JP6852472B2 - トロリ線の摺動面幅検出装置及び方法 - Google Patents

トロリ線の摺動面幅検出装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像処理により、トロリ線の摺動面幅を検出するトロリ線の摺動面幅検出装置及び方法に関する。
電車の屋根上からトロリ線の下面を撮影し、撮影した画像を処理することで、トロリ線の摩耗幅(摺動面幅)を測定することが行われている(特許文献1)。
特許第4635657号公報
特許文献1では、ラインセンサで撮影した画像を2値化して(段落0029参照)、トロリ線の摺動面幅を計測している。この特許文献1を用いて、例えば、図6のような撮影画像に対し、画像全体で1つの閾値のもと2値化すると、図7のような2値化画像が得られ、この場合では、摺動面と未摺動面とが区別されて、正確に摺動面幅を計測することができる。
しかしながら、ラインセンサによるトロリ線の摺動面幅の計測には、下記の3点の課題がある。
(1)摺動面の欠損
(2)摺動面の膨張
(3)背景部分の誤検出
(1)摺動面の欠損
例えば、照明とラインセンサとトロリ線の位置関係によって、摺動面からの正反射光がラインセンサに入らないような場合、図8のように、摺動面が局所的に暗く写るような画像になる。このような画像に対し、特許文献1に示された2値化処理を施すと、図9のような2値化画像となり、摺動面が暗い箇所の検出ができず、欠損が発生する問題がある。
(2)摺動面の膨張
上記欠損の問題の対策として、画像全体をガンマ補正などで明るくした上で2値化をする手法が考えられる。しかし、その手法では、図10のように、摺動面だけでなくトロリ線全体が明るくなってしまい、2値化すると、図11のように、非摺動面まで摺動面と検出して、摺動面が実際よりも膨張してしまい、実際よりも摩耗進行方向に計測してしまう問題がある。
(3)背景部分の誤検出
また、図12のように、雲などの影響により、背景に明るさのばらつきがあるような画像で2値化を行うと、図13のように、背景部分も摺動面として検出してしまう問題がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、摺動面の欠損、摺動面の膨張、背景部分の誤検出を防止して、ロバストにトロリ線の摺動面幅を検出することができるトロリ線の摺動面幅検出装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係るトロリ線の摺動面幅検出装置は、
ラインセンサで撮影したトロリ線の摺動面の画像信号からラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成部と、
前記ラインセンサ画像上の前記トロリ線に対し、前記摺動面の摺動面位置を入力する摺動面位置入力部と、
前記ラインセンサ画像上の前記トロリ線を、前記摺動面位置を基準とする複数の局所領域に区切ると共に、各々の前記局所領域に対して2値化処理を行うことにより、前記摺動面を識別する2値化ラインセンサ画像を作成する局所2値化処理部と、
前記2値化ラインセンサ画像から前記摺動面のエッジを検出することで、エッジデータを取得するトロリ線摺動面エッジ検出部と、
前記ラインセンサから前記トロリ線までの高さのデータであるトロリ線高さデータと前記エッジデータとに基づいて、前記トロリ線の摺動面幅の計算を行うトロリ線摺動面幅計算部と
を有する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係るトロリ線の摺動面幅検出装置は、
上記第1の発明に記載のトロリ線の摺動面幅検出装置において、
前記摺動面位置は、前記トロリ線の前記摺動面の中心位置である
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係るトロリ線の摺動面幅検出装置は、
上記第2の発明に記載のトロリ線の摺動面幅検出装置において、
前記局所領域の前記トロリ線の径方向における幅は、前記トロリ線の直径と同じ幅であり、前記中心位置を中心とする
