JP2004515643A - 電子応用分野のための現場成形ガスケット - Google Patents

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Abstract

液状ポリオレフィンオリゴマー、反応性希釈剤、チキソトロピー性充填剤および硬化剤を含む押出し成形可能なチキソトロピー性材料の所定のパターンの硬化が後続する自動的配置を用いて作成された非シリコーン現場成形ガスケット。該現場成形ガスケットは、硬化後、7%〜約20%の圧縮永久歪、約10μg/g〜約45μg/gのガス発生成分レベルおよび45〜65のショアA硬度を有する。

Description

【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、エンクロージャに対してカバーを取付け密封するために使用されるガスケット材料に関する。より特定的には、本発明は、敏感な電子部品用コンテナの表面に適用される現場成形(form‐in‐place)ガスケットに関する。本発明に従ったガスケット組成物は、ガス発生およびイオン汚染の有害な効果を実質的にもたない。
【0002】
関連技術の論述
ガスケット製造のための従来の方法は、実質的に、エラストマシート材料からガスケットをダイカットするかまたはエラストマ混合物などの射出成形によりガスケットを造形することのいずれかを含む。これらの方法は共に、最終製品にコストを追加するパンチおよび金型といったような高価な工具を必要とする。さらに新しい製造方法は、実質的に平面である表面上にノズルから流体エラストマのビーズまたは糸を被着させる。流体エラストマ糸がとるパターンは、所望の形状をもつガスケットを提供するべく選択された座標に従ってプログラミングされた、自動化された機器を用いて制御可能である。所望のガスケットパターンに合わせて形成した後、流体エラストマ糸を、促進剤またはその他の添加剤を伴ってまたは伴わずに、周囲温度でまたはオーブン内で硬化させることができる。
【0003】
現場成形ガスケット用に適した液状エラストマ組成物には、縮合−反応硬化性シリコーンゴムおよび付加−反応硬化性シリコーンゴムが含まれる。これらの組成物は、接合部材の少なくとも1つの表面に対して密封用材料ビーズを適用するロボットアプリケータを用いた利用分野に適した粘度をもつ。米国特許第4,643,863号および同第4,643,864号に従うと、ノズルからの制御され自動化された送出に適した流体エラストマには、ポリウレタン、1成分または2成分シリコーンさらにはポリ塩化ビニル組成物が含まれる。前述のノズルで送出された材料が有する見かけ上の欠点は、押出しされた流体エラストマビーズのための支持を提供する必要性があるということにある。この問題は、米国特許第5,684,110号に記述されたシリコーンゴム組成物の開発によって克服される。このシリコーンゴム組成物を基板に塗布した時点で、それは、塗布直後にそして、耐圧性および強付着性シリコーンゴムガスケットへの硬化の間、ひずみに対する優れた耐性を示す。この場合、シリコーンガスケット組成物は、縮合−反応硬化および付加−反応硬化の組合せを介して硬化し、後者の硬化は白金触媒を触媒としている。特許(米国特許第5,684,110号)はさらに、シリコーンゴム組成物が、ロボットによる塗布の直前に密な混合を伴う、シリコーンおよび触媒を含む第2の流体に第1のシリコーン含有流体を添加する必要のある2液型配合物であることを明らかにしている。
【0004】
米国特許第5,679,734号に開示されているもう1つの2液型シリコーン配合物は、金属化合物触媒の存在下で室温でのハイドロシリル化によって架橋され得る組成物に関する。架橋は、ビニルタイプのアルケニルラジカルおよび水素置換基が関与する付加反応を介して進められる。保存安定性は、少なくとも2つの成分部分をもつ系を提供することによって達成される。成分部分を混合した時点で、室温から180℃までの間にありうる硬化温度に応じて数分から1時間30分の間でゲルが形成する。
【0005】
