JP2004524210A - 自動車に関する情報に関連するデータを出力する方法および装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、ユーザのための自動車に関する情報（Ｉ）に関連するデータを出力する方法に関する。前記方法によれば、情報（Ｉ）のためのいくつかのオプション（Ｏｎ）が表示され、前記オプション（Ｏｎ）の少なくとも１つがユーザによって選択され、選択されたオプションに関連するデータが出力される。少なくとも１つの内容依存プロファイルが決定され、前記プロファイルによって特定された、いくつかのオプション（Ｏｎ）が生成される。次いでデータが、前記プロファイルおよびオプションに基づいて出力される。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、請求項１の前文に従ってユーザのための自動車の情報に関連するデータを出力する方法、および請求項１１の前文に従って本方法を実施する装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
属を形成する特許文献１では、自動車のためのマルチメディア情報および制御システムについて記載している。ユーザは、定義済み全体集合から自分に興味のある情報を選択する。次いで情報に関連するさまざまなオプションがユーザに与えられ、次いでユーザは、少なくとも１つのオプションをそれから選択し、それにより各データを出力させることができる。さらに、出力されたデータに対応するオペレータ制御機能を実行することができる。
【０００３】
【特許文献１】
国際公開第９８／３４８１２号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、ユーザにとっての操作上の利便性が向上し、操作上の安全性および交通上の安全性が改良されるような包括的な方法および包括的な装置をさらに改良する目的に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
この目的は、請求項１の特徴を用いた方法、及び請求項１１の特徴を用いた装置に関する本発明により達成される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態および開発に関する。
【０００６】
本発明の主な考え方は、情報に関して生成されたオプションのタイプおよび数を判断し、少なくとも１つの内容依存プロファイルに応じて各データを出力し、したがって、より広範囲にわたる、すなわち個々の情報をより厳密に記述するデータへの高速で簡単なアクセスをユーザに提供することである。本明細書では、用語、情報とは、さまざまなデータを分類できる全体的概念、たとえば「ウィンドシールドワイパー」を指す。情報に関連するデータは、メモリ内に格納され、ユーザにとって異なる方式で出力できる指定された詳細事項、たとえば、「ウィンドシールドワイパー」の場合では、オペレータ制御用導入ビデオまたはインターバルレベルの短い音声説明を含む。内容依存プロファイルは、車両、ユーザ、環境、たとえばユーザの年齢などの、相互作用において少なくとも１つの二次要因を特徴づけることに関連する。内容依存プロファイルを参照することにより、情報に関連づけられたオプションは、全ての組のオプションから、内容依存プロファイルに指定できるオプションのみが生成されるように条件づけられる。
【０００７】
さらに、内容依存プロファイルを使用することにより、ユーザが事前にオプションを選択することなく、データを自動的に出力することも可能となる。内容依存プロファイルを用いて、ユーザがそれから選択することのできる生成されたオプションの数およびデータの出力が、明確に編成されたユーザ互換性のある表示が可能となるという趣旨で判断される。自動車に関連する情報が要求されると、この情報に関連する使用可能なデータのグローバルセットのサブセットが、プロファイルに応じて選択され、サブセットもグローバルセットに対応することができる。この選択されたデータは、ユーザにとって特にデータ最適化された方式で出力される。この手順の結果、データを選択しデータを出力するシーケンスが、内容によって短縮される。その結果、提案されている本発明は、利便性と安全性の両方に対して寄与する。たとえば車両のディスプレイ装置が点灯すると、ユーザは、適切なデータが出力された結果として、プロファイルに応じて、自動的にこの車両のディスプレイ装置の説明を受ける。したがって、ユーザは直ちに通知を受けるので、説明について考える必要もなく、あるいは厄介な制御操作を実施する必要さえない。同様に、プロファイルに応じて選択的提案をユーザに提供し、特定の状況において使用することが適切な車両の機能についてユーザに指示することが可能である。
