JP2004508560A - 制御されたシャインプルークの条件によるトロリー線検査 - Google Patents
制御されたシャインプルークの条件によるトロリー線検査 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、ラインカメラ(21,22)におけるトロリー線(10)の光学的な像を用いて、架空線のトロリー線(10)の摩耗を光学的に自動で検出する装置に関する。この装置は、集電器とは異なる車両の個所に取り付けられる。トロリー線(10)の高さ位置が変化した際にも像の焦点調節を行うためにシャインプルークの規則に基づいて補正が行われ、この補正に対して固有の補正手段が実装され適用される。
Description
【0001】
説明
電気駆動される車両に対する架空線のトロリー線における摩耗を光学的に自動で検出する装置、方法および使用方法。
【0002】
本発明は、例えば軌道線路(Schienenweg)上を走行する車両に対する架空線(Oberleitung)のトロリー線(Fahrdraht)の摩耗を自動的に検出する装置および作動方法に関する。電流が架空線のトロリー線を介して供給される電気鉄道では、動力車両の集電器は、走行中にその集電器のすり板(Schleifer)によって、接触するトロリー線の下側の材料をすり減らしてしまう。摩耗が増すと、すなわち材料の損傷が大きくなると、トロリー線の電気抵抗が増大し、トロリー線が破損する危険性も大きくなる。各鉄道運用者における支配的な規則では、電流を導くトロリー線の断面積の減少値は、これが初期値の約20%より小さい場合には問題ないとみなされる。したがって運行の障害を回避するために適切な時間間隔で、発生したトロリー線の摩耗を検出することが行われているのである。
【0003】
架空線のトロリー線の検査は、通常の鉄道運用において挿入されて実施できるようにすべきであり、その際に運用の安全性およびその規則的な時間的経過が実質的に妨げられてはならない。またこの検査の作業は、自動的で光学的に検出する手段により、人員にいかなる危険も及ぼされ得ることなく実行されなければならない。
【0004】
旧来から公知であるのは、視覚的なチェックおよび場合によっては手動の測定を用いてトロリー線を人員によって管理することである。これは例えば、経験的にわずか約2〜3cmの長さにわたって延在するトロリー線の狭隘部さえも検出しなければならないためであり、ここでこの狭隘部はトロリー線が局所的に大きく加熱されることによって発生する。このような大きな加熱は、例えば、重量のある貨物列車の機関車が走行する際に大電流が取り込まれることによるものである。
【0005】
公知技術の発達によって、架空線の該当する検査を行うために自動的に動作する複数の方法および装置がすでに提供されている。トロリー線専用に設計されたものとして、DE−29509202U1を挙げることができる。ここには、光源とCCDカメラとからなる測定システムが記載されている。これらは集電器のすり板の反対側の端部に取り付けられている。このカメラは、すり板の上方で水平方向に、反対側の光源の方を「見」て、線の残りの高さを透過光で検出する。この解決手段において不利であるのは、上記の集電器が設けられた測定車両の速度が、約60Km/hに制限されることである。すなわちこの装置では、事前準備を施さなければならず、この事前準備によってポイントの領域において交差するトロリー線が持ち上げられ、これによって必然的に集電器を越えて上方に突き出る装置の部分が、交差するこのトロリー線の下を通り抜けてスライドできるようにする。例えば、重なり領域および/またはツイン式トロリー線システム(Doppelfahrdrahtsystem)において発生するようにほぼ同じ高さで平行に複数のトロリー線が延在する際には、全体の影しか検出できず、個々のトロリー線の検査すべき残りの高さについてはデータを得ることができないのである。
【0006】
当該装置の別の公知の実施形態は、DE−29716560U1およびDE−19613737C2に記載されている。ここでは光源およびカメラはU字形の装置に配置されており、ここで光源およびカメラはUの辺に設けられている。トロリー線はこれらの辺の間に延在する。しかしながらトロリー線は通例、軌道線路に沿ってほぼ一定の高さでその側方に位置を変えるため、すなわちジグザグに延在して吊り下げられているため、この従来技術では、走行方向に対して横方向に測定装置を機械的につねに追従させることが不可欠である。またこれによって、測定車両の最大速度が大きく制限されることにもなってしまう。
【0007】
J.M. van Gigchらによる”Schienen der Welt”,1991年4月の第20〜31頁には、オランダの鉄道に対して開発されたシステムが記載されており、このシステムでは上方に配向された5つのカメラが必要であり、これらのカメラによってトロリー線に発生した研磨面(Schleifflaeche)の幅が測定される。これらのカメラは測定車の屋根に配置される。しかしながら車両の屋根に対して時として異なる高さで延在するトロリー線の画像を、焦点深度領域に維持できるようにするため、水平方向に配向されているもののさらなるカメラが配置されており、このカメラによってトロリー線に接触する集電器の瞬時位置が車の屋根を基準にして求められる。ここから得られる信号は、追従する焦点合わせ装置に対する制御量として使用される。しかしながらここに記載されているシステムは、摩耗に対する尺度、すなわちトロリー線のいわゆる残りの高さが研磨面の幅に一義的に依存するように成形された断面を有するトロリー線だけに使用可能である。最後に挙げた欠点を同様に有する公知のシステムが、DE−19711504A1に記載されている。このシステムは、誘導されたうず電流に基づくセンサ素子によって動作する。DE−19850118にはレーザレーダが記載されており、ここでは約16個の平行なビーム束からなる扇形が、車両の屋根の縁から、回転鏡によって、行ったり来たりして延在する線に追従させられる。これらの16個の個別のビームによって、測定装置と、トロリー線の表面の隣り合う点との絶対的な間隔が絶えず測定される。この間隔値によって線のプロフィールが得られ、これはそれぞれの側から見ることができるものである。このようなレーダシステムを2つ使用すれば、上記のプロフィールを2つの側から検出することができる。ここから求める残りの高さを得ることができる。ここでの欠点は、光学的、機械的および電子的コンポーネントのコストが高いことである。しかしながら有利であるのは、この従来技術の測定装置は、取り付け用の台として、測定中にトロリー線に接触する集電器を必要としないことである。
【0008】
DE−19634060にはトロリー線測定装置が記載されており、ここでは集電器のすり条片(Schleifleiste)の下側に2つのカメラが取り付けられている。互いに向かい合う側に位置付けられたこれらのカメラによって、同様に取り付けられた光源から送出されトロリー線で反射した光が記録される。トロリー線の記録された画像は評価される。ここからまだ残存しているトロリー線の残りの高さが決定される。この決定の結果は、トロリー線の各断面プロフィールに依存しないものとして示される。公知のようにトロリー線は実質的に水平面内で行ったり来たりして延在し吊り下げられているにもかかわらず、つねに鮮明なトロリー線の画像をカメラによって記録できるようにするため、公知のシャインプルークの規則が適用される。ここで知られているのは、この規則によって、いわゆる蛇腹式カメラを用いた、写真による建築撮影を行う際にぼけが回避されることである。この規則の意味するところは、(本発明に適用すると)トロリー線の画像を記録するカメラの画像面と、カメラの対物レンズの面と、このカメラによって記録すべきトロリー線の変化する面とが配向され、これによってこれらの3つの面が一直線内で交わるようにするということである。
【0009】
DE−OS−2440085およびDE−OS−2521229にも同様に該当する装置が記載されており、ここではこの装置によってトロリー線の高さ位置および横方向位置を光学的に検出して連続的に測定することができる。この検出は、トロリー線を基準にして、向かい合う2つの記録装置を用いて行われる。そこで使用されるセンサがトロリー線の行ったり来たりの運動に追従できるようにするため、これらのセンサを車両の屋根において、そこでトロリー線の方向に対して横方向に移動可能なそりに取り付けるか、またはこれらのセンサの光学系の方向がトロリー線に追従させられるようにする。どのように実施できるかを示さないが、ここではトロリー線の厚さも決定できることを単に述べておく。
【0010】
トロリー線に対する横けた装置(Quertrageinrichtung)および架線(Laengskettenwerk)を検査するため、担当庁の整理番号19936448.6を有する(本発明の出願人による)より旧い未公開の特許明細書には装置が記載されている。このより旧い明細書の発明にすでに記載された手段は、本発明にも適用でき、ここでこの先行する発明の説明の内容を発明の開示の一部として本発明に組み込む。トロリー線の架線の検査に関するより旧いこの発明には、2つのダイオード−ラインカメラが含まれており、これらによって検査車両の屋根の縁から斜め上方に見て連続的に架線の「無限に」長い画像を記録することができる。得られたこれらの情報は記憶される。まだ公知でないこの装置では照明として、例えば15W出力の1つずつの赤外レーザダイオードが、対応する2つの投光器において使用される。このようなレーザを使用することによって、低減されサイズを低減することができ、また赤外光の使用により眩しさが回避される。それぞれのレーザダイオードから放出される光は、円柱レンズが取り付けられて、広げられたラスタを用いて、例えば約40°の開き角を有するわずか数ミリメートルの厚さの照明扇形(Beleuchtungsfaecher)に広げられる。ほぼ1平面のプレートを形成するこの照明扇形は、放出されるビームによってつぎのように配向される。すなわちこの平面が、トロリー線の軸に対して垂直方向を向くように配向されるのである。このラスタレンズ(Rasterlinse)は、例えば約100個の個別レンズからなる。この手段の意義は、眼については、これが実際には点状に放出される強力なレーザをとらえず、そのかわりに約100個のより弱い隣り合ったレーザを感知することである。この手段は、レーザビームに対する眼の保護に関する規則を満たすために使用される。これに加えて、このレーザ装置によって形成されるビーム強度は、間隔の増大と共に、約40°に設定されたビーム扇形の開き角のために線形に減少するため、2mの最小間隔からすでに、国際的に有効なレーザビーム保護規定によるあらゆる眼の危険が排除される。ここでこれは瞳孔の場合によっては発生する最大の照射時間が2ms以下をとる場合である。車両が最低20Km/hの速度で走行する場合にはこの時間の尺度は下回ったままである。
【0011】
本発明の課題は、装置ないしは検査原理を提供して、従来技術の上記の欠点を回避することである。殊に本発明の課題は、架線に対して設けられ設定されたより旧い発明の原理を、トロリー線の摩耗の診断ないしは検査に最適に使用できるようにすることである。
【0012】
この課題は、請求項1の特徴部分に記載された特徴的構成によって解決される。本発明の別の実施形態および発展形態は従属請求項に記載されている。
【0013】
本発明の理解を容易にするため、上記の特徴的構成および未公開のより旧い発明から受け継いだ新たなこの発明の装置の特徴的構成を添付の図面に基づいて説明する。
【0014】
図1には照明ユニットとしての1対の投光器およびラインカメラの互いの配置構成と、照明の開き角と、カメラの対物レンズの開き角と、さらにトロリー線の現在の位置とが示されている。この図には補足的に、対応するカメラを有する別の1対の投光器の位置が開き角と共に相互にまた最初に挙げた対に対して示されている。
【0015】
図2には図1の平面図が示されている。
【0016】
図3にはカメラの対物レンズ、そこに含まれる画像面、および側方に最大限に変位したトロリー線の位置の面の公知の配向が示されており、詳細にはこれはシャインプルークの規則にしたがっている。
【0017】
