献2参照。)である。その多くは、家畜の飼料ないしは燃料として使用されている。
【0007】
しかしながら、飼料としては消化性や栄養価の低さから、また、燃料としてはあまり良く燃えないなどの点から、産業廃棄物として処理されており、十分に利用されているとは言い難い。ところで、コプラミールやパームカーネルミールなどヤシ科植物由来のミールにマンナンが豊富に含有されることが知られており、パームカーネルミール中にも25〜32%のマンナンが含まれていることから、マンノースやマンノオリゴ糖の原料となることが期待しうるが、これを対象としたマンノース含有飼料の実用化研究はほとんど行われていない。パームカーネルミールをオリゴ糖を生成するように酵素的に分解して得られたものを飼料の嗜好性改善などの目的で使用すること(例えば、特許文献3参照。)、及び、パームカーネルミール由来のマンノースにサルモネラ菌排除効果が期待されうること(例えば、非特許文献3参照。)などが開示されているにすぎない。
【特許文献1】
特開平7−236429号公報
【特許文献2】
特開平8−173055号公報
【特許文献3】
PCT/GB94/02802
【非特許文献1】
Poultly Science 1989 68 1357
【非特許文献2】
Oil World、1999年
【非特許文献2】
British Poultry Science 1997 38 485-488
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者はこのパームカーネルミールに酵素を作用させた結果、従来より行われているコプラミールを原料とする場合と比較して意外な程マンノースを多量に生成することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、パームカーネルミールにマンナン分解酵素又は酸触媒を作用させて得られるマンノース含有パームカーネルミール(請求項1)や、パームカーネルミールにマンナン分解酵素を作用させることを特徴とするマンノース含有パームカーネルミールの製造方法(請求項2)や、乾燥処理をした請求項1記載のマンノース含有パームカーネルミール(請求項3)や、請求項1ないし請求項3記載のマンノース含有パームカーネルミールを含有する飼料(請求項4)や、マンナン分解酵素がアスペルギルス属菌由来である請求項1記載の組成物(請求項5)や、パームカーネルミールに含まれるマンナンの少なくとも一部が分解されていることを特徴とするマンノース含有酵素処理パームカーネルミール(請求項6)や、マンノースを1〜30重量%含有する請求項6記載のマンノース含有酵素処理パームカーネルミール(請求項7)や、マンナン分解酵素溶液をパームカーネルミールに対し400重量%以下作用させる請求項2記載のマンノース含有パームカーネルミールの製造方法(請求項8)や、請求項2記載の方法により製造されたマンノース含有パームカーネルミールを混合させた飼料(請求項9)に関する。
【発明の効果】
【0010】
すなわち本発明は、パームカーネルミールにマンナン分解酵素又は酸触媒を作用させて得られるマンノース含有パームカーネルミールおよび当該パームカーネルミールを配合した飼料ならびにこれらの製造方法を骨子とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
パームカーネルミールは、主としてマレーシア、インドネシア、ナイジェリアで栽培されるアブラヤシ果実の胚乳(パーム核)から油(パーム核油)を採油した後の粕であり、配合飼料の原料等として広く使用されているものである。パーム核ミールは、採油方法によって圧搾粕(圧搾パームカーネルミール:油分6〜12%)とそれをさらに溶剤を用いて油脂を抽出した抽出粕(抽出パームカーネルミール:油分2%以下)とに分けられるが本発明はいずれでも適用できる。パームカーネルミール中には29〜38重量%程度のマンナンが含まれており、コプラミール同様、加水分解によってマンノースやそのオリゴ糖を多量に生成させることができる。
【0012】
マンナン分解酵素はマンナナーゼ、マンノシダーゼ、ヘミセルラーゼなどパームカーネルマンナンを分解するものであればいずれでもよいが、Aspergillus niger由来のもので、市販されているもの(例えばヘミセルラーゼGM「アマノ」/天野製薬株式会社(商品名)、スミチームACH/新日本化学工業株式会社(商品名)、セルロシンGM5/阪急バイオインダストリー株式会社(商品名)、セルラーゼY-NC/ヤクルト薬品工業株式会社(商品名))などが好適に使用できるほか、キシラナーゼ、セルラーゼとして市販されているものでも当該加水分解活性のあるものが使用できる。
【0013】
マンナン分解酵素は、水に溶解/分散させた酵素液としてパームカーネルミールに作用させるが、効率的な反応を行うにあたっては反応系(パームカーネルミール、マンナン分解酵素および水)における水分の調製が重要である。十分な水分の存在により、パームカーネルミール中の繊維質が十分に膨潤し、酵素液がパームカーネルミールと接触しやすくなる。このためにはパームカーネルミール100重量部に対して50〜1000重量部の水を添加することが必要である。しかしながら、必要以上の水分量は、酵素濃度を希釈する結果、却って反応効率を低下させるばかりか、乾燥させる場合には、乾燥工程における乾燥コストの上昇を招く。したがって、以上を考慮すれば、パームカーネルミール100重量部に対して、好ましくは100〜500重量部、さらに好ましくは150〜250重量部の水を添加するのが適当である。