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係るトロリ線の摺動面幅検出装置は、
上記第1から第3のいずれか1つの発明に記載のトロリ線の摺動面幅検出装置において、
前記局所領域の前記トロリ線の長さ方向における幅は、前記ラインセンサの前記画像信号の1つ分である
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係るトロリ線の摺動面幅検出方法は、
ラインセンサで撮影したトロリ線の摺動面の画像信号からラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成工程と、
前記ラインセンサ画像上の前記トロリ線に対し、前記摺動面の摺動面位置を入力する摺動面位置入力工程と、
前記ラインセンサ画像上の前記トロリ線を、前記摺動面位置を基準とする複数の局所領域に区切ると共に、各々の前記局所領域に対して2値化処理を行うことにより、前記摺動面を識別する2値化ラインセンサ画像を作成する局所2値化処理工程と、
前記2値化ラインセンサ画像から前記摺動面のエッジを検出することで、エッジデータを取得するトロリ線摺動面エッジ検出工程と、
前記ラインセンサから前記トロリ線までの高さのデータであるトロリ線高さデータと前記エッジデータとに基づいて、前記トロリ線の摺動面幅の計算を行うトロリ線摺動面幅計算工程と
を有する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係るトロリ線の摺動面幅検出方法は、
上記第5の発明に記載のトロリ線の摺動面幅検出方法において、
前記摺動面位置は、前記トロリ線の前記摺動面の中心位置である
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係るトロリ線の摺動面幅検出方法は、
上記第6の発明に記載のトロリ線の摺動面幅検出方法において、
前記局所領域の前記トロリ線の径方向における幅は、前記トロリ線の直径と同じ幅であり、前記中心位置を中心とする
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係るトロリ線の摺動面幅検出方法は、
上記第5から第7のいずれか1つの発明に記載のトロリ線の摺動面幅検出方法において、
前記局所領域の前記トロリ線の長さ方向における幅は、前記ラインセンサの前記画像信号の1つ分である
ことを特徴とする。
本発明によれば、摺動面の欠損、摺動面の膨張、背景部分の誤検出を防止して、ロバストに(頑健に)トロリ線の摺動面幅を検出することができる。
本発明に係るトロリ線の摺動面幅検出装置の実施形態の一例を示す模式図である。 図1に示したトロリ線の摺動面幅検出装置を説明するブロック図である。 本発明に係るトロリ線の摺動面幅検出方法の実施形態の一例を示すフローチャートである。 局所2値化処理を説明する画像である。 図4に示した画像の2値化後を示す画像である。 トロリ線の摺動面を撮影した画像である。 図6に示した画像の2値化後を示す画像である。 照明のあたり具合により、局所的に暗く写ったトロリ線の摺動面を撮影した画像である。 図8に示した画像の2値化後を示す画像である。 図8に示した画像の明るさ調整後を示す画像である。 図10に示した画像の2値化後を示す画像である。 雲などの影響により背景の明るさにばらつきがあるトロリ線の摺動面を撮影した画像である。 図11に示した画像の2値化後を示す画像である。
以下、本発明に係るトロリ線の摺動面幅検出装置及び方法について、図1〜図5を参照して、その実施形態を説明する。なお、以降の説明において、「ライン」は、ラインセンサで、ワンショットの走査で撮影される線状の画像のことである。例えば、ラインセンサが1000Hzで測定する際、1秒間に得られるライン数は1000ラインとなる。
[実施例1]
本実施例のトロリ線の摺動面幅検出装置の構成を説明する。ここで、図1は、本実施例のトロリ線の摺動面幅検出装置を示す模式図である。また、図2は、図1に示したトロリ線の摺動面幅検出装置を説明するブロック図である。
