JP3629568B2 - 架線検査方法および架線検査装置 - Google Patents

架線検査方法および架線検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は架線検査方法および架線検査装置に関する。さらに詳しくは、画像処理を行うことにより架線の検査がなされる架線検査方法および架線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両への動力の供給は、図19に示すように、架線10に接触している車両(図示せず)の屋根に設けられたパンタグラフ100の集電体101によりなされている。しかるに、この集電体101は車両が高速で走行するところから、架線10に接触した状態で高速移動することになる。そのため、図19に示すように、架線10の集電体101に接触している部分が磨耗する。この磨耗がある程度以上になると、架線10に作用している張力により架線10が切断するので、架線10の保全のためにこの磨耗の程度が定期的に検査されている。当初、この検査は作業員が停止した車両の屋根等に上がり、ノギス等の機械式測定器具を用いてなされていた。このように、当所の検査は機械式測定器具により行っている関係上、検査に高所作業を伴い安全性に問題があるとともに、検査記録も自動的になされず効率的でないという問題があった。
【0003】
かかる当初の架線検査方法を改善すべく、特開平5ー96980号公報には、図20に示すように、架線10の所定方向からの画像を取り込む画像検出手段201と、前記画像検出手段201によって取り込まれた画像から前記架線10の磨耗面幅を検出し、この架線10の磨耗面幅をもとに架線磨耗量を算出する制御手段202と、前記制御手段202によって算出された架線磨耗量を記録する記録手段203とを具備したことを特徴とする架線検査装置200が提案されている。
【0004】
しかしながら、前記提案にかかわる架線検査装置200は、図20に示すように、CCDカメラを1台しか用いていないために、架線10の3次元的な位置や寸法を測定することができない。そのため、架線10の直径や集電体101との接触面の幅、いわゆる摺面幅の絶対寸法を測定することができない。そこで、前記提案にかかわる架線検査装置200においては、架線10の直径は既知であるとして直径との比から摺面幅を算出している。かかる方法により摺面幅を算出した場合、架線10の種類が違ったときや架線が大きく変位し、撮像が斜め方向となり架線10の直径が正確に測定できないときには、摺面幅を算出することができない。また、高さ方向の情報がないため、架線10の上方にある張架線やその他の構造物と架線を分離することができない。
【0005】
あるいは図21に示すような、レーザ式架線磨耗測定装置300が用いられている。このレーザ式架線磨耗測定装置300は、ミラー部310と走査受光部320とパンタグラフ高さ測定部330と演算処理部340とを備え、単一波長の光線を回転ミラーを介して架線10の幅方向に走査照射して、その反射光を光電変換素子に受光検出し、そして反射光が受光素子に検出される時間が架線10の摺面10aに比例することから、この時間幅を電圧に変換して摺面幅、すなわち架線10の磨耗量を算出するものである。より具体的には、このレーザ式架線磨耗測定装置300は、走査受光部320において、He−Neガスレーザ321からのレーザ光(ビーム光)はAミラー322で方向が変えられ、第1レンズ323を通過後、一度位置aで集光するが、位置aは第2レンズ325の焦点と若干ずれているので、穴明きミラー324、第2レンズ325を通過した後、回転ミラー326によりミラー部310に出力される。そして、ミラー部310において、第1ミラー311、第2ミラー312、第3ミラー313により反射されて架線10にスポット光として出力される。この出力されたスポット光は架線10の摺面10aに集光する。このとき、回転ミラー326は矢印の方向に回転しているから、スポット状のレーザ光も矢印の方向に架線10を走査する。この架線10に集光したレーザ光は、ついで架線10の摺面10aで正反射され、天空からの外光とともに往路と同一経路を反対にたどって走査受光部320の穴明きミラー324に到達する。この穴明ミラー324に到達した光は、そこで方向を変えられて干渉フィルター327に入力されてレーザ光以外の外光は除去され、架線10で反射したレーザ光のみが受光素子328に結像される。受光素子328は、この受光したレーザ光を電気信号に変換し、前置増幅器329に入力する。前置増幅器329は、この電気信号を増幅して演算処理部340の摺面幅算出部341に入力する。この摺面幅算出部341は、入力された受光時間を架線10の摺面幅に相当する電圧に変換して出力する。
【0006】
ところが、架線10はレール踏面上4800mmを中心として上下に600mmの幅で変化しているために、レーザ光を架線10に集光させて摺面幅を測定するようにしているレーザ式架線磨耗測定装置300においては、架線10の高さ変化に追従させてレーザ光の集光位置を調整する必要がある。そのため、レーザ式架線磨耗測定装置300では、架線の高さがパンタグラフpの高さに一致するとしてパンタグラフ高さ測定部330によりパンタグラフpの高さを測定し、その測定高さに基づいて第2レンズ325の位置を調整してレーザ光を架線10に集光するようにしている。ここで、パンタグラフ高さ測定部330のパンタグラフ高さ測定装置としては、例えば、パンタグラフpの主軸にポテンショメータを装着し、このポテンショメータによりパンタグラフpが架線10の高さ変化に追従して上下する際の主軸の回転角を検出し、それにより架線10の高さ測定するようにしてなるものがある。
【0007】
