JP2004363574A - 化学機械研磨剤キットおよびこれを用いた化学機械研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ディッシングの拡大および配線部の腐食を防止して、歩留まりを向上させることができる研磨方法およびこれに用いる研磨剤を提供すること。
【解決手段】 砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)を用いて研磨した後、前記化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物(B)を併用して化学機械研磨する方法、および化学機械研磨用水系分散体(A)と化学機械研磨用水系組成物(B)とからなる化学機械研磨剤キット。
【選択図】 図1

Description

本発明は、砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体と、複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物ととからなる化学機械研磨剤キットに関する。
近年、半導体装置の高密度化に伴い、形成される配線の微細化が進んでいる。この配線のさらなる微細化を達成することができる技術として注目されている方法にダマシン法がある。この方法は、絶縁材中に形成された溝などに配線材料を埋め込んだ後、余剰な配線材料を化学機械研磨により除去することによって所望の配線を形成する方法である。
従来の化学機械研磨では、たとえば、銅を配線材料として配線形成した場合、銅配線部が過剰に研磨されるため、銅配線部が凹状になることがあった。このような凹状の配線形状は、「ディッシング」または「エロージョン」と呼ばれ、半導体装置の歩留まりを低下させる原因となっていた。
ディッシングを小さくするために研磨時間を必要最小限にすると、絶縁材やバリアメタル層の表面に銅が残留する傾向がある。このような残留物があると、バリアメタル研磨後も絶縁材表面に銅が残留することがあり、歩留まりが大きく低下する原因となっていた。
また、配線上や絶縁材上のスクラッチ、研磨中に銅配線部が腐食される「コロージョン」が発生すると歩留まりに大きく影響するという問題もあった。
従来、ディッシングやエロージョン等を抑えてウェハ表面の平滑性を向上させるため、さらにはスクラッチおよびコロージョンを防止するために、種々の研磨用組成物が提案されている。
たとえば、特許文献1には、研磨剤、水、および鉄(III)化合物からなる銅膜の研磨
用組成物がディッシングやスクラッチの抑制に効果があることが開示されている。特開平特許文献2には、研磨剤、α−アラニン、過酸化水素、および水からなる研磨用組成物がディッシングおよびエロージョンの抑制に有効であり、平滑性に優れた研磨面が得られることが開示されている。特許文献3には、水系媒体、研磨材、酸化剤、および有機酸を含む化学機械研磨用スラリーが表面の不完全性、欠陥、腐食を最小限に調整できることが開示されている。また、界面活性剤がウェハ表面の平滑性改良に効果的であることが開示されている。
現実の化学機械研磨においては、バリアメタル層上の余分な銅を研磨で完全に除去するには、バリアメタル層が露出した後もさらに研磨(オーバー研磨)する必要がある。その際、幅広い配線部分のディッシングが大きくなったり、オーバー研磨時に銅配線部の腐食(コロージョン)が発生するという問題があった。このような問題は、歩留まりが大きく低下する原因となっていた。このため、オーバー研磨時のディッシングの拡大やコロージョンの発生を完全に防止する方法が求められていた。すなわち、研磨工程における歩留まり向上の観点から、高性能な研磨方法およびこれに用いる研磨剤の開発が望まれていた。
特開平10−163141号公報 特開2000−160141号公報 特開平10−44047号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、オーバー研磨時のディッシングの拡大および配線部の腐食を防止して、歩留まりを向上させることができる研磨方法およびこれに用いる研磨剤を提供することを課題としている。
本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究し、砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)を用いて研磨した後、前記化学機械研磨用水系分散体(A)と、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物(B)とを併用して研磨することによって、オーバー研磨時のディッシングの拡大および配線部の腐食を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る化学機械研磨剤キットは、砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)と、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有し、前記化学機械研磨用水系分散体(A)と混合状態にない化学機械研磨用水系組成物(B)との組み合わせからなることを特徴とし、前記化学機械研磨用水系組成物(B)が、界面活性剤をさらに含有することが好ましい。