図3A〜3Cは、図3に対して本発明にしたがって補足した手段を示している。
【0018】
図4Aは、ドイツで慣用のトロリー線の断面を示している。
【0019】
図4Bは、別の慣用のトロリー線の断面を示している。
【0020】
図5は、信号評価に対する説明を補足する。
【0021】
図1にはトロリー線10の方向にみた本発明の装置が示されており、したがって図1ではこの装置の断面を見ることができる。また参照符号10′および10″により、トロリー線の位置の最大の高さHmaxおよび最小の高さHminがそれぞれ示されている。見やすくするため、トロリー線10のハンガーおよび吊架線は示していない。参照符号20によって、以降は図示しない車両120の大まかに図示した屋根が表されており、これには、照明ユニットとしての投光器1およびラインカメラ2からなる第1の対エレメントが取り付けられている。これらは以下に説明する実践的な理由から、できる限り互いに接近して隣り合って配置されている。投光器1およびカメラ2の互いの位置は、同じ平面内で互いに交換して配置することも可能である。参照符号3により、より旧い発明に対してすでに上で説明したレーザビームの照明扇形が示されており、ここでこのレーザビームは投光器1として半導体レーザ源から送出される。この照明扇形は、図の面において図示のようにあらかじめ設定可能な開き角を有しており、これはここで例えば45°である。投光器1の焦点調整を行う光学系は、円柱レンズ光学系として構成されているため、図1の図の面に対して垂直方向にこの照明扇形は比較的に極めて薄く、例えば10mm以下の厚さに設定される。したがってこの扇形3により、瞬時にはつねにトロリー線10の相応する短い区間部分だけが側方から照明されるのである。図1の面において開き角γは、十分に大きく設定されかつその軸13によって向き付けられ、これにより、以下さらに詳しく説明する、対象となる極端なそれぞれの高さ位置10′および10″においても、また領域G内でのジグザグな経過の最大の偏差101および102においても、つねにトロリー線10が、投光器の照明扇形3内あるようにされる。したがって投光器1を追従させる必要はなくなり、この投光器は有利にも車両の屋根20に固定して取り付けることができ、かつ固定的に配向して取付けることができるのである。
【0022】
参照符号2によってすでに述べたラインカメラが示されている。このカメラの対物レンズの受光錐のうち、通例また以下でも開き角と称されている、図1の投影法において見ることの可能な外縁光線5だけが示されている。投光器1の扇形およびカメラ2の開き角は、分かるように、検査/対象領域Gに対して、これとその都度の物体距離gとが互いに含まれるように配向されて設定され、これによって実践的な検査動作では、検査すべきトロリー線は、つねに照明扇形およびカメラの開き角内にあり、このトロリー線をつねに最適に測定技術的に検出することが可能である。ラインカメラは、1つのライン(測定感度を高めるために場合によっては複数の平行なライン)を有しており、このラインに沿って、また場合によっては各ラインに沿って配置されたセンサピクセル、例えばCCDセンサを有する。
【0023】
投光器1およびカメラ2からなる1つのエレメント対により、カメラによるトロリー線の結像を、図からわかるように扇形3の1方向領域にだけ行うことができる。
【0024】
さらに別の方向からの画像記録に対しては、投光器1′およびカメラ2′からなる別のエレメント対が設けられている。これらのエレメントも車両の屋根20に上記と同様に実施されて取り付けられている。これらは図示のようにエレメント対1,2に向き合って車両120の屋根20に配置されている。参照符号3′および5′によって投光器1′の照明扇形およびカメラ2′の開き角がそれぞれ示されている。エレメント対1′および2′の作用領域およびエレメント対1,2の作用領域は、1平面内、ここでは図1の図の面内で、互いに通り抜け合う状態から、ほぼ並んで平行になる状態までに位置付けて配向することができる。第1実施例によって明るい研磨面を得ることができるが、調整コストが必要である。第2の実施例は技術的により簡単ではあるが、コントラストの問題が発生する。
【0025】
図2には、車両120の屋根20の平面図が示されており、これは走行路30に対してやや斜めに延在するトロリー線10の下にあり、図1のように屋根に取り付けられた2つのカメラ2,2′および2つの投光器1,1′を有する。
【0026】
車両120が走行路を前進する際にカメラ2およびカメラ2′を基準として、101〜102の距離内で行ったり来りの運動をするトロリー線10に起因して、物体距離gおよびその方向が、カメラを基準として、所定の境界内で連続して変化するため、カメラ内部で既知の関係式1/g+1/b=1/fにしたがって像距離bを方向に依存して適合させることにより、公知のシャインプルークの規則が適用される。ここでf=対物レンズの焦点距離である。
【0027】
シャインプルークの規則を説明するために図3を使用する。参照符号21によってカメラ2の対物レンズの面を表す。参照符号22によってシャインプルークの規則に相応して配向されるカメラ2の画像面を表す。参照符号101および参照符号102によって、この間でジクザグに行ったり来たりして走行する10の右側の極端な位置および左側の極端な位置がそれぞれ示されている。これらの位置101〜102の面、対物レンズ12の面および画像面22が直線Sで交わる場合にシャインプルークの規則が満たされる。
【0028】
吊り下げられたトロリー線10の高さが走行路にわたって一定であれば、対物レンズ面21と画像面22との間の角度は、この画像面22において同じままのピントに対して一定に保つことも可能である。しかしながら踏切またはトンネルにおいて、そこに取り付けられたトロリー線の高さは、規則的な取り付けに対して比較的に変化することがあるため、本発明では別の補正手段が設けられており、これによってトロリー線の高さ位置が変化する際にもつねになおこのトロリー線を画像面22に鮮明に結像することができる。
【0029】
このような補正手段として本発明で行われるのは、カメラの対物レンズ面21または画像面22を(場合によっては2つの面のそれぞれを互いに調整して)、制御された適切な手法で追従させることである。カメラの光学系の焦点深度を考慮すると、またトロリー線の位置の高さ変化が通例、約−0.5〜+1.5mで変動することを考慮すると、つぎに説明する補正手段によって、トロリー線のそれぞれの高さ位置に関して、全体として十分に近似してシャインプルークの規則を維持すれば経験的には十分である。この手段の選択的な変形実施形態の基本原理は、画像面22または対物レンズ面21に対して(場合によってはこれらの2つの面のそれぞれに対しても)その位置がただ1つ示されて定義されるべき軸Fのまわりで旋回Pできるようにすることである。すなわちこれによって実践に対してつねに十分なトロリー線の結像のピントを達成するのである。
【0030】
本発明にしたがって行われるこれらの補正手段の変形実施を説明するために図3A,3B,3Cも参照する。軸Fはいずれの場合も図1の図示の面に対して垂直であり、ここでこの面は、照明扇形3および光学的結像の面でもある。これらの図では、必ず検出すべき、発生し得るトロリー線10の縁の位置を、トロリー線の最大の高さ位置10′ないしは最小の高さ位置10″でそれぞれ示す。極端な右ないしは左の側方の偏差は参照符号101ないしは102によって示されている。したがって参照符号10″2は、トロリー線10の左の最も低い高さ位置を示す。相応したことが、残りの位置10′1,10′2および10″1に当てはまる。これらの位置は検査/対象領域Gのコーナ点でもある。
【0031】
ここで確認されたのは、制御された旋回の軸Fの位置の決定に対する第1の提示例としての第1の変形実施形態に対して、ここでは画像面の例で、トロリー線10の最も低い位置10″1および10″2から出発し、これらの位置に対して、画像面の角度位置をシャインプルークの規則にしたがって精確に調整すれば十分であり得ることである。図3Aではこれによって、配向された画像面22aが得られる。軸Fの位置についての別の必要な提示例に対して、高い位置にあるトロリー線位置から出発する。ここでこのトロリー線位置に対してインデックスbを使用する。選択すべき高さ位置bに対する最適な領域は、本発明では、トロリー線の通常の高さ位置、すなわち図1および3においてトロリー線100によって示した高さ位置と、高さ位置Hbとの間にあり、ここ高さ位置Hbは、上記のトロリー線の通常の高さ位置H0よりもやや上方に選択されている。図3Aに示した画像面22bの位置および配向によって、同様にシャインプルークの規則が満たされる。
【0032】
図3Aからわかるように、図3と同様にすなわち、図3Aでは交点SaおよびSbが図3の交点Sに相応して得られる。各画像面22の位置および配向を付加的に制御するために本発明で設けられている、すでに上で説明した旋回軸Fの位置は、画像面22aおよび22bの交線から得られる。
【0033】
この場合、画像面22の旋回Pは、実践的にトロリー線10の現在の高さ位置に依存して、本発明では、図示の画像面22aの位置および配向と、画像面22cの位置および配向との間で行われ、ここで上記の画像面22aの位置は、ここでは旋回Pの旋回領域の境界である。上記の画像面22cは、画像面22bの向こう側ないしは図3Aでは画像面22bの上側にある。この画像面22cは、トロリー線の最大の高さ位置10′の場合に、カメラ2による結像に対する画像面として本発明により旋回Pによって制御される。画像面22cの配向と、シャインプルークの規則との不可避の偏差は、トロリー線の物体距離gが大きいことと、ひいては比較的焦点深度が大きいことに起因して大抵は無視できることが証明されている。
【0034】
第2の変形実施形態を図3Bに基づいて詳しく説明する。ここでこの図の実施形態では対物レンズ面21の旋回が、図3Aの画像面22の旋回に代わって行われる。
【0035】
すでに上で示したのは、ここでもあらかじめ与えられた可変の対象面においてもシャインプルークの規則を維持するため、選択的に対物レンズ面または画像面の位置を互いに調整できることである。ここで上記の可変の対象面はトロリー線のそれぞれの高さ位置である。すなわち光学的には、画像面または対物レンズ面の位置を適合させることは等価である。本発明の場合、画像面22の位置を固定して実施することは有利であり得る。それはこの画像面には、画像記録のためのラインセンサ装置と、その対応する電子装備品の少なくとも一部とを配置すべきだからである。これらはカメラの対物レンズよりも重量がありかつ大きな体積を有するため、後者の位置をシャインプルークの規則にしたがって制御して追従するとより有利である。しかしながら光学的結像部の軸に対して対物レンズを旋回することにより、この場合にこの対物レンズを、相応する比較的広い画像角度領域に対して光学的に補正しなければならないことになる。画像面も対物レンズ面も共に互いに調整して、シャインプルークの規則が近似的に満たされるようにして追従することも可能ではあるが、これには技術的に極めて大きなコストがかかってしまう。
【0036】
図3Bには、本発明による補正手段の2つの変形実施形態に対して選択可能なトロリー線の3つの高さ位置が示されている。例えばこれはトロリー線10′にを有する高さ位置Hmax、トロリー線10″を有する最も低い高さ位置Hmin、およびトロリー線10mを有する中間の高さ位置であり、これは例えばトロリー線の通常位置である。
【0037】
