JP2004362918A - 真空バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】メタライズ部の電界緩和を容易に行う。
【解決手段】円筒状の絶縁容器および絶縁容器の両端に気密に接合されて内部を真空封止する端板組立体を有する真空容器と、真空容器内に接離可能に設けられた一対の電極とを備えた真空バルブにおいて、端板組立体は、電極に接合された内端部および絶縁容器に向かって延びた外端部を有する端板と、絶縁容器に接合された外端部および端板に連結された連結部を有する端部金具とを備え、端部金具および端板の少なくともいずれか一方が、絶縁容器と端部金具との間の接合部近傍にまで延長され、もって接合部の電界緩和機能を提供するシールド部分を備えた真空バルブ。
【選択図】 図1
【解決手段】円筒状の絶縁容器および絶縁容器の両端に気密に接合されて内部を真空封止する端板組立体を有する真空容器と、真空容器内に接離可能に設けられた一対の電極とを備えた真空バルブにおいて、端板組立体は、電極に接合された内端部および絶縁容器に向かって延びた外端部を有する端板と、絶縁容器に接合された外端部および端板に連結された連結部を有する端部金具とを備え、端部金具および端板の少なくともいずれか一方が、絶縁容器と端部金具との間の接合部近傍にまで延長され、もって接合部の電界緩和機能を提供するシールド部分を備えた真空バルブ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は真空バルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空バルブにおいては、アルミナセラミックで円筒状に形成された絶縁容器の両端には、端板がメタライズ層を利用してろう付けにより同軸上に取り付けられている。端板にはそれぞれ電極棒としてのそれぞれ電極を持つ固定電極棒、可動電極棒が取り付けられており、可動電極と端板との間にはベローズが取り付けられていて、可動電極が気密を保ちながら可動となるようにしてある。また、絶縁容器内部にはシールドが設けられていて、絶縁容器の内面およびベローズがアークにより発生する蒸気で汚染されるのを防いでいる。
【0003】
このような真空バルブに於いては、メタライズ層の厚さが薄く、その両端部はシャープなエッジになるため電界集中がおこり、耐電圧性能が低下する。メタライズ部の耐圧低下が特に問題となる従来の真空バルブは、真空側の電界緩和を行うために真空容器内部のメタライズ部近傍に電界緩和シールドを取り付けて電界緩和を行っていた。また、真空容器外部のメタライズ部についても、この電界緩和シールドだけでは解決しないような場合には、さらに電界緩和リングを外部のメタライズ部に設置して絶縁性樹脂部材でなる絶縁テープで覆い、更にこの絶縁テープを覆うように絶縁テープの外表面に絶縁性樹脂被膜を形成していた。(例えば特許文献1参照)
【0004】
また、セラミックと端部金具とのろう付接合部分は、ろう付け時にセラミックと端部金具の熱膨張係数の差により応力が発生する。端板部分の機械強度を向上させるためには端板の板厚を上げればよいが、端板でセラミックの真空封じをする場合端板の板厚を厚くするとセラミックに発生する応力が高くなるため限界があった。その場合は端板を端部金具と端板とに分割し、端板のみ板厚を上げることにより端板部分の機械的強度を向上させ信頼性を上げていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−282986号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の真空バルブに於いては、電界を緩和するために電界緩和シールドや電界緩和リングなどを取り付ける必要があった。機械強度の必要性から端部金具を介して端板をセラミックにろう付けし真空容器を形成するような場合には、部品点数が多くなりコストの増大に繋がっていた。また、電界緩和リングを取り付けるために塗布する絶縁性樹脂被膜として例えば液状で硬化型のシリコーンゴムを用いるが、このシリコーンゴムを塗布した後乾燥させるための時間と場所を要していた。しかも塗布した絶縁性樹脂中にボイドがあると、ボイド部でコロナ放電が発生するためボイドが生じないよう細心の注意を払って塗布する必要があり、この電解緩和部材の取り付け作業は多大な手間と時間を要しコスト増大に繋がっていた。
【0007】