前述のタイプのシリコーン材料は、電気および電子コンポーネント内のシーラント、緩衝要素、防振要素およびガスケットとしての使用を内含するさまざまな応用分野のニーズを満たす。1つの特殊な特に興味深い形態のガスケットは、電磁干渉(EMI)遮蔽用ガスケットである。EMI遮蔽用ガスケットは、汚染物質の侵入を防ぐと同時に電磁エネルギーによる干渉に対する制御をもたらすためのエンクロージャおよび密封用カバーアセンブリの2重保護機能を果たす。EMIを制御する上で有効である保護用シーラントは、マトリックス全体を通して容易に分布させられる導電性材料の充てんされた可とう性エラストマのゴム様マトリックスを標準的に必要とするガスケットとして使用可能である。導電性材料は、固有導電率をもつ粒子、フレークまたは繊維、または導電性表面コーティングの形をとり得る。米国特許第5,641,438号は、シーラントビーズの正確な位置づけを達成する現場成形方法を用いた利用分野のための導電性シーラント材料を開示している。類似の組成物および方法が、公示された関連欧州出願EP0643551号およびEP0653552号でも明らかにされている。各々の参考文献は、別々のコンテナ内での貯蔵およびガスケットを所定の位置に適用し硬化させる直前の混合を必要とする2つ以上の成分から成るEMI遮蔽用シーラント組成物について記述している。
【0006】
以上の論述は、現場成形ガスケットを内含するさまざまな応用分野で使用するのに適した主としてシリコーンベースの流体エラストマ組成物に向けられていた。シリコーンエラストマを使用することの1つの欠点は、硬化済み材料中に比較的低分子量のシロキサン汚染物質が存在するということにある。かかる汚染物質は、電子アセンブリの表面上に被着する傾向をもち、デバイスの故障をひき起こす可能性がある。汚染の問題は、フルオロエラストマガスケットを使用して回避することができる。フルオロエラストマガスケットは、射出成形による成形に付されることから、汚染を防止するためのコストの高いアプローチとなる。ガスケット形成のための流体シリコーンエラストマおよび非流体ガスケットに付随する問題点は、電子コンポーネントおよび付随するデバイスのコンテナの汚染の無い低コスト密封のための非シリコーン性送出可能流体材料に対するニーズを示唆している。
【0007】
発明の概要
本発明は、好ましくはエポキシ基の形での反応性官能基をもつ流体エラストマ組成物を提供する。送出可能なエラストマ組成物は、ハードディスクドライブ用エンクロージャといったようなコンテナのために設計された送出可能な現場成形ガスケットを提供する。寸法、配置および最終的位置付けの正確さのため、本発明に従ったさまざまなパターンの現場成形ガスケットは、自動液体送出を用いたエラストマ組成物の送出とそれに続く、防湿性、最小圧縮永久歪および選択された基板に対する接着性を示す柔軟な弾性ガスケットへの現場内硬化を必要とする。エラストマ組成物は、硬化の前に、容易に送出できるように充分低い粘性を有しているべきである。硬化可能な組成物は、硬化剤を内含する1液型配合物としてかまたは硬化前に硬化剤の付加を必要とする2液型配合物として調製可能である。未硬化ガスケット組成物の中に内含された成分の如何に関わらず、硬化プロセスは、熱によってかまたは光技術によってか、両方の組合せによっておよび/または2液型配合物の場合には、周囲条件下で部分を単に組合わせることによって開始することができる。好ましくは、未硬化配合物は、硬化中およびその後、形状または位置の変化が基本的に全くない状態で、適用されたままの形で優れた寸法安定性をもつガスケット材料のスランプしない送出ビーズを提供する。
【0008】
エレクトロニクスグレードの清浄度のため、硬化後のこれらのエラストマ組成物の特性には、ガス発生および抽出可能なイオンが低いということが含まれる。これらの特性は、前述のように標準的にデバイス表面の汚染後に電子コンポーネントを損傷しうる低分子量シロキサンを含有する、市販のシリコーンベースの現場成形ガスケットの特性を超えるものである。本発明は、可とう性エポキシベースの材料を利用することから、シロキサン汚染に起因して考えられる損傷が回避される。
【0009】
より特定的には、本発明は、液状ポリオレフィンオリゴマー,反応性希釈剤、チキソトロピー性充填剤および硬化剤を含む現場成形ガスケットのための非シリコーン組成物を提供している。この非シリコーン組成物は、硬化後、7%〜20%好ましくは10%〜15%の圧縮永久歪、10μg/g〜45μg/gのガス発生成分レベルおよび45〜65好ましくは50〜60のショアA硬度を有している。
【0010】
本発明に従った非シリコーン組成物は、市販の流体送出機器を含めさまざまな方法および機器を用いて送出することができる。ガスケットの送出および配置には、さまざまな異なる方法が関与しうる。スピードライン・テクノロジー社(Speedline Technologies Inc)は、例えばカマロット(CAMALOT)1414およびカマロット(CAMALOT)1818といったようなカマロット(CAMALOT)という商標名で適切な市販の液体送出機器を提供している。
