JP2004516132A - Mo、Bi、FeならびにNiおよび/またはCoを含有する多重金属酸化物活性材料の製造法 - Google Patents
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Abstract
Mo、Bi、FeならびにNiおよび/またはCoを含有する多重金属酸化物活性材料の製造法、この場合Biの源は、製造路に沿って少量ずつ添加される。
Description
【0001】
本発明は、一般式I
Mo12BiaFebWcX1 dX2 eX3 fOy (I)
〔式中、
X1は、Coおよび/またはNiであり、
X2は、Siおよび/またはAlであり、
X3は、Li、Na、K、Csおよび/またはRbであり、
aは、0.2以上、2以下であり、
bは、0.5以上、10以下であり、
cは、0以上、4以下であり、
dは、2以上、10以下であり、
eは、0以上、10以下であり、
fは、0以上、0.5以下であり、
yは、電荷中性の前提条件下にI中の酸素とは異なる元素の原子価および頻度によって定められる数である〕で示される多重金属酸化物活性材料を、多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物から溶液または懸濁液を製造し、この溶液または懸濁液を乾燥物質の維持下に乾燥させ、乾燥物質を高められた温度で熱処理することにより、製造する方法に関する。
【0002】
更に、本発明は、プロペンからアクロレインへの接触気相酸化のための触媒としての多重金属酸化物活性材料Iの使用に関する。
【0003】
プロペンの不均一な接触気相酸化による重要な中間生成物のアクロレインの製造は、一般に公知である(例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19855915号明細書参照)。
【0004】
アクロレインをなかんずくアクリル酸の製造に使用する場合には、このアクリル酸のアルキルエステルは、殊にモノマーとして水性ポリマー分散液の製造に使用される。
【0005】
また、一般式Iの多重金属酸化物活性材料を触媒としてプロペンからアクロレインへの接触気相酸化に使用することは、公知である。
【0006】
例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19855913号明細書には、専ら多重金属酸化物活性材料Iから形成されたリング(中実触媒リング)の使用ならびにプロペンからのアクロレインの接触気相酸化による製造ための触媒としての、担体上に施こされた多重金属酸化物活性材料Iの使用が推奨されている。
【0007】
相応する推奨は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10049873号明細書中に見出される。
【0008】
多重金属酸化物活性材料Iの製造は、引用された公知技術水準の記載により、多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物から溶液または懸濁液を製造し、この溶液または懸濁液を乾燥物質の維持下に乾燥させ、乾燥物質を高められた温度で熱処理することにより行なわれる。
【0009】
このようにして製造された多重金属酸化物活性材料Iの欠点は、この多重金属酸化物活性材料Iの長時間の活性が触媒としての使用の際にプロペンからアクロレインへの接触気相酸化にとって十分に満足できるものではないことにある。
【0010】
従って、本発明の課題は、生じる多重金属酸化物活性材料Iを触媒として使用する際にプロペンからアクロレインへの接触気相酸化のために高められた長時間の安定性を保証する、多重金属酸化物活性材料Iを製造するための改善された方法を提供することであった。
【0011】
それに応じて、出発化合物の乾燥すべき溶液または懸濁液は、実際に多重金属酸化物活性材料Iの製造に必要とされる、Biとは異なる元素状成分の全体量を含有するが、しかし、多重金属酸化物活性材料Iの製造に必要とされるBiの部分量のみを含有し、多重金属酸化物活性材料Iの製造に付加的に必要とされる、Biの残存量を事後に初めておよび熱処理の前にBiの出発化合物の形で乾燥物質中に混入することによって特徴付けられる、一般式I
Mo12BiaFebWcX1 dX2 eX3 fOy (I)
〔式中、
X1は、Coおよび/またはNiであり、
X2は、Siおよび/またはAlであり、
X3は、Li、Na、K、Csおよび/またはRbであり、
aは、0.2以上、2以下であり、
bは、0.5以上、10以下であり、
cは、0以上、4以下であり、
dは、2以上、10以下であり、
eは、0以上、10以下であり、
fは、0以上、0.5以下であり、
yは、電荷中性の前提条件下にI中の酸素とは異なる元素の原子価および頻度によって定められる数である〕で示される多重金属酸化物活性材料を、多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物から溶液または懸濁液を製造し、この溶液または懸濁液を乾燥物質の維持下に乾燥させ、乾燥物質を高められた温度で熱処理することにより、製造する方法が見い出された。
【0012】
化学量論的係数aは、本発明によれば、有利に0.4以上、2以下、好ましくは0.4以上、1.5以下、特に好ましくは0.6以上、1.5以下である。変数bの値は、本発明によれば、有利に1以上ないし5以下の範囲内、特に好ましくは2以上ないし4以下の範囲内である。化学量論的係数cは、本発明によれば、しばしば1〜3である。変数dは、本発明によれば、有利に4以上ないし8以下の範囲内、特に好ましくは6以上ないし8以下の範囲内である。化学量論的係数fは、本発明によれば、有利に0以上である。好ましくは、fは、0.01以上、0.5以下、特に好ましくは0.05以上、0.2以下が当てはまる。
【0013】
酸素の化学量論的係数の値、y、は、電荷中性の前提条件下に陽イオンの原子価および頻度から明らかである。
【0014】
本発明によれば、好ましいのは、X1としての触媒活性物質がCoのみを有する多重金属酸化物活性材料Iである。好ましいX2は、Siであり、X3は、特にK、Naおよび/またはCsであり、特に有利にX3は、Kである。
【0015】
更に、本発明によれば、Co/Niのモル比が2:1、有利に少なくとも3:1、特に有利に少なくとも4:1であるような多重金属酸化物活性材料Iは、有利である。最善の場合には、Coのみが存在する。
【0016】
特に好ましい本発明による多重金属酸化物活性材料Iの場合、1.5×(a+b)+dの値は、11以上ないし14以下の範囲内、特に11.5以上ないし13以下の範囲内である。特に好ましくは、1.5×(a+b)+dの値は、11.8以上ないし12.5以下の範囲内である。
【0017】
更に、化学量論がドイツ連邦共和国特許出願公開第19855913号明細書に規定された触媒活性酸化物活性材料に相当する、本発明による全ての多重金属酸化物活性材料Iが適当である。
【0018】
本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料中に含有されている、Biの全体量に対して、本発明による方法の際に事後に乾燥物質中に混入される、Biの量は、一般に20〜80%、有利に30〜60%、特に有利に35〜45%に達する。
【0019】
事後に乾燥物質中に混入すべきBiの源は、既に酸化ビスマスであることができるか、または加熱によって少なくとも酸素の存在下で酸化物に変換可能であるようなビスマス化合物である。従って、本発明によれば、前記目的に適したビスマス化合物は、例えば硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、サリチル酸ビスマスおよびオキシ塩化ビスマスならびにこれらの化合物の水和物である。このビスマス出発化合物は、本発明によれば、自明のものとして先に乾燥物質中に混入すべき、ビスマスの含量のための源として使用されてもよい。
【0020】
多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物からの溶液または懸濁液の製造のために、本発明によれば、水ならびに有機液体、例えばメタノールもしくはエタノールまたはこれらの水との混合物が使用されてもよい。水の使用は、好ましい。この場合、多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物(源)として、ビスマスの場合に既に記載されたように、元素状成分の酸化物または加熱によって少なくとも酸素の存在下で酸化物に変換可能な、元素状成分を含有する化合物がこれに該当する。従って、酸化物と共に出発化合物としては、なかんずくアンモニウムメタレート、ハロゲン化物、硝酸塩、蟻酸塩、蓚酸塩、酢酸塩、炭酸塩または水酸化物がこれに該当する。
【0021】
