JP2004501900A - 塩素化ピリミジンの製造法 - Google Patents
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Abstract
例えば、4,6−ジヒドロキシピリミジン又は4−クロロ−6−メトキシピリミジンとホスゲンとの反応のために、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩を触媒として用いる、4,6−ジクロロピリミジンの容易な製造法を提供する。
Description
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は有機化学の分野に属する。本発明は、特に、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩の存在下、ホスゲンを4,6−ジヒドロキシピリミジンなどと反応させることによる4,6−ジクロロピリミジンの製造法に関する。
発明の背景
4,6−ジクロロピリミジン(DCP)は、特定の農薬の製造中間体として有用である。例えば米国特許No5,145,856及び国際特許公開WO92/08703A1には、DCPを重要な製造中間体として用いる、防かび剤として有用な特定の化合物が記載されている。
【0002】
米国特許No5,723,612には,酸スカベンジャー及び触媒として化学量論量のトリアルキルアミンを存在させて、4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンと反応させるDCPの製造法が記載されている。
【0003】
米国特許No6,018,045には、2級又は3級の飽和アミン、あるいは2級又は3級の飽和ヒンダードアミンの塩酸塩あるいは含3級窒素不飽和5員環の存在下、オキシ塩化リンを4,6−ジヒドロキシピリミジンと反応させるDCPの製造法が記載されている。塩基性アミンは酸スカベンジャーとして働く。
【0004】
リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)39104(1996年11月)には、4,6−ジヒドロキシピリミジン又は4−クロロ−6−メトキシピリミジンの塩素化によるDCPの製造法が記載されている。この反応において、塩素化剤は、式R3PCl2で表される化合物であり、式中R基はフェニル基又はアルキル基であり、あるいはR基の1つが高分子支持体に結合したものである。
【0005】
適切な酸スカベンジャーの存在下、4,6−ジヒドロキシピリミジンをホスゲンと反応させる4,6−ジクロロピリミジンの製造法が国際特許公開WO95/29166(米国特許5,750,694)に記載されている。適切な塩基は3級アミン及びヘテロ環アミンを含む。触媒の存在下、5,5−ジクロロ−4,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−トリクロロメチルピリミジン4−オンと塩素化剤を反応させる2−クロロメチル−4,5,6−トリクロロピリミジンの製造法が米国特許No4,668,788に記載されている。用いられた触媒は一般的に酸スカベンジャー(アミン)か又は塩素化剤のCl−X結合を活性化するもの(I2、硫黄、フリーデル−クラフツ触媒、記載されている種々のリン化合物など)であり、式中Xが−Cl、−SO2Cl、−NR1R2、−I、−Br、−PCl4の場合、Xが配位するか(フリーデル−クラフツ触媒の場合)、あるいはIClのように共有結合を形成して活性化する。実施例7において、ホスゲンを塩素化剤として用い、トリフェニルホスフィンオキシドを触媒として用いている。2,3−ジヒドロキシキノキサリン−6−カルボン酸の塩素化のための同様な方法が欧州特許出願公開0095637に記載されている。
【0006】
これらの文献のいずれにも、本発明によって開示される4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩の使用は示唆されていない。これらの塩は酸スカベンジャーとして働く能力はなく、Xと配位するか又は共有結合を形成して塩素化剤のCl−X結合を活性化することもない。したがって、これらの塩の効果は予測できないものであった。
発明の概要
本発明は、特定のヒドロキシ、ハロゲン及びアルコキシ置換ピリミジンとホスゲンとの反応における触媒として4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩を用いる、4,6−ジクロロピリミジンの容易な製造法を提供する。好ましい実施の形態において、4,6−ジヒドロキシピリミジン又は4−クロロ−6−メトキシピリミジンを塩化トリカプリルメチルアンモニウム又は塩化トリブチルメチルアンモニウムの存在下ホスゲンと反応させる。
