JP4707864B2 - 研磨用組成物およびそれを用いた研磨方法 - Google Patents

研磨用組成物およびそれを用いた研磨方法 Download PDF

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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、フォトマスク、各種メモリーハードディスク用基盤の研磨に使用される研磨用組成物に関し、特に半導体産業などにおけるデバイスウェーファーの表面平坦化加工に好適な研磨用組成物およびこの組成物を用いた研磨方法に関するものである。
【0002】
さらに詳しくは、本発明はデバイスウェーファーのプロセス加工時において、いわゆる化学的・機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:以下CMPという)技術が適用されている半導体デバイスの研磨において、高効率であり、高選択性を有し、かつ、優れた研磨表面を形成することができる研磨用組成物、およびこの組成物を用いた研磨方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
近年のコンピューターをはじめとする、いわゆるハイテク製品の進歩は目覚ましく、これに使用される部品、例えばULSI、は年々、高集積化、高速化の一途をたどっている。これに伴い、半導体デバイスのデザインルールは、年々微細化が進み、デバイス製造プロセスでの焦点深度は浅くなり、パターン形成面に要求される平坦性は厳しくなってきている。
【0004】
また、デバイス上の配線の微細化による配線抵抗の増大に対処するため、配線材料として従来一般的に使用されていたタングステンおよびアルミニウムに代わり、銅の使用が検討されている。銅は、その性質上、異方性エッチングによる加工が難しい。このため、絶縁膜上に配線溝および孔を形成させた後、スパッタリング法またはメッキ法により配線用の銅膜を成膜し(いわゆるダマシン法)、次いで、絶縁膜上に堆積した不要な銅膜を機械的研磨と化学的研磨とを組み合わせたCMP加工により除去するような、特定のプロセスが必要であるとされている。
【0005】
しかしながら、前述のプロセスでは、銅原子が絶縁膜中へ拡散してデバイス特性を劣化させることがある。そこで、銅原子の拡散を防止する目的で、配線溝および孔を形成させた絶縁膜上にバリア層を設けることが検討されている。このようなバリア層の材料としては、金属タンタル、または窒化タンタルをはじめとするタンタル含有化合物がデバイスの信頼性の観点から最も優れており、今後採用される可能性が最も高い。
【0006】
従って、このような銅およびタンタル含有化合物を含む半導体デバイスのCMP加工プロセスは、まず最表層にある銅膜、次いでバリア層であるタンタル含有化合物膜をそれぞれ研磨し、さらに二酸化ケイ素または酸フッ化ケイ素などの絶縁膜に達した時点で研磨を終了させるのが一般的である。理想的なプロセスとしては、1種類の研磨用組成物を使用し、1回の研磨工程で、銅膜およびタンタル含有化合物膜を均一に除去し、さらに絶縁膜に達した時点において確実に研磨を終了させるものである。なお、本発明において「タンタル含有化合物」とは窒化タンタルなどの他、金属タンタルも包含するものとし、「銅」は銅に対してアルミニウムなどを配合した合金をも包含するものとする。
【0007】
しかし、銅とタンタル含有化合物では、その硬度、化学的安定性、およびその他の性質が異なるために前述した加工プロセスによって理想的な加工を施すことが困難であった。これを解決するために、2段の、すなわち研磨工程を2回に分けて行う研磨方法が検討されている。
【0008】
このような2段階の研磨方法では、まず、1段目の研磨工程で、銅膜を高効率で研磨することができる研磨用組成物を使用し、タンタル含有化合物膜をストッパーとして、そのタンタル含有化合物膜が表れるまで銅膜を研磨する。この際、銅膜表面にリセス、エロージョン、およびディッシングなどの各種表面欠陥を発生させない目的で、タンタル含有化合物膜が表れる直前、すなわち銅膜をわずかに残した時点で1段目の研磨工程を終了させる場合もある。次に、2段目の研磨工程で、主としてタンタル含有化合物膜を高効率で研磨することができる研磨用組成物を使用し、絶縁膜をストッパーとして、その絶縁膜に達するまで銅膜を研磨する。