【0011】
本発明は、押出し可能なチキソトロピー性非シリコーン組成物の所定のパターンの硬化が後続する自動的配置を用いて製造された非シリコーン性現場成形ガスケットを内含する。この押出し可能な組成物は、液状ポリオレフィンオリゴマー、反応性希釈剤、チキソトロピー性充填剤および硬化剤を内含する。現場成形ガスケットは、硬化後、7%〜20%,好ましくは10%〜15%の圧縮永久歪、10μg/g〜45μg/gのガス発生成分レベルおよび45〜65好ましくは50〜60の間のショアA硬度を有する。
【0012】
定義
「送出可能な」という語は、低粘度のエラストマ組成物を加圧タンクに取付けられた針といったような管から押出して、所要ガスケットパターンの周囲に従って小さい直径(〜1mm)のシーラントビーズを提供することができるということを意味している。
【0013】
「一液、現場硬化」という語の組合せは、その基板上にひとたび送出された時点で一液配合物の架橋および硬化を促進するべく熱またはアクチン放射線に応答する硬化剤を含有する流体エラストマ組成物を意味する。
【0014】
「非スランプ性」という語は、送出および硬化中の垂れ下がりまたはスランプを阻止する降伏応力および粘性を含めた、エラストマ組成物の特性を意味している。非スランプ性材料は、硬化前および硬化中における送出されたエラストマ組成物ビーズの横断面形状の安定性を維持するために重要である。
【0015】
「縦横比(アスペクト比)」というのは、組成物の硬化した押出し済みビーズを通した横断面の高さおよび幅を測定することによる本発明に従ったガスケット組成物のスランプ傾向または寸法安定性を表わす。横断面高さを対応する幅で除することにより、硬化したガスケットビーズの「縦横比」の値が提供される。
【0016】
「疎水性」という語は、防湿性のある密封用ガスケットを提供するエラストマ組成物の撥水性に関するものである。
【0017】
「エレクトロニクスグレードの清浄度」という語は、現場成形ガスケット用の硬化されたエラストマ組成物が、ガス発生性で押出し可能なイオン汚染物質のレベルが低いことといったようなエレクトロニクス業界の必要条件を満たすことを意味している。動的ヘッドガスクロマトグラフィ(GC)/質量分析法による実験的調査は、3時間85℃に保った場合、本発明に従った硬化したエラストマ組成物について10μg/g〜45μg/gの合計ガス発生を示している。
【0018】
本書で使用されている通りの未硬化ガスケット材料の「流動性」という語は、選択された時間的間隔について定圧力下で定直径の開口部を通過する材料の量を意味する。「流動性」は、圧力が付加された時間中オリフィスを通って退出する材料の重量として表わされる。
【0019】
「ガス発生」という語は、本発明に従った硬化した非シリコーンガスケット組成物の排出により作成された揮発性成分の収集に関するものである。確立した基準では、評価対象の組成物1グラム(g)あたりの揮発性成分の量が、マイクログラム(μg)単位であること要求される。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明に従った送出可能なエラストマ配合物は、ハードディスクドライブ用エンクロージャといったようなコンテナのために設計された現場成形ガスケットを提供する。適切なエラストマ配合物を、自動化された液体送出とそれに続く、防湿性、最小圧縮永久歪および選択された基板に対する接着性を示す柔軟な弾性ガスケットへの現場硬化を用いて、かかるコンテナに塗布することができる。硬化後の弾性ガスケットの主たる用途は、保護コンテナ表面の間に密封された界面を提供することにある。有効な密封により、保護対象構造への汚染物質の進入が防止される。
【0021】
本発明は、市販のシリコーンベース材料に付随する欠点を克服するエポキシ官能基現場成形ガスケット配合物を提供する。硬化済みシリコーン含有ガスケットは、デバイス表面上に被着してその結果敏感な電子コンポーネントに損傷を加える可能性のある低分子量のシロキサン汚染物質を有する。本発明の硬化された可とう性エポキシベースガスケットは、無水物硬化剤を用いた架橋のためのエポキシ官能基をもつ直鎖炭化水素オリゴマーを含む送出可能な流体配合物から形成されていることから、シロキサン含有種を含まない。密封用ガスケットの1コンポーネントしての本書でプレポリマーとも呼ばれている液状オリゴマーの選択では、疎水性および低いイオン含有量という固有の特性が要求される。例えばエポキシ置換基といった反応性官能基は、好ましくは、熱による活性化によってガスケット配合物の架橋を促進する。