発明の詳細な説明
本発明は、少なくとも1つの4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩の存在下、式(I)の化合物とホスゲンを反応させることを含む4,6−ジクロロピリミジンの製造法を提供する
【0007】
【化10】
【0008】
(式中X1及びYはヒドロキシ、C1−C4アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される)。
本発明の方法において、式(I)の出発物資は、4,6−ジヒドロキシピリミジン又は4−クロロ−6−メトキシピリミジンが好ましい。
【0009】
前記の方法において、4,6−ジヒドロキシピリミジンという場合は全て、以下の互変異性体を含むと理解されるであろう。
【0010】
【化11】
【0011】
4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩は公知の物質であり、当業界に公知の方法を用いての合成により、あるいは市販化合物より入手できる。
好ましい4級アンモニウム触媒及び4級ホスホニウム触媒の例は、式(II)の化合物を含む
【0012】
【化12】
【0013】
(式中R1,R2,R3,及びR4は分枝鎖又は直鎖のC1−C16アルキル、置換アリール、ベンジル、カプリル、フェニル、及びトリチルより独立して選択され;MはP又はNであり;そしてX2はハロゲン、硫酸水素、テトラフルオロホウ酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、過塩素酸、燐酸2水素,ヘキサフルオロアンチモン酸、又は硝酸である)。
【0014】
好ましい式(II)の化合物の例は、以下の表に示したものを含む。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
特に好ましい触媒は以下の化合物より選択される:
塩化ベンジルトリブチルアンモニウム;塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム;塩化トリカプリルメチルアンモニウム;塩化トリブチルアンモニウム;及び塩化トリブチルメチルアンモニウム。
【0018】
4級アンモニウム塩の例は、ALIQUAT 336 及びALIQUAT175を含み、コグニス社(Cognis Corporation) より入手可能である。
好ましい実施態様において、式(I)の出発物質を式(II)の触媒と共に非プロトン性溶媒に縣濁化し、最大160℃の温度に、好ましくは約90℃から160℃の間の温度に、さらに好ましくは約100℃から110℃の間の温度に、最も好ましくは
約105℃から110℃の間の温度に加熱し、ホスゲンと反応させる。
【0019】
この好ましい実施態様において適切な溶媒の例は、ブチロニトリル、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、o−トルニトリル、m−トルニトリル、アセトニトリル、o−キシレン及びプロピオニトリルを含む。あるいは、用いる溶媒はさらに低極性の溶媒であっても良く、あるいは最終生成物の、4,6−ジクロロピリジンを溶媒として用いることも出来る。
【0020】
式(I)の化合物が4,6−ジヒドロキシピリミジンの場合、好ましい溶媒はm−トルニトリル、o−トルニトリル及びニトロベンゼンを含む。さらにこの場合、式(I)の出発物質に対して、モル比で約1:100から1:5の間、特別には約1:5から1:20の間で、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩触媒を存在させることが好ましい。ホスゲンの使用量は約2.5から4モル当量が好ましい。
【0021】
式(I)の化合物が、4−クロロ−6−メトキシピリミジンの場合、好ましい溶媒はo−キシレン及びアセトニトリルを含み、あるいは溶媒なしで、即ちニートの4−クロロ−6−メトキシピリミジンで反応を行なうことが出来る。さらにこの場合、式(I)の出発物質に対して、モル比で約1:20から1:1の間、特別には約1:20から1:1.5の間で、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩触媒を存在させることが好ましい。ホスゲンの使用量は約1.1から2.2モル当量が好ましい。
【0022】