このように、このレーザ式架線磨耗測定装置300においては、一台の受光素子328しか用いられていないので、前記特開平5ー96980号公報の提案にかかわる測定装置200と同様の問題がある。また、パンタグラフの昇降に追従させて第2レンズ325の位置を調整しているので、構造が複雑であるという問題もある。さらに、パンタグラフpの昇降量から架線10の高さを推定しているので、その測定精度が低いという問題があるとともに、レール踏面からの架線10の高さが測定できないという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、架線の種類に関係なく、しかも架線の上方に存在する張架線等に影響されることなく、架線の摺面幅を正確に測定できる架線検査方法および架線検査装置を提供することを主たる目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究した結果、架線の集電体と接触している部分(摺面)は、集電体が摺動するために、鏡面状態となっている。このため、この架線を下方から集光形照明装置により適当な角度で照明すると、摺面では乱反射がほとんど起こらず、照射された光のほとんどは所定の反射角で反射されるが、架線の摺面との境界部分より上の部分(以下、エッジ部という)は鏡面ではないために、照射された光は乱反射される。そこで、集光形照明装置に照明されている箇所を、撮像手段を光線に対してほぼ直角にし、かつ斜め下方から撮像すると、摺面では乱反射光が少ないためにその部分では輝度が低く、エッジ部では乱反射光が多いためにその部分では輝度が高いという画像が得られる。そして、得られた画像の輝度が極大値となる位置を、摺面のエッジと認定して演算処理を行えば摺面幅が測定できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
【0010】
すなわち、本発明の架線検査方法の第1態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所をその右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標により摺面幅を算出する手順とを含んでなることを特徴とする。
【0011】
本発明の架線検査方法の第2態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所をその右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定する手順とを含んでなることを特徴とする。
【0012】
本発明の架線検査方法の第3態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所をその右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定する手順と、前記判定において許容値外と判定すると警報を発する手順とを含んでなることを特徴とする。
【0013】
本発明の架線検査方法の第4態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所をその右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、前記算出された摺面幅を記録する手順とを含んでなることを特徴とする。
【0014】
本発明の架線検査方法の第5態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所をその右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定する手順と、前記算出された摺面幅および/または判定結果を記録する手順とを含んでなることを特徴とする。
【0015】
本発明の架線検査方法の第6態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、前記撮像に同期させて車両の走行距離を計測する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、前記算出された摺面幅と、前記計測された走行距離との対応関係を求める手順と、前記対応関係において、所定の閾値を超える走行区間を抽出する手順とを含んでなることを特徴とする。
【0016】
本発明の架線検査方法の第6態様においては、前記抽出された所定の閾値を超える走行区間において、摺面幅が最大となる地点を検出する手順が付加されてなるのが好ましい。
【0017】
本発明の架線検査方法の第7態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、前記撮像に同期させて車両の走行距離を計測する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標から架線の位置を算出する手順と、前記算出された架線の位置から架線の水平方向の偏位を算出する手順と、前記算出された架線の水平方向の偏位と前記計測された走行距離との対応関係を求める手順とを含んでなることを特徴とする。
【0018】
本発明の架線検査方法の第8態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、前記撮像に同期させて車両の走行距離を計測する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、前記算出された摺面幅と、前記計測された走行距離との対応関係を求める手順と、前記走行距離と対応関係が求められた摺面幅のデータ列から高周波成分を除去する手順と、前記高周波成分が除去された摺面幅のデータ列の周波数分析を行う手順と、前記周波数分析により得られた周波数成分から特定の周波数成分を抽出する手順とを含んでなることを特徴とする。ここで、前記特定の周波数成分は、例えば波状磨耗に関する周波数成分とされる。
【0019】
本発明の架線検査方法の第9態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、前記撮像に同期させてレール踏面の車両の特定位置からの距離を計測する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標および前記計測されたレール踏面の車両の特定位置からの距離を用いて架線摺面のレール踏面からの高さを算出する手順とを含んでなることを特徴とする。
【0020】
本発明の架線検査方法の第10態様は、架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、前記撮像に同期させて車両の走行距離を計測する手順およびレール踏面の車両の特定位置からの距離を計測する手順と、両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、前記算出された座標および前記計測されたレール踏面の車両の特定位置からの距離を用いて架線摺面のレール踏面からの高さを算出する手順と、前記算出された架線摺面のレール踏面からの高さおよび走行距離から架線の勾配を算出する手順とを含んでなることを特徴とする。