【0009】
ここで、リセス、エロージョン、およびディッシングとは、配線部分を過剰に研磨することにより生じる表面欠陥である。それぞれの表面欠陥の主な原因は、リセスについては配線層へのエッチング作用、エロージョンについては単位面積あたりにかかる圧力の違い、ディッシングについては、配線層(ここでは銅膜)と絶縁層またはバリア層(例えばタンタル含有化合物膜)との硬度差である。このような表面欠陥は配線層の断面積を小さくするため、デバイスを作成した場合に上記のような表面欠陥が生じた部分の配線の抵抗が大きくなったり、極端な場合には接触不良が起きたりする。このため、1段目の研磨工程では、配線層に2段目の研磨工程で除去できないような、前記の表面欠陥を発生させないことが重要である。ただし、このときに銅からなる層に対する研磨速度が損なわれるべきではない。
【0010】
このような要求に応えるべく、銅からなる層に対する研磨速度が高く、一方で研磨後の、銅からなる層の表面に大きな表面欠陥を発生させない研磨用組成物が望まれていた。
【0011】
銅からなる層を研磨することを目的とした研磨用組成物として、アミノ酢酸(グリシン)およびアミド硫酸から選ばれる有機酸と、酸化剤と、水とを含んでなる研磨液を使用した半導体デバイスの製造方法が開示されている(特開平7-233485号公報)。また、アミノ酢酸および/またはアミド硫酸と、酸化剤と、水と、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体を含んでなる研磨液、およびそれを用いた半導体デバイスの製造方法が開示されている(特開平8-83780号公報)。
【0012】
本発明者らも、研磨材と、脂肪族カルボン酸と、塩基性化合物と、グリシンなどの研磨促進剤と、ベンゾトリアゾールなどの防食剤と、過酸化水素とを含んでなる研磨用組成物を開示している(特願2001-23316号)。
【0013】
本発明者らは、これらの発明を鑑みて、よりすぐれた効果、具体的には優れた研磨速度とリセス抑制作用、を発現する本発明を完成した。
【0014】
<発明の概要>
本発明による研磨用組成物は、
(a)二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、および酸化チタンからなる群から選ばれる、少なくとも1種類の研磨材、
(b)遊離基捕捉剤
(c)グリシン、α−アラニン、およびヒスチジンからなる群から選ばれる、少なくとも1種類の銅研磨促進剤、
(d)ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、イミダゾール、およびトリルトリアゾールからなる群から選ばれる、少なくとも1種類の防食剤、
(e)過酸化水素、ならびに
(f)水、
を含んでなることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明による研磨方法は、基材上に、基材から表面に向かって順に、タンタル含有化合物からなる層および銅からなる層を具備してなる半導体デバイスを、前記の研磨用組成物を用いて銅からなる層を選択的に研磨することを特徴とするものである。
【0016】
本発明により、銅からなる層に対する高い研磨速度を維持したまま、リセスなどの表面欠陥を抑制することのできる研磨用組成物が提供される。さらに、本発明により、基材上に、基材から表面に向かって順に、タンタル含有化合物からなる層および銅からなる層を具備してなる半導体デバイスを研磨するにあたり、短い製造サイクルで、リセスの発生がない優れた研磨表面を形成させることのできる研磨方法が提供される。
【0017】
<研磨用組成物>
(a)研磨材
本発明による研磨用組成物の成分の中で主研磨材として用いるのに適当な研磨材とは、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、および酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも1種類である。
【0018】
二酸化ケイ素には、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、およびその他の、製造法や性状の異なるものが多種存在する。
【0019】