前記化学機械研磨用水系組成物(B)は、(i)砥粒を含有しないか、または前記化学
機械研磨用水系分散体(A)の砥粒濃度の1/2以下の濃度で砥粒を含有し、(ii)複素環含有有機化合物を0.005〜3重量%の濃度で含有することが好ましく、界面活性剤を0.005〜1重量%の濃度でさらに含有することも好ましい。
また、前記化学機械研磨用水系分散体(A)は酸化剤をさらに含有し、前記化学機械研磨用水系組成物(B)は、酸化剤を含有しないか、または前記化学機械研磨用水系分散体(A)の酸化剤濃度の1/2以下の濃度で酸化剤を含有することが好ましい。
前記化学機械研磨用水系分散体(A)は、砥粒を0.01〜5重量%の濃度で含有し、複素環含有有機化合物を0.01〜5重量%の濃度で含有し、界面活性剤を0.01〜2重量%濃度で含有し、酸化剤を0.01〜9重量%濃度で含有することが好ましい。
本発明に係る化学機械研磨方法は、溝部を有する基材と該溝部に埋設された金属材料とからなり、該金属材料が金属配線部を形成する配線基板を製造する際に、該配線基板の金属配線部を有する面上に形成された金属層を化学機械研磨する方法であって、
前記金属層を、砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)を供給しながら、前記金属配線部以外の非配線領域において前記金属層と異なる層が露出するまで研磨し、
次いで、該研磨において前記非配線領域に残存した金属層を、前記水系分散体(A)に加えて、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物(B)を供給しながら研磨する
ことを特徴としている。
本発明に係る化学機械研磨剤キットおよびこれを用いた化学機械研磨方法は、オーバー研磨によるディッシングの拡大、コロージョンの発生を抑制することができ、歩留まりの低下を防止できる。
〔化学機械研磨剤キット〕
本発明に係る化学機械研磨剤キットは、砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)と、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有し、前記化学機械研磨用水系分散体(A)と混合状態にない化学機械研磨用水系組成物(B)との組み合わせからなる。この
化学機械研磨剤キットは、化学機械研磨に使用する前は、化学機械研磨用水系分散体(A)と化学機械研磨用水系組成物(B)とが混合状態ではないが、化学機械研磨に使用する際には、化学機械研磨用水系分散体(A)単独で、または化学機械研磨用水系分散体(A)と化学機械研磨用水系組成物(B)とを混合して使用される。なお、ここでいう「混合」とは、研磨時に水系分散体(A)と水系組成物(B)とが混合されている状態を意味し、たとえば、水系分散体(A)と水系組成物(B)とを、予め混合して研磨装置に供給してもよいし、それぞれ独立に研磨装置に供給して研磨装置内または研磨パッド上で混合してもよい。
(A)化学機械研磨用水系分散体
化学機械研磨用水系分散体(A)は、金属膜を研磨するための化学機械研磨用水系分散体であれば特にその組成に限定されるものではないが、砥粒を含有し、必要に応じて、複素環含有有機化合物、界面活性剤、酸化剤を含有することが好ましい。
(砥粒)
水系分散体(A)に用いられる砥粒としては、無機粒子または有機無機複合粒子が好ましい。無機粒子としては、ヒュームド法により、塩化ケイ素、塩化アルミニウムまたは塩化チタン等と酸素および水素とを気相中で反応させて合成されたヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタアニア;ゾルゲル法により、金属アルコキシドを加水分解縮合して合成されたシリカ;無機コロイド法等により合成され、精製により不純物を除去した高純度コロイダルシリカ等が挙げられる。
有機無機複合粒子としては、有機粒子と無機粒子とが、研磨時に、容易に分離しない程度に一体に形成されていれば、その種類、構成等は特に限定されない。たとえば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等の重合体粒子の存在下で、アルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等を重縮合させ、重合体粒子の少なくとも表面に、ポリシロキサン、ポリアルミノキサン、ポリチタノキサン等の重縮合物が形成された複合粒子が挙げられる。形成された重縮合物は、重合体粒子の官能基に直接結合していてもよいし、シランカップリング剤等を介して結合していてもよい。
また、有機無機複合粒子は、前記重合体粒子と、シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子等とを用いて形成してもよい。この場合、前記複合粒子は、ポリシロキサン、ポリアルミノキサン、ポリチタノキサン等の重縮合物をバインダーとして、重合体粒子の表面にシリカ粒子等が存在するように形成されていてもよいし、シリカ粒子等が有するヒドロキシル基等の官能基と、重合体粒子の官能基とが化学的に結合して形成されていてもよい。
さらに、有機無機複合粒子として、ゼータ電位の符号が互いに異なる有機粒子と無機粒子とが、これらの粒子を含む水分散体において、静電力により結合している複合粒子を使用することもできる。