【0021】
一方、本発明の架線検査装置の第1態様は、一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段とを備え、前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から、輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出されることを特徴とする。
【0022】
本発明の架線検査装置の第2態様は、一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段とを備え、前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定されることを特徴とする。
【0023】
本発明の架線検査装置の第3態様は、一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と警報手段とを備え、前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を、斜め下方から照明する位置に配設され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定され、前記判定により摺面幅が許容値外であると判定された場合、前記警報手段から警報が発せられることを特徴とする。
【0024】
本発明の架線検査装置の第4態様は、一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と記録手段とを備え、前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、前記記録手段により前記算出された摺面幅が記録されることを特徴とする。
【0025】
本発明の架線検査装置の第5態様は、一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と記録手段とを備え、前記撮像手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、前記集光形照明手段が車両の屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定され、前記記録手段により、前記算出された摺面幅および/または前記判定結果が記録されることを特徴とする。
【0026】
本発明の架線検査装置の第6態様は、一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と走行距離計測手段とを備え、前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅と前記走行距離計測手段により得られた走行距離との対応関係が求められ、▲5▼前記走行距離との対応関係が求められた摺面幅から所定の閾値を超える走行区間が抽出されることを特徴とする。
【0027】
本発明の架線検査装置の第6態様においては、前記所定の閾値を超える走行区間から摺面幅が最大となる地点が抽出されるのが好ましい。
【0028】
本発明の架線検査装置の第7態様は、一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と走行距離計測手段とを備え、前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、 前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標から架線の位置が算出され、▲4▼前記算出された架線の位置から架線の水平方向の偏位が算出され、▲5▼前記算出された架線の水平方向の偏位と走行距離との対応関係が求められることを特徴とする。
【0029】
本発明の架線検査装置の第8態様は、一対の撮像手段と、集光形照明手段と、高周波成分除去手段と周波数分析手段とを有する画像処理・制御手段と、走行距離計測手段とを備え、前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅と前記走行距離計測手段により得られた走行距離との対応関係が求められ、▲5▼前記高周波成分除去手段により前記走行距離との対応関係が求められた摺面幅のデータ列から高周波成分が除去され、▲6▼前記周波数分析手段により前記高周波成分が除去された摺面幅のデータ列の周波数分析がなされ、▲7▼前記周波数分析により得られた周波数成分から特定の周波数成分、例えば波状磨耗に関する周波数成分が抽出されることを特徴とする。
【0030】
本発明の架線検査装置の第9態様は、一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と距離計測手段とを備え、前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、前記距離計測手段により車両の特定位置からレール踏面までの距離が計測され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標および前記計測されたレール踏面までの距離とから架線摺面のレール踏面からの高さが算出されることを特徴とする。
【0031】
本発明の架線検査装置の第10態様は、一対の撮像手段と、集光形照明手段と、高周波成分除去手段と周波数分析手段とを有する画像処理・制御手段と、走行距離計測手段と距離計測手段とを備え、前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、前記距離計測手段により車両の特定位置からレール踏面までの距離が計測され、前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標および前記計測されたレール踏面までの距離とから架線摺面のレール踏面からの高さが算出され、▲4▼前記算出された架線摺面のレール踏面からの高さおよび前記走行距離計測手段により得られた走行距離から架線の勾配が算出されることを特徴とする。