【0022】
電子コンポーネントのコンテナを密封するために用いられる場合、硬化された現場成形ガスケットは、コンテナを閉じるために加えられた機械的力の下で圧縮された状態となる。コンテナの一部分をもう一方の部分に対してしっかり据付けるために許容可能な閉鎖力およびガスケット硬度は、設計基準によって制御されている。硬化したガスケット材料は、適正量の力で完全閉鎖を可能にするべく、45〜65,好ましくは50〜60のショアA硬度計値を有する。さまざまな気候の地方における電子アセンブリの使用可能性に対処するため、本発明に従った硬化されたガスケットは、−40℃〜100℃の範囲の温度にわたりそのエラストマ特性を維持する。再作業のためコンテナ内に入り直す可能性があるため、硬化したガスケットは低い圧縮永久歪を有することが必要とされる。適切な現場成形ガスケット配合物は、ASTM D395Bによって測定した場合、当初のたわみの7%〜20%という圧縮永久歪の範囲内で存在する。圧縮永久歪の値が低いことから、コンテナの耐用期間中適切な密封を維持し、保護された電子アセンブリの再生のためにコンテナが再度開放された場合にガスケットの再利用を容易にするべく、ガスケット材料の弾性が確保される。
【0023】
機械的な力が、コンテナの表面と硬化したガスケットの間の接触を増大させる一方で、ガスケット自体の物理特性も同じく、水蒸気といった環境汚染物質がコンテナ内に進入するのを防ぐ。主要な特性は、エポキシ化されたポリオレフィンバックボーンを内含する液状プレポリマーの使用に起因すると考えることのできる疎水性である。疎水性液状プレポリマーは、硬化したガスケットに対し加水分解安定性および最小限の吸水性を付与する。外部汚染物質を忌避することに加えて、ガスケット自体も、潜在的汚染源となってはならない。これには、疎水性ガスケット材料が、ガス発生を介して漏れてコンテナ内の電子コンポーネント上に被着しその結果腐食またはその他の損傷条件をもたらす可能性のある揮発性成物を含まず、著しい安定性を示す必要がある。厳密な清浄度が、特にハードディスクドライブ産業における、エレクトロニクスメーカーの必要条件である。従って、硬化したガスケットは、最小限の量の不純物および揮発性成分しか含有すべきではない。ガスケット配合物は、標準的に160℃で約2時間の硬化時間を必要とする。ガス発生のさらなる削減は、硬化後の後焼成プロセスを介してもたらされ得る。
【0024】
指定の利用分野において最適な性能を示すため、現場成形ガスケットは好ましくは、特性の均衡を有している。未硬化のガスケット配合物は、容易に送出するのに充分低い粘度をもつ液体で、なおかつ送出の後選択されたガスケットパターンの形状および寸法を維持するべくスランプの無い状態にとどまるべきである。硬化後、柔軟特性、低い圧縮永久歪および最小限のガス発生が必要とされる。未硬化および硬化済み状態における特性の調整は、反応体、反応体の相対的化学量論量、充填剤の濃度およびタイプおよび硬化条件の関数である。低い充填剤濃度は、改善された送出可能性のためより粘度の低い配合物に有利に作用する。残念なことに、充填剤の量が不充分な配合物は、標準的に、送出された後過度にスランプするガスケットビーズを結果としてもたらす。マトリックス樹脂をより柔軟にすることによって、さらに柔軟な材料を得ることができる。しかしながら、マトリックス樹脂を軟化させることによって、通常は、圧縮永久歪が幾分か犠牲になる。各特性は、材料の選択および化学量論量、充填剤タイプおよび濃度、硬化されたガスケットを生み出すべく配合物を架橋するために用いられる条件に応じて変動し得る。特性の均衡は、現場成形ガスケットのための与えられた利用分野の特定の必要条件に応じて変動することになる。特注配合は、本発明に従ったガスケット配合物の数多くの利用分野を満足させるための基本的な課題となっている。
【0025】
特注で利用分野特定的な配合物を提供する必要性を考慮して、本発明の焦点は、ハードディスクドライブアセンブリのコンテナのためのシールとしての現場成形ガスケットにある。ハードディスクドライブコンテナで用いるのに適したガスケット配合物の特性としては、送出後の未硬化材料の優れた垂れ下り抵抗、低い圧縮永久歪、通常の閉鎖力での容易な圧縮性、汚染物質の実質的な不在および標的表面に対する優れた接着性がある。表1は、ハードディスクドライブコンテナで使用される好ましいガスケット配合物のための標準的特性を示す。配合物は、環境的密封に必要とされるような低い透湿性で防湿性を示す一方で、アルミニウムおよびステンレス鋼に充分接着する。
