JP5162874B2 - トロリ線の摩耗測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トロリ線のパンタグラフ接触面の摩耗を測定する装置に係り、特にトロリ線の撮影画像からパンタグラフ接触面の幅を求め、この幅からトロリ線の厚みを求める摩耗測定装置に関するものである。
電気鉄道車両へ電力を供給するトロリ線は車両が通過するたびに集電装置(パンタグラフ)と接触が生じる。このため、電気鉄道車両を運用していく中でトロリ線は徐々に摩耗して行き、交換をしない場合は最終的には破断して事故を招くことになる。そこで、トロリ線には摩耗限界が設けられており、その摩耗限界を目安にトロリ線を交換し、電気鉄道車両の安全性を確保している。
トロリ線の摩耗を測定する方法としては、トロリ線の厚みを直接測定する方法、トロリ線摩耗部の幅を計測し、この摩耗幅からトロリ線の厚みを換算する方法の2つの方法に大きく分けられる。
トロリ線の厚みを直接測定する方法としては、まず、ノギスなどの定規を用いてトロリ線の厚みを測定する方法がある。これは作業者が測定したいトロリ線部分の厚みをノギス等の定規を用いて手作業にて測定する方法で、測定したいトロリ線の厚みを確実に求めることができる。その反面、測定には手間がかかり自動化できないため、長い距離の区間を測定することは困難である。
トロリ線の厚みを直接測定する他の方法としては、光学センサを用いるものがある。これは回転ローラをトロリ線に押し付け、ローラ台にトロリ線を挟むように取り付けたレーザ照射装置と受光装置により、装置に挟まれたトロリ線部分での受光量を測定し、その受光量からトロリ線の厚みを換算するものである。この方式は連続的にトロリ線の厚みを測定することが可能であるが、トロリ線との接触を伴うため低速での運用を行う必要があり、トロリ線をセンサが挟む構造であるため、ポイント、エアーセクション、アンカーといったセンサと衝突するような構造物が存在する部分での使用が不可能であり、また、それら既存構造物の存在する場所では衝突しないよう測定位置から装置を離す必要がある。
トロリ線摩耗部の幅を計測する方法としてナトリウムランプやレーザ光を照射してトロリ線摩耗部を測定する方法がある(例えば、特許文献1参照)。これはトロリ線下部の断面が丸いひょうたん形状になっていて、摩耗によりトロリ線が平たく削れて行くほど削れた部分の幅が広くなることを利用したもので、摩耗幅からその箇所のトロリ線の厚みに換算する。
このトロリ線摩耗部の幅測定方法としては、ナトリウムランプやレーザ光といった光源から照射した際のトロリ線摩耗部からの反射光を正反射で受光するように受光部のラインセンサとの位置を精密に調整し、正反射による強い光を撮像することでトロリ線摩耗部をホワイトアウト状態にし、その強い光を受けたホワイトアウト部分の幅からトロリ線摩耗部の幅を求めるものである。
この方式は非接触であるため高速な運用が可能である。しかしながら、トロリ線を挟んでいるクランプや背景に映る構造物などのノイズの影響を受け易く、何らかのノイズにより間違った計測結果を得た場合はそれを確認する方法が無く、トロリ線摩耗の計測で問題があった部分については、結局は直接トロリ線の厚みを測定する方法を使用して確認する。また、光源の照射方向と焦点、および受光装置の受光方向を精密に調整して正反射光を受ける必要がある。
特開平10−194015号公報
前記のように、トロリ線摩耗の測定方法としては、トロリ線の厚みをノギスなどの定規を用いて直接測定する方法、光学センサを用いてトロリ線の厚みを直接測定する方法、トロリ線摩耗部の幅をナトリウムランプやレーザ光を照射して測定し摩耗部からトロリ線の厚みを換算する方法があるが、それぞれには以下の問題がある。
(1)トロリ線の厚みをノギスなどの定規を用いて直接測定する方法の場合、作業者が手作業にて測定を行うため、測定には手間がかかり自動化できないため、長い距離の区間を短時間で測定することは困難である。