この変形実施形態を理解するため、ここでは抽象的につぎのことから出発する。すなわち3つ(またはそれ以上でもよい)の対物レンズ面21i,21j,21k…を選択して位置付け、これにより、これらの位置においてシャインプルークの規則がそれぞれ、選択的にトロリー線位置10″,10mおよび10′(ならびに場合によっては別のトロリー線位置)に対して、画像面22を固定した際に満たされるようにする。図3Aと同様にここでは、2つおよび第3変形実施形態である有利な発展形態に対して3つ(場合によってはそれ以上)の軸に対する位置が得られる。この図においてこれらは、対物レンズ面21iと21jとの交線としての軸F1,対物レンズ面21jと21kとの交線としての軸F2,ならびに面21iと21kとの交線としての第3の軸F3である。ところで軸F1は図3Aの軸Fに相応する。すなわち図3Bの実施形態では、H0とHmaxとの間のトロリー線位置の領域も、シャインプルークの規則による精確な焦点調節に近似される。実践的に示されたのは、(図3Aと同様に)ここでも本発明により同様に旋回軸F0だけが設けられ、これが(さらに詳しく説明するように)選択されて位置付けられる場合には、発生し得るすべてのトロリー線の位置に対して、シャインプルークの規則による焦点調節になお極めて高精度に近似できることである。軸F1およびF2の位置からこの第2の変形実施形態にしたがって導出した最適な軸F0の位置は、上記の軸F1とF2との間の領域にある。上記の第3の軸F3によって付加的に識別できるのは、旋回軸F0の最適な位置が、軸F1およびF2の位置間を結ぶ線からやや離れた領域にあることである。
【0038】
すなわちこの第2の変形実施形態の本発明による補正手段としてここで行われるのは、シャインプルークの規則が満たされた状態に近似され制御されて位置付けられるべき面、すなわち択一的には画像面も可能であるがここでは対物レンズ面が、ただ1つの軸F0のまわりで、Pで示したように、目下のトロリー線高さ位置に依存して制御されて旋回されることである。これにより、選択した面21,21′および21″に対してはシャインプルークの規則がもはや精確には満たされないとしても、例えば図3Aと比べると、トロリー線の上側の高さ位置領域が、画像面における焦点調節の点から、シャインプルークの規則によりよく近似されることになる。
【0039】
上記の考察の出発点として基礎にした面21i,21jおよび21kの位置および配向ならびに本発明より配向された対応する面21,21′および21″は、図3Bにおいてそれぞれ密に並んで位置しているため、これらはこの図において図示の点からは区別することができず、したがって該当する参照符号を2重に有する。
【0040】
この変形実施形態においてさらに最適な適合化はつぎの場合に得られる。すなわち、旋回軸F0の位置をつぎのように(図3C参照)付加的に補正して設定する場合に、より最適な適合化が得られるのである。旋回軸F0の位置よりもさらに最適な位置は、旋回軸F0′に対して計算から得ることができる。この計算とは、角度偏差d,d′およびd″の平方の和を形成することである。ここでこれらは、上記のように本発明により配向された面21と、シャインプルークの規則にしたがって精確に配向された、ここでは対物レンズ面である面21iとの間の角度偏差dであり、面21′と21jとの間の角度偏差d′であり、面21″と21kとの間のd″である。上ですでに述べたように面21i,21jおよび21kの位置は、例えば計算によって得られる。
【0041】
この場合、角度偏差d,d′およびd″の平行の和が最小になる旋回軸F0′の位置(計算機を用いて求められる)は、これによりさらに良好に決定された、第2の変形実施形態の軸F0の位置決めである。対物レンズ面の旋回により、また択一的には画像面の旋回またはこれらの2つの面の旋回により交互に調整することにより、さらに良好に最適化されたこれらの面の位置決めが達成され、これによって画像面におけるトロリー線の焦点調節が種々異なる高さ位置毎に行われる。
【0042】
したがってこのように補正されて決定された軸F0′はさらに最適に位置決めされた旋回軸である。
【0043】
同様に平方の和を最小化する同じ補正手段は、本発明によりつぎのような場合にも適用可能であり、この場合には対物レンズ面の代わりに画像面22が旋回される。これは図3Aの場合と同じである。
【0044】
図3B,3Cに対して説明した、最適化された軸F0の周りの上記の補正は、(対物レンズまたは画像面のいずれが旋回されるかにかかわらず)つぎのように実施可能である。すなわち、上に示したトロリー線の3つ以上の高さ位置が、シャインプルークの規則にしたがって精確に調整されて選択されるように実施することも可能である。
【0045】
殊に推奨されるのは、シャインプルークの規則にしたがった精確な対物レンズ面21′の調整を、最大の高さ位置の代わりに、それよりもやや下にある高さ位置に関連づけることであり、また有利には図3Bにおいてシャインプルークの規則にしたがって調整した対物レンズ面21″も、Hminよりもやや高いトロリー線位置に関連づけることである。その理由は、これによってこれらの境界ゾーンにおいて対物レンズの焦点深度領域をさらに付加的に良好に利用できるからである。
【0046】
完全さのためだけに本発明の別の補正手段を説明するが、これは極めてコストがかかる。
【0047】
図3Bからわかるように、トロリー線のすべての高さ位置に対して対物レンズないしは対物レンズ面21を精確にシャインプルークの規則にしたがって配向することが可能である。図3Bでは交点S,S′およびS″が記入されており、これらにより、シャインプルークの規則に相応して精確な位置が決定される。この別の補正手段の特徴は、カメラの対物レンズまたはその画像面が機械的に、例えばロッドにおいて案内されて、このロッドの反対側の端部が、交点S′−S−S″の接続線S0に沿い、各物体距離gないしは像距離bが調整されて案内されるようにする。これによってトロリー線の結像が各位置において最適化されることになる。
【0048】
トロリー線の実際の高さ位置ないしは現在の高さ変化は、一方では以下にさらに説明する測定システムそれ自体によって識別することができ、ここでこれは、カメラの画像面に取り付けられたダイオードラインのビデオ信号においてコントラストが決定され、このビデオ信号のコントラストが(再び)最大値に達するまで、ダイオードラインないしはその平面が軸Fの周りに旋回されることによって行われる。
【0049】
しかしながら多くの場合、従来技術に相応するトロリー線に対する高さ測定装置がいずれにせよ設けられており、この高さ測定装置によってトロリー線の実際の高さ位置と、ひいては車両の屋根の上の大きさとが出力される。この場合、画像面の軸F周りの旋回は、実際に示されたトロリー線高さに相応して行われる。
【0050】
条件が与えられた際に、すなわち1)トロリー線のあらかじめ与えられた通常の高さ(例えば、5m)、2)車両の屋根の既知の高さ(例えば、3.70m)、3)トロリー線の行ったり来たりの運動の既知の大きさ(0.9m)、4)トロリー線の既知の最大高さ変化(−0.5;1.5m)が与えられた際に、本発明に対して行われるのは、カメラ2,2′の対物レンズの焦点距離fを例えば80〜150mmに設定することである。カメラの1ラインに4096(212)個のピクセルを有するラインカメラによって、上記のように設定した焦点距離において、物体距離gにおいて、すなわちトロリー線の表面において約0.1〜0.3mmの分解能を得ることができる。この分解能は、(未公開の)より旧い発明によって達成される分解能よりも高い。さらに絞りに依存し、より小さく設定される高々10cmの焦点深度では、この焦点距離領域において、上に示したように平均な近似が行われてャインプルークの規則が守られる際には、実践的に最適な鮮明な画像が画像面に、すなわちカメラ2のセンサピクセルのラインに得られるのである。
【0051】
公知のようにレーザ照明には、形成された画像において障害となる粒状化(Granulation)が結び付いている。これはコヒーレントなビームの干渉作用に基づくものである。本発明ではこの障害の発生は回避され、ここでこれは投光器1,1′に対してつぎのようなレーザダイオードを使用することによって行われる。すなわちこのレーザダイオードはただ1つのエミッタの代わりに複数のエミッタを有しており、ここでこれらエミッタはダイオードにおいて互いに大きく離れて配置されており、これによって個々のダイオード区間の間で、個々のダイオード区間のビーム束が互いに干渉してしまうこのような相互作用がもはや発生しないようにされているのである。言い換えるとこのことは、個々のダイオード区間の多数のレーザビームによって、実質的にインコヒーレントなビームが互いに供給され、この際にこれによって投光器に対してレーザビーム形成およびレーザビーム放射の高いエネルギー効率も低減されてしまうことがないということである。本発明の対しては、約15〜25Wの電力のレーザダイオードを有する投光器を使用すれば十分である。
【0052】
測定車両のあらかじめ設定された速度が例えば80Km/hの際に推奨されるのは、カメラの露出時間を最大0.5msで選択することである。このように設定された露出時間内では、与えられた走行速度において、カメラは11mmだけ前進する。画像のこの動きは、画像面に配置されたカメラのダイオードラインに対して横方向を向いており、かつ図3A,3Bの表示面に関しては、これに対して垂直方向を向いている。この手段ないしは設定により、有利ないしは所望の移動によるぶれが結像において得られる。これはトロリー線に沿いかつ測定装置に対して横方向に、この11mmにわたって輝度値の平均値を形成することに相応する。トロリー線のジグザグ運動の側方の偏りは、この時間区間において最大0.3mmになり、これはこの測定装置の分解能のオーダ内にあり、したがって影響はまだ無視することができる。しかしながら例えば4倍も低い速度、すなわち20Km/hにおいては、同じ長さに設定された露出時間において、平均化が行われるトロリー線の区間は、上記の値の4分の1に低減されてしまうことになる。これを回避するために推奨されるのは、露出時間を速度に線形に適合させて制御することであり、すなわちここでは相応に4倍だけ長くする。この際にはダイオードラインにおいて露出オーバが発生してしまうことがあるため、付加的にレーザ照明の強度をこの場合に測定車の速度に依存して減少させることが推奨される。
【0053】
択一的には固定の露出時間で、評価計算機により、時間的に順次に発生する測定値を平均値計算に使用することも可能である。
【0054】
図4A,4Bには研磨面101および残りの高さRを有する慣用のトロリー線が示されている。
【0055】
本発明による装置のラインカメラ2および場合によってはラインカメラ2′のピクセルセンサラインのビデオ信号は、線路51により、電子式評価回路50に供給される。ここでこの電子式評価回路は、例えば、ラインカメラの信号を予備的処理するディジタル信号プロセッサを有する画像メモリカード52およびパーソナルコンピュータ53とすることが可能である。得られたビデオ信号の評価する手段、すなわちこれらのビデオ信号から目下検査しているトロリー線の断面の現在の大きさを検出する手段を分かりやすくするために図5を使用する。
【0056】
まず図5Aを参照されたい。この図には使用してすり減った図4Aのトロリー線の断面10が示されている。トロリー線断面10の図5に示した斜めの位置は、図1に示した、角度αで斜めに配向された投光器による照明およびカメラ2による画像記録に相応する。図5Bには例示的に、瞬時に得られたビデオ信号の振幅経過が示されており、これはトロリー線10の記録の幅A−Dにわたって評価装置50で求めたものである。AからBまでの経過は、現在カメラ2の方を向いているトロリー線のエッジないしは側面102に相応する。CとDとの間の経過は、トロリー線の対向する側面103のビデオ信号に相応する。先行する走行動作における集電器のすり板によって形成された摩耗研磨面101によって、点BとCとの間の振幅経過が得られる。これらの移行部、すなわち背景から線のエッジ、研磨面、反対側の線のエッジおよび最終的には再度背景にいたるまでの点A,B,CおよびDを、測定技術的に可能な限りに精確に決定できるようにするため、本発明の別の手段として、受信した図5Bのビデオ信号Vを微分する。これによって図5Cの信号経過が得られ、ここでは図5Bにおける信号Vの傾きの大きさが、明瞭に識別可能な信号ピークを伴って再現されている。殊に明瞭に識別できるのは、重要な点BおよびCであり、それらの間隔によって、利用によって発生した研磨面の幅の、関心対象である大きさが示される。
【0057】
図5Dには、縮小されているが図5Cと同様に、微分された測定結果が示されており、これは、隣り合って案内される2つの線を有する重なり領域において、ないしはツイン式トロリー線システムにおいてカメラのラインに沿って得られたものである。
【0058】