従って、この発明は上述のような問題点を解消するためになされたもので、メタライズ部の電界緩和をより容易に行い、部品点数を増やさず作業性のよい構造にすることにより、コストの低減による経済性の向上を図ることが可能な真空バルブを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の真空バルブは、円筒状の絶縁容器および上記絶縁容器の両端に気密に接合されて内部を真空封止する端板組立体を有する真空容器と、上記真空容器内に接離可能に設けられた一対の電極とを備えた真空バルブにおいて、上記端板組立体は、上記電極に接合された内端部および上記絶縁容器に向かって延びた外端部を有する端板と、上記絶縁容器に接合された外端部および上記端板に連結された連結部を有する端部金具とを備え、上記端部金具および上記端板の少なくともいずれか一方が、上記絶縁容器と上記端部金具との間の接合部近傍にまで延長され、もって上記接合部の電界緩和機能を提供するシールド部分を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に概略断面図で示すこの発明の真空バルブに於いて、真空バルブは、アルミナセラミックス等でできた円筒状の絶縁容器1および絶縁容器1の両端に気密に接合されて内部を真空封止する端板組立体2および3を有する真空容器4と、真空容器4内に固定および可動電極棒5および6によって接離可能に支持された一対の固定および可動電極7および8とを備えている。
【0010】
固定電極7側の端板組立体2は、固定電極棒5を介して固定電極7に固定側ブロック9によって接合された端板10と、絶縁容器1の開口端部11に接合されて端板10に連結部12で連結された端部金具13とを備えている。端部金具13は端板10よりも薄い金属板でできていて、絶縁容器1に不都合に大きな機械的応力が掛からないようにしてある。図示の例では端板10は固定電極棒5にろう付けされている。
【0011】
端板10は、中央に開口を形成する内端部14を持ち、断面形が図に示すような段部15を持つ、全体としてほぼ円板状あるいは円環状の部材である。端板10は固定電極棒5に固着された内端部14から絶縁容器1に向かって延びていて、端部金具13に接合されて連結された連結部16を持っている。図示の例では後に詳述するように連結部16は段部15に形成されている。
【0012】
端部金具13は、外端部17で絶縁容器1の開口端部11上に形成された約20μmの厚みのMo−Mnからなるメタライズ層18にろう付けにより接合されて接合部19を形成する第1脚部20と、端板10に銀ろう材によるろう付けで連結されて連結部21を構成する折曲部22と、折曲部22から絶縁容器1の接合部19を離間して覆うようにその近傍にまで延長された第2脚部23とを備えたほぼU字型断面の環状部材である。この第2脚部23は、端部金具13の一部が連結部21を越えて、絶縁容器1と端部金具13との間の接合部19近傍にまで延長された部分と言うことができ、この構成によりメタライズ層18と同電位の端部金具13がメタライズ層18のすぐ内側に存在することとなり、電界集中を起こしやすい絶縁容器1の接合部19のメタライズ層18の周囲の電界緩和機能を持つシールド部分24が得られる。この例では第2脚部23(絶縁容器1に接合されていない脚部)は絶縁容器1の内側にある。
【0013】
可動電極8側の端板組立体3も固定電極7側の端板組立体2とほぼ同様の構成を持ち、可動電極棒6にベローズ25を介して気密に接合された端板26と、絶縁容器1の開口端部11にのメタライズ層18に接合されて端板26に連結部27で連結された端部金具28とを備えている。ここでは相違する点だけを説明する。即ち、端板26は、薄いステンレスで蛇腹状に製作されて気密を保ちながら可動側電極棒6が動くことを可能にしているベローズ25により可動電極棒6に接続されている。また、ベローズ25には絶縁容器1の内面及びベロ−ズ25を覆って絶縁容器1の内面及びベロ−ズ25がア−クにより発生する金属蒸気で汚染されるのを防ぐシールド29が設けられている。更に、端板26は可動電極棒6を軸方向摺動ができるように支持する樹脂ガイド30に取付板31を介して取り付けられている。
【0014】
絶縁容器1の内周面には、固定および可動電極7および8を囲んでシールド32が設けられていて、絶縁容器1の内周面を覆って絶縁容器1の内周面がア−クにより発生する金属蒸気で汚染されるのを防ぐようにしてある。
【0015】
このような構造を採用することにより、端部金具13に電界緩和シールドの機能を持たせることができるため電界緩和シールドを別個の部品として設けることが不要となり部品点数を少なくできる。真空容器を形成する端部金具に電界緩和機能を持たせれば、部品点数を増加させることなくメタライズ部の電界緩和機能を有する真空バルブを製作することが可能となり、信頼性が高く低コストの真空バルブを提供することができる。
【0016】
実施の形態2.
