JP5891717B2 - 穴の内部検査装置、穴の内部検査方法、およびプログラム - Google Patents
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また、例えば、特許文献2に記載されているように、穴の内部にプローブや検査ヘッドなどを挿入することなく、視野角の大きな広角レンズを用いたカメラで穴の内部表面を撮像し、得られた画像を処理することにより検査する方法が知られていた。
また、特許文献2に記載の検査方法では、得られた画像の座標系の変換処理や、遠近補正処理、ゆがみ補正処理などの多くの画像処理を必要としたため、検査時間が長くなってしまうという課題があった。
従って、本適用例によれば、検査対象の穴径が数百ミクロン以下であっても穴の内部を簡便に、短時間で検査することが可能な穴の内部検査装置を提供することができる。
従って、本適用例によれば、検査対象の穴径が数百ミクロン以下であっても穴の内部を簡便に、短時間で検査することが可能な検査方法を提供することができる。
まず、実施形態1に係る穴の内部検査装置および検査方法について説明する。
図1は、実施形態1に係る穴の内部検査装置としての検査装置100の概略図である。
検査装置100は、穴の内部の異物検査などを主な目的とするものであり、撮像手段としてのカメラ10と、光源20、制御部30、検査ステージ40などから構成されている。
検査ステージ40には、検査対象の穴1が貫通して形成された被検査物2が載置される。光源20から照射される光が穴1を通過してカメラ10に捉えられ、カメラ10が捉えた光によって生成された画像を制御部30で処理することにより穴1の内部の検査が行われる。
CPU31は、所定のプログラムによりカメラ10、光源20、検査ステージ40、画像処理部32などの制御を行う。
画像処理部32は、画像処理手段としての機能を有し、カメラ10が捉えた走査画像Isの画像処理を行うことで、検査および判定を行う。
図2(a)は、被検査物2に貫通する穴1の側断面図、図2(b)は、穴1の側断面図に示す位置に対応する走査画像Isの例を示す図である。側断面図における下方向は鉛直方向を意味しており、穴1内の中間よりやや下方に異物Fが存在する様子を表している。
異物Fの大きさの検出は画像処理により行い、検査装置100の場合には、穴1を通過する光を遮る異物Fの陰の大きさにより判定を行っている。具体的には、カメラ10が捉えた穴1の断面形状(異物Fの陰も含めた形状)に内接する円の最小径を測定し、設定した閾値と比較することで判定を行っているが、この方法に限定するものではない。
図2(b)は、カメラ10が捉えた走査画像Is(穴1の断面画像)の内、走査位置L1、L4、L9のそれぞれに焦点を合わせた時の走査画像Isのイメージ図である。焦点位置を移動させる方法は、光学系12の焦点距離を固定し、光学系12の焦点位置に合うように検査ステージ40を上下させることにより行っている。
穴1内部の異物Fの位置を特定する方法として、本実施形態では、カメラ10が捉える走査画像Isの総合輝度の値(以下輝度As)の分布を解析することによって行っている。以下に具体的に説明する。
次に、検査ステージ40の位置を調整し、光学系12の下に検査対象としての被検査物2の穴1を移動させる(ステップS2)。
次に、光学系12および検査ステージ40の高さ調整により、光学系12の焦点を走査位置L1に合わせる(ステップS3)。
次に、カメラ10により、走査位置L1を撮像し、走査画像Is1を取得する(ステップS4)。
次に、画像処理部32において走査画像Is1から走査位置L1の輝度As1を求める(ステップS5)。輝度As1は、走査画像Is1を構成する各画素の持つ輝度(以下輝度Ap)の値を総計することで得られる。
引き続き、走査位置L2からL9まで同様に走査画像Is2〜Is9を取得して対応するそれぞれの輝度Asnを求める(ステップS6、S7)。
ステップS3〜ステップS7までが走査ステップとなる。
次に、検査ステップとして、被検査画像に対して所望の画像処理を行い検査・判定を行う(ステップS9)。
被検査物2に複数の穴1がある場合には、すべての穴1の検査が完了したか確認し(ステップS10)、完了した場合には、検査を終了する。完了していない場合には、別の穴1にシフトしてステップS2から繰り返す。
以上のフローにより、簡便に穴1の内部の検査を行うことができる。
その結果、検査対象の穴径が数百ミクロン以下であっても穴の内部を簡便に、短時間で検査することが可能な穴の内部検査装置を提供することができる。
