JP2022057165A - 外観検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検査物の表面の凹凸の判定を高精度で行う外観検査装置を提供すること。【解決手段】外観検査装置1は、被検査物2の表面に対し、斜め方向から光を照射する第1光源4aと、第1光源4aから光を照射したときの被検査物2の第1検査画像を撮像するカメラ5と、第1検査画像を第1光源4aの照射方向から第1領域41aと第2領域42aに分割したときの第1領域41aの輝度分布の第1平均値BR1aと、第2領域42aの輝度分布の第2平均値BR2a、とを算出し、第1平均値BR1aと、第2平均値BR2aの比BR1a/BR2aに基づいて被検査物2の表面の凹凸を判定する判定部8を備えるパーソナルコンピューター6と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、外観検査装置に関する。
従来から、被検査物の表面の凹凸を検出する外観検査装置として、光源から被検査物の表面に光を照射し、被検査物の表面の反射光から被検査物の表面の凹凸を検出する外観検査装置が知られている。
例えば、特許文献1には、被検査物の面に斜向する方向から投光して得られる濃淡画像に対し、投光方向に平行な濃度分布を測定し、この濃淡画像の濃度分布の測定結果から被検査物の正常部の濃度より明るい方の閾値を越える部分の最大値と、暗い方の閾値より小さい部分の最小値とを求め、これらの最大値、最小値が濃度分布上で隣接している場合、最大値と最小値との差を規定値と比較することで凹凸を検出する外観検査方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の外観検査方法では、被検査物の反射光の濃度分布から最大値と最小値を比較することで凹凸を検出しており、凹凸の表面に微小なうねりなどが存在する場合、微小なうねりによる濃度分布が現れるため、凹凸を正しく検出できない虞があった。
外観検査装置は、被検査物を配置するステージと、前記被検査物の表面に対し、斜め方向から光を照射する第1光源と、前記第1光源から光を照射したときの前記被検査物を撮像し第1検査画像を取得するカメラと、前記第1検査画像に基づいて前記被検査物の表面の凹凸を判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記第1検査画像を前記第1光源の照射方向から第1領域と第2領域に分割し、前記第1領域の輝度分布の第1平均値と、前記第2領域の輝度分布の第2平均値を算出し、前記第1平均値と前記第2平均値との比に基づいて前記被検査物の表面の凹凸を判定する。
1.実施形態1
実施形態1に係る外観検査装置1について、図1及び図2を参照して説明する。なお、図中、説明する便宜上、各構成要素の寸法比率は実際とは異なる。
実施形態1に係る外観検査装置1について、図1及び図2を参照して説明する。なお、図中、説明する便宜上、各構成要素の寸法比率は実際とは異なる。
図1及び図2に示すように外観検査装置1は、被検査物2を配置するステージ3と、被検査物2の表面に対し、斜め方向から光を照射する少なくとも第1光源4aを含む光源4と、光源4から光を照射したときの被検査物2を撮像し検査画像を取得するカメラ5と、検査画像に基づいて被検査物2の表面の凹凸を判定する判定部8を備えるパーソナルコンピューター6と、を有する。判定部8を備えるパーソナルコンピューター6は、検査画像を表示するモニター7を有する。
被検査物2は、ステージ3の上面に配置されている。ステージ3に配置された被検査物2の斜め上方には光源4が配置されている。ステージ3に配置された被検査物2の直上にはカメラ5が配置されている。
光源4は、いわゆるリング照明であり、ステージ3の上面の法線方向から見た平面視で中心部に開口を有する円環状の光源である。光源4は、円周方向に90°毎に均等に、第1光源4a、第2光源4b、第3光源4c、及び第4光源4dの4つの区画に分割されている。第1光源4a、第2光源4b、第3光源4c、及び第4光源4dは、それぞれ独立して、被検査物2の表面に対し、斜め方向から光を照射することができる。これにより、光源4は、平面視でそれぞれ異なる4つの方向から被検査物2の表面に光を照射することができる。なお、「被検査物2の表面に対し、斜め方向から光を照射する」とは、被検査物2の表面の垂直軸に交差する方向から光を照射することであり、言い換えれば、カメラ5の光軸に対して交差する方向から光を照射することである。
