JP2008109025A - 化学機械研磨用水系分散体および半導体装置の化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用水系分散体および半導体装置の化学機械研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体装置の製造の際に、銅または銅合金からなる層を高速で研磨することができ、しかも銅残りが生じない高品位の被研磨面が得られる化学機械研磨用水系分散体、およびそれを用いた半導体装置の化学機械研磨方法を提供する。
【解決手段】本発明では、(A)過酸化水素、(B)過硫酸塩、(C)砥粒、(D)複素環を有する化合物、(E)研磨速度向上剤、および(F)界面活性剤を含み、前記(A)過酸化水素と、前記(B)過硫酸塩の質量比(A)/(B)は、0.01〜10である化学機械研磨用水系分散体が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置を製造する際に用いられる化学機械研磨用水系分散体、およびその化学機械研磨用水系分散体を用いた化学機械研磨方法に関する。
近年、半導体装置の高密度化に伴い、半導体装置内に形成される配線の微細化が進んでいる。この配線の更なる微細化を達成することができる技術として、ダマシン法と呼ばれる技術が知られている。この方法は、絶縁層中に形成された溝等に配線材料を埋め込んだ後、化学機械研磨を用いて、溝以外に堆積した余分な配線材料を除去することによって、所望の配線を形成するものである。ここで、配線材料として銅または銅合金を用いる場合、銅原子の絶縁層中へのマイグレーションを避けるため、銅または銅合金と絶縁層との界面に、通常、タンタル、窒化タンタル、窒化チタン等を材料とする高強度の高誘電率絶縁層(バリア層)が形成される。
銅または銅合金を配線材料として用いる半導体装置の製造において、ダマシン法を採用する場合、その化学機械研磨の方法は種々あるが、主として銅または銅合金の除去を行なう第1研磨工程と、主としてバリア層を除去する第2研磨工程からなる2段階の化学機械研磨が行われている。
ところで、前記研磨工程において、配線部分が過剰に研磨されることにより、配線部が凹状の形状となる場合がある。このような凹状の配線形状は、「ディッシング」または「エロージョン」と呼ばれ、半導体装置製造の歩留まりを低下させてしまう点から好ましくない。
一方、「ディッシング」や「エロージョン」の発生を抑制するあまり、被研磨面、特に微細配線上に金属が残り、配線部が凸状の形状となる場合がある。このような凸状の表面欠陥は、配線材料が銅の場合に多く見られ、「銅残り」と呼ばれている。「銅残り」が生じた場合、配線間にリーク電流が生じたり、層を多層化する際の焦点深度に影響を与えるなど、半導体装置製造の歩留まりを大きく低下させてしまい、今後の配線のさらなる微細化に向けて大きな問題となっている。
この「銅残り」の発生を抑制するために、一般に、化学機械研磨用水系分散体には酸化剤および砥粒が添加されている。この化学機械研磨用水系分散体による化学機械研磨のメカニズムは、酸化剤によって銅または銅合金からなる層の表面または層の一部、若しくは全体を酸化しながら、該層を砥粒によって削り取るというものであると考えられている。
上述したような酸化剤を添加した化学機械研磨用水系分散体は、種々提案されている。
例えば、特許文献1には、水溶性腐食防止剤を含有する銅配線研磨用スラリーが記載されており、さらに過酸化水素等の酸化剤を添加できることが開示されている。
特許文献2には、非真球状コロイダルシリカ等を含有した金属膜研磨組成物が記載されており、さらに過酸化水素等の酸化剤を添加できることが開示されている。
特許文献3には、酸化金属溶解剤、砥粒、界面活性剤および水を含有することを特徴とする金属用研磨液が記載されており、さらに過酸化水素等の酸化剤を添加できることが開示されている。
特開2005−175218号公報 特開2005−183684号公報 特開2005−217360号公報
しかしながら、本願発明者らによると、特許文献1ないし3に記載された金属研磨用スラリーは、研磨速度が遅く、所望の被研磨面を得るのに多くの時間を要するという問題があった。また、被研磨面の酸化が不十分なために、上述したような銅残りが生じやすいという問題もあった。
本発明の目的は、半導体装置の製造の際に、ディッシングまたはエロージョンの発生を抑制しながら、銅または銅合金からなる層を高速で研磨することができ、しかも銅残りが生じない高品位の被研磨面が得られる化学機械研磨用水系分散体、およびそれを用いた半導体装置の化学機械研磨方法を提供することにある。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)過酸化水素、(B)過硫酸塩、(C)砥粒、(D)複素環を有する化合物、(E)研磨速度向上剤、および(F)界面活性剤を含み、前記(A)過酸化水素と、前記(B)過硫酸塩の質量比(A)/(B)は、0.01〜10であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(A)過酸化水素の濃度は、0.05〜5質量%であり、前記(B)過硫酸塩の濃度は、0.5〜5質量%であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(B)過硫酸塩は、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウムから選ばれる少なくとも1種であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(D)複素環を有する化合物は、キノリン酸およびキナルジン酸から選ばれる少なくとも1種であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(E)研磨速度向上剤は、アンモニウムイオン、アミノ酸、アミン化合物およびアミノポリカルボン酸から選ばれる少なくとも1種であることができる。