【0014】
上記水分条件に調整された、パームカーネルミール、マンナン分解酵素および水の混合物を酵素活性に適した温度に置いて反応させて湿潤組成物を得る。当該湿潤組成物中には、反応時間に応じた量のマンノースないしマンノース類(マンノビオース、マンノトリオース、マンノオリゴ糖)が生成している。24ないし72時間反応させた場合、マンノース量は使用する酵素の量にもよるが、原料のパームカーネルミール100重量部に対して、10〜25重量部程度まで生成することができる。
【0015】
このようにして得られたマンノースをサルモネラ対策飼料添加物として利用する場合、特に抽出する必要はなく、このまま飼料として供してもよい。しかし、反応後のパームカーネルミールにはかなりの量の水分が含まれることとなり、このまま流通、使用するには黴、菌類の発生が危惧されることになる。その場合、流動層乾燥などの方法により、水分が10%以下となるように乾燥させればよい。また、ファインケミカル用として高純度のマンノース原料が必要であれば、水などの適当な溶媒を用いて、抽出、精製すればよい。
【0016】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0017】
マンナナーゼ(セルロシンGM5/阪急バイオインダストリー株式会社(商品名))1/60g(約167unit)を20gの水に溶解し、圧搾パームカーネルミール10g(油分6.5%,水分5.1%)と混合した後、密閉容器に入れ、60℃に静置保管し反応させた。また、比較のためにパームカーネルミールをコプラミールに変えて同じように反応させた。反応後の生成マンノースの定量を次のように行った。反応物約0.5gを精秤し、水を加え100mlに定容混合した後水溶液層を濾別し、除タンパクするなど適宜処理し、陰イオン交換クロマトグラフィー(装置:DX500、使用カラム:Carbo Pac PA1、検出器:パルスドアンペロメトリー検出器/以上ダイオネクス株式会社製)にて測定した。得られた結果を表1および図1に示す。従来のコプラミールを基質として使用した場合に比べ、2〜5割ほどマンノースの生成量が多くなる。
【0018】
【表1】
また、表2は72時間酵素処理したミール中に生成していた単糖類の組成比であるが、パームカーネルミールの方が、コプラミールの分解物よりマンノースの割合が非常に高くなっている。すなわち、酵素処理物からマンノースをクロマトカラム処理などにより単離精製させる場合に、カラムへの負担が軽くなることが予想され、より好適である。
【0019】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】パームカーネルミールおよびコプラミールにマンナン分解酵素を作用させて生成するマンノース量をグラフにしたものである。
【0001】
本発明は、飼料添加用として、細菌類、特にサルモネラ菌による感染を予防する効果を持つマンノースを含有するパームカーネルミールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飼料にマンノース類を添加することにより、飼料を与えられた動物におけるサルモネラ菌の動物体外への排菌効果が期待されることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。また、ヤシ油を搾った粕として産出されるコプラミールにマンナンが豊富に含有されることも知られており、コプラミールなどガラクトマンナン類を含む原料に酵素を作用させてマンノースまたはマンノース多糖類を生成させ、抽出後スプレードライなどにより乾燥させる方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
しかしながら、コプラミールの原料となるヤシは野生のものが主体であり、その収穫量は、天候や農民の意欲により大きく左右され、年によっては、収穫量が低下したり、価格が高騰したりすることもある。
【0004】
また、収穫されたコプラは薫煙または天日により乾燥されるが、薫煙した場合、滅菌が十分でない場合があり、カビ毒の発生を誘発する場合がある。さらに、薫煙による匂いなどのため、家畜の嗜好性を著しく低下させる場合もある。
【0005】
以上のように、コプラを原料としてマンノースを生産するには、供給性において不安が生じる。このような事情から、さらに安価に飼料添加用のマンノースを安定して提供する方法が市場から求められていた。
【0006】
主としてマレーシアにおいて1940年代後半以降、パームを管理栽培することが国策として進められてきており、その結果、現在においては、200万ヘクタール以上の栽培地を誇っている。このパームの果実は油脂の原料として用いられ、果肉部から得られるパーム油および核(パームカーネル)から得られるパームカーネルオイルの2種類の油脂が産出される。本出願で利用されるパームカーネルミールは、パームカーネルから搾油した粕あるいはさらに溶剤を用いて油脂を抽出した粕として産出され、その生産量は約170万トン/年(例えば、非特許文献2参照。)である。その多くは、家畜の飼料ないしは燃料として使用されている。
【0007】