図2に示す真空バルブに於いては、端部金具34の第2脚部35が、絶縁容器1の内側にあって、その先端に、メタライズ層18を持つ接合部19近傍で接合部19近傍から離れる方向即ち内側に向けて、曲率半径の大きな湾曲をもって折り曲げられた折曲部36を備えている。その他の構成は図1のものと同じである。この構成により、端部金具34の第2脚部35の先端部の周囲の電界集中も緩和できる。
【0017】
実施の形態3.
図3に示す真空バルブに於いては、端部金具38の第2脚部39(絶縁容器1に接合されていない脚部)が、絶縁容器1の外側にあって、その先端に、メタライズ層18を持つ接合部19近傍で接合部19近傍から離れる方向即ち外側に向けて、曲率半径の大きな湾曲をもって折り曲げられた折曲部40を備えている。また、端板10の内側には、接合部19の近傍を通って絶縁容器1の内周面に沿って延びたシールド41が設けられていて、この部分の電界緩和が図られている。その他の構成は図1のものと同じである。絶縁容器1の外側の接合部19近傍にまで端部金具38の第2脚部39を設けることによりこの部分の電界集中も緩和でき、電界緩和リング等を取り付ける必要がなく、そのためのシリコーンゴムの塗布作業が不要となり、部品点数の減少と合わせて大幅なコストの低減ができる。また、折曲部40を設けることによって端部金具38の第2脚部39の先端部の周囲の電界集中も緩和できる。
【0018】
実施の形態4.
図4に示す真空バルブに於いては、端板44は、図1乃至図3に示す端板と同様の円板状部材の外周から連続して延びた延長部45を備えていて、全体として浅いカップ形の部材である。この延長部45は、絶縁容器1の外側で大きな曲率半径で曲げられて軸方向に延ばされ、接合部19を覆うようにその近傍にまで延長されてシールド部分の作用を備えている。このようにメタライズ層18と同電位である端板44の端部の延長部45を、接合部19のメタライズ層18を離間して覆うようにそのすぐ外側にまで曲げることにより、接合部19の電界緩和を実現できる。また、端板44の内側には、接合部19の近傍を通って絶縁容器1の内周面に沿って延びた図3のものと同様のシールド41が設けられていて、この部分の電界緩和が図られている。このため、この例に於いては、絶縁容器1に接合部19で接合された端部金具46には、シールドの作用をする第2脚部を設ける必要がないか、設ける場合でも短いものでよい。端板44の延長部45の先端に図3に示す折曲部40のような大きな曲率半径を持つ折曲部を設けて、さらに電界緩和の効果を増大させることもできる。
【0019】
実施の形態5.