【０００８】
出力されるデータとともに使用することが提案されているオペレータ制御機能が、プロファイルおよびオプションに応じて起動されれば有利である。その結果、提案されているオペレータ制御機能が、時間に関してできる限り最適化された容易な方式で起動されるという事実により、ユーザがこのオペレータ制御機能に指定された起動手段を探索する必要がないので、操作上の利便性がさらに向上する。ユーザが事前にオペレータ制御機能を問い合わせることなく、このように直接起動することにより、特にタイミングが重要な運転状況において、はるかにより確実にオペレータ制御機能を起動することが可能となる。あるいは、オペレータ制御機能を直接起動することが実現できる。この場合、プロファイルに応じて、対応するオプションが定義され、前記オプションが選択され、次いでオペレータ制御機能の間接起動が生じる。直接または間接起動の一例として、運転者が自分の車両でリバースギアを選択し、その結果、可動リアローラーブラインドが引き込まれるか、またはリアローラーブラインドの引込みがオプションとして提案される場合がある。
【０００９】
本発明の有利な一実施形態では、ユーザのために、ユーザの定義済みユーザグループへの指定に従って内容依存プロファイルを選択する。その結果、特定のグループ関連情報要件が満たされるという点で、特定の利便性がさらに向上する。たとえば、ユーザのユーザグループへの指定では、車両または車両のメーカーがユーザにとって既知であるかどうかを考慮に入れる。本明細書では、第１のユーザグループは車両または車両のメーカーが新しいユーザを含み、第２のユーザグループは経験のあるユーザを含む。たとえば、ユーザが第１のユーザグループに指定された場合は、特定の内容依存プロファイルがそのユーザのために定義され、前記プロファイルが、たとえばオペレータ制御要素に関連する、データの説明による追加出力を生じさせる。あるいはまたはさらに、ユーザが第１のユーザグループに指定された場合には、車両およびそのオペレータ制御要素に関する短い説明が可能となる。上述したユーザグループへの指定は、たとえばサービスショップへの訪問の範囲内で実施される。したがって、車両が返されてくると、「新しいユーザ」プロファイルが定義できる。後にそのサービスショップを一回訪問すると、「経験のあるユーザ」グループを定義することが可能となる。
【００１０】
予め定義可能なユーザグループのさらなる可能性に、たとえば予め定義可能な車両の反応に対して、車両の機能に関する説明形式のデータまたは技術説明を供給する「興味を有するユーザ」プロファイルを選択することがある。ユーザを身体障害者のためのユーザグループに指定することにより、特定の状況においてユーザをサポートするためにプロファイルに応じてデータを出力することが可能となる。たとえば、プロファイルに応じて、ユーザを「聴覚障害」ユーザグループに指定すると、標準手法に従ってオペレータ制御要素が車両内に可聴フィードバックを提供した場合、補足画像データが出力される。さらに、ユーザを複数のユーザグループに指定することもできる。ユーザが複数のユーザグループに指定され、したがってそのユーザのために複数のプロファイルが指定された場合は、異なるプロファイルに異なる優先順位を割り当てることが好ましい。２つ以上のプロファイルからオプションを表示するため、かつ／またはデータを出力するため（以下、話を簡単にするために、オプションまたはデータを出力することについてのみ言及する）の信号が存在する場合は、正しい順序でかつプロファイルの優先順位に応じて、オプションまたはデータが出力される。本明細書では、たとえば、最も高い優先順位を有するオプションまたはデータが直ちに出力され、さらに、さらなるオプションまたはデータを出力させるために、ユーザが選択できるオプションが示される。複数のユーザ、たとえば、車両を運転するユーザ、前部座席の同乗者であるユーザ、車両の後部に座っているユーザについて別個のプロファイルを定義することも可能である。車両の運転者のために定義されたプロファイルにおいては、たとえば運転の安全性に関連する機能が提供され、後部座席の同乗者のために定義されたプロファイルにおいては、たとえば音声およびマルチメディア機能が提供される。上述した方式により、車両の運転者については、内容依存プロファイルにより、操作上の信頼性、従って交通上の安全性が向上し、後部座席の同乗者については、操作上の利便性が向上し、使用可能なオペレータ制御機能についての総合的な情報が提供される。したがってさらに、さらなるプロファイルを定義することも可能となる。たとえば、サービス技術者のための特定のプロファイルに、車両の診断に関するオプションの表示および／またはデータの出力を提供することも可能となる。
