JP2004363574A - 化学機械研磨剤キットおよびこれを用いた化学機械研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)を用いて研磨した後、前記化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物(B)を併用して化学機械研磨する方法、および化学機械研磨用水系分散体(A)と化学機械研磨用水系組成物(B)とからなる化学機械研磨剤キット。
【選択図】 図1
Description
従来、ディッシングやエロージョン等を抑えてウェハ表面の平滑性を向上させるため、さらにはスクラッチおよびコロージョンを防止するために、種々の研磨用組成物が提案されている。
用組成物がディッシングやスクラッチの抑制に効果があることが開示されている。特開平特許文献2には、研磨剤、α−アラニン、過酸化水素、および水からなる研磨用組成物がディッシングおよびエロージョンの抑制に有効であり、平滑性に優れた研磨面が得られることが開示されている。特許文献3には、水系媒体、研磨材、酸化剤、および有機酸を含む化学機械研磨用スラリーが表面の不完全性、欠陥、腐食を最小限に調整できることが開示されている。また、界面活性剤がウェハ表面の平滑性改良に効果的であることが開示されている。
機械研磨用水系分散体(A)の砥粒濃度の1/2以下の濃度で砥粒を含有し、(ii)複素環含有有機化合物を0.005〜3重量%の濃度で含有することが好ましく、界面活性剤を0.005〜1重量%の濃度でさらに含有することも好ましい。
前記金属層を、砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)を供給しながら、前記金属配線部以外の非配線領域において前記金属層と異なる層が露出するまで研磨し、
次いで、該研磨において前記非配線領域に残存した金属層を、前記水系分散体(A)に加えて、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物(B)を供給しながら研磨する
ことを特徴としている。
本発明に係る化学機械研磨剤キットは、砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)と、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有し、前記化学機械研磨用水系分散体(A)と混合状態にない化学機械研磨用水系組成物(B)との組み合わせからなる。この
化学機械研磨剤キットは、化学機械研磨に使用する前は、化学機械研磨用水系分散体(A)と化学機械研磨用水系組成物(B)とが混合状態ではないが、化学機械研磨に使用する際には、化学機械研磨用水系分散体(A)単独で、または化学機械研磨用水系分散体(A)と化学機械研磨用水系組成物(B)とを混合して使用される。なお、ここでいう「混合」とは、研磨時に水系分散体(A)と水系組成物(B)とが混合されている状態を意味し、たとえば、水系分散体(A)と水系組成物(B)とを、予め混合して研磨装置に供給してもよいし、それぞれ独立に研磨装置に供給して研磨装置内または研磨パッド上で混合してもよい。
化学機械研磨用水系分散体(A)は、金属膜を研磨するための化学機械研磨用水系分散体であれば特にその組成に限定されるものではないが、砥粒を含有し、必要に応じて、複素環含有有機化合物、界面活性剤、酸化剤を含有することが好ましい。
水系分散体(A)に用いられる砥粒としては、無機粒子または有機無機複合粒子が好ましい。無機粒子としては、ヒュームド法により、塩化ケイ素、塩化アルミニウムまたは塩化チタン等と酸素および水素とを気相中で反応させて合成されたヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタアニア;ゾルゲル法により、金属アルコキシドを加水分解縮合して合成されたシリカ;無機コロイド法等により合成され、精製により不純物を除去した高純度コロイダルシリカ等が挙げられる。
したがって、特定の有機粒子と無機粒子とを、これらのゼータ電位が逆符号となるpH域で混合することによって、静電力により有機粒子と無機粒子とが結合し、一体化して複合粒子を形成することができる。また、混合時のpHではゼータ電位が同符号であっても
、その後、pHを変化させ、一方の粒子、特に無機粒子のゼータ電位を逆符号にすることによって、有機粒子と無機粒子とを一体化することもできる。