なお、本実施形態では、光源4を円環状の光源としているが、これに限らず、それぞれ異なる方向から被検査物2に光を照射することができる形状であれば、矩形あるいは六角形などの多角形状の光源や、コの字形状の光源でも構わない。また、本実施形態では、光源4は、4つの方向から光を照射できるように4つに分割されているが、分割数は4つに限らず、2つ以上であれば構わない。
カメラ5は、テレセントリックレンズ5aを有し、横4000画素×縦3000画素の1200万画素のカラー画像を撮影することができる。光源4から被検査物2の表面に照射され被検査物2の表面で散乱した光のうち、被検査物2の略直上方向に反射された光がテレセントリックレンズ5aを介してカメラ5に結像される。このようにして、カメラ5は、光源4から光を照射したときの被検査物2を撮像し、歪みの少ない高精度な検査画像を取得することができる。なお、本実施形態では、カメラ5は1200万画素のカラー画像が撮影可能なカメラを用いているが、被検査物2の大きさや測定精度によって適宜選択することにしても構わない。
パーソナルコンピューター6は、光源4及びカメラ5に接続しており、パーソナルコンピューター6にインストールされたソフトウェアを用いて光源4及びカメラ5を動作させることができる。例えば、パーソナルコンピューター6は、第1光源4a、第2光源4b、第3光源4c、及び第4光源4dをそれぞれ独立して点灯及び消灯し、カメラ5を用いて被検査物2の検査画像を撮像することができる。また、パーソナルコンピューター6は、カメラ5が撮像した検査画像を画像データとして取得し、取得した画像データに対し画像領域分離処理やグレースケール変換処理などの画像処理を行うことができる。また、パーソナルコンピューター6は、検査画像に基づいて被検査物2の表面の凹凸を判定する判定部8を有し、判定部8は、パーソナルコンピューター6にインストールされたソフトウェアを用いて実現することができる。また、パーソナルコンピューター6は、ハードディスクやRAMなどの図示しない記憶部を有し、図示しない記憶部には、カメラ5が撮像した検査画像の画像データや被検査物2の表面の凹凸を判定するための比較データである基準値などを格納することができる。
次に、外観検査装置1の動作について、図3~図9を参照して説明する。なお、本実施形態においては、被検査物2として、圧電デバイス20を使用しているが、被検査物2はこれに限定されず、圧電デバイス20以外にも様々な物品を検査することができる。
まず、被検査物2である圧電デバイス20について、図3~図5を参照して説明する。
図3に示すように、圧電デバイス20は、パッケージ21の内部に図示しない水晶等の圧電材料による振動素子を気密に封止した構造を有し、パッケージ21と、パッケージ21の内部の気体を排出するための封止穴22と、封止穴22を気密に封止するための封止材23と、を有する。封止材23は、低融点金属材料であり、パッケージ21の内部から気体が排出された後にレーザー光の照射などにより加熱されて溶融し、封止穴22を封止する。
図3に示すように、圧電デバイス20は、パッケージ21の内部に図示しない水晶等の圧電材料による振動素子を気密に封止した構造を有し、パッケージ21と、パッケージ21の内部の気体を排出するための封止穴22と、封止穴22を気密に封止するための封止材23と、を有する。封止材23は、低融点金属材料であり、パッケージ21の内部から気体が排出された後にレーザー光の照射などにより加熱されて溶融し、封止穴22を封止する。
図4に示すように、レーザー光の照射などにより加熱されて溶融した封止材23は、封止穴22に沿ってパッケージ21の表面からパッケージ21の内部に向かって流動し、封止穴22を封止する。封止材23が封止穴22に沿って十分に流動したとき、封止穴22中の封止材23は、パッケージ21の表面に対し凹形状となる。
一方、図5に示すように、例えば、封止材23の流動が不十分な場合、あるいは封止材23が封止穴22から飛散した場合に、封止穴22中の封止材23は、パッケージ21の表面に対し凸形状となる。封止材23がパッケージ21の表面に対し凸形状となることにより、圧電デバイス20を基板等へ実装する際に意図しないショートが発生する虞があるため、封止材23がパッケージ21の表面に対し凸形状であるときは、圧電デバイスの欠陥として抽出する必要がある。
そこで、外観検査装置1は、被検査物2である圧電デバイス20の封止穴22中の封止材23がパッケージ21の表面に対し凹形状又は凸形状の何れであるかを判定する動作を行う。