【００１１】
本発明のさらに有利な実施形態では、予め定義可能な車両の環境のための内容依存プロファイルを選択する。本明細書では、ユーザが変更の通知を受け、その結果、ユーザが良いタイミングで経路に関して変更された条件についての準備ができるようにするオプションおよび／またはデータがプロファイルに応じて出力されるという事実により、走行の行程が決定される。たとえば、ユーザは、新しい条件に合うオペレータ制御機能についての情報を得、これらの機能を起動することが可能である。したがって、車両のディジタルロードマップ内の一属性として格納されている悪条件の道路の場合には、プロファイルに応じてオプションを表示すること、かつ／または（自動車の最低地上高を設定する）乗車レベルコントローラーのオペレータ制御要素に関連するデータを出力することが可能である。さらに、たとえば、国特有のプロファイルを定義することが可能である。国境を越えたことが検出されると、国特有の交通規則についての情報がプロファイルに応じて提供され、車両の位置を突き止めるための従来の装置が、たとえば、国境を越えたことを識別するために使用される。
【００１２】
本発明のさらなる改善においては、車両のタイプに従って内容依存プロファイルが定義される。その結果、ユーザは、特定の時間にそのユーザが使用する車両のタイプが変更した場合に起こる変更についての通知を受ける。ユーザが、たとえば自分の車両のメーカーの以前の車両のモデルからより新しいモデルに変更した場合は、以前に使用していた車両と比べて変更されたまたは新しいオペレータ制御要素に関するオプションまたはデータのみが、そのユーザに出力される。このことは、たとえば車両に追加設置する場合またはソフトウェアを更新する場合に、同様の方式で適用される。いずれの場合においても、現在の車両とユーザにとって既知である車両との差が、まず判断される。次いで、そのユーザのためにこの差に関連付けられているオプションまたはデータのみが、プロファイルに応じてユーザに出力される。その結果、ユーザは、プロファイルに応じて、現在使用されている車両が提供する可能性について通知を受ける。これらの内容依存プロファイルは、車両のタイプに従って、ユーザのために個々に定義されることが好ましい。本明細書では、たとえば、新しくなった内容を一回だけ説明する「第１のユーザ」プロファイルが存在し、「第２のユーザ」プロファイルは、走行が開始された場合はいつでも特定の時間内にこれらの変更を説明することが可能である。
【００１３】
少なくとも１つの現在の車両の変数に応じて、オプションおよび／またはデータを出力する内容依存プロファイルを定義することが非常に有利である。現在の車両の変数とは、たとえば、座席加熱システムの加熱レベルや走行用コンピュータによって判断される現在使用可能な燃料量を有する車両の範囲などの、現在測定されているセンサデータまたは車両のシステム状態である。その結果、車両のユーザが、プロファイルに応じて、車両の変数から導出された状況に対応するデータがユーザに出力されるという事実により、特定の状況について特に素早く通知を受けることができる。たとえば、車両を発進する過程で車輪がスピンした場合には、ＴＣＳ（トラクションコントロールシステム）に関連するオプションまたはデータを出力できる。ＴＣＳをオフにするためのオペレータ制御要素に注意を向けさせる、かつ／またはユーザが以前に問合せをしたか否かに係わらず、直接起動する、すなわち機能停止を生じさせるという事実により、プロファイルに応じて、「切る」（車両を発進する過程で、ユーザが一時的にＴＣＳをオフにする）命令を出力することも可能である。パンクまたは事故の場合には、たとえば、緊急状況での正しい挙動に関する、かつ／または車両内の三角警告板の位置に関するオプションまたはデータを出力することが可能である。車両の変数はまた、たとえば、ＸＦＣＤ（「拡張フローティングカーデータ」）によりワイヤレス方式で車両の外から送信することもできる。したがって、前方の経路の気象条件についてのセンサデータを車両内に送信することが可能である。次いで、ユーザには、ユーザがこれらの条件に有利な形で自分の車両内の空調システムを設定できるように、プロファイルに応じてオプションまたはデータが出力される。
【００１４】