【0032】
ここで、前記走行距離計測手段は、例えば車両の車軸に配設されたパルスジェネレータとされ、前記高周波成分除去手段は、例えばローパスフィルタとされ、前記周波数分析手段は、例えばスペクトルアナライザとされる。
【0033】
また、前記撮像手段は、例えば2次元CCDカメラまたはラインセンサカメラとされる。
【0034】
【作用】
車両の屋根上に配設された集光形照明手段により、架線の撮像手段が望む個所が集光的に照明される。架線のこの照明された個所が、車両の屋根上において架線の左右の横斜め下方に配設されている撮像手段により撮像される。この撮像画像は、信号ケーブルを介して画像処理・制御手段に入力される。画像処理・制御手段は、入力された両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる個所を検出し、ついでその座標を算出する。さらに画像処理・制御手段は、算出された座標から摺面幅を算出する。
【0035】
本発明の好ましい態様においては、この算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定され、許容値外であれば警報が出力される。あるいは、算出された摺面幅や判定結果が記録手段により記録される。
【0036】
本発明の別の好ましい態様においては、車両の車軸に設けられている走行距離計測手段により、摺面の撮像に同期させて走行距離が計測されるとともに、所定の閾値を超える走行区間が抽出されるので、磨耗の激しい区間を特定できる。この別の好ましい態様において、所定の閾値を超える区間内で摺面幅が最大となる地点が特定されるようにされている、さらに好ましい態様においては、最初に破断される個所を検出できる。
【0037】
本発明のさらに別の好ましい態様においては、架線の水平方向の偏位と走行距離との対応関係が求められるので、架線が集電体から外れる位置を検出できる。
【0038】
本発明のさらに別の好ましい態様においては、車両の車軸に設けられている走行距離計測手段により、摺面の撮像に同期させて走行距離が計測されるとともに、その走行距離に対応した摺面幅のデータ列から高周波成分が除去され、その高周波成分が除去されたデータから周波数分析により、特定周波数成分、例えば波状磨耗に関する周波数成分が抽出されるので、波状磨耗等の特定の磨耗を生ずる走行区間を抽出できる。
【0039】
本発明のさらに別の好ましい態様においては、さらに車両の特定位置からレール踏面までの距離も計測されて、そのレール踏面までの距離および架線の位置に基づいて架線のレール踏面からの高さが計測される。そのため、架線が車両の天井に備えられている機器と干渉するか否か判定できる。
【0040】
本発明のさらに別の好ましい態様においては、走行距離と架線のレール踏面からの高さに基づいて架線の勾配が測定できる。それゆえ、架線が車両の天井に備えられている機器と干渉するか否かが予測できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施の形態のみに限定されるものではない。
【0042】
実施の形態1
本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態1の概略図を図1および図2に示し、同架線検査装置Iは、一対の2次元CCDカメラ(第1カメラ1および第2カメラ2)と、集光形照明装置3と、画像処理・制御装置4と、記録装置5と、警報装置6を主要部として備えてなる。
【0043】
一対の2次元CCDカメラ1,2は、図2に示すように、車両Tの屋根に対称に配設されている。そして、この2次元CCDカメラ1,2の撮像部1a,2aは、架線10の摺面10aを望むよう、その向きが調整されている。この2次元CCDカメラ1,2の撮像部1a,2aが望む位置を照明するために、集光形照明装置3が車両Tの屋根の中央、すなわち架線10のほぼ真下に対応する位置において2次元CCDカメラ1,2の後方に所定距離を置いて配設されている。この所定距離は、撮像された画像からエッジが特定できる輝度差を得るために、この照明装置3からの架線10への入射光の入射角が適当な範囲、例えば30度ないし60度の範囲となるよう選定される。
【0044】
この一対の2次元CCDカメラ1,2により撮像された画像は、信号ケーブル11を介して画像処理・制御装置4に入力され、2次元CCDカメラ1,2を用いた3次元位置計測方法により処理されて摺面幅が算出される。
【0045】
以下、実施の形態1の理解を容易にするために、この2次元CCDカメラ1,2を用いた3次元位置計測方法について簡単に説明する。
【0046】
いま、図3に示すように光学系を設定し、空間上(物体座標系上)の点P(X,Y,Z)を観測するものとする。この点Pのカメラ1およびカメラ2の像の撮像面上の座標(カメラ座標)を、それぞれQ(XC1,YC2)、Q(XC2,YC2)とすると、点Pと点Qおよび点Pと点Qの関係は下記式1および式2により表される。
【0047】
【数1】
Figure 0003629568
【0048】
【数2】
Figure 0003629568
【0049】
ここに、
C111〜C134:カメラ1のカメラパラメータ
C211〜C234:カメラ2のカメラパラメータ
【0050】
しかして、カメラパラメータ(C111〜C134およびC211〜C234)を予め定めておいて、点Q(XC1,YC2)およびQ(XC2,YC2)を撮像画像から計測し、ついでこれらの値を用いて式1および式2を連立させて解くことにより点Pの3次元位置(X,Y,Z)を算出できる。すなわち、式1および式2を展開し、同次座標表現における媒介変数hおよびhを消去し、X,Y,Zについて整理すると下記式3が得られる。
【0051】
B=A*V (3)
【0052】
ここに、
【0053】
【数3】
Figure 0003629568
【0054】
【数4】
Figure 0003629568
【0055】
【数5】
Figure 0003629568
【0056】
したがって、点Pの3次元座標(X,Y,Z)は下記式4により算出される。V=(A・A)−1・A・B (4)
【0057】
