JP2004358518A - 曲げ加工方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金型耐圧Kよりも低い圧力限界値であってラム速度vを減速させるのに必要な閾値Tと、該閾値Tに対応したラム速度減速率をそれぞれ設定した後、ラム駆動源の圧力を検出し、該検出圧力pが閾値Tを越えた場合に、ラム速度vを対応減速率だけ減速させる。この場合、上記閾値と減速率は一定の関連を有し、閾値が大きくなれば、減速率も大きくなる。また、上記検出圧力が金型耐圧を越えた場合には、ラムを非常停止させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金型破損を防止するようにした曲げ加工方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プレスブレーキのような曲げ機械には、機械保護のために金型破損防止手段が設置されている(例えば特公平8−15621、特公平3−3523、実公平4−28651)。
【0003】
このうち、特公平8−15621に開示されている金型破損防止手段は、使用する金型の全長と、該金型単位長さ当たりの安全荷重とから、総安全荷重を演算し、演算結果に基づいて、安全圧力を設定し、検出圧力が、この設定した安全圧力を越えた場合には、ラムを非常停止させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、非常停止信号が出力されても、ラムは、慣性のために移動を継続し、非常停止するまでには、検出圧力が上記設定された圧力を遙かに越えてしまう(例えば安全圧力の2倍程度になることがある)。
【0005】
その結果、金型が破損することにより、所定の製品が加工されず、最初から加工をやり直さなければならず、加工効率が極めて低い。
【0006】
また、作業者のミス、例えば誤った金型を使用した場合や、加工するワークを間違った場合などにも、検出圧力が上記設定された圧力を遙かに越えてしまうことがあり、前記と同様の結果になり、更にこの場合には、作業者が危険に晒され、安全を脅かされることがある。
【0007】
このことは、特公平3−3523、実公平4−28651に開示されているものについても、同じである。
【0008】
本発明の目的は、曲げ加工装置において、金型の破損を確実に防止することにより、加工効率の向上を図ると共に、作業者の安全を確保することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、
金型耐圧Kよりも低い圧力限界値であってラム速度vを減速させるのに必要な閾値Tと、該閾値Tに対応したラム速度減速率をそれぞれ設定した後、ラム駆動源の圧力を検出し、該検出圧力pが閾値Tを越えた場合に、ラム速度vを対応減速率だけ減速させることを特徴とする曲げ加工方法(図5)、及び
ラム駆動源の圧力を検出する圧力センサなどの圧力検出手段5を備えた曲げ加工装置において、
製品情報に基づいて、曲げ順、金型を決定する曲げ順・金型決定手段3Dと、
該決定した金型に基づいて、金型耐圧Kを演算する金型耐圧演算手段3Eと、
該演算した金型耐圧Kよりも低い圧力限界値であって、ラム速度vを減速させるのに必要な閾値Tを設定する閾値設定手段3Fと、
該設定した閾値Tに対応したラム速度減速率を設定する減速率設定手段3Gと、
上記圧力検出手段5による検出圧力pが閾値Tを越えたか否かを判定する圧力判定手段3Hと、
該検出圧力pが閾値Tを越えた場合に、ラム速度vを対応減速率だけ減速させるラム駆動制御手段3Jを有することを特徴とする曲げ加工装置(図1)という技術的手段を講じている。
【0010】
上記本発明の構成によれば、検出圧力pが(図3(A))金型耐圧Kより低い閾値T(例えばK×70%)を越えた場合に(図3(A)のt3)、ラム速度vを(図3(B))対応減速率(図4の例えば50%)だけ減速させることにより(図3(B)のt3)、ラム20を(図3(C))それまでの低速度(図3(C)のt1〜t3)より更に遅い超低速度で下降させるので(図3(C)のt3〜t4)、その後検出圧力pが金型耐圧Kを越えることなく加工が行われ(図3(A)のt3以降)、金型の破損が確実に防止され、そのため加工が続行され、また作業者が危険に晒されることも無くなる。