本発明のさらに有利な実施形態では、ユーザによって実施される制御操作のための可能性チェックが提供され、オプションおよび／またはデータは、その可能性チェックの結果に応じて出力される。このことにより、ユーザがオペレータ制御エラーをした場合またはアルゴリズムがオペレータ制御問題を検出した場合に、ユーザが、プロファイルに応じて、オペレータ制御機能またはそのオペレータ制御要素についての情報を受けるという事実により、オペレータ制御の信頼性が向上し利便性が向上する。その結果、たとえば雨が降っている時に、短時間に走行ビームおよび／または表示灯のためのオペレータ制御要素を同時に多く使用する場合、選択するためのオプションとして、ウィンドシールドワイパーのオペレータ制御に関するデータ、特にオンにするための方法を提示するかつ／または出力することが可能である。
【００１５】
本発明のさらなる構成においては、車両の変数および／またはオペレータ制御操作がメモリ内に格納される。第１のステップでは、プロファイルに応じて、オプションが表示される、かつ／またはデータが出力される前に、このメモリに問合せが行われる。直前の車両の変数またはオペレータ制御操作に関連する値がメモリ内に格納されている場合は、これらの値がチェックされて、それらを現在のオプションの表示においてかつ／または現在のデータの出力において考慮に入れるべきかどうかが判断される。このためさらに、オプションおよび／またはデータの迅速な選択が個々にユーザに一致するという事実により、操作上の利便性が向上する。たとえば直前のオペレータ制御操作を分析することから、かつたとえばユーザが通常行うオペレータ制御ステップの場合に、情報の表示およびデータの出力を抑制することが可能であるという、現在のオペレータ制御操作に関連する結論を引き出すことができるという事実により、いわば「メモリ」が提供される。たとえば、あるユーザに特有のオペレータ制御ステップが検出され、オペレータ制御問題としてもはや分類されず、説明によるデータが出力されるという事実により、オペレータ制御問題の分類または現在の車両の変数のカテゴリー分類も改良される。（たとえば、ニューラルネットワークを用いて）たとえば「人工知能」の方法を使用することにより、このような認識が達成できる。上述したメモリ内に格納されている値のチェック結果を使用することにより、現在定義されている内容依存プロファイル自体に修正を行うこと、かつ／または異なる内容依存プロファイルを検索し、その後定義することも可能である。
【００１６】
自動車のための操作説明書の少なくとも一部が、自動車に関連する情報として表示されれば、有利である。このことに適切な方法が、参照によりその内容が本明細書に含まれている、出願時には公開されていないドイツ特許出願DE１９９ ５９ ７５５．３−２１号明細書に記載されている。この方法においては、自動車の現在の機器可変要素が直前のステップで判断され、第２のデータベースがこの判断された可変要素に応じて第１のデータベースから生成され、この第２のデータベースは、自動車の現在の機器可変要素のためのオペレータ制御に関する情報のみを備える。このようにして、自動車およびそのオペレータ制御要素に関連する情報の状態が連続的に更新されることが確実となる。
【００１７】
ユーザのための自動車またはそのオペレータ制御要素の情報に関連するデータを処理し出力するための装置が、情報に関連するオプションを表示するための手段（以下、略して第１の出力手段と呼ぶ）と、ユーザが少なくとも１つのオプションを選択するための手段（以下、略して選択手段と呼ぶ）と、選択されたオプションに関連するデータを出力するための手段（以下、略して第２の出力手段と呼ぶ）と、少なくとも１つの定義済み内容依存プロファイルを参照して、プロファイルによって特徴づけられ、かつプロファイルおよびオプションに応じてデータを出力するいくつかのオプションを生成する処理ユニットとを備える。この処理ユニットは、たとえば車両のコンピュータ（車両内に配置された処理ユニット）として具体化できる。しかし、車両内の既存ユニット、たとえば制御装置の追加機能によって実施することもできる。
【００１８】
第１の出力手段および／または第２の出力手段は、たとえば、ＬＣＤ（液晶ディスプレイ装置）などの従来の設計のディスプレイユニットの形式で提供されるか、またはウィンドシールド（ヘッドアップディスプレイ装置）上に存在することができる。本明細書では、オプションおよび／またはデータの１組の特性（以下、これらの両方をデータセットと呼ぶ）に応じて、ディスプレイユニットを具体化することが有利である。たとえば、小さいデータセットは、車両内の既存ディスプレイ装置を用いて出力でき、比較的大きいデータセットは、ダッシュボード上またはセンターコンソール内に取り付けられたさらに比較的大きいディスプレイ装置を用いて出力される。これらの上述した可能性に加えて、オプションおよび／またはデータを表示する、さらに可能な複数の方法を実施できる。オプションおよびデータを出力することは、どのような技術機器を車両を有しているかにも依存する場合がある。たとえば、適切なディスプレイ装置が故障した場合に、あるデータ、たとえば新しいユーザのために車両に短い導入を形成するビデオシーケンスの出力を抑制することが可能である。もちろん、オプションおよびデータを出力するための統合ディスプレイ装置を備えることも可能である。第１の出力手段および／または第２の出力手段を選択手段とともに組み込むために、従来の接触式ディスプレイ装置（タッチスクリーン）が備えられることが好ましい。