(2)光学センサを用いてトロリ線の厚みを直接測定する方法の場合、回転ローラとトロリ線との接触を伴うため低速での運用を行う必要がある。また、トロリ線をセンサが挟む構造であるため、ポイント、エアーセクション、アンカーといったセンサと衝突するような構造物が存在する部分での使用が不可能であり、それらトロリ線周辺の既存構造物の存在する場所では衝突しないよう測定位置から装置を離す必要がある。
(3)トロリ線摩耗部の幅をナトリウムランプやレーザ光を照射して測定し、摩耗幅からトロリ線の厚みを換算する方法の場合、まず、ナトリウムランプやレーザ光といった特殊な照明光を用意する必要があり、特にレーザ光を使用する場合は人体への影響を考慮する必要があるため取り扱いに注意が必要である。
また、トロリ線を挟んでいるクランプや背景に映る構造物などのノイズの影響を受け易く、何らかのノイズにより間違った計測結果を得た場合はそれを確認する方法が無いため、トロリ線摩耗計測で問題があった部分についてもその原因を確認する手段が無く、結局は直接トロリ線の厚みを測定する方法を使用して確認するという手間がかかる。また、光源の照射方向と焦点、および受光装置の受光方向を精密に調整して正反射光を受けるようにする必要がある。
本発明の目的は、トロリ線周辺の構造物に影響されることなく、トロリ線の全区間に亘った摩耗測定を確実、容易にしたトロリ線の摩耗測定装置を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、基本的には、トロリ線の敷設方向とは垂直になる走査線方向にしたラインセンサをトロリ線に沿って移動させ、このラインセンサによってトロリ線のパンタグラフ接触面を撮影し、このラインセンサに得られる走査線の輝度信号を時系列に並べてラインセンサ画像を作成し、このラインセンサ画像からトロリ線の摩耗部を強調した二値化ラインセンサ画像を得、この二値化ラインセンサ画像からトロリ線摩耗部のエッジを検出し、このエッジデータからトロリ線の全体幅を求めてトロリ線の摩耗測定値を得るようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
摩耗測定対象となるトロリ線の敷設方向とは垂直になる走査線方向にしたラインセンサをトロリ線に沿って移動させ、このラインセンサによってトロリ線のパンタグラフ接触面(摩耗部)を撮影し、このラインセンサに得られる走査線の輝度信号を時系列に並べたラインセンサ画像を得る手段と、前記ラインセンサ画像に対する二値化処理によって、トロリ線の摩耗部を強調した二値化ラインセンサ画像を得る二値化処理手段と、前記二値化ラインセンサ画像上の摩耗部の両側のエッジを検出するエッジ検出手段と、前記二値化ラインセンサ画像の両側のエッジ点間距離をトロリ線の摩耗部の全体幅として求める全体幅検出手段と、
前記全体幅とラインセンサのカメラパラメータからラインセンサから見たトロリ線の高さを求める高さ検出手段と、
前記全体幅と前記トロリ線の高さからトロリ線の摩耗部の実幅を求める摩耗部幅算定手段とを備え
前記エッジ検出手段は、
二値化ラインセンサ画像の1行毎に、エッジ左側と右側の位置の差を摩耗部の幅とし取り出す処理を画像の全行に対して行う手段と、
前記画像の全行の各エッジ幅での最大幅と最小幅の差を出す手段と、
前記最大幅と最小幅の差が大きい場合に摩擦部の波状摩耗と判定する手段とを備えたことを特徴とする。
トロリ線摩耗部のエッジ検出した二値化ラインセンサ画像に対して、
エッジ画像のトロリ線に相当する部分を塊として抽出する手段と、
前記塊ごとに画像の上部から下部まで連続している部分をトロリ線画像として抽出し、それ以外の局所的に存在する塊はノイズであるとして取り除く手段とを備えたことを特徴とする。
前記二値化処理手段は、処理画像全体の輝度のヒストグラムを算出し、高レベル帯の輝度の画素数が画像中の正常なトロリ線反射面積より求めた閾値を超える場合にサチレーションを起こしている画像と判定する手段を備えたことを特徴とする。