それ故、カメラ1およびカメラ2より、図4に模式図的に示す形状の架線10について、それぞれ図5および図6に示すような摺面10aの画像が、また同一摺面に対応する画素列A,Bについて図7および図8に示すような輝度曲線が得られたとすると、輝度が極大値となる位置がエッジ(エッジ1およびエッジ2)と認定されるから、画像処理・制御装置4において、前述した2次元CCDカメラを用いた3次元位置計測方法を用いることにより、エッジ1およびエッジ2の物体座標系(X,Y,Z)における座標を算出できる。したがって、この座標を用いて簡単な数学の公式により摺面幅を算出できる。なお、図5および図6中、符号21はエッジを、符号22は摺面を示す。
【0058】
この場合、両眼立体視では一般的に2つの画像の対応点を取るのに時間がかかるので、処理の迅速化の観点から、例えば2つの画面の中央部の画素列A,Bが同じ摺面位置となるように、カメラ1およびカメラ2を設置するのが好ましい。また、この実施の形態1においては、カメラ1およびカメラ2は対称に配置されているが、カメラ1およびカメラ2は必ずしも対称に配置される必要はない。
【0059】
さらに画像処理・制御装置4は、算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定し、許容値外であれば警報装置に警報を発するように指令する。そして、警報装置は、この指令により警報信号、警報ブザー、警報ランプの点灯等の処置をとる。ここで、この画像処理・制御装置4は、例えば、CPUを中心として画像処理用メモリ、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを備えてなるものとされる。
【0060】
また、この算出された摺面幅や判定結果は、記録装置により記録される。この記録装置としては、磁気記録装置、光ディスク記録装置などが用いられる。
【0061】
このように、実施の形態1によれば、一対の2次元CCDカメラを用いて架線を撮像しているために、非接触により摺面を3次元的に計測できるので、架線の種類や直径が変わっても摺面幅を直接測定できる。しかも、撮像の際には集光形照明装置により撮像部近傍のみを照明するようにしているので、張架線等の不要なものが撮像された画像中に存在しない。そのため、画像処理が簡素化され、その処理時間が短縮される。また、その算出結果は自動的に記録されるので、架線検査が効率的になされる。さらに、摺面幅が許容値外であれば警報が発せられるので、不具合個所の探知が迅速になされる。
【0062】
実施の形態2
本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態2の概略図を図9および図10に示す。実施の形態2は、実施の形態1におけるCCDカメラ1,2に代えてラインセンサカメラ1,2を用いてなるものである。なお、その余の構成については実施の形態1と同様とされている。したがって、ここでは実施の形態2の実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0063】
以下、実施の形態2の理解を容易にするために、このラインセンサカメラ1,2を用いた3次元位置計測方法について簡単に説明する。
【0064】
いま、図11に示すように光学系を設定したとすると、ラインセンサカメラ1,2の撮像面上の座標(カメラ座標)(X)と、物体座標系(X,Y)の関係は透視変換の関係式5で表される。
【0065】
【数6】
Figure 0003629568
【0066】
ここに、C11,C12,C13,C21,C22,C23はカメラパラメータを、hは倍率をそれぞれ示す。
【0067】
式5からhを消去して、X,Yについて解くと下記式6が得られる。
【0068】
Figure 0003629568
【0069】
前記式6はカメラ1およびカメラ2について成立するので、式6をカメラ1およびカメラ2に適用して変形すると、下記式7,8が得られる。
【0070】
Figure 0003629568
【0071】
そして、カメラ1およびカメラ2のカメラパラメータ(C111〜C123およびC211〜C223)は、それぞれ特定されており、またカメラ座標(X)も撮像画像から特定されるので、式7および式8から、撮像されたものの物体座標系(X,Y)における座標を求めることができる。
【0072】
X=(bf−ce)/(ae−bd)
Y=(af−cd)/(bd−ae)
【0073】
ここに
a=C121*x−C111
b=C122*x−C112
c=C123*x−C113
d=C221*x−C211
e=C222*x−C212
f=C223*x−C213
【0074】
しかして、カメラ1およびカメラ2より、架線10についてそれぞれ図12および図13に示すような摺面10aの画像が得られたとすると、前述したラインセンサカメラ1,2を用いた3次元位置計測方法を用いることにより、エッジ1およびエッジ2の物体座標系(X,Y)における座標を算出できる。したがって、この座標を用いて簡単な数学の公式により摺面幅を算出できる。
【0075】
このように、実施の形態2によれば、実施形態1と同様に摺面幅を非接触により測定できる。また、ラインセンサカメラを用いて架線を撮像しているので、実施の形態1と比較して検査時間が短いという効果も得られる。
【0076】
実施の形態3
本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態3の概略図を図14に示す。実施の形態3は実施の形態1において車軸に走行距離計測手段、例えばパルスジェネレータ12を設けて、架線の撮像に同期させて走行距離数も計測できるようにしてなるものである。なお、その余の構成は実施の形態1と同様とされている。
【0077】
図15は、この実施の形態3において得られた走行区間と摺面幅との関係を、横軸に走行距離数を取り、縦軸に摺面幅を取った場合のグラフである。図15から明らかなように、走行区間のどの区間においてよく磨耗が生ずるかを把握することができる。またその際、この摺面幅の所定の閾値を超える区間を要注意区間として選定してもよい。さらに、その選定された区間おける摺面幅が最大となる地点を抽出してもよい。このようにすることにより、危険個所あるいは破断しやすい個所の認定がただちになされるようになる。