結像の縮尺と、車両の屋根20に対するカメラの観察角αとが既知であるため、図5Cから取り出すことの可能な長さB′C′から、この線における現在の研磨面の幅B−Cの実際値と、この値からトロリー線10の関心対象である残りの厚さとを決定することが可能である。トロリー線の残りの断面に対する、ないしは残りの高さRに対する後者の関心対象である値は、時間的な計算コストを最小化する意味でテーブルから取り出され、ここでこのテーブルにはあらかじめ分かっている線の厚さと、本発明によって求めた研磨面の幅とが入力値として入力される。このテーブルは、目標プロフィール毎に一度作成される。
【0059】
図1には、エレメント対1,2の個所に角の頂点を有する、車両の屋根20とトロリー線10との間の角度αが書き込まれている。この所定の角度αにおいてカメラ2からみた間隔の大きさA−Dは、図5Aのトロリー線に対して当てはまるように、これが円形の断面を有する限り、トロリー線の直径に相応する。この直径の大きさは、集電器がこれに沿って滑走することによる摩耗の影響を受けていない。
【0060】
しかしながらこの直径の尺度が局所的にトロリー線の直径の目標値よりも格段に小さい場合、そこにはトロリー線の狭隘が発生しており、すなわち冒頭にすでに述べたようになっており、これはまた検査によって確定することができる。
【0061】
図4Aと4Bとの比較から上記の説明によってわかるように、これまで上に説明してきた測定によって可能であるのは、図4Aに示したような円形の線断面だけに対して一義的なデータを得ることである。図4Bに断面として示した、付加的にねじって吊り下げることも可能なほぼ矩形のトロリー線に対しては、互いに向き合う2つの側の測定さえも必要である。これはすでに図1において、投光器1′およびカメラ2′からなる第2のエレメント対の装置によって示されている。2つのエレメント対1,2および1′,2′は、図1からわかるように、有利にはトロリー線位置10に関して対称に対向する側に配置される。第2のエレメント対1′,2′の配置および実施の仕方および信号評価に対しては上の説明があてはまり、例えば、任意選択的に付加的に行われる軸F周りの旋回に関する、シャインプルークの規則に相応した位置決めなどの説明があてはまる。第2のエレメント対1′,2′に対して、図3Aを鏡映対称でみた図が当てはまる。
【0062】
矩形の断面、例えば図4Bに示したような断面を有し、未知のねじれ角で吊り下げられているトロリー線の残りの断面ないしは残りの高さを求めるため、集電器が摺動する面の幅を測定する他に、2つのカメラ2および2′を用いて、見ることのできる直径も測定する。このようにすることによってはじめて一義的な測定結果が得られるのである。計算時間を最小化するために、この場合もテーブルの使用が有利である。
【0063】
図示のように2つのエレメント対1,2および1′,2′を有する本発明の最後に示した実施形態を、円形のトロリー線を検査すべき場合にも使用することは有利である。時間的な付加コストを全く要求しないこの2重の測定により、本発明の装置による測定精度が格段に向上することが保証される。
【0064】
最後に従来技術の装置に対する本発明の装置の一般的な利点を示しておく。
【0065】
本発明の装置は、車両の屋根20にトロリー線から大きく離れてとりつけられて位置決めされる。ここではトロリー線に接触する必要はない。例えば、これによって有利にも、同時に別個に実行されるトロリー線の現在の高さ位置を測定する際に、測定値の障害になるトロリー線の接触を必然的に回避することができ、ここでこの接触は集電器が存在する際に発生するものである。したがって本発明の装置は有利には電気的に駆動されない車両、例えばディーゼル機関車の屋根に取り付けられる。
【0066】
本発明では、ジグザグの吊り下げによって必然的に発生するトロリー線の側方の動きに装置の光学系をつねに追従させる必要はない。
【0067】
本発明により、円形の断面を有する線の残りの高さも、矩形の断面を有する線の残りの高さも共に求めることができ、これによって本発明の一般性は拡張されるか、または完全でさえもある。
【0068】
本発明により少なくともほぼ同じ高さで並んで配置されている複数の線を測定することも可能である。同時に測定可能な線の数はほとんど任意である。それら互いの間隔は、線の直径よりも大きいだけでよい。この利点は、トロリー線の重なり領域において区間毎に(150mの長さにわたって)1つのトロリー線終了部から後続のトロリー線開始部への移行部に対して、並行して延在するトロリー線が設けられている個所では殊に重要である。
【0069】
本発明においても、トロリー線を上から支持するクランプそれ自体によって、実施される画像評価が妨げられる。しかしながら本発明によれば、研磨面の幅B−Cの、妨害を受けていない信頼性の高い少なくとも1つの測定を行うことができる。透過光によって動作する公知のシステムでは、クランプ位置における測定は、利用できないことはないにしても少なくともエラーを有するのである。
【0070】
本発明の装置によれば、トロリー線がねじられて吊り下げられており、さらにねじり角が変わるおよび/または未知の場合にも、トロリー線の摩耗の大きさを高い信頼性で決定することができる。
【0071】
ここまでは本発明を電気駆動の鉄道に対して説明した。本発明は、例えば各線(トロリー)バスの架空線においても有利に適用可能である。このためにはいつかの変更および/または補足を行わなければならない。しかしながら平行して延在する2つのトロリー線の信号は、ここでも一義的な診断データとして別個に発生し、これは理にかない、図5Dからわかる通りである。この車両に対しては場合によっては手段を設け、検査走行時に進行する走行路が、測定の障害になる以上にトロリー線の経過から偏差してしまわないようにする。ここでこのトロリー線の経過は、通例、ジグザグの経過を有しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
照明ユニットとしての1対の投光器およびラインカメラの互いの配置構成と、照明の開き角と、カメラの対物レンズの開き角と、トロリー線の現在の位置とを示す図である。
【図2】
図1の平面図である。
【図3】
カメラの対物レンズと、そこに含まれる画像面と、側方に最大限に変位したトロリー線の位置との公知の構成とをシャインプルークの規則にしたがって示す図である。
【図4】
慣用のトロリー線の断面図である。
【図5】
信号評価に対する説明を補足する図である。
説明
電気駆動される車両に対する架空線のトロリー線における摩耗を光学的に自動で検出する装置、方法および使用方法。
【0002】
本発明は、例えば軌道線路(Schienenweg)上を走行する車両に対する架空線(Oberleitung)のトロリー線(Fahrdraht)の摩耗を自動的に検出する装置および作動方法に関する。電流が架空線のトロリー線を介して供給される電気鉄道では、動力車両の集電器は、走行中にその集電器のすり板(Schleifer)によって、接触するトロリー線の下側の材料をすり減らしてしまう。摩耗が増すと、すなわち材料の損傷が大きくなると、トロリー線の電気抵抗が増大し、トロリー線が破損する危険性も大きくなる。各鉄道運用者における支配的な規則では、電流を導くトロリー線の断面積の減少値は、これが初期値の約20%より小さい場合には問題ないとみなされる。したがって運行の障害を回避するために適切な時間間隔で、発生したトロリー線の摩耗を検出することが行われているのである。
【0003】
架空線のトロリー線の検査は、通常の鉄道運用において挿入されて実施できるようにすべきであり、その際に運用の安全性およびその規則的な時間的経過が実質的に妨げられてはならない。またこの検査の作業は、自動的で光学的に検出する手段により、人員にいかなる危険も及ぼされ得ることなく実行されなければならない。
【0004】
旧来から公知であるのは、視覚的なチェックおよび場合によっては手動の測定を用いてトロリー線を人員によって管理することである。これは例えば、経験的にわずか約2〜3cmの長さにわたって延在するトロリー線の狭隘部さえも検出しなければならないためであり、ここでこの狭隘部はトロリー線が局所的に大きく加熱されることによって発生する。このような大きな加熱は、例えば、重量のある貨物列車の機関車が走行する際に大電流が取り込まれることによるものである。
【0005】
公知技術の発達によって、架空線の該当する検査を行うために自動的に動作する複数の方法および装置がすでに提供されている。トロリー線専用に設計されたものとして、DE−29509202U1を挙げることができる。ここには、光源とCCDカメラとからなる測定システムが記載されている。これらは集電器のすり板の反対側の端部に取り付けられている。このカメラは、すり板の上方で水平方向に、反対側の光源の方を「見」て、線の残りの高さを透過光で検出する。この解決手段において不利であるのは、上記の集電器が設けられた測定車両の速度が、約60Km/hに制限されることである。すなわちこの装置では、事前準備を施さなければならず、この事前準備によってポイントの領域において交差するトロリー線が持ち上げられ、これによって必然的に集電器を越えて上方に突き出る装置の部分が、交差するこのトロリー線の下を通り抜けてスライドできるようにする。例えば、重なり領域および/またはツイン式トロリー線システム(Doppelfahrdrahtsystem)において発生するようにほぼ同じ高さで平行に複数のトロリー線が延在する際には、全体の影しか検出できず、個々のトロリー線の検査すべき残りの高さについてはデータを得ることができないのである。
【0006】
当該装置の別の公知の実施形態は、DE−29716560U1およびDE−19613737C2に記載されている。ここでは光源およびカメラはU字形の装置に配置されており、ここで光源およびカメラはUの辺に設けられている。トロリー線はこれらの辺の間に延在する。しかしながらトロリー線は通例、軌道線路に沿ってほぼ一定の高さでその側方に位置を変えるため、すなわちジグザグに延在して吊り下げられているため、この従来技術では、走行方向に対して横方向に測定装置を機械的につねに追従させることが不可欠である。またこれによって、測定車両の最大速度が大きく制限されることにもなってしまう。
【0007】
J.M. van Gigchらによる”Schienen der Welt”,1991年4月の第20〜31頁には、オランダの鉄道に対して開発されたシステムが記載されており、このシステムでは上方に配向された5つのカメラが必要であり、これらのカメラによってトロリー線に発生した研磨面(Schleifflaeche)の幅が測定される。これらのカメラは測定車の屋根に配置される。しかしながら車両の屋根に対して時として異なる高さで延在するトロリー線の画像を、焦点深度領域に維持できるようにするため、水平方向に配向されているもののさらなるカメラが配置されており、このカメラによってトロリー線に接触する集電器の瞬時位置が車の屋根を基準にして求められる。ここから得られる信号は、追従する焦点合わせ装置に対する制御量として使用される。しかしながらここに記載されているシステムは、摩耗に対する尺度、すなわちトロリー線のいわゆる残りの高さが研磨面の幅に一義的に依存するように成形された断面を有するトロリー線だけに使用可能である。最後に挙げた欠点を同様に有する公知のシステムが、DE−19711504A1に記載されている。このシステムは、誘導されたうず電流に基づくセンサ素子によって動作する。DE−19850118にはレーザレーダが記載されており、ここでは約16個の平行なビーム束からなる扇形が、車両の屋根の縁から、回転鏡によって、行ったり来たりして延在する線に追従させられる。これらの16個の個別のビームによって、測定装置と、トロリー線の表面の隣り合う点との絶対的な間隔が絶えず測定される。この間隔値によって線のプロフィールが得られ、これはそれぞれの側から見ることができるものである。このようなレーダシステムを2つ使用すれば、上記のプロフィールを2つの側から検出することができる。ここから求める残りの高さを得ることができる。ここでの欠点は、光学的、機械的および電子的コンポーネントのコストが高いことである。しかしながら有利であるのは、この従来技術の測定装置は、取り付け用の台として、測定中にトロリー線に接触する集電器を必要としないことである。
【0008】
