JP4204327B2 - 反応帯域中で分子酸素を用いてプロペンを不均一系触媒により気相酸化することによりアクリル酸を製造する方法 - Google Patents

反応帯域中で分子酸素を用いてプロペンを不均一系触媒により気相酸化することによりアクリル酸を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は反応帯域A中に存在する一般化学量論I
Mo (I)
[式中、
=Teおよび/またはSb、
=Nb、Ta、W、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Ga、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、La、Bi、B、Ce、Sn、Zn、SiおよびInを含む群からの少なくとも1種の元素、
b=0.01〜1、
c=>0〜1、有利には0.01〜1、
d=>0〜1、有利には0.01〜1および
n=(I)中の酸素とは異なる元素の原子価および頻度により決定される数]の複合金属酸化物材料少なくとも1種を使用して分子酸素を用いてプロペンを不均一系触媒による気相酸化することによりアクリル酸を製造する方法に関する。
一般式(I)に相応する化学量論を有する複合金属酸化物材料は公知である(たとえばEP−A608838、EP−A529853、JP−A7−232071、JP−A10−57813、JP−A2000−37623、JP−A10−36311、WO00/29105、Proceedings ISO' 99、Rimini(イタリア)、1999年9月10〜11日、G. CentiおよびS. Perathoner編、SCI Pub.1999年、EP−A767164、Catalysis Today 49(1999年)、第141〜153頁、EP−A962253、Applied Catalysis A:General 194 bis 195(2000年)、第479〜485頁、JP−A11/169716、EP−A895809、DE−A1983247、DE−A10029338、JP−A8−57319、JP−A10−28862、JP−A11−43314、JP−A11−57479、WO00/29106、JP−A10−330343、JP−A11−285637、JP−A10−310539、JP−A11−42434、JP−A11−343261、JP−A11−343262、WO−99/03825、JP−A7−53448、JP−A2000−51693、JP−A11−263745および先行出願DE−A10046672を参照のこと)。
引用した従来技術では複合金属酸化物材料(I)がまず飽和炭化水素をα,β−エチレン系不飽和カルボン酸および/またはそのニトリルへと(たとえばプロパン→アクリル酸)不均一系触媒により気相酸化および/または気相アンモオキシ化するための触媒として推奨されている。
前記の従来技術から同様に、一般化学量論(I)の複合金属酸化物材料がしばしばi相およびk相とよばれる2つの相互に異なった結晶相の形で存在することが公知である(たとえばJP−A11−43314、DE−A19835247およびDE−A10046672を参照のこと)。最近の調査によれば、両方の相のX線回折図がピーク位置2θ=22.2±0.4゜で最も強度大の反射を有することが認識されている。さらにi相のX線回折図はk相とは異なってピーク位置2θ=27.3±0.4゜では反射を有しておらず、これに対してk相のX線回折図はi相とは異なってピーク位置2θ=50.0±0.3゜では反射を有していない。両方の相はさらにピーク位置2θ=28.2±0.4゜で反射を有する。JP−A11−343262およびJP−A11−343261は、分子酸素を用いてアクロレインを不均一系触媒により気相酸化してアクリル酸を得るための触媒として、k相の構造を有する複合金属酸化物材料(I)を推奨している。
JP−A7−53448は、化学量論(I)の複合金属酸化物材料が、反応帯域中に存在する触媒を使用して分子酸素を用いてプロペンを不均一系触媒により気相酸化することによりアクリル酸を製造するための方法にとって適切な活性材料であるとしてごく一般的に推奨している。その際、酸化すべきプロペンは一定の割合のプロパンを含有していてもよい。JP−A7−53448の教示によれば、k相の構造を有する複合金属酸化物材料(I)が有利である。これらはJP−A7−53448の実施例でも使用されている。しかしこれらの複合金属酸化物材料の欠点は、反応帯域中でプロペンをアクリル酸へと接触気相酸化することに関するその活性が不十分であることである。同様にEP−A1090684の化学量論(I)の複合金属酸化物材料もまたプロペンの酸化のためには完全に満足のいくものではない。
WO00/29105は、一般化学量論(I)の複合金属酸化物材料を特に同様にC〜C−アルケンの、接触気相酸化のための触媒として推奨している。可能な原料としてWO00/29105はこの場合、プロパン/プロペン−混合物も考慮している。しかしWO00/29105の教示によれば、一般化学量論(I)の複合金属酸化物材料はそのX線回折図がわずかな半値幅を有する反射からなる結晶構造を有している場合には前記の目的にあまり適切ではない。WO00/29105によれば満足のいく触媒活性はむしろ、短距離秩序が欠けている一般化学量論(I)の複合金属酸化物材料のみが有している。
分子酸素を用いてオレフィンを不均一系触媒により気相酸化するための触媒としての一般化学量論(I)の複合金属酸化物材料の一般的な使用性はWO99/03825、JP−A11−42434、JP−A10−310539、JP−A11−57479およびJP−A10−28862にも記載されている。しかし実施例にはオレフィンの酸化が記載されていない。
JP−A8−57319から、Moおよび/またはVを含有する複合金属酸化物材料を酸を用いた処理により活性化することができることが公知である。
これに対して本発明の課題は、一方ではアクリル酸を形成する際の選択率がk相構造を有する複合金属酸化物材料(I)の使用下でJP−A7−53448の選択率にほぼ相応し、しかし他方では実質的により高い活性を有する複合金属酸化物材料を使用する、反応帯域A中に存在する一般化学量論(I)の複合金属酸化物材料少なくとも1種を使用して分子酸素を用いてプロペンを不均一系触媒により気相酸化することによってアクリル酸を製造する方法を提供することである。
これに応じて、反応帯域A中に存在する一般化学量論(I)の複合金属酸化物材料少なくとも1種を使用して分子酸素を用いてプロペンを不均一系触媒により気相酸化することによりアクリル酸を製造する方法が判明し、この方法の特徴は、少なくとも1種の複合金属酸化物材料(I)が反射h、iおよびkを有し、そのピークが回折角(2θ)22.2±0.4゜(h)、27.3±0.4゜(i)および28.2±0.4゜(k)であり、その際、
− 反射hはX線回折図の中で最も強度大であり、ならびに最大で0.5゜の半値幅を有し、