多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物からの溶液または懸濁液の乾燥は、任意の方法で行なうことができる。即ち、本発明によれば、撹拌下での蒸発濃縮の方法(例えば、常圧および80℃〜130℃の温度でかまたは減圧下でも)、凍結乾燥の方法または噴霧乾燥の方法を使用することができる。この場合、好ましくは、乾燥は噴霧乾燥によって行なわれる(この場合、ガス入口温度は、一般に280〜420℃であり、ガス出口温度は、典型的には100〜150℃である)。
【0022】
本発明により必要とされる、ビスマスの残存量の混入は、原理的に直接に乾燥の際に生じる固体中で行なうことができる。そのために、この固体は、場合によっては早期の微粉砕後に有利に乾燥されたビスマス源と均一に混合され、全乾燥物質に対して20〜60質量%の水または有機液体、例えばメタノールもしくはエタノールの添加後に混練される。混練に引き続いて、混練物は、有利に粗大に粉砕され、乾燥される(例えば、乾燥箱中で100〜150℃の温度で)。更に、乾燥には、高められた温度で本発明により必要とされる熱処理を続けることができる。
【0023】
本発明により必要とされる熱処理は、酸化物雰囲気下、不活性雰囲気下または還元性雰囲気下で行なうことができる。好ましくは、この熱処理は、空気の下で行なわれる。この熱処理は、自明であるように真空下で実施されてもよい。不活性ガス雰囲気を発生させるために、例えば不活性ガス、例えば分子状酸素および/または希ガス、例えばHe、Arが適している。例えば、熱処理は、空気循環炉中で行なうことができる。
【0024】
好ましくは、熱処理の場合に、温度は、600℃を超えない。更に、本発明によれば、熱処理の場合に温度が400℃を超えることは、有利である。特に、熱処理の場合、温度は、550℃を超えない。しかし、本発明によれば、本発明による熱処理の際に温度が430℃を超えることは、有利である。熱処理は、数時間(典型的な時間は、2時間ないし10時間である)の時間で行なうことができ、この場合必要とされる処理時間は、使用される温度が増加するにつれて減少する。
【0025】
熱処理の終結後、得られた多重金属酸化物活性材料Iは、それ自体として、場合によっては微粉砕を行なった後に使用されてよいかまたは幾何学的物体に形成されて触媒としてプロペンからアクロレインへの接触気相酸化のために使用されてよい。
【0026】
例えば、活性物質の粉末形から望ましい幾何学的寸法の触媒への圧縮(例えば、ペレット化、押出またはストランド圧縮)によって中実触媒を製造することができ、この場合には、場合により助剤、例えばグラファイトまたはステアリン酸を滑剤および/または成形助剤として添加することができ、および強化剤、例えばミクロ繊維、例えばガラス、アスベスト、炭化ケイ素またはチタン酸カリウムを添加することができる。適当な幾何学的寸法の中実触媒は、例えば2〜10mmの外径および長さを有する中実円筒体または中空円筒体である。勿論、中実触媒は、球体の幾何学的寸法を有していてもよく、この場合球体の直径は、2〜10mmであることができる。
【0027】
勿論、粉末状の活性物質の形状付与は、予め形成された不活性触媒担体上への施与によって行なうことができる。
【0028】
殻型触媒を製造するための担体の被覆は、一般に、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第2909671号明細書、欧州特許出願公開第293859号明細書、欧州特許出願公開第714700号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第4442346号明細書の記載から公知であるように、回転可能な適当な容器中で実施される。
【0029】
好ましくは、担体の被覆のために、施与すべき粉末材料は、湿潤され、施与後に、例えば熱風を用いて再び乾燥される。担体上に施こされた粉末材料の層厚は、有利に10〜1000μmの範囲内、好ましくは100〜700μmの範囲内、特に好ましくは300〜500μmの範囲内で選択される。また、可能な殻型の厚さは、10〜500μmまたは200〜300μmである。
【0030】
この場合には、担体材料として常用の多孔質または非多孔質の酸化アルミニウム、二酸化珪素、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化珪素または珪酸塩、例えば珪酸マグネシウムもしくは珪酸アルミニウムを使用することができる。特に好適な珪酸塩は、粘土、カオリン、ステアタイトおよび軽石である。
【0031】
担体の表面は、平滑であってもよいし、粗面であってもよい。好ましくは、担体の表面は、粗面であり、それというのも、高められた表面荒さは、一般に酸化物活性材料上に施こされた殻型の付着強度を高めるために必要とされる。しばしば、担体の表面荒さRzは、40〜200μmの範囲内、殊に40〜100μmの範囲内にある(DIN 4768第1頁の記載により、Hommelwerke社, DEの”Hommel Tester fuer DIN−ISO Oberflaechenmessgroessen”を用いて測定した)。
【0032】
好ましくは、担体材料は、非多孔質である(担体の体積に対する細孔の全体積は、1体積%以下を前提とする)。
【0033】
担体の表面上に施こすべき活性物質の微細度は、自明であるように活性酸化物活性材料殻型の望ましい厚さに適合される。100〜500μmの殻型の厚さの範囲には、例えば粉末粒子の少なくとも50%が1〜10μmの目開きの篩を通過し、50μmを上廻る最長の拡がり部を有する粒子の含量が1%未満(粒子の全体数に対して)であるような粉末が適している。一般に、粉末粒子の最長の拡がり部の分布は、製造に応じてガウス分布に相当する。
【0034】
担体は、規則的または非規則的に形成されていてもよく、この場合には、規則的に形成された担体、例えば球体または中空円筒体が好ましい。
【0035】
本発明によれば、例えば直径が1〜8mm、有利に4〜5mmである球状担体の使用が適している。
【0036】
しかし、長さが2〜10mmであり、外径が4〜10mmである、担体としての円筒体の使用も適している。更に、本発明によれば、担体として適当なリングの場合には、壁厚は、通常1〜4mmである。また、本発明により適当である円筒体の寸法は、3〜6mm(長さ)、4〜8mm(外径)およびリングの場合に1〜2mm(壁厚)である。
【0037】
勿論、本発明により適した幾何学的寸法としては、2〜4mm(長さ)、4〜8mm(外径)および1〜2mm(壁厚)がこれに該当する。
【0038】
本発明によれば、顕著な幾何学的寸法の担体は、例えば7mm×3mm×1.5mm(外径×長さ×壁厚)および5mm×3mm×1.5mm(外径×長さ×壁厚)である。
【0039】
本発明によれば、多重金属酸化物活性材料Iを維持するために必要とされる熱処理は、時間的経過で区分されてもよいし、多数の区間に区分されもよい。
【0040】
例えば、最初、熱処理は、150〜350℃、特に220〜280℃の温度で実施されてもよく、それに引き続いて熱処理は、400〜600℃、特に430〜550℃の温度で実施されてもよい。
【0041】
殻型触媒を製造する場合には、本発明によれば一般に、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10049873号明細書の記載と同様に、既に最初の熱処理の後に150〜350℃の温度、有利に220〜280℃の温度で生じる多重金属酸化物前駆物質を触媒担体の被覆のために使用し、多重金属酸化物前駆物質で被覆された担体を400〜600℃、特に430〜500℃での最終的な熱処理を行なうことは、有利である。
【0042】
また、本発明によれば、Biの付加的に必要とされる残存量を事後に混入する、乾燥物質の製造を次のように実施することは、有利である。
【0043】
乾燥すべき溶液または懸濁液は、既に記載されたように、蒸発濃縮、凍結乾燥および/または噴霧乾燥によって無水形に変換される。引続き、これら溶液または懸濁液は、150〜350℃、特に220〜280℃の温度でなお数時間(一般に2〜6時間)さらに乾燥される(還元性雰囲気、酸化物ガス雰囲気および/または不活性ガス雰囲気または真空下で)。引続き、既に記載されたように、ビスマスを含有する出発化合物が混入され、幾何学的寸法の付与後または付与前に400〜600℃、特に430〜550℃の温度で熱処理される。
【0044】
特に好ましくは、本発明による方法は、次のように実施される。出発化合物の溶液または懸濁液は、水性媒体中、特に水中で製造される。
【0045】
引続き、水溶液または懸濁液は、噴霧乾燥される(この場合、ガス入口温度は、一般に280〜420℃であり、ガス出口温度は、典型的には100〜150℃である)。
【0046】