DE−19634060にはトロリー線測定装置が記載されており、ここでは集電器のすり条片(Schleifleiste)の下側に2つのカメラが取り付けられている。互いに向かい合う側に位置付けられたこれらのカメラによって、同様に取り付けられた光源から送出されトロリー線で反射した光が記録される。トロリー線の記録された画像は評価される。ここからまだ残存しているトロリー線の残りの高さが決定される。この決定の結果は、トロリー線の各断面プロフィールに依存しないものとして示される。公知のようにトロリー線は実質的に水平面内で行ったり来たりして延在し吊り下げられているにもかかわらず、つねに鮮明なトロリー線の画像をカメラによって記録できるようにするため、公知のシャインプルークの規則が適用される。ここで知られているのは、この規則によって、いわゆる蛇腹式カメラを用いた、写真による建築撮影を行う際にぼけが回避されることである。この規則の意味するところは、(本発明に適用すると)トロリー線の画像を記録するカメラの画像面と、カメラの対物レンズの面と、このカメラによって記録すべきトロリー線の変化する面とが配向され、これによってこれらの3つの面が一直線内で交わるようにするということである。
【0009】
DE−OS−2440085およびDE−OS−2521229にも同様に該当する装置が記載されており、ここではこの装置によってトロリー線の高さ位置および横方向位置を光学的に検出して連続的に測定することができる。この検出は、トロリー線を基準にして、向かい合う2つの記録装置を用いて行われる。そこで使用されるセンサがトロリー線の行ったり来たりの運動に追従できるようにするため、これらのセンサを車両の屋根において、そこでトロリー線の方向に対して横方向に移動可能なそりに取り付けるか、またはこれらのセンサの光学系の方向がトロリー線に追従させられるようにする。どのように実施できるかを示さないが、ここではトロリー線の厚さも決定できることを単に述べておく。
【0010】
トロリー線に対する横けた装置(Quertrageinrichtung)および架線(Laengskettenwerk)を検査するため、担当庁の整理番号19936448.6を有する(本発明の出願人による)より旧い未公開の特許明細書には装置が記載されている。このより旧い明細書の発明にすでに記載された手段は、本発明にも適用でき、ここでこの先行する発明の説明の内容を発明の開示の一部として本発明に組み込む。トロリー線の架線の検査に関するより旧いこの発明には、2つのダイオード−ラインカメラが含まれており、これらによって検査車両の屋根の縁から斜め上方に見て連続的に架線の「無限に」長い画像を記録することができる。得られたこれらの情報は記憶される。まだ公知でないこの装置では照明として、例えば15W出力の1つずつの赤外レーザダイオードが、対応する2つの投光器において使用される。このようなレーザを使用することによって、低減されサイズを低減することができ、また赤外光の使用により眩しさが回避される。それぞれのレーザダイオードから放出される光は、円柱レンズが取り付けられて、広げられたラスタを用いて、例えば約40°の開き角を有するわずか数ミリメートルの厚さの照明扇形(Beleuchtungsfaecher)に広げられる。ほぼ1平面のプレートを形成するこの照明扇形は、放出されるビームによってつぎのように配向される。すなわちこの平面が、トロリー線の軸に対して垂直方向を向くように配向されるのである。このラスタレンズ(Rasterlinse)は、例えば約100個の個別レンズからなる。この手段の意義は、眼については、これが実際には点状に放出される強力なレーザをとらえず、そのかわりに約100個のより弱い隣り合ったレーザを感知することである。この手段は、レーザビームに対する眼の保護に関する規則を満たすために使用される。これに加えて、このレーザ装置によって形成されるビーム強度は、間隔の増大と共に、約40°に設定されたビーム扇形の開き角のために線形に減少するため、2mの最小間隔からすでに、国際的に有効なレーザビーム保護規定によるあらゆる眼の危険が排除される。ここでこれは瞳孔の場合によっては発生する最大の照射時間が2ms以下をとる場合である。車両が最低20Km/hの速度で走行する場合にはこの時間の尺度は下回ったままである。
【0011】
本発明の課題は、装置ないしは検査原理を提供して、従来技術の上記の欠点を回避することである。殊に本発明の課題は、架線に対して設けられ設定されたより旧い発明の原理を、トロリー線の摩耗の診断ないしは検査に最適に使用できるようにすることである。
【0012】
この課題は、請求項1の特徴部分に記載された特徴的構成によって解決される。本発明の別の実施形態および発展形態は従属請求項に記載されている。
【0013】
本発明の理解を容易にするため、上記の特徴的構成および未公開のより旧い発明から受け継いだ新たなこの発明の装置の特徴的構成を添付の図面に基づいて説明する。
【0014】
図1には照明ユニットとしての1対の投光器およびラインカメラの互いの配置構成と、照明の開き角と、カメラの対物レンズの開き角と、さらにトロリー線の現在の位置とが示されている。この図には補足的に、対応するカメラを有する別の1対の投光器の位置が開き角と共に相互にまた最初に挙げた対に対して示されている。
【0015】
図2には図1の平面図が示されている。
【0016】
図3にはカメラの対物レンズ、そこに含まれる画像面、および側方に最大限に変位したトロリー線の位置の面の公知の配向が示されており、詳細にはこれはシャインプルークの規則にしたがっている。
【0017】
図3A〜3Cは、図3に対して本発明にしたがって補足した手段を示している。
【0018】
図4Aは、ドイツで慣用のトロリー線の断面を示している。
【0019】
図4Bは、別の慣用のトロリー線の断面を示している。
【0020】
図5は、信号評価に対する説明を補足する。
【0021】
図1にはトロリー線10の方向にみた本発明の装置が示されており、したがって図1ではこの装置の断面を見ることができる。また参照符号10′および10″により、トロリー線の位置の最大の高さHmaxおよび最小の高さHminがそれぞれ示されている。見やすくするため、トロリー線10のハンガーおよび吊架線は示していない。参照符号20によって、以降は図示しない車両120の大まかに図示した屋根が表されており、これには、照明ユニットとしての投光器1およびラインカメラ2からなる第1の対エレメントが取り付けられている。これらは以下に説明する実践的な理由から、できる限り互いに接近して隣り合って配置されている。投光器1およびカメラ2の互いの位置は、同じ平面内で互いに交換して配置することも可能である。参照符号3により、より旧い発明に対してすでに上で説明したレーザビームの照明扇形が示されており、ここでこのレーザビームは投光器1として半導体レーザ源から送出される。この照明扇形は、図の面において図示のようにあらかじめ設定可能な開き角を有しており、これはここで例えば45°である。投光器1の焦点調整を行う光学系は、円柱レンズ光学系として構成されているため、図1の図の面に対して垂直方向にこの照明扇形は比較的に極めて薄く、例えば10mm以下の厚さに設定される。したがってこの扇形3により、瞬時にはつねにトロリー線10の相応する短い区間部分だけが側方から照明されるのである。図1の面において開き角γは、十分に大きく設定されかつその軸13によって向き付けられ、これにより、以下さらに詳しく説明する、対象となる極端なそれぞれの高さ位置10′および10″においても、また領域G内でのジグザグな経過の最大の偏差101および102においても、つねにトロリー線10が、投光器の照明扇形3内あるようにされる。したがって投光器1を追従させる必要はなくなり、この投光器は有利にも車両の屋根20に固定して取り付けることができ、かつ固定的に配向して取付けることができるのである。
【0022】
参照符号2によってすでに述べたラインカメラが示されている。このカメラの対物レンズの受光錐のうち、通例また以下でも開き角と称されている、図1の投影法において見ることの可能な外縁光線5だけが示されている。投光器1の扇形およびカメラ2の開き角は、分かるように、検査/対象領域Gに対して、これとその都度の物体距離gとが互いに含まれるように配向されて設定され、これによって実践的な検査動作では、検査すべきトロリー線は、つねに照明扇形およびカメラの開き角内にあり、このトロリー線をつねに最適に測定技術的に検出することが可能である。ラインカメラは、1つのライン(測定感度を高めるために場合によっては複数の平行なライン)を有しており、このラインに沿って、また場合によっては各ラインに沿って配置されたセンサピクセル、例えばCCDセンサを有する。
【0023】
投光器1およびカメラ2からなる1つのエレメント対により、カメラによるトロリー線の結像を、図からわかるように扇形3の1方向領域にだけ行うことができる。
【0024】
さらに別の方向からの画像記録に対しては、投光器1′およびカメラ2′からなる別のエレメント対が設けられている。これらのエレメントも車両の屋根20に上記と同様に実施されて取り付けられている。これらは図示のようにエレメント対1,2に向き合って車両120の屋根20に配置されている。参照符号3′および5′によって投光器1′の照明扇形およびカメラ2′の開き角がそれぞれ示されている。エレメント対1′および2′の作用領域およびエレメント対1,2の作用領域は、1平面内、ここでは図1の図の面内で、互いに通り抜け合う状態から、ほぼ並んで平行になる状態までに位置付けて配向することができる。第1実施例によって明るい研磨面を得ることができるが、調整コストが必要である。第2の実施例は技術的により簡単ではあるが、コントラストの問題が発生する。
【0025】
図2には、車両120の屋根20の平面図が示されており、これは走行路30に対してやや斜めに延在するトロリー線10の下にあり、図1のように屋根に取り付けられた2つのカメラ2,2′および2つの投光器1,1′を有する。
【0026】
車両120が走行路を前進する際にカメラ2およびカメラ2′を基準として、101〜102の距離内で行ったり来りの運動をするトロリー線10に起因して、物体距離gおよびその方向が、カメラを基準として、所定の境界内で連続して変化するため、カメラ内部で既知の関係式1/g+1/b=1/fにしたがって像距離bを方向に依存して適合させることにより、公知のシャインプルークの規則が適用される。ここでf=対物レンズの焦点距離である。
【0027】
シャインプルークの規則を説明するために図3を使用する。参照符号21によってカメラ2の対物レンズの面を表す。参照符号22によってシャインプルークの規則に相応して配向されるカメラ2の画像面を表す。参照符号101および参照符号102によって、この間でジクザグに行ったり来たりして走行する10の右側の極端な位置および左側の極端な位置がそれぞれ示されている。これらの位置101〜102の面、対物レンズ12の面および画像面22が直線Sで交わる場合にシャインプルークの規則が満たされる。
【0028】
吊り下げられたトロリー線10の高さが走行路にわたって一定であれば、対物レンズ面21と画像面22との間の角度は、この画像面22において同じままのピントに対して一定に保つことも可能である。しかしながら踏切またはトンネルにおいて、そこに取り付けられたトロリー線の高さは、規則的な取り付けに対して比較的に変化することがあるため、本発明では別の補正手段が設けられており、これによってトロリー線の高さ位置が変化する際にもつねになおこのトロリー線を画像面22に鮮明に結像することができる。
【0029】
このような補正手段として本発明で行われるのは、カメラの対物レンズ面21または画像面22を(場合によっては2つの面のそれぞれを互いに調整して)、制御された適切な手法で追従させることである。カメラの光学系の焦点深度を考慮すると、またトロリー線の位置の高さ変化が通例、約−0.5〜+1.5mで変動することを考慮すると、つぎに説明する補正手段によって、トロリー線のそれぞれの高さ位置に関して、全体として十分に近似してシャインプルークの規則を維持すれば経験的には十分である。この手段の選択的な変形実施形態の基本原理は、画像面22または対物レンズ面21に対して(場合によってはこれらの2つの面のそれぞれに対しても)その位置がただ1つ示されて定義されるべき軸Fのまわりで旋回Pできるようにすることである。すなわちこれによって実践に対してつねに十分なトロリー線の結像のピントを達成するのである。