本発明に係る半導体装置の化学機械研磨方法は、前記化学機械研磨用水系分散体を用いて、凹部を有する絶縁層上にストッパ層を介して設けられ、かつ、該凹部に埋設された金属層を、該ストッパ層が露出するまで化学機械研磨することができる。
本発明に係る半導体装置の化学機械研磨方法において、前記金属層は、銅または銅合金からなる層であることができる。
本発明に係る半導体装置の化学機械研磨方法において、前記ストッパ層は、導電性バリア層であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)過酸化水素、(B)過硫酸塩、(C)砥粒、(D)複素環を有する化合物、(E)研磨速度向上剤、および(F)界面活性剤を含むが、(A)過酸化水素および(B)過硫酸塩の2種の酸化剤を所定の質量比で添加することにより、銅または銅合金からなる層の表面または層の一部、若しくは全体を効率良く酸化でき、該層の研磨速度を向上できるところに特徴を有し、さらに「銅残り」の発生を抑制することができる。したがって、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体を用いて化学機械研磨すると、表面平坦性に優れ、表面欠陥の少ない高品位の半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変型例も含む。
1.化学機械研磨用水系分散体
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)過酸化水素、(B)過硫酸塩、(C)砥粒、(D)複素環を有する化合物、(E)研磨速度向上剤、および(F)界面活性剤を含む。以下、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に含まれる各成分について詳述する。
1.1 酸化剤
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、酸化剤として、(A)過酸化水素、および(B)過硫酸塩を含むことを特徴とする。以下、各成分ならびにその質量比について説明する。
1.1.1 (A)過酸化水素
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に添加される必須の酸化剤として、(A)過酸化水素を挙げることができる。
(A)過酸化水素の添加量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の総量に対して、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.05〜3質量%であり、特に好ましくは0.05〜1質量%である。過酸化水素の添加量が0.05質量%未満になると、銅または銅合金からなる層を十分に酸化させることができないため、研磨速度が低下することがある。一方、過酸化水素の添加量が5質量%を超えると、銅または銅合金からなる層の腐食が生じたり、銅ディッシングが大きくなるおそれがある。
1.1.2 (B)過硫酸塩
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に添加される必須の酸化剤として、(B)過硫酸塩を挙げることができる。(B)過硫酸塩としては、過硫酸アンモニウムまたは過硫酸カリウムが挙げられるが、特に過硫酸アンモニウムが好ましい。
(B)過硫酸塩の添加量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の総量に対して、好ましくは0.5〜5質量%であり、より好ましくは1〜5質量%であり、特に好ましくは1〜3質量%である。過硫酸塩の添加量が0.5質量%未満になると、銅または銅合金からなる層を十分に酸化させることができないため、研磨速度が低下することがある。一方、過硫酸塩の添加量が5質量%を超えると、銅または銅合金からなる層の腐食が生じたり、銅ディッシングが大きくなるおそれがある。
1.1.3 質量比(A)/(B)
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に含まれる(A)過酸化水素と(B)過硫酸アンモニウムの質量比(A)/(B)は、0.01〜10であり、好ましくは0.02〜7であり、より好ましくは0.025〜5である。この範囲の比率にすることにより、銅または銅合金からなる層の表面または層の一部、若しくは全体を効率良く酸化でき、化学機械研磨に活性な被研磨面を作り出すことで、該層の研磨速度を向上させることができる。その結果、特に銅残りの発生を抑制することができる。質量比(A)/(B)が0.01よりも小さいと、銅または銅合金からなる層が腐食するおそれがある。一方、質量比(A)/(B)が10よりも大きいと、銅または銅合金からなる層の表面荒れが発生するおそれがある。