多くの場合、噴霧乾燥の際に生じる粉末は、直接の後加工のためには、微粒状すぎることが判明した。この場合には、有利に水を添加しながら混練される。混練に引き続いて、混練物は、有利に粗大に粉砕され、再び乾燥される(例えば、乾燥箱中で100〜150℃の温度の場合)。
【0047】
この乾燥工程には、150〜350℃で後乾燥が続く(例えば、空気循環炉中;しかし、また他の還元性雰囲気、酸化性雰囲気または不活性雰囲気中ならびに真空下で可能である)。
【0048】
その後に、得られた乾燥材料は、ビスマス出発化合物(特に次炭酸ビスマスおよび/または硝酸ビスマスおよび/またはこれらの水和物)と微粒状で混合される。次に、全乾燥材料に対して水20〜60質量%が添加され、混練される。混練に続いて、混練物は、有利に粗大に粉砕され、乾燥される(例えば、乾燥箱中で100〜150℃の温度で)。
【0049】
引続き、幾何学的寸法の形状付与(中実触媒または殻型触媒に対して)が実施され、その後に400〜600℃、特に430〜550℃で熱処理されるかまたは最初に400〜600℃、特に430〜550℃で熱処理され、次に幾何学的寸法の形状付与(中実触媒または殻型触媒に対して)が実施される(これは、既述した記載と同様に行なうことができる)。
【0050】
殊に、最初に殻型触媒への幾何学的寸法の形状付与および次に熱処理を実施する場合には、担体の被覆および熱処理がドイツ連邦共和国特許出願公開第10049873号明細書の記載と同様に実施される。
【0051】
本発明により得ることができる触媒は、プロペンからアクロレインへの選択的な気相酸化に適しているだけでなく、α,β−不飽和アルデヒドおよび/またはカルボン酸への別の有機化合物(別のアルケン、アルカン、アルカノンまたはアルケノール)の部分気相酸化にも適している。例示的に、アクロレインからのアクリル酸の製造およびイソブテン、イソブタン、第三ブタノールまたは第三メチルエーテルからのメタクロレインおよびメタクリル酸の製造が挙げられる。
【0052】
本発明により得ることができる触媒を使用しながらプロペンからアクロレインへの接触気相酸化のために維持することができる一般的な反応条件は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第4023239号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4431957号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第19955176号明細書中に見出される。
【0053】
なかんずく、本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料Iは、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19955168号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19948523号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19948248号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第19955176号明細書の記載と同様に、触媒装入の高められたプロペン負荷量を使用しながらプロペンからアクロレインへの部分的な接触気相酸化を実施するための触媒に適している。この場合、本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料は、改善された可使時間(改善された長時間安定性)を示す。
【0054】
また、本発明によれば、本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料Iが殊に高められたプロペン負荷量の場合にアクロレイン形成に関連して十分に満足な活性ならびにアクロレイン形成の高められた選択度を有することも本質的なことである。
【0055】
前記の活性のための1つの基準は、所定のプロペン変換率の達成に必要とされる反応温度である。必要とされる反応温度が低くなればなるほど、活性はますます高くなる。
【0056】
最終的に、接触気相酸化によるプロペン酸化の範囲内でアクロレインへと消費される、本発明により得ることができる触媒は、欧州特許出願公開第339119号明細書の記載と同様に再生されうることが確認されるであろう。
【0057】
補足的に、なお本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料およびこの多重金属酸化物活性材料からおよび/またはこの多重金属酸化物活性材料を用いて本明細書中で形成される触媒は、キシロール、殊にp−キシロールおよびm−キシロールから相応するモノアルデヒドおよびジアルデヒド、例えばp−トリアルデヒド、テレフタルジアルデヒド、m−トリルアルデヒドおよびイソフタルアルデヒドへの接触気相酸化による部分酸化のための触媒として適していることが述べられるであろう。
【0058】
キシロールの前記の部分酸化は、例えば棚型反応器(Hordenreaktor)または管束反応器中で実施されることができる。反応温度は、一般に350〜500℃、特に400〜450℃である。部分酸化に必要とされる分子状酸素のための源としては、空気または分子状窒素含量が増加した空気が適している。反応ガス出口混合物中には、酸化すべきキシロールおよび化学量論的反応に対して一般に少なくとも10倍の過剰量の分子状酸素が含有されている。しかし、通常、前記の過剰量は、50以下である。反応ガス出口混合物に対して酸化すべきキシロールの含量は、通常、0.1〜1.5体積%の範囲内である。反応ガス出口混合物を有する触媒装入量の負荷量は、しばしば10000〜20000Nl/l・hに対して選択される。これには、しばしば20〜40Nl/l・hのキシロールを有する相応する負荷量が相応する。
【0059】
キシロールの接触気相酸化による部分酸化は、自明であるように個々のキシロール異性体からの混合物上またはそれぞれ個々のキシロール異性体上で実施されることができる。キシロール部分酸化の使用することができる条件についての詳細な記載は、米国特許第5324702号明細書ならびに米国特許第4017547号明細書に見出される。
【0060】
実施例および比較例
1.化学量論的式Mo12Bi0.6Fe3Co7Si1.6K0.08の乾燥物質の本発明による製造
60℃に加熱された硝酸コバルト(II)水溶液3530.05g(Co12.4質量%)に粉末用漏斗を介して攪拌しながら1分間で60℃を維持しながら硝酸鉄(III)1252.51g(Fe14.2質量%)を添加した。添加の終結後、60℃で30分間で、さらに攪拌した。最後に、60℃を維持しながら滴下漏斗を介して2分間で、硝酸ビスマス水溶液1198.99g(Bi 11.1g)を攪拌混入した。60℃で10分間の後攪拌の後、澄明で赤色に呈色した水溶液Aを得ることができた。
【0061】
水2500g中にKOH水溶液10.18g(KOH 46.8質量%)を攪拌混入した。引続き、この溶液を攪拌しながら60℃に加熱した。次に、60℃を維持しながら撹拌下に少量ずつ七モリブデン酸アンモニウム2249.72gを添加し、なお1時間60℃でさらに攪拌した。淡く混濁した淡黄色の水溶液Bを得ることができた。
【0062】
60℃を有する水溶液Bにポンプを用いて攪拌しながら15分間で、60℃を有する水溶液Aを添加した。添加の終結後、なお60℃で5分間さらに攪拌した。次に、60℃を維持しながら撹拌下にシリカゾル204.11g(Ludox(登録商標)TM, Du Pont, SiO2 50質量%、密度:1.39g/ml, pH: 8.8, アルカリ金属含量0.5質量%以下)を添加し、さらに5分間60℃で後攪拌した。
【0063】
得られた水性混合物をNiro社の噴霧乾燥機(噴霧乾燥機Niro A/S Atomizer Transportable Minor Anlage, Niro社、DK、のZentrifugalzerstaeber)中で噴霧乾燥した。装入物温度は、60℃であった。ガス入口温度は、360±10℃であり、ガス出口温度は、115±5℃であった。全部の水性混合物を2 l/hの輸送効率で載置された噴霧羽根を備えた二物質流ノズルを介して5.2バールの噴霧ノズル初期圧およびキャリヤーガスとして空気(40m3/h)で並流で噴霧した。サイクロン中での粉末分離の後、20〜25μmの粒径を有する噴霧粉末を得ることができた。
【0064】
噴霧粉末400gをWerner & Pfleiderer社, DE,の型LUK 075の1 lの混練機中で水150mlを添加しながら混練した。混練機は、対向運転される2枚のΣ形羽根を備えていた。混練は、3つの工程で5分間、10分間および15分間継続して行なわれた。第3の混練工程の前に、混練物を手で折って分け、十分に混合し、均一な混合を保証するために混練羽根から剥がした。