【0030】
本発明にしたがって行われるこれらの補正手段の変形実施を説明するために図3A,3B,3Cも参照する。軸Fはいずれの場合も図1の図示の面に対して垂直であり、ここでこの面は、照明扇形3および光学的結像の面でもある。これらの図では、必ず検出すべき、発生し得るトロリー線10の縁の位置を、トロリー線の最大の高さ位置10′ないしは最小の高さ位置10″でそれぞれ示す。極端な右ないしは左の側方の偏差は参照符号101ないしは102によって示されている。したがって参照符号10″2は、トロリー線10の左の最も低い高さ位置を示す。相応したことが、残りの位置10′1,10′2および10″1に当てはまる。これらの位置は検査/対象領域Gのコーナ点でもある。
【0031】
ここで確認されたのは、制御された旋回の軸Fの位置の決定に対する第1の提示例としての第1の変形実施形態に対して、ここでは画像面の例で、トロリー線10の最も低い位置10″1および10″2から出発し、これらの位置に対して、画像面の角度位置をシャインプルークの規則にしたがって精確に調整すれば十分であり得ることである。図3Aではこれによって、配向された画像面22aが得られる。軸Fの位置についての別の必要な提示例に対して、高い位置にあるトロリー線位置から出発する。ここでこのトロリー線位置に対してインデックスbを使用する。選択すべき高さ位置bに対する最適な領域は、本発明では、トロリー線の通常の高さ位置、すなわち図1および3においてトロリー線100によって示した高さ位置と、高さ位置Hbとの間にあり、ここ高さ位置Hbは、上記のトロリー線の通常の高さ位置H0よりもやや上方に選択されている。図3Aに示した画像面22bの位置および配向によって、同様にシャインプルークの規則が満たされる。
【0032】
図3Aからわかるように、図3と同様にすなわち、図3Aでは交点SaおよびSbが図3の交点Sに相応して得られる。各画像面22の位置および配向を付加的に制御するために本発明で設けられている、すでに上で説明した旋回軸Fの位置は、画像面22aおよび22bの交線から得られる。
【0033】
この場合、画像面22の旋回Pは、実践的にトロリー線10の現在の高さ位置に依存して、本発明では、図示の画像面22aの位置および配向と、画像面22cの位置および配向との間で行われ、ここで上記の画像面22aの位置は、ここでは旋回Pの旋回領域の境界である。上記の画像面22cは、画像面22bの向こう側ないしは図3Aでは画像面22bの上側にある。この画像面22cは、トロリー線の最大の高さ位置10′の場合に、カメラ2による結像に対する画像面として本発明により旋回Pによって制御される。画像面22cの配向と、シャインプルークの規則との不可避の偏差は、トロリー線の物体距離gが大きいことと、ひいては比較的焦点深度が大きいことに起因して大抵は無視できることが証明されている。
【0034】
第2の変形実施形態を図3Bに基づいて詳しく説明する。ここでこの図の実施形態では対物レンズ面21の旋回が、図3Aの画像面22の旋回に代わって行われる。
【0035】
すでに上で示したのは、ここでもあらかじめ与えられた可変の対象面においてもシャインプルークの規則を維持するため、選択的に対物レンズ面または画像面の位置を互いに調整できることである。ここで上記の可変の対象面はトロリー線のそれぞれの高さ位置である。すなわち光学的には、画像面または対物レンズ面の位置を適合させることは等価である。本発明の場合、画像面22の位置を固定して実施することは有利であり得る。それはこの画像面には、画像記録のためのラインセンサ装置と、その対応する電子装備品の少なくとも一部とを配置すべきだからである。これらはカメラの対物レンズよりも重量がありかつ大きな体積を有するため、後者の位置をシャインプルークの規則にしたがって制御して追従するとより有利である。しかしながら光学的結像部の軸に対して対物レンズを旋回することにより、この場合にこの対物レンズを、相応する比較的広い画像角度領域に対して光学的に補正しなければならないことになる。画像面も対物レンズ面も共に互いに調整して、シャインプルークの規則が近似的に満たされるようにして追従することも可能ではあるが、これには技術的に極めて大きなコストがかかってしまう。
【0036】
図3Bには、本発明による補正手段の2つの変形実施形態に対して選択可能なトロリー線の3つの高さ位置が示されている。例えばこれはトロリー線10′にを有する高さ位置Hmax、トロリー線10″を有する最も低い高さ位置Hmin、およびトロリー線10mを有する中間の高さ位置であり、これは例えばトロリー線の通常位置である。
【0037】
この変形実施形態を理解するため、ここでは抽象的につぎのことから出発する。すなわち3つ(またはそれ以上でもよい)の対物レンズ面21i,21j,21k…を選択して位置付け、これにより、これらの位置においてシャインプルークの規則がそれぞれ、選択的にトロリー線位置10″,10mおよび10′(ならびに場合によっては別のトロリー線位置)に対して、画像面22を固定した際に満たされるようにする。図3Aと同様にここでは、2つおよび第3変形実施形態である有利な発展形態に対して3つ(場合によってはそれ以上)の軸に対する位置が得られる。この図においてこれらは、対物レンズ面21iと21jとの交線としての軸F1,対物レンズ面21jと21kとの交線としての軸F2,ならびに面21iと21kとの交線としての第3の軸F3である。ところで軸F1は図3Aの軸Fに相応する。すなわち図3Bの実施形態では、H0とHmaxとの間のトロリー線位置の領域も、シャインプルークの規則による精確な焦点調節に近似される。実践的に示されたのは、(図3Aと同様に)ここでも本発明により同様に旋回軸F0だけが設けられ、これが(さらに詳しく説明するように)選択されて位置付けられる場合には、発生し得るすべてのトロリー線の位置に対して、シャインプルークの規則による焦点調節になお極めて高精度に近似できることである。軸F1およびF2の位置からこの第2の変形実施形態にしたがって導出した最適な軸F0の位置は、上記の軸F1とF2との間の領域にある。上記の第3の軸F3によって付加的に識別できるのは、旋回軸F0の最適な位置が、軸F1およびF2の位置間を結ぶ線からやや離れた領域にあることである。
【0038】
すなわちこの第2の変形実施形態の本発明による補正手段としてここで行われるのは、シャインプルークの規則が満たされた状態に近似され制御されて位置付けられるべき面、すなわち択一的には画像面も可能であるがここでは対物レンズ面が、ただ1つの軸F0のまわりで、Pで示したように、目下のトロリー線高さ位置に依存して制御されて旋回されることである。これにより、選択した面21,21′および21″に対してはシャインプルークの規則がもはや精確には満たされないとしても、例えば図3Aと比べると、トロリー線の上側の高さ位置領域が、画像面における焦点調節の点から、シャインプルークの規則によりよく近似されることになる。
【0039】
上記の考察の出発点として基礎にした面21i,21jおよび21kの位置および配向ならびに本発明より配向された対応する面21,21′および21″は、図3Bにおいてそれぞれ密に並んで位置しているため、これらはこの図において図示の点からは区別することができず、したがって該当する参照符号を2重に有する。
【0040】
この変形実施形態においてさらに最適な適合化はつぎの場合に得られる。すなわち、旋回軸F0の位置をつぎのように(図3C参照)付加的に補正して設定する場合に、より最適な適合化が得られるのである。旋回軸F0の位置よりもさらに最適な位置は、旋回軸F0′に対して計算から得ることができる。この計算とは、角度偏差d,d′およびd″の平方の和を形成することである。ここでこれらは、上記のように本発明により配向された面21と、シャインプルークの規則にしたがって精確に配向された、ここでは対物レンズ面である面21iとの間の角度偏差dであり、面21′と21jとの間の角度偏差d′であり、面21″と21kとの間のd″である。上ですでに述べたように面21i,21jおよび21kの位置は、例えば計算によって得られる。
【0041】
この場合、角度偏差d,d′およびd″の平行の和が最小になる旋回軸F0′の位置(計算機を用いて求められる)は、これによりさらに良好に決定された、第2の変形実施形態の軸F0の位置決めである。対物レンズ面の旋回により、また択一的には画像面の旋回またはこれらの2つの面の旋回により交互に調整することにより、さらに良好に最適化されたこれらの面の位置決めが達成され、これによって画像面におけるトロリー線の焦点調節が種々異なる高さ位置毎に行われる。
【0042】
したがってこのように補正されて決定された軸F0′はさらに最適に位置決めされた旋回軸である。
【0043】
同様に平方の和を最小化する同じ補正手段は、本発明によりつぎのような場合にも適用可能であり、この場合には対物レンズ面の代わりに画像面22が旋回される。これは図3Aの場合と同じである。
【0044】
図3B,3Cに対して説明した、最適化された軸F0の周りの上記の補正は、(対物レンズまたは画像面のいずれが旋回されるかにかかわらず)つぎのように実施可能である。すなわち、上に示したトロリー線の3つ以上の高さ位置が、シャインプルークの規則にしたがって精確に調整されて選択されるように実施することも可能である。
【0045】
殊に推奨されるのは、シャインプルークの規則にしたがった精確な対物レンズ面21′の調整を、最大の高さ位置の代わりに、それよりもやや下にある高さ位置に関連づけることであり、また有利には図3Bにおいてシャインプルークの規則にしたがって調整した対物レンズ面21″も、Hminよりもやや高いトロリー線位置に関連づけることである。その理由は、これによってこれらの境界ゾーンにおいて対物レンズの焦点深度領域をさらに付加的に良好に利用できるからである。
【0046】
完全さのためだけに本発明の別の補正手段を説明するが、これは極めてコストがかかる。
【0047】
図3Bからわかるように、トロリー線のすべての高さ位置に対して対物レンズないしは対物レンズ面21を精確にシャインプルークの規則にしたがって配向することが可能である。図3Bでは交点S,S′およびS″が記入されており、これらにより、シャインプルークの規則に相応して精確な位置が決定される。この別の補正手段の特徴は、カメラの対物レンズまたはその画像面が機械的に、例えばロッドにおいて案内されて、このロッドの反対側の端部が、交点S′−S−S″の接続線S0に沿い、各物体距離gないしは像距離bが調整されて案内されるようにする。これによってトロリー線の結像が各位置において最適化されることになる。
【0048】
トロリー線の実際の高さ位置ないしは現在の高さ変化は、一方では以下にさらに説明する測定システムそれ自体によって識別することができ、ここでこれは、カメラの画像面に取り付けられたダイオードラインのビデオ信号においてコントラストが決定され、このビデオ信号のコントラストが(再び)最大値に達するまで、ダイオードラインないしはその平面が軸Fの周りに旋回されることによって行われる。
【0049】
しかしながら多くの場合、従来技術に相応するトロリー線に対する高さ測定装置がいずれにせよ設けられており、この高さ測定装置によってトロリー線の実際の高さ位置と、ひいては車両の屋根の上の大きさとが出力される。この場合、画像面の軸F周りの旋回は、実際に示されたトロリー線高さに相応して行われる。
【0050】
条件が与えられた際に、すなわち1)トロリー線のあらかじめ与えられた通常の高さ(例えば、5m)、2)車両の屋根の既知の高さ(例えば、3.70m)、3)トロリー線の行ったり来たりの運動の既知の大きさ(0.9m)、4)トロリー線の既知の最大高さ変化(−0.5;1.5m)が与えられた際に、本発明に対して行われるのは、カメラ2,2′の対物レンズの焦点距離fを例えば80〜150mmに設定することである。カメラの1ラインに4096(212)個のピクセルを有するラインカメラによって、上記のように設定した焦点距離において、物体距離gにおいて、すなわちトロリー線の表面において約0.1〜0.3mmの分解能を得ることができる。この分解能は、(未公開の)より旧い発明によって達成される分解能よりも高い。さらに絞りに依存し、より小さく設定される高々10cmの焦点深度では、この焦点距離領域において、上に示したように平均な近似が行われてャインプルークの規則が守られる際には、実践的に最適な鮮明な画像が画像面に、すなわちカメラ2のセンサピクセルのラインに得られるのである。
