JP2004523645A - ナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液、該水性分散液の製造法および該水性分散液の使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、酸化亜鉛粒子の表面がpH値≧7で負の電荷を有し、分散液中のナノ粒子酸化亜鉛の含量が0.01〜30質量%であることを特徴とする、30nm以下の平均1次粒径および100nm以下の平均凝集サイズを有するナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液、該水性分散液の製造法、およびラテックス成形品の加硫のための加硫活性剤としての該水性分散液の使用に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液、該水性分散液の製造法および該水性分散液の使用に関する。
【0002】
ナノ粒子系により、一方では、より大きな粒子を用いては実現不可能であろう適用、例えば、透明な適用物におけるナノ粒子の無機UV吸収体の使用下におけるUV保護の適用への道が開かれ、また他方ではナノ粒子は適用分野において著しい効果の改善を可能にし、その際、活性種の可能な限り広い表面および均一な分布は重要である。
【0003】
従って、ナノ粒子系を利用可能にするために、系のナノ粒子の状態を適用まで維持することは殊に重要である。このために、製造により得られた粒子を適用固有の配合物中に再分散させることはしばしば不可欠である。この場合、一方では長期間に亘り、かつ広い温度範囲に亘って沈降安定であり、また他方では別の分散液成分、例えば電解質または電荷を有する粒子に対して反応しないナノ粒子配合物およびナノ分散配合物を製造することは特別な難題である。
【0004】
例えば、ナノ粒子酸化亜鉛は、その両性の特性および等電点の位置(pH約9.5)に基づき、水中で容易に安定に分散することは不可能である。殊に、添加された電解質およびイオン性分散液成分に対して、非常にわずかな安定性であるに過ぎない。しかしながら、酸化亜鉛の水性分散液はpHが>9.5の値にずれることにより容易に安定化されることはできず、それというのも、分散液の不安定化は等電点の超過に関連しているからである。
【0005】
安定化のもう1つの可能性は、等電点をより低いpH値へとずらすことである。これは、原理的にポリ電解質を使用することにより起こり得る。このような処理はWO-A 95/24359に記載されており、この刊行物において、ポリアクリル酸のナトリウム塩は、酸化亜鉛を粉砕する際の粉砕添加物として使用されている。しかしながら、DE19907704A1により製造された酸化亜鉛ナノ粒子の水性分散液のために、ポリアクリル酸塩を添加した際、安定化の効果ではなく、不安定化の効果が見出された。
【0006】
近年、さらに、酸化亜鉛粒子を密で非晶質のSiO2層で被覆することにより、シリケート表面の公知の良好な水分散性を利用する安定化の方法が記載されている。例えばUS-A5914101には、粒状の酸化亜鉛と安定剤とからなる水性分散液が記載されており、この水性分散液中で、酸化亜鉛粒子は技術的に費用のかかる方法で、密で非晶質なSiO2の層で被覆される。この方法の欠点は、被覆が化学的活性の著しい損失を招き、従って例えば、触媒の目的のために不可欠である、酸化亜鉛の化学的特性が失われるという点にある。
【0007】
従って、本発明は、添加された電解質およびアニオン性分散液成分に対して反応しない、ナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された分散液を、上記の方法の欠点を有することなく開発するという課題に基づくものであった。
【0008】
本発明の課題は、以下で詳説された本発明による酸化亜鉛分散液により解決された。
【0009】
従って本発明は、30nm以下、有利に15nm以下の平均1次粒径および100nm以下、有利に50nm以下の平均凝集サイズを有するナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液を提供し、その際、この酸化亜鉛粒子の表面はpH値≧7、有利に≧8で負の電荷を有し、分散液中のナノ粒子酸化亜鉛の含量は0.01〜30質量%、有利に0.05〜20質量%、殊に0.05〜15質量%である。
【0010】
負の電荷とは、マレルバゼータサイザー(Malerva Zetasizer)を使用して微量電気泳動法により慣用の方法で測定された負のゼータ電位であると解釈される。
【0011】
本発明によれば、pH値≧7で測定され、<−30mVの負のゼータ電位として表示された負の電荷は、有利に<40mVである。
【0012】
本発明は、上記の平均1次粒径および平均凝集サイズを有する、アニオン性で安定化された水性酸化亜鉛分散液の製造法をも提供し、この製造法は、上記の1次粒径および凝集サイズを有する酸化亜鉛粒子を含有する水性酸化亜鉛分散液をアルカリシリケート溶液で処理し、その際、分散液中のナノ粒子酸化亜鉛の含量は0.01〜30質量%、有利に0.05〜20質量%、殊に0.05〜15質量%であることを特徴とする。
【0013】
アルカリシリケート溶液を用いた相応する酸化亜鉛分散液の本発明による処理により、本発明によるアニオン性で安定化された酸化亜鉛分散液が得られ、その際、 −上記の通り− 酸化亜鉛粒子の表面はpH値≧7で負の電荷を有している。
【0014】
本発明による方法は、有利に、適当な酸化亜鉛を、この酸化亜鉛の等電点を下回るpH値で水中に分散させ、アルカリシリケート溶液(以下で水ガラスと記載される)か、または水ガラスと塩基との混合物か、または水ガラスと塩基と安定剤との混合物を、酸化亜鉛が、凝集することなくアニオンの電荷逆転下に置かれるように添加することにより行われる。この添加は有利に強力な撹拌下に、殊に有利にロータステータ(Rotor-Stator)系、例えばウルトラツラックス(Ultraturrax)、ノズル噴射分散機または同様の装置の使用下に、または超音波作用下で行われる。
【0015】
使用可能なアルカリシリケートとして、殊にナトリウム水ガラスおよびカリウム水ガラスが挙げられる。
【0016】
1次粒子分散法または準(nahezu)1次粒子分散法により水中で容易に分散可能なナノ粒子酸化亜鉛の使用は有利である。30nm以下、有利に15nm以下の平均1次粒径を有するこの種の酸化亜鉛の使用は殊に有利である。DE19907704A1に記載されているようなアルコールまたはアルコール−水混合物中での亜鉛化合物の塩基性加水分解により得られる酸化亜鉛ゲルまたは懸濁液の使用は極めて殊に有利である。
【0017】
酸化亜鉛は水中に添加され、撹拌により分散される。この場合に生じる、濃度および分散状態に応じて半透明から乳白色である分散液は、ZnO約0.01〜30質量%、有利に0.05〜20質量%、殊に0.05〜15質量%を含有する。ZnO源としてメタノール含有ZnO懸濁液を使用する場合、メタノールは有利に例えば蒸留により水性懸濁液から除去される。分散液の安定性を改善するために、ここに適当な添加剤が添加されてよく、その際、ゲル化を回避する6−アミノヘキサン酸または比較可能な物質が有利である。