前記摩耗部幅算定手段は、トロリ線摩耗部幅がトロリ線本線より大きい場合にサチレーションを起こしている画像と判定する手段を備えたことを特徴とする。
前記二値化処理手段は、トロリ線の大きさが実験的に求めた閾値を超える面積の場合、この部分は背景画像が二値化されて浮き出ていると判定し、トロリ線画像から取り除く手段を備えたことを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、トロリ線周辺の構造物に影響されることなく、トロリ線の全区間に亘った摩耗測定を確実、容易に行うことができる。具体的には以下の効果がある。
(1)非接触の方式であるため高速な運用が可能であり、短時間で長い距離の区間を測定することができる。
(2)装置の構造上、ポイント、エアーセクション、アンカーといった既存構造物から離れた位置にラインセンサが設置されているため、回転ローラと光学センサを用いてトロリ線の厚みを直接計測する方法に比べて既存構造物との衝突を考慮する必要が無く、既存構造物が存在する場所でも連続的に測定を行うことができる。
(3)外部からトロリ線の高さパラメータを入力すること無く、トロリ線摩耗幅を算出できる。
(4)基本的に全てのトロリ線区間においてラインセンサ画像の撮像が可能であり、前区間に亘ってトロリ線の摩耗測定ができる。
(5)特別な照明を使用する必要が無い。
(6)レーザ光を使用する方法に比べて人体への影響を考慮する必要が無く、取り扱いが簡単になる。
(7)トロリ線摩耗部の反射光を正反射で受ける必要が無いため、光源と受光装置間で精密な位置あわせを行う煩わしさが無い。
(8)測定区間のラインセンサ画像が残っているため、トロリ線摩耗として問題があった部分については、その部分の画像を見ることで問題箇所の確認を行うことができる。
(9)トロリ線のパンタグラフ接触面の波状摩耗を判別・検知することができる。さらに、波状摩耗の頻度、場所などの各種情報を取得してトロリ線の保守、交換に利用することができる。
(10)既存構造物などのノイズを削除し、トロリ線のみを抽出することができ、誤検出を抑え、より正確なトロリ線摩耗幅を求めることができる。
(11)ラインセンサ画像からサチレーションを検出することができ、誤った測定を減らすことができる
(12)画像内にトロリ線が存在しない場合においても誤検出することがない。
(13)装置使用者に対して画像を見てどの部分が摩耗しているのかが一目瞭然となり判断しやすい状況を作ることができる。
(14)判別分析二値化法の採用により、トロリ線の偏位等による撮像輝度の強弱に関係なく良好な閾値を決定することができ、より正確な摩耗測定ができる。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態を示すトロリ線の摩耗測定装置の構成図である。検査車両1は、旅客用車両と同様に、屋根上に装備するパンタグラフ2によってトロリ線3から集電し、車輪のモータ駆動によってトロリ線3に沿ったレール4上の走行を可能にする。
この検査車両1には、屋根上にトロリ線3の撮影画像入力手段としてラインセンサ5と照明灯6を設け、室内に計測用コンピュータ7と記録装置8を搭載する。
ラインセンサ5は、摩耗測定対象となるトロリ線の敷設方向とは垂直になる走査線方向にし、トロリ線に沿って移動させてトロリ線のパンタグラフ接触面を撮影する。このため、ラインセンサ5は、検査車両1の屋根上に鉛直上向きを見上げるように設置し、その走査線が検査車両1の進行方向(トロリ線の敷設方向)と垂直になるように設置して走査線がトロリ線3を横切る方向にする。照明灯6は、ラインセンサ5によるトロリ線3の撮影領域を中心にその近傍を照明できればよく、一般の照明灯を使用する。
計測用コンピュータ7は、検査車両1の走行によって、ラインセンサ5に得られる走査線の輝度信号を取り込み、この輝度信号を時系列に並べ、ラインセンサ画像(平面の画像)を作成し、トロリ線3の撮影画像としてハードディスク等の記録装置8に順次保存する。計測用コンピュータ7または他のコンピュータは、記録装置8に記録されたラインセンサ画像に対する画像処理によって、トロリ線3の摩耗部の幅を求め、この求めた摩耗部幅からトロリ線3の厚み判定をする。