【００１９】
あるいはまたはさらに、選択手段は、音声作動式コントローラーとして具体化できる。運転者が道路上の事象に視覚の注意を集中できるようにする、このような音声作動式コントローラーが、今日自動車内で既に使用されている。さらに、選択手段は、さらにまたはあるいは、従来の設計の手動オペレータ制御要素として具体化できる。手動オペレータ制御要素は、本明細書では、たとえば、ジョイスティックの形式でまたは複合回転／押しボタンつまみとして具体化され、いずれの場合にも情報のためのオプションの数によって異なる数のラッチ位置を有する。このようなオペレータ制御要素はまた、たとえばナビゲーション装置のオペレータ制御用として多くの車両内に既に存在し、有利に使用できる。さらに可能なオペレータ制御システムも提供できる。オプションまたは選択されたデータを出力するために、従来の設計の手段、たとえば可聴出力（たとえばオーディオシステム）または触覚出力（たとえばフォースフィードバックオペレータ制御要素であり、それが使用された場合には、対抗する力が前記オペレータ制御要素に働く）を提供することが可能である。入力するかつ／または出力するために使用される手段も、プロファイルに応じていろいろな方式で定義できる。たとえば、車両が定義済み制限速度を超えたとたん、可視出力が可聴出力と交換される。さらに、出力されるデータをさらに処理し、他のシステム、特に自動車内の援助システムに送ることができる。
【００２０】
本発明の例示的実施形態を、図面を参照しながらさらに詳細に説明する。本明細書では、すべての図において、対応する部分は同じ参照符号が付されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
図１は、処理ユニット３を備え、データＤを出力するための装置２を備えた自動車１を示している。装置２は、情報Ｉに関連するオプションＯｎを表示するための手段４（以下、略して出力手段４と呼ぶ）と、選択されたオプションＯに関連するデータＤを出力するための手段５（以下、略して出力手段５と呼ぶ）とを備える。２つの出力手段４および５は、たとえば、互いに離れて配置された２つのディスプレイ装置である。あるいは、両方の出力手段４および５は、ディスプレイ装置によって形成できる。さらなる代替形態または追加として、出力手段４および／または５のために可聴出力が提供される。さらに、処理ユニット３は、ユーザによって選択されるべき少なくとも１つのオプションＯのための手段６（以下、略して選択手段６と呼ぶ）を備え、この選択手段６は、別個のユニットとして具体化される。選択手段６は、たとえば音声作動式コントローラーとして具体化される。さらにまたは、情報のためのオプションＯｎの数によりそれぞれ異なる多数のラッチ位置を有する、従来の設計の手動オペレータ制御要素、たとえばジョイスティックや複合回転／押しボタンつまみとして具体化できる。さらなる代替形態として、ユーザの身振りおよび／または手振りを認識する手段を備えることが可能であり、ユーザの身体の動きまたは顔の表情を検出し、次いで分類し、対応するオペレータ制御要求に指定し、次いでこれを参照して、この各オペレータ制御操作が実施される。
【００２２】
処理ユニット３には、少なくとも１つの構成要素７から値Ｗが供給される。この構成要素７は、たとえば、現在の速度を測定する車両に取り付けられたセンサ、または車両の座席の可能性を設定するために設けられた制御ユニットである。しかし、たとえば他の車両から、かつ／または舗装道路の縁に配置された局部送信装置から、ワイヤレス方式で車両内に値を送信することも可能である。さらに、たとえば、センサデータおよび／またはオペレータ制御操作などの値Ｗｎを格納するための手段８が設けられる（以下、格納手段８と呼ぶ）。格納手段８は、従来の設計を有する処理ユニット３の通常の周辺構成要素の一部として具体化できる。
【００２３】