【0065】
混練に引き続いて、混練物を粗大のまま分け、Binder, DE社の型FD53の乾燥箱(内部体積53 l)中で17時間、120℃で乾燥させた。
【0066】
Nabertherm, DE社の型M60/Aの空気循環炉(内部体積60 l)中で乾燥混練物をさらに乾燥させた。この炉を最初に1時間で240℃に加熱し、この温度で10分間維持した。引続き、60分間で280℃に加熱した。この温度を2時間一定に維持した。全時間の間、空気1 l当たり300Nlのガス流を空位循環炉に導通した。こうして、本発明による乾燥物質Aを得ることができた。
【0067】
2.乾燥物質A中への硝酸ビスマス五水和物の混入
乾燥物質A 400gを0よりも大きく0.12mm以下の粒径に微粉砕した(粒径分布は、本明細書中の”6.”に記載の粒径分布に相当した)。次に、乾燥物質A 400gを硝酸ビスマス五水和物27.89g(Merck社, Darmstadt, DE, 純度:98.5質量%を上廻る、粒径0.25〜1mm)と1.4 lの実験室用ミキサー(ABC社, DE, 型1000 CHA)中で混合し、次にWerner & Pfleiderer社の型LUK 075の1 lの混練機中で水150mlの添加下に混練した。混練機は、対向運転される2枚のΣ形羽根を備えていた。混練は、3つの工程で5分間、10分間および15分間継続して行なわれた。第3の混練工程の前に、混練物を手で折って分け、十分に混合し、均一な混合を保証するために混練羽根から剥がした。混練に引き続いて、混練物を粗大のまま分け、Binder社, DEの型FD53の乾燥箱(内部体積53 l)中で化学量論的式Mo12Bi1.0Fe3Co7Si1.6K0.08の本発明による前駆物質1を乾燥させた。
【0068】
3.乾燥物質A中への次炭酸ビスマス(Bi2CO5)の混入
乾燥物質A 400gを0よりも大きく0.12mm以下の粒径に微粉砕した(粒径分布は、本明細書中の”6.”に記載の粒径分布に相当した)。次に、乾燥物質A 400gを次炭酸ビスマス14.65g(粒径0.05〜2nm、Fluka社, DE, Bi含量80〜82質量%)と1.4 lの実験室用ミキサー(ABC社, DE, 型1000 CHA)中で2分間、混合し、次にWerner & Pfleiderer社, DE,の型LUK 075の1 lの混練機中で水150mlの添加下に混練した。混練機は、対向運転される2枚のΣ形羽根を備えていた。混練は、3つの工程で5分間、10分間および15分間継続して行なわれた。第3の混練工程の前に、混練物を手で折って分け、十分に混合し、均一な混合を保証するために混練羽根から剥がした。
【0069】
混練に引き続いて、混練物を粗大のまま分け、Binder社, DEの型FD53の乾燥箱(内部体積53 l)中で乾燥させ、この場合には、化学量論的式Mo12Bi1.0Fe3Co7Si1.6K0.08の本発明による前駆物質2を得ることができた。
【0070】
4.化学量論的式Mo12Bi1.0Fe3Co7Si1.6K0.08の比較前駆物質1の製造
比較前駆物質1の製造を乾燥物質Aの製造と同様に行なったが、しかし、硝酸ビスマス水溶液1998.32gを攪拌混入した。
【0071】
5.化学量論的式Mo12Bi1.0Fe3Co7Si1.6K0.08の本発明による前駆物質3の製造
この製造を本発明による乾燥物質Aの製造と同様に行なった。しかし、噴霧粉末400gの混練は、水150mlの添加下にのみ行なわれるのではなく、硝酸ビスマス五水和物27.89gの付加的な添加下で行なわれた。
【0072】
6.多重金属酸化物活性材料Iで被覆された殻型触媒の製造および比較殻型触媒の製造
一般的な製造法:
不活性触媒担体の被覆に使用することができる前駆物質を遠心分離ミル(Retsch, DE, 型ZM 100)中で0を上廻り、0.12mm以下である粒径に粉砕した。
【0073】
この場合、詳細には、次の粒径分布を生じた:
【0074】
【表1】
【0075】
粉砕された前駆物質116gを2.5〜3.5mmの直径を有する球状担体250g(Rz=45μm、担持材料=ステアタイト、担体の全体積に対する担体の細孔全体積1体積%)上に施こした。そのために、担体を被覆用ドラム(2 lの内部体積、水平方向に対するドラム中心軸の傾斜角度=30゜)中に装入した。このドラムを毎分25回転で回転させた。圧縮空気300Nl/hで運転される噴霧ノズルを介して、60分間に亘り水約45mlを担体上に噴霧した。この場合、ノズルは、噴霧円錐体がドラム中で連行薄板を通じて傾斜されたドラムの最上点に輸送される担体を進行区間の上半分中で湿潤させるように構成されていた。
【0076】
微粒状の前駆物質を粉末スクリューを介してドラム中に搬入するが、しかし、この場合粉末添加の点は、進行区間内で噴霧円錐体中に存在した。湿潤および粉末計量供給の周期的な繰返しによって、基本的に被覆された担体は、次に続く周期自体で担体に変わる。被覆の終結後、被覆された担体を120℃で15〜20時間の間に乾燥箱(Binder社, DE, 内部体積53 l)中で乾燥させた。引続き、乾燥された殻型触媒前駆物質を空気800Nl/hが貫流する、Heraeus社, DE, (型 K 750/ 2 S, 内部体積55 l)の空気循環炉中で後述の温度プログラムにより熱処理した:
【0077】
【表2】
【0078】
こうして製造された殻型触媒は、全ての場合に370±30μmの多重金属酸化物活性材料層厚を有していた。
【0079】
次の前駆物質を殻型触媒の製造に使用した:
a)前駆物質1(殻型触媒1を得ることができた);
b)前駆物質2(殻型触媒2を得ることができた);
c)前駆物質3(殻型触媒3を得ることができた);
d)比較前駆物質1(比較前駆物質1を得ることができた)。
【0080】
7.製造された殻型触媒の試験
それぞれの殻型触媒をV2A鋼からなる反応管(外径=21mm、内径=15mm)に装入した。装入長さは、全ての場合に触媒固定床が活性物質約43gを含有するように選択された。
【0081】
この反応管の周囲を流動する塩浴でこの反応管を全長に亘って温度処理した。反応ガス混合物としてプロペン5体積%、分子状酸素9.5体積%および分子状窒素85.5体積%からなる混合物を使用した。
【0082】
反応管の負荷量をプロペン10 Nl/hに対して選択した。塩浴温度を全ての場合に、反応管を1回通過する際に95モル%のプロペン変換率Upが達成されるように調節した。95モル%のプロペン変換率の達成後、そのための必要とされる塩浴温度を維持し、運転時間tに亘ってプロペン変換がどのようにして発生されるかについて試験した。生成物のガス流中で、付加的にガスクロマトグラフィー分析によってアクロレインに対して価値のある生成物の形成の選択度SAを測定した。
【0083】
使用された殻型触媒に依存して達成された結果は、次の表に示されている:
【0084】
【表3】
【0085】
殻型触媒1、2および3の場合に必要とされる塩浴温度は、比較殻型触媒1の場合に必要とされる塩浴温度の場合を下廻っていた。
本発明は、一般式I
Mo12BiaFebWcX1 dX2 eX3 fOy (I)
〔式中、
X1は、Coおよび/またはNiであり、
X2は、Siおよび/またはAlであり、
X3は、Li、Na、K、Csおよび/またはRbであり、
aは、0.2以上、2以下であり、
bは、0.5以上、10以下であり、
cは、0以上、4以下であり、
dは、2以上、10以下であり、
eは、0以上、10以下であり、
fは、0以上、0.5以下であり、
yは、電荷中性の前提条件下にI中の酸素とは異なる元素の原子価および頻度によって定められる数である〕で示される多重金属酸化物活性材料を、多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物から溶液または懸濁液を製造し、この溶液または懸濁液を乾燥物質の維持下に乾燥させ、乾燥物質を高められた温度で熱処理することにより、製造する方法に関する。
【0002】
更に、本発明は、プロペンからアクロレインへの接触気相酸化のための触媒としての多重金属酸化物活性材料Iの使用に関する。
【0003】
プロペンの不均一な接触気相酸化による重要な中間生成物のアクロレインの製造は、一般に公知である(例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19855915号明細書参照)。
【0004】
アクロレインをなかんずくアクリル酸の製造に使用する場合には、このアクリル酸のアルキルエステルは、殊にモノマーとして水性ポリマー分散液の製造に使用される。
【0005】
また、一般式Iの多重金属酸化物活性材料を触媒としてプロペンからアクロレインへの接触気相酸化に使用することは、公知である。
【0006】