前記のように、DCPは特定の農薬の製造における中間体として有用である。例えば米国特許No5,145,856を参照として援用し、国際特許公開WO92/08703A1は、防カビ剤として有用な特定の化合物を記載しているが、これはDCPを重要な製造中間体として用いている。さらにアゾキシストロビンとして知られる市販品は、DCPを重要中間体として用い、以下の反応スキームのように製造できる。
【0023】
【化13】
【0024】
前記の反応スキームにおいて、炭酸カリウム又はナトリウムメトキシドなどの塩基を使用することが出来る。これに代わる実施態様において、出発物質は以下の構造を有するラクトンであっても良い。
【0025】
【化14】
【0026】
この場合、ナトリウムメトキシドのようなC1−C6アルコキシドの金属塩が用いられるだろう(国際特許公開WO92/08703A1を参照のこと)。
従って本発明のさらなる側面において、本発明はさらに、塩基の存在下、少なくとも1つの式
【0027】
【化15】
【0028】
の化合物又は式
【0029】
【化16】
【0030】
の化合物を用いてDCPと反応させ式
【0031】
【化17】
【0032】
の中間体を得、ついでこの中間体を塩基の存在下2−シアノフェノールと反応させてアゾキシストロビンを得るステップをさらに含む、本明細書に記載の製造法を提供する。
実施例の部
実施例1−6
4,6−ジヒドロキシピリミジン(DHP)から4,6−ジクロロピリミジン(DCP)への一般的変換法:反応槽はモートンタイプのフラスコであり、加熱マントル、機械攪拌器、温度プローブ、ホスゲン導入管(ホスゲンを反応装置に導入しない時は窒素導入管としても用いることが出来る)、及びドライアイスコンデンサーを装備している。ドライアイスコンデンサーから腐食剤洗浄装置に排気する。反応装置に4,6−ジヒドロキシピリミジン、溶媒及び触媒を入れ、縣濁液を形成させる。攪拌器を回し、混合物を105−110℃に加熱する。この温度範囲に達したとき、導入管を経由して反応混合物の表面下にホスゲンガスを導入する。ホスゲンの導入を3−5時間続ける。添加の間、反応装置から逃げるホスゲンをドライアイスコンデンサーで凝縮し反応装置に戻す。この環流はホスゲンの導入の直後に始まり、反応の進行中継続する。ホスゲンを全部導入した後、反応を完了させるために通常さらに1時間の反応時間を必要とする。この時間の間、この反応温度で反応混合物の攪拌を続ける。反応の進行は、液体クロマトグラフィ−を用いてDHPの消失をモニターすることにより確認する。反応混合物の液体クロマトグラフ分析により、反応収率を測定する。
【0033】
【表3】
表1 4,6−ジヒドロキシピリミジンからの4,6−ジクロロピリミジンの製造
【0034】
注: DHP=4,6−ジヒドロキシピリミジン
DCP=ジクロロピリミジン
BTBAC=塩化ベンジルトリブチルアンモニウム
BTPPC=塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム
TCMAC=塩化トリカプリルメチルアンモニウム(ALIQUAT336)
実施例7−12
4−クロロ−6−メトキシピリミジン(CMP)から4,6−ジクロロピリミジン(DCP)への一般的変換法:反応槽はモートンタイプのフラスコであり、加熱マントル、機械攪拌器、温度プローブ、ホスゲン導入管(ホスゲンを反応装置に導入しない時、窒素導入管としても用いることが出来る)、及びドライアイスコンデンサーを装備している。ドライアイスコンデンサーから腐食剤洗浄装置に排気する。反応容器にCMP、溶媒及び触媒を入れる。攪拌器を回転させ、混合物を100−110℃に加熱する。この温度範囲に達したとき、導入管を通して、表面下にホスゲンガスを導入する。ホスゲンの添加を3−5時間続ける。添加の間、反応装置から逃げるホスゲンをドライアイスコンデンサーで凝縮し反応装置に戻す。この環流はホスゲンの導入の直後に始まり、反応の進行中継続する。ホスゲンを全部導入した後、反応を完了させるために通常さらに1時間の反応時間を必要とする。この時間の間、反応混合物をこの反応温度で攪拌を続ける。反応の進行は液体クロマトグラフィ−(及び/又はガスクロマトグラフィー)を用いてCMPの消失をモニターすることにより確認する。反応収率は反応混合物の液体クロマトグラフ分析により測定する。
【0035】
【表4】
表2 4クロロ−6−メトキシピリミジンからの4,6−ジクロロピリミジンの製造
【0036】
注: CMP=4−クロロ−6−メトキシピリミジン
DCP=4,6−ジクロロピリミジン
TCMAC=塩化トリカプリルメチルアンモニウム(ALIQUAT336)
TMAC=塩化テトラメチルアンモニウム
TBMAC=塩化トリブチルメチルアンモニウム(ALIQUAT175)
発明の属する技術分野