図5に示す真空バルブに於いては、図4のものと同様の延長部45を備えた端板44が用いられていて、図1に示すものと同様の端部金具13が設けられており、図4の例で用いられている端板44内側に設けたシールド41は設けられていない。即ち端部金具13の第2脚部23が接合部19を離間して覆うようにその近傍にまで延ばされて、電界緩和シールドの機能を持たせてある。この構造によれば、さらに部品点数を削減できコスト低減が可能となる。
【0020】
以上説明したこの発明の真空バルブの実施の形態によれば、端板強度を上げるために端板と端部金具を分割にしても端板や端部金具に電界緩和機能を持たせることにより、部品点数を増やすことなく信頼性の高い真空バルブを形成できる。また、電界緩和リングを取り付けるための絶縁性樹脂被膜を塗布する作業を省略することが可能となるため、安価な真空バルブを提供できる。
【0021】
【発明の効果】
この発明によれば、真空バルブは、円筒状の絶縁容器および上記絶縁容器の両端に気密に接合されて内部を真空封止する端板組立体を有する真空容器と、上記真空容器内に接離可能に設けられた一対の電極とを備えた真空バルブにおいて、上記端板組立体は、上記電極に接合された内端部および上記絶縁容器に向かって延びた外端部を有する端板と、上記絶縁容器に接合された外端部および上記端板に連結された連結部を有する端部金具とを備え、上記端部金具および上記端板の少なくともいずれか一方が、上記絶縁容器と上記端部金具との間の接合部近傍にまで延長され、もって上記接合部の電界緩和機能を提供するシールド部分を備えたことを特徴とするものである。従って、メタライズ部の電界緩和を、部品点数を増やさず作業性のよい簡単な構造で実現した真空バルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の真空バルブの実施の形態1を示す概略断面図である。
【図2】この発明の真空バルブの実施の形態2を示す概略部分断面図である。
【図3】この発明の真空バルブの実施の形態3を示す概略部分断面図である。
【図4】この発明の真空バルブの実施の形態4を示す概略部分断面図である。
【図5】この発明の真空バルブの実施の形態5を示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁容器、2、3 端板組立体、7、8 電極、10 端板、13 端部金具、14 内端部、16 連結部、17 外端部、19 接合部、20 第1脚部、21 連結部、22 折曲部、23 第2脚部、24 シールド部分、40 折曲部、45 延長部。
【発明の属する技術分野】
この発明は真空バルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空バルブにおいては、アルミナセラミックで円筒状に形成された絶縁容器の両端には、端板がメタライズ層を利用してろう付けにより同軸上に取り付けられている。端板にはそれぞれ電極棒としてのそれぞれ電極を持つ固定電極棒、可動電極棒が取り付けられており、可動電極と端板との間にはベローズが取り付けられていて、可動電極が気密を保ちながら可動となるようにしてある。また、絶縁容器内部にはシールドが設けられていて、絶縁容器の内面およびベローズがアークにより発生する蒸気で汚染されるのを防いでいる。
【0003】
このような真空バルブに於いては、メタライズ層の厚さが薄く、その両端部はシャープなエッジになるため電界集中がおこり、耐電圧性能が低下する。メタライズ部の耐圧低下が特に問題となる従来の真空バルブは、真空側の電界緩和を行うために真空容器内部のメタライズ部近傍に電界緩和シールドを取り付けて電界緩和を行っていた。また、真空容器外部のメタライズ部についても、この電界緩和シールドだけでは解決しないような場合には、さらに電界緩和リングを外部のメタライズ部に設置して絶縁性樹脂部材でなる絶縁テープで覆い、更にこの絶縁テープを覆うように絶縁テープの外表面に絶縁性樹脂被膜を形成していた。(例えば特許文献1参照)
【0004】
また、セラミックと端部金具とのろう付接合部分は、ろう付け時にセラミックと端部金具の熱膨張係数の差により応力が発生する。端板部分の機械強度を向上させるためには端板の板厚を上げればよいが、端板でセラミックの真空封じをする場合端板の板厚を厚くするとセラミックに発生する応力が高くなるため限界があった。その場合は端板を端部金具と端板とに分割し、端板のみ板厚を上げることにより端板部分の機械的強度を向上させ信頼性を上げていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−282986号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の真空バルブに於いては、電界を緩和するために電界緩和シールドや電界緩和リングなどを取り付ける必要があった。機械強度の必要性から端部金具を介して端板をセラミックにろう付けし真空容器を形成するような場合には、部品点数が多くなりコストの増大に繋がっていた。また、電界緩和リングを取り付けるために塗布する絶縁性樹脂被膜として例えば液状で硬化型のシリコーンゴムを用いるが、このシリコーンゴムを塗布した後乾燥させるための時間と場所を要していた。しかも塗布した絶縁性樹脂中にボイドがあると、ボイド部でコロナ放電が発生するためボイドが生じないよう細心の注意を払って塗布する必要があり、この電解緩和部材の取り付け作業は多大な手間と時間を要しコスト増大に繋がっていた。