【0018】
分散された酸化亜鉛粒子の平均凝集サイズは、約100nm以下、有利に50nm以下である。1次粒子の粒径はTEMスキャン(透過型電子顕微鏡走査)により測定され、凝集サイズは超遠心分離測定により測定される。
【0019】
分散処理の温度は分散剤の凝固点とその沸点との間であってよく、有利に約10〜80℃であってよい。
【0020】
電荷逆転はアルカリシリケート水溶液を用いて行われることができ、その際、ナトリウム水ガラスが有利である。この場合、シリケート溶液は希釈されて使用されてもよいし、希釈されずに使用されてもよい。水溶液中のアルカリシリケートの濃度は、市販の35%シリケート溶液に対して約0.1〜10質量%、有利に0.5〜2質量%である。電荷逆転のために、または水性ZnO分散液の処理のために使用されるアルカリシリケート溶液の量は、上記の負の電荷がZnO粒子の表面上に形成されるように算出される。
【0021】
有利な実施態様において、アルカリシリケート溶液に塩基、有利にアルカリ水酸化物が添加される。水酸化ナトリウム水溶液の使用は殊に有利である。水溶液中の塩基の濃度は、1N NaOHに対して通常1〜10質量%、有利に4〜6質量%である。
【0022】
さらに有利な実施態様において、シリケート溶液に、塩基に付加的に安定剤が添加される。ポリアクリル酸塩、例えば5100の平均分子量を有するポリアクリル酸ナトリウム塩の使用は殊に有利である。水溶液中の添加された安定剤の量は、塩に対して約0.01〜1質量%、有利に0.05〜0.2質量%である。
【0023】
電荷逆転の温度は分散剤の凝固点とその沸点との間であってよく、有利に約10〜80℃、殊に有利に20〜60℃であってよい。
【0024】
電荷逆転は有利にウルトラツラックスを備えた反応器中で行われる。この場合、条件は、酸化亜鉛濃度に関してのみならず、混合条件および剪断力に関して、電荷逆転の際に酸化亜鉛が凝集しないように選択される。
【0025】
このようにして得られた酸化亜鉛分散液は、酸、例えば硫酸、塩基、例えば水酸化ナトリウム、緩衝物質、例えばリン酸ナトリウムの添加により、またはイオン交換器、例えばLewatiten(登録商標)を使用することにより、またはダイアフィルトレーションにより所望のpH値に調整される。イオン交換器の使用は有利である。
【0026】
必要であれば、このようにして得られた酸化亜鉛分散液は、例えば蒸留、遠心分離、または膜濾過により濃縮されてよい。
【0027】
さらに有利な実施態様において、水性酸化亜鉛分散液はまず適当な安定剤により安定化され、次いでアルカリシリケート溶液と反応される。
【0028】
選択的に、ZnO分散液をまず凝集させ、次いで再分散させることにより電荷逆転を行ってもよい。
【0029】
この場合、使用された酸化亜鉛は水中に添加され、撹拌により分散される。この場合に生じる、濃度および分散状態に応じて半透明から乳白色である分散液は、ZnO約0.01〜30質量%、有利に0.05〜20質量%、殊に0.05〜15質量%を含有する。
【0030】
電荷逆転は、水性酸化亜鉛分散液とシリケート水溶液とを合わせることにより行われる。この場合、濃度および混合条件は、酸化亜鉛が凝集するように選択される。
【0031】
凝集温度は分散剤の凝固点とその沸点との間であってよく、有利に約10〜100℃、殊に有利に20〜70℃であってよい。
【0032】
凝集後、この直後かまたは比較的長い撹拌後(この撹拌は上記の温度範囲で実施されてよい)、上澄みは濾過、沈降または遠心分離により凝集物から分離されてよい。
【0033】
分離された凝集物は、水を添加することにより再分散されてよいが、しかしながら水/安定剤混合物を添加することにより再分散されてもよく、この際、水/ポリ電解質混合物は有利であり、水/ポリアクリル酸ナトリウム塩混合物は殊に有利である。この再分散は撹拌により、場合により高められた温度で、有利に高い剪断力下に、殊に有利にロータステータ系を使用することにより、および/または超音波の作用下に、および/またはノズル噴射分散機の作用下に行われてよい。
【0034】
再分散されたフラクションは、濾過、沈降、遠心分離または適当な分離処理により、非分散残渣から分離される。分散された材料の良好な収率を得るために、再分散および分離の処理は数回繰り返されてよい。
【0035】
このようにして得られた酸化亜鉛分散液は、再度、酸または塩基の添加により、またはイオン交換器の使用より、所望のpH値に調節されることができる。
【0036】
必要であれば、このようにして得られた酸化亜鉛分散液は、例えば蒸留、遠心分離、または膜濾過により濃縮されてよい。
【0037】
本発明のさらに有利な実施態様において、水性酸化亜鉛分散液はまずpH値を変化させることにより、有利にアルカリ水酸化物水溶液を添加することにより不安定化され、次いで沈殿後上澄みから分離され、その後水または再度水/安定剤混合物を用いて取り出され、その際、水とポリアクリル酸のナトリウム塩との混合物は有利である。これは撹拌により、場合により高められた温度で、有利に高い剪断力下に、殊に有利にロータステータ系を使用することにより、および/または超音波の作用下に、および/またはノズル噴射分散機の作用下に行われてよい。
【0038】
このようにして得られた分散液は、アルカリシリケート水溶液を添加することにより、上記のように凝集を招くことなく安定な分散液へと変化されることができる。
【0039】
本発明は、ラテックス成形品の加硫の際の加硫共活性剤としての、本発明によるナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性の安定化された分散液の使用をも提供する。
【0040】
本発明によるナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性の安定化された分散液は、 −上記の通り− 天然ゴムおよび合成ゴムの全ての型をベースとしたラテックスの製造の際の加硫共活性剤として使用されることができる。
【0041】
ラテックスの製造のために使用できる適当なゴムには、種々の天然ラテックスゴムに加え、例えば以下のような合成ゴムが含まれる:
ポリイソプレン、
アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、
カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、
自己架橋基を有するカルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、
スチレン/ブタジエンコポリマー、
カルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマー、