図1に示すように、検査車両10の屋根上にはラインセンサ11、ラインセンサ12、照明13、パンタグラフ14が設けられている。
ラインセンサ11を検査車両10の屋根上に鉛直上向きに設置し、ラインセンサ11のラインの方向18が枕木方向と同じ方向になるようにし、ラインセンサ11のラインがトロリ線(架線)16を横切るようにする。本実施例では、トロリ線16の摺動面幅の検出のために撮影を行う手段として、ラインセンサ11を用いている。なお、符号17は、トロリ線16を支持する構造物である。
また、ラインセンサ12を検査車両10の屋根上に斜め上方向きに設置し、ラインセンサ12のラインの方向19が車両上下方向と同じ方向になるようにし、ラインセンサ12のラインがパンタグラフ14を横切るようにする。本実施例では、トロリ線16の高さ(パンタグラフ14の上部位置15の高さ)の検出のために撮影を行う手段として、ラインセンサ12を用いている。
また、照明13を検査車両10の屋根上に斜め上方向きに設置し、ラインセンサ11やラインセンサ12が撮影する範囲に光を照射するようにする。本実施例では、照明13には通常の白色光源を利用する。
検査車両10には、ラインセンサ11が撮影した画像の処理を行う処理装置20が設けられている。処理装置20は、例えば、コンピュータなどの装置であり、装置構成としては、演算装置、記憶装置、入出力装置などからなり(図示省略)、機能構成としては、図2に示す構成となっている。
具体的には、処理装置20は、図2に示すように、ラインセンサ画像作成部201(ラインセンサ画像作成工程)、メモリ202、伝送線路203、メモリ204、摺動面位置入力部211(摺動面位置入力工程)、局所2値化処理部212(局所2値化処理工程)、ノイズ除去処理部213、トロリ線摺動面エッジ検出部214(トロリ線摺動面エッジ検出工程)、トロリ線摺動面幅計算部215(トロリ線摺動面幅計算工程)を有している。図2に示す構成の詳細については、以下の図3に示すフローチャートと共に説明する。
本実施例のトロリ線の摺動面幅検出装置及び方法について、図2及び図3と共に、図4及び図5も参照して説明する。ここで、図3は、本実施例のトロリ線の摺動面幅検出方法を示すフローチャートである。また、図4は、局所2値化処理を説明する画像であり、図5は、図4に示した画像の2値化後を示す画像である。
(ステップS1)
照明13から光が照射されたトロリ線16をラインセンサ11で撮影し、ラインセンサ11で撮影して得られた画像信号D1をラインセンサ画像作成部201に送る。1つの画像信号D1が1つのラインとなる。そして、ラインセンサ画像作成部201において、画像信号D1を時系列に並べて平面のラインセンサ画像D2を作成し、メモリ202に保存する。メモリ202に保存したラインセンサ画像D2は伝送線路203を介してメモリ204に保存する。このようにして、ラインセンサ画像D2を取得する。ここでは、ラインセンサ画像D2として、図4に示すように、トロリ線16の摺動面が局所的に暗く写ると共に、雲などの影響により、背景に明るさのばらつきがあるような画像が取得された場合を考える。
(ステップS2)
摺動面位置入力部211において、メモリ204に保存したラインセンサ画像D2上のトロリ線16に対し、摺動面位置入力処理を行い、入力したデータを摺動面位置データD3としてメモリ204に保存する。具体的には、ラインセンサ画像D2上のトロリ線16の摺動面位置を外部から入力する。例えば、図4に示すように、トロリ線16の摺動面の中心位置を摺動面位置として入力する。この際、ラインセンサ画像D2上において、オペレータが点や線を用いて、摺動面位置(例えば、トロリ線16の摺動面の中心位置)を設定すれば、設定した位置を自動的に計算して、摺動面位置データD3とすれば良い。
(ステップS3)