次に、実施形態2に係る穴の内部検査装置および検査方法について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図5(a)は、異物Fに焦点の合っていない走査画像Isを示す図であり、図2(a)、(b)における走査位置L1やL9などに対応する走査画像Isである。焦点が合っていない部分は、図示するDに示すようなグレー領域として画像が形成される。
図5(b)は、図5(a)のX‐X′上の画素に分布する輝度Apの例を示すグラフである。穴1の外側の部分は、輝度Apが略0の黒領域であり、穴1の中央部分の輝度Apが例えば255のレベルであることを示している。異物Fの周辺の焦点が合っていない部分(Dの領域)は、輝度Apが略0から255までのグレーな遷移領域であることを示している。
図5(c)は、異物Fに略焦点の合っている走査画像Isを示す図であり、図2(a)、(b)における走査位置L4付近に対応する走査画像Isである。異物Fの周辺の焦点が合っていない部分(Dの領域)は、図5(c)に示すように図5(a)に比較して僅かになっている。
本実施形態における2値化とは、略0から255までのグレーな遷移領域に分布する輝度の値を、0と255とに2分類することである。例えば、閾値として輝度64を設定し、0を上回り64までの輝度をすべて0とし、64を上回り255までの輝度を255とする。すると、輝度Apの分布は、図5(b)、(d)の破線に示すようになり、また、走査画像Isは、それぞれ図5(e)、(f)に示すような黒画像と白画素で構成される画像(2値化走査画像)になる。
2値化を行うことにより、図6(b)のグラフに示されるように、異物Fに焦点が合うほど、白画素数が少なくなる。つまり、穴1内部の異物Fの位置は、まず、走査位置L1〜L9の各位置における走査画像Is1〜Is9を取得し、次にそれぞれの2値化走査画像を生成し、それぞれの2値化走査画像の白画素数を比較して、最も白画素数が少なくなる位置として求めることができる。次に、その位置における走査画像Isを解析(画像処理)することで異物Fの検査・判定を行う。
次に、実施形態3に係る穴の内部検査装置および検査方法について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図7(a)、(b)に示すように、ここでは、2つの穴(穴1aおよび穴1b)の検査を同時に行う場合を説明する。図7(a)に示すように、異物Fは、穴1a内の中間よりやや下方に異物Fが存在する様子を表している。
次に、穴1a内部と穴1b内部のそれぞれの画像のパターンマッチング処理により、それぞれの画像を構成する画素の対応付けを行なう。具体的には、例えば、それぞれの穴形状の重心を求め、その重心を重ねることで重なり合う画素の対応をつける方法や、あるいは、穴側面部形状(図7(b)においては円形の周形状)のパターンを重ね合わせ、重なり合う位置の画素を対応つける方法などがある。
ここで得られる輝度の差の合計値は、図7(c)のようになる。
異物Fに近い走査位置の分布ほど、輝度の差の合計値が大きくなる。つまり、穴1a内部の異物Fの位置は、最も輝度の差の合計値が大きくなる位置として求めることができる。次に、その位置における走査画像Isを解析することで異物Fの判定を行う。
穴の内部の異物検査などにおいて、複数の穴を同時に検査することが可能であり、また、一部の穴に異物が検出された場合には、異物のある部分の被検査画像を選択して検査を行うことができる。その結果、検査に必要な画像処理を行う頻度が少なくなるため、短時間で検査することが可能な穴の内部検査装置を提供することができる。
次に、実施形態4に係る穴の内部検査装置および検査方法について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図8(a)、(b)に示すように、ここでは、2つの穴(穴1aおよび穴1b)の検査を同時に行う場合を説明する。図8(a)に示すように、異物Fは、穴1a内の中間よりやや下方に異物Fが存在する様子を表している。
次に、実施形態2の場合と同様に、2値化走査画像を生成する。
ここで得られる2値化走査画像における穴1a、穴1bそれぞれの白画素数の分布は、図8(c)のようになる。穴1aの白画素数の分布は、図6(b)と同様であり、穴1bの分布は、異物Fが無いため、略直線となる。
次に、2値化走査画像における穴1aと穴1bのそれぞれを構成する白画素の数を比較し、その差異を算出する。その差異の分布は、図8(d)に示すようになる。