有機粒子のゼータ電位は、全pH域、または低pH域を除く広範なpH域に渡って、負であることが多い。有機粒子は、カルボキシル基、スルホン酸基等を有すると、より確実に負のゼータ電位を有することが多い。有機粒子がアミノ基等を有すると、特定のpH域において正のゼータ電位を有することもある。
一方、無機粒子のゼータ電位は、pH依存性が高く、ゼータ電位が0となる等電点を有し、pHによってその前後でゼータ電位の符号が逆転する。
したがって、特定の有機粒子と無機粒子とを、これらのゼータ電位が逆符号となるpH域で混合することによって、静電力により有機粒子と無機粒子とが結合し、一体化して複合粒子を形成することができる。また、混合時のpHではゼータ電位が同符号であっても
、その後、pHを変化させ、一方の粒子、特に無機粒子のゼータ電位を逆符号にすることによって、有機粒子と無機粒子とを一体化することもできる。
このように静電力により一体化された複合粒子は、この複合粒子の存在下で、アルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等を重縮合させることにより、その少なくとも表面に、ポリシロキサン、ポリアルミノキサン、ポリチタノキサン等の重縮合物をさらに形成してもよい。
砥粒の平均粒子径は5〜1000nmが好ましい。この平均粒子径は、レーザー散乱回折型測定機により、または透過型電子顕微鏡による観察により、測定することができる。平均粒子径が5nm未満では、十分に研磨速度が大きい化学機械研磨用水系分散体を得ることができないことがある。1000nmを超えると、ディッシングおよびエロージョンの抑制が不十分となることがあり、また砥粒の沈降・分離により、安定な水系分散体を容易に得ることができないことがある。砥粒の平均粒子径は上記範囲でもよいが、より好ましくは10〜700nm、特に好ましくは15〜500nmである。平均粒子径がこの範囲にあると、研磨速度が大きく、ディッシングおよびエロージョンが十分に抑制され、かつ粒子の沈降・分離が発生しにくい、安定な化学機械研磨用水系分散体を得ることができる。
鉄、ニッケル、亜鉛などの金属イオンが化学機械研磨処理された半導体装置に残留すると歩留まりの低下を引き起こすことが多いため、本発明では、砥粒にこれらの金属イオンが含まれる場合でも、その量が通常10ppm以下、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは3ppm以下、特に好ましくは1ppm以下の砥粒が好ましい。なお、砥粒にこれらの金属イオンが含まれないことが好ましいのは言うまでもない。
上記砥粒は、化学機械研磨用水系分散体(A)全量に対して、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.02〜4重量%の量で含有される。砥粒量が0.01重量%未満になると十分な研磨速度を得ることができないことがあり、5重量%を超えるとコストが高くなるとともに水系分散体(A)の安定性が不十分になることがある。
(複素環含有有機化合物)
水系分散体(A)に用いられる複素環含有有機化合物としては、少なくとも1個の窒素原子を有する複素五員環および複素六員環からなる群から選択される少なくとも1種の複素環を含有する有機化合物が挙げられる。前記複素環としては、ピロール構造、イミダゾール構造、トリアゾール構造などの複素五員環;ピリジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ピラジン構造などの複素六員環が挙げられる。このような複素環は縮合環を形成していてもよい。具体的には、インドール構造、イソインドール構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キナゾリン構造、シンノリン構造、フタラジン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造などが挙げられる。
このような構造を有する有機化合物のうち、ピリジン構造、キノリン構造、ベンゾイミダゾール構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する有機化合物が好ましい。このような有機化合物としては、キノリン酸、キナルジン酸、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾールが好ましく、キノリン酸、キナルジン酸がより好ましい。
上記複素環含有有機化合物は、化学機械研磨用水系分散体(A)全量に対して、好ましくは0.01〜5重量%の量で含有される。複素環含有有機化合物の量が0.01重量%未満になると十分な研磨速度を得ることができないことがある。複素環含有有機化合物を5重量%含有すれば十分な効果が得られ、経済性を考慮すると5重量%を超えて含有する
必要はない。
(界面活性剤)
水系分散体(A)に用いられる界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸石鹸;アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルリン酸エステル等のリン酸エステル塩などが挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型界面活性剤;グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル等のエーテルエステル型界面活性剤;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等のエステル型界面活性剤;アセチレングリコール;アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物;アセチレンアルコールなどが挙げられる。