水系分散体(A)に用いられる複素環含有有機化合物としては、少なくとも1個の窒素原子を有する複素五員環および複素六員環からなる群から選択される少なくとも1種の複素環を含有する有機化合物が挙げられる。前記複素環としては、ピロール構造、イミダゾール構造、トリアゾール構造などの複素五員環;ピリジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ピラジン構造などの複素六員環が挙げられる。このような複素環は縮合環を形成していてもよい。具体的には、インドール構造、イソインドール構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キナゾリン構造、シンノリン構造、フタラジン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造などが挙げられる。
必要はない。
水系分散体(A)に用いられる界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤が挙げられる。
水系分散体(A)に用いられる酸化剤としては、過酸化水素;過酢酸、過安息香酸、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸化合物;重クロム酸カリウム等の重クロム酸化合物;ヨウ素酸カリウム等のハロゲン酸化合物;硝酸、硝酸鉄等の硝酸化合物;過塩素酸等の過ハロゲン酸化合物;過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;およびヘテロポリ酸などが挙げられる。これらの酸化剤を含有することにより、研磨速度をより大きく向上させることができる。
これらの酸化剤は、化学機械研磨用水系分散体(A)全量に対して、好ましくは0.01〜9重量%、より好ましくは0.02〜6重量%、特に好ましくは0.03〜5重量%の量で含有される。酸化剤の量が0.01重量%未満になると銅の酸化作用が不十分となり、十分な研磨速度が得られないことがある。酸化剤を9重量%を含有すれば十分な効果が得られ、経済性を考慮すると9重量%を超えて含有させる必要はない。
化学機械研磨用水系分散体(A)は、上記成分の他、さらに必要に応じて各種の添加剤を含有することができる。これにより、分散安定性をさらに向上させたり、研磨速度を高めたり、硬度の異なる被研磨膜など2種以上の被研磨膜等の研磨に用いた場合にこれらの被研磨膜についての研磨速度の差異を調整したりすることができる。
ンゴ酸、グリコール酸、マロン酸、ギ酸、シユウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸およびフタル酸等が挙げられる。無機酸としては、硝酸、硫酸およびリン酸等が挙げられる。これらの酸は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、グリシン、アラニン、グルタミン酸などのアミノ酸;尿素、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性高分子も必要に応じて使用することができる。
化学機械研磨用水系組成物(B)は、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物であれば特にその組成に限定されるものではないが、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、砥粒、界面活性剤、酸化剤を含有することができる。また、上記化学機械研磨用水系分散体(A)の場合と同様に、各成分を適宜選択し、必要に応じてpH調整することによって、研磨速度を調整することにより、所要の研磨性能を有する化学機械研磨用水系組成物(B)を得ることができる。
水系組成物(B)に用いられる複素環含有有機化合物としては、上記水系分散体(A)で例示した複素環含有有機化合物と同様のものが例示できる。水系組成物(B)に含まれる複素環含有有機化合物は、水系分散体(A)に含まれる複素環含有有機化合物と同じであってもよいし、異なっていてもよい。この複素環含有有機化合物は、化学機械研磨用水系組成物(B)全量に対して、通常0.005〜3重量%の量で含有される。複素環含有有機化合物の量が0.005重量%未満になるとディッシングおよびエロージョンの拡大やコロージョンの発生を抑制ができないことがある。複素環含有有機化合物を3重量%含有すれば十分な効果が得られ、経済性を考慮すると3重量%を超えて含有する必要はない。
化学機械研磨用水系組成物(B)は、砥粒を含有しないことが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲の量で砥粒を含有してもよい。砥粒を含有する場合、砥粒濃度は上記水系分散体(A)の砥粒濃度の1/2以下が好ましい。水系組成物(B)が砥粒を含有しないか、あるいは上記砥粒濃度の範囲で砥粒を含有すると、ディッシングの拡大が抑制され、また、コロージョンも発生しないため、歩留まりの低下を防止することができる。