自己架橋基を有するカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマー、
アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、
カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、
自己架橋基を有するカルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、および
クロロブタジエンラテックスおよびカルボキシル化クロロブタジエンラテックス。
【0042】
しかしながら、天然ラテックス、カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーおよびクロロブタジエンラテックス並びにカルボキシル化クロロブタジエンラテックスは好ましい。
【0043】
種々のゴムラテックスの加硫において、本発明による酸化亜鉛分散液は、加硫の際、ラテックス混合物100質量部に対して約2.0〜0.01、有利に0.5〜0.05の量で添加される(ドライ/ドライ)。
【実施例】
【0044】
実施例
コロイドZnO含量の光学的測定を、別に記載がない限り、Shimadzu UVVIS分光計を用いて、1cmの石英セルを使用して実施した。吸光係数としてε302=12.4L/(gxcm)を選択した。
【0045】
石英セル(1cm)中でUVVIS分光計(上記参照)を用いて350nmおよび400nmで測定された吸光係数を、ZnOナノ分散液のための品質特性Qとして採用した。これは、Qの値が高くなるほど、スペクトル中に含まれる分散されたフラクションは少なくなり、かつ分散液中に含まれる酸化亜鉛粒子はより良好に分散されることを意味する。
【0046】
遠心分離処理を、別に記載がない限り、22.9cmのロータ(ビーカー中心までの半径)を備えたHeraeus社の実験室遠心分離機(Cryofuge 6000i)中で実施した。
【0047】
実施例1
成分A:
水1000g中の6−アミノヘキサン酸10gの溶液を、DE19907704A1から製造された33.65%メタノール系ZnOナノ粒子懸濁液489.4gに添加し、さらに水を添加して4500gとし、撹拌(30分間)により分散させた。含まれるメタノールを蒸留により分散液から除去し、水を添加することにより、分散液を3%ZnOとなるように調整した(5010g、pH=7.2、品質特性Q=73)。
【0048】
成分B:
Aldrich社製ナトリウム水ガラス6.8gを1N NaOH34gおよびポリアクリル酸ナトリウム1.26g(Fluka 5100(平均分子量))と混合し、水を添加して835gとした。
【0049】
成分A1670gと成分Bの全量とを別個の貯蔵容器中に装入し、ホース導管により50ml/分(A)および25nm/分(B)の速度で、水300mlを含む混合室中に供給し、全体をウルトラツラックス(IKA, T25 Basic, Type S25N-18G 分散装置)を用いて24000r.p.m.で完全に混合した。AとBとの混合により形成された生成物を75ml/分の速度で連続的に混合室から受け器に排出した。前流分(Vorlauf)396.2gと後流分(Nachlauf)266.9gとを分離した後、2%ZnO分散液(Q=43)2042.3gが得られた。弱酸のイオン交換樹脂14.6g(固形量;Lewatit(登録商標)CNP80WS, Bayer AG)をこの分散液に添加し、60℃で25分間撹拌した。イオン交換樹脂を分離した後、室温におけるpH値は8.3であった。水60g中に溶解させたさらなるポリアクリル酸ナトリウム2.9gをこの分散液に添加した(2054g)。この分散液931.8gを回転蒸発器中で蒸発させることにより濃縮させ、ZnOの最終濃度を11%とした(Q=33)。
【0050】
このようにして得られた分散液の超遠心分離測定により、33nmの平均凝集サイズが得られた(質量分布のd50値)。
【0051】
実施例2(比較)
(水ガラスなし)
例1の記載に従って製造された3%水性分散液1650g(成分A)および1N NaOH33.8gとDispex N 40 3.25gと水とからなる混合物825g(成分B)を、別個の貯蔵容器中に装入し、ホース導管により50ml/分(A)および25nm/分(B)の速度で、水300mlを含む混合室中に供給し、この混合室中でウルトラツラックス(IKA, T25 Basic, Type S25N-18G分散装置)を用いて24000r.p.m.で混合した。AとBとの混合により形成された生成物を75ml/分の速度で混合室から連続的に受け器に排出した。前流分(Vorlauf)395.4gと後流分(Nachlauf)248.1gとを分離した後、2%ZnO分散液(Q=17)2039.1gが得られた。弱酸のイオン交換樹脂15.5g(固形量;Lewatit(登録商標)CNP80WS, Bayer AG)をこの分散液に添加し、60℃で15分間撹拌した。イオン交換樹脂を分離した後、室温におけるpH値は8.3であった。短い放置時間の経過後、分散液が偏析していることが認められた。
【0052】
実施例3
(本発明による凝集処理によるアニオン性で安定化された分散液の製造)
DE19907704A1の記載に従って得られ、塩不含となるように向流限外濾過により洗浄された31.2%メタノール系酸化亜鉛分散液200gを、ビーカー中で水を添加して833gとし、翼型撹拌機を用いた撹拌により分散させた(30分間)。次いで、分散液を回転蒸発器中で浴温50℃で濃縮して600gとした。
【0053】
容量1Lのビーカー中に、ナトリウム水ガラス10.3gと1N 水酸化ナトリウム20.8gと水278gとからなる混合物を装入し、ウルトラツラックス(IKA, T25 Basic、18000r.p.m.で)を用いて強力に撹拌しながらZnO分散液を滴下漏斗を介して4分間に亘り添加した。添加の終了後、ウルトラツラックスを用いてさらに1分間撹拌し、フラスコ中に移し、翼型撹拌機を用いて60℃で20分間撹拌した。氷浴中で冷却した後、4240r.p.m.で60分間遠心分離を行った。上澄みを傾瀉し、残渣を水300g中に取り出し、30分間撹拌した。溶液を再度遠心分離にかけ、(4240r.p.m.、60分間)上澄みを傾瀉した。残渣を合わせ、0.1%ポリアクリル酸ナトリウム溶液500gを添加し(Fluka, ポリアクリル酸ナトリウム、5100)、ウルトラツラックス(IKA Werke, T25 Basic)中で18000r.p.m.で7分間分散させた。非分散フラクションを遠心分離により分離した(4240r.p.m.、40分間)。分散処理をさらに2回繰り返し、残渣を集めた(1607g、3.17%ZnO、Q=33)。このようにして得られた、アニオン性で安定化されたZnO分散液を、弱酸のイオン交換体(Lewatit(登録商標)CNP 80 WS)を用いてpH=8.5に調節し、ポリアクリル酸ナトリウム3.4gを添加し(Fluka、ポリアクリル酸ナトリウム、5100)、混合物を回転蒸発器中で浴温60℃で濃縮して475gとした。次いで、混合物をまず1μmの膜フィルターで、次に0.2μmの膜フィルターで濾過した。得られた分散液は9のpH値、10.14%のZnO含量および32のQ値を有していた。元素分析により、8.5%のZn含量が得られ、これは酸化亜鉛10.6%に相当する。