しかしながら、飼料としては消化性や栄養価の低さから、また、燃料としてはあまり良く燃えないなどの点から、産業廃棄物として処理されており、十分に利用されているとは言い難い。ところで、コプラミールやパームカーネルミールなどヤシ科植物由来のミールにマンナンが豊富に含有されることが知られており、パームカーネルミール中にも25〜32%のマンナンが含まれていることから、マンノースやマンノオリゴ糖の原料となることが期待しうるが、これを対象としたマンノース含有飼料の実用化研究はほとんど行われていない。パームカーネルミールをオリゴ糖を生成するように酵素的に分解して得られたものを飼料の嗜好性改善などの目的で使用すること(例えば、特許文献3参照。)、及び、パームカーネルミール由来のマンノースにサルモネラ菌排除効果が期待されうること(例えば、非特許文献3参照。)などが開示されているにすぎない。
【特許文献1】
特開平7−236429号公報
【特許文献2】
特開平8−173055号公報
【特許文献3】
PCT/GB94/02802
【非特許文献1】
Poultly Science 1989 68 1357
【非特許文献2】
Oil World、1999年
【非特許文献2】
British Poultry Science 1997 38 485-488
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者はこのパームカーネルミールに酵素を作用させた結果、従来より行われているコプラミールを原料とする場合と比較して意外な程マンノースを多量に生成することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、パームカーネルミールにマンナン分解酵素又は酸触媒を作用させて得られるマンノース含有パームカーネルミール(請求項1)や、パームカーネルミールにマンナン分解酵素を作用させることを特徴とするマンノース含有パームカーネルミールの製造方法(請求項2)や、乾燥処理をした請求項1記載のマンノース含有パームカーネルミール(請求項3)や、請求項1ないし請求項3記載のマンノース含有パームカーネルミールを含有する飼料(請求項4)や、マンナン分解酵素がアスペルギルス属菌由来である請求項1記載の組成物(請求項5)や、パームカーネルミールに含まれるマンナンの少なくとも一部が分解されていることを特徴とするマンノース含有酵素処理パームカーネルミール(請求項6)や、マンノースを1〜30重量%含有する請求項6記載のマンノース含有酵素処理パームカーネルミール(請求項7)や、マンナン分解酵素溶液をパームカーネルミールに対し400重量%以下作用させる請求項2記載のマンノース含有パームカーネルミールの製造方法(請求項8)や、請求項2記載の方法により製造されたマンノース含有パームカーネルミールを混合させた飼料(請求項9)に関する。
【発明の効果】
【0010】
すなわち本発明は、パームカーネルミールにマンナン分解酵素又は酸触媒を作用させて得られるマンノース含有パームカーネルミールおよび当該パームカーネルミールを配合した飼料ならびにこれらの製造方法を骨子とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
パームカーネルミールは、主としてマレーシア、インドネシア、ナイジェリアで栽培されるアブラヤシ果実の胚乳(パーム核)から油(パーム核油)を採油した後の粕であり、配合飼料の原料等として広く使用されているものである。パーム核ミールは、採油方法によって圧搾粕(圧搾パームカーネルミール:油分6〜12%)とそれをさらに溶剤を用いて油脂を抽出した抽出粕(抽出パームカーネルミール:油分2%以下)とに分けられるが本発明はいずれでも適用できる。パームカーネルミール中には29〜38重量%程度のマンナンが含まれており、コプラミール同様、加水分解によってマンノースやそのオリゴ糖を多量に生成させることができる。
【0012】
マンナン分解酵素はマンナナーゼ、マンノシダーゼ、ヘミセルラーゼなどパームカーネルマンナンを分解するものであればいずれでもよいが、Aspergillus niger由来のもので、市販されているもの(例えばヘミセルラーゼGM「アマノ」/天野製薬株式会社(商品名)、スミチームACH/新日本化学工業株式会社(商品名)、セルロシンGM5/阪急バイオインダストリー株式会社(商品名)、セルラーゼY-NC/ヤクルト薬品工業株式会社(商品名))などが好適に使用できるほか、キシラナーゼ、セルラーゼとして市販されているものでも当該加水分解活性のあるものが使用できる。
【0013】
マンナン分解酵素は、水に溶解/分散させた酵素液としてパームカーネルミールに作用させるが、効率的な反応を行うにあたっては反応系(パームカーネルミール、マンナン分解酵素および水)における水分の調製が重要である。十分な水分の存在により、パームカーネルミール中の繊維質が十分に膨潤し、酵素液がパームカーネルミールと接触しやすくなる。このためにはパームカーネルミール100重量部に対して50〜1000重量部の水を添加することが必要である。しかしながら、必要以上の水分量は、酵素濃度を希釈する結果、却って反応効率を低下させるばかりか、乾燥させる場合には、乾燥工程における乾燥コストの上昇を招く。したがって、以上を考慮すれば、パームカーネルミール100重量部に対して、好ましくは100〜500重量部、さらに好ましくは150〜250重量部の水を添加するのが適当である。
【0014】
上記水分条件に調整された、パームカーネルミール、マンナン分解酵素および水の混合物を酵素活性に適した温度に置いて反応させて湿潤組成物を得る。当該湿潤組成物中には、反応時間に応じた量のマンノースないしマンノース類(マンノビオース、マンノトリオース、マンノオリゴ糖)が生成している。24ないし72時間反応させた場合、マンノース量は使用する酵素の量にもよるが、原料のパームカーネルミール100重量部に対して、10〜25重量部程度まで生成することができる。