このトロリ線摩耗部幅を求めるフローチャートを図2に示し、この処理を実現するためのコンピュータ資源とソフトウェアによる機能構成を図3に示す。以下、これらの図および図4および図5を参照して画像処理の詳細を説明する。
(S1)ラインセンサ画像の取得
前記のように、ラインセンサ画像は、ラインセンサ5と計測用コンピュータ7および記録装置8によって取得されている。図3ではラインセンサ5から取得する画像信号を、計測用コンピュータ7のラインセンサ画像作成部7Aによりラインセンサ画像を作成し、記録装置8の所定のメモリ領域8Aに書き込まれている。このラインセンサ画像の取得としては、記録装置8のメモリ領域8Aに保存されたラインセンサ画像をワーキングメモリ等のメモリ11に転送する。
(S2)二値化処理
トロリ線の摩耗部分はトロリ線がパンタグラフにより削られた部分であるため、摩耗していない部分に比べて強い光沢がある。このため、ラインセンサ画像上においてもトロリ線の摩耗部分は背景部分と比較して輝度値の異なる帯状の部分として撮影される。
そこで、図3の二値化処理部12では、帯状に撮影されたトロリ線摩耗部分(パンタグラフ接触面)とそのほかの背景部分(既存構造物など)を切り分けるように閾値を設定し、その閾値を用いてラインセンサ画像に対して二値化処理を行い、トロリ線の摩耗部を強調する(以降これを「二値化ラインセンサ画像」と呼ぶ)。この処理により二値化ラインセンサ画像上ではトロリ線摩耗部分が白、背景部分が黒となる(図4参照)。
なお、二値化処理における閾値は、人手により適宜設定することができるが、トロリ線の変位やトロリ線からの反射光の強さの違いに対応するために判別分析二値化法を用いることができる。この判別分析二値化法は、画像に応じて閾値をコンピュータ処理で自動的に決定する方式であり、各画像におけるヒストグラムにおいて「ある程度の範囲の輝度値で集合する画素数の塊」(以下クラスと呼ぶ)があり、二値化したとき、背景とパターン領域に関するクラス内分散とクラス間分散の分散比が最大になるように閾値を決定する。この処理により、いかなる画像においても比較的良好な閾値を決定して、摩耗部を抽出することができる。
(S3)二値化ラインセンサ画像のノイズ除去
二値化処理によりラインセンサ画像から二値化ラインセンサ画像を作成した場合、そのままではトロリ線摩耗部の傷や背景部分の状態により細かな点々状のノイズが含まれる場合がある。そこで、図3のノイズ除去処理部13では、二値化処理の膨張/収縮処理法、メディアンフィルタや平滑化フィルタを用いた画像ノイズ除去法などによって、これらのノイズを除去する。
(S4)トロリ線摩耗部のエッジ検出
ノイズ、既存構造物を除去した二値化ラインセンサ画像上において白で表されているトロリ線摩耗部の両側のエッジを検出する。これらのエッジ点は、あるラインについて左から探索した場合、背景の黒から摩耗部分の白へ変化する点が摩耗部分左側のエッジ点として、また摩耗部分の白から背景の黒へ変化する点を摩耗部分右側のエッジ点として検出することができる。この処理を、図3のトロリ線摩耗部エッジ検出部14では、画像の上から下ヘライン毎に行うことで、1枚の二値化ラインセンサ画像に関するトロリ線摩耗部分のエッジを検出する(図5参照)。
(S5、S6)トロリ線全体幅の検出とトロリ線高さ計算
図3のトロリ線高さ計測処理部15は、トロリ線の太さが予め設定され、入力したラインセンサ画像より、トロリ線の全体幅を画像処理にて抽出、計算し、この全体幅値とラインセンサのカメラパラメータ(レンズ焦点距離、センサ幅、センサ画素数と1画素(ピクセル)に対する実寸法(mm)の度合いである画像分解能(mm/ピクセル)から換算することでラインセンサから見たトロリ線の高さを算出する。このトロリ線の高さデータは、次の全体幅からトロリ線の摩耗部の実幅を求める摩耗算定手段として設けられる。