【0054】
超遠心分離測定により、28nmの平均凝集サイズが得られた(質量分布のd50値)。
【0055】
実施例4
ラテックス成形品を製造するための、実施例3から得られた分散液の使用
HA型の天然ラテックス167gと、10%水酸化カリウム溶液5.0質量部および安定剤、有利に20%ラウリン酸カリウム溶液1.25質量部とを、室温で撹拌しながら混合し、次いで安定化させる。次に、50%の濃度を有する粉砕された加硫ペースト7.8質量部を添加する。この加硫ペーストはコロイド硫黄1.5質量部、亜鉛ジチオカルバメート促進剤(ZDEC)0.6質量部、亜鉛メルカプトベンゾチアゾール促進剤(ZMBT)0.3質量部およびフェノールベースの老化防止剤1.0質量部および5%分散剤水溶液からなり、この場合この分散剤水溶液はナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウム塩からなる。次いで、この混合物を水の添加により45%の固体濃度に調節する。
【0056】
これに引き続き、30℃の温度で16時間に亘り熟成処理を行う。分布を改善するために、10.1%の濃度に調節された実施例3記載のようなナノスケールの酸化亜鉛0.1質量部を、熟成の直前に撹拌しながら添加する。
【0057】
この熟成されたコンパウンドを100μフィルターで濾過する。次いで浸漬処理を行うが、これは特別に準備されたガラスプレート上で行う。このガラスプレートは、微細な粒状のチョーク10%を添加した15%硝酸カルシウム溶液からなる凝集剤水溶液中に前もって浸漬され、乾燥されたものである。約0.20mmの被膜コーティングを得るために、このように準備されたガラスプレートを上記混合物中に約20秒間浸漬させる。
【0058】
このようにして製造された被膜を熱風中で80℃で(30分間)乾燥させ、その後すぐに120℃で5分間加硫を行う。
【0059】
このようにして製造された被膜を標準大気中で24時間に亘り状態調整し、その後、老化しないうちに強度試験を行い、この強度試験においてモジュール、強度および破断点伸びを測定する。
【0060】
結果は、明らかにより低い計量供給量において、酸化亜鉛白色シール(Weisssiegel)1.0質量部(29.1MPa/5分)または広い表面を有する酸化亜鉛0.5質量部(32.4MPa/5分)を用いた比較試験と比較可能な強度値(27.9MPa/加硫5分)を示す。
【0061】
300%伸びでのモジュールは、本発明によらない酸化亜鉛白色シール(WS)または広い表面を有する酸化亜鉛を使用した比較サンプルの場合よりも明らかに低い。この効果により、改善された摩耗性がもたらされる。
【0062】
破断点伸び(864%/5分)は、同様に、酸化亜鉛白色シール1.0質量部(790%/5分)または広い表面を有する酸化亜鉛0.5質量部(843%/5分)を用いた比較試験より高い値を示す。
【0063】
老化後の評価は、100℃での高温空気中で8時間、16時間および24時間貯蔵した後の安定性において明らかな改善を示す。ゴムの劣化は、本発明によらない酸化亜鉛の場合よりも緩慢に進行する。強度の低下はこの場合単に22.6%であるに過ぎない。通常使用される酸化亜鉛と比較して、強度の低下は37.2%である。
【0064】
実施例5
HA型の天然ラテックス167gと、10%水酸化カリウム溶液5.0質量部および安定剤、有利に20%ラウリン酸カリウム溶液1.25質量部とを、室温で撹拌しながら混合し、安定化させる。次に、50%の濃度を有する粉砕された加硫ペースト7.8質量部を添加する。この加硫ペーストはコロイド硫黄1.5質量部、亜鉛ジチオカルバメート促進剤(ZDEC)0.6質量部、亜鉛メルカプトベンゾチアゾール促進剤(ZMBT)0.3質量部およびフェノールベースの老化防止剤1.0質量部および5%分散剤水溶液からなり、この場合この分散剤水溶液はナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウム塩からなる。
【0065】
次いで、この混合物を水の添加により45%の固体濃度に調節する。
【0066】
これに引き続き、30℃の温度で16時間に亘り熟成処理を行う。その後、より良好な分布を達成するために、10.1%の濃度に調節された実施例3記載のようなナノスケールの酸化亜鉛0.05質量部を、熟成の直前に撹拌しながら添加する。
【0067】
この熟成されたコンパウンドを100μフィルターで濾過する。次いで浸漬処理を行うが、これは特別に準備されたガラスプレート上で行う。このガラスプレートは、微細な粒状のチョーク10%を添加した15%硝酸カルシウム溶液からなる凝集剤水溶液中に前もって浸漬され、乾燥されたものである。約0.20mmの被膜コーティングを得るために、このように準備されたガラスプレートを上記混合物中に約20秒間浸漬させる。
【0068】
このようにして製造された被膜を熱風中で80℃で(30分間)乾燥させ、その後すぐに120℃で5分間加硫を行う。
【0069】
このようにして製造された被膜を標準大気中で24時間に亘り状態調整し、その後、老化しないうちに強度試験を行い、この強度試験においてモジュール、強度および破断点伸びを測定する。
【0070】
結果は、明らかにより低い計量供給量においてさえ、酸化亜鉛白色シール1.0質量部(29.1MPa/5分)または広い表面を有する酸化亜鉛0.5質量部(32.4MPa/5分)を用いた比較試験と比較可能な強度値(29.6MPa/加硫5分)を示す。
【0071】
この場合、300%および700%伸びでのモジュールは、酸化亜鉛白色シール(WS)(本発明によらない)または広い表面を有する酸化亜鉛を使用した比較サンプルの場合よりも明らかに低い。この効果により、改善された摩耗性がもたらされる。
【0072】
破断点伸び(925%/5分)は、同様に、酸化亜鉛白色シール1.0質量部(790%/5分)または広い表面を有する酸化亜鉛0.5質量部(843%/5分)を用いた比較試験より高い値を示す。
【0073】
老化後の評価は、100℃での高温空気中で8時間、16時間および24時間貯蔵した後の安定性において明らかな改善を示す。ゴムの劣化は、本発明によらない酸化亜鉛の場合よりも緩慢に進行する。強度の低下はこの場合単に19.6%であるに過ぎない。通常使用される酸化亜鉛と比較して、強度の低下は37.2%である。
【0001】
本発明は、ナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液、該水性分散液の製造法および該水性分散液の使用に関する。
【0002】
ナノ粒子系により、一方では、より大きな粒子を用いては実現不可能であろう適用、例えば、透明な適用物におけるナノ粒子の無機UV吸収体の使用下におけるUV保護の適用への道が開かれ、また他方ではナノ粒子は適用分野において著しい効果の改善を可能にし、その際、活性種の可能な限り広い表面および均一な分布は重要である。