水系組成物(B)に用いられる界面活性剤としては、上記水系分散体(A)で例示した界面活性剤と同様のものが例示できる。水系組成物(B)に含まれる界面活性剤は、水系分散体(A)に含まれる界面活性剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。この界面活性剤は、化学機械研磨用水系組成物(B)全量に対して、好ましくは0.005〜1重量%の量で含有される。界面活性剤の量が0.005重量%以上になるとディッシング、エロージョン等を十分に抑制することができるが、研磨速度の低下や発泡等が抑制できる点から1重量%以下が好ましい。
化学機械研磨用水系組成物(B)は、酸化剤を含有しないことが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲の量で酸化剤を含有してもよい。酸化剤を含有する場合、酸化剤濃度は上記水系分散体(A)の酸化剤濃度の1/2以下が好ましい。水系組成物(B)が酸化剤を含有しないか、あるいは上記酸化剤濃度の範囲で酸化剤を含有すると、ディッシングの拡大が抑制され、また、コロージョンも発生しないため、歩留まりの低下を防止することができる。
本発明に係る化学機械研磨方法は、溝部を有する基材と該溝部に埋設された金属材料とからなり、該金属材料が金属配線部を形成する配線基板(図1(c)および図2(c))を製造する際に、該配線基板の金属配線部を有する面上に形成された金属層を化学機械研磨する方法であって、前記金属層を、上記化学機械研磨用水系分散体(A)を供給しながら研磨し、次いで、この研磨において前記非配線領域に残存した金属層を、上記化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて化学機械研磨用水系組成物(B)を供給しながら研磨する方法である。前記基材は、必要に応じて、溝部の底面および内壁面、ならびに溝部を有する基材面にバリアメタル層を有していてもよい(図2)。
金属配線部分および金属層を形成する金属としては、純タングステン、純アルミニウム、純銅等の純金属;タングステン、アルミニウム、銅等と他の金属との合金が挙げられる。非配線部分を構成する材料は、絶縁性を有する材料であれば特に限定されないが、酸化ケイ素、絶縁性樹脂などが挙げられる。バリアメタル層を構成する金属としては、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン等が挙げられる。
記化学機械研磨用水系分散体(A)を供給しながら金属層4を研磨する。この研磨は、配線基板の金属配線部1以外の非配線領域2aにおいて金属層4と異なる層が露出した時点(エンドポイント(図1(b)または図2(b))まで実施する。金属層4と異なる層は、基材2aまたはバリアメタル層3bである。このエンドポイントは、研磨中のモーターへの電流値を測定することによりトルクの変化を検知して決定したり、渦電流法で検出して決定したり、被研磨表面の色の変化を光学的に検出して決定したりすることができる。
上記のような水系分散体(A)のみを用いた上記エンドポイントまでの研磨では、非配線領域に金属層が一部残存していることが多い(図1(b)または図2(b))。そこで、上記エンドポイントまで研磨した後、引き続いて、上記化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて上記化学機械研磨用水系組成物(B)を供給しながら所定時間、オーバー研磨して残存した金属層4aを除去する。オーバー研磨時間は、実験的に適宜設定されるが、通常、上記エンドポイントまでの研磨時間の0〜50%の時間が好ましい。また、研磨パッドの種類、キャリア荷重、キャリア回転数、定盤回転数、水系分散体(A)の流量、水系組成物(B)の流量などの研磨条件は、研磨される金属層の材質により適宜決定される。オーバー研磨時の水系分散体(A)の流量は、上記エンドポイントまでの研磨時の水系分散体(A)の流量以下が好ましい。また、水系組成物(B)の流量は、水系分散体(A)の流量の0.5〜2倍が好ましい。
このように、水系分散体(A)のみを供給して、基材またはバリアメタル層が露出するまで研磨した後、水系分散体(A)に加えて水系組成物(B)を供給してオーバー研磨することにより、ディッシングの拡大を防止し、かつ銅残りのない研磨を達成することができる。また、本発明に係る化学機械研磨方法では、コロージョン発生もなく、平坦かつ良好な金属配線基板を得ることができる。さらに、本発明に係る化学機械研磨方法によると、水系分散体(A)のみを用いてエンドポイントまで研磨した後、水系組成物(B)の供給を加えるだけで容易に研磨することができ、上記のような金属配線基板を得ることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例における「部」および「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
(ヒュームドシリカ粒子含有水分散体の調製)