− 反射iの強度Pおよび反射kの強度Pは0.65≦R≦0.85の関係を満足し、その際、Rは、式
R=P/(P+P
により定義される強度の比であり、かつ
− 反射iおよび反射kの半値幅はそれぞれ≦1゜である
ことである。
つまり本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)は、著しい割合のi相を有していなくてはならない。本発明による方法の場合、i相の割合は通常、使用される複合金属酸化物材料(I)の質量に対して少なくとも75質量%である。従って本発明による方法は、本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)の質量におけるi相の割合が少なくとも80質量%であるか、または少なくとも85質量%または少なくとも90質量%または少なくとも95質量%である方法である。本発明による方法にとって有利にはi相のみからなる複合金属酸化物材料(I)を使用する。
複合金属酸化物材料(I)中のi相の割合に関して一定の尺度は強度比Rである。本発明によれば有利には0.67≦R≦0.75および特に有利にはR=0.70〜0.75もしくはR=0.72が妥当する。
本発明によればM=Teを有する複合金属酸化物材料(I)の使用が有利である。さらに本発明による方法にとってM=Nb、Ta、Wおよび/またはチタンである複合金属酸化物材料(I)が妥当である。有利にはM=Nbである。本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)の化学量論的な係数bは有利には0.1〜0.6である。相応して化学量論的な係数cは0.01〜1もしくは0.05〜0.4であり、dの有利な値は0.01〜1もしくは0.1〜0.6である。本発明により使用される特に有利な複合金属酸化物材料(I)は、化学量論的な係数b、cおよびdが同時に前記の有利な範囲にあるものである。本発明により適切なその他の化学量論は、冒頭で引用した従来技術、特にJP−A7−53448に開示されているものである。
i相の割合が優勢な本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)の適切な製造方法はたとえば文献JP−A11−43314および先行出願DE−A10046672に開示されており、これらの中で関連する複合金属酸化物材料(I)は不均一系触媒によりエタンをエチレンへとオキシデヒドロ化するための触媒として、ならびに不均一系触媒によりプロパンをアクリル酸へと気相酸化するための触媒として記載されている。
これらの文献によると自体公知の、引用された従来技術の文献の多くで開示されている方法により(たとえば先行出願DE−A10033121にも記載されているように)まずi相とその他の相(たとえばk相)との混合物である化学量論(I)の複合金属酸化物材料を製造する。この混合物中でi相の割合はたとえばその他の相、たとえばk相を顕微鏡下で除去するか、または複合金属酸化物材料を適切な液体で洗浄することにより高めることができる。このような液体としてたとえば有機酸(たとえばシュウ酸、ギ酸、酢酸、クエン酸および酒石酸)の水溶液、無機酸(たとえば硝酸)の水溶液、アルコールおよび過酸化水素水溶液が考えられる。さらにJP−A7−232071もまた本発明により使用すべき複合金属酸化物材料(I)の製造方法を開示している。
本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)はDE−A19835247に刊行された製造方法によりあまり体系的ではないが製造することができる。該文献によるとその元素成分の適切な供給源からできる限り完全な、有利には微粒子状の乾燥混合物を製造し、かつ該混合物を350〜700℃もしくは400〜650℃または400〜600℃で熱処理する。熱処理は原則として酸化、還元あるいはまた不活性雰囲気下で行うことができる。酸化雰囲気としてたとえば空気、分子酸素を富化した空気または酸素を富化した空気が考えられる。有利には熱処理を不活性雰囲気下で、つまりたとえば分子窒素および/または希ガス下で実施する。通常熱処理は標準圧力(1気圧)で行う。当然のことながら熱処理は真空下または過圧下で行うこともできる。
熱処理を気体状の雰囲気下で行う場合、これは静止していても流動していてもよい。総じて熱処理は24時間またはそれ以上を必要としてもよい。
有利には熱処理をまず酸化(酸素を含有する)雰囲気下(たとえば空気中)、150〜400℃もしくは250〜350℃の温度で行う。引き続き熱処理を有利には不活性ガス下に350〜700℃もしくは400〜650℃または400〜600℃の温度で継続する。熱処理は当然、触媒前駆体組成物をその熱処理の前にまず(場合により粉末化した後で)タブレット化(場合により微粒子状のグラファイト0.5〜2質量%を添加して)し、次いで熱処理し、かつ引き続きふたたび粉砕して行うこともできる。
出発化合物の完全な混合は本発明により使用すべき複合金属酸化物材料(I)の製造の範囲では乾燥した形で、または湿った形で行うことができる。乾燥した形で行う場合、有利には出発化合物を微粒子状の粉末の形で使用するか、または混合および場合により圧縮した後にか焼(熱処理)することができる。
しかし有利には完全な混合を湿った形で行う。この場合、出発化合物は通常、水溶液および/または懸濁液の形で相互に混合する。引き続き水性組成物を乾燥させ、かつ乾燥後にか焼する。有利には水性組成物は水溶液であるか、または水性懸濁液である。有利には乾燥工程を水性混合物の製造に直接引き続き、かつ噴霧乾燥(出口温度は通常、100〜150℃である;噴霧乾燥は並流または向流で実施することができる)により行い、特に完全な乾燥混合は特に、噴霧乾燥される水性組成物が水溶液である場合に条件付けられる。
元素成分の供給源として前記の本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)の製造方法を実施する場合、加熱(場合により空気中で)の際に酸化物および/または水酸化物を形成することができるすべてのものが考えられる。このような出発化合物として当然、元素成分の酸化物および/または水酸化物もまたすでに併用するか、または単独で使用することができる。
本発明により適切な元素Moのための供給源はたとえば酸化モリブデン、たとえば三酸化モリブデン、モリブデン酸塩、たとえばヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物およびハロゲン化モリブデン、たとえば塩化モリブデンである。
本発明により併用される元素Vのための適切な出発化合物はたとえばバナジルアセチルアセトネート、バナジン酸塩、たとえばメタバナジン酸アンモニウム、酸化バナジウム、たとえば五酸化バナジウム(V)、ハロゲン化バナジウム、たとえば四塩化バナジウム(VCl)およびオキシハロゲン化バナジウム、たとえばVOClである。この場合、バナジウム出発化合物として酸化段階+4のバナジウムを含有するものを併用することができる。