本発明は有機化学の分野に属する。本発明は、特に、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩の存在下、ホスゲンを4,6−ジヒドロキシピリミジンなどと反応させることによる4,6−ジクロロピリミジンの製造法に関する。
発明の背景
4,6−ジクロロピリミジン(DCP)は、特定の農薬の製造中間体として有用である。例えば米国特許No5,145,856及び国際特許公開WO92/08703A1には、DCPを重要な製造中間体として用いる、防かび剤として有用な特定の化合物が記載されている。
【0002】
米国特許No5,723,612には,酸スカベンジャー及び触媒として化学量論量のトリアルキルアミンを存在させて、4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンと反応させるDCPの製造法が記載されている。
【0003】
米国特許No6,018,045には、2級又は3級の飽和アミン、あるいは2級又は3級の飽和ヒンダードアミンの塩酸塩あるいは含3級窒素不飽和5員環の存在下、オキシ塩化リンを4,6−ジヒドロキシピリミジンと反応させるDCPの製造法が記載されている。塩基性アミンは酸スカベンジャーとして働く。
【0004】
リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)39104(1996年11月)には、4,6−ジヒドロキシピリミジン又は4−クロロ−6−メトキシピリミジンの塩素化によるDCPの製造法が記載されている。この反応において、塩素化剤は、式R3PCl2で表される化合物であり、式中R基はフェニル基又はアルキル基であり、あるいはR基の1つが高分子支持体に結合したものである。
【0005】
適切な酸スカベンジャーの存在下、4,6−ジヒドロキシピリミジンをホスゲンと反応させる4,6−ジクロロピリミジンの製造法が国際特許公開WO95/29166(米国特許5,750,694)に記載されている。適切な塩基は3級アミン及びヘテロ環アミンを含む。触媒の存在下、5,5−ジクロロ−4,5−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−トリクロロメチルピリミジン4−オンと塩素化剤を反応させる2−クロロメチル−4,5,6−トリクロロピリミジンの製造法が米国特許No4,668,788に記載されている。用いられた触媒は一般的に酸スカベンジャー(アミン)か又は塩素化剤のCl−X結合を活性化するもの(I2、硫黄、フリーデル−クラフツ触媒、記載されている種々のリン化合物など)であり、式中Xが−Cl、−SO2Cl、−NR1R2、−I、−Br、−PCl4の場合、Xが配位するか(フリーデル−クラフツ触媒の場合)、あるいはIClのように共有結合を形成して活性化する。実施例7において、ホスゲンを塩素化剤として用い、トリフェニルホスフィンオキシドを触媒として用いている。2,3−ジヒドロキシキノキサリン−6−カルボン酸の塩素化のための同様な方法が欧州特許出願公開0095637に記載されている。
【0006】
これらの文献のいずれにも、本発明によって開示される4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩の使用は示唆されていない。これらの塩は酸スカベンジャーとして働く能力はなく、Xと配位するか又は共有結合を形成して塩素化剤のCl−X結合を活性化することもない。したがって、これらの塩の効果は予測できないものであった。
発明の概要
本発明は、特定のヒドロキシ、ハロゲン及びアルコキシ置換ピリミジンとホスゲンとの反応における触媒として4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩を用いる、4,6−ジクロロピリミジンの容易な製造法を提供する。好ましい実施の形態において、4,6−ジヒドロキシピリミジン又は4−クロロ−6−メトキシピリミジンを塩化トリカプリルメチルアンモニウム又は塩化トリブチルメチルアンモニウムの存在下ホスゲンと反応させる。
発明の詳細な説明
本発明は、少なくとも1つの4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩の存在下、式(I)の化合物とホスゲンを反応させることを含む4,6−ジクロロピリミジンの製造法を提供する
【0007】
【化10】
【0008】
(式中X1及びYはヒドロキシ、C1−C4アルコキシ及びハロゲンから独立して選択される)。
本発明の方法において、式(I)の出発物資は、4,6−ジヒドロキシピリミジン又は4−クロロ−6−メトキシピリミジンが好ましい。
【0009】
前記の方法において、4,6−ジヒドロキシピリミジンという場合は全て、以下の互変異性体を含むと理解されるであろう。