また、酸化アルミニウムには、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナ、およびその他の形態的に異なるものがある。また製造法からフュームドアルミナと呼ばれるものもある。
【0020】
酸化セリウムには、酸化数から3価のものと4価のもの、また結晶系から見て、六方晶系、等軸晶系、および面心立方晶系のものがある。
【0021】
酸化ジルコニウムは、結晶系から見て、単斜晶系、正方晶系、および非晶質のものがある。また、製造法からフュームドジルコニアと呼ばれるものもある。
【0022】
酸化チタンには、結晶系から見て、一酸化チタン、三酸化二チタン、二酸化チタンおよびその他のものがある。また製造法からフュームドチタニアと呼ばれるものもある。
【0023】
本発明の組成物には、これらのものを任意に、必要に応じて組み合わせて、用いることができる。組み合わせる場合には、その組み合わせ方や使用する割合は特に限定されない。しかしながら、本発明による効果、かつ経済性や入手容易性の観点から、二酸化ケイ素が好ましく、コロイダルシリカが特に好ましい。
【0024】
上記の研磨材は、砥粒としてメカニカルな作用により被研磨面を研磨するものである。従って、研磨材の粒径は研磨後の表面の性能に大きく影響する。研磨速度と、研磨後の表面の性能から、研磨材の粒径は2〜50nmであることが好ましく、5〜40nmであることがより好ましい。なお、本発明において研磨材の粒径はBET法により測定した表面積から求められる平均粒子径であり、下記の計算式から算出される。
D=6/ρ・S
ここで、Dは研磨材の一次粒子径、ρは研磨材の真密度、SはBET法により測定される比表面積である。
【0025】
研磨用組成物中の研磨材の含有量は、十分な機械的研磨速度を達成するために0.1g/リットル以上であることが好ましく、またタンタル含有化合物からなる層に対する研磨速度を抑制し、研磨材の凝集を防止するという観点から、150g/リットル以下が好ましい。より好ましい研磨材の含有量は0.2〜100g/リットル、である。
【0026】
(b)遊離基捕捉剤
本発明において、遊離基捕捉剤とは、研磨工程途中に研磨用組成物中に発生する、化学的研磨作用を増幅する遊離基を捕捉する作用を有するものである。すなわち、銅からなる層を研磨したとき、研磨用組成物中に生成される銅イオンが触媒となり、組成物中の化合物、例えば過酸化水素、尿素など、が分解する。分解反応の結果、ヒドロキシラジカル、ニトロラジカルなどの遊離基が発生し、この遊離基が銅からなる層に対する化学的研磨作用を増幅することがある。このような化学的研磨作用の増幅は、膜面に対して均一に起こらないため、銅配線部にリセスが発生することがある。本発明において、遊離基捕捉剤はこのような表面欠陥の原因となる遊離基を捕捉して、化学的研磨作用の増幅を抑制するものである。
【0027】
このような遊離基捕捉剤としては、フェノール化合物およびニトロソ基含有化合物が挙げられる。フェノール化合物のフェノール性水酸基中の水素原子が遊離基と容易に反応する。遊離基がヒドロキシラジカルの場合には、そのような反応によって水が生成するが、このような生成物は化学的研磨作用にはほとんど寄与しない。一方、ニトロソ基含有化合物の窒素−酸素結合は、二重結合が開裂して遊離基と反応する。このような反応によって、化学的研磨によって組成物中に生成した遊離基が捕捉され、化学的研磨作用の増幅が抑制される。
【0028】
このようなフェノール化合物の具体例としては、フェノール、ピロカテキン、レゾルシン、ヒドロキノン、オルシン、ウルシオール、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノンなどが挙げられる。また、ニトロソ基含有化合物の具体例としては、ニトロソジメチルアニリン、ニトロソピペラジン、ニトロソピペリジンなどが挙げられる。これらのうち、水に対する溶解性、一般的に使用される容器の化合物に対する耐性、経済性などの観点から、ヒドロキノンまたはニトロソピペリジンが好ましい。
【0029】
遊離基捕捉剤の添加量は、リセスの発生を抑制する効果と、遊離基捕捉剤の環境への影響との観点から、好ましくは0.1〜2g/リットル、より好ましくは0.5〜1.5g/リットル、である。
【0030】
(c)銅研磨促進剤