例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19855913号明細書には、専ら多重金属酸化物活性材料Iから形成されたリング(中実触媒リング)の使用ならびにプロペンからのアクロレインの接触気相酸化による製造ための触媒としての、担体上に施こされた多重金属酸化物活性材料Iの使用が推奨されている。
【0007】
相応する推奨は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10049873号明細書中に見出される。
【0008】
多重金属酸化物活性材料Iの製造は、引用された公知技術水準の記載により、多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物から溶液または懸濁液を製造し、この溶液または懸濁液を乾燥物質の維持下に乾燥させ、乾燥物質を高められた温度で熱処理することにより行なわれる。
【0009】
このようにして製造された多重金属酸化物活性材料Iの欠点は、この多重金属酸化物活性材料Iの長時間の活性が触媒としての使用の際にプロペンからアクロレインへの接触気相酸化にとって十分に満足できるものではないことにある。
【0010】
従って、本発明の課題は、生じる多重金属酸化物活性材料Iを触媒として使用する際にプロペンからアクロレインへの接触気相酸化のために高められた長時間の安定性を保証する、多重金属酸化物活性材料Iを製造するための改善された方法を提供することであった。
【0011】
それに応じて、出発化合物の乾燥すべき溶液または懸濁液は、実際に多重金属酸化物活性材料Iの製造に必要とされる、Biとは異なる元素状成分の全体量を含有するが、しかし、多重金属酸化物活性材料Iの製造に必要とされるBiの部分量のみを含有し、多重金属酸化物活性材料Iの製造に付加的に必要とされる、Biの残存量を事後に初めておよび熱処理の前にBiの出発化合物の形で乾燥物質中に混入することによって特徴付けられる、一般式I
Mo12BiaFebWcX1 dX2 eX3 fOy (I)
〔式中、
X1は、Coおよび/またはNiであり、
X2は、Siおよび/またはAlであり、
X3は、Li、Na、K、Csおよび/またはRbであり、
aは、0.2以上、2以下であり、
bは、0.5以上、10以下であり、
cは、0以上、4以下であり、
dは、2以上、10以下であり、
eは、0以上、10以下であり、
fは、0以上、0.5以下であり、
yは、電荷中性の前提条件下にI中の酸素とは異なる元素の原子価および頻度によって定められる数である〕で示される多重金属酸化物活性材料を、多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物から溶液または懸濁液を製造し、この溶液または懸濁液を乾燥物質の維持下に乾燥させ、乾燥物質を高められた温度で熱処理することにより、製造する方法が見い出された。
【0012】
化学量論的係数aは、本発明によれば、有利に0.4以上、2以下、好ましくは0.4以上、1.5以下、特に好ましくは0.6以上、1.5以下である。変数bの値は、本発明によれば、有利に1以上ないし5以下の範囲内、特に好ましくは2以上ないし4以下の範囲内である。化学量論的係数cは、本発明によれば、しばしば1〜3である。変数dは、本発明によれば、有利に4以上ないし8以下の範囲内、特に好ましくは6以上ないし8以下の範囲内である。化学量論的係数fは、本発明によれば、有利に0以上である。好ましくは、fは、0.01以上、0.5以下、特に好ましくは0.05以上、0.2以下が当てはまる。
【0013】
酸素の化学量論的係数の値、y、は、電荷中性の前提条件下に陽イオンの原子価および頻度から明らかである。
【0014】
本発明によれば、好ましいのは、X1としての触媒活性物質がCoのみを有する多重金属酸化物活性材料Iである。好ましいX2は、Siであり、X3は、特にK、Naおよび/またはCsであり、特に有利にX3は、Kである。
【0015】
更に、本発明によれば、Co/Niのモル比が2:1、有利に少なくとも3:1、特に有利に少なくとも4:1であるような多重金属酸化物活性材料Iは、有利である。最善の場合には、Coのみが存在する。
【0016】
特に好ましい本発明による多重金属酸化物活性材料Iの場合、1.5×(a+b)+dの値は、11以上ないし14以下の範囲内、特に11.5以上ないし13以下の範囲内である。特に好ましくは、1.5×(a+b)+dの値は、11.8以上ないし12.5以下の範囲内である。
【0017】
更に、化学量論がドイツ連邦共和国特許出願公開第19855913号明細書に規定された触媒活性酸化物活性材料に相当する、本発明による全ての多重金属酸化物活性材料Iが適当である。
【0018】
本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料中に含有されている、Biの全体量に対して、本発明による方法の際に事後に乾燥物質中に混入される、Biの量は、一般に20〜80%、有利に30〜60%、特に有利に35〜45%に達する。
【0019】
事後に乾燥物質中に混入すべきBiの源は、既に酸化ビスマスであることができるか、または加熱によって少なくとも酸素の存在下で酸化物に変換可能であるようなビスマス化合物である。従って、本発明によれば、前記目的に適したビスマス化合物は、例えば硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、サリチル酸ビスマスおよびオキシ塩化ビスマスならびにこれらの化合物の水和物である。このビスマス出発化合物は、本発明によれば、自明のものとして先に乾燥物質中に混入すべき、ビスマスの含量のための源として使用されてもよい。
【0020】
多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物からの溶液または懸濁液の製造のために、本発明によれば、水ならびに有機液体、例えばメタノールもしくはエタノールまたはこれらの水との混合物が使用されてもよい。水の使用は、好ましい。この場合、多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物(源)として、ビスマスの場合に既に記載されたように、元素状成分の酸化物または加熱によって少なくとも酸素の存在下で酸化物に変換可能な、元素状成分を含有する化合物がこれに該当する。従って、酸化物と共に出発化合物としては、なかんずくアンモニウムメタレート、ハロゲン化物、硝酸塩、蟻酸塩、蓚酸塩、酢酸塩、炭酸塩または水酸化物がこれに該当する。
【0021】
多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物からの溶液または懸濁液の乾燥は、任意の方法で行なうことができる。即ち、本発明によれば、撹拌下での蒸発濃縮の方法(例えば、常圧および80℃〜130℃の温度でかまたは減圧下でも)、凍結乾燥の方法または噴霧乾燥の方法を使用することができる。この場合、好ましくは、乾燥は噴霧乾燥によって行なわれる(この場合、ガス入口温度は、一般に280〜420℃であり、ガス出口温度は、典型的には100〜150℃である)。
【0022】
本発明により必要とされる、ビスマスの残存量の混入は、原理的に直接に乾燥の際に生じる固体中で行なうことができる。そのために、この固体は、場合によっては早期の微粉砕後に有利に乾燥されたビスマス源と均一に混合され、全乾燥物質に対して20〜60質量%の水または有機液体、例えばメタノールもしくはエタノールの添加後に混練される。混練に引き続いて、混練物は、有利に粗大に粉砕され、乾燥される(例えば、乾燥箱中で100〜150℃の温度で)。更に、乾燥には、高められた温度で本発明により必要とされる熱処理を続けることができる。
【0023】
本発明により必要とされる熱処理は、酸化物雰囲気下、不活性雰囲気下または還元性雰囲気下で行なうことができる。好ましくは、この熱処理は、空気の下で行なわれる。この熱処理は、自明であるように真空下で実施されてもよい。不活性ガス雰囲気を発生させるために、例えば不活性ガス、例えば分子状酸素および/または希ガス、例えばHe、Arが適している。例えば、熱処理は、空気循環炉中で行なうことができる。
【0024】
好ましくは、熱処理の場合に、温度は、600℃を超えない。更に、本発明によれば、熱処理の場合に温度が400℃を超えることは、有利である。特に、熱処理の場合、温度は、550℃を超えない。しかし、本発明によれば、本発明による熱処理の際に温度が430℃を超えることは、有利である。熱処理は、数時間(典型的な時間は、2時間ないし10時間である)の時間で行なうことができ、この場合必要とされる処理時間は、使用される温度が増加するにつれて減少する。
【0025】
熱処理の終結後、得られた多重金属酸化物活性材料Iは、それ自体として、場合によっては微粉砕を行なった後に使用されてよいかまたは幾何学的物体に形成されて触媒としてプロペンからアクロレインへの接触気相酸化のために使用されてよい。