次に、外観検査装置1の動作について、図3~図9を参照して説明する。なお、以下において、第1光源4a、第2光源4b、第3光源4c、及び第4光源4dの何れかを第n光源という。本実施形態では、変数nは1~4の自然数であり、例えば、n=1の場合は、第1光源4aであり、n=2の場合は、第2光源4bであり、n=3の場合は、第3光源4cであり、n=4の場合は、第4光源4dである。また、以下において、第n光源から光を照射したときに、カメラ5が被検査物2を撮像した検査画像を第n検査画像という。例えば、n=1の場合は、第1光源4aから光を照射したときに、カメラ5が被検査物2を撮像した検査画像が、第1検査画像に相当する。
図6に示すように、まず、ステップS1において、外観検査装置1の初期化が行われ、第1光源4a、第2光源4b、第3光源4c、及び第4光源4dの何れかである第n光源を特定するための変数nを初期値である1に設定する。
ステップS2において、第n光源は被検査物2の表面に対し、斜め方向から光を照射し、カメラ5は被検査物2の第n検査画像を撮像する。カメラ5が第n検査画像の撮像を終了した後に、第n光源は光の照射を終了する。第n検査画像は、図3に示すように、被検査物2である圧電デバイス20のパッケージ21と、封止穴22と、封止材23と、を含む圧電デバイスの表面の画像である。
ステップS1からステップS2に進んだ場合は、n=1であるので、第1光源4aが光を照射し、カメラ5が第1検査画像を撮像する。
ステップS1からステップS2に進んだ場合は、n=1であるので、第1光源4aが光を照射し、カメラ5が第1検査画像を撮像する。
ステップS3において、被検査物2である圧電デバイス20の表面の凹凸を判定するための判定領域を抽出する。具体的には、凹凸を判定するための判定領域として、圧電デバイス20の封止穴22を抽出する。封止材23が充填されている封止穴22と、封止穴22の周囲のパッケージ21と、は色調が異なるので、封止穴22の抽出は、色情報による画像領域分割処理により行うことができる。なお、判定領域である封止穴22の抽出は、濃度情報などの色情報以外を用いて画像領域分割処理を行っても構わない。また、画像領域分割処理により抽出される判定領域は、封止穴22と一致している必要はなく、封止穴22よりも大きく、封止穴22の周辺を含む領域でも構わない。
ステップS4において、判定領域の輝度分布を取得する。本実施形態では、カメラ5により撮像された第n検査画像はカラー画像であるため、第n検査画像から抽出された判定領域である封止穴22の画像をカラー画像から輝度分布を示す輝度画像いわゆるグレースケール画像に変換する。グレースケール画像は、白黒の濃淡画像であり、輝度分布は、白黒の濃淡画像の濃度分布に相当する。なお、カメラ5により撮像された第n検査画像が白黒の濃淡画像である場合は、ステップS4は省略しても構わない。
輝度画像に変換された後の封止穴22の画像について、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8は、n=1の場合、すなわち、第1光源4aから被検査物2である圧電デバイス20に光を照射した場合の封止穴22を示し、図7及び図8中の矢印R1は、第1光源4aの光の照射方向を示す。
図7及び図8に示すように、輝度画像に変換された後の封止穴22は、暗部31aと、明部32aと、を有する。図4及び図7に示すように、封止穴22中の封止材23がパッケージ21の表面に対し凹形状である場合は、暗部31aと、明部32aと、は、第1光源4aの光の照射方向R1から見て、暗部31a、明部32aの順に位置する。一方、図5及び図8に示すように、封止穴22中の封止材23がパッケージ21の表面に対し凸形状である場合は、暗部31aと、明部32と、aは、第1光源4aの光の照射方向R1から見て、明部32a、暗部31aの順に位置する。
ステップS5において、判定領域である封止穴22の画像を第n光源の光の照射方向から第1領域と、第2領域と、に分割する。
n=1の場合、図7及び図8に示すように、第1光源4aの光の照射方向R1に直交し、判定領域である封止穴22の画像を等分する分割線L1を設定する。第1検査画像は、分割線L1を境界として、第1光源4aの照射方向R1から見て、第1領域41aと、第2領域42aと、に分割される。第1領域41aと、第2領域42aと、は、第1光源4aの光の照射方向R1から見て、第1領域41a、第2領域42aの順に位置する。本実施形態では、第1領域41aは、分割線L1を境界として、第1光源4aの光の照射方向R1から見て第1光源4aに近い側の封止穴22の半円状の画像であり、第2領域42aは、分割線L1を境界として、第1光源4aの光の照射方向R1から見て第1光源4aから遠い側の封止穴22の半円状の画像である。