元素テルルのための供給源として本発明によれば酸化テルル、たとえば二酸化テルル、金属テルル、ハロゲン化テルル、たとえばTeClが適切であるが、しかしまたテルル酸、たとえばオルトテルル酸HTeOもまた適切である。
有利なアンチモン出発化合物はハロゲン化アンチモン、たとえばSbCl、酸化アンチモン、たとえば三酸化アンチモン(Sb)、アンチモン酸、たとえばHSb(OH)、あるいはまた酸化アンチモンの塩、たとえば酸化アンチモン−硫酸塩(SbO)SOである。
本発明により適切なニオブ源はたとえば酸化ニオブ、たとえば五酸化ニオブ(Nb)、オキシハロゲン化ニオブ、たとえばNbOCl、ハロゲン化ニオブ、たとえばNbClであるが、あるいはまたニオブと有機カルボン酸および/またはジカルボン酸からなる錯化合物、たとえばシュウ酸塩およびアルコラートである。ニオブ源として当然、EP−A895809で使用されたNb含有の溶液もまた考えられる。
その他の可能なすべての元素Mに関して本発明により適切な出発化合物として特にそのハロゲン化物、硝酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、カルボン酸塩および/または水酸化物が考えられる。適切な出発化合物はこれらの種々のオキソ化合物、たとえばタングステン酸塩もしくはこれらから誘導される酸である。しばしば出発化合物としてアンモニウム塩もまた使用される。
さらに本発明による複合金属酸化物材料(I)を製造するための出発化合物としてアンダーソンタイプのポリアニオンもまた考えられ、これらはたとえばPolyhedron Vol. 6, No. 2、第213〜218頁(1987年)に記載されている。アンダーソンタイプのポリアニオンに関するその他の適切な文献はKinetics and Catalysis, Vol. 40, No. 3、1999年、第401〜404頁である。
出発化合物として適切なその他のポリアニオンはたとえばドーソン(Dawson)またはケッギン(Keggin)タイプのものである。有利には本発明によれば、高温で酸素の存在下または酸素を排除して、場合により気体状の化合物を放出しながらその酸化物へと変換する出発化合物を使用する。
記載の通りに得られる本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)はそのままで[たとえば粉末として、または粉末をタブレット化して(しばしば微粒子状のグラファイト0.5〜2質量%の添加下で)および引き続き粉砕して粉砕物として]使用することができるが、しかしまた成形体に成形して本発明による方法のために使用することもできる。その際、触媒床は固定床、移動床または流動床であってよい。
成形体への成形はたとえば担体上に施与することにより行うことができ、これはたとえば先行出願DE−A10051419に記載されている。
本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)のために使用される担体は有利には化学的に不活性である。つまり該担体は、本発明により使用される複合金属酸化物材料により触媒されるプロペンのアクリル酸への接触気相酸化の進行に実質的に関与しない。
担体のための材料として本発明によれば特に酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、ケイ酸塩、たとえば粘土、カオリン、ステアタイト、軽石、ケイ酸アルミニウムおよびケイ酸マグネシウム、炭化ケイ素、二酸化ジルコニウムおよび二酸化トリウムが考えられる。
担体の表面は平滑であっても、粗面であってもよい。有利には担体の表面は粗面である。というのも、高い表面粗さは通常、施与される活性組成物被覆の高い付着強度を条件付けるからである。
しばしば担体の表面粗さRは5〜200μmの範囲であり、しばしば20〜100μmの範囲である(DIN4768、ページ1、Hommelwerke社(ドイツ)のDIN−ISO表面測定用のHommel Testerを使用)。
さらに担体材料は多孔質であっても、多孔質でなくてもよい。担体材料は多孔質でないほうが有利である(担体の体積に対する細孔の全体積は≦1体積%である)。
本発明によるシェル型触媒上に存在する活性酸化物組成物被覆の厚さは通常、10〜1000μmである。しかしこの厚さは50〜700μm、100〜600μmまたは150〜400μmであってもよい。可能な被覆の厚さは10〜500μm、100〜500μmまたは150〜300μmである。
原則として本発明による方法のために任意の形状寸法の担体が考えられる。最長の長さは通常、1〜10mmである。しかし有利には球体または円筒体、特に中空円筒体を担体として適用する。担体球のために有利な直径は1.5〜4mmである。円筒形を担体として使用する場合、その長さは有利には2〜10mmであり、かつその外径は有利には4〜10mmである。リングの場合、壁厚はさらに通常、1〜4mmである。本発明により適切なリング型の担体は3〜6mmの長さ、4〜8mmの外径および1〜2mmの壁厚を有していてもよい。しかしまた、7mm×3mm×4mmまたは5mm×3mm×2mmの担体リングの形状寸法(外径×長さ×内径)も可能である。
本発明により使用されるシェル型触媒の製造は最も容易な方法では、一般式(I)の活性酸化物組成物を予め形成し、これを微粒子状の形にし、かつ最終的に液状のバインダーを用いて担体の表面上に施与することにより行うことができる。このために担体の表面を最も容易な方法では液状のバインダーで濡らし、かつ一般式(I)の微粒子状の活性酸化物組成物と接触させることにより、活性組成物の層を濡らした表面上に付着させる。最後に被覆した担体を乾燥させる。高い相厚さを達成するためには当然、この工程を規則的に繰り返すことができる。この場合、被覆した担体が新たな「担体」などになる。
担体の表面上に施与すべき一般式(I)の触媒活性酸化物組成物の微細度は当然、所望の被覆の厚さに合わせる。100〜500μmの被覆の厚さの範囲のためにはたとえば粉末粒子の少なくとも50%がメッシュ幅1〜20μmのふるいを通過し、かつ50μmを上回る長さを有するその粒子の数の割合が10%より少ない活性組成物粉末が適切である。通常、粉末粒子の長さの分布は製造条件によってガウスの分布に相応する。しばしば粒径分布は次のとおりである:
Figure 0004204327
その際、
D=粒子の直径、
x=直径が≧Dである粒子の百分率、および
y=直径が<Dである粒子の百分率
である。