【0026】
例えば、活性物質の粉末形から望ましい幾何学的寸法の触媒への圧縮(例えば、ペレット化、押出またはストランド圧縮)によって中実触媒を製造することができ、この場合には、場合により助剤、例えばグラファイトまたはステアリン酸を滑剤および/または成形助剤として添加することができ、および強化剤、例えばミクロ繊維、例えばガラス、アスベスト、炭化ケイ素またはチタン酸カリウムを添加することができる。適当な幾何学的寸法の中実触媒は、例えば2〜10mmの外径および長さを有する中実円筒体または中空円筒体である。勿論、中実触媒は、球体の幾何学的寸法を有していてもよく、この場合球体の直径は、2〜10mmであることができる。
【0027】
勿論、粉末状の活性物質の形状付与は、予め形成された不活性触媒担体上への施与によって行なうことができる。
【0028】
殻型触媒を製造するための担体の被覆は、一般に、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第2909671号明細書、欧州特許出願公開第293859号明細書、欧州特許出願公開第714700号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第4442346号明細書の記載から公知であるように、回転可能な適当な容器中で実施される。
【0029】
好ましくは、担体の被覆のために、施与すべき粉末材料は、湿潤され、施与後に、例えば熱風を用いて再び乾燥される。担体上に施こされた粉末材料の層厚は、有利に10〜1000μmの範囲内、好ましくは100〜700μmの範囲内、特に好ましくは300〜500μmの範囲内で選択される。また、可能な殻型の厚さは、10〜500μmまたは200〜300μmである。
【0030】
この場合には、担体材料として常用の多孔質または非多孔質の酸化アルミニウム、二酸化珪素、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化珪素または珪酸塩、例えば珪酸マグネシウムもしくは珪酸アルミニウムを使用することができる。特に好適な珪酸塩は、粘土、カオリン、ステアタイトおよび軽石である。
【0031】
担体の表面は、平滑であってもよいし、粗面であってもよい。好ましくは、担体の表面は、粗面であり、それというのも、高められた表面荒さは、一般に酸化物活性材料上に施こされた殻型の付着強度を高めるために必要とされる。しばしば、担体の表面荒さRzは、40〜200μmの範囲内、殊に40〜100μmの範囲内にある(DIN 4768第1頁の記載により、Hommelwerke社, DEの”Hommel Tester fuer DIN−ISO Oberflaechenmessgroessen”を用いて測定した)。
【0032】
好ましくは、担体材料は、非多孔質である(担体の体積に対する細孔の全体積は、1体積%以下を前提とする)。
【0033】
担体の表面上に施こすべき活性物質の微細度は、自明であるように活性酸化物活性材料殻型の望ましい厚さに適合される。100〜500μmの殻型の厚さの範囲には、例えば粉末粒子の少なくとも50%が1〜10μmの目開きの篩を通過し、50μmを上廻る最長の拡がり部を有する粒子の含量が1%未満(粒子の全体数に対して)であるような粉末が適している。一般に、粉末粒子の最長の拡がり部の分布は、製造に応じてガウス分布に相当する。
【0034】
担体は、規則的または非規則的に形成されていてもよく、この場合には、規則的に形成された担体、例えば球体または中空円筒体が好ましい。
【0035】
本発明によれば、例えば直径が1〜8mm、有利に4〜5mmである球状担体の使用が適している。
【0036】
しかし、長さが2〜10mmであり、外径が4〜10mmである、担体としての円筒体の使用も適している。更に、本発明によれば、担体として適当なリングの場合には、壁厚は、通常1〜4mmである。また、本発明により適当である円筒体の寸法は、3〜6mm(長さ)、4〜8mm(外径)およびリングの場合に1〜2mm(壁厚)である。
【0037】
勿論、本発明により適した幾何学的寸法としては、2〜4mm(長さ)、4〜8mm(外径)および1〜2mm(壁厚)がこれに該当する。
【0038】
本発明によれば、顕著な幾何学的寸法の担体は、例えば7mm×3mm×1.5mm(外径×長さ×壁厚)および5mm×3mm×1.5mm(外径×長さ×壁厚)である。
【0039】
本発明によれば、多重金属酸化物活性材料Iを維持するために必要とされる熱処理は、時間的経過で区分されてもよいし、多数の区間に区分されもよい。
【0040】
例えば、最初、熱処理は、150〜350℃、特に220〜280℃の温度で実施されてもよく、それに引き続いて熱処理は、400〜600℃、特に430〜550℃の温度で実施されてもよい。
【0041】
殻型触媒を製造する場合には、本発明によれば一般に、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10049873号明細書の記載と同様に、既に最初の熱処理の後に150〜350℃の温度、有利に220〜280℃の温度で生じる多重金属酸化物前駆物質を触媒担体の被覆のために使用し、多重金属酸化物前駆物質で被覆された担体を400〜600℃、特に430〜500℃での最終的な熱処理を行なうことは、有利である。
【0042】
また、本発明によれば、Biの付加的に必要とされる残存量を事後に混入する、乾燥物質の製造を次のように実施することは、有利である。
【0043】
乾燥すべき溶液または懸濁液は、既に記載されたように、蒸発濃縮、凍結乾燥および/または噴霧乾燥によって無水形に変換される。引続き、これら溶液または懸濁液は、150〜350℃、特に220〜280℃の温度でなお数時間(一般に2〜6時間)さらに乾燥される(還元性雰囲気、酸化物ガス雰囲気および/または不活性ガス雰囲気または真空下で)。引続き、既に記載されたように、ビスマスを含有する出発化合物が混入され、幾何学的寸法の付与後または付与前に400〜600℃、特に430〜550℃の温度で熱処理される。
【0044】
特に好ましくは、本発明による方法は、次のように実施される。出発化合物の溶液または懸濁液は、水性媒体中、特に水中で製造される。
【0045】
引続き、水溶液または懸濁液は、噴霧乾燥される(この場合、ガス入口温度は、一般に280〜420℃であり、ガス出口温度は、典型的には100〜150℃である)。
【0046】
多くの場合、噴霧乾燥の際に生じる粉末は、直接の後加工のためには、微粒状すぎることが判明した。この場合には、有利に水を添加しながら混練される。混練に引き続いて、混練物は、有利に粗大に粉砕され、再び乾燥される(例えば、乾燥箱中で100〜150℃の温度の場合)。
【0047】
この乾燥工程には、150〜350℃で後乾燥が続く(例えば、空気循環炉中;しかし、また他の還元性雰囲気、酸化性雰囲気または不活性雰囲気中ならびに真空下で可能である)。
【0048】
その後に、得られた乾燥材料は、ビスマス出発化合物(特に次炭酸ビスマスおよび/または硝酸ビスマスおよび/またはこれらの水和物)と微粒状で混合される。次に、全乾燥材料に対して水20〜60質量%が添加され、混練される。混練に続いて、混練物は、有利に粗大に粉砕され、乾燥される(例えば、乾燥箱中で100〜150℃の温度で)。
【0049】
引続き、幾何学的寸法の形状付与(中実触媒または殻型触媒に対して)が実施され、その後に400〜600℃、特に430〜550℃で熱処理されるかまたは最初に400〜600℃、特に430〜550℃で熱処理され、次に幾何学的寸法の形状付与(中実触媒または殻型触媒に対して)が実施される(これは、既述した記載と同様に行なうことができる)。
【0050】
殊に、最初に殻型触媒への幾何学的寸法の形状付与および次に熱処理を実施する場合には、担体の被覆および熱処理がドイツ連邦共和国特許出願公開第10049873号明細書の記載と同様に実施される。
【0051】
本発明により得ることができる触媒は、プロペンからアクロレインへの選択的な気相酸化に適しているだけでなく、α,β−不飽和アルデヒドおよび/またはカルボン酸への別の有機化合物(別のアルケン、アルカン、アルカノンまたはアルケノール)の部分気相酸化にも適している。例示的に、アクロレインからのアクリル酸の製造およびイソブテン、イソブタン、第三ブタノールまたは第三メチルエーテルからのメタクロレインおよびメタクリル酸の製造が挙げられる。
【0052】
本発明により得ることができる触媒を使用しながらプロペンからアクロレインへの接触気相酸化のために維持することができる一般的な反応条件は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第4023239号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4431957号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第19955176号明細書中に見出される。