(S7)トロリ線摩耗部幅の計算
図3のトロリ線摩耗部幅計算部16は、二値化ラインセンサ画像から検出したトロリ線摩耗部の両側のエッジデータを用いて、ラインセンサの一つの走査線上にある両側のエッジ点間距離をトロリ線の摩耗部の画像上の幅として求める。このとき、トロリ線高さ計測処理部15で求めたラインセンサからトロリ線までの高さ、レンズ焦点距離、センサ幅、センサ画素数から1画素(ピクセ)に対する実寸法(mm)の度合いである画像分解能(mm/ピクセル)を計算し、トロリ線摩耗部分の画像上の幅と画像分解能の乗算を行うことでトロリ線摩耗部分の実幅(実際の幅値)を求める。
こうして求めたエッジデータ、トロリ線摩耗部、計算に用いたラインセンサ画像や対応するライン番号を指し示すデータ等は記録装置8等に記録し、これらデータをトロリ線の摩耗度合いとその位置(検査車両の走行位置)と共に判定する。
(実施形態2)
トロリ線の摩耗状態のひとつとして、摩耗部分が波を打ったような摩耗がある(以下、波状摩耗という)。この波状摩耗の場合、二値化画像も島状に転々と摩耗部が表示され、うまく摩耗幅を計測することができずに摩耗幅が急激に細くなるなどの異常な出力が現れる場合がある。
本実施形態では、実施形態1の画像処理において、波状摩耗を判別・検知し、トロリ線に発生した波状摩耗の頻度、場所などの各種情報の取得を行う。この処理は、実施形態1における「トロリ線摩耗部幅の計算処理」で求めた磨耗幅データを参照し、トロリ線摩耗部のエッジ検出画像に対して、摩耗幅が一番大きい箇所と一番小さい箇所の差が閾値を超えたか否かを検出することにより、波状摩耗の特徴である、波を打ったような摩耗面を波状摩耗と判定する処理を追加する。
この処理のフローチャートを図6に示し、波状摩耗検出処理(S8)を追加した点が図2と異なる。なお、図6では二値化処理S2として前記の判別分析二値化法を利用する。またこの装置の構成を図7に示し、トロリ線摩耗部エッジ検出部14を波状摩耗検出機能付きとする。
これにより、エラーを出力し、波状摩耗を判別・検知することができ、さらに波状摩耗の頻度、場所などの各種情報を取得できる。
(実施形態3)
実施形態1の画像処理において、既存構造物が撮像された場合、その構造物によりその箇所のトロリ線摩耗幅が非常に大きく出力される場合がある。すなわち、トロリ線は1本の直線であることから画面の上部から下部まで連続して撮像される。そのほかの既存構造物は局所的に撮像される(図8参照)。
これらの特徴から、本実施形態では、実施形態1における「トロリ線摩耗部幅の計算」を行う前に、トロリ線摩耗部のエッジを検出した二値化ラインセンサ画像に対して、エッジ画像の白の部分(トロリ線に相当する部分)をソートしてエッジ画像を塊で抽出し、画面の上部から下部まで連続している塊をトロリ線として判定し、それ以外の局所的に存在するクランプや碍子などの既存構造物を除いてトロリ線のみを抽出する(図9参照)。
この処理のフローチャートを図10に示し、トロリ線抽出処理(S9)を追加した点が図2と異なる。なお、図10では二値化処理S2として前記の判別分析二値化法を利用する。またこの装置の構成を図11に示し、トロリ線摩耗部エッジ検出部14をトロリ線抽出機能付きとする。
これにより、既存構造物などのノイズを削除し、トロリ線のみを抽出することで誤検出を抑え、より正確なトロリ線摩耗幅を求めることができる。
(実施形態4)
実施形態1の画像処理において、照明灯6からの強力なライトの光が摩耗面で正反射してラインセンサのカメラのレンズに侵入するとサチレーションという現象が起こってしまう場合がある。この場合にその箇所のトロリ線摩耗部の幅を非常に大きく判定する場合がある。
本実施形態では、実施形態1における「二値化処理」によるトロリ線摩耗部の強調を行う際に、サチレーションという現象を起した画像をエラーとして処理するために、サチレーション判別を行う。