これらの界面活性剤は、化学機械研磨用水系分散体(A)全量に対して、好ましくは2重量%以下、より好ましくは0.01〜2重量%の量で含有される。界面活性剤の量が0.01重量%未満になるとディッシング、エロージョン等を十分に抑制することができないことがあり、界面活性剤の量が2重量%を超えると研磨速度の低下等を招き、さらに発泡が抑制できなくなることもある。
(酸化剤)
水系分散体(A)に用いられる酸化剤としては、過酸化水素;過酢酸、過安息香酸、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸化合物;重クロム酸カリウム等の重クロム酸化合物;ヨウ素酸カリウム等のハロゲン酸化合物;硝酸、硝酸鉄等の硝酸化合物;過塩素酸等の過ハロゲン酸化合物;過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;およびヘテロポリ酸などが挙げられる。これらの酸化剤を含有することにより、研磨速度をより大きく向上させることができる。
上記酸化剤のうち、分解生成物が無害である点で、過酸化水素、有機過酸化物、および過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が特に好ましい。
これらの酸化剤は、化学機械研磨用水系分散体(A)全量に対して、好ましくは0.01〜9重量%、より好ましくは0.02〜6重量%、特に好ましくは0.03〜5重量%の量で含有される。酸化剤の量が0.01重量%未満になると銅の酸化作用が不十分となり、十分な研磨速度が得られないことがある。酸化剤を9重量%を含有すれば十分な効果が得られ、経済性を考慮すると9重量%を超えて含有させる必要はない。
(その他の添加剤)
化学機械研磨用水系分散体(A)は、上記成分の他、さらに必要に応じて各種の添加剤を含有することができる。これにより、分散安定性をさらに向上させたり、研磨速度を高めたり、硬度の異なる被研磨膜など2種以上の被研磨膜等の研磨に用いた場合にこれらの被研磨膜についての研磨速度の差異を調整したりすることができる。
具体的には、有機酸または無機酸を含有することによって、より研磨速度が大きい水系分散体(A)を得ることができる。有機酸としては、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、グルコン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、グリコール酸、マロン酸、ギ酸、シユウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸およびフタル酸等が挙げられる。無機酸としては、硝酸、硫酸およびリン酸等が挙げられる。これらの酸は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、グリシン、アラニン、グルタミン酸などのアミノ酸;尿素、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性高分子も必要に応じて使用することができる。
水系分散体(A)にアルカリを添加してpHを調整することにより、研磨速度を高めることができる。このとき、被研磨面の電気化学的性質、重合体粒子の分散性、安定性、および研磨速度を考慮して、砥粒が安定して存在する範囲内で、pHを適宜設定することが好ましい。ここで用いられるアルカリとしては、エチレンジアミン、エタノールアミンおよびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩基;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、および水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニアなどの無機塩基が挙げられる。
このように、化学機械研磨用水系分散体(A)の成分を適宜選択し、必要に応じてpH調整することによって、研磨速度を調整することにより、所要の研磨性能を有する化学機械研磨用水系分散体(A)を得ることができる。
(B)化学機械研磨用水系組成物
化学機械研磨用水系組成物(B)は、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物であれば特にその組成に限定されるものではないが、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、砥粒、界面活性剤、酸化剤を含有することができる。また、上記化学機械研磨用水系分散体(A)の場合と同様に、各成分を適宜選択し、必要に応じてpH調整することによって、研磨速度を調整することにより、所要の研磨性能を有する化学機械研磨用水系組成物(B)を得ることができる。
(複素環含有有機化合物)