次に、変形例1に係る穴の内部検査装置および検査方法について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態2では、走査画像Isを構成する複数の画素の輝度Apの値を2値化して得られる2値化走査画像を利用することにより被検査画像を選択したが、本変形例では、各画素が持つ輝度Apの輝度勾配θの度合いに基づき被検査画像を選択することを特徴としている。
図9(a)は、図5(a)と同じ図である。
図9(b)は、図9(a)のX‐X′上の画素に分布する輝度Apの例を示すグラフである。
図9(c)は、図5(c)と同じ図である。
図9(d)は、図9(c)のX‐X′上の画素に分布する輝度Apの例を示すグラフである。
図9(b)、(d)のグラフにおける輝度Apの傾きθ1、θ2は、それぞれ異物Fの陰影境界付近の輝度勾配θを表している。
実施形態2では、走査画像Isを構成する複数の画素の輝度Apの値を2値化して得られる2値化走査画像を生成し、それぞれの2値化走査画像の白画素数が最も少なくなる走査位置Lnを選択したが、本変形例では、2値化走査画像の白画素数の分布のピーク点を求めて走査位置を求めることを特徴としている。
実施形態2では、図6に示すように、異物Fの付近において走査位置L3とL4とが比較され、より白画素数の少ない走査位置L4が選択される。しかし、実際の異物Fの中心位置は、走査位置L4とのズレがある。
そこで、複数の2値化走査画像に分布する白画素数を、穴1の内部の走査位置との二次関数で近似し、二次関数における白画素の値が最小となる走査位置を最適の走査位置として求める。具体的には、図6に示す二次関数で近似した近似曲線のLpの位置が、最適な位置として求められる。この最適な走査位置に対して改めて走査画像を撮像し被検査画像とする。
穴1の一方の端から他方の端まで走査して得られる複数の走査画像Isを基に得られる白画素数の情報が離散データであるのに対して、この離散データを二次関数により近似している。そのため、白画素の数が最小となる走査位置をより精度良く求めることができる。この最適な走査位置に対して改めて走査画像を撮像し被検査画像とすることで、穴の内部の異物検査などにおいて、異物のある部分に、より一層近い部分の検査を行うことができる。また、同じ走査位置精度で検査を行う場合においては、走査する間隔をより大きくすることが可能となるため、走査により複数の走査画像を取得する時間を短縮することが可能となる。
Claims (7)
- 被検査物を撮像し、前記被検査物の画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段に対向して設けられた光源と、
前記撮像手段が取得した画像を処理する画像処理手段と、を備え、
前記撮像手段は、前記撮像手段と前記光源との間に置かれた前記被検査物に貫通して形成された穴の内部を、前記光源から照射される光によって得られる画像によって前記穴の一方の端から他方の端までを所定の間隔で走査することで複数の走査画像を取得し、
前記画像処理手段は、それぞれの前記走査画像を構成する各画素が有する輝度の値の総計である総計輝度の情報に基づいて、前記複数の走査画像の中から最も総計輝度の低い前記走査画像を選択して前記被検査画像とし、画像処理を行うことで所望の検査を行い、
前記複数の走査画像の少なくとも一つは、輝度がグレーである画素を有することを特徴とする穴の内部検査装置。 - 被検査物を撮像し、前記被検査物の画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段に対向して設けられた光源と、
前記撮像手段が取得した画像を処理する画像処理手段と、を備え、
前記撮像手段は、前記撮像手段と前記光源との間に置かれた前記被検査物に貫通して形成された穴の内部を、前記光源から照射される光によって得られる画像によって前記穴の一方の端から他方の端までを所定の間隔で走査することで複数の走査画像を取得し、
前記画像処理手段は、前記複数の走査画像に分布する輝度の情報に基づいて、前記複数の走査画像の中から被検査画像を選択し、前記被検査画像に対して画像処理を行うことで所望の検査を行い、
前記複数の走査画像のそれぞれには、前記被検査物に貫通して形成された複数の穴の内部が同時に撮像された画像が含まれ、
前記画像処理手段は、
同時に撮像されたそれぞれの前記穴の内部の前記画像を構成する対応した位置のそれぞれの画素の輝度の差を算出し、
前記複数の走査画像の中から、前記輝度の差の合計値が最も大きい走査画像を選択して前記被検査画像とすることを特徴とする穴の内部検査装置。 - 被検査物を撮像し、前記被検査物の画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段に対向して設けられた光源と、