局所2値化処理部212において、メモリ204に保存したラインセンサ画像D2に対して、メモリ204に保存した摺動面位置データD3を基準とする複数の局所領域に区切り、局所領域ごとに局所2値化処理を行い、それにより得られた2値化ラインセンサ画像D4をメモリ204に保存する。局所領域としては、例えば、横幅(トロリ線16の径方向の幅)をトロリ線16の直径と同じ幅、縦幅(トロリ線16の長さ方向の幅)をラインセンサ11の任意のライン数とする。摺動面位置をトロリ線16の摺動面の中心位置とする場合には、この中心位置を中心とし、この中心から両方の横幅方向にトロリ線16の半径と同じ幅を設定すれば良い。例えば、図4中に示す破線で囲まれた領域が、このように設定された局所領域である。この局所2値化処理により、2値化ラインセンサ画像D4として、図5に示すような画像が得られ、トロリ線16の摺動面が白、背景部分が黒で表されて、摺動面を識別しており、検出対象の摺動面のみが検出できている。
トロリ線16の摺動面は、トロリ線16がパンタグラフ14により削られた部分であるため、摩耗していない部分(非摺動面)に比べて強い光沢がある。このため、ラインセンサ画像D2(図4参照)においても、トロリ線16の摺動面は非摺動面やその他の背景部分と比較して輝度値の異なる帯状の部分として撮影されている。ここでの局所2値化処理では、各局所領域において、このようなトロリ線16の摺動面に対して、非摺動面や背景部分を切り分ける閾値を各々設定しており、設定した閾値を用いて、局所2値化処理を各々行っている。
ここで行う局所2値化処理は、判別分析法などのような領域内の輝度分布により閾値が変わるような手法を用いることで、局所的に暗い領域には輝度値の低い閾値が、局所的に明るい領域には輝度値の高い閾値が選ばれる。これにより、局所的に暗い領域の摺動面も適切な閾値で2値化される。なお、局所2値化処理の方法として、判別分析法などの動的に閾値を決定する方法を使用するが、判別分析法に限定する必要はない。
また、ここでは、トロリ線16の摺動面位置データD3を基準に、横幅はトロリ線16の直径と同じ幅を、縦幅はラインセンサ11の任意のライン数を持つ局所領域を設定し、各局所領域において局所2値化処理を行っているので、例えば、図4に示すように、局所領域外において、背景に明るさのばらつきがあっても、その部分は、摺動面の検出対象外になり、その結果、背景部分の誤検出も防ぐことができる。
なお、局所領域の横幅として、トロリ線16の直径と同じ幅を設定しているが、この幅より少し大きい幅で設定しても良い。これは、摺動面位置としてトロリ線16の摺動面の中心位置を設定した場合、ラインセンサ11とトロリ線16の位置関係及びトロリ線16の摺動状況によっては、摺動面の中心位置とトロリ線16の中心位置が完全に一致しないことがあるためである。少し大きな幅で設定するのは、幅が大きすぎるとトロリ線16以外の背景を含めた局所領域となるため、その分、2値化の精度が落ちてしまうためである。
また、局所領域の縦幅としては、ラインセンサ11の任意のライン数を指定でき、図4においても、ある程度の数のライン数をしているが、実用の際は、縦幅は1つのラインで設定する方が良い。1つのラインで設定すれば、各ラインで2値化が動的に行われ、摺動面の検出精度が高くなるためである。
(ステップS4)
ノイズ除去処理部213において、メモリ204に保存した2値化ラインセンサ画像D4にノイズ除去処理を施し、それにより得られたノイズ除去処理済みの2値化ラインセンサ画像D5をメモリ204に保存する。ノイズ除去処理では、膨張処理及び収縮処理を行うことでノイズを除去している。これは、2値化処理後の2値化ラインセンサ画像D4には、トロリ線16の摺動面の傷や背景部分の状態により、細かな点々状のノイズが含まれる場合があるためである。なお、状況によっては、ノイズが極めて少ない場合、又は、無い場合もあり、その場合には、このノイズ除去処理を省略しても良い。
(ステップS5)
トロリ線摺動面エッジ検出部214において、メモリ204に保存したノイズ除去処理済みの2値化ラインセンサ画像D5にトロリ線摺動面エッジ検出処理を施し、それにより得られたエッジデータD6をメモリ204に保存する。トロリ線摺動面エッジ検出処理では、ラインセンサ11の1つのラインに対して走査方向に検査して、アップエッジ(黒から白へ変化する点)とダウンエッジ(白から黒へ変化する点)を検出しており、例えば、図5を参照して説明すると、白で表されているトロリ線16の摺動面の両側のエッジを検出して、エッジデータD6を取得している。