水系組成物(B)に用いられる複素環含有有機化合物としては、上記水系分散体(A)で例示した複素環含有有機化合物と同様のものが例示できる。水系組成物(B)に含まれる複素環含有有機化合物は、水系分散体(A)に含まれる複素環含有有機化合物と同じであってもよいし、異なっていてもよい。この複素環含有有機化合物は、化学機械研磨用水系組成物(B)全量に対して、通常0.005〜3重量%の量で含有される。複素環含有有機化合物の量が0.005重量%未満になるとディッシングおよびエロージョンの拡大やコロージョンの発生を抑制ができないことがある。複素環含有有機化合物を3重量%含有すれば十分な効果が得られ、経済性を考慮すると3重量%を超えて含有する必要はない。
(砥粒)
化学機械研磨用水系組成物(B)は、砥粒を含有しないことが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲の量で砥粒を含有してもよい。砥粒を含有する場合、砥粒濃度は上記水系分散体(A)の砥粒濃度の1/2以下が好ましい。水系組成物(B)が砥粒を含有しないか、あるいは上記砥粒濃度の範囲で砥粒を含有すると、ディッシングの拡大が抑制され、また、コロージョンも発生しないため、歩留まりの低下を防止することができる。
水系組成物(B)に用いられる砥粒としては、上記水系分散体(A)で例示した砥粒と同様のものが例示できる。水系組成物(B)に含まれる砥粒は、水系分散体(A)に含まれる砥粒と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(界面活性剤)
水系組成物(B)に用いられる界面活性剤としては、上記水系分散体(A)で例示した界面活性剤と同様のものが例示できる。水系組成物(B)に含まれる界面活性剤は、水系分散体(A)に含まれる界面活性剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。この界面活性剤は、化学機械研磨用水系組成物(B)全量に対して、好ましくは0.005〜1重量%の量で含有される。界面活性剤の量が0.005重量%以上になるとディッシング、エロージョン等を十分に抑制することができるが、研磨速度の低下や発泡等が抑制できる点から1重量%以下が好ましい。
(酸化剤)
化学機械研磨用水系組成物(B)は、酸化剤を含有しないことが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲の量で酸化剤を含有してもよい。酸化剤を含有する場合、酸化剤濃度は上記水系分散体(A)の酸化剤濃度の1/2以下が好ましい。水系組成物(B)が酸化剤を含有しないか、あるいは上記酸化剤濃度の範囲で酸化剤を含有すると、ディッシングの拡大が抑制され、また、コロージョンも発生しないため、歩留まりの低下を防止することができる。
水系組成物(B)に用いられる酸化剤としては、上記水系分散体(A)で例示した酸化剤と同様のものが例示できる。水系組成物(B)に含まれる酸化剤は、水系分散体(A)に含まれる酸化剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
〔化学機械研磨方法〕
本発明に係る化学機械研磨方法は、溝部を有する基材と該溝部に埋設された金属材料とからなり、該金属材料が金属配線部を形成する配線基板(図1(c)および図2(c))を製造する際に、該配線基板の金属配線部を有する面上に形成された金属層を化学機械研磨する方法であって、前記金属層を、上記化学機械研磨用水系分散体(A)を供給しながら研磨し、次いで、この研磨において前記非配線領域に残存した金属層を、上記化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて化学機械研磨用水系組成物(B)を供給しながら研磨する方法である。前記基材は、必要に応じて、溝部の底面および内壁面、ならびに溝部を有する基材面にバリアメタル層を有していてもよい(図2)。
このような表面に金属層を有する配線基板としては、超LSI等の半導体装置の製造過程において得られる、研磨処理前の半導体基板が挙げられる。
金属配線部分および金属層を形成する金属としては、純タングステン、純アルミニウム、純銅等の純金属;タングステン、アルミニウム、銅等と他の金属との合金が挙げられる。非配線部分を構成する材料は、絶縁性を有する材料であれば特に限定されないが、酸化ケイ素、絶縁性樹脂などが挙げられる。バリアメタル層を構成する金属としては、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン等が挙げられる。
研磨装置としては、市販の化学機械研磨装置(たとえば、(株)荏原製作所製、型式「EPO−112」、「EPO−222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」;アプライドマテリアル社製、商品名「Mirra」)を用いることができる。
本発明に係る化学機械研磨方法を、以下に図を用いて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明で研磨される配線基板素材は、配線基板の金属配線部を有する面上に金属層4が形成されたものであり(図1(a)または図2(a))、前記配線基板は、図1(c)または図2(c)に示すように、溝部を有する基材2とこの溝部に埋設された金属材料1とからなり、この金属材料は金属配線部を形成する。
まず、図1(a)または図2(a)に示すような配線基板素材を研磨装置に装着し、上