【0010】
【化11】
【0011】
4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩は公知の物質であり、当業界に公知の方法を用いての合成により、あるいは市販化合物より入手できる。
好ましい4級アンモニウム触媒及び4級ホスホニウム触媒の例は、式(II)の化合物を含む
【0012】
【化12】
【0013】
(式中R1,R2,R3,及びR4は分枝鎖又は直鎖のC1−C16アルキル、置換アリール、ベンジル、カプリル、フェニル、及びトリチルより独立して選択され;MはP又はNであり;そしてX2はハロゲン、硫酸水素、テトラフルオロホウ酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、過塩素酸、燐酸2水素,ヘキサフルオロアンチモン酸、又は硝酸である)。
【0014】
好ましい式(II)の化合物の例は、以下の表に示したものを含む。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
特に好ましい触媒は以下の化合物より選択される:
塩化ベンジルトリブチルアンモニウム;塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム;塩化トリカプリルメチルアンモニウム;塩化トリブチルアンモニウム;及び塩化トリブチルメチルアンモニウム。
【0018】
4級アンモニウム塩の例は、ALIQUAT 336 及びALIQUAT175を含み、コグニス社(Cognis Corporation) より入手可能である。
好ましい実施態様において、式(I)の出発物質を式(II)の触媒と共に非プロトン性溶媒に縣濁化し、最大160℃の温度に、好ましくは約90℃から160℃の間の温度に、さらに好ましくは約100℃から110℃の間の温度に、最も好ましくは
約105℃から110℃の間の温度に加熱し、ホスゲンと反応させる。
【0019】
この好ましい実施態様において適切な溶媒の例は、ブチロニトリル、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、o−トルニトリル、m−トルニトリル、アセトニトリル、o−キシレン及びプロピオニトリルを含む。あるいは、用いる溶媒はさらに低極性の溶媒であっても良く、あるいは最終生成物の、4,6−ジクロロピリジンを溶媒として用いることも出来る。
【0020】
式(I)の化合物が4,6−ジヒドロキシピリミジンの場合、好ましい溶媒はm−トルニトリル、o−トルニトリル及びニトロベンゼンを含む。さらにこの場合、式(I)の出発物質に対して、モル比で約1:100から1:5の間、特別には約1:5から1:20の間で、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩触媒を存在させることが好ましい。ホスゲンの使用量は約2.5から4モル当量が好ましい。
【0021】
式(I)の化合物が、4−クロロ−6−メトキシピリミジンの場合、好ましい溶媒はo−キシレン及びアセトニトリルを含み、あるいは溶媒なしで、即ちニートの4−クロロ−6−メトキシピリミジンで反応を行なうことが出来る。さらにこの場合、式(I)の出発物質に対して、モル比で約1:20から1:1の間、特別には約1:20から1:1.5の間で、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩触媒を存在させることが好ましい。ホスゲンの使用量は約1.1から2.2モル当量が好ましい。
【0022】
前記のように、DCPは特定の農薬の製造における中間体として有用である。例えば米国特許No5,145,856を参照として援用し、国際特許公開WO92/08703A1は、防カビ剤として有用な特定の化合物を記載しているが、これはDCPを重要な製造中間体として用いている。さらにアゾキシストロビンとして知られる市販品は、DCPを重要中間体として用い、以下の反応スキームのように製造できる。
【0023】
【化13】
【0024】
前記の反応スキームにおいて、炭酸カリウム又はナトリウムメトキシドなどの塩基を使用することが出来る。これに代わる実施態様において、出発物質は以下の構造を有するラクトンであっても良い。
【0025】
【化14】
【0026】
この場合、ナトリウムメトキシドのようなC1−C6アルコキシドの金属塩が用いられるだろう(国際特許公開WO92/08703A1を参照のこと)。
従って本発明のさらなる側面において、本発明はさらに、塩基の存在下、少なくとも1つの式
【0027】
【化15】
【0028】
の化合物又は式
【0029】
【化16】
【0030】