【0078】
また、算出された摺面の位置から架線の位置を算出して、その算出された架線の位置の車両進行方向中心からの左右の振れを算出すれば、架線の水平方向の偏位を算出できる。そして、算出された架線の水平方向の偏位と走行距離計測手段により得られた走行距離との対応関係を求めれば、走行距離のどの位置で架線が集電体から外れるか否かの判定できる。なお、架線の位置は、例えば摺面の中央位置とされる。
【0079】
このように、実施の形態3においては、摺面幅が所定の閾値を超えて、危険がある個所や区間あるいは破断しやすい区間や個所、さらには集電不能となる位置の認定がただちになされるようになるので、架線の保守作業が効率的になるという実施の形態1および実施の形態2では得られない効果が得られる。
【0080】
実施の形態4
本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態4の概略図を図16に示す。実施の形態4は実施の形態3を改変したものであって、走行距離と対応関係がとられた摺面幅のデータ列から高周波成分を除去する高周波成分除去手段、例えばローパスフィルタ4a、および高周波成分が除去された摺面幅のデータ列の周波数成分析を行う周波数分析手段、例えばスペクトルアナライザ4bを画像処理・制御装置4に設けて、そしてその周波数分析された周波数成分から特定の周波数成分、例えば波状磨耗に関する周波数成分を抽出するようにしてなるものである。なお、実施の形態4のその余の構成は実施の形態3と同様とされている。
【0081】
そのため、実施の形態4においては、図17に示すように、走行区間と対応関係が取られた摺面幅のデータ列(図17(a)参照)から、ローパスフィルタ4aにより高周波成分が除去され(図17(b)参照)、ついでスペクトルアナライザ4bにより含有されている周波数成分のパワー分布が得られる(図17(c)参照)。そして、得られた周波数成分のパワー分布から、特定の周波数成分、例えば波状磨耗に関する周波数成分を抽出すれば、摺面の磨耗が、例えば波状磨耗によるものか否かの判定がなし得る。
【0082】
このように、実施の形態4によれば磨耗に関与している現象を特定できるという実施の形態1ないし実施の形態3では得られない効果が得られる。ちなみに、この波状磨耗が発生すると、架線の磨耗が急速に進行する。そのため、この波状磨耗が発生している区間を特定できるということは、その対策上重要な意義を有する。
【0083】
実施の形態5
本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態5の概略図を図18に示す。実施の形態5は実施の形態3を改変し、車体の前方の特定高さ位置、例えばレール踏面Raの上方にレーザ距離計13を設置してレール踏面Raまでの距離をも計測できるようにしたものである。かかる構成とすることにより、レーザ距離計13により計測されたレール踏面Raまでの垂直距離h、第1カメラ1および第2カメラ2により得られた架線10の高さhおよび第1カメラ1とレーザ距離計13との垂直距離hから、架線10のレール踏面Raからの高さが計測できる。また、高さ計測に同期させて走行距離も計測されているので、架線10の勾配も計測できる。そのため、車両の天井に設置されている機器が架線と干渉するか否かの判定や予測ができる。
【0084】
このように、実施の形態5によれば架線10のレール踏面Raからの高さや架線の勾配が計測されて、車両の天井に設置されている機器の架線との干渉が防止されるという実施の形態1ないし実施の形態4では得られない効果が得られる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、集光形照明装置により撮像する架線の近傍のみを照明するようにし、その照明された個所を2台のカメラにより斜め下方より撮像し、その撮像画像により摺面のエッジの物体座標系における座標を算出し、その値を用いて摺面幅を直接算出しているので、測定に要する時間を短縮できるとともに、架線の種類が変わっても測定できるという優れた効果が得られる。
【0086】
また、ラインセンサカメラを用いている本発明の好ましい態様によれば、検査時間を短かくできるので、車両が走行中においても計測できるという優れた効果も得られる。
【0087】
本発明の別の好ましい態様によれば、摺面幅、架線の水平方向の偏位や架線のレール踏面からの高さや架線の勾配と走行区間とを対応させているので、走行区間における危険区間の特定が容易となり、架線の保守作業が効率的になるという優れた効果も得られる。
【0088】
本発明のさらに別の好ましい態様によれば、走行区間と対応関係が取られた摺面幅のデータ列から特定の周波数成分を抽出しているので、その成分から架線の磨耗に関与している現象を特定できるという優れた効果も得られる。例えば、架線を急速に磨耗させる波状磨耗が発生している箇所を検出できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態1の説明図である。
【図2】実施の形態1におけるカメラの配置を示す説明図である。
【図3】実施の形態1における光学系の説明図である。
【図4】撮像される架線の説明図である。
【図5】実施の形態1におけるカメラ1による摺面の撮像画像を示す説明図である。
【図6】実施の形態1におけるカメラ2による摺面の撮像画像を示す説明図である。
【図7】実施の形態1におけるカメラ1による摺面の画面中央の撮像画像を示す説明図である。
【図8】実施の形態1におけるカメラ2による摺面の画面中央の撮像画像を示す説明図である。
【図9】本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態2の説明図である。
【図10】実施の形態2におけるカメラの配置を示す説明図である。
【図11】実施の形態2における光学系の説明図である。
【図12】実施の形態2におけるカメラ1による摺面の撮像画像を示す説明図である。
【図13】実施の形態2におけるカメラ2による摺面の撮像画像を示す説明図である。
【図14】本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態3の説明図である。
【図15】摺面幅と走行距離数との関係を示すグラフである。