【0007】
従って、この発明は上述のような問題点を解消するためになされたもので、メタライズ部の電界緩和をより容易に行い、部品点数を増やさず作業性のよい構造にすることにより、コストの低減による経済性の向上を図ることが可能な真空バルブを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の真空バルブは、円筒状の絶縁容器および上記絶縁容器の両端に気密に接合されて内部を真空封止する端板組立体を有する真空容器と、上記真空容器内に接離可能に設けられた一対の電極とを備えた真空バルブにおいて、上記端板組立体は、上記電極に接合された内端部および上記絶縁容器に向かって延びた外端部を有する端板と、上記絶縁容器に接合された外端部および上記端板に連結された連結部を有する端部金具とを備え、上記端部金具および上記端板の少なくともいずれか一方が、上記絶縁容器と上記端部金具との間の接合部近傍にまで延長され、もって上記接合部の電界緩和機能を提供するシールド部分を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に概略断面図で示すこの発明の真空バルブに於いて、真空バルブは、アルミナセラミックス等でできた円筒状の絶縁容器1および絶縁容器1の両端に気密に接合されて内部を真空封止する端板組立体2および3を有する真空容器4と、真空容器4内に固定および可動電極棒5および6によって接離可能に支持された一対の固定および可動電極7および8とを備えている。
【0010】
固定電極7側の端板組立体2は、固定電極棒5を介して固定電極7に固定側ブロック9によって接合された端板10と、絶縁容器1の開口端部11に接合されて端板10に連結部12で連結された端部金具13とを備えている。端部金具13は端板10よりも薄い金属板でできていて、絶縁容器1に不都合に大きな機械的応力が掛からないようにしてある。図示の例では端板10は固定電極棒5にろう付けされている。
【0011】
端板10は、中央に開口を形成する内端部14を持ち、断面形が図に示すような段部15を持つ、全体としてほぼ円板状あるいは円環状の部材である。端板10は固定電極棒5に固着された内端部14から絶縁容器1に向かって延びていて、端部金具13に接合されて連結された連結部16を持っている。図示の例では後に詳述するように連結部16は段部15に形成されている。
【0012】
端部金具13は、外端部17で絶縁容器1の開口端部11上に形成された約20μmの厚みのMo−Mnからなるメタライズ層18にろう付けにより接合されて接合部19を形成する第1脚部20と、端板10に銀ろう材によるろう付けで連結されて連結部21を構成する折曲部22と、折曲部22から絶縁容器1の接合部19を離間して覆うようにその近傍にまで延長された第2脚部23とを備えたほぼU字型断面の環状部材である。この第2脚部23は、端部金具13の一部が連結部21を越えて、絶縁容器1と端部金具13との間の接合部19近傍にまで延長された部分と言うことができ、この構成によりメタライズ層18と同電位の端部金具13がメタライズ層18のすぐ内側に存在することとなり、電界集中を起こしやすい絶縁容器1の接合部19のメタライズ層18の周囲の電界緩和機能を持つシールド部分24が得られる。この例では第2脚部23(絶縁容器1に接合されていない脚部)は絶縁容器1の内側にある。
【0013】
可動電極8側の端板組立体3も固定電極7側の端板組立体2とほぼ同様の構成を持ち、可動電極棒6にベローズ25を介して気密に接合された端板26と、絶縁容器1の開口端部11にのメタライズ層18に接合されて端板26に連結部27で連結された端部金具28とを備えている。ここでは相違する点だけを説明する。即ち、端板26は、薄いステンレスで蛇腹状に製作されて気密を保ちながら可動側電極棒6が動くことを可能にしているベローズ25により可動電極棒6に接続されている。また、ベローズ25には絶縁容器1の内面及びベロ−ズ25を覆って絶縁容器1の内面及びベロ−ズ25がア−クにより発生する金属蒸気で汚染されるのを防ぐシールド29が設けられている。更に、端板26は可動電極棒6を軸方向摺動ができるように支持する樹脂ガイド30に取付板31を介して取り付けられている。
【0014】
絶縁容器1の内周面には、固定および可動電極7および8を囲んでシールド32が設けられていて、絶縁容器1の内周面を覆って絶縁容器1の内周面がア−クにより発生する金属蒸気で汚染されるのを防ぐようにしてある。
【0015】
このような構造を採用することにより、端部金具13に電界緩和シールドの機能を持たせることができるため電界緩和シールドを別個の部品として設けることが不要となり部品点数を少なくできる。真空容器を形成する端部金具に電界緩和機能を持たせれば、部品点数を増加させることなくメタライズ部の電界緩和機能を有する真空バルブを製作することが可能となり、信頼性が高く低コストの真空バルブを提供することができる。
【0016】
実施の形態2.