n=1の場合、図7及び図8に示すように、第1光源4aの光の照射方向R1に直交し、判定領域である封止穴22の画像を等分する分割線L1を設定する。第1検査画像は、分割線L1を境界として、第1光源4aの照射方向R1から見て、第1領域41aと、第2領域42aと、に分割される。第1領域41aと、第2領域42aと、は、第1光源4aの光の照射方向R1から見て、第1領域41a、第2領域42aの順に位置する。本実施形態では、第1領域41aは、分割線L1を境界として、第1光源4aの光の照射方向R1から見て第1光源4aに近い側の封止穴22の半円状の画像であり、第2領域42aは、分割線L1を境界として、第1光源4aの光の照射方向R1から見て第1光源4aから遠い側の封止穴22の半円状の画像である。
ステップS6において、第n検査画像を第n光源の照射方向から分割した第1領域と、第2領域と、について、それぞれの輝度分布の平均値BR1,BR2を算出する。輝度分布の平均値とはいわゆる平均輝度値であり、第1領域の輝度分布の平均値BR1は、第1領域のグレースケール画像中の画素値合計を画素数で割った値となる。同様に、第2領域の輝度分布の平均値BR2は、第2領域のグレースケール画像中の画素値合計を画素数で割った値となる。なお、グレースケール画像において、明るいすなわち輝度が高い画素は画素値が高く、暗いすなわち輝度が低い画素は画素値が低くなるので、輝度分布の平均値いわゆる平均輝度値は、画像中に輝度が高い画素数が多い程、高くなる。
ステップS7において、第1領域の輝度分布の平均値BR1と、第2領域の輝度分布の平均値BR2と、を比較することにより、判定領域の凹凸を判定する。具体的には、第1領域の輝度分布の平均値BR1と、第2領域の輝度分布の平均値BR2と、の比を算出し、第1領域の輝度分布の平均値BR1と、第2領域の輝度分布の平均値BR2と、の比BR1/BR2に基づき、判定領域の凹凸を判定する。判定領域に凹凸がない場合は、第1領域の輝度分布の平均値BR1と、第2領域の輝度分布の平均値BR2と、は略等しくなり、第1領域の輝度分布の平均値BR1と、第2領域の輝度分布の平均値BR2と、の比BR1/BR2は、略1となる。そこで、判定領域である封止穴22のパッケージ21の表面に対する凹凸を判定する基準値を1として、BR1/BR2と、基準値と、を比較することにより、判定領域の凹凸を判定することができる。
n=1の場合、図4及び図7に示すように、封止穴22中の封止材23がパッケージ21の表面に対し凹形状である場合は、第1領域41aは、明部32aを有さず、暗部31aのみを有し、一方、第2領域42aは、明部32aを有する。このため、第1領域41aの輝度分布の平均値である第1平均値BR1aは、第2領域42aの輝度分布の平均値である第2平均値BR2aよりも小さくなり、第1平均値BR1aと、第2平均値BR2aと、の比は、BR1a/BR2a<1となる。
一方、図5及び図8に示すように、封止穴22中の封止材23がパッケージ21の表面に対し凸形状である場合は、第1領域41aは、明部32aを有し、第2領域42aは、明部32aを有さないため、第1領域41aの輝度分布の平均値である第1平均値BR1aは、第2領域42aの輝度分布の平均値である第2平均値BR2aよりも大きくなり、BR1a/BR2a>1となる。
このように、第1領域の輝度分布の平均値BR1と、第2領域の輝度分布の平均値BR2と、の比BR1/BR2に基づき、判定領域である封止穴22のパッケージ21の表面に対する凹凸を判定することができる。また、このように、第1領域の輝度分布の平均値BR1と、第2領域の輝度分布の平均値BR2と、の比BR1/BR2に基づき、凹凸を判定することにより、凹凸の表面の微小なうねりによる輝度分布が生じている場合、例えば、凹凸の表面の局所的な微小突起に起因する微小な輝点など、が生じている場合でも、微小なうねりによる輝度分布が平滑化されるので、凹凸を判定する精度の高い外観検査装置1を得ることができる。