化学機械研磨用水系分散体に添加される酸化剤は、通常1種単独で用いられることが多い。ところが、驚くべきことに、本願発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、(A)過酸化水素および(B)過硫酸塩の2種の酸化剤を所定の質量比で添加すると、銅または銅合金からなる層の表面または層の一部、若しくは全体を効率良く酸化でき、該層の研磨速度を向上でき、さらに銅残りの発生も抑制することができた。かかる効果が認められたのは、以下の理由によるものと考えられる。
本願発明者らによると、過酸化水素水の酸化還元電位はpH領域によって異なるが、約0.9V〜約1.8Vの間であり、過酸化水素は銅または銅合金からなる層の表面または層の一部、若しくは全体を穏和な条件下で酸化することができ、きめ細やかな酸化を実現できると考えられる。一方、過硫酸アンモニウム水の酸化還元電位は約2.0Vであり、過硫酸アンモニウムは銅または銅合金からなる層の表面または層の一部、若しくは全体を効率良く酸化することができるため、高スループット化を実現することができると考えられる。すなわち、過酸化水素と過硫酸アンモニウムでは、その酸化力が異なるため質量比を適切な範囲でコントロールすれば、銅または銅合金からなる層の表面または層の一部、若しくは全体を極めて効率的かつ均一に酸化することができるようになると考えられる。
1.2 (C)砥粒
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に用いられる(C)砥粒としては、無機粒子、有機粒子および有機無機複合粒子から選ばれる少なくとも1種であることができる。
前記無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア等を挙げることができる。シリカとしては、ヒュームド法シリカ、ゾルゲル法により合成されたシリカ、コロイダルシリカ等を挙げることができる。ヒュームド法シリカは、気相中で塩化ケイ素等を酸素および水と反応させることにより得ることができる。ゾルゲル法により合成されたシリカは、アルコキシケイ素化合物を原料として、加水分解反応や縮合反応により得ることができる。コロイダルシリカは、例えば、予め精製した原料を使用した無機コロイド法等により得ることができる。
前記有機粒子としては、例えば、ポリ塩化ビニル、スチレン(共)重合体、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、オレフィン(共)重合体、フェノキシ樹脂、アクリル(共)重合体等を挙げることができる。オレフィン(共)重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。アクリル(共)重合体としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等を挙げることができる。
前記有機無機複合粒子は、上述したような有機粒子と無機粒子が、化学機械研磨工程の際に容易に分離しない程度に一体に形成されていればよく、その種類、構成等は特に限定されない。
有機無機複合粒子としては、例えば、以下の構成を採ることができる。
(a)有機粒子の存在下に金属またはケイ素のアルコキシド化合物を重縮合させて得られた有機無機複合粒子。ここで、金属またはケイ素のアルコキシド化合物としては、例えば、アルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等を挙げることができる。この場合、精製する重縮合体は、有機粒子が有する官能基に直接結合されていてもよいし、適当なカップリング剤(例えば、シランカップリング剤等)を介して結合されていてもよい。
(b)相異なる符号のゼータ電位を有する有機粒子と無機粒子が、静電力によって結合している有機無機複合粒子。この場合、有機粒子と無機粒子のゼータ電位の符号が異なるpH領域において両者を混合することにより複合粒子を形成してもよく、有機粒子と無機粒子のゼータ電位の符号が同じpH領域で両者を混合した後、有機粒子と無機粒子のゼータ電位の符号が異なるpH領域に液性を変化させることにより複合粒子を形成してもよい。
(c)前記(b)の複合粒子の存在下に、金属またはケイ素のアルコキシド化合物を重縮合させて得られた有機無機複合粒子。ここで、金属またはケイ素のアルコキシド化合物としては、前記(a)の場合と同様のものを使用することができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に含まれる(C)砥粒としては、上述した粒子のうち、シリカまたは有機無機複合粒子が好ましい。
(C)砥粒の添加量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の総量に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.02〜8質量%であり、特に好ましくは0.1〜5質量%である。添加量が0.01質量%未満になると十分な研磨速度が得られず、10質量%を超えるとコストが高くなるとともに安定した化学機械研磨用水系分散体を得られないことがある。
(C)砥粒に含まれる不純物金属量は、好ましくは砥粒に対して10ppm以下、より好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは3ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。該不純物金属としては、鉄、ニッケル、亜鉛等を挙げることができる。なお、砥粒にこれらの金属イオンが含まれないことが好ましいのは言うまでもない。