図2に示す真空バルブに於いては、端部金具34の第2脚部35が、絶縁容器1の内側にあって、その先端に、メタライズ層18を持つ接合部19近傍で接合部19近傍から離れる方向即ち内側に向けて、曲率半径の大きな湾曲をもって折り曲げられた折曲部36を備えている。その他の構成は図1のものと同じである。この構成により、端部金具34の第2脚部35の先端部の周囲の電界集中も緩和できる。
【0017】
実施の形態3.
図3に示す真空バルブに於いては、端部金具38の第2脚部39(絶縁容器1に接合されていない脚部)が、絶縁容器1の外側にあって、その先端に、メタライズ層18を持つ接合部19近傍で接合部19近傍から離れる方向即ち外側に向けて、曲率半径の大きな湾曲をもって折り曲げられた折曲部40を備えている。また、端板10の内側には、接合部19の近傍を通って絶縁容器1の内周面に沿って延びたシールド41が設けられていて、この部分の電界緩和が図られている。その他の構成は図1のものと同じである。絶縁容器1の外側の接合部19近傍にまで端部金具38の第2脚部39を設けることによりこの部分の電界集中も緩和でき、電界緩和リング等を取り付ける必要がなく、そのためのシリコーンゴムの塗布作業が不要となり、部品点数の減少と合わせて大幅なコストの低減ができる。また、折曲部40を設けることによって端部金具38の第2脚部39の先端部の周囲の電界集中も緩和できる。
【0018】
実施の形態4.
図4に示す真空バルブに於いては、端板44は、図1乃至図3に示す端板と同様の円板状部材の外周から連続して延びた延長部45を備えていて、全体として浅いカップ形の部材である。この延長部45は、絶縁容器1の外側で大きな曲率半径で曲げられて軸方向に延ばされ、接合部19を覆うようにその近傍にまで延長されてシールド部分の作用を備えている。このようにメタライズ層18と同電位である端板44の端部の延長部45を、接合部19のメタライズ層18を離間して覆うようにそのすぐ外側にまで曲げることにより、接合部19の電界緩和を実現できる。また、端板44の内側には、接合部19の近傍を通って絶縁容器1の内周面に沿って延びた図3のものと同様のシールド41が設けられていて、この部分の電界緩和が図られている。このため、この例に於いては、絶縁容器1に接合部19で接合された端部金具46には、シールドの作用をする第2脚部を設ける必要がないか、設ける場合でも短いものでよい。端板44の延長部45の先端に図3に示す折曲部40のような大きな曲率半径を持つ折曲部を設けて、さらに電界緩和の効果を増大させることもできる。
【0019】
実施の形態5.