ヒュームドシリカ粒子(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル#90)100重量部を、イオン交換水900重量部に超音波分散機によって分散し、孔径5μmのフィルターを通して濾過し、ヒュームドシリカ粒子を10重量%含有する水分散体(1)を調
製した。
(コロイダルシリカ含有水分散体の調製)
容量2リットルのフラスコに、濃度25重量%のアンモニア水70重量部、イオン交換水40重量部、エタノール175重量部およびテトラエトキシシラン21重量部を仕込み、180rpmで攪拌しながら60℃に昇温した。この温度で2時間攪拌を継続した後、冷却し、平均粒子径が97nmのコロイダルシリカを含有するアルコール分散体を得た。次いで、エバポレータを用いて、この分散体に80℃でイオン交換水を添加しながらアルコールを除去した。この操作を数回繰り返して分散体中のアルコールを十分に除去し、平均粒子径が97nmのコロイダルシリカを10重量%含む水分散体(2)を調製した。
(複合粒子からなる砥粒を含む水分散体の調製)
容量2リットルのフラスコに、メチルメタクリレ−ト90重量部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名:NKエステルM−90G #400)5重量部、4−ビニルピリジン5重量部、アゾ系重合開始剤(和光純薬(株)製、商品名:V50)2重量部、およびイオン交換水400重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら70℃に昇温した。この温度で6時間重合し、アミノ基の陽イオンおよびポリエチレングリコール鎖を有する官能基を備え、平均粒子径150nmのポリメチルメタクリレート系粒子を含む水分散体を得た。重合収率は95%であった。このポリメチルメタクリレート系粒子を10重量%含む水分散体100重量部を容量2リットルのフラスコに仕込み、これにメチルトリメトキシシラン1重量部を添加し、40℃で2時間攪拌した。その後、コロイダルシリカ(日産化学(株)製、商品名:スノーテックスO)を10重量%含む水分散体50重量部を2時間かけて徐々に添加して混合し、さらに2時間攪拌して、ポリメチルメタクリレート系粒子にシリカ粒子が付着した粒子を含む水分散体を得た。次いで、この水分散体に、ビニルトリエトキシシラン2重量部を添加して1時間攪拌した後、さらにテトラエトキシシラン1重量部を添加し、60℃に昇温し、3時間攪拌を継続した。その後、冷却して複合粒子を10重量%含む水分散体(3)を得た。この複合粒子は、平均粒子径が180nmであり、ポリメチルメタクリレート系粒子表面の80%にシリカ粒子が付着した粒子であった。
(1)化学機械研磨用水系分散体(A)の調製
所定量のイオン交換水を容量10リットルのポリエチレン製の容器に仕込み、これに表1に記載の複素環含有化合物と界面活性剤とをそれぞれ表1に記載の濃度となるように添加し、十分に攪拌した。これに、攪拌しながら表1に記載の酸化剤を表1に記載の濃度となるように添加した。次いで、上記調製例で調製した水分散体を、砥粒濃度が表1に記載の濃度となるように添加し、十分に攪拌した。その後、孔径5μmのフィルターを通して濾過し、化学機械研磨用水系分散体(A)を得た。
上記(1)の化学機械研磨用水系分散体(A)の調製と同様にして、イオン交換水に、表1に記載の各成分を表1に記載の濃度となるように添加し、化学機械研磨用水系組成物(B)を得た。
銅配線パターンを有する市販のウェハ(SEMATECH#831、金属配線部分および金属層:Cu、非配線部分:SiO2、バリアメタル層:Ta)を研磨装置(荏原製作
所製、型式:EPO112)に装着し、化学機械研磨用水系分散体(A)を表2に記載の
流量で供給しながら、下記条件でウェハを研磨した。エンドポイントはウェハの非配線部分の銅層が除去された時点、すなわち、非配線部分上のバリアメタル層が露出した時点とし、これをテーブル電流値の変化(トルクの変化)で検知して決定した。
研磨パッド :Rodel(米国)社製、商品名:IC1000−
050−(603)−(P)−S400J
キャリア荷重 :200g/cm2
キャリア回転数:80rpm
定盤回転数 :100rpm
上記エンドポイントまでの研磨に引き続いて、化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて化学機械研磨用水系組成物(B)を表2に記載の流量で供給しながら、上記研磨条件と同一の条件でウェハをオーバー研磨した。オーバー研磨時間は、エンドポイントまでの研磨時間の20%とした。
上記(3)で研磨したウェハの100μm配線部について、精密段差計(KLAテンコール社製)HRPを用いて、絶縁膜またはバリアメタル層により形成される平面と、配線部分の最低部位との距離(高低差)を測定し、ディッシングを評価した。結果を表2に示す。
上記(3)で研磨したウェハ上の全ての0.35μm配線部を光学顕微鏡で観察して、銅残りの有無を確認した。結果を表2に示す。