なお、本実施形態では、判定領域である封止穴22のパッケージ21の表面に対する凹凸を判定する基準値を1とし、BR1/BR2<1であれば凹形状であり、BR1/BR2>1であれば凸形状としているが、基準値は1に限らず、凹凸を判定する目的や精度に応じて適宜設定して構わない。例えば、測定誤差などを考慮し、凸形状を抽出する際の適合率を高める場合や、一定の高さを越える凸形状を抽出する場合などにおいて、基準値を1よりも10%増加させ、1.1とし、BR1/BR2≧1.1であれば凸形状と判定することにしても構わない。
ステップS8において、変数nの値を1つ増やし、ステップS9に進む。ステップS1~ステップS7において、n=1の場合は、ステップS8において、n=2が新たに設定される。
ステップS9において、変数nの値が4以下の場合、すなわち、本実施形態における変数nの最大値以下である場合は、未取得の第n検査画像があると判断し、ステップS2に戻り、ステップS2以降の処理を繰り返す。一方、ステップS9において、変数nの値が4を超えた場合は、第1光源4a、第2光源4b、第3光源4c、及び第4光源4dのそれぞれの光源から光を照射したときの第1~4検査画像が取得され、第1~4検査画像に基づき凹凸判定が実施されたと判断し、処理を終了する。
n=2~4の場合、すなわち、第2光源4b、第3光源4c、及び第4光源4dのそれぞれの光源から光を照射したときの第2~4検査画像を取得し、取得された第2~4検査画像に基づき凹凸判定を行う処理について、図9を参照して説明する。
まず、n=2の場合について、説明する。n=2の場合、ステップS2において、第2光源4bが被検査物2である圧電デバイス20に光を照射し、カメラ5が第2検査画像を撮像する。図9に示すように、第2光源4bから光が照射される方向R2は、第1光源4aから光が照射される方向R1とは異なる方向であり、本実施形態では、第1光源4aから光が照射される方向R1と、第2光源4bから光が照射される方向R2と、はステージ3の上面の法線方向から見た平面視で90°異なっている。
ステップS3及びステップS4において、カメラ5により撮像された第2検査画像から判定領域である封止穴22を画像領域分離により抽出し、さらに、画像領域分離された封止穴22の画像を輝度画像に変換する。図9に示すように、このようにして取得された判定領域である封止穴22の画像は、暗部31b及び明部32bを有する。
ステップS5において、図9に示すように、封止穴22の画像を、第2光源4bからの光の照射方向R2に直交し、封止穴22の画像を等分する分割線L2を境界として、第2検査画像を第2光源4bの照射方向R2から第1領域41bと、第2領域42bと、に分割する。封止穴22中の封止材23がパッケージ21の表面に対して凹形状であるとき、第2領域42bが明部32bを有し、一方、封止穴22中の封止材23がパッケージ21の表面に対して凸形状であるとき、第1領域41bが明部32bを有する。
ステップS6において、第1領域41bの輝度分布の平均値である第3平均値BR1bと、第2領域42bの輝度分布の平均値である第4平均値BR2bを算出し、ステップS7において、第3平均値BR1bと、第4平均値BR2bと、の比BR1b/BR2bを算出し、BR1b/BR2bに基づいて判定領域である封止穴22の凹凸を判定することができる。
また、n=3,4の場合も同様にして、図9に示すように、第3光源4c、第4光源4dからそれぞれ図中の矢印R3,R4から光が照射され、カメラ5により撮像された第3検査画像、第4検査画像を取得する。第3検査画像の判定領域である封止穴22の画像は、暗部31cと、明部32cと、を有し、分割線L3を境界として、第3光源4cの照射方向R3から第1領域41cと、第2領域42cと、に分割される。また、第4検査画像の判定領域である封止穴22の画像は、暗部31dと、明部32dと、を有し、分割線L4を境界として、第4光源4dの照射方向R4から第1領域41dと、第2領域42dと、に分割される。
そして、第1領域41cの輝度分布の平均値である第5平均値BR1cと、第2領域42cの輝度分布の平均値である第6平均値BR2cと、の比BR1c/BR2cを算出することにより、第3検査画像に基づいて被検査物2である圧電デバイス20の表面の凹凸判定を行うことができる。また、第1領域41dの輝度分布の平均値である第7平均値BR1dと、第2領域42dの輝度分布の平均値である第8平均値BR2dと、の比BR1d/BR2dを算出することにより、第4検査画像に基づいて被検査物2である圧電デバイス20の表面の凹凸判定を行うことができる。