記載の被覆方法を工業的な規模で実施するためにたとえばDE−A2909671ならびにDE−A10051419に開示されている方法原理を適用することが推奨される。つまり被覆した担体を有利には傾斜して(傾斜角は通常≧0゜および≦90゜、多くの場合、≧30゜および≦90゜;傾斜角は水平線に対する回転容器の中心軸の角度である)回転する回転容器(たとえば回転皿または被覆ドラム)中に装入する。回転する回転容器はたとえば球形もしくは円筒形の担体を特定の間隔で連続的に配置された供給装置を通過する。両方の供給装置の1つ目は有利にはノズル(たとえば圧縮空気により運転される噴霧ノズル)に相応し、これにより回転する回転皿中で転動する担体を液状のバインダーで噴霧し、かつ制御しながら濡らす。第二の供給装置は噴霧される液状のバインダーの噴霧コーンの外部に存在し、かつ微粒子状の酸化物活性材料を供給するために使用される(たとえば揺動コンベアまたは粉末スクリューを介して)。制御されて濡らされる担体球は供給される活性組成物粉末を吸収し、該粉末は回転運動によってたとえば円筒形もしくは球形の担体の外側表面上で連続したシェルとして圧縮される。
必要な場合にはこうして基層被覆した担体をその後の回転の過程でふたたび噴霧ノズルを通過し、その際、さらなる運動の過程で微粒子状の酸化物活性組成物の別の相を吸収することができるように制御されながら濡らされる(中間乾燥は通常不要である)。微粒子状の酸化物活性組成物および液状のバインダーはこの場合、通常、連続的に、および同時に供給する。
液状のバインダーの除去は被覆が終了した後に熱い気体、たとえばNまたは空気を作用させることにより行うことができる。記載した被覆方法は完全に満足のいく連続相相互の付着ならびに担体表面上での基層の付着をもたらす。
前記の被覆方法にとって重要なことは、被覆すべき担体表面を制御しながら濡らすことである。手短に言うなら、担体表面は有利には、液状のバインダーを吸着して有しているが、しかし担体表面上には液相がそのまま目視で認められないように濡らすことである。担体表面が濡れすぎていると、微粒子状の触媒活性酸化物組成物は表面に付着するというよりも、分離した凝集体へと凝集する。このための詳細な記載はDE−A2909671およびDE−A10051419に記載されている。
前記の使用される液状バインダーの最終的な除去は、制御された方法でたとえば気化および/または昇華により行うことができる。最も簡単な場合には相応する温度(しばしば50〜300℃、多くの場合150℃)の熱いガスを作用させることにより行うことができる。しかしまた熱いガスを作用させることにより予備乾燥のみを行ってもよい。この場合、最終的な乾燥はたとえば任意の種類の乾燥室(たとえばベルト乾燥器)中で、または反応器中で行うことができる。作用させる温度はこの場合、酸化物活性組成物の製造のために適用されるか焼温度を上回るべきではない。当然のことながら、乾燥はもっぱら乾燥室中で実施することもできる。
被覆工程のためのバインダーとして担体の種類および形状寸法とは無関係に次のものを使用することができる:水、一価のアルコール、たとえばエタノール、メタノール、プロパノールおよびブタノール、多価のアルコール、たとえばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはグリセリン、一価もしくは多価の有機カルボン酸、たとえばプロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸またはマレイン酸、アミノアルコール、たとえばエタノールアミンまたはジエタノールアミンならびに一価もしくは多価の有機アミド、たとえばホルムアミド。有利なバインダーは水20〜90質量%と水中に溶解した有機化合物10〜80質量%からなり、その沸点または昇華温度が標準圧力(1気圧)で>100℃、有利には>150℃である溶液でもある。有利には前記の可能な有機バインダーのリストからの有機化合物を選択する。有利には前記の水性バインダー溶液の有機割合は10〜50質量%および特に有利には20〜30質量%である。この場合、有機成分として単糖類および多糖類、たとえばグルコース、フルクトース、サッカロースまたはラクトースならびにポリエチレンオキシドおよびポリアクリレートが考えられる。
重要なことは、本発明により適切なシェル型触媒の製造は、完成した微粉砕した一般式(I)の活性酸化物組成物を濡らした担体表面上に施与することによってのみ行うことができるのではないことである。
むしろ活性酸化物組成物の代わりに該組成物の微粒子状の前駆体組成物を濡れた担体表面上に(同じ被覆方法およびバインダーを使用して)施与し、かつ被覆した担体を乾燥させた後にか焼することもできる。
このような微粒子状の前駆体組成物としてたとえば、一般式(I)の所望の活性酸化物組成物の元素成分の供給源からまずできる限り完全な、有利には微粒子状の乾燥混合物を(たとえば供給源の水性懸濁液または溶液の噴霧乾燥により)製造し、かつこの微粒子状の乾燥混合物を(場合により微粒子状のグラファイト0.5〜2質量%を添加してタブレット化した後で)150〜350℃の温度で、有利には250〜350℃で酸化(酸素を含有する)雰囲気(たとえば空気)下で熱処理(数時間)し、かつ最終的に必要であれば粉砕することによって得られるものが考えられる。
前駆体組成物により担体を被覆した後に、次いで有利には不活性雰囲気下で(すべてのその他の雰囲気もまた考えられる)360〜700℃もしくは400〜650℃または400〜600℃の温度でか焼する。
本発明により使用することができる複合金属酸化物材料(I)の成形は、微粒子状の複合金属酸化物材料(I)ならびに複合金属酸化物材料(I)の微粒子状の前駆体組成物の押出成形および/またはタブレット化によっても行うことができる。
この場合、形状として球体、中実の円筒体および中空の円筒体(リング)が考えられる。この場合、前記の形状の最長の長さは通常、1〜10mmである。円筒体の場合、その長さは有利には2〜10mmであり、かつその外径は有利には4〜10mmである。リングの場合、壁厚はさらに通常、1〜4mmである。本発明により適切なリング型の完全触媒(Vollkatalysator)は、長さ3〜6mm、外径4〜8mmおよび壁厚1〜2mmを有していてもよい。しかしまた7mm×3mm×4mmまたは5mm×3mm×2mm(外径×長さ×内径)の完全触媒寸法もまた可能である。
使用される複合金属酸化物材料(I)に関して本発明による方法にとって当然のことながらDE−A10101695のすべての方法もまた考えられる。
本発明にとって重要なことは、本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)は、そのピークが回折角(2θ)22.2±0.4゜(h)、27.3±0.4゜(i)および28.2±0.4(k)である反射h、iおよびkを有するX線回折図(この文献では常にCuKα線に対する)を有することであり、この場合、
− 反射hはX線回折図の中で最も強度大であり、ならびに最大で0.5゜の半値幅を有し、
− 反射iの強度Pおよび反射kの強度Pは0.65≦R≦0.85の関係を満足し、その際Rは、式
R=P/(P+P
により定義される強度の比であり、かつ
− 反射iおよび反射kの半値幅はそれぞれ≦1゜である。