【0053】
なかんずく、本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料Iは、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19955168号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19948523号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19948248号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第19955176号明細書の記載と同様に、触媒装入の高められたプロペン負荷量を使用しながらプロペンからアクロレインへの部分的な接触気相酸化を実施するための触媒に適している。この場合、本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料は、改善された可使時間(改善された長時間安定性)を示す。
【0054】
また、本発明によれば、本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料Iが殊に高められたプロペン負荷量の場合にアクロレイン形成に関連して十分に満足な活性ならびにアクロレイン形成の高められた選択度を有することも本質的なことである。
【0055】
前記の活性のための1つの基準は、所定のプロペン変換率の達成に必要とされる反応温度である。必要とされる反応温度が低くなればなるほど、活性はますます高くなる。
【0056】
最終的に、接触気相酸化によるプロペン酸化の範囲内でアクロレインへと消費される、本発明により得ることができる触媒は、欧州特許出願公開第339119号明細書の記載と同様に再生されうることが確認されるであろう。
【0057】
補足的に、なお本発明により得ることができる多重金属酸化物活性材料およびこの多重金属酸化物活性材料からおよび/またはこの多重金属酸化物活性材料を用いて本明細書中で形成される触媒は、キシロール、殊にp−キシロールおよびm−キシロールから相応するモノアルデヒドおよびジアルデヒド、例えばp−トリアルデヒド、テレフタルジアルデヒド、m−トリルアルデヒドおよびイソフタルアルデヒドへの接触気相酸化による部分酸化のための触媒として適していることが述べられるであろう。
【0058】
キシロールの前記の部分酸化は、例えば棚型反応器(Hordenreaktor)または管束反応器中で実施されることができる。反応温度は、一般に350〜500℃、特に400〜450℃である。部分酸化に必要とされる分子状酸素のための源としては、空気または分子状窒素含量が増加した空気が適している。反応ガス出口混合物中には、酸化すべきキシロールおよび化学量論的反応に対して一般に少なくとも10倍の過剰量の分子状酸素が含有されている。しかし、通常、前記の過剰量は、50以下である。反応ガス出口混合物に対して酸化すべきキシロールの含量は、通常、0.1〜1.5体積%の範囲内である。反応ガス出口混合物を有する触媒装入量の負荷量は、しばしば10000〜20000Nl/l・hに対して選択される。これには、しばしば20〜40Nl/l・hのキシロールを有する相応する負荷量が相応する。
【0059】
キシロールの接触気相酸化による部分酸化は、自明であるように個々のキシロール異性体からの混合物上またはそれぞれ個々のキシロール異性体上で実施されることができる。キシロール部分酸化の使用することができる条件についての詳細な記載は、米国特許第5324702号明細書ならびに米国特許第4017547号明細書に見出される。
【0060】
実施例および比較例
1.化学量論的式Mo12Bi0.6Fe3Co7Si1.6K0.08の乾燥物質の本発明による製造
60℃に加熱された硝酸コバルト(II)水溶液3530.05g(Co12.4質量%)に粉末用漏斗を介して攪拌しながら1分間で60℃を維持しながら硝酸鉄(III)1252.51g(Fe14.2質量%)を添加した。添加の終結後、60℃で30分間で、さらに攪拌した。最後に、60℃を維持しながら滴下漏斗を介して2分間で、硝酸ビスマス水溶液1198.99g(Bi 11.1g)を攪拌混入した。60℃で10分間の後攪拌の後、澄明で赤色に呈色した水溶液Aを得ることができた。
【0061】
水2500g中にKOH水溶液10.18g(KOH 46.8質量%)を攪拌混入した。引続き、この溶液を攪拌しながら60℃に加熱した。次に、60℃を維持しながら撹拌下に少量ずつ七モリブデン酸アンモニウム2249.72gを添加し、なお1時間60℃でさらに攪拌した。淡く混濁した淡黄色の水溶液Bを得ることができた。
【0062】
60℃を有する水溶液Bにポンプを用いて攪拌しながら15分間で、60℃を有する水溶液Aを添加した。添加の終結後、なお60℃で5分間さらに攪拌した。次に、60℃を維持しながら撹拌下にシリカゾル204.11g(Ludox(登録商標)TM, Du Pont, SiO2 50質量%、密度:1.39g/ml, pH: 8.8, アルカリ金属含量0.5質量%以下)を添加し、さらに5分間60℃で後攪拌した。
【0063】
得られた水性混合物をNiro社の噴霧乾燥機(噴霧乾燥機Niro A/S Atomizer Transportable Minor Anlage, Niro社、DK、のZentrifugalzerstaeber)中で噴霧乾燥した。装入物温度は、60℃であった。ガス入口温度は、360±10℃であり、ガス出口温度は、115±5℃であった。全部の水性混合物を2 l/hの輸送効率で載置された噴霧羽根を備えた二物質流ノズルを介して5.2バールの噴霧ノズル初期圧およびキャリヤーガスとして空気(40m3/h)で並流で噴霧した。サイクロン中での粉末分離の後、20〜25μmの粒径を有する噴霧粉末を得ることができた。
【0064】
噴霧粉末400gをWerner & Pfleiderer社, DE,の型LUK 075の1 lの混練機中で水150mlを添加しながら混練した。混練機は、対向運転される2枚のΣ形羽根を備えていた。混練は、3つの工程で5分間、10分間および15分間継続して行なわれた。第3の混練工程の前に、混練物を手で折って分け、十分に混合し、均一な混合を保証するために混練羽根から剥がした。
【0065】
混練に引き続いて、混練物を粗大のまま分け、Binder, DE社の型FD53の乾燥箱(内部体積53 l)中で17時間、120℃で乾燥させた。
【0066】
Nabertherm, DE社の型M60/Aの空気循環炉(内部体積60 l)中で乾燥混練物をさらに乾燥させた。この炉を最初に1時間で240℃に加熱し、この温度で10分間維持した。引続き、60分間で280℃に加熱した。この温度を2時間一定に維持した。全時間の間、空気1 l当たり300Nlのガス流を空位循環炉に導通した。こうして、本発明による乾燥物質Aを得ることができた。
【0067】
2.乾燥物質A中への硝酸ビスマス五水和物の混入
乾燥物質A 400gを0よりも大きく0.12mm以下の粒径に微粉砕した(粒径分布は、本明細書中の”6.”に記載の粒径分布に相当した)。次に、乾燥物質A 400gを硝酸ビスマス五水和物27.89g(Merck社, Darmstadt, DE, 純度:98.5質量%を上廻る、粒径0.25〜1mm)と1.4 lの実験室用ミキサー(ABC社, DE, 型1000 CHA)中で混合し、次にWerner & Pfleiderer社の型LUK 075の1 lの混練機中で水150mlの添加下に混練した。混練機は、対向運転される2枚のΣ形羽根を備えていた。混練は、3つの工程で5分間、10分間および15分間継続して行なわれた。第3の混練工程の前に、混練物を手で折って分け、十分に混合し、均一な混合を保証するために混練羽根から剥がした。混練に引き続いて、混練物を粗大のまま分け、Binder社, DEの型FD53の乾燥箱(内部体積53 l)中で化学量論的式Mo12Bi1.0Fe3Co7Si1.6K0.08の本発明による前駆物質1を乾燥させた。
【0068】
3.乾燥物質A中への次炭酸ビスマス(Bi2CO5)の混入
乾燥物質A 400gを0よりも大きく0.12mm以下の粒径に微粉砕した(粒径分布は、本明細書中の”6.”に記載の粒径分布に相当した)。次に、乾燥物質A 400gを次炭酸ビスマス14.65g(粒径0.05〜2nm、Fluka社, DE, Bi含量80〜82質量%)と1.4 lの実験室用ミキサー(ABC社, DE, 型1000 CHA)中で2分間、混合し、次にWerner & Pfleiderer社, DE,の型LUK 075の1 lの混練機中で水150mlの添加下に混練した。混練機は、対向運転される2枚のΣ形羽根を備えていた。混練は、3つの工程で5分間、10分間および15分間継続して行なわれた。第3の混練工程の前に、混練物を手で折って分け、十分に混合し、均一な混合を保証するために混練羽根から剥がした。