このように、第1光源4a、第2光源4b、第3光源4c、及び第4光源4dから被検査物2の表面に対し、それぞれ異なる方向から光を照射したときのそれぞれの被検査物2の検査画像を分割した第1領域の輝度分布の平均値と、第2領域の輝度分布の平均値と、の比であるBR1a/BR2a,BR1b/BR2b,BR1c/BR2c,及びBR1d/BR2dに基づいて被検査物の表面の凹凸を判定することにより、光の照射方向が一方向のみでは検出し難い凹凸を検出することができるので、凹凸の判定の精度が高い外観検査装置1を得ることができる。なお、本実施形態では、第1光源4a、第2光源4b、第3光源4c、及び第4光源4dのそれぞれ異なる4つの方向から光を照射しているが、2つ以上の方向から光を照射することにより、凹凸の検出率を高めることができる。例えば、第1光源4aと、第2光源4bと、の2つの方向から光を照射することにしても構わない。
また、本実施形態では、ステップS9において、変数nの値が変数nの最大値以下である場合は、未取得の第n検査画像があると判断し、ステップS2に戻り、ステップS2以降の処理を繰り返しているが、取得済の検査画像による凹凸判定の結果に基づいて、未取得の第n検査画像を取得せずに、すなわち、ステップS2に戻らずに、処理を終了することにしても構わない。例えば、外観検査装置1を用いて判定領域が凸形状である被検査物2を抽出するような場合、第1光源4aから光を照射したときの第1検査画像の第1領域の輝度分布の平均値である第1平均値BR1aと、第2領域の輝度分布の平均値である第2平均値BR2aと、の比BR1a/BR2aに基づく凹凸判定の判定結果が凸形状であれば、判定結果に基づき、第2検査画像を取得することなく、処理を終了することにしても構わない。このように、取得済の検査画像による凹凸判定の結果に基づいて、未取得の第n検査画像を取得せずに処理を終了することにより、検査時間の短い外観検査装置1を得ることができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。第1光源4aから被検査物2の表面に対し、斜め方向から光を照射したときの被検査物2の第1検査画像を、第1光源4aの照射方向から第1領域41aと第2領域42aに分割し、第1領域41aの輝度分布の第1平均値BR1aと、第2領域42aの輝度分布の第2平均値BR2aを算出し、第1平均値BR1aと第2平均値BR2aとの比に基づいて被検査物2の表面の凹凸を判定することにより、凹凸の表面の微小なうねりによる輝度分布すなわち濃淡画像の濃度分布が生じている場合でも、凹凸を判定する精度の高い外観検査装置1を得ることができる。
1…外観検査装置、2…被検査物、3…ステージ、4…光源、4a…第1光源、4b…第2光源、4c…第3光源、4d…第4光源、5…カメラ、5a…テレセントリックレンズ、6…パーソナルコンピューター、7…モニター、8…判定部、20…圧電デバイス、21…パッケージ、22…封止穴、23…封止材、41a,41b,41c,41d…第1領域、42a,42b,42c,42d…第2領域。
Claims (3)
- 被検査物を配置するステージと、
前記被検査物の表面に対し、斜め方向から光を照射する第1光源と、
前記第1光源から光を照射したときの前記被検査物を撮像し第1検査画像を取得するカメラと、
前記第1検査画像に基づいて前記被検査物の表面の凹凸を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記第1検査画像を前記第1光源の照射方向から第1領域と第2領域に分割し、前記第1領域の輝度分布の第1平均値と、前記第2領域の輝度分布の第2平均値を算出し、前記第1平均値と前記第2平均値との比に基づいて前記被検査物の表面の凹凸を判定する、外観検査装置。 - 前記被検査物の表面に対し、前記斜め方向かつ、前記第1光源と異なる方向から光を照射する第2光源と、をさらに備え、
前記カメラは、前記第2光源から光を照射したときの前記被検査物を撮像し第2検査画像を取得し、
前記判定部は、前記第2検査画像を前記第2光源の照射方向から第1領域と第2領域に分割し、前記第1領域の輝度分布の第3平均値と、前記第2領域の輝度分布の第4平均値を算出し、前記第3平均値と前記第4平均値との比及び、前記第1平均値と前記第2平均値との比に基づいて前記被検査物の表面の凹凸を判定する、請求項1記載の外観検査装置。 - 前記判定部は、前記第1検査画像に基づいて前記被検査物の表面の凹凸を判定した判定結果に基づいて、前記第2検査画像を取得することなく、検査を終了する、
請求項2記載の外観検査装置。
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