X線回折図における反射の強度の定義は、この文献ではDE−A19835247に、ならびにDE−A10051419およびDE−A10046672に記載されている定義を引用する。
つまりAが反射1のピークを表し、かつBが2θ軸に対して垂直な強度軸に沿って観察した場合、X線回折図の直線でピークAの左側で最も近い顕著な最小値(反射ショルダーを有する最小値は考慮しない)であり、かつBが相応してピークAの右側で最も近い顕著な最小値であり、かつCはピークAから2Θ軸に対して垂直に引かれた直線が点BおよびBを結合する直線に交差する場合、反射1の強度はピークAから点Cにのびている、直線の線分Aの長さである。この場合、最小値という表現は、反射1のベース領域において曲線に対する接線の傾斜が負の値から正の値へ移行する点、または傾斜がゼロに向かう点を意味し、その際、傾斜を規定するために2θ軸および強度軸の座標を使用する。
半値幅とはこの文献では相応して、直線の線分Aの中央で2θ軸に対する平行線を引く場合、両方の交点HおよびHの間で生じる直線の線分の長さであり、この場合、H、HはそれぞれX線回折図の前記で定義した直線との平行線の、Aの左側および右側の交点を表す。
半値幅および強度の測定の実施例はDE−A10046672の図6にも記載されている。
反射h、iおよびk以外に本発明により使用される有利な複合金属酸化物材料(I)のX線回折図は通常、そのピークが次の回折角(2θ)である別の反射を有する:
9.0±0.4゜(l)、
6.7±0.4゜(o)および
7.9±0.4゜(p)。
一般式(I)の触媒活性酸化物組成物のX線回折図がさらに、そのピークが次の回折角(2θ)である反射を有する場合に有利である:
45.2±0.4゜(q)。
複合金属酸化物材料(I)のX線回折図はしばしばさらに反射29.2±0.4゜(m)および35.4±0.4゜(n)を有する。
一般式(I)の触媒活性酸化物組成物がk相を有する場合、X線回折図は通常、さらにそのピークが次の回折角(2v)である別の反射を有する:
36.2±0.4゜および
50.0±0.4゜。
反射hが強度100である場合、本発明によれば反射i、l、m、n、o、p、qが同じ強度スケールで次の強度を有する場合に有利である:
i:5〜95、師橋が5〜80、部分的に10〜60;
l:1〜30;
m:1〜40;
n:1〜40;
o:1〜30;
p:1〜30および
q:5〜60。
X線回折図が前記の付加的な反射を含む場合、半値幅は通常≦1゜である。
この文献におけるX線回折図に関するすべての記載はX線としてCuKα線の使用下で得られたX線回折図に関する(ジーメンスの回折計Theta-Theta D-5000、管電圧:40kV、管電流:40mA、開口V20(可変)、コリメーター開口V20(可変)、二次モノクロメーター開口(0.1mm)、検出器開口(0.6mm)、測定間隔(2Θ):0.02゜、工程ごとの測定時間:2.4秒、検出器:シンチレーションカウンター)。
本発明により使用される多金属酸化物活性組成物(I)の比表面積は多くの場合、1〜30m/gである(BET表面積、窒素)。
さらに本発明による方法は、JP−A7−53448に記載されているように実施することもできる。
つまり、1つの反応帯域は本発明による方法の実施のために十分である。この反応帯域中に触媒活性組成物としてもっぱら一般式(I)の複合金属酸化物材料、つまり1種類の複合金属酸化物材料が存在する。
このことは通常ではない、というのもプロペンからアクリル酸への不均一系触媒による気相酸化はごく一般的に時間的に連続する2つの工程で進行するからである。第一工程で通常、プロペンはほぼアクロレインに酸化され、かつ第二工程で通常、第一工程で形成されたアクロレインがアクリル酸へと酸化される。
従ってプロペンからアクリル酸への不均一系触媒による気相酸化の一般的な方法は、通常、前記の2つの酸化工程のそれぞれの酸化工程にふさわしい特殊な触媒タイプを使用する。
つまりプロペンからアクリル酸への不均一系触媒による通常の気相酸化は本発明による方法とは異なり2つの反応帯域を用いて作業する。
1つの反応帯域A中での本発明による方法の場合、当然のことながら一般化学量論Iの複合金属酸化物材料1種または複数が存在していてもよい。もちろん、本発明により使用される触媒は、この文献でたとえば担体材料として推奨されている不活性材料で希釈されていてもよい。
反応帯域Aに沿って本発明による方法の場合、1つの温度あるいはまた反応帯域Aの長さに沿って変化する加熱媒体の温度が反応帯域Aの温度処理のために優勢であってもよい。この温度変化は高くなっても低くなってもよい。
本発明による方法を固相酸化として実施する場合、この実施は有利には、その接触管に触媒が装入されている1つの管束反応器中で行う。接触管の周囲に通常、熱媒体として液体、通常は塩浴を導入する。
反応帯域Aに沿った複数の温度帯域は、接触管の長さに沿って断片的に1つ以上の塩浴を接触管の周囲に案内することによって容易な方法で実現することができる。
反応混合物は接触管中で反応器を介して考慮した場合、塩浴に対して並流または向流で案内する。塩浴自体は接触管に対して純粋な並流で実施する。しかしまた当然のことながらこれは横断流を形成していてもよい。総じて接触管の周囲の塩浴は蛇行型の流れを形成してもよく、これは反応器を介して考慮した場合、反応ガス混合物に対して並流または向流で案内される。
反応温度は本発明による方法の場合、全反応帯域Aに沿って200℃〜500℃であってよい。該温度は通常、250〜450℃である。有利には反応温度は330〜420℃、特に有利には350〜400℃である。
作業圧力は本発明による方法の場合、1気圧、1気圧未満または1気圧を超えてもよい。本発明によれば典型的な作業圧力は1.5〜10バール、しばしば1.5〜4バールである。
本発明による方法において使用されるプロペンはその純度に関して特に高い要求は課されていない。
プロペンとして本発明による方法のために、プロペンからアクロレインおよび/またはアクリル酸へと不均一系触媒による1段もしくは2段の全ての気相酸化のためにごく一般的に、たとえば以下の両方の規格のプロペン(粗製プロペンともよばれる)を全く問題なく使用することができる:
Figure 0004204327
Figure 0004204327
しかしまた当然のことながら前記のすべての可能なプロペンの不純物はそれぞれ前記の個別的な量の2倍から10倍の量で粗製プロペン中に含有されていてもよく、その際、プロペンをアクロレインおよび/またはアクリル酸へと不均一系触媒により気相酸化するための一段または二段の本発明による方法もしくは公知の方法のための使用性はごく一般に損なわれない。