(C)砥粒の平均分散粒子系は、好ましくは5〜1,000nmであり、より好ましくは7〜700nmであり、特に好ましくは10〜500nmである。砥粒の平均分散粒子系が5nm未満の場合は十分な研磨速度が得られず、一方1,000nmを超えると銅ディッシングが大きくなるおそれがある。
1.3 (D)複素環を有する化合物
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に用いられる(D)複素環を有する化合物は、銅などの金属と水不溶性錯体を形成し、被研磨面の表面を保護することで、被研磨面の平坦化に寄与する。なお、ここでいう水不溶性とは実質的に水に溶解しないことを意味し、酸化剤と共存した状態でのウェットエッチング速度が3nm/分未満であれば水難溶性も含まれる。(D)複素環を有する化合物は、少なくとも1個の窒素原子を有する複素五員環および複素六員環からなる群から選択される少なくとも1種の複素環を含む有機化合物であることが好ましい。前記複素環としては、ピロール構造、イミダゾール構造、トリアゾール構造等の複素五員環およびピリジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ピラジン構造等の複素六員環が挙げられる。該複素環は縮合環を形成していてもよい。具体的には、インドール構造、イソインドール構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キナゾリン構造、シンノリン構造、フタラジン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造などが挙げられる。
このような構造を有する有機化合物のうち、ピリジン構造、キノリン構造、ベンゾイミダゾール構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する有機化合物が好ましい。このような有機化合物としては、キノリン酸、キナルジン酸、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾールが好ましく、キノリン酸、キナルジン酸がより好ましい。
(D)複素環を有する化合物の添加量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の総量に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.02〜5質量%であり、特に好ましくは0.1〜2質量%である。添加量が0.01質量%未満になると、銅ディッシングが大きくなるおそれがある。一方、10質量%を超えると、十分に大きな研磨速度を得られないことがある。
1.4 (E)研磨速度向上剤
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に用いられる(E)研磨速度向上剤とは、銅などの金属と効率的に水溶性錯体を形成することにより、研磨速度を向上させることができる成分をいう。なお、ここでいう水溶性とは、実質的に水に溶解することを意味し、酸化剤と共存した状態でのウェットエッチング速度が3nm/分以上であることを含む。
(E)研磨速度向上剤としては、例えば、アミノ酸、アミノポリカルボン酸、アミン化合物、アミノアルコール、ホスホン酸、ハロゲン化物イオン、チオ硫酸イオンおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種を挙げることができる。
前記アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、グルタミン酸等を挙げることができる。
前記アミノポリカルボン酸としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸等を挙げることができる。
前記アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。
前記アミノアルコールとしては、トリエタノールアミン等を挙げることができる。
これらのうち、アンモニウムイオン、アミノ酸、アミン化合物、アミノポリカルボン酸を使用することが好ましい。
(E)研磨速度向上剤の添加量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の総量に対して、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.02〜4質量%であり、特に好ましくは0.05〜3質量%である。添加量が0.01質量%未満になると、十分に大きな研磨速度を得られないことがある。一方、5質量%を超えると、銅ディッシングが大きくなるおそれがあり、また銅の腐食が生じるおそれがある。
1.5 (F)界面活性剤
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に用いられる(F)界面活性剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができる。