さらに、少なくとも１つの内容依存プロファイルＰが、少なくとも１つのプロファイル選択手段１０によりメモリ９から選択され、 処理ユニット３に送られる。プロファイル選択手段１０は、これに適切なスイッチ、たとえば回転または押しボタンスイッチを備えることができる。ユーザは、そのために設けられ処理ユニット３によって感知されるスイッチ位置にスイッチを置き、その後、メモリ９からユーザによって選択され、それらをユーザに割り当てる、１つまたは複数の内容依存プロファイルＰを検索する。あるいは、プロファイル選択手段１０は、（ユーザの「指紋」を検出する）指紋センサとして、エンジンの始動装置に接続される。ユーザがエンジンの始動手順を開始すると、ユーザはプロファイル選択手段１０によって識別される。次いで、ユーザのために提供される少なくとも１つの内容依存プロファイルＰが、メモリ９から検索され、ユーザのために定義される。同様に、プロファイル選択手段１０としてプロセッサユニット３の特定のインターフェースを提供することが可能であり、そのインターフェースに対して、たとえば、内容依存プロファイルＰを定義するための従来の診断装置を接続できる。あるいはまたはさらに、メモリ９とプロファイル選択手段１０との組み合わせのために、電子データキャリアを備えることができ、ユーザは、前記データキャリア、たとえば運転者特有のチップカードを携帯し、車両に接続された装置にそれを導入することができる。処理ユニット３によって評価され、そのユーザにとって適切な内容依存プロファイルＰの選択を生じるユーザ特有の値は、チップカードに格納される。電子データキャリアを使用して、他の値を格納することもできる。たとえば、データキャリアを、たとえばセンサデータおよび／またはユーザのオペレータ制御操作などの値Ｗｎを格納するために備えることもできる。
【００２４】
あるいはまたはさらに、メモリ９を、車両の外に備えることもできる。メモリ９は、たとえばサービスセンター（各サービスの加入者がワイヤレス方式で使用できるデータベースを備えた中央処理装置）内に備えることができる。ユーザのために設けられた内容依存プロファイルＰが、この制御センター内で、ユーザが携帯しているトランシーバユニット（「無線鍵」）が車両の始動手順を開始したことが検出されると、サービスセンターから車両内にワイヤレス方式で転送される。あるいはまたはさらに、サービスセンターを使用して、たとえばセンサデータおよび／またはユーザのオペレータ制御操作などの車両関連の値Ｗｎを格納することもできる。
【００２５】
情報Ｉの選択、情報Ｉに対して生成されるオプションＯｎのタイプおよび数、各データＤの出力は、処理ユニット３を用いて内容依存プロファイルＰによって制御される。出力されるデータＤは、プロファイルおよび／またはオプションに応じてデータベース１１から選択され、出力手段５を使用して読み取られ、出力される。装置２のタイプおよび設計により、データベース１１は自動車１内に組み込まれる。あるいはまたはさらに、外部データベース１２からのデータを、ワイヤレス送信Ｒを用いて処理装置２によって読み取ることができる。この外部データベース１２は、上述したサービスセンター内に備えることができる。
【００２６】
図２は、情報Ｉに関連するデータＤを出力するための装置２のさらなる実施形態を示している。装置２は、２つの別個のネットワーク１３および１４を有し、ネットワークは、それぞれが複数の伝送路に接続されているネットワークノードのユニットとして具体化される。この分散型設計は、図１に示される装置２の機能ユニットを、構成要素７の値Ｗが収集され条件づけられるネットワーク１４に分割し、出力されるデータＤの格納、その条件づけおよび出力は、ネットワーク１４によって実施される。ネットワーク１３、１４は、伝送路１５によって互いに接続される。２つのネットワーク１３、１４を伝送路１５に接続するために、ゲートウェイネットワークノード１６がネットワーク１３に設けられ、ゲートウェイネットワークノード１７がネットワーク１４に設けられる。図２に概略が示されているように、２つのネットワーク１３、１４は、異なるアーキテクチャを有し、したがって異なる要件のために構成される。ネットワーク１３は、木構造を有し、構成要素７と、格納手段８と、メモリ９と、関連づけられたディスプレイユニット１８とを備える。それと対照的に、ネットワーク１４は、リング構造を有し、特に多量のデータを送信するのに適切であり、データベース１１と、関連づけられた大型ディスプレイユニット１９とを備える。
【００２７】