このことは特に、飽和炭化水素、水蒸気、酸化炭素または分子酸素の場合、いずれにしても不活性希釈ガスとして、または反応相手として前記の方法において高められた量で反応の実施に関与する化合物である場合に妥当する。通常、粗製プロペンはそのままで本発明による方法のために循環ガス、空気および/または分子酸素および/または希釈された空気および/または不活性ガスと混合し、かつプロペンからアクロレインおよび/またはアクリル酸へと不均一系触媒により気相酸化するその他のすべての方法のために使用する。
しかしまた、プロペン供給源として本発明による方法のために、本発明による方法とは異なった方法の範囲で副生成物として形成されるプロペンも考えられる。この場合、このプロペンはその他の、本発明による方法を実質的に妨げることのない不純物を伴うことがある。
酸素源として本発明による方法のために純粋な酸素も空気も、または酸素が富化された、もしくは酸素が低減した空気も使用することができる。
分子酸素およびプロペン以外に、本発明による方法のために使用される反応ガス出発混合物は通常、さらに少なくとも1種の希釈ガスを含有している。該ガスとして窒素、酸化炭素、希ガスおよび低級炭化水素、たとえばメタン、エタンおよびプロパンが考えられる。しばしば水蒸気もまた希釈ガスとして使用される。多くの場合、前記のガスからなる混合物は本発明による方法のための希釈ガスを形成する。
本発明によれば有利には本発明による不均一系触媒によるプロペンの酸化をプロパンの存在下で行う。
一般に本発明による方法のための反応出発ガス混合物は次の組成を有する(分子比):
プロペン:酸素:HO:その他の希釈ガス
=1:(0.1〜10):(0〜70):(0〜20)。
有利には前記の比は1:(1〜5):(1〜40):(0〜10)である。
プロパンを希釈ガスとして使用する場合、該ガスは本発明による方法の場合、部分的に同様にアクリル酸へと酸化されうる。
本発明によれば有利には反応ガス出発混合物は分子窒素、CO、CO、水蒸気およびプロパンを希釈ガスとして含有する。
プロパン:プロペンのモル比は本発明による方法の場合、次の値であってよい:0〜15、しばしば0〜10、多くの場合0〜5、有利には0.01〜3。
プロペンによる触媒装入の負荷は本発明による方法の場合、たとえば80〜250Nl/l・hであってもよい。反応ガス出発化合物による負荷はしばしば3000〜15000Nl/l・hの範囲、多くの場合は1000〜10000Nl/l・hの範囲である。
当然のことながら本発明による方法の場合、アクリル酸のみからなるのではない生成ガス混合物が得られる。多くの場合、生成物ガス混合物は未反応のプロペン以外に副成分、たとえばプロパン、アクロレイン、CO、CO、HO、酢酸、プロピオン酸などを含有しており、これらからアクリル酸を分離しなくてはならない。
これはプロペンからアクリル酸へ不均一系触媒により2段階で(2つの反応帯域で実施)気相酸化をすることから一般に公知であるように行うことができる。
つまり生成物ガス混合物は含有されるアクリル酸は、水による吸収により、または高沸点の不活性な疎水性有機溶剤(たとえばジフェニルエーテルとジフィルとからなる混合物、これは場合によりさらにジメチルフタレートのような添加物を含有していてもよい)による吸収により取り込むことができる。その際に得られる吸収剤とアクリル酸とからなる混合物を引き続き、自体公知の方法で精留法により、抽出法により、および/または結晶化により純粋なアクリル酸へと後処理することができる。あるいは生成物ガス混合物からのアクリル酸の基本的な分離は分別凝縮により、たとえばDE−A19924532に記載されているように行うことができる。
その際に得られる水性のアクリル酸凝集物を次いでたとえば分別結晶化(たとえば懸濁液の結晶化および/または層結晶化)によりさらに精製することができる。
アクリル酸の基本的な分離の際に残留する残留ガス混合物は特に未反応のプロペンを含有している。これは残留ガス混合物から、たとえば分別加圧精留法により分離し、かつ引き続き本発明による気相酸化に返送することができる。しかし、残留ガスを抽出装置中で、プロペンを有利に吸収することができる疎水性の有機溶剤と(たとえば前記の溶剤を導通することにより)接触させることが有利である。
その後の脱着および/または空気を用いたストリッピングにより吸収されたプロペンはふたたび遊離し、かつ本発明による方法に返送することができる。この方法で経済的な全プロペン反応率が達成可能である。プロパンの存在下でプロペンを酸化する場合、プロペンおよびプロパンを有利には一緒に分離し、かつ返送する。
本発明による方法において顕著であることは、1つのみの反応帯域で反応ガス混合物を1回通過させる際に高いプロペン反応率ならびに高いアクリル酸形成の選択率が可能であることである。
本発明により使用される複合金属酸化物材料(I)は当然、微粒子状の、たとえばコロイド状の材料、たとえば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブにより希釈した形で本発明による方法で使用することができる。
希釈剤組成物の比率はこの場合、9(希釈剤):1(活性組成物)までであってよい。つまり可能な希釈剤組成物の比率は、たとえば6(希釈剤):1(活性組成物)および3(希釈剤):1(活性組成物)である。希釈剤の混合はか焼の前および/または後に行うことができる。混合をか焼の前に行う場合、希釈剤はか焼の際にそのままで実質的に維持されるように選択しなくてはならない。このことはたとえば相応して高い温度で焼成される酸化物の場合に通常与えられている。
本発明により使用すべき複合金属酸化物材料(I)はアクロレインから、およびプロパンからアクリル酸へと、ならびにメタクロレインおよびその他のC−前駆体、たとえばn−ブタンまたはイソ−ブタンからメタクリル酸へと気相接触酸化するために適切である。当然、これらはプロペンおよび/またはプロパンからアクリルニトリルへの気相触媒反応によるアンモオキシ化のためにも適切である。本発明による方法において消費される触媒は酸素含有ガス、たとえば水蒸気が添加されていてもよい空気または酸素が富化されたもしくは低減された空気を送入することにより反応温度以下の温度で数回再生することができる。
実施例
A)触媒の製造
a)本発明による
1.温度80℃を有する水6000ml中に撹拌下でMoO含有率81.53質量%を有するヘプタモリブデン酸アンモニウム水和物(理想組成:(NHMo24、Starck社)706.2gを溶解した。80℃を維持しながら得られる清澄な無色の溶液をさらに攪拌しながら順次、まずメタバナジン酸アンモニウム(V含有率77.4質量%、理想組成:NHVO、G. f. E. Nuernberg)141.0gおよび引き続きテルル酸(HTeO 99質量%、Fluka社)211.28gを添加した。その際、溶液Aが得られた。溶液Aを30℃に冷却した。30℃に冷却した清澄な、かつ赤色に着色した溶液Aをさらに攪拌し、かつ30℃を維持しながら、シュウ酸ニオブ(H. C. Starck社、ドイツ、Goslar、Nb含有率=20.1質量%)221.28gおよび30℃を有する水2000mlからなるシュウ酸ニオブ水溶液を添加した。