前記撮像手段が取得した画像を処理する画像処理手段と、を備え、
前記撮像手段は、前記撮像手段と前記光源との間に置かれた前記被検査物に貫通して形成された穴の内部を、前記光源から照射される光によって得られる画像によって前記穴の一方の端から他方の端までを所定の間隔で走査することで複数の走査画像を取得し、
前記画像処理手段は、前記複数の走査画像に分布する輝度の情報に基づいて、前記複数の走査画像の中から被検査画像を選択し、前記被検査画像に対して画像処理を行うことで所望の検査を行い、
前記複数の走査画像のそれぞれには、前記被検査物に貫通して形成された複数の穴の内部が同時に撮像された画像が含まれ、
前記画像処理手段は、
同時に撮像されたそれぞれの前記穴の内部の前記画像を構成する対応した位置のそれぞれの画素の輝度の差を算出し、
前記複数の走査画像の中から、前記輝度の差が所定の値を上回る前記画素の数が最も大きい走査画像を選択して前記被検査画像とすることを特徴とする穴の内部検査装置。 - 撮像手段と光源との間に置かれた被検査物に貫通して形成された穴の内部を、前記光源から照射される光によって得られる撮像画像を処理することで検査する方法であって、
前記撮像手段によって、前記穴の一方の端から他方の端までを所定の間隔で走査することで複数の走査画像を取得する走査ステップと、
それぞれの前記走査画像を構成する各画素が有する輝度の値の総計である総計輝度の情報に基づいて、前記複数の走査画像の中から最も総計輝度の低い前記走査画像を選択して前記被検査画像とする選択ステップと、
前記被検査画像に対して画像処理を行い所望の検査をする検査ステップと、を含み、
前記選択ステップでは、前記複数の走査画像の少なくとも一つは、輝度がグレーである画素を有することを特徴とする穴の内部検査方法。 - 撮像手段と光源との間に置かれた被検査物に貫通して形成された穴の内部を、前記光源から照射される光によって得られる撮像画像を処理することで検査する方法であって、
前記撮像手段によって、前記穴の一方の端から他方の端までを所定の間隔で走査することで複数の走査画像を取得する走査ステップと、
前記複数の走査画像に分布する輝度の情報に基づいて、前記複数の走査画像の中から被検査画像を選択する選択ステップと、
前記被検査画像に対して画像処理を行い所望の検査をする検査ステップと、を含み、
前記走査ステップは、前記複数の走査画像のそれぞれに、前記被検査物に貫通して形成された複数の穴の内部が同時に含まれるように撮像し、
前記選択ステップは、
同時に撮像されたそれぞれの前記穴の内部の前記画像を構成する対応した位置のそれぞれの画素の輝度の差を算出し、
前記複数の走査画像の中から、前記輝度の差の合計値が最も大きい走査画像を選択することを特徴とする穴の内部検査方法。 - 撮像手段と光源との間に置かれた被検査物に貫通して形成された穴の内部を、前記光源から照射される光によって得られる撮像画像を処理することで検査する方法であって、
前記撮像手段によって、前記穴の一方の端から他方の端までを所定の間隔で走査することで複数の走査画像を取得する走査ステップと、
前記複数の走査画像に分布する輝度の情報に基づいて、前記複数の走査画像の中から被検査画像を選択する選択ステップと、
前記被検査画像に対して画像処理を行い所望の検査をする検査ステップと、を含み、
前記走査ステップは、前記複数の走査画像のそれぞれに、前記被検査物に貫通して形成された複数の穴の内部が同時に含まれるように撮像し、
前記選択ステップは、
同時に撮像されたそれぞれの前記穴の内部の前記画像を構成する対応した位置のそれぞれの画素の輝度の差を算出し、
前記複数の走査画像の中から、前記輝度の差が所定の値を上回る前記画素の数が最も大きい走査画像を選択することを特徴とする記載の穴の内部検査方法。 - 穴の内部検査装置を、請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載の穴の内部検査方法を含み機能させることを特徴とするプログラム。
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JP2011244210A JP5891717B2 (ja) | 2011-11-08 | 2011-11-08 | 穴の内部検査装置、穴の内部検査方法、およびプログラム |
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