【図16】本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態4の説明図である。
【図17】実施の形態4における走行区間と対応関係が取られた摺面幅のデータ列の処理を示す説明図であって、同(a)はデータ列が高周波成分を含んでいる状態を示し、同(b)は高周波成分が除去された状態を示し、同(c)は周波数分析がなされた状態を示す。
【図18】本発明の架線検査方法に用いられる架線検査装置の実施の形態5の説明図である。
【図19】架線が集電体の摺動によりその摺面が摩耗することを示す説明図である。
【図20】特開平5ー96980号公報の提案にかかわる検査装置の概略図である。
【図21】従来のレーザ式架線磨耗測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1 第1カメラ(2次元CCDカメラ、ラインセンサカメラ)
2 第2カメラ(2次元CCDカメラ、ラインセンサカメラ)
3 集光形照明装置
4 画像処理・制御装置
4a ローパスフィルタ
4b スペクトルアナライザ
5 記録装置
6 警報装置
10 架線
10a 摺面
11 信号ケーブル
12 パルスジェネレータ
13 レーザ距離計
I 架線検査装置
T 車両
Ra レール踏面

Claims (22)

  1. 架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標により摺面幅を算出する手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  2. 架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、
    前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定する手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  3. 架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、
    前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定する手順と、
    前記判定において許容値外と判定すると警報を発する手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  4. 架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、
    前記算出された摺面幅を記録する手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  5. 架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、
    前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定する手順と、
    前記算出された摺面幅および/または判定結果を記録する手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  6. 架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    前記撮像に同期させて車両の走行距離を計測する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、
    前記算出された摺面幅と、前記計測された走行距離との対応関係を求める手順と、
    前記走行距離と対応関係が求められた摺面幅において、所定の閾値を超える走行区間を抽出する手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  7. 架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    前記撮像に同期させて車両の走行距離を計測する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標から架線の位置を算出する手順と、
    前記算出された架線の位置から架線の水平方向の偏位を算出する手順と、
    前記算出された架線の水平方向の偏位と前記計測された走行距離との対応関係を求める手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  8. 架線のほぼ真下から架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    前記撮像に同期させて車両の走行距離を計測する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標により摺面幅を算出する手順と、
    前記算出された摺面幅と、前記計測された走行距離との対応関係を求める手順と、
    前記走行距離と対応関係が求められた摺面幅のデータ列から高周波成分を除去する手順と、
    前記高周波成分が除去された摺面幅のデータ列の周波数分析を行う手順と、
    前記周波数分析により得られた周波数成分から特定の周波数成分を抽出する手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  9. 前記特定の周波数成分が波状磨耗に関する周波数成分とされることを特徴とする請求項8記載の架線検査方法。
  10. 架線のほぼ真下から、架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    前記撮像に同期させてレール踏面の車両の特定位置からの距離を計測する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標および前記計測されたレール踏面の車両の特定位置からの距離を用いて架線摺面のレール踏面からの高さを算出する手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  11. 架線のほぼ真下から、架線を斜めに集光的に照射する手順と、