【0026】
適切な液状オリゴマーには、シェル・ケミカル(Shell Chemical Company)から市販のエポキシ化クラトン(Kraton)であるL207といったような実質的に直鎖状のポリオレフィンが含まれる。この2官能性ポリオレフィンは、一方の末端にヒドロキシル官能基、もう1方の末端に多重エポキシ化ポリイソプレン官能基を伴うポリ(エチレン/ブチレン)バックボーンで構成されている。可とう性脂肪族部分は、低温可とう性ならびに疎水性を付与する。多重エポキシ化された末端は、エポキシタイプの硬化および網状結合形成を可能にする。
【0027】
本発明に従った好ましい硬化剤は、AC39−ポリプロピレングリコールジ(ドデセニルスクシネート);無水コハク酸ドデセニル(DDSA)、無水テトラヒドロフタル酸メチル(MTHPA);メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(ACメチル);無水ヘキサヒドロフタル酸メチル(MHHPA)およびそれらの混合物などの液体無水物(ロンツァ社(Lonza Inc)より入手可能)である。硬化剤としては、液体無水マレイン酸グラフトポリブタジエン(リコン ケミカル(Ricon Chemicals)より入手可能)を用いることもできる。
【0028】
ポリオレフィンジオールであるプリポール(PRIPOL)2033といったような反応性希釈剤の添加により、配合物全体の粘度は低減させられ、同様に、網状構造へと反応させることで性能特性も維持される。その他の反応希釈剤としては、シェル・ケミカル(Shell Chemcal)からL−2203として入手可能なヒドロキシルで終結されたポリ(エチレン/ブチレン);エルフアトケム(ElfAtochem)からR−20LMとして入手可能であるヒドロキシルで終結されたポリブタジエン樹脂;シェル・ケミカル(Shell Chemical)からヘロキシ モディファイヤ(HELOXY MODIFIER)67として入手可能な1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテルといったような低粘度エポキシ感応性化合物;およびシェル・ケミカル(Shell Chemical)からヘロキシ モディファイヤ(HELOXY MODIFIER)68として入手可能なネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルが含まれる。
【0029】
好ましくは、非スランプ性現場成形ガスケットの配合物には、チキソトロピー性材料を作成するものとして知られている充填剤粒子が含まれる。予め定められたパターンで送出た後、これらの充てんされた配合物は、その断面形状および寸法を熱硬化を通して維持する。本発明に従った適切な充填剤には、粘土、粘度および表面処理に応じたさまざまな形態のシリカおよびセルロース、ヒマシ油およびポリアミド含有充填剤といった有機充填剤が含まれる。チキソトロピーを付与する粒状充填剤には、ヒュームドシリカ、粘土およびカーボンブラックが含まれる。適切なヒュームドシリカには、アエロシル(AEROSIL) R812;およびアエロシル(AEROSIL) R805(共にデグサ(Degussa)から入手可能;CAB−O−SIL TS610;およびCAB−O−SIL T5720(共にカボット社(Cabot Corp)から入手可)が含まれる。好ましい粘土には、サザン・クレー・プロダクツ(Southern Clay Products)から入手可能なガラマイト(GARAMITE)1958が含まれる。カラーブラック(COLOUR BLACK) FW18(デグサ(Degussa))およびプリンテクス(PRINTEX)55といったようなカーボンブラックも同様にチキソトロピーに寄与する。ヒュームドシリカが一般に最も好ましい充填剤であるが、これは幾分か配合物に依存している。
【0030】
最適なレオロジー性能は、充填剤の適切な分散と共に得られる。現場成形ガスケット配合物の混合中のせん断条件は、送出後その形状を保つ未硬化ガスケットのための材料を作成するための最適な状態に近づく。高せん断混合は、チキソトロピー性粒子の網状構造を永続的に崩壊させその結果、送出されたガスケットビーズのスランプ増大による形状喪失がもたらされる可能性がある。低せん断ミキサーがこの問題を最小限におさえ、本発明に従った配合物を調製するために好まれる。
【0031】