本発明による研磨用組成物は銅研磨促進剤(以下、単に研磨促進剤ということがある)を含んでなる。この研磨促進剤は、グリシン、α−アラニン、およびヒスチジンからなる群から選ばれる、少なくとも1種類の化合物である。これらの化合物は、銅イオンとキレート化合物を形成することができるもので、過酸化水素水溶液に添加すると銅を溶解させることのできるものである。
【0031】
研磨促進剤の添加量は、銅からなる層に対する化学的研磨作用を十分に保ち、研磨促進の効果を発現させるために3g/リットル以上であることが好ましい。一方、銅からなる層に対する研磨速度を制御しやすくするために、研磨促進剤の添加量は15g/リットル以下であることが好ましい。より好ましい研磨促進剤の添加量は6〜12g/リットルである。
【0032】
(d)防食剤
本発明による研磨用組成物は防食剤を含んでなる。この防食剤は、研磨中および研磨後に研磨された銅膜表面を保護して、銅が腐食されることを抑制する働きを有するものであり、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、イミダゾール、およびトリルトリアゾールからなる群から選ばれる、少なくとも1種類の化合物である。これらのうち、本発明の効果がより顕著に表れるベンゾトリアゾールを防食剤として用いることが好ましい。
【0033】
防食剤の添加量は、銅に対する十分な防食効果を達成するために0.01g/リットル以上であることが好ましい。一方、過剰な保護膜形成作用による研磨作用の不均一性を抑制するという観点から、0.1g/リットル以下であることが好ましい。より好ましい防食剤の添加量は、0.02〜0.08g/リットルである。
【0034】
(e)過酸化水素
本発明による研磨用組成物は過酸化水素を含んでなる。過酸化水素は銅膜の表面に酸化膜を形成させる作用を有する。形成された酸化膜は、本発明による研磨組成物による研磨作用を受けやすくなるので、銅からなる層に対する研磨速度を向上させることができる。過酸化水素は銅膜を酸化させるのに十分な酸化力を有する一方で、不純物となり得る金属イオンを含まないものが容易に入手できるという特徴を有する。
【0035】
過酸化水素を添加する場合には、研磨速度を適切に保つために、その添加量は好ましくは2.5〜40g/リットル、より好ましくは5〜20g/リットル、である。
【0036】
(f)水
本発明による研磨用組成物は、前記の各成分および必要に応じてその他の添加剤(詳細後述)を水に溶解または分散させたものである。このような媒体としての水は、本発明の効果を十分に発現させ、また本発明による研磨組成物を用いて製造された製品が不純物により汚染されないように、不純物が少ないものが好ましい。具体的には、イオン交換樹脂により不純物イオンを除去し、かつフィルターによって懸濁物を除去した水、蒸留水などが用いられる。
【0037】
(g)その他の添加剤
本発明による研磨用組成物は、前記した必須成分の他に、製品の品質保持や安定化を図る目的や、被加工物の種類、加工条件およびその他の研磨加工上の必要に応じて、各種の公知の添加剤をさらに含んでいてもよい。
【0038】
例えば、本発明による研磨用組成物は、必要に応じて脂肪族カルボン酸を含んでなる。脂肪族カルボン酸は、銅に対する化学的エッチング作用を抑制する作用を有するものと考えられており、研磨速度や研磨後の表面品質を改良するために用いることができる。好ましい脂肪族カルボン酸は、飽和炭化水素骨格、または1〜2個の不飽和結合を有する不飽和炭化水素骨格に、少なくともひとつのカルボキシル基を有するものである。これらのカルボン酸のうち炭素数が10以上であるものがより好ましい。このような脂肪族カルボン酸の具体例は、ラウリン酸、リノール酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸であり、もっとも好ましい脂肪族カルボン酸はオレイン酸である。
【0039】
本発明による研磨用組成物が脂肪族カルボン酸を含む場合、銅からなる層に対する化学的エッチング作用抑制効果を十分に発揮させるという観点から、0.01g/リットル以上であることが好ましく、また化学的エッチング作用抑制効果を適度に発揮させて研磨速度を十分高く維持するという観点、および研磨用組成物に対して十分に溶解させるという観点から0.2g/リットル以下であることが好ましい。より好ましい脂肪族カルボン酸の含有量は、0.025〜0.1g/リットルである。
【0040】