図5に示す真空バルブに於いては、図4のものと同様の延長部45を備えた端板44が用いられていて、図1に示すものと同様の端部金具13が設けられており、図4の例で用いられている端板44内側に設けたシールド41は設けられていない。即ち端部金具13の第2脚部23が接合部19を離間して覆うようにその近傍にまで延ばされて、電界緩和シールドの機能を持たせてある。この構造によれば、さらに部品点数を削減できコスト低減が可能となる。
【0020】
以上説明したこの発明の真空バルブの実施の形態によれば、端板強度を上げるために端板と端部金具を分割にしても端板や端部金具に電界緩和機能を持たせることにより、部品点数を増やすことなく信頼性の高い真空バルブを形成できる。また、電界緩和リングを取り付けるための絶縁性樹脂被膜を塗布する作業を省略することが可能となるため、安価な真空バルブを提供できる。
【0021】
【発明の効果】
この発明によれば、真空バルブは、円筒状の絶縁容器および上記絶縁容器の両端に気密に接合されて内部を真空封止する端板組立体を有する真空容器と、上記真空容器内に接離可能に設けられた一対の電極とを備えた真空バルブにおいて、上記端板組立体は、上記電極に接合された内端部および上記絶縁容器に向かって延びた外端部を有する端板と、上記絶縁容器に接合された外端部および上記端板に連結された連結部を有する端部金具とを備え、上記端部金具および上記端板の少なくともいずれか一方が、上記絶縁容器と上記端部金具との間の接合部近傍にまで延長され、もって上記接合部の電界緩和機能を提供するシールド部分を備えたことを特徴とするものである。従って、メタライズ部の電界緩和を、部品点数を増やさず作業性のよい簡単な構造で実現した真空バルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の真空バルブの実施の形態1を示す概略断面図である。
【図2】この発明の真空バルブの実施の形態2を示す概略部分断面図である。
【図3】この発明の真空バルブの実施の形態3を示す概略部分断面図である。
【図4】この発明の真空バルブの実施の形態4を示す概略部分断面図である。
【図5】この発明の真空バルブの実施の形態5を示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁容器、2、3 端板組立体、7、8 電極、10 端板、13 端部金具、14 内端部、16 連結部、17 外端部、19 接合部、20 第1脚部、21 連結部、22 折曲部、23 第2脚部、24 シールド部分、40 折曲部、45 延長部。
Claims (7)
- 円筒状の絶縁容器および上記絶縁容器の両端に気密に接合されて内部を真空封止する端板組立体を有する真空容器と、上記真空容器内に接離可能に設けられた一対の電極とを備えた真空バルブにおいて、
上記端板組立体は、上記電極に接合された内端部および上記絶縁容器に向かって延びた連結部を有する端板と、上記絶縁容器に接合された外端部および上記端板に連結された連結部を有する端部金具とを備え、
上記端部金具および上記端板の少なくともいずれか一方が、上記絶縁容器と上記端部金具との間の接合部近傍にまで延長され、もって上記接合部の電界緩和機能を提供するシールド部分を備えたことを特徴とする真空バルブ。 - 上記端板は円板状部材であり、上記端部金具は上記端板に連結されて上記連結部を構成する折曲部と、上記絶縁容器に接合されて上記接合部を構成する第1脚部と、上記接合部近傍にまで延長されて上記シールド部分を構成する第2脚部とを備えたほぼU字型断面の環状部材であることを特徴とする請求項1記載の真空バルブ。
- 上記端部金具の上記第2脚部が上記絶縁容器の内側に設けられたことを特徴とする請求項2記載の真空バルブ。
- 上記端部金具の上記第2脚部が、上記接合部近傍に上記接合部近傍から離れる方向に折り曲げられた折曲部を有することを特徴とする請求項2記載の真空バルブ。
- 上記端部金具の上記第2脚部が上記絶縁容器の外側に設けられたことを特徴とする請求項2記載の真空バルブ。
- 上記端板は円板状部材であり、上記円板状部材の外周に上記絶縁容器の外側で上記接合部分近傍にまで延長されて上記シールド部分を構成する延長部を備えたことを特徴とする請求項1記載の真空バルブ。
- 上記端部金具は上記端板に連結されて上記連結部を構成する折曲部と、上記絶縁容器に接合されて上記接合部を構成する第1脚部と、上記絶縁容器の内側で上記接合部近傍にまで延長されて上記シールド部分を構成する第2脚部とを備えたほぼU字型断面の環状部材であることを特徴とする請求項6記載の真空バルブ。
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