記化学機械研磨用水系分散体(A)を供給しながら金属層4を研磨する。この研磨は、配線基板の金属配線部1以外の非配線領域2aにおいて金属層4と異なる層が露出した時点(エンドポイント(図1(b)または図2(b))まで実施する。金属層4と異なる層は、基材2aまたはバリアメタル層3bである。このエンドポイントは、研磨中のモーターへの電流値を測定することによりトルクの変化を検知して決定したり、渦電流法で検出して決定したり、被研磨表面の色の変化を光学的に検出して決定したりすることができる。
なお、研磨パッドの種類、キャリア荷重、キャリア回転数、定盤回転数、水系分散体(A)の流量などの研磨条件は、研磨される金属層の材質により適宜決定される。
上記のような水系分散体(A)のみを用いた上記エンドポイントまでの研磨では、非配線領域に金属層が一部残存していることが多い(図1(b)または図2(b))。そこで、上記エンドポイントまで研磨した後、引き続いて、上記化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて上記化学機械研磨用水系組成物(B)を供給しながら所定時間、オーバー研磨して残存した金属層4aを除去する。オーバー研磨時間は、実験的に適宜設定されるが、通常、上記エンドポイントまでの研磨時間の0〜50%の時間が好ましい。また、研磨パッドの種類、キャリア荷重、キャリア回転数、定盤回転数、水系分散体(A)の流量、水系組成物(B)の流量などの研磨条件は、研磨される金属層の材質により適宜決定される。オーバー研磨時の水系分散体(A)の流量は、上記エンドポイントまでの研磨時の水系分散体(A)の流量以下が好ましい。また、水系組成物(B)の流量は、水系分散体(A)の流量の0.5〜2倍が好ましい。
このようにして金属層を研磨した後、配線基板の表面に残留した砥粒を、通常の洗浄方法などで除去することが好ましい。
このように、水系分散体(A)のみを供給して、基材またはバリアメタル層が露出するまで研磨した後、水系分散体(A)に加えて水系組成物(B)を供給してオーバー研磨することにより、ディッシングの拡大を防止し、かつ銅残りのない研磨を達成することができる。また、本発明に係る化学機械研磨方法では、コロージョン発生もなく、平坦かつ良好な金属配線基板を得ることができる。さらに、本発明に係る化学機械研磨方法によると、水系分散体(A)のみを用いてエンドポイントまで研磨した後、水系組成物(B)の供給を加えるだけで容易に研磨することができ、上記のような金属配線基板を得ることができる。
なお、水系分散体(A)のみを供給して、上記エンドポイントまで研磨した後、残存した金属層4aを除去するために、水系分散体(A)のみを用いて所定時間、オーバー研磨すると、オーバー研磨時に金属配線部も研磨され、ディッシングが拡大する。また、ディッシングの拡大を抑制するためにオーバー研磨時間を短くすると、残存した金属層4aを十分に除去できない。さらに、上記エンドポイントまでの研磨とオーバー研磨とをともに水系組成物(B)のみを供給して実施すると、研磨速度が非常に小さく、容易に金属配線基板を作製することができない。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例における「部」および「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
〔調製例1〕
(ヒュームドシリカ粒子含有水分散体の調製)
ヒュームドシリカ粒子(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル#90)100重量部を、イオン交換水900重量部に超音波分散機によって分散し、孔径5μmのフィルターを通して濾過し、ヒュームドシリカ粒子を10重量%含有する水分散体(1)を調
製した。
〔調製例2〕
(コロイダルシリカ含有水分散体の調製)
容量2リットルのフラスコに、濃度25重量%のアンモニア水70重量部、イオン交換水40重量部、エタノール175重量部およびテトラエトキシシラン21重量部を仕込み、180rpmで攪拌しながら60℃に昇温した。この温度で2時間攪拌を継続した後、冷却し、平均粒子径が97nmのコロイダルシリカを含有するアルコール分散体を得た。次いで、エバポレータを用いて、この分散体に80℃でイオン交換水を添加しながらアルコールを除去した。この操作を数回繰り返して分散体中のアルコールを十分に除去し、平均粒子径が97nmのコロイダルシリカを10重量%含む水分散体(2)を調製した。
〔調製例3〕
(複合粒子からなる砥粒を含む水分散体の調製)