【0003】
従って、ナノ粒子系を利用可能にするために、系のナノ粒子の状態を適用まで維持することは殊に重要である。このために、製造により得られた粒子を適用固有の配合物中に再分散させることはしばしば不可欠である。この場合、一方では長期間に亘り、かつ広い温度範囲に亘って沈降安定であり、また他方では別の分散液成分、例えば電解質または電荷を有する粒子に対して反応しないナノ粒子配合物およびナノ分散配合物を製造することは特別な難題である。
【0004】
例えば、ナノ粒子酸化亜鉛は、その両性の特性および等電点の位置(pH約9.5)に基づき、水中で容易に安定に分散することは不可能である。殊に、添加された電解質およびイオン性分散液成分に対して、非常にわずかな安定性であるに過ぎない。しかしながら、酸化亜鉛の水性分散液はpHが>9.5の値にずれることにより容易に安定化されることはできず、それというのも、分散液の不安定化は等電点の超過に関連しているからである。
【0005】
安定化のもう1つの可能性は、等電点をより低いpH値へとずらすことである。これは、原理的にポリ電解質を使用することにより起こり得る。このような処理はWO-A 95/24359に記載されており、この刊行物において、ポリアクリル酸のナトリウム塩は、酸化亜鉛を粉砕する際の粉砕添加物として使用されている。しかしながら、DE19907704A1により製造された酸化亜鉛ナノ粒子の水性分散液のために、ポリアクリル酸塩を添加した際、安定化の効果ではなく、不安定化の効果が見出された。
【0006】
近年、さらに、酸化亜鉛粒子を密で非晶質のSiO2層で被覆することにより、シリケート表面の公知の良好な水分散性を利用する安定化の方法が記載されている。例えばUS-A5914101には、粒状の酸化亜鉛と安定剤とからなる水性分散液が記載されており、この水性分散液中で、酸化亜鉛粒子は技術的に費用のかかる方法で、密で非晶質なSiO2の層で被覆される。この方法の欠点は、被覆が化学的活性の著しい損失を招き、従って例えば、触媒の目的のために不可欠である、酸化亜鉛の化学的特性が失われるという点にある。
【0007】
従って、本発明は、添加された電解質およびアニオン性分散液成分に対して反応しない、ナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された分散液を、上記の方法の欠点を有することなく開発するという課題に基づくものであった。
【0008】
本発明の課題は、以下で詳説された本発明による酸化亜鉛分散液により解決された。
【0009】
従って本発明は、30nm以下、有利に15nm以下の平均1次粒径および100nm以下、有利に50nm以下の平均凝集サイズを有するナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液を提供し、その際、この酸化亜鉛粒子の表面はpH値≧7、有利に≧8で負の電荷を有し、分散液中のナノ粒子酸化亜鉛の含量は0.01〜30質量%、有利に0.05〜20質量%、殊に0.05〜15質量%である。
【0010】
負の電荷とは、マレルバゼータサイザー(Malerva Zetasizer)を使用して微量電気泳動法により慣用の方法で測定された負のゼータ電位であると解釈される。
【0011】
本発明によれば、pH値≧7で測定され、<−30mVの負のゼータ電位として表示された負の電荷は、有利に<40mVである。
【0012】
本発明は、上記の平均1次粒径および平均凝集サイズを有する、アニオン性で安定化された水性酸化亜鉛分散液の製造法をも提供し、この製造法は、上記の1次粒径および凝集サイズを有する酸化亜鉛粒子を含有する水性酸化亜鉛分散液をアルカリシリケート溶液で処理し、その際、分散液中のナノ粒子酸化亜鉛の含量は0.01〜30質量%、有利に0.05〜20質量%、殊に0.05〜15質量%であることを特徴とする。
【0013】
アルカリシリケート溶液を用いた相応する酸化亜鉛分散液の本発明による処理により、本発明によるアニオン性で安定化された酸化亜鉛分散液が得られ、その際、 −上記の通り− 酸化亜鉛粒子の表面はpH値≧7で負の電荷を有している。
【0014】
本発明による方法は、有利に、適当な酸化亜鉛を、この酸化亜鉛の等電点を下回るpH値で水中に分散させ、アルカリシリケート溶液(以下で水ガラスと記載される)か、または水ガラスと塩基との混合物か、または水ガラスと塩基と安定剤との混合物を、酸化亜鉛が、凝集することなくアニオンの電荷逆転下に置かれるように添加することにより行われる。この添加は有利に強力な撹拌下に、殊に有利にロータステータ(Rotor-Stator)系、例えばウルトラツラックス(Ultraturrax)、ノズル噴射分散機または同様の装置の使用下に、または超音波作用下で行われる。
【0015】
使用可能なアルカリシリケートとして、殊にナトリウム水ガラスおよびカリウム水ガラスが挙げられる。
【0016】
1次粒子分散法または準(nahezu)1次粒子分散法により水中で容易に分散可能なナノ粒子酸化亜鉛の使用は有利である。30nm以下、有利に15nm以下の平均1次粒径を有するこの種の酸化亜鉛の使用は殊に有利である。DE19907704A1に記載されているようなアルコールまたはアルコール−水混合物中での亜鉛化合物の塩基性加水分解により得られる酸化亜鉛ゲルまたは懸濁液の使用は極めて殊に有利である。
【0017】
酸化亜鉛は水中に添加され、撹拌により分散される。この場合に生じる、濃度および分散状態に応じて半透明から乳白色である分散液は、ZnO約0.01〜30質量%、有利に0.05〜20質量%、殊に0.05〜15質量%を含有する。ZnO源としてメタノール含有ZnO懸濁液を使用する場合、メタノールは有利に例えば蒸留により水性懸濁液から除去される。分散液の安定性を改善するために、ここに適当な添加剤が添加されてよく、その際、ゲル化を回避する6−アミノヘキサン酸または比較可能な物質が有利である。
【0018】
分散された酸化亜鉛粒子の平均凝集サイズは、約100nm以下、有利に50nm以下である。1次粒子の粒径はTEMスキャン(透過型電子顕微鏡走査)により測定され、凝集サイズは超遠心分離測定により測定される。
【0019】
分散処理の温度は分散剤の凝固点とその沸点との間であってよく、有利に約10〜80℃であってよい。
【0020】
電荷逆転はアルカリシリケート水溶液を用いて行われることができ、その際、ナトリウム水ガラスが有利である。この場合、シリケート溶液は希釈されて使用されてもよいし、希釈されずに使用されてもよい。水溶液中のアルカリシリケートの濃度は、市販の35%シリケート溶液に対して約0.1〜10質量%、有利に0.5〜2質量%である。電荷逆転のために、または水性ZnO分散液の処理のために使用されるアルカリシリケート溶液の量は、上記の負の電荷がZnO粒子の表面上に形成されるように算出される。
【0021】