図３は、装置２の一実施形態の平面図を示している。装置２は、自動車１のダッシュボード内に、ディスプレイユニット１８と、オプションＯｎを選択するための手段としての選択手段６と、ディスプレイユニット１９とを備える。処理ユニット３を用いて、情報Ｉに関連するデータＤが、プロファイルおよび／またはオプションに応じてディスプレイユニット１８に表示される。同時に、情報Ｉは、さまざまなタイプのデータＤを含むことのできるグローバルタームを指定する。図２０に示されるように、警告ディスプレイ装置の説明、および自動車１の状態と例外的な状況および適切なオペレータ制御機能の変更が、処理ユニット３によりディスプレイユニット１８に出力される。短い情報の形式でディスプレイユニット１８に既に出力されているデータＤに関連する、より広範囲な情報要求がある場合には、さらなるデータＤが、プロファイルに応じてディスプレイユニット１９に詳細な説明として出力される。ディスプレイユニット１８、１９は、この点において、それらのサイズ、タイプ、配置の点で、適宜具体化される。
【００２８】
さらにまたはあるいは、図４に例として示されているように、データを出力するための情報Ｉに関連するオプションＯが、ディスプレイユニット１８に表示される。各情報を記述するデータＤを出力するための各オプションＯｓが、選択手段６を操作することによって選択される。手動操作制御要素６を用いてユーザにより情報Ｉのための直接要求がある場合には、対応するデータＤが、ディスプレイユニット１９に出力される。このデータは、図２２に示されるように、オンラインヘルプと、キーワード／主題探索機能と、初期命令機能と、オペレータ制御スイッチの説明とを備える。
【００２９】
図４は、出力手段４または５に表示され、装置２によって生成される画像を例として示している。画像は、装置２が基本状態である場合に、プロファイルに応じて装置２によって生成される。この状態において、ユーザは、プロファイルに応じてデータＤを直接要求することができる。内容依存プロファイルに応じて、ユーザには、図４に示されるように、選択するために、情報Ｉ「自動車情報システム」に関連するオプション０１から０７が提供される。ユーザは、選択手段６を使用して対応するオプション０１、０２を選択することにより、多目的計器およびセントラルユニットに関連する、説明によるデータＤおよび／またはさらなるオプションＯを検索できる。本明細書では、選択によって選択できる２つの第１のオプション０１、０２に関連するさらなるオプション０８、０９が、既に定義されている。オプション０１は、プロファイルに応じて既に選択されている。さらに、ユーザは、オプション０３「主題探索」を選択することにより、さらなる説明を望む主題を選択的に探索することができる。ユーザが、オプション０４「スイッチの説明」を選択すると、個々のオペレータ制御要素に関連するデータＤおよび／またはさらなるオプションＯを直接出力させることができる。ユーザがオプション０５「初期命令」を選択することにより、ユーザが初めて自動車を使用している場合にユーザにとって有利なデータＤおよび／またはさらなるオプションＯを出力させることができる。オプション０６「最後の主題」を選択することにより、ユーザが以前に一度既に要求したことのあるデータがユーザに出力される。オプション０７「設定」を選択することにより、ユーザには本発明による装置自体に関する情報が提供される。
【００３０】
図５は、出力手段４または５に表示されるさらなる画像を例として示している。画像は、装置２が、オプションＯが既に選択されている状態であることをユーザに表示する。この状態においては、ユーザは、 対応するデータＤを、プロファイルに応じて、かつ各オプションＯを選択することによりオプションに応じて、自動的に出力させることができる。同様に、いくつかの記号Ａが、いくつのオプションＯが既に選択されたかをユーザに知らせる。本明細書では、それぞれに生成された画像は、階層的構造として重なって写し出される。本発明によれば、プロファイルに応じてこのような画像を直接表示することにより、別のやり方ではこの画像の表示に先立って行う面倒な選択プロセスが回避される。記号Ａを直接選択することにより、各画像を階層的構造で直接表示させることができる。記号Ｗが、さらなるオプションＯが生成されていることをユーザに知らせ、記号Ｗを選択することにより、これらを「スクロールする」ことができる。
【００３１】