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等を挙げることができる。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等を挙げることができる。スルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等を挙げることができる。硫酸エステル塩としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩等を挙げることができる。リン酸エステルとしては、例えば、アルキルリン酸エステル等を挙げることができる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、エーテル型界面活性剤、エーテルエステル型界面活性剤、エステル型界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等を挙げることができる。エーテル型界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を挙げることができる。エーテルエステル型界面活性剤としては、例えば、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル等を挙げることができる。エステル型界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。アセチレン系界面活性剤としては、例えば、アセチレンアルコール、アセチレングリコール、アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン系界面活性剤を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの界面活性剤の中では、アニオン性界面活性剤が好ましく、特にスルホン酸塩が好ましい。またスルホン酸塩の中ではアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、特にドデシルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
(F)界面活性剤の添加量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の総量に対して、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。添加量が前記範囲内にあると、銅ディッシングを小さくすることができる。
1.6 その他の成分
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、その他必要に応じて、酸または塩基、水溶性高分子、防食剤等を含むことができる。
1.6.1 酸または塩基
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に用いられる酸または塩基は、化学機械研磨用水系分散体のpHを調整する目的で使用することができる。
前記酸としては、例えば、有機酸、無機酸を挙げることができる。有機酸としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、グルコン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、マロン酸、ギ酸、シユウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等を挙げることができる。これらの有機酸は、銅などの金属と水溶性錯体を形成するため、(E)研磨速度向上剤と同様の機能も有する。一方、無機酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸等を挙げることができる。
前記塩基としては、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。有機塩基としては、例えば、テトラメチルヒドロキシド等を挙げることができる。無機塩基としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等を挙げることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の使用時におけるpHは、3〜12の範囲で設定することができる。
1.6.2 水溶性高分子
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に用いられる水溶性高分子は、被研磨面となる銅または銅合金からなる層の表面に吸着し研磨摩擦を低減させる機能を有する。そのため、水溶性高分子を添加すると銅ディッシングや銅コロージョンの発生が抑制される。
前記水溶性高分子としては、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができる。
水溶性高分子の添加量は、化学機械研磨用水系分散体の粘度が2mPa・s未満となるように調整することができる。本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の粘度は、水溶性高分子の重量平均分子量および添加量によってほぼ決定されるので、それらのバランスを考慮しながら調整することができる。化学機械研磨用水系分散体の粘度が2mPa・sを超えると研磨速度が低下することがあり、また粘度が高くなりすぎて研磨布上に安定して化学機械研磨用水系分散体を供給できないことがある。その結果、研磨布の温度上昇や研磨むら(面内均一性の劣化)等が生じて、研磨速度やディッシングのばらつきが発生することがある。
1.6.3 防食剤