有利な実施態様において、アルカリシリケート溶液に塩基、有利にアルカリ水酸化物が添加される。水酸化ナトリウム水溶液の使用は殊に有利である。水溶液中の塩基の濃度は、1N NaOHに対して通常1〜10質量%、有利に4〜6質量%である。
【0022】
さらに有利な実施態様において、シリケート溶液に、塩基に付加的に安定剤が添加される。ポリアクリル酸塩、例えば5100の平均分子量を有するポリアクリル酸ナトリウム塩の使用は殊に有利である。水溶液中の添加された安定剤の量は、塩に対して約0.01〜1質量%、有利に0.05〜0.2質量%である。
【0023】
電荷逆転の温度は分散剤の凝固点とその沸点との間であってよく、有利に約10〜80℃、殊に有利に20〜60℃であってよい。
【0024】
電荷逆転は有利にウルトラツラックスを備えた反応器中で行われる。この場合、条件は、酸化亜鉛濃度に関してのみならず、混合条件および剪断力に関して、電荷逆転の際に酸化亜鉛が凝集しないように選択される。
【0025】
このようにして得られた酸化亜鉛分散液は、酸、例えば硫酸、塩基、例えば水酸化ナトリウム、緩衝物質、例えばリン酸ナトリウムの添加により、またはイオン交換器、例えばLewatiten(登録商標)を使用することにより、またはダイアフィルトレーションにより所望のpH値に調整される。イオン交換器の使用は有利である。
【0026】
必要であれば、このようにして得られた酸化亜鉛分散液は、例えば蒸留、遠心分離、または膜濾過により濃縮されてよい。
【0027】
さらに有利な実施態様において、水性酸化亜鉛分散液はまず適当な安定剤により安定化され、次いでアルカリシリケート溶液と反応される。
【0028】
選択的に、ZnO分散液をまず凝集させ、次いで再分散させることにより電荷逆転を行ってもよい。
【0029】
この場合、使用された酸化亜鉛は水中に添加され、撹拌により分散される。この場合に生じる、濃度および分散状態に応じて半透明から乳白色である分散液は、ZnO約0.01〜30質量%、有利に0.05〜20質量%、殊に0.05〜15質量%を含有する。
【0030】
電荷逆転は、水性酸化亜鉛分散液とシリケート水溶液とを合わせることにより行われる。この場合、濃度および混合条件は、酸化亜鉛が凝集するように選択される。
【0031】
凝集温度は分散剤の凝固点とその沸点との間であってよく、有利に約10〜100℃、殊に有利に20〜70℃であってよい。
【0032】
凝集後、この直後かまたは比較的長い撹拌後(この撹拌は上記の温度範囲で実施されてよい)、上澄みは濾過、沈降または遠心分離により凝集物から分離されてよい。
【0033】
分離された凝集物は、水を添加することにより再分散されてよいが、しかしながら水/安定剤混合物を添加することにより再分散されてもよく、この際、水/ポリ電解質混合物は有利であり、水/ポリアクリル酸ナトリウム塩混合物は殊に有利である。この再分散は撹拌により、場合により高められた温度で、有利に高い剪断力下に、殊に有利にロータステータ系を使用することにより、および/または超音波の作用下に、および/またはノズル噴射分散機の作用下に行われてよい。
【0034】
再分散されたフラクションは、濾過、沈降、遠心分離または適当な分離処理により、非分散残渣から分離される。分散された材料の良好な収率を得るために、再分散および分離の処理は数回繰り返されてよい。
【0035】
このようにして得られた酸化亜鉛分散液は、再度、酸または塩基の添加により、またはイオン交換器の使用より、所望のpH値に調節されることができる。
【0036】
必要であれば、このようにして得られた酸化亜鉛分散液は、例えば蒸留、遠心分離、または膜濾過により濃縮されてよい。
【0037】
本発明のさらに有利な実施態様において、水性酸化亜鉛分散液はまずpH値を変化させることにより、有利にアルカリ水酸化物水溶液を添加することにより不安定化され、次いで沈殿後上澄みから分離され、その後水または再度水/安定剤混合物を用いて取り出され、その際、水とポリアクリル酸のナトリウム塩との混合物は有利である。これは撹拌により、場合により高められた温度で、有利に高い剪断力下に、殊に有利にロータステータ系を使用することにより、および/または超音波の作用下に、および/またはノズル噴射分散機の作用下に行われてよい。
【0038】
このようにして得られた分散液は、アルカリシリケート水溶液を添加することにより、上記のように凝集を招くことなく安定な分散液へと変化されることができる。
【0039】
本発明は、ラテックス成形品の加硫の際の加硫共活性剤としての、本発明によるナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性の安定化された分散液の使用をも提供する。
【0040】
本発明によるナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性の安定化された分散液は、 −上記の通り− 天然ゴムおよび合成ゴムの全ての型をベースとしたラテックスの製造の際の加硫共活性剤として使用されることができる。
【0041】
ラテックスの製造のために使用できる適当なゴムには、種々の天然ラテックスゴムに加え、例えば以下のような合成ゴムが含まれる:
ポリイソプレン、
アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、
カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、
自己架橋基を有するカルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、
スチレン/ブタジエンコポリマー、
カルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマー、
自己架橋基を有するカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマー、
アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、
カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、
自己架橋基を有するカルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、および
クロロブタジエンラテックスおよびカルボキシル化クロロブタジエンラテックス。
【0042】
しかしながら、天然ラテックス、カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーおよびクロロブタジエンラテックス並びにカルボキシル化クロロブタジエンラテックスは好ましい。
【0043】
種々のゴムラテックスの加硫において、本発明による酸化亜鉛分散液は、加硫の際、ラテックス混合物100質量部に対して約2.0〜0.01、有利に0.5〜0.05の量で添加される(ドライ/ドライ)。
【実施例】
【0044】
実施例