    架線の照射された個所を、その右横斜め下方および左横斜め下方から撮像する手順と、
    前記撮像に同期させて車両の走行距離を計測する手順およびレール踏面の車両の特定位置からの距離を計測する手順と、
    両画像の対応する画素列における輝度が極大値となる位置を検出する手順と、
    前記検出された輝度の極大値となる位置の座標を算出する手順と、
    前記算出された座標および前記計測されたレール踏面の車両の特定位置からの距離を用いて架線摺面のレール踏面からの高さを算出する手順と、
    前記算出された架線摺面のレール踏面からの高さおよび走行距離から架線の勾配を算出する手順
    とを含んでなることを特徴とする架線検査方法。
  12. 一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から、輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出される
    ことを特徴とする架線検査装置。
  13. 一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定される
    ことを特徴とする架線検査装置。
  14. 一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と警報手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定され、
    前記判定により摺面幅が許容値外であると判定された場合、前記警報手段から警報が発せられる
    ことを特徴とする架線検査装置。
  15. 一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と記録手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、
    前記記録手段により前記算出された摺面幅が記録される
    ことを特徴とする架線検査装置。
  16. 一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と記録手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅が許容値内にあるか否か判定され、
    前記記録手段により、前記算出された摺面幅および/または前記判定結果が記録される
    ことを特徴とする架線検査装置。
  17. 一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と走行距離計測手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅と前記走行距離計測手段により得られた走行距離との対応関係が求められ、▲5▼前記走行距離との対応関係が求められた摺面幅から所定の閾値を超える走行区間が抽出される
    ことを特徴とする架線検査装置。
  18. 一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と走行距離計測手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標から架線の位置が算出され、▲4▼前記算出された架線の位置から架線の水平方向の偏位が算出され、▲5▼前記算出された架線の水平方向の偏位と走行距離との対応関係が求められる
    ことを特徴とする架線検査装置。
  19. 一対の撮像手段と、集光形照明手段と、高周波成分除去手段と周波数分析手段とを有する画像処理・制御手段と、走行距離計測手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標により摺面幅が算出され、▲4▼前記算出された摺面幅と前記走行距離計測手段により得られた走行距離との対応関係が求められ、▲5▼前記高周波成分除去手段により前記走行距離との対応関係が求められた摺面幅のデータ列から高周波成分が除去され、▲6▼前記周波数分析手段により前記高周波成分が除去された摺面幅のデータ列の周波数分析がなされ、▲7▼前記周波数分析により得られた周波数成分から特定の周波数成分が抽出される
    ことを特徴とする架線検査装置。
  20. 前記特定の周波数成分が波状磨耗に関する周波数成分とされることを特徴とする請求項19記載の架線検査装置。
  21. 一対の撮像手段と集光形照明手段と画像処理・制御手段と距離計測手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記距離計測手段により、車両の特定位置からレール踏面までの距離が計測され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標および前記計測されたレール踏面までの距離とから架線摺面のレール踏面からの高さが算出される
    ことを特徴とする架線検査装置。
  22. 一対の撮像手段と、集光形照明手段と、高周波成分除去手段と周波数分析手段とを有する画像処理・制御手段と、走行距離計測手段と距離計測手段とを備え、
    前記撮像手段が車両の屋根上において、一方の撮像手段が架線をその右横斜め下方から撮像するように配設され、他方の撮像手段が架線をその左横斜め下方から撮像するように配設され、
    前記集光形照明手段が車両の架線のほぼ真下に対応する屋根上において、前記撮像手段の撮像位置を斜め下方から照明する位置に配設され、
    前記距離計測手段により、車両の特定位置からレール踏面までの距離が計測され、
    前記画像処理・制御手段において、▲1▼入力された両撮像手段からの画像の対応する画素列から輝度が極大値となる位置が検出され、▲2▼前記検出された位置の座標が算出され、▲3▼前記算出された座標および前記計測されたレール踏面までの距離とから架線摺面のレール踏面からの高さが算出され、▲4▼前記算出された架線摺面のレール踏面からの高さおよび前記走行距離計測手段により得られた走行距離から架線の勾配が算出される
    ことを特徴とする架線検査装置。
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