得られる混合物を噴霧乾燥器中で乾燥させた(Niro社の装置、ドイツ、T入口=350℃、T出口=105℃)。得られた固体150gを図1に記載の回転球形炉(rotary sphere oven)(内容積1リットルを有する石英ガラス球;1=炉ハウジング、2=回転フラスコ、3=加熱室、4=窒素−/空気流)中で空気中(10l/h)、加熱速度5℃/分で25℃から275℃に加熱した。その後、直接引き続き分子窒素流(10Nl/h)で加熱速度2℃/分で275℃から650℃に加熱し、かつこの温度で窒素流下に6時間維持した。引き続き窒素流の維持下に放置して25℃に冷却させた。黒色のか焼生成物が得られた。
こうして得られた黒色のか焼生成物230gを20質量%濃度の水性HNO(硝酸)2300g中に添加した。得られた水性の懸濁液を70℃で7時間攪拌した。次いで25℃に冷却した。黒色の懸濁液中に存在する固体を濾過により水相から分離し、水で硝酸塩が不含になるまで洗浄し、かつ引き続き循環流乾燥室中、120℃で一夜乾燥させた。使用した230gは前記の処理後に固体a)181.4g(=78.7質量%)が残留した。
得られた固体a)85gを水150mlと一緒にZrOからなる粉砕装置(500mlのZrビーカーおよび外径2mmを有するZrOの粉砕媒体200mlとからなる)中に添加し、かつRetsch社、DE、42759 Haanの高速遊星型ミルPM4000中で毎分300回転の回転数で30分間粉砕した。得られた粉砕ビーカーの内容物をふるいによりZrO粉砕ビーズから分離した。得られた懸濁液の固体の割合を濾過により分離し(ペーパーフィルター)、かつ引き続き温度120℃で換気乾燥室中で一夜乾燥させた。得られた粉末(粒径0.12mm以下)の化学組成はMo0.15Te0.09Nb0.16であった。属するX線回折図は図2が示している(R=0.76)。これはもっぱらi相を有していた。得られた粉末75gを直径2.2〜3.2mmを有する球形の担体(R=45μm、担体材料=Ceramtec社のステアタイト、DE、担体の細孔の全体積は担体の全体積に対して1体積%以下である)162gを施与した。このために担体を内容積2lを有する被覆ドラム(ドラム中心軸の傾斜角は水平線に対して30゜)中に装入した。ドラムを毎分25回転で回転させた。圧力空気300Nl/hで運転される噴霧ノズルを介して60分間にわたりグリセリンと水とからなる混合物(グリセリン:水の質量比=1:3)約30mlを担体上に噴霧した。その際、ノズルは、噴霧コーンがドラム中で金属駆動板により傾斜したドラムの頂点に搬送される担体が転がり帯域の上の半分で濡れるように設置した。微粒子状の活性組成物粉末を粉末スクリューを介してドラム中に導入し、その際、粉末を添加する箇所は転がり帯域内で、または噴霧コーンの下に存在していた。濡らすことと粉末の供給とを周期的に繰り返すことにより基層被覆した担体はその後の周期で自体が担体となる。
被覆が終了した後で被覆した担体を換気乾燥室(Binder社、DE、内部体積53l)中120℃で16時間乾燥させた。グリセリンをこれに引き続く、空気中150℃で2時間の熱処理により除去した。本発明により使用されるシェル型触媒Saが得られた。
b)本発明による
a)に記載したように固体a)を製造した。得られた固体a)85gをa)においてと同様に粉砕した。ただし水150mlの代わりに7.5質量%の水性HNO 150mlを使用した。ZrO粉砕ビーズをふるいにより分離した後、得られた懸濁液の固体割合を濾過により分離し(ペーパーフィルター)、水で硝酸塩不含になるまで洗浄し、かつ引き続き120℃で一夜、循環流乾燥室中で乾燥させた。得られた粉末の化学的組成(粒径0.12mm以下)はMo0.15Te0.088Nb0.16であった。属するX線回折図を図3が示す(R=0.74)。該図によればi相のみを有していた。得られた粉末75gを用いてa)においてと同様に本発明により使用されるシェル型触媒Sbを製造した。
c)比較
メタバナジン酸アンモニウム(V含有率77.4質量%、理想組成:NHVO、G. f. E. Nuernberg社)1287.25gを特殊鋼容器中、80℃で水44.6l中に溶解した。清澄で黄色みを帯びた溶液が生じ、該溶液を60℃に冷却した。次いでこの溶液に順次、60℃を維持しながらテルル酸(99質量%HTeO、Fluka社)1683.75gおよびMoO含有率81.53質量%を有するヘプタモリブデン酸アンモニウム水和物(理想組成:(NHMo24・4HO、Starck社)5868.0gを撹拌下で添加した。深赤色の溶液Aが生じ、該溶液を30℃に冷却した。第二の特殊鋼容器中にこれとは別にシュウ酸ニオブアンモニウム(Nb21.1質量%、Starck社/Goslar)1599.0gを60℃で水8.3l中に溶解した。溶液Bが得られ、該溶液を30℃に冷却した。溶液AおよびBを30℃で合し、その際溶液Bを溶液A中に攪拌しながら導入した。添加は3分間の時間にわたって行った。橙赤色の懸濁液が生じた。この懸濁液を引き続き噴霧乾燥させた(Nipolosa社の噴霧塔;受け器の温度を30℃に維持した。T入口=240℃、T出口=110℃;乾燥時間:1.5時間)。得られる噴霧粉末は同様に橙色であった。粉末質量の2%の微粒子状のグラファイト(Timcal社、スイス)を添加混合した後、該粉末を寸法16mm×8mm×2.5mm(外径×内径×高さ)のリングにタブレット化し、得られた側方圧縮強度は11Nであった)。このリング100gを図1に記載の回転球形炉中でか焼した。このためにまず35分以内に25℃から50Nl/hの空気流中で275℃まで直線的に加熱し、かつこの温度を1時間、空気流を維持しながら維持した。引き続き空気流を50Nl/hの窒素流により交換し、かつ25分以内に直線的に275℃から600℃まで加熱した。この温度および窒素流を2時間維持した。最終的に窒素流を維持しながら放置して25℃まで冷却させた。か焼した材料を引き続きレッチュ(Retsch)ミル(遠心分離ミル、ZM100型、Retsch社、ドイツ)中で粉砕した(粒径0.12mm以下)。化学組成Mo1.00.33Te0.15Nb0.11を有する黒色の粉末が得られた。属するX線回折図を図4が示す(R=0.35)。これはi相およびk相からなる混合物を有していた。i相の割合は65質量%であった。粉末75gを用いてa)においてと同様に比較シェル型触媒Scを製造した。
d)比較