コロイドZnO含量の光学的測定を、別に記載がない限り、Shimadzu UVVIS分光計を用いて、1cmの石英セルを使用して実施した。吸光係数としてε302=12.4L/(gxcm)を選択した。
【0045】
石英セル(1cm)中でUVVIS分光計(上記参照)を用いて350nmおよび400nmで測定された吸光係数を、ZnOナノ分散液のための品質特性Qとして採用した。これは、Qの値が高くなるほど、スペクトル中に含まれる分散されたフラクションは少なくなり、かつ分散液中に含まれる酸化亜鉛粒子はより良好に分散されることを意味する。
【0046】
遠心分離処理を、別に記載がない限り、22.9cmのロータ(ビーカー中心までの半径)を備えたHeraeus社の実験室遠心分離機(Cryofuge 6000i)中で実施した。
【0047】
実施例1
成分A:
水1000g中の6−アミノヘキサン酸10gの溶液を、DE19907704A1から製造された33.65%メタノール系ZnOナノ粒子懸濁液489.4gに添加し、さらに水を添加して4500gとし、撹拌(30分間)により分散させた。含まれるメタノールを蒸留により分散液から除去し、水を添加することにより、分散液を3%ZnOとなるように調整した(5010g、pH=7.2、品質特性Q=73)。
【0048】
成分B:
Aldrich社製ナトリウム水ガラス6.8gを1N NaOH34gおよびポリアクリル酸ナトリウム1.26g(Fluka 5100(平均分子量))と混合し、水を添加して835gとした。
【0049】
成分A1670gと成分Bの全量とを別個の貯蔵容器中に装入し、ホース導管により50ml/分(A)および25nm/分(B)の速度で、水300mlを含む混合室中に供給し、全体をウルトラツラックス(IKA, T25 Basic, Type S25N-18G 分散装置)を用いて24000r.p.m.で完全に混合した。AとBとの混合により形成された生成物を75ml/分の速度で連続的に混合室から受け器に排出した。前流分(Vorlauf)396.2gと後流分(Nachlauf)266.9gとを分離した後、2%ZnO分散液(Q=43)2042.3gが得られた。弱酸のイオン交換樹脂14.6g(固形量;Lewatit(登録商標)CNP80WS, Bayer AG)をこの分散液に添加し、60℃で25分間撹拌した。イオン交換樹脂を分離した後、室温におけるpH値は8.3であった。水60g中に溶解させたさらなるポリアクリル酸ナトリウム2.9gをこの分散液に添加した(2054g)。この分散液931.8gを回転蒸発器中で蒸発させることにより濃縮させ、ZnOの最終濃度を11%とした(Q=33)。
【0050】
このようにして得られた分散液の超遠心分離測定により、33nmの平均凝集サイズが得られた(質量分布のd50値)。
【0051】
実施例2(比較)
(水ガラスなし)
例1の記載に従って製造された3%水性分散液1650g(成分A)および1N NaOH33.8gとDispex N 40 3.25gと水とからなる混合物825g(成分B)を、別個の貯蔵容器中に装入し、ホース導管により50ml/分(A)および25nm/分(B)の速度で、水300mlを含む混合室中に供給し、この混合室中でウルトラツラックス(IKA, T25 Basic, Type S25N-18G分散装置)を用いて24000r.p.m.で混合した。AとBとの混合により形成された生成物を75ml/分の速度で混合室から連続的に受け器に排出した。前流分(Vorlauf)395.4gと後流分(Nachlauf)248.1gとを分離した後、2%ZnO分散液(Q=17)2039.1gが得られた。弱酸のイオン交換樹脂15.5g(固形量;Lewatit(登録商標)CNP80WS, Bayer AG)をこの分散液に添加し、60℃で15分間撹拌した。イオン交換樹脂を分離した後、室温におけるpH値は8.3であった。短い放置時間の経過後、分散液が偏析していることが認められた。
【0052】
実施例3
(本発明による凝集処理によるアニオン性で安定化された分散液の製造)
DE19907704A1の記載に従って得られ、塩不含となるように向流限外濾過により洗浄された31.2%メタノール系酸化亜鉛分散液200gを、ビーカー中で水を添加して833gとし、翼型撹拌機を用いた撹拌により分散させた(30分間)。次いで、分散液を回転蒸発器中で浴温50℃で濃縮して600gとした。
【0053】
容量1Lのビーカー中に、ナトリウム水ガラス10.3gと1N 水酸化ナトリウム20.8gと水278gとからなる混合物を装入し、ウルトラツラックス(IKA, T25 Basic、18000r.p.m.で)を用いて強力に撹拌しながらZnO分散液を滴下漏斗を介して4分間に亘り添加した。添加の終了後、ウルトラツラックスを用いてさらに1分間撹拌し、フラスコ中に移し、翼型撹拌機を用いて60℃で20分間撹拌した。氷浴中で冷却した後、4240r.p.m.で60分間遠心分離を行った。上澄みを傾瀉し、残渣を水300g中に取り出し、30分間撹拌した。溶液を再度遠心分離にかけ、(4240r.p.m.、60分間)上澄みを傾瀉した。残渣を合わせ、0.1%ポリアクリル酸ナトリウム溶液500gを添加し(Fluka, ポリアクリル酸ナトリウム、5100)、ウルトラツラックス(IKA Werke, T25 Basic)中で18000r.p.m.で7分間分散させた。非分散フラクションを遠心分離により分離した(4240r.p.m.、40分間)。分散処理をさらに2回繰り返し、残渣を集めた(1607g、3.17%ZnO、Q=33)。このようにして得られた、アニオン性で安定化されたZnO分散液を、弱酸のイオン交換体(Lewatit(登録商標)CNP 80 WS)を用いてpH=8.5に調節し、ポリアクリル酸ナトリウム3.4gを添加し(Fluka、ポリアクリル酸ナトリウム、5100)、混合物を回転蒸発器中で浴温60℃で濃縮して475gとした。次いで、混合物をまず1μmの膜フィルターで、次に0.2μmの膜フィルターで濾過した。得られた分散液は9のpH値、10.14%のZnO含量および32のQ値を有していた。元素分析により、8.5%のZn含量が得られ、これは酸化亜鉛10.6%に相当する。
【0054】
超遠心分離測定により、28nmの平均凝集サイズが得られた(質量分布のd50値)。
【0055】
実施例4
ラテックス成形品を製造するための、実施例3から得られた分散液の使用
HA型の天然ラテックス167gと、10%水酸化カリウム溶液5.0質量部および安定剤、有利に20%ラウリン酸カリウム溶液1.25質量部とを、室温で撹拌しながら混合し、次いで安定化させる。次に、50%の濃度を有する粉砕された加硫ペースト7.8質量部を添加する。この加硫ペーストはコロイド硫黄1.5質量部、亜鉛ジチオカルバメート促進剤(ZDEC)0.6質量部、亜鉛メルカプトベンゾチアゾール促進剤(ZMBT)0.3質量部およびフェノールベースの老化防止剤1.0質量部および5%分散剤水溶液からなり、この場合この分散剤水溶液はナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウム塩からなる。次いで、この混合物を水の添加により45%の固体濃度に調節する。