【0015】
このようにして得られたマンノースをサルモネラ対策飼料添加物として利用する場合、特に抽出する必要はなく、このまま飼料として供してもよい。しかし、反応後のパームカーネルミールにはかなりの量の水分が含まれることとなり、このまま流通、使用するには黴、菌類の発生が危惧されることになる。その場合、流動層乾燥などの方法により、水分が10%以下となるように乾燥させればよい。また、ファインケミカル用として高純度のマンノース原料が必要であれば、水などの適当な溶媒を用いて、抽出、精製すればよい。
【0016】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0017】
マンナナーゼ(セルロシンGM5/阪急バイオインダストリー株式会社(商品名))1/60g(約167unit)を20gの水に溶解し、圧搾パームカーネルミール10g(油分6.5%,水分5.1%)と混合した後、密閉容器に入れ、60℃に静置保管し反応させた。また、比較のためにパームカーネルミールをコプラミールに変えて同じように反応させた。反応後の生成マンノースの定量を次のように行った。反応物約0.5gを精秤し、水を加え100mlに定容混合した後水溶液層を濾別し、除タンパクするなど適宜処理し、陰イオン交換クロマトグラフィー(装置:DX500、使用カラム:Carbo Pac PA1、検出器:パルスドアンペロメトリー検出器/以上ダイオネクス株式会社製)にて測定した。得られた結果を表1および図1に示す。従来のコプラミールを基質として使用した場合に比べ、2〜5割ほどマンノースの生成量が多くなる。
【0018】
【表1】
また、表2は72時間酵素処理したミール中に生成していた単糖類の組成比であるが、パームカーネルミールの方が、コプラミールの分解物よりマンノースの割合が非常に高くなっている。すなわち、酵素処理物からマンノースをクロマトカラム処理などにより単離精製させる場合に、カラムへの負担が軽くなることが予想され、より好適である。
【0019】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】パームカーネルミールおよびコプラミールにマンナン分解酵素を作用させて生成するマンノース量をグラフにしたものである。
Claims (9)
- パームカーネルミールにマンナン分解酵素又は酸触媒を作用させて得られるマンノース含有パームカーネルミール。
- パームカーネルミールにマンナン分解酵素を作用させることを特徴とするマンノース含有パームカーネルミールの製造方法。
- 乾燥処理をした請求項1記載のマンノース含有パームカーネルミール。
- 請求項1ないし請求項3記載のマンノース含有パームカーネルミールを含有する飼料。
- マンナン分解酵素がアスペルギルス属菌由来である請求項1記載の組成物。
- パームカーネルミールに含まれるマンナンの少なくとも一部が分解されていることを特徴とするマンノース含有酵素処理パームカーネルミール。
- マンノースを1〜30重量%含有する請求項6記載のマンノース含有酵素処理パームカーネルミール。
- マンナン分解酵素溶液をパームカーネルミールに対し400重量%以下作用させる請求項2記載のマンノース含有パームカーネルミールの製造方法。
- 請求項2記載の方法により製造されたマンノース含有パームカーネルミールを混合させた飼料。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2001106956 | 2001-04-05 | ||
PCT/JP2002/003094 WO2002081724A1 (en) | 2001-04-05 | 2002-03-28 | Mannose-containing palm kernel meal |
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---|---|---|---|
JP2002580086A Pending JP2004524850A (ja) | 2001-04-05 | 2002-03-28 | マンノース含有パームカーネルミール |
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EP (1) | EP1373542B1 (ja) |
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AT (1) | ATE435300T1 (ja) |
DE (1) | DE60232784D1 (ja) |
MY (1) | MY126226A (ja) |
WO (1) | WO2002081724A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011516089A (ja) * | 2008-04-14 | 2011-05-26 | インスティトゥート ギ レセルカ イ テクノロヒア アグロアリメンタリエス | 動物の腸管中のグラム陰性細菌コロニー形成に抗する酵素プレミックス |
Families Citing this family (10)
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