容量2リットルのフラスコに、メチルメタクリレ−ト90重量部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名:NKエステルM−90G #400)5重量部、4−ビニルピリジン5重量部、アゾ系重合開始剤(和光純薬(株)製、商品名:V50)2重量部、およびイオン交換水400重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら70℃に昇温した。この温度で6時間重合し、アミノ基の陽イオンおよびポリエチレングリコール鎖を有する官能基を備え、平均粒子径150nmのポリメチルメタクリレート系粒子を含む水分散体を得た。重合収率は95%であった。このポリメチルメタクリレート系粒子を10重量%含む水分散体100重量部を容量2リットルのフラスコに仕込み、これにメチルトリメトキシシラン1重量部を添加し、40℃で2時間攪拌した。その後、コロイダルシリカ(日産化学(株)製、商品名:スノーテックスO)を10重量%含む水分散体50重量部を2時間かけて徐々に添加して混合し、さらに2時間攪拌して、ポリメチルメタクリレート系粒子にシリカ粒子が付着した粒子を含む水分散体を得た。次いで、この水分散体に、ビニルトリエトキシシラン2重量部を添加して1時間攪拌した後、さらにテトラエトキシシラン1重量部を添加し、60℃に昇温し、3時間攪拌を継続した。その後、冷却して複合粒子を10重量%含む水分散体(3)を得た。この複合粒子は、平均粒子径が180nmであり、ポリメチルメタクリレート系粒子表面の80%にシリカ粒子が付着した粒子であった。
[実施例1〜6]
(1)化学機械研磨用水系分散体(A)の調製
所定量のイオン交換水を容量10リットルのポリエチレン製の容器に仕込み、これに表1に記載の複素環含有化合物と界面活性剤とをそれぞれ表1に記載の濃度となるように添加し、十分に攪拌した。これに、攪拌しながら表1に記載の酸化剤を表1に記載の濃度となるように添加した。次いで、上記調製例で調製した水分散体を、砥粒濃度が表1に記載の濃度となるように添加し、十分に攪拌した。その後、孔径5μmのフィルターを通して濾過し、化学機械研磨用水系分散体(A)を得た。
(2)化学機械研磨用水系組成物(B)の調製
上記(1)の化学機械研磨用水系分散体(A)の調製と同様にして、イオン交換水に、表1に記載の各成分を表1に記載の濃度となるように添加し、化学機械研磨用水系組成物(B)を得た。
(3)銅配線パターンを有するウェハの研磨
銅配線パターンを有する市販のウェハ(SEMATECH#831、金属配線部分および金属層:Cu、非配線部分:SiO2、バリアメタル層:Ta)を研磨装置(荏原製作
所製、型式:EPO112)に装着し、化学機械研磨用水系分散体(A)を表2に記載の
流量で供給しながら、下記条件でウェハを研磨した。エンドポイントはウェハの非配線部分の銅層が除去された時点、すなわち、非配線部分上のバリアメタル層が露出した時点とし、これをテーブル電流値の変化(トルクの変化)で検知して決定した。
(研磨条件)
研磨パッド :Rodel(米国)社製、商品名:IC1000−
050−(603)−(P)−S400J
キャリア荷重 :200g/cm2
キャリア回転数:80rpm
定盤回転数 :100rpm
上記エンドポイントまでの研磨に引き続いて、化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて化学機械研磨用水系組成物(B)を表2に記載の流量で供給しながら、上記研磨条件と同一の条件でウェハをオーバー研磨した。オーバー研磨時間は、エンドポイントまでの研磨時間の20%とした。
(4)ディッシングの評価
上記(3)で研磨したウェハの100μm配線部について、精密段差計(KLAテンコール社製)HRPを用いて、絶縁膜またはバリアメタル層により形成される平面と、配線部分の最低部位との距離(高低差)を測定し、ディッシングを評価した。結果を表2に示す。
(5)銅残りの評価
上記(3)で研磨したウェハ上の全ての0.35μm配線部を光学顕微鏡で観察して、銅残りの有無を確認した。結果を表2に示す。
(6)コロージョンの評価
上記(3)で研磨したウェハの0.35μm配線部について、銅配線のエッジ部分を走査型電子顕微鏡で観察してコロージョンの有無を確認した。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1で使用した化学機械研磨用水系分散体(A)を用いて、実施例1と同様にしてエンドポイントまでウェハを研磨した。次いで、化学機械研磨用水系分散体(A)のみを表3に記載の流量で供給した以外は、実施例1と同様にしてウェハをオーバー研磨した。得られたウェハを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
[比較例2]
(1)化学機械研磨用水系組成物(b)の調製
所定量のイオン交換水を容量10リットルのポリエチレン製の容器に仕込み、これに、攪拌しながら過酸化水素を表3に記載の濃度となるように添加した。次いで、上記調製例で調製した水分散体(2)を、砥粒濃度が0.01%となるように添加し、十分に攪拌した。その後、孔径5μmのフィルターを通して濾過し、化学機械研磨用水系組成物(b)を得た。
(2)銅配線パターンを有するウェハの研磨
実施例1で使用した化学機械研磨用水系分散体(A)を用いて、実施例1と同様にしてエンドポイントまでウェハを研磨した。次いで、化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて化学機械研磨用水系組成物(b)を表3に記載の流量で供給した以外は、実施例1と同様にしてウェハをオーバー研磨した。得られたウェハを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
[比較例3]
実施例1で使用した化学機械研磨用水系分散体(A)を用いて、実施例1と同様にしてエンドポイントまでウェハを研磨した。得られたウェハを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
Figure 2004363574