【0069】
混練に引き続いて、混練物を粗大のまま分け、Binder社, DEの型FD53の乾燥箱(内部体積53 l)中で乾燥させ、この場合には、化学量論的式Mo12Bi1.0Fe3Co7Si1.6K0.08の本発明による前駆物質2を得ることができた。
【0070】
4.化学量論的式Mo12Bi1.0Fe3Co7Si1.6K0.08の比較前駆物質1の製造
比較前駆物質1の製造を乾燥物質Aの製造と同様に行なったが、しかし、硝酸ビスマス水溶液1998.32gを攪拌混入した。
【0071】
5.化学量論的式Mo12Bi1.0Fe3Co7Si1.6K0.08の本発明による前駆物質3の製造
この製造を本発明による乾燥物質Aの製造と同様に行なった。しかし、噴霧粉末400gの混練は、水150mlの添加下にのみ行なわれるのではなく、硝酸ビスマス五水和物27.89gの付加的な添加下で行なわれた。
【0072】
6.多重金属酸化物活性材料Iで被覆された殻型触媒の製造および比較殻型触媒の製造
一般的な製造法:
不活性触媒担体の被覆に使用することができる前駆物質を遠心分離ミル(Retsch, DE, 型ZM 100)中で0を上廻り、0.12mm以下である粒径に粉砕した。
【0073】
この場合、詳細には、次の粒径分布を生じた:
【0074】
【表1】
【0075】
粉砕された前駆物質116gを2.5〜3.5mmの直径を有する球状担体250g(Rz=45μm、担持材料=ステアタイト、担体の全体積に対する担体の細孔全体積1体積%)上に施こした。そのために、担体を被覆用ドラム(2 lの内部体積、水平方向に対するドラム中心軸の傾斜角度=30゜)中に装入した。このドラムを毎分25回転で回転させた。圧縮空気300Nl/hで運転される噴霧ノズルを介して、60分間に亘り水約45mlを担体上に噴霧した。この場合、ノズルは、噴霧円錐体がドラム中で連行薄板を通じて傾斜されたドラムの最上点に輸送される担体を進行区間の上半分中で湿潤させるように構成されていた。
【0076】
微粒状の前駆物質を粉末スクリューを介してドラム中に搬入するが、しかし、この場合粉末添加の点は、進行区間内で噴霧円錐体中に存在した。湿潤および粉末計量供給の周期的な繰返しによって、基本的に被覆された担体は、次に続く周期自体で担体に変わる。被覆の終結後、被覆された担体を120℃で15〜20時間の間に乾燥箱(Binder社, DE, 内部体積53 l)中で乾燥させた。引続き、乾燥された殻型触媒前駆物質を空気800Nl/hが貫流する、Heraeus社, DE, (型 K 750/ 2 S, 内部体積55 l)の空気循環炉中で後述の温度プログラムにより熱処理した:
【0077】
【表2】
【0078】
こうして製造された殻型触媒は、全ての場合に370±30μmの多重金属酸化物活性材料層厚を有していた。
【0079】
次の前駆物質を殻型触媒の製造に使用した:
a)前駆物質1(殻型触媒1を得ることができた);
b)前駆物質2(殻型触媒2を得ることができた);
c)前駆物質3(殻型触媒3を得ることができた);
d)比較前駆物質1(比較前駆物質1を得ることができた)。
【0080】
7.製造された殻型触媒の試験
それぞれの殻型触媒をV2A鋼からなる反応管(外径=21mm、内径=15mm)に装入した。装入長さは、全ての場合に触媒固定床が活性物質約43gを含有するように選択された。
【0081】
この反応管の周囲を流動する塩浴でこの反応管を全長に亘って温度処理した。反応ガス混合物としてプロペン5体積%、分子状酸素9.5体積%および分子状窒素85.5体積%からなる混合物を使用した。
【0082】
反応管の負荷量をプロペン10 Nl/hに対して選択した。塩浴温度を全ての場合に、反応管を1回通過する際に95モル%のプロペン変換率Upが達成されるように調節した。95モル%のプロペン変換率の達成後、そのための必要とされる塩浴温度を維持し、運転時間tに亘ってプロペン変換がどのようにして発生されるかについて試験した。生成物のガス流中で、付加的にガスクロマトグラフィー分析によってアクロレインに対して価値のある生成物の形成の選択度SAを測定した。
【0083】
使用された殻型触媒に依存して達成された結果は、次の表に示されている:
【0084】
【表3】
【0085】
殻型触媒1、2および3の場合に必要とされる塩浴温度は、比較殻型触媒1の場合に必要とされる塩浴温度の場合を下廻っていた。
Claims (17)
- 一般式I
Mo12BiaFebWcX1 dX2 eX3 fOy (I)
〔式中、
X1は、Coおよび/またはNiであり、
X2は、Siおよび/またはAlであり、
X3は、Li、Na、K、Csおよび/またはRbであり、
aは、0.2以上、2以下であり、
bは、0.5以上、10以下であり、
cは、0以上、4以下であり、
dは、2以上、10以下であり、
eは、0以上、10以下であり、
fは、0以上、0.5以下であり、
yは、電荷中性の前提条件下にI中の酸素とは異なる元素の原子価および頻度によって定められる数である〕で示される多重金属酸化物活性材料を、多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物から溶液または懸濁液を製造し、この溶液または懸濁液を乾燥物質の維持下に乾燥させ、乾燥物質を高められた温度で熱処理することにより、製造する方法において、出発化合物の乾燥すべき溶液または懸濁液は、実際に多重金属酸化物活性材料Iの製造に必要とされる、Biとは異なる元素状成分の全体量を含有するが、しかし、多重金属酸化物活性材料Iの製造に必要とされるBiの部分量のみを含有し、多重金属酸化物活性材料Iの製造に付加的に必要とされる、Biの残存量を事後に初めておよび熱処理の前にBiの出発化合物の形で乾燥物質中に混入することを特徴とする、一般式Iの多重金属酸化物活性材料の製造法。 - aが0.6以上、1.5以下である、請求項1記載の方法。
- bが2以上、4以下である、請求項1または2記載の方法。
- dが4以上、8以下である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
- fが0.05以上、0.2以下である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
- X1がCoのみである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
- X2がSiのみである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
- X3がKのみである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
- 事後に乾燥物質中に混入された、Biの量が多重金属酸化物活性材料I中に含有されている、Biの全体量に対して20〜80%である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
- 事後に乾燥物質中に混入された、Biの量を出発化合物の硝酸ビスマスの形および/または硝酸ビスマスの水和物の形で混入する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
- 多重金属酸化物活性材料Iの元素状成分の出発化合物から溶液または懸濁液を製造するために、水を使用する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
- 乾燥物質の熱処理が400〜600℃での熱処理を含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
- 懸濁液または溶液の乾燥が噴霧乾燥を含む、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法により得ることができる多重金属酸化物活性材料。
- プロペンからアクロレインへの接触気相酸化のための触媒としての請求項14記載の多重金属酸化物活性材料の使用。
- プロペンをアクロレインへ接触気相酸化するための方法ににおいて、触媒として請求項14記載の多重金属酸化物活性材料を使用することを特徴とする、プロペンをアクロレインへ接触気相酸化するための方法。
- プロペンをアクリル酸へ接触気相酸化するための方法において、この方法が請求項16記載の方法を含むことを特徴とする、プロペンをアクリル酸へ接触気相酸化するための方法。
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