【0051】
公知のようにレーザ照明には、形成された画像において障害となる粒状化(Granulation)が結び付いている。これはコヒーレントなビームの干渉作用に基づくものである。本発明ではこの障害の発生は回避され、ここでこれは投光器1,1′に対してつぎのようなレーザダイオードを使用することによって行われる。すなわちこのレーザダイオードはただ1つのエミッタの代わりに複数のエミッタを有しており、ここでこれらエミッタはダイオードにおいて互いに大きく離れて配置されており、これによって個々のダイオード区間の間で、個々のダイオード区間のビーム束が互いに干渉してしまうこのような相互作用がもはや発生しないようにされているのである。言い換えるとこのことは、個々のダイオード区間の多数のレーザビームによって、実質的にインコヒーレントなビームが互いに供給され、この際にこれによって投光器に対してレーザビーム形成およびレーザビーム放射の高いエネルギー効率も低減されてしまうことがないということである。本発明の対しては、約15〜25Wの電力のレーザダイオードを有する投光器を使用すれば十分である。
【0052】
測定車両のあらかじめ設定された速度が例えば80Km/hの際に推奨されるのは、カメラの露出時間を最大0.5msで選択することである。このように設定された露出時間内では、与えられた走行速度において、カメラは11mmだけ前進する。画像のこの動きは、画像面に配置されたカメラのダイオードラインに対して横方向を向いており、かつ図3A,3Bの表示面に関しては、これに対して垂直方向を向いている。この手段ないしは設定により、有利ないしは所望の移動によるぶれが結像において得られる。これはトロリー線に沿いかつ測定装置に対して横方向に、この11mmにわたって輝度値の平均値を形成することに相応する。トロリー線のジグザグ運動の側方の偏りは、この時間区間において最大0.3mmになり、これはこの測定装置の分解能のオーダ内にあり、したがって影響はまだ無視することができる。しかしながら例えば4倍も低い速度、すなわち20Km/hにおいては、同じ長さに設定された露出時間において、平均化が行われるトロリー線の区間は、上記の値の4分の1に低減されてしまうことになる。これを回避するために推奨されるのは、露出時間を速度に線形に適合させて制御することであり、すなわちここでは相応に4倍だけ長くする。この際にはダイオードラインにおいて露出オーバが発生してしまうことがあるため、付加的にレーザ照明の強度をこの場合に測定車の速度に依存して減少させることが推奨される。
【0053】
択一的には固定の露出時間で、評価計算機により、時間的に順次に発生する測定値を平均値計算に使用することも可能である。
【0054】
図4A,4Bには研磨面101および残りの高さRを有する慣用のトロリー線が示されている。
【0055】
本発明による装置のラインカメラ2および場合によってはラインカメラ2′のピクセルセンサラインのビデオ信号は、線路51により、電子式評価回路50に供給される。ここでこの電子式評価回路は、例えば、ラインカメラの信号を予備的処理するディジタル信号プロセッサを有する画像メモリカード52およびパーソナルコンピュータ53とすることが可能である。得られたビデオ信号の評価する手段、すなわちこれらのビデオ信号から目下検査しているトロリー線の断面の現在の大きさを検出する手段を分かりやすくするために図5を使用する。
【0056】
まず図5Aを参照されたい。この図には使用してすり減った図4Aのトロリー線の断面10が示されている。トロリー線断面10の図5に示した斜めの位置は、図1に示した、角度αで斜めに配向された投光器による照明およびカメラ2による画像記録に相応する。図5Bには例示的に、瞬時に得られたビデオ信号の振幅経過が示されており、これはトロリー線10の記録の幅A−Dにわたって評価装置50で求めたものである。AからBまでの経過は、現在カメラ2の方を向いているトロリー線のエッジないしは側面102に相応する。CとDとの間の経過は、トロリー線の対向する側面103のビデオ信号に相応する。先行する走行動作における集電器のすり板によって形成された摩耗研磨面101によって、点BとCとの間の振幅経過が得られる。これらの移行部、すなわち背景から線のエッジ、研磨面、反対側の線のエッジおよび最終的には再度背景にいたるまでの点A,B,CおよびDを、測定技術的に可能な限りに精確に決定できるようにするため、本発明の別の手段として、受信した図5Bのビデオ信号Vを微分する。これによって図5Cの信号経過が得られ、ここでは図5Bにおける信号Vの傾きの大きさが、明瞭に識別可能な信号ピークを伴って再現されている。殊に明瞭に識別できるのは、重要な点BおよびCであり、それらの間隔によって、利用によって発生した研磨面の幅の、関心対象である大きさが示される。
【0057】
図5Dには、縮小されているが図5Cと同様に、微分された測定結果が示されており、これは、隣り合って案内される2つの線を有する重なり領域において、ないしはツイン式トロリー線システムにおいてカメラのラインに沿って得られたものである。
【0058】
結像の縮尺と、車両の屋根20に対するカメラの観察角αとが既知であるため、図5Cから取り出すことの可能な長さB′C′から、この線における現在の研磨面の幅B−Cの実際値と、この値からトロリー線10の関心対象である残りの厚さとを決定することが可能である。トロリー線の残りの断面に対する、ないしは残りの高さRに対する後者の関心対象である値は、時間的な計算コストを最小化する意味でテーブルから取り出され、ここでこのテーブルにはあらかじめ分かっている線の厚さと、本発明によって求めた研磨面の幅とが入力値として入力される。このテーブルは、目標プロフィール毎に一度作成される。
【0059】
図1には、エレメント対1,2の個所に角の頂点を有する、車両の屋根20とトロリー線10との間の角度αが書き込まれている。この所定の角度αにおいてカメラ2からみた間隔の大きさA−Dは、図5Aのトロリー線に対して当てはまるように、これが円形の断面を有する限り、トロリー線の直径に相応する。この直径の大きさは、集電器がこれに沿って滑走することによる摩耗の影響を受けていない。
【0060】
しかしながらこの直径の尺度が局所的にトロリー線の直径の目標値よりも格段に小さい場合、そこにはトロリー線の狭隘が発生しており、すなわち冒頭にすでに述べたようになっており、これはまた検査によって確定することができる。
【0061】
図4Aと4Bとの比較から上記の説明によってわかるように、これまで上に説明してきた測定によって可能であるのは、図4Aに示したような円形の線断面だけに対して一義的なデータを得ることである。図4Bに断面として示した、付加的にねじって吊り下げることも可能なほぼ矩形のトロリー線に対しては、互いに向き合う2つの側の測定さえも必要である。これはすでに図1において、投光器1′およびカメラ2′からなる第2のエレメント対の装置によって示されている。2つのエレメント対1,2および1′,2′は、図1からわかるように、有利にはトロリー線位置10に関して対称に対向する側に配置される。第2のエレメント対1′,2′の配置および実施の仕方および信号評価に対しては上の説明があてはまり、例えば、任意選択的に付加的に行われる軸F周りの旋回に関する、シャインプルークの規則に相応した位置決めなどの説明があてはまる。第2のエレメント対1′,2′に対して、図3Aを鏡映対称でみた図が当てはまる。
【0062】
矩形の断面、例えば図4Bに示したような断面を有し、未知のねじれ角で吊り下げられているトロリー線の残りの断面ないしは残りの高さを求めるため、集電器が摺動する面の幅を測定する他に、2つのカメラ2および2′を用いて、見ることのできる直径も測定する。このようにすることによってはじめて一義的な測定結果が得られるのである。計算時間を最小化するために、この場合もテーブルの使用が有利である。
【0063】
図示のように2つのエレメント対1,2および1′,2′を有する本発明の最後に示した実施形態を、円形のトロリー線を検査すべき場合にも使用することは有利である。時間的な付加コストを全く要求しないこの2重の測定により、本発明の装置による測定精度が格段に向上することが保証される。
【0064】
最後に従来技術の装置に対する本発明の装置の一般的な利点を示しておく。
【0065】
本発明の装置は、車両の屋根20にトロリー線から大きく離れてとりつけられて位置決めされる。ここではトロリー線に接触する必要はない。例えば、これによって有利にも、同時に別個に実行されるトロリー線の現在の高さ位置を測定する際に、測定値の障害になるトロリー線の接触を必然的に回避することができ、ここでこの接触は集電器が存在する際に発生するものである。したがって本発明の装置は有利には電気的に駆動されない車両、例えばディーゼル機関車の屋根に取り付けられる。
【0066】
本発明では、ジグザグの吊り下げによって必然的に発生するトロリー線の側方の動きに装置の光学系をつねに追従させる必要はない。
【0067】
本発明により、円形の断面を有する線の残りの高さも、矩形の断面を有する線の残りの高さも共に求めることができ、これによって本発明の一般性は拡張されるか、または完全でさえもある。
【0068】
本発明により少なくともほぼ同じ高さで並んで配置されている複数の線を測定することも可能である。同時に測定可能な線の数はほとんど任意である。それら互いの間隔は、線の直径よりも大きいだけでよい。この利点は、トロリー線の重なり領域において区間毎に(150mの長さにわたって)1つのトロリー線終了部から後続のトロリー線開始部への移行部に対して、並行して延在するトロリー線が設けられている個所では殊に重要である。
【0069】
本発明においても、トロリー線を上から支持するクランプそれ自体によって、実施される画像評価が妨げられる。しかしながら本発明によれば、研磨面の幅B−Cの、妨害を受けていない信頼性の高い少なくとも1つの測定を行うことができる。透過光によって動作する公知のシステムでは、クランプ位置における測定は、利用できないことはないにしても少なくともエラーを有するのである。
【0070】
本発明の装置によれば、トロリー線がねじられて吊り下げられており、さらにねじり角が変わるおよび/または未知の場合にも、トロリー線の摩耗の大きさを高い信頼性で決定することができる。
【0071】
ここまでは本発明を電気駆動の鉄道に対して説明した。本発明は、例えば各線(トロリー)バスの架空線においても有利に適用可能である。このためにはいつかの変更および/または補足を行わなければならない。しかしながら平行して延在する2つのトロリー線の信号は、ここでも一義的な診断データとして別個に発生し、これは理にかない、図5Dからわかる通りである。この車両に対しては場合によっては手段を設け、検査走行時に進行する走行路が、測定の障害になる以上にトロリー線の経過から偏差してしまわないようにする。ここでこのトロリー線の経過は、通例、ジグザグの経過を有しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
照明ユニットとしての1対の投光器およびラインカメラの互いの配置構成と、照明の開き角と、カメラの対物レンズの開き角と、トロリー線の現在の位置とを示す図である。
【図2】
図1の平面図である。
【図3】
カメラの対物レンズと、そこに含まれる画像面と、側方に最大限に変位したトロリー線の位置との公知の構成とをシャインプルークの規則にしたがって示す図である。
【図4】
慣用のトロリー線の断面図である。
【図5】
信号評価に対する説明を補足する図である。
Claims (26)
- 電気駆動される車両用に対する架空線のトロリー線(10)における摩耗を光学的に検出する装置において、
該装置は、
前記トロリー線(10)の各区間部分を照明する投光器(1,1′)を有する少なくとも1つの照明ユニットと、