亜鉛触媒を用いて無水物−エポキシ硬化の触媒作用を良好に得ることができた。適切な亜鉛触媒としては、エチルヘキサン酸亜鉛(ZnHex),ネオデカン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛およびステアリン酸(ZnSt)が含まれる。
【0032】
本書に開示されている現場成形ガスケット配合物の詳細は、本発明の一例にすぎず、これは、改良型振動減衰、熱サイクル、低ガス発生などといったような特徴の、可とう性バックボーンおよび熱反応性官能基をもつ液状ポリマーに対する導入に応じても左右される、その他の変形形態の対象となりうる。付加的な利点および修正は当業者には容易に明らかになることだろう。従って、添付のクレームおよびその等価物により規定されているように、本発明の全体的概念の精神または範囲から逸脱することなく、さまざまな修正を行なうことができる。
【0033】
材料の説明
シェル・ケミカル(Shell Chemical Company)から入手可能なL207−エポキシ官能性オレフィン。その構造には、ポリ(エチレン/ブチレン)バックボーンにより一次ヒドロキシル官能基から分離されたエポキシ官能性末端基が含まれる。L207は、590のエポキシ当量重量(EEW)および6,600のヒドロキシル当量重量をもつ。
【0034】
ダイマージオール(ユニケマ(Unichema))であるプリポール(PRIPOL)2033は、278というヒドロキシ当量重量(HEW)を有する。
【0035】
L−2203は、シェル・ケミカル(Shell Chemical Company)により供給されるような1700のヒドロキシル当量重量をもつヒドロキシル官能性ポリ(エチレン/ブチレン)である。
【0036】
AC−39は、ロンツァ社(Lonza Inc)からのポリプロピレングリコールジ(ドデセニルスクシネート)である。
【0037】
DDSA(AEW266)は、ミリケン・ケミカル(Milliken Chemical)から入手可能な無水コハク酸ドデシル(分子量−350)である。
【0038】
BYK052は、BYK−Chemie USAからの有機脱泡剤である。
【0039】
ステアリン酸亜鉛(ZnSt)は、アルファ・エーサー(Alfa Aesar)から入手可能であり、2−エチルヘキサン酸亜鉛はStrem Chemicalsから入手可能である。
【0040】
R805は、デグサ・フュルス(Degussa−Huls)から入手可能な疎水処理されたヒュームドシリカである。
【0041】
【表1】
表1−標準的ガスケット特性
Figure 2004515643
【0042】
現場成形ガスケット材料の混合
2重遊星形ミキサーの中で原料を合わせて混合した。混合が完了した後、材料を30cc入り注射器に投入し、必要になるまで−40℃の温度で冷凍庫に保管した。注射器から材料を使用する前に、凍結した材料を、約2時間室温で解凍した。
【0043】
実験方法
ASTMD395Bの説明
厚み約6mm,直径13mmの円筒形ディスク試料を、もとの厚みの25%だけ圧縮し、合わせてボルト締めされた2つの平坦な板の間でその圧縮厚みに保持する。圧縮された標本を次に70℃のオーブン内に70時間置く。熱条件づけを完了した後、標本を直ちに圧縮アセンブリから取り出し、最終厚みを測定する前に1時間、室温で均衡化させる。以下のように、もとのたわみの百分率として、圧縮永久歪を計算する:
【数1】
Figure 2004515643
【0044】
ショアA硬度の説明
厚み6mmの標本を、室温でショアA硬度計テスターを使用することによって硬度についてテストした。
【0045】
ガス発生TMの説明
硬化済み標本を、85℃で3時間動的ヘッドスペースオーブン装置を用いてガス発生させた。質量分析検出器とインタフェースさせた熱脱離ガスクロマトグラフィを用いて、収集した揮発性物質を分析した。
【0046】
流動性試験
本書で使用されている材料の流動性は、定直径の開口部を通して、定圧定間隔で送り出される材料の尺度である。未硬化配合物の流動性を、時間および圧力制御を伴うEFD1500送出装置を用いて評価した。1.6mm(0.063インチ)の直径をもつオリフィス(EFD)の針先14tt)を通して、30cc入りタンク(注射器)から材料を送出した。20秒間、タンクに対し413.4Kpascals(60psi)の圧力を加えた。圧力下でオリフィスを通過する材料の重量を記憶した。
【0047】
Tg方法の説明