の化合物を用いてDCPと反応させ式
【0031】
【化17】
【0032】
の中間体を得、ついでこの中間体を塩基の存在下2−シアノフェノールと反応させてアゾキシストロビンを得るステップをさらに含む、本明細書に記載の製造法を提供する。
実施例の部
実施例1−6
4,6−ジヒドロキシピリミジン(DHP)から4,6−ジクロロピリミジン(DCP)への一般的変換法:反応槽はモートンタイプのフラスコであり、加熱マントル、機械攪拌器、温度プローブ、ホスゲン導入管(ホスゲンを反応装置に導入しない時は窒素導入管としても用いることが出来る)、及びドライアイスコンデンサーを装備している。ドライアイスコンデンサーから腐食剤洗浄装置に排気する。反応装置に4,6−ジヒドロキシピリミジン、溶媒及び触媒を入れ、縣濁液を形成させる。攪拌器を回し、混合物を105−110℃に加熱する。この温度範囲に達したとき、導入管を経由して反応混合物の表面下にホスゲンガスを導入する。ホスゲンの導入を3−5時間続ける。添加の間、反応装置から逃げるホスゲンをドライアイスコンデンサーで凝縮し反応装置に戻す。この環流はホスゲンの導入の直後に始まり、反応の進行中継続する。ホスゲンを全部導入した後、反応を完了させるために通常さらに1時間の反応時間を必要とする。この時間の間、この反応温度で反応混合物の攪拌を続ける。反応の進行は、液体クロマトグラフィ−を用いてDHPの消失をモニターすることにより確認する。反応混合物の液体クロマトグラフ分析により、反応収率を測定する。
【0033】
【表3】
表1 4,6−ジヒドロキシピリミジンからの4,6−ジクロロピリミジンの製造
【0034】
注: DHP=4,6−ジヒドロキシピリミジン
DCP=ジクロロピリミジン
BTBAC=塩化ベンジルトリブチルアンモニウム
BTPPC=塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム
TCMAC=塩化トリカプリルメチルアンモニウム(ALIQUAT336)
実施例7−12
4−クロロ−6−メトキシピリミジン(CMP)から4,6−ジクロロピリミジン(DCP)への一般的変換法:反応槽はモートンタイプのフラスコであり、加熱マントル、機械攪拌器、温度プローブ、ホスゲン導入管(ホスゲンを反応装置に導入しない時、窒素導入管としても用いることが出来る)、及びドライアイスコンデンサーを装備している。ドライアイスコンデンサーから腐食剤洗浄装置に排気する。反応容器にCMP、溶媒及び触媒を入れる。攪拌器を回転させ、混合物を100−110℃に加熱する。この温度範囲に達したとき、導入管を通して、表面下にホスゲンガスを導入する。ホスゲンの添加を3−5時間続ける。添加の間、反応装置から逃げるホスゲンをドライアイスコンデンサーで凝縮し反応装置に戻す。この環流はホスゲンの導入の直後に始まり、反応の進行中継続する。ホスゲンを全部導入した後、反応を完了させるために通常さらに1時間の反応時間を必要とする。この時間の間、反応混合物をこの反応温度で攪拌を続ける。反応の進行は液体クロマトグラフィ−(及び/又はガスクロマトグラフィー)を用いてCMPの消失をモニターすることにより確認する。反応収率は反応混合物の液体クロマトグラフ分析により測定する。
【0035】
【表4】
表2 4クロロ−6−メトキシピリミジンからの4,6−ジクロロピリミジンの製造
【0036】
注: CMP=4−クロロ−6−メトキシピリミジン
DCP=4,6−ジクロロピリミジン
TCMAC=塩化トリカプリルメチルアンモニウム(ALIQUAT336)
TMAC=塩化テトラメチルアンモニウム
TBMAC=塩化トリブチルメチルアンモニウム(ALIQUAT175)
Claims (11)
- X1及びYがヒドロキシである請求項1に記載の方法。
- X1がC1−C4アルコキシであり、Yがハロゲンである請求項1に記載の方法。
- X1がメトキシで、Yがクロロである請求項1に記載の方法。
- 式(II)の化合物が塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、臭化ベンジルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム、塩化トリカプリルメチルアンモニウム、塩化トリブチルアンモニウム及び塩化トリブチルメチルアンモニウムからなる群から選択される請求項2に記載の方法。
- X1及びYがヒドロキシである請求項6に記載の方法。
- X1がメトキシであり、Yがクロロである請求項6に記載の方法
- C1−C6アルコキシドの金属塩がナトリウムメトキシドである、請求項10に記載の方法。
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