また、本発明による研磨用組成物は必要に応じて塩基性化合物を含んでなる。
この塩基性化合物は、研磨用組成物のpHを調整する目的のほか、本発明による研磨用組成物が前記の脂肪族カルボン酸を含む場合、その溶解を補助する目的で用いることができる。本発明による研磨用組成物が塩基性化合物を含む場合、好ましい塩基性化合物は、アンモニア、エチレンジアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ピペラジン、ピペリジン、およびエタノールアミンからなる群から選ばれるものである。特に、銅膜に対するエッチング作用が小さく、粒子を凝集させにくく、また不純物金属を含まないものが好ましい。そのような観点から、本発明による研磨用組成物が塩基性化合物を含む場合、もっとも好ましいものは水酸化テトラメチルアンモニウムである。
【0041】
本発明による研磨用組成物のpHは、特に限定されないが、研磨用組成物使用に際しての安全性、および廃棄に係る環境への影響の観点から、一般に4〜9、好ましくは6〜8、である。
【0042】
また、研磨材の分散性を高めるために、あるいは研磨用組成物の表面張力または粘度を調整するために、その他の添加剤として界面活性剤を組成物に添加することができる。このような界面活性剤としては、分散剤、湿潤剤、増粘剤、消泡剤、起泡剤、撥水剤、およびその他が挙げられる。例えば、分散剤として用いられる一般的な界面活性剤としては、スルホン酸系、リン酸系、カルボン酸系、または非イオン系の界面活性剤が挙げられる。
【0043】
<研磨用組成物の調製>
本発明による組成物は、一般に上記の各成分を所望の含有率で水に混合し、研磨材を分散させ、各種添加剤を溶解させることにより調製する。これらの成分を水中に分散または溶解させる方法は任意であり、例えば、翼式撹拌機で撹拌したり、超音波分散により分散させる。また、これらの混合順序は任意であり、研磨用組成物において、研磨材の分散と添加剤の溶解のいずれを先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。
【0044】
また、本発明による研磨用組成物は、比較的高濃度の原液として調製して貯蔵または輸送などをし、実際の研磨加工時に希釈して使用することもできる。前述の好ましい濃度範囲は、実際の研磨加工時のものとして記載したのであり、使用時に希釈する使用方法をとる場合、貯蔵または輸送などをされる状態においてはより高濃度の溶液となることは言うまでもない。さらには、取り扱い性の観点から、そのような濃縮された形態で製造されることが好ましい。
【0045】
なお、前記した過酸化水素は金属イオン、アンモニウムイオンなどが共存すると分解する性質がある。従って、本発明による研磨用組成物の成分として過酸化水素を用いる場合には、過酸化水素を使用の直前に組成物に添加し、混合して使用することが好ましい。
【0046】
<本発明による研磨用組成物を用いた研磨方法>
本発明による研磨方法は、基材上に、基材から表面に向かって順に、タンタル含有化合物からなる層および銅からなる層を具備してなる半導体デバイスを、前記の研磨用組成物を用いて銅からなる層を選択的に研磨することを特徴とするものである
【0047】
前記したような半導体デバイスは、主に銅からなる層を研磨する1段目の研磨工程と、主にタンタル含有化合物からなる層を研磨する2段目の研磨工程との2段階研磨によって研磨されることが一般的である。本発明による研磨方法は、この1段目の研磨工程に前記の研磨用組成物を用いることに相当するものである。
【0048】
以下は、本発明による研磨用組成物を例を用いて具体的に説明するものである。
なお、本発明は、その要旨を超えない限り、以下に説明する諸例の構成に限定されるものではない。
【0049】
【実施例】
実施例1〜27および比較例1〜4
<研磨用組成物の内容および調製>
表1に示される組成を有する研磨用組成物を準備した。いずれの例においても、平均一次粒径が30nmのコロイダルシリカを用いた。ここで、実施例1〜5は、ヒドロキノン、グリシン、ベンゾトリアゾール、過酸化水素の添加量をそれぞれ一定量とし、コロイダルシリカの濃度のみを、0.1〜150g/リットルの範囲で変化させた。なお、過酸化水素水は市販の31%水溶液を使用した。ただし、表中の含有量は過酸化水素の実質重量をもとにしたものである。
【0050】