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体に用いられる防食剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体を挙げることができる。ここで、ベンゾトリアゾール誘導体とは、ベンゾトリアゾールの有する1個または2個以上の水素原子を、例えば、カルボキシル基、メチル基、アミノ基、ヒドロキシル基等で置換したものをいう。ベンゾトリアゾール誘導体としては、4−カルボキシルベンゾトリアゾールおよびその塩、7−カルボキシベンゾトリアゾールおよびその塩、ベンゾトリアゾールブチルエステル、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾールまたは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
防食剤の添加量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の総量に対して、好ましくは0.05〜0.1質量%であり、より好ましくは0.01〜0.05質量%である。
2.化学機械研磨方法および半導体装置の製造方法
本発明に係る化学機械研磨方法および半導体装置の製造方法を、図面を用いて詳細に説明する。
2.1 第1の具体例
2.1.1 被処理体
図1(A)は、第1の具体例の化学機械研磨方法に係る被処理体100を示す。被処理体100は、半導体素子(図示せず)が形成された基体10の上に、酸化シリコンからなる絶縁層12を設け、絶縁層12をエッチングして配線用凹部20を形成する。ここで絶縁層12は、例えば、PETEOS層や、比誘電率が3.5以下の絶縁層等からなることができ、好ましくは比誘電率が3.5以下の絶縁層であり、より好ましくは3.0以下の絶縁層である。
次いで、被処理体100は、絶縁層12の表面ならびに配線用凹部20の底部および内壁面を覆うようにストッパ層14が設けられている。ここで、ストッパ層14は、例えば、導電性のバリア層からなることが望ましい。ストッパ層14が導電性バリア層からなる場合、例えば、金属、金属合金、金属窒化物(例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル等)からなることができる。
さらに、被処理体100は、配線として使用可能な金属を配線用凹部20に充填し、バリア層14の上に積層して形成される。ここで、金属層16は配線として一般に用いられる金属(例えば、アルミニウム、銅、金などの金属、あるいは前記金属の合金)からなることができるが、特に銅または銅合金であることが望ましい。銅を含有する合金中の銅含有量としては、95質量%以上であることが好ましい。また、被処理体100は、金属の微細配線を含む領域22と、金属の微細配線を含まない領域24を含む。なお、微細配線を含む領域22では、金属層の凸部18が形成されやすい。
2.1.2 化学機械研磨方法
図1(B)は、被処理体100を本発明に係る化学機械研磨用水系分散体を用いて化学機械研磨した後の断面図を示している。本発明に係る化学機械研磨方法は、例えば、金属層16のうち、配線用凹部20に埋没された部分以外をストッパ層14の表面が露出するまで化学機械研磨する際に特に好適に用いることができ、その効果を最大限に発揮することができる。
本発明に係る化学機械研磨方法では、図2に示すような化学機械研磨装置200を用いることができる。
図2は、化学機械研磨装置200の概略図を示している。図2に示すように、被処理体100の化学機械研磨は、スラリー供給ノズル30から本発明に係る化学機械研磨用水系分散体(スラリー32)を供給し、かつ研磨布34が貼付されたターンテーブル36を回転させながら、半導体基板38を保持したトップリング40を当接させることにより行なう。なお、図2には、水供給ノズル42およびドレッサー44も併せて示してある。
トップリング40の研磨荷重は、好ましくは3.4〜34.5kPa(0.5〜5psi)であり、より好ましくは6.9〜20.7kPa(1.0〜3.0psi)である。また、ターンテーブル36およびトップリング40の回転数は10〜400rpmの範囲内で適宜選択することができ、好ましくは30〜150rpmであり、より好ましくは30〜130rpmである。スラリー供給ノズル30から供給されるスラリー32の流量は、10〜1,000cm/分の範囲内で選択することができ、好ましくは50〜300cm/分であり、より好ましくは100〜200cm/分である。
上述した化学機械研磨方法により、図1(B)に示すような、金属層のディッシングやコロージョン、および絶縁層のエロージョンだけでなく、金属残りのない平坦性に優れた高品位の被研磨面を得ることができる。
その後、公知の方法によって、ストッパ層14のうち、配線用凹部20の底部および内壁面以外の部分に形成された除去すべきストッパ層14が完全に除去されるように化学機械研磨することにより、図1(C)に示すような、高精度に平坦化されたダマシン配線を形成することができる。
3.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
3.1 砥粒を含む水分散体の調製
3.1.1 ヒュームド法シリカ粒子を含む水分散体の調製
ヒュームド法シリカ粒子(日本アエロジル(株)製、商品名「アエロジル#90」)2kgを、イオン交換水6.7kgに超音波分散機によって分散させ、孔径5μmのフィルタによって濾過し、平均分散粒子径220nmのヒュームド法シリカを10質量%含有する水分散体を調製した。
3.1.2 コロイダルシリカを含む水分散体の調製