ラインセンサ画像全体を横軸に輝度をとり、縦軸に画素数としたヒストグラムを描いてみると、通常には図12のように著しく突出した部分は現れないのだが、サチレーションが起こった場合の特徴として強い光がレンズに侵入するため、輝度が広範囲にわたり高いレベルをキープする(図13参照)。
この輝度変化は通常ではありえない状態なので、本実施形態ではこれを利用し、画像の輝度ヒストグラムにおいて高レベル帯の画素が画像中の正常なトロリ反射面積より求めた閾値を超える場合、それはサチレーションを起こしている画像であると判定し、エラーを出力する。
この処理のフローチャートを図14に示し、二値化処理画像について、高輝度画素数判別処理(S10)を追加した点が図2と異なる。なお、図14では二値化処理S2として前記の判別分析二値化法を利用する。またこの装置の構成を図15に示し、ノイズ除去処理部13をサチレーションエラー処理機能付きとする。
これにより、サチレーション検出を行い、摩耗測定エラーを減らすことができる。
(実施形態5)
前記のように、強力なライトの光が摩耗面に正反射してレンズに侵入するとサチレーションという現象が起こってしまう。このサチレーションにより、実施形態1における「トロリ線摩耗部幅の計算」を行う際に、強力な反射光により撮像される画像は摩耗部がトロリ線本線より大きくぎざぎざな画像となって表れる場合がある(図16参照)。
この処理のフローチャートを図17に示し、トロリ線摩耗部幅の計算処理に際して、トロリ線幅判別処理(S11)を追加した点が図2と異なる。なお、図17では二値化処理S2として前記の判別分析二値化法を利用する。またこの装置の構成を図18に示し、トロリ線磨耗部幅計算部15をサチレーションエラー処理機能付きとする。
これにより、本実施形態では、トロリ線本線より大きい摩耗幅が検出された場合にサチレーションとして判定することで、サチレーションを検出し、摩耗測定エラーを減らすことができる。
(実施形態6)
実施形態1の画像処理において、「二値化処理」を行う際に、二値化ラインセンサ画像内にトロリ線が写っていない場合、輝度の低い背景でも判別分析二値化法により白になってしまい、大きいノイズが発生してしまう。
この現象は、トロリ線の大きさがほぼ決まっているために、白の部分が実験的に求めた閾値を超える面積になる。これを利用し、本実施形態では、白の部分は背景が二値化されて浮き出ていると判定し、全て黒にし、トロリ線画像から取り除く。
この処理のフローチャートを図19に示し、二値化処理に際して、トロリ線存在判別処理(S12)を追加した点が図2と異なる。なお、図19では二値化処理S2として前記の判別分析二値化法を利用する。またこの装置の構成を図20に示し、二値化処理部12をトロリ線存在判定処理機能付きとする。
これにより、画像内にトロリ線が存在しない場合においても誤検出を防止し、摩耗測定エラーを減らすことができる。
(実施形態7)
実施形態1の画像処理において、トロリ線摩耗部画像を肉眼で確認することができる。この確認の際に、エッジ画像を原画像(ラインセンサ画像)に色をつけて重ねて表示することや、横に間延びした画像の縦横比を改善すれば、トロリ線の摩耗部が見やすくなる。
図21は、その(a)に原画像の例を、(b)に原画像のエッジ画像の例を示し、これら原画像とエッジ画像を重ね合わせることで、(c)に示すオーバーレイ表示画像が得られ、どこが摩耗部として処理されているのかが使用者に対し一目瞭然となる利点がある。
この装置の構成例を図22に示し、モニタの画像表示処理機能としてオーバーレイ画像表示部17を追加する。