(ステップS6)
トロリ線摺動面幅計算部215において、メモリ204に保存したエッジデータD6にトロリ線摺動面幅計算処理を施し、それにより得られたトロリ線摺動面幅データD8をメモリ204に保存する。トロリ線摺動面幅計算処理では、例えば、ラインセンサ11の1つのライン上にある両側のエッジ間距離をトロリ線の摺動面の画像上の幅として計算している。
このとき、ラインセンサ11からトロリ線16までの高さであるトロリ線高さデータD7、レンズ焦点距離、センサ幅、センサ画素数から1画素[pix]に対する実寸法[mm]の度合いである画像分解能[mm/pix]を計算し、トロリ線16の摺動面の画像上の幅と画像分解能の乗算を行うことで、トロリ線16の摺動面の幅を計算する。この際、トロリ線16が画像上で傾いている場合には、公知の方法、例えば、特許文献1に示された公知の方法(実施例2や実施例3参照)などで傾きを補正して、トロリ線16の摺動面の幅を計算すれば良い。求めたエッジデータD6、トロリ線摺動面幅データD8、計算に用いたラインセンサ画像D2や対応するラインセンサ11のラインを指し示すデータなどは、例えば、メモリ204や外部記憶装置(図示せず)に記録しておく。
ここで、トロリ線高さデータD7としては、予め測定してあるトロリ線高さのデータや公知の方法で測定したトロリ線高さのデータを使用することができる。例えば、トロリ線高さは、トロリ線の保守及び点検等を行うときに必要なため、予め測定してある場合もあるので、この予め測定してあるデータをトロリ線高さデータD7として利用すれば良い。また、例えば、特許文献1に示された公知の方法(図10、図11及びその説明参照)などで測定したデータをトロリ線高さデータD7として利用すれば良い。この場合、ラインセンサ12で撮影したパンタグラフ14の画像を処理することにより、パンタグラフ14の上部位置15がトロリ線高さデータD7として計算される。
以上説明したように、本実施例では、始めに、トロリ線16の摺動面位置データD3を入力している(ステップS2)。そして、トロリ線16の摺動面位置データD3を基準に局所領域を設定し、各局所領域で局所2値化を行っている(ステップS3)。ここでは、図4に示すように、ラインセンサ画像D2を局所領域に区切っており、それぞれの局所領域内で判別分析法などを用いて2値化している。このように、それぞれの局所領域で2値化を行っているので、暗く写っている箇所も、その局所領域内は全体が暗いため、2値化すれば摺動面を正確に得ることができる。また、局所領域外は摺動面の検出対象外になるので、背景部分の誤検出も防ぐこともできる。
このような手順を含む一連の手順により、図8に示すように、撮影した画像のトロリ線の摺動面が均等な明るさでなく、局所的に暗く写る場合に対しても、図9に示すような摺動面の欠損や図11に示すような摺動面の膨張が起こることなく、また、図12に示すように、背景に明るさのばらつきがあっても、局所領域外は摺動面の検出対象外になるので、背景部分の誤検出が起こることもなく、図5に示すように、正確に、そして、ロバストに(頑健に)トロリ線の摺動面を検出することができる。その結果、摺動面の欠損、摺動面の膨張、背景部分の誤検出を防止して、実際の摺動面幅を計測することが可能となる。
本発明は、電気鉄道へ電力を供給するためのトロリ線の摩耗測定に好適なものである。
10 検査車両
11 ラインセンサ
13 照明
16 トロリ線
20 処理装置
201 ラインセンサ画像作成部
202、204 メモリ
211 摺動面位置入力部
212 局所2値化処理部
213 ノイズ除去処理部
214 トロリ線摺動面エッジ検出部
215 トロリ線摺動面幅計算部

Claims (8)