上記(3)で研磨したウェハの0.35μm配線部について、銅配線のエッジ部分を走査型電子顕微鏡で観察してコロージョンの有無を確認した。結果を表2に示す。
実施例1で使用した化学機械研磨用水系分散体(A)を用いて、実施例1と同様にしてエンドポイントまでウェハを研磨した。次いで、化学機械研磨用水系分散体(A)のみを表3に記載の流量で供給した以外は、実施例1と同様にしてウェハをオーバー研磨した。得られたウェハを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
(1)化学機械研磨用水系組成物(b)の調製
所定量のイオン交換水を容量10リットルのポリエチレン製の容器に仕込み、これに、攪拌しながら過酸化水素を表3に記載の濃度となるように添加した。次いで、上記調製例で調製した水分散体(2)を、砥粒濃度が0.01%となるように添加し、十分に攪拌した。その後、孔径5μmのフィルターを通して濾過し、化学機械研磨用水系組成物(b)を得た。
実施例1で使用した化学機械研磨用水系分散体(A)を用いて、実施例1と同様にしてエンドポイントまでウェハを研磨した。次いで、化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて化学機械研磨用水系組成物(b)を表3に記載の流量で供給した以外は、実施例1と同様にしてウェハをオーバー研磨した。得られたウェハを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
実施例1で使用した化学機械研磨用水系分散体(A)を用いて、実施例1と同様にしてエンドポイントまでウェハを研磨した。得られたウェハを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
図3に、実施例1および比較例1における、エンドポイントまでの研磨時間に対するオーバー研磨時間の割合とディッシングの関係を示す。化学機械研磨用水系組成物(B)を使用することにより、オーバー研磨によるディッシングの増大が抑制されたことが分かる。
2 基材
2a 非配線領域
3a 基材の溝部のバリアメタル層
3b 非配線領域上のバリアメタル層
4 金属層
4a 残存した金属層
Claims (7)
- 砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)と、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有し、前記化学機械研磨用水系分散体(A)と混合状態にない化学機械研磨用水系組成物(B)との組み合わせからなる化学機械研磨剤キット。
- 前記化学機械研磨用水系組成物(B)が、界面活性剤をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の化学機械研磨剤キット。
- 前記化学機械研磨用水系組成物(B)が、
(i)砥粒を含有しないか、または前記化学機械研磨用水系分散体(A)の砥粒濃度の1
/2以下の濃度で砥粒を含有し、
(ii)複素環含有有機化合物を0.005〜3重量%の濃度で含有する
ことを特徴とする請求項1に記載の化学機械研磨剤キット。 - 前記化学機械研磨用水系組成物(B)が、界面活性剤を0.005〜1重量%の濃度でさらに含有することを特徴とする請求項3に記載の化学機械研磨剤キット。
- 前記化学機械研磨用水系分散体(A)が酸化剤をさらに含有し、
前記化学機械研磨用水系組成物(B)が、
酸化剤を含有しないか、または前記化学機械研磨用水系分散体(A)の酸化剤濃度の1/2以下の濃度で酸化剤を含有する
ことを特徴とする請求項3に記載の化学機械研磨剤キット。 - 前記化学機械研磨用水系分散体(A)が、砥粒を0.01〜5重量%の濃度で含有し、複素環含有有機化合物を0.01〜5重量%の濃度で含有し、界面活性剤を0.01〜2重量%濃度で含有し、酸化剤を0.01〜9重量%濃度で含有することを特徴とする請求項1に記載の化学機械研磨剤キット。
- 溝部を有する基材と該溝部に埋設された金属材料とからなり、該金属材料が金属配線部を形成する配線基板を製造する際に、該配線基板の金属配線部を有する面上に形成された金属層を化学機械研磨する方法であって、
前記金属層を、砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)を供給しながら、前記金属配線部以外の非配線領域において前記金属層と異なる層が露出するまで研磨し、
次いで、該研磨において前記非配線領域に残存した金属層を、前記水系分散体(A)に加えて、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物(B)を供給しながら研磨する
ことを特徴とする化学機械研磨方法。
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