メタバナジン酸アンモニウム(V含有率77.4質量%、理想組成:NHVO、G. f. E. Nuernberg社)128.0gを特殊鋼容器中、80℃で水2925ml中に溶解した。清澄で黄色みを帯びた溶液が生じ、該溶液を60℃に冷却した。次いでこの溶液に順次、60℃を維持しながらテルル酸(99質量%HTeO、Fluka社)304.5gおよびヘプタモリブデン酸アンモニウム水和物(MoO含有率81.53質量%、Starck社、理想組成:(NHMo24・4HO)585.0gを撹拌下で添加した。深赤色の溶液Aが生じ、該溶液を30℃に冷却した。第二の特殊鋼容器中にここから分離したニオブ酸(Nb含有率48.6質量%、Starck社)69.6gをシュウ酸二水和物343.5gと一緒に60℃で水750ml中に溶解した。溶液Bが得られ、該溶液を30℃に冷却した。溶液AおよびBを30℃で合し、その際溶液Bを溶液A中に攪拌しながら導入した。添加は3分間の時間にわたって行った。橙赤色の懸濁液が生じた。この懸濁液を引き続き噴霧乾燥させた(Nipolosa社の噴霧塔;受け器の温度を30℃に維持した。T入口=330℃、T出口=110℃;乾燥時間:2時間)。得られる噴霧粉末はオリーブグリーン色の均一な粉末であった。
噴霧粉末100gを図1に記載の回転球形炉中でか焼した。さらにまず27.5分以内に25℃から50Nl/hの空気流中で275℃まで直線的に加熱し、かつこの温度を1時間、空気流を維持しながら維持した。引き続き空気流を50Nl/hの窒素流により交換し、かつ32.5分以内に直線的に275℃から600℃まで加熱した。この温度および窒素流を2時間維持した。最終的に窒素流を維持しながら放置して25℃まで冷却させた。か焼した材料を引き続きレッチュ(Retsch)ミル(遠心分離ミル、ZM100型、Retsch社、ドイツ)中で粉砕した(粒径0.12mm以下)。化学組成Mo1.00.33Te0.41Nb0.11の黒色の粉末が得られた。属するX線回折図を図5が示す(R=0)。これは実質的に純粋なk相を有していた。粉末75gを用いてa)においてと同様に比較シェル型触媒Sdを製造した。
B)触媒の試験
A)からのシェル型触媒をV2Aスチール(外径=21mm、内径=15mm)からなるそのつど1つの反応管(長さ:120cm)に装入した。装入物の長さは70cmを選択した。ステアタイト球(直径2.2〜3.2mm、Ceramtec社)からなる長さ30cmの前堆積物(これは省略することもできる)を反応ガス出発混合物の加熱に使用した。同じステアタイト球を用いて反応管を触媒帯域の後に最終的に充填した(これもまた省略することができる)。反応管をその全長さにわたって循環する、温度370℃の塩浴により温度調節した。反応ガス出発混合物としてプロペン5体積%、酸素9.5体積%および窒素85.5体積%からなる混合物を使用した。反応ガス出発混合物による反応管の負荷はすべての場合において100Nl/hであった。生成物ガス流中でガスクロマトグラフィーによる分析によって反応管を1回通過した際のアクリル酸形成の選択率Sを確認した。以下の第1表は異なったシェル型触媒により達成されたプロペンの反応率(U)ならびにアクリル酸形成の選択率Sを示す。
Figure 0004204327
不活性堆積物を除去することにより結果が損なわれることはなかった。
b)A)からの種々のシェル型触媒35gを管型反応器中に設置し(長さ140cm、内径:8.5mm、外径:60mm、触媒堆積物の長さ=52cm、さらに反応ガス出発混合物を加熱するために、Ceramtec社の長さ30cmの、ステアタイト球(直径2.2〜3.2mm)からなる前堆積物、さらに反応管を同じステアタイト球で触媒帯域の後で最終的に充填した)、該管は電気加熱マットにより加熱した。マット温度350℃、滞留時間(触媒堆積物に関する)2.4秒および圧力2バール(絶対)で、モル組成プロペン:空気:水=3.3:50:46.7のフィード(反応ガス出発混合物)を用いて使用したシェル型触媒に依存して第2表に記載した結果が得られた。
Figure 0004204327
モル組成プロパン:プロペン:空気:水=0.5:0.5:15:14のフィードを使用する場合、Saを用いた場合のUは57モル%であり、かつ得られたSは71モル%であった。
本発明による方法を実施するための回転球形炉を示す図 X線回折図を示す図 X線回折図を示す図 X線回折図を示す図 X線回折図を示す図
符号の説明
1 炉ハウジング、 2 回転フラスコ、 3 加熱室、 4 窒素−/空気流

Claims (10)

  1. 反応帯域A中に存在する一般化学量論I
    Mo (I)
    [式中、
    =Teおよび/またはSb、
    =Nb、Ta、W、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Ga、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、La、Bi、B、Ce、Sn、Zn、SiおよびInを含む群からの少なくとも1種の元素、
    b=0.01〜1、
    c=>0〜1、
    d=>0〜1および
    n=(I)中の酸素とは異なる元素の原子価および頻度により決定される数]の複合金属酸化物活性材料少なくとも1種を使用して分子酸素を用いて不均一系触媒による気相酸化によりプロペンからアクリル酸を製造する方法において、
    少なくとも1種の複合金属酸化物材料(I)のX線回折図は、そのピークが回折角(2θ22.2±0.4゜(h)、27.3±0.4゜(i)および28.2±0.4゜(k)である反射h、iおよびkを有し、
    − 反射hはX線回折図中で最も強度大であり、かつ最大で0.5゜の半値幅を有し、
    − 反射iの強度Pおよび反射kの強度Pは0.65≦R≦0.85の関係を満足し、その際、Rは式
    R=P/(P+P
    により定義される強度比であり、かつ
    − 反射iおよび反射kの半値幅はそれぞれ≦1゜である
    ことを特徴とする、複合金属酸化物材料少なくとも1種を使用して分子酸素を用いて不均一系触媒による気相酸化によりプロペンからアクリル酸を製造する方法。
  2. 0.67≦R≦0.75である、請求項1記載の方法。
  3. R=0.70〜0.75である、請求項1記載の方法。
  4. =Teである、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. =Nbである、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. b=0.1〜0.6である、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. c=0.05〜0.4である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. d=0.1〜0.6である、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. X線回折図がピーク位置2θ=50.0±0.3゜を有する反射を有していない、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. プロペンをプロパンの存在下で酸化する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
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