  1. ラインセンサで撮影したトロリ線の摺動面の画像信号からラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成部と、
    前記ラインセンサ画像上の前記トロリ線に対し、前記摺動面の摺動面位置を入力する摺動面位置入力部と、
    前記ラインセンサ画像上の前記トロリ線を、前記摺動面位置を基準とする複数の局所領域に区切ると共に、各々の前記局所領域に対して、前記局所領域の輝度に応じて、局所的に暗い領域では輝度値の低い閾値とし、局所的に明るい領域では輝度値の高い閾値として、前記局所領域ごとに閾値を設定した局所2値化処理を行うことにより、前記摺動面を識別する2値化ラインセンサ画像を作成する局所2値化処理部と、
    前記2値化ラインセンサ画像から前記摺動面のエッジを検出することで、エッジデータを取得するトロリ線摺動面エッジ検出部と、
    前記ラインセンサから前記トロリ線までの高さのデータであるトロリ線高さデータと前記エッジデータとに基づいて、前記トロリ線の摺動面幅の計算を行うトロリ線摺動面幅計算部と
    を有する
    ことを特徴とするトロリ線の摺動面幅検出装置。
  2. 請求項1に記載のトロリ線の摺動面幅検出装置において、
    前記摺動面位置は、前記トロリ線の前記摺動面の中心位置である
    ことを特徴とするトロリ線の摺動面幅検出装置。
  3. 請求項2に記載のトロリ線の摺動面幅検出装置において、
    前記局所領域の前記トロリ線の径方向における幅は、前記トロリ線の直径と同じ幅であり、前記中心位置を中心とする
    ことを特徴とするトロリ線の摺動面幅検出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のトロリ線の摺動面幅検出装置において、
    前記局所領域の前記トロリ線の長さ方向における幅は、前記ラインセンサの前記画像信号の1つ分である
    ことを特徴とするトロリ線の摺動面幅検出装置。
  5. ラインセンサで撮影したトロリ線の摺動面の画像信号からラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成工程と、
    前記ラインセンサ画像上の前記トロリ線に対し、前記摺動面の摺動面位置を入力する摺動面位置入力工程と、
    前記ラインセンサ画像上の前記トロリ線を、前記摺動面位置を基準とする複数の局所領域に区切ると共に、各々の前記局所領域に対して、前記局所領域の輝度に応じて、局所的に暗い領域では輝度値の低い閾値とし、局所的に明るい領域では輝度値の高い閾値として、前記局所領域ごとに閾値を設定した局所2値化処理を行うことにより、前記摺動面を識別する2値化ラインセンサ画像を作成する局所2値化処理工程と、
    前記2値化ラインセンサ画像から前記摺動面のエッジを検出することで、エッジデータを取得するトロリ線摺動面エッジ検出工程と、
    前記ラインセンサから前記トロリ線までの高さのデータであるトロリ線高さデータと前記エッジデータとに基づいて、前記トロリ線の摺動面幅の計算を行うトロリ線摺動面幅計算工程と
    を有する
    ことを特徴とするトロリ線の摺動面幅検出方法。
  6. 請求項5に記載のトロリ線の摺動面幅検出方法において、
    前記摺動面位置は、前記トロリ線の前記摺動面の中心位置である
    ことを特徴とするトロリ線の摺動面幅検出方法。
  7. 請求項6に記載のトロリ線の摺動面幅検出方法において、
    前記局所領域の前記トロリ線の径方向における幅は、前記トロリ線の直径と同じ幅であり、前記中心位置を中心とすることを特徴とするトロリ線の摺動面幅検出方法。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1つに記載のトロリ線の摺動面幅検出方法において、
    前記局所領域の前記トロリ線の長さ方向における幅は、前記ラインセンサの前記画像信号の1つ分であることを特徴とするトロリ線の摺動面幅検出方法。
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