本発明の実施形態1を示すトロリ線の摩耗測定装置の構成図。 トロリ線の摩耗部幅測定のフローチャート(実施形態1)。 トロリ線の摩耗測定装置の機能構成図(実施形態1)。 トロリ線摩耗部の二値化ラインセンサ画像の例。 トロリ線摩耗部のエッジ検出例。 トロリ線の摩耗部幅測定のフローチャート(実施形態2)。 トロリ線の摩耗測定装置の機能構成図(実施形態2)。 既存構造物(碍子、クランプ)の映り方の例。 既存構造物を除去した例。 トロリ線の摩耗部幅測定のフローチャート(実施形態3)。 トロリ線の摩耗測定装置の機能構成図(実施形態3)。 通常のトロリ線摩耗画像のヒストグラム例。 サチレーション状態の摩耗画像のヒストグラム例。 トロリ線の摩耗部幅測定のフローチャート(実施形態4)。 トロリ線の摩耗測定装置の機能構成図(実施形態4)。 サチレーションが起こったときの撮像例。 トロリ線の摩耗部幅測定のフローチャート(実施形態5)。 トロリ線の摩耗測定装置の機能構成図(実施形態5)。 トロリ線の摩耗部幅測定のフローチャート(実施形態6)。 トロリ線の摩耗測定装置の機能構成図(実施形態6)。 オーバーレイ表示画像の作成例。 トロリ線の摩耗測定装置の機能構成図(実施形態7)。
符号の説明
1 検査車両
2 パンタグラフ
3 トロリ線
4 レール
5 ラインセンサ
6 照明灯
7 計測用コンピュータ
8 記録装置

Claims (5)

  1. 摩耗測定対象となるトロリ線の敷設方向とは垂直になる走査線方向にしたラインセンサをトロリ線に沿って移動させ、このラインセンサによってトロリ線のパンタグラフ接触面(摩耗部)を撮影し、このラインセンサに得られる走査線の輝度信号を時系列に並べたラインセンサ画像を得る手段と、前記ラインセンサ画像に対する二値化処理によって、トロリ線の摩耗部を強調した二値化ラインセンサ画像を得る二値化処理手段と、前記二値化ラインセンサ画像上の摩耗部の両側のエッジを検出するエッジ検出手段と、前記二値化ラインセンサ画像の両側のエッジ点間距離をトロリ線の摩耗部の全体幅として求める全体幅検出手段と、
    前記全体幅とラインセンサのカメラパラメータからラインセンサから見たトロリ線の高さを求める高さ検出手段と、
    前記全体幅と前記トロリ線の高さからトロリ線の摩耗部の実幅を求める摩耗部幅算定手段とを備え
    前記エッジ検出手段は、
    二値化ラインセンサ画像の1行毎に、エッジ左側と右側の位置の差を摩耗部の幅とし取り出す処理を画像の全行に対して行う手段と、
    前記画像の全行の各エッジ幅での最大幅と最小幅の差を出す手段と、
    前記最大幅と最小幅の差が大きい場合に摩擦部の波状摩耗と判定する手段とを備えたことを特徴とするトロリ線の摩耗測定装置。
  2. トロリ線摩耗部のエッジ検出した二値化ラインセンサ画像に対して、
    エッジ画像のトロリ線に相当する部分を塊として抽出する手段と、
    前記塊ごとに画像の上部から下部まで連続している部分をトロリ線画像として抽出し、それ以外の局所的に存在する塊はノイズであるとして取り除く手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のトロリ線の摩耗測定装置。
  3. 前記二値化処理手段は、処理画像全体の輝度のヒストグラムを算出し、高レベル帯の輝度の画素数が画像中の正常なトロリ線反射面積より求めた閾値を超える場合にサチレーションを起こしている画像と判定する手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトロリ線の摩耗測定装置。
  4. 前記摩耗部幅算定手段は、トロリ線摩耗部幅がトロリ線本線より大きい場合にサチレーションを起こしている画像と判定する手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトロリ線の摩耗測定装置。
  5. 前記二値化処理手段は、トロリ線の大きさが実験的に求めた閾値を超える面積の場合、この部分は背景画像が二値化されて浮き出ていると判定し、トロリ線画像から取り除く手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトロリ線の摩耗測定装置。
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