【0056】
これに引き続き、30℃の温度で16時間に亘り熟成処理を行う。分布を改善するために、10.1%の濃度に調節された実施例3記載のようなナノスケールの酸化亜鉛0.1質量部を、熟成の直前に撹拌しながら添加する。
【0057】
この熟成されたコンパウンドを100μフィルターで濾過する。次いで浸漬処理を行うが、これは特別に準備されたガラスプレート上で行う。このガラスプレートは、微細な粒状のチョーク10%を添加した15%硝酸カルシウム溶液からなる凝集剤水溶液中に前もって浸漬され、乾燥されたものである。約0.20mmの被膜コーティングを得るために、このように準備されたガラスプレートを上記混合物中に約20秒間浸漬させる。
【0058】
このようにして製造された被膜を熱風中で80℃で(30分間)乾燥させ、その後すぐに120℃で5分間加硫を行う。
【0059】
このようにして製造された被膜を標準大気中で24時間に亘り状態調整し、その後、老化しないうちに強度試験を行い、この強度試験においてモジュール、強度および破断点伸びを測定する。
【0060】
結果は、明らかにより低い計量供給量において、酸化亜鉛白色シール(Weisssiegel)1.0質量部(29.1MPa/5分)または広い表面を有する酸化亜鉛0.5質量部(32.4MPa/5分)を用いた比較試験と比較可能な強度値(27.9MPa/加硫5分)を示す。
【0061】
300%伸びでのモジュールは、本発明によらない酸化亜鉛白色シール(WS)または広い表面を有する酸化亜鉛を使用した比較サンプルの場合よりも明らかに低い。この効果により、改善された摩耗性がもたらされる。
【0062】
破断点伸び(864%/5分)は、同様に、酸化亜鉛白色シール1.0質量部(790%/5分)または広い表面を有する酸化亜鉛0.5質量部(843%/5分)を用いた比較試験より高い値を示す。
【0063】
老化後の評価は、100℃での高温空気中で8時間、16時間および24時間貯蔵した後の安定性において明らかな改善を示す。ゴムの劣化は、本発明によらない酸化亜鉛の場合よりも緩慢に進行する。強度の低下はこの場合単に22.6%であるに過ぎない。通常使用される酸化亜鉛と比較して、強度の低下は37.2%である。
【0064】
実施例5
HA型の天然ラテックス167gと、10%水酸化カリウム溶液5.0質量部および安定剤、有利に20%ラウリン酸カリウム溶液1.25質量部とを、室温で撹拌しながら混合し、安定化させる。次に、50%の濃度を有する粉砕された加硫ペースト7.8質量部を添加する。この加硫ペーストはコロイド硫黄1.5質量部、亜鉛ジチオカルバメート促進剤(ZDEC)0.6質量部、亜鉛メルカプトベンゾチアゾール促進剤(ZMBT)0.3質量部およびフェノールベースの老化防止剤1.0質量部および5%分散剤水溶液からなり、この場合この分散剤水溶液はナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウム塩からなる。
【0065】
次いで、この混合物を水の添加により45%の固体濃度に調節する。
【0066】
これに引き続き、30℃の温度で16時間に亘り熟成処理を行う。その後、より良好な分布を達成するために、10.1%の濃度に調節された実施例3記載のようなナノスケールの酸化亜鉛0.05質量部を、熟成の直前に撹拌しながら添加する。
【0067】
この熟成されたコンパウンドを100μフィルターで濾過する。次いで浸漬処理を行うが、これは特別に準備されたガラスプレート上で行う。このガラスプレートは、微細な粒状のチョーク10%を添加した15%硝酸カルシウム溶液からなる凝集剤水溶液中に前もって浸漬され、乾燥されたものである。約0.20mmの被膜コーティングを得るために、このように準備されたガラスプレートを上記混合物中に約20秒間浸漬させる。
【0068】
このようにして製造された被膜を熱風中で80℃で(30分間)乾燥させ、その後すぐに120℃で5分間加硫を行う。
【0069】
このようにして製造された被膜を標準大気中で24時間に亘り状態調整し、その後、老化しないうちに強度試験を行い、この強度試験においてモジュール、強度および破断点伸びを測定する。
【0070】
結果は、明らかにより低い計量供給量においてさえ、酸化亜鉛白色シール1.0質量部(29.1MPa/5分)または広い表面を有する酸化亜鉛0.5質量部(32.4MPa/5分)を用いた比較試験と比較可能な強度値(29.6MPa/加硫5分)を示す。
【0071】
この場合、300%および700%伸びでのモジュールは、酸化亜鉛白色シール(WS)(本発明によらない)または広い表面を有する酸化亜鉛を使用した比較サンプルの場合よりも明らかに低い。この効果により、改善された摩耗性がもたらされる。
【0072】
破断点伸び(925%/5分)は、同様に、酸化亜鉛白色シール1.0質量部(790%/5分)または広い表面を有する酸化亜鉛0.5質量部(843%/5分)を用いた比較試験より高い値を示す。
【0073】
老化後の評価は、100℃での高温空気中で8時間、16時間および24時間貯蔵した後の安定性において明らかな改善を示す。ゴムの劣化は、本発明によらない酸化亜鉛の場合よりも緩慢に進行する。強度の低下はこの場合単に19.6%であるに過ぎない。通常使用される酸化亜鉛と比較して、強度の低下は37.2%である。
Claims (4)
- 30nm以下の平均1次粒径および100nm以下の平均凝集サイズを有するナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液において、酸化亜鉛粒子の表面がpH値≧7で負の電荷を有し、分散液中のナノ粒子酸化亜鉛の含量が0.01〜30質量%であることを特徴とする、ナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液。
- 酸化亜鉛粒子の表面が、pH値≧7で、負のゼータ電位として表示された<−30mVの負の電荷を有している、請求項1記載のナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液。
- 請求項1および2記載のナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液の製造法において、30nm以下の平均1次粒径および100nm以下の平均凝集サイズを有する酸化亜鉛粒子を含有する水性酸化亜鉛分散液をアルカリシリケート溶液で処理し、その際、分散液中の酸化亜鉛の含量が0.01〜30質量%であることを特徴とする、ナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された水性分散液の製造法。
- ラテックス成形品の加硫のための加硫活性剤としての、請求項1記載のナノ粒子酸化亜鉛のアニオン性で安定化された分散液の使用。
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