容量2Lのフラスコに、25質量%濃度のアンモニア水70g、イオン交換水40g、エタノール175gおよびテトラエトキシシラン21gを投入し、180rpmで撹拌しながら60℃に昇温し、この温度のまま2時間撹拌を継続した後、冷却し、平均粒子径が97nmのコロイダルシリカ/アルコール分散体を得た。次いで、エバポレータを用いて、この分散体に80℃の温度でイオン交換水を添加しながらアルコール分を除去する操作を数回繰り返し、分散体中のアルコール分を除き、平均分散粒子径が97nmのコロイダルシリカを10質量%含む水分散体を調製した。
3.1.3 有機無機複合粒子を含む水分散体の調製
3.1.3a 有機粒子を含む水分散体の調製
メチルメタクリレ−ト90質量部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「NKエステルM−90G #400」)5質量部、4−ビニルピリジン5質量部、アゾ系重合開始剤(和光純薬(株)製、商品名「V50」)2質量部およびイオン交換水400質量部を、容量2Lのフラスコに投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら70℃に昇温し、6時間重合させた。これによりアミノ基の陽イオンおよびポリエチレングリコール鎖を有する官能基を備え、平均分散粒子径150nmのポリメチルメタクリレート系粒子を含む水分散体を得た。なお、重合収率は95%であった。
3.1.3b 複合粒子を含む水分散体の調製
「3.1.3a 有機粒子を含む水分散体の調製」において得られたポリメチルメタクリレート系粒子10質量%を含む水分散体100質量部を、容量2Lのフラスコに投入し、メチルトリメトキシシラン1質量部を添加し、40℃で2時間撹拌した。その後、硝酸によりpHを2に調整して水分散体(a)を得た。水分散体(a)に含まれるポリメチルメタクリレート系粒子のゼータ電位は+17mVであった。
一方、コロイダルシリカ(日産化学(株)製、商品名「スノーテックスO」)を10質量%含む水分散体のpHを水酸化カリウムにより8に調整し、水分散体(b)を得た。水分散体(b)に含まれるシリカ粒子のゼータ電位は−40mVであった。
上記水分散体(a)100質量部に水分散体(b)50質量部を2時間かけて徐々に添加、混合した後2時間撹拌して、ポリメチルメタクリレート系粒子にシリカ粒子が付着した粒子を含む水分散体を得た。次いで、この水分散体に、ビニルトリエトキシシラン2質量部を添加し、1時間撹拌した後、テトラエトキシシラン1質量部を添加し、60℃に昇温し、3時間撹拌を継続した後、冷却することにより、有機無機複合粒子を含む水分散体を得た。この有機無機複合粒子の平均分散粒子径は180nmであり、ポリメチルメタクリレート系粒子の表面の80%にシリカ粒子が付着していた。
3.2 実施例1
3.2.1 化学機械研磨用分散体の調製
ポリエチレン製の容器に、砥粒として上記「3.1.2 コロイダルシリカを含む水分散体の調製」で調製したコロイダルシリカ粒子を含む水分散体を、コロイダルシリカが化学機械研磨用水系分散体全体に対して0.5質量%に相当する量を投入し、次いで複素環を有する化合物としてキナルジン酸を0.2質量%相当量投入し、さらに研磨速度向上剤としてグリシンを0.1質量%添加し十分に撹拌した。その後、撹拌を継続しつつ、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム0.1質量%相当量、およびpH調整剤として水酸化カリウムを添加し、さらに酸化剤として過酸化水素を0.2質量%、過硫酸アンモニウムを2.5質量%添加した後、イオン交換水で希釈して、pH9.0の化学機械研磨用水系分散体を得た。
3.2.2 銅ブランケットウェハの研磨および研磨速度の算出
化学機械研磨装置としてアプライドマテリアルズ社製、型式「Mirra」を、研磨パッドとしてRohm and Haas Electronic Materials社製の形式「IC1010」を、それぞれ用い、銅ブランケットウェハ(膜厚1500nmの銅膜が積層された8インチ熱酸化膜付きシリコン基板)を被研磨物とし、「3.2.1化学機械研磨用分散体の調製」で作製した化学機械研磨用水系分散体を用いて下記の研磨条件にて60秒間研磨を行った。
次いで、電気伝導式膜厚測定器(ケーエルエー・テンコール(株)製、形式「オムニマップRS75」)を用いて、研磨処理前後の膜厚を測定し、化学機械研磨により減少した膜厚および研磨時間から研磨速度を算出したところ、700nm/分と良好であった。
<研磨条件>
・水系分散体供給速度:250cm/分
・定盤回転数:100rpm
・ヘッド回転数:80rpm
・ヘッド荷重:1.5psi(10.3kPa)
3.2.3 パターン付基板の研磨試験
上記ブランケットウェハと同様の研磨条件で、パターン付ウェハー(International Sematech製、型式「SEMATECH #854」、種々の配線パターンを有するテスト用ウェハーであり、銅膜の堆積厚さは1,100nmである。)を被研磨物とし、「3.2 化学機械研磨用分散体の調製」で作製した化学機械研磨用水系分散体を用いて研磨を行った。光学式終点検出器を用いて終点を検知した後さらに30秒経った時点で研磨を終了した。その後、下記のようにして銅残り、ディッシングおよび腐食を評価した。
3.2.3a 銅残りの評価
上記研磨を行った後の被研磨物につき、光学式顕微鏡を用いて銅残りの観察を行った。その結果、銅残りは認められなかった。この結果を表1に示す。なお、銅残膜の厚さが5nm未満の場合には○と表記し、5nm以上の場合は×と表記している。