図６は、ディスプレイユニット５に表示された画像を例として示している。この画像は、装置２が出力されたデータＤを有する状態である場合に、装置２によって生成される。このデータＤは、図６で明らかであるように、自動車１の操作説明書から得られたピクトグラムＰと、説明テキストとを有する。オプション０１１を選択することにより、さらなるデータＤを出力させることができる。オプション０１２を選択することにより、主題別関連データＤを、出力するためのオプションＯとして表示させることができる。オプション０１３を選択することにより、データＤによって説明されるオペレータ制御機能を起動させることができる。オプション０１４を選択することにより、直前の処理ステップによって生成された画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】自動車の情報に関連するデータを出力するための装置の一実施形態の概略ブロック回路図を示している。
【図２】本装置のさらなる実施形態の概略ブロック回路図を示している。
【図３】本装置の一実施形態の平面図を示している。
【図４】ディスプレイユニット上に表示され、基本状態の装置によって生成される画像を例として示している。
【図５】ディスプレイユニット上に表示され、あらかじめ選択されたオプションを有する状態の装置によって生成される画像を例として示している。
【図６】ディスプレイユニット上に表示され、出力データを有する状態の装置によって生成される画像を例として示している。

Claims (15)

1. ユーザのための自動車（１）の情報（Ｉ）に関連するデータ（Ｄ）を出力する方法であって、前記情報（Ｉ）に関連するいくつかのオプション（Ｏｎ）が表示され、前記オプション（Ｏｎ）の少なくとも１つが前記ユーザによって選択され、前記選択されたオプション（Ｏ）に関連するデータ（Ｄ）が出力され、少なくとも１つの内容依存プロファイル（Ｐ）が定義され、前記プロファイル（Ｐ）によって特徴づけられたいくつかのオプション（Ｏｎ）が生成され、前記データ（Ｄ）が、前記プロファイルおよびオプションに応じて出力される方法。
2. 出力される前記データ（Ｄ）に対応するオペレータ制御機能が、前記プロファイルおよびオプションに応じて実行される、請求項１に記載の方法。
3. 前記プロファイル（Ｐ）が、予め定義可能なユーザグループのために選択される、請求項１あるいは２に記載の方法。
4. 前記プロファイル（Ｐ）が、予め定義可能な車両環境のために選択される、請求項１〜３のいずれか一項に記載の方法。
5. 前記プロファイル（Ｐ）が、車両のタイプに従って選択される、請求項１〜４のいずれか一項に記載の方法。
6. 現在の車両の変数に応じて、前記オプション（Ｏｎ）が提示されかつ／または前記データ（Ｄ）が出力される、請求項１〜５のいずれか一項に記載の方法。
7. 可能性チェックが、前記ユーザによって実施される制御操作のために実施され、前記チェックの結果に応じて、前記オプション（Ｏｎ）が提示されかつ／または前記データ（Ｄ）が出力される、請求項１〜６のいずれか一項に記載の方法。
8. 直前の車両の変数（Ｗ）および／または直前の制御操作が格納され、これらの格納された値（Ｗｎ）に応じて、前記オプション（Ｏｎ） が提示されかつ／または前記データ（Ｄ）が出力される、請求項１〜７のいずれか一項に記載の方法。
9. 前記データ（Ｄ）がさらに処理され、他のシステム、特に前記自動車内の援助システムに送られる、請求項１〜８のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記自動車の操作説明書の少なくとも一部が、前記自動車に関連する情報（Ｉ）として提示される、請求項１〜９のいずれか一項に記載の方法。
11. ユーザのための自動車（１）の情報（Ｉ）に関連するデータ（Ｄ）を出力する装置であって、前記情報（Ｉ）のためのオプション（Ｏｎ）を表示するための手段（４）と、前記ユーザによって選択される少なくとも１つのオプション（Ｏｎ）のための手段（６）と、前記選択されたオプション（Ｏ）に関連するデータ（Ｄ）を出力するための手段（５）とを備え、少なくとも１つの定義済み内容依存プロファイル（Ｐ）を参照して、プロファイル（Ｐ）によって特徴づけられたいくつかのオプション（Ｏｎ）を生成し、前記プロファイルおよびオプションに応じて前記データ（Ｄ）を出力する処理ユニット（３）が設けられた装置。
12. 少なくとも１つのディスプレイユニット（１８、１９）が、それを特徴づけるデータセットに応じて前記データ（Ｄ）を出力するために設けられた、請求項１１に記載の装置。
13. 前記選択手段（６）が音声入力として具体化される、請求項１１あるいは１２に記載の装置。
14. 前記選択手段（６）が手動オペレータ制御要素として具体化される、請求項１１〜１３のいずれか一項に記載の装置。
15. 前記オプション（Ｏｎ）および／または前記データ（Ｄ）を可聴出力するための手段が設けられた、請求項１１〜１４のいずれか一項に記載の装置。

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