現在照明されているトロリー線の区間部分をライン毎にピクセル記録する画像面(22)および対物レンズ(21)を有する少なくとも1つのラインカメラ(2,2′)と、
画像評価のために設けられた電子式評価ユニット(50)とを有しており、
投光器(1,1′)およびラインカメラ(2,2′)は、車両(120)の屋根領域(20)に一緒に(1,2;1,2′)配向されて配置されており、
ここで該車両は、検査すべきトロリー線(10)に沿って近くに並んで一緒に、可変に位置付けられたトロリー線存在領域(G)を走行し、
前記投光器(1,1′)は半導体レーザ光源であり、
該半導体レーザ光源には、照明扇形(3,3′)を形成するために円柱式光学系が前置接続されており、ここで該照明扇形は開き角(γ)を有しており、扇形の厚さは数ミリメートルであり、
前記カメラ(2,2′)を配置して、当該カメラの少なくとも対物レンズ面(21)および/または画像面(22)がそれ自体で、当該カメラの光軸(121)に対する位置および配向について、ただ1つの旋回軸(F,F0,F0′)の周りに、トロリー線(10′〜10″)の動作中の現在の高さ位置に依存して制御されて旋回する(P)ようにし、ここで当該配置は、画像面での結像におけるトロリー線の、検査に十分な焦点調節に対し、発生し得るすべての高さ位置について有効であるようになされ、
前記旋回軸は、車両(120)の走行方向に対して平行にないしは照明扇形(3,3′)の面に対して垂直に配向されており、
該旋回軸の位置は、少なくとも2つの対物レンズ面(21i,21j,21k)および/または画像面(22a,22b)の少なくとも1つの交線によって定められ、
該画像面にて、あらかじめ設定可能な選択された高さ位置のトロリー線が、シャインプルークの規則にしたがってピントのあった結像に調整されることを特徴とする、
トロリー線における摩耗を光学的に検出する装置。 - 前記の画像面または対物レンズ面の旋回(P)に対する軸(F)の位置は交線によって定義され、該交線は、
1) ほぼ最も低い高さ位置にあるトロリー線(10″)の位置に対する、シャインプルークの規則にしたがった焦点調整に対して位置決めされ配向される画像面(22a)または対物レンズ面と、
2) トロリー線に対するあらかじめ設定可能な標準高さ位置と等しいか当該標準高さ位置よりもやや高い高さ位置のトロリー線の位置に対する、シャインプルークの規則にしたがった焦点調節に対して位置決めされ配向される画像面(22b)または対物レンズ面とが交わることによって得られる(図3A)、
請求項1に記載の装置。 - 前記の旋回(P)に対する軸(F0)の位置は、第1には交線(F1)から求められ、該交線は、
1) ほぼ最も低い高さ位置にあるトロリー線の位置に対する、シャインプルークの規則にしたがった焦点調節に対して位置決めされ配向される対物レンズ面(21i)または画像面と、
2) あらかじめ設定可能な中間の高さ位置にあるトロリー線の位置に対する、シャインプルークの規則にしたがった焦点調節に対して位置決めされ配向される対物レンズ面(21j)または画像面とが交わることによって得られ、
また前記の旋回(P)に対する軸(F0)の位置は、第2には交線(F2)から求められ、該交線は、
1) ほぼ最も高い高さ位置にあるトロリー線の位置に対する、シャインプルークの規則にしたがった焦点調節に対して位置決めされ配向される対物レンズ面(21k)または画像面と、
2) 前記の中間の高さ位置のトロリー線位置に対する、シャインプルークの規則にしたがった焦点調節に対して位置決めされ配向される対物レンズ面(21j)または画像面とが交わることによって得られ、
装置で行われる対物レンズ面または画像面に対する旋回(P)の軸(F0)の位置が、前記2つの交線(F1およびF2)の位置間で選択されて決定される(図3B)、
請求項1に記載の装置。 - 前記の旋回(P)に対する軸(F0)の位置が付加的に交線(F3)によって求められ、該交線は、
1) ほぼ最も高い高さ位置にあるトロリー線の位置に対する、シャインプルークの規則にしたがった焦点調節に対して位置決めされ配向される対物レンズ面(21k)または画像面と、
2) ほぼ最も低い高さ位置にあるトロリー線の位置に対する、シャインプルークの規則にしたがった焦点調節に対して位置決めされ配向される対物レンズ面(21i)または画像面とが交わることによって得られ、
装置で行われる対物レンズ面または画像面に対する旋回(P)の軸(F0)の位置が、前者の2つの交線(F1,F2)の位置間の領域の位置にて、後者の交線(F3)の側方に偏差した位置の考慮の下に選択されて決定される(図3B)、
請求項3に記載の装置。 - 前記の旋回(P)に対して設けられる軸(F0)の位置に対して3つ以上の交線が使用され、
該交線は2つの対物レンズ面または画像面が交わることからそれぞれ得られ、ここで当該面に対して、あらかじめ設定可能な高さ位置にあるトロリー線に対するシャインプルークの条件にしたがった焦点調節が行われる、
請求項3または4に記載の装置。 - 前記装置では、対物レンズ面(21)または画像面(22)の旋回に対して設けられ補正される軸(F0′)の位置は、シャインプルークの規則にしたがって位置付けられ配向された2つずつの面の前記の交線(F1,F2,F3…)の位置間にあり、前記の補正される軸(F0′)の位置の調整によって決定され、
当該位置に対しては、調整した対物レンズ面/画像面の角度偏差(d,d′,d″)の平方の和が最小であり、ここで各角度偏差(d,d′,d″)は、トロリー線の所定の高さ位置に対して、未補正の軸(F0)の周りの旋回時に発生した対物レンズ面(21,21′,21″)または画像面のそれぞれの配向と、当該トロリー線の結像に対するシャインプルークの規則が精確に満たされている対応する対物レンズ面(21i,21j,21k)または画像面の配向との間にある角度偏差である、
請求項3から5までのいずれか1項に記載の装置。 - 前記の軸の周りの対物レンズおよび/または画像面の旋回(P)に対する当該軸の位置決めは、シャインプルークの規則にしたがって精確に配向される対物レンズおよび画像面の交線(S,S′,S″)の位置決めの直線(S0)に沿って、種々異なるトロリー線の高さに対して、ロッドを用いて変更可能に行われ、
軸位置の横方向における案内は、トロリー線の現在の高さ位置に依存して制御されて行われる、
請求項3から6までのいずれか1項の装置。 - 当該装置にて対物レンズ面および画像面の互いに調整されるの旋回は、ただ1つの旋回軸の周りだけでそれぞれ行われる、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の装置。 - 前記投光器(1,1′)に対してレーザダイオードが設けられており、
該レーザダイオードは複数のエミッタによって実施されており、
該エミッタは互いに十分に大きな間隔でダイオードに配置されており、これによって個々のエミッタ区間のレーザビームはインコヒーレンスを有する、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の装置。 - 前記投光器(1,1′)には、レーザビーム保護規則を遵守するためのラスタレンズ光学系が含まれている、
請求項1から9までのいずれか1項に記載の装置。 - 車両(120)に投光器(1,1′)およびカメラ(2,2′)をそれぞれ有する2つのエレメント対が設けられており、
該エレメント対は、トロリー線の方向に対して横方向に配向されて互いに所定の間隔で配置されており、
下方の互いに交差する2つの方向(角度+α,−α)からトロリー線にビームが照射されるように前記エレメント対は配向されており、
一方の対の照明扇形(3)と、他方の対の照明扇形(3′)とを調整して配向し、当該2つの照明扇形(3,3′)が、互いに他を通り抜ける状態から互いにほぼ平行に並び合う状態までに互いに位置決めされ配向される、
請求項1から10までのいずれか1項に記載の装置。 - 前記照明扇形(3,3′)のそれぞれの開き角は、約45°である、
請求項1から12までのいずれか1項に記載の装置。 - 前記投光器(1,1′)は赤外線投光器である、
請求項1から13までのいずれか1項に記載の装置。 - 前記カメラ(2,2′)は1つまたは複数のラインを含んでおり、1行は約212のオーダーのセンサ素子を有する、
請求項1から14までのいずれか1項に記載の装置。 - 前記カメラの焦点距離が、約80〜150mmに設定される、
請求項1から15までのいずれか1項に記載の装置。 - 前記評価ユニット(50)は、ディジタル信号プロセッサを有する画像メモリカード(52)とパーソナルコンピュータ(53)とを有する、
請求項1から16までのいずれか1項に記載の装置。 - 装置を作動する方法において、
測定結果を評価するため、評価ユニット(50)によって求めた信号結果を微分する(図5C,5D)ことを特徴とする、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の装置を作動する方法。 - 装置を作動する方法において、
トロリー線の現在の高さ位置を、カメラの画像面における当該トロリー線の結像の鮮明さから求めることを特徴とする、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の装置を作動する方法または請求項18に記載の方法。 - 装置の作動方法において、
高さ位置を決定する付加的な装置を用いてトロリー線の現在の高さ位置を求めることを特徴とする、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の装置を作動する方法または請求項18に記載の方法。 - 装置の作動方法において、
露出時間を設定して、カメラ(2,2′)の記録領域が、当該露出時間内の走行中にトロリー線の約10mmの長さを掃くようにすることを特徴とする、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の装置を作動する方法または請求項18から20までのいずれか1項に記載の方法。 - 装置の作動方法において、
露出時間を設定して、カメラ(2,2′)の記録領域が、当該露出時間内の走行中にトロリー線の約10/n mmの長さを掃くようにし、
カメラ(2,2′)の直に連続したn回の記録から評価ユニット(50)によって、信号経過(図5B)を結果として供給し、
当該結果はそれぞれn回の記録から得られた信号値の平均であることを特徴とする、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の装置を作動する方法または請求項18から20までのいずれか1項に記載の方法。 - 装置の作動方法において、
カメラの露出時間を車両(120)の速度に依存して比例して制御することを特徴とする、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の装置を作動する方法または請求項21または22に記載の方法。 - 装置の作動方法において、
投光器(1,1′)による照明の強度を、カメラ(2,2′)の露出時間に反比例して制御することを特徴とする、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の装置を作動する方法または請求項21から23までのいずれか1項に記載の方法。 - 装置を作動する方法において、
前記の調節または動作のパラメタを選択して、カメラ(2,2′)によるトロリー線の記録に対して、画像解像度が、トロリー線(10)の長手方向に対して横方向に10分の1ミリメートルの数倍の範囲に達していることを特徴とする、
請求項1から17のいずれか1項に記載の装置を作動する方法または請求項18から24までのいずれか1項に記載の方法。 - 車両(120)における装置の使用方法において、
当該装置によって、集電器によるトロリー線(10)への接触なしに検査が実行されることを特徴とする、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の、車両おける装置の使用方法。 - ディーゼル駆動の機関車を、請求項1から17までのいずれか1項に記載の装置に対する車両(120)として使用する、
請求項26に記載の使用方法。
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