3.2.3b ディッシングの評価
精密段差計(KLAテンコール社製、型式「HRP」)を用いて配線幅100μmの部分のディッシングを測定した。その結果、ディッシングは30nmと良好であった。この結果を表1に示す。なお、一般的にディッシングは50nm以下であれば良好であると判断することができる。
3.2.3c 腐食の評価
上記研磨を行った後の被研磨物の配線幅1μmの部分について、光学式顕微鏡を用いて腐食の観察を行った。その結果、腐食は認められなかった。この結果を表1に示す。腐食により引き起こされる銅の変色がなければ○、変色が確認された場合を×とした。
3.3 実施例2ないし8、比較例1ないし8
実施例2ないし8、比較例1ないし8は、実施例1に示した化学機械研磨用水系分散体の成分または濃度を一部変更したものであって、その組成は表1または表2に記載した通りである。なお、実施した試験については、実施例1と同様である。
表1は、実施例1ないし8の成分、濃度および試験結果についてまとめており、表2は、比較例1ないし8の成分、濃度および試験結果についてまとめている。
比較例1は、(A)過酸化水素が含まれていない例であり、研磨速度が十分でなく半導体基板上に銅残りが生じた。また、銅ディッシングも認められた。
比較例2は、(B)過硫酸塩が含まれていない例であり、研磨速度が十分でなく半導体基板上に銅残りが生じた。また、銅ディッシングも認められた。
比較例3は、質量比(A)/(B)が0.01よりも小さく、過硫酸塩が5質量%よりも大きい例であり、大きな研磨速度が得られたが、銅ディッシングおよび腐食が認められた。
比較例4は、質量比(A)/(B)が10よりも大きく、過酸化水素が5質量%よりも大きい例であり、大きな研磨速度が得られたが、銅ディッシングおよび腐食が認められた。
比較例5は、質量比(A)/(B)が0.01よりも小さく、過酸化水素が0.05質量%よりも小さい例であり、研磨速度が十分でなく、銅ディッシング、銅残りおよび腐食が認められた。
比較例6は、質量比(A)/(B)が10よりも大きく、過硫酸塩が0.5質量%よりも小さい例であり、研磨速度が十分でなく、銅ディッシング、銅残りおよび腐食が認められた。
比較例7は、酸化剤として(A)過酸化水素および(B)過硫酸塩のいずれも含まれていない例である。研磨速度が低すぎるため研磨が進行せず、半導体基板上に多くの銅残りが生じた。
比較例8は、(A)過酸化水素は含まれていないが、複素環を有する化合物としてキナルジン酸とキノリン酸の2種類を含む例であり、比較例1と同様、研磨速度が十分でなく半導体基板上に銅残りが生じた。また、銅ディッシングも認められた。
Figure 2008109025
Figure 2008109025
図1(A)〜図1(C)は、本発明の半導体装置の製造方法に係る化学機械研磨の過程を示す半導体装置の断面図である。 図2は、化学機械研磨装置の概略図である。
符号の説明
10 基体
12 絶縁層
14 ストッパ層
16 金属層
18 金属層の凸部
20 配線用凹部
22 微細配線を含む領域
24 微細配線を含まない領域
30 化学機械研磨用水系分散体(スラリー)供給ノズル
32 化学機械研磨用水系分散体(スラリー)
34 研磨布
36 ターンテーブル
38 半導体基板
40 トップリング
42 水供給ノズル
44 ドレッサー
100 被処理体
200 化学機械研磨装置

Claims (8)

  1. (A)過酸化水素、(B)過硫酸塩、(C)砥粒、(D)複素環を有する化合物、(E)研磨速度向上剤、および(F)界面活性剤を含み、
    前記(A)過酸化水素と、前記(B)過硫酸塩の質量比(A)/(B)は、0.01〜10である、化学機械研磨用水系分散体。
  2. 請求項1において、
    前記(A)過酸化水素の濃度は、0.05〜5質量%であり、前記(B)過硫酸塩の濃度は、0.5〜5質量%である、化学機械研磨用水系分散体。
  3. 請求項1または2において、
    前記(B)過硫酸塩は、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウムから選ばれる少なくとも1種である、化学機械研磨用水系分散体。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記(D)複素環を有する化合物は、キノリン酸およびキナルジン酸から選ばれる少なくとも1種である、化学機械研磨用水系分散体。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記(E)研磨速度向上剤は、アンモニウムイオン、アミノ酸、アミン化合物およびアミノポリカルボン酸から選ばれる少なくとも1種である、化学機械研磨用水系分散体。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の化学機械研磨用水系分散体を用いて、凹部を有する絶縁層上にストッパ層を介して設けられ、かつ、該凹部に埋設された金属層を、該ストッパ層が露出するまで化学機械研磨する、半導体装置の化学機械研磨方法。
  7. 請求項6において、
    前記金属層は、銅または銅合金からなる層である、半導体装置の化学機械研磨方法。
  8. 請求項6または7において、
    前記ストッパ層は、導電性バリア層である、半導体装置の化学機械研磨方法。
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