硬化済み試料のガラス遷移温度(Tg)を、示差走査熱量計(DSC)を用いて決定した。DSC加熱走査内のガラスおよびゴム状温度領域の間の遷移領域中の中央点としてTgを選択した。
【0048】
縦横比分析の説明
送出されたガスケットの寸法安定性を、EFDから入手可能な14ttの注射器先端部(開口1.6mm)を通して413.4Kpascals(60psi)で送出された硬化したガスケットビーズの高さおよび幅を測定することによって評価した。注射器先端部を、基板から9.5mm(0.375インチ)のところに保持する一方で、この注射器をゆっくりと5.0mm/秒(0.20インチ/秒)で移動させて材料ビーズを基板上に穏やかに落下させた。その後、送り出したビーズを、2時間160℃で硬化させた。短かい長さのビーズを次にかみそりの刃で薄切りして1つの横断面を得、これを顕微鏡で調べてビーズの高さと幅を測定した。ビーズ幅でビーズ高さを除することにより、縦横比を決定した。
【0049】
アルミニウムに対するラップシェア接着の説明
0.53mm(0.021インチ)の厚みのアルミニウム試料の間の現場成形ガスケット(FIPG)材料を硬化させることにより、ラップシェア接着(ASTMD1002)を評価した。FIPG材料の厚みはおよそ1.14mm(0.045インチ)であった。ラップシェア試料を1.27mm/分(0.05インチ/分)の分離速度でInstron引張り試験機でテストした。
【0050】
【表2】
表2−配合物例1−6
Figure 2004515643
【0051】
【表3】
表3−配合物例1〜6の特性
Figure 2004515643
【0052】
表2および表3は、本発明に従った配合物および現場成形ガスケットに適した材料で望まれる特性を提供している。熱を加えることで硬化可能な非スランプ性ガスケットビーズを提供するために、自動送り出し機器を使用することができる。
【0053】
【表4】
表4−比較例C1−C4
Figure 2004515643
【0054】
【表5】
表5−比較例C1−C4の特性
Figure 2004515643
【0055】
【表6】
表6−比較例C5−C8
Figure 2004515643
【0056】
【表7】
表7−比較例C5−C8の特性
Figure 2004515643
【0057】
表4−7は、所望の範囲外にあることでいくつかの特性がどのように現場成形密封用ガスケット用のこれらの例の性能を損なうかを示す比較例C1〜C8を内含している。特性の均衡は、本発明に従ったガスケット材料が良好に性能を発揮するための鍵を提供する。ただし、個々の特性は、潜在的障害を表示することができる。比較例C3、C5、C6、C7およびC8は、60を上回るショアA硬度値を有する。かかる値は、好ましい範囲より上にある。望ましくない低流動性は、比較例C6、C7およびC8の1つの特徴として現われ、一方C2、C7およびC8は縦横比について低い値を示している。低いガスケット性能のもう1つのインジケータが、高い圧縮永久歪値を示す例C1およびC4によって示されている。

Claims (6)

  1. 液状ポリオレフィンオリゴマー、
    反応性希釈剤、
    チキソトロピー性充填剤、および
    硬化剤、
    を含む、チキソトロピー性非シリコーン組成物の所定のパターンの硬化が後続する自動的配置を使用して作成された現場成形ガスケットであって、
    硬化後、7%〜20%の圧縮永久歪、10μg/g〜45μg/gのガス発生成分レベルおよび45〜65のショアA硬度を有する現場成形ガスケット。
  2. 前記液状ポリオレフィンオリゴマーを50重量%〜65重量%含む、請求項1に記載の現場成形ガスケット。
  3. 前記反応性希釈剤を7.5重量%〜15重量%含む、請求項1に記載の現場成形ガスケット。
  4. 前記チキソトロピー性充填剤を8.0重量%〜12.0重量%含む、請求項1に記載の現場成形ガスケット。
  5. 前記チキソトロピー性充填剤がヒュームドシリカである、請求項1に記載の現場成形ガスケット。
  6. 50重量%〜65重量%の液状ポリオレフィンオリゴマー、
    7.5重量%〜15重量%の反応性希釈剤、
    8.0重量%〜12.0重量%のチキソトロピー性充填剤、および
    硬化剤、
    を含む現場成形ガスケット用の非シリコーン組成物であって、
    硬化後、7%〜20%の圧縮永久歪、10μg/g〜45μg/gのガス発生成分レベルおよび45〜65のショアA硬度を有する非シリコーン組成物。
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