Figure 2004363574
Figure 2004363574
表1および表2に示す結果によると、オーバー研磨で化学機械研磨用水系分散体(A)に加えて化学機械研磨用水系組成物(B)を使用すると、ディッシングが小さく、銅の残留やコロージョンの発生もなく、良好な結果を示した。なお、ディッシングは、通常1500Å以下が好ましく、1500Åを超えるとそのウェハは不合格と判断されることが多い。
一方、オーバー研磨において、化学機械研磨用水系組成物(B)を使用せず、化学機械研磨用水系分散体(A)のみを用いてウェハを研磨すると、ディッシングが大きく、コロージョンも発生することが分かる(比較例1)。
また、オーバー研磨において、複素環化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物(B)の代わりに、複素環化合物を含有しない化学機械研磨用水系組成物(b)を使用すると、ディッシングおよびコロージョンがともに発生することが分かる(比較例2)。
さらに、オーバー研磨を実施しないと、ディッシングは良好であるが、銅残りが発生することが分かる(比較例3)。
図3に、実施例1および比較例1における、エンドポイントまでの研磨時間に対するオーバー研磨時間の割合とディッシングの関係を示す。化学機械研磨用水系組成物(B)を使用することにより、オーバー研磨によるディッシングの増大が抑制されたことが分かる。
本発明に係る化学機械研磨剤キットは、半導体装置の製造において有用である。より詳しくは、高速ロジックLSI等の0.05μm程度の微細な配線から100μm程度の幅広い配線までの混載を必要とする半導体装置の配線形成工程、より具体的には研磨工程において好適に使用することができる。
本発明に係る化学機械研磨方法によると、ディッシングの拡大やコロージョンの発生を防止することができ、高速ロジックLSI等の0.05μm程度の微細な配線から100μm程度の幅広い配線までの混載を必要とする半導体装置を製造することができる。
図1は、本発明に係る化学機械研磨方法における各工程の一例を示す図である。 図2は、本発明に係る化学機械研磨方法における各工程の一例を示す図である。 図3は、エンドポイントまでの研磨時間に対するオーバー研磨時間の割合とディッシングの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 金属材料(金属配線部)
2 基材
2a 非配線領域
3a 基材の溝部のバリアメタル層
3b 非配線領域上のバリアメタル層
4 金属層
4a 残存した金属層

Claims (7)

  1. 砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)と、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有し、前記化学機械研磨用水系分散体(A)と混合状態にない化学機械研磨用水系組成物(B)との組み合わせからなる化学機械研磨剤キット。
  2. 前記化学機械研磨用水系組成物(B)が、界面活性剤をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の化学機械研磨剤キット。
  3. 前記化学機械研磨用水系組成物(B)が、
    (i)砥粒を含有しないか、または前記化学機械研磨用水系分散体(A)の砥粒濃度の1
    /2以下の濃度で砥粒を含有し、
    (ii)複素環含有有機化合物を0.005〜3重量%の濃度で含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の化学機械研磨剤キット。
  4. 前記化学機械研磨用水系組成物(B)が、界面活性剤を0.005〜1重量%の濃度でさらに含有することを特徴とする請求項3に記載の化学機械研磨剤キット。
  5. 前記化学機械研磨用水系分散体(A)が酸化剤をさらに含有し、
    前記化学機械研磨用水系組成物(B)が、
    酸化剤を含有しないか、または前記化学機械研磨用水系分散体(A)の酸化剤濃度の1/2以下の濃度で酸化剤を含有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の化学機械研磨剤キット。
  6. 前記化学機械研磨用水系分散体(A)が、砥粒を0.01〜5重量%の濃度で含有し、複素環含有有機化合物を0.01〜5重量%の濃度で含有し、界面活性剤を0.01〜2重量%濃度で含有し、酸化剤を0.01〜9重量%濃度で含有することを特徴とする請求項1に記載の化学機械研磨剤キット。
  7. 溝部を有する基材と該溝部に埋設された金属材料とからなり、該金属材料が金属配線部を形成する配線基板を製造する際に、該配線基板の金属配線部を有する面上に形成された金属層を化学機械研磨する方法であって、
    前記金属層を、砥粒を含有する化学機械研磨用水系分散体(A)を供給しながら、前記金属配線部以外の非配線領域において前記金属層と異なる層が露出するまで研磨し、
    次いで、該研磨において前記非配線領域に残存した金属層を、前記水系分散体(A)に加えて、少なくとも1種の複素環含有有機化合物を含有する化学機械研磨用水系組成物(B)を供給しながら研磨する
    ことを特徴とする化学機械研磨方法。
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