また、実施例6〜9では、遊離基捕捉剤であるヒドロキノンの量のみを、0.1〜2g/リットルの範囲で変化させ、コロイダルシリカの濃度は20g/リットルで一定とした。実施例10〜13ではグリシンの添加量のみを3〜15g/リットルの範囲で変化させ、実施例14〜17ではベンゾトリアゾールの添加量のみを0.01〜0.1g/リットルの範囲で変化させた。実施例18〜21では過酸化水素の添加量のみを2.5〜40g/リットルの範囲で変化させた。実施例22〜26ではオレイン酸の添加量のみを0〜0.2g/リットルの範囲で変化させた。また、実施例27では遊離基捕捉剤としてニトロソピペリジンを用いた。
【0051】
また、比較例1〜4は、それぞれ遊離基捕捉剤、研磨促進剤、防食剤、または過酸化水素を含まない例である。なお、実施例22以外は組成物のpHが8になるように塩基性化合物として水酸化テトラメチルアンモニウムを添加した。
【0052】
【表1】
Figure 0004707864
【0053】
<研磨試験>
研磨は、片面CMP用研磨機を用いて行った。研磨機の定盤には、ポリウレタン製の積層研磨パッド(ロデール社(米国)製IC-1000/Suba400)を貼り付け、加工圧力2psi(約140g/cm)、定盤回転数70rpm、研磨用組成物の供給量200cc/分、キャリア回転数70rpmとした。
【0054】
研磨速度算出のため、被研磨物として、電解メッキ法で銅からなる層を成膜した銅ブランケットウェーファー、およびスパッタリング法で金属タンタルからなる層を成膜したタンタルブランケットウェーファーを用いた。これらの被研磨物を研磨用組成物を用いて1分間研磨し、研磨前と研磨後の膜厚差から研磨速度を算出した。
【0055】
また、パターンウェーファーとしては、SEMATECH社製の931パターンウェーファーを用いた。研磨は除去すべき銅からなる層が除去された時点で研磨を終了させた。研磨後、KLA-Tencor社製HPR340を用いて、10μm配線部のリセス量を測定した。
【0056】
実施例1〜5の結果から、コロイダルシリカの濃度が増加すると銅からなる層およびタンタル含有化合物からなる層に対する研磨速度が増加する傾向があることがわかる。
【0057】
また、遊離基捕捉剤、研磨促進剤、および防食剤の添加量を変化させても、本発明の効果が発現していることがわかる。さらに、遊離基捕捉剤の種類を変えても本発明の効果が発現した。

Claims (6)

  1. 下記(a)〜(f)を含んでなることを特徴とする研磨用組成物。
    (a)二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、および酸化チタンからなる群から選ばれる、少なくとも1種類の研磨材、
    (b)フェノール化合物およびニトロソ基含有化合物からなる群から選ばれる遊離基捕捉剤
    (c)グリシン、α−アラニン、およびヒスチジンからなる群から選ばれる、少なくとも1種類の銅研磨促進剤、
    (d)ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、イミダゾール、およびトリルトリアゾールからなる群から選ばれる、少なくとも1種類の防食剤、
    (e)過酸化水素、ならびに
    (f)水。
  2. 脂肪族カルボン酸をさらに含んでなる、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 塩基性化合物をさらに含んでなる、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記遊離基捕捉剤が、ヒドロキノンまたはニトロソピペリジンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記防食剤が、ベンゾトリアゾールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 基材上に、基材から表面に向かって順に、タンタル含有化合物からなる層および銅からなる層を具備してなる半導体デバイスを、請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて銅からなる層を選択的に研磨することを特徴とする研磨方法。
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