【0011】
従って、本発明によれば、曲げ加工装置において、金型の破損を確実に防止することにより、加工効率の向上を図ると共に、作業者の安全を確保することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、実施の形態により添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態を示す全体図である。
【0014】
図1において、参照符号1は曲げ機械、2は油圧回路2、3はNC装置である。
【0015】
この場合の曲げ機械1としては、例えば下降式プレスブレーキがあり、該プレスブレーキ1は、油圧シリンダ5で上下動する上部テーブル20と、その直下の下部テーブル21を有し、上部テーブル20にはパンチPが、下部テーブル21にはダイDがそれぞれ装着されている。
【0016】
また、上記油圧シリンダ5は、図示するように、油圧回路2に連通し、該油圧回路2は、NC装置3により動作するようになっている。
【0017】
この構成により、NC装置3の制御により、油圧回路2を介して油圧シリンダ5を駆動し、ラムである上部テーブル20を下降させれば、パンチPとダイDの協働によりワークWに所定の曲げ加工が行われる。
【0018】
この場合、例えば油圧シリンダ5には、圧力センサなどから成る圧力検出手段4が設けられ、ラム駆動源である油圧シリンダ5(図2)の上部室5Aの油圧が検出される。
【0019】
この場合、圧力センサ4は、前記上部室5Aと後述するラム動作切換バルブ12を結合する油路に接続してもよい。
【0020】
この圧力センサ5で検出される圧力pは(図3(A))、ワークWを(図3(C))曲げ加工中に(図3(C)のt2〜t5)金型P、Dが受ける曲げ圧力に等しく、後述する閾値Tとの(図3(A))比較対象となる。
【0021】
上記検出圧力pは、NC装置3(図1)を構成する圧力判定手段3Hにおいて、閾値Tと(図3(A))比較され、該閾値Tを越えたか否かが判定され、若し越えた場合には(図3(A)のt3)、ラム速度vを(図3(B))対応する減速率だけ(図4)減速し(図3(B)のt3〜t4)、ラム20を(図3(C))それまでの低速度(図3(C)のt1〜t3)よりも遅い超低速度で(図3(C)のt3〜t4)下降させるようになっている。
【0022】
従って、ラム速度vの減速後は(図3(B)のt3以降)検出圧力pが(図3(A))金型耐圧Kを越えることなく加工が行われるので、本発明によれば、金型の破損が確実に防止され、加工効率の向上を図ると共に、作業者の安全を確保することができる。
【0023】
上記油圧シリンダ5を駆動する油圧回路2は、例えば図2に示すように、ラム動作切換バルブ12と、流量制御バルブ13と、圧力制御バルブ14と、油圧ポンプ16により構成されている。
【0024】
この構成により、NC装置3(図1)のラム駆動制御手段3Jの制御により、電動機M(図2)で回転する油圧ポンプ16で油タンク15から汲み上げられた作動油は、圧力制御バルブ14で所定の圧力に制御され、流量制御バルブ13とラム動作切換バルブ12を通って油圧シリンダ5に供給され、該油圧シリンダ5を作動しラム20を上下動させる。
【0025】
即ち、ラム動作切換バルブ12のポートPとB、ポートAとTを連通させると、作動油は、油圧シリンダ5の上部室5Aに流入してピストンを押し下げ、そのとき下部室5Bの作動油は、流出して油タンク15に戻ることにより、ラム20が下降する。
【0026】
この場合、ラム20の下降速度(図3(B)のt4まで)、即ち高速度−v1と(図3(B)のt1まで)低速度−v2と(図3(B)のt1〜t3)超低速度−v3は(図3(B)のt3〜t4)、前記流量制御バルブ13(図2)により制御される。
【0027】
例えば、既述したように、検出圧力pが(図3(A))閾値Tを越え(図3(A)のt3)ラム速度vを減速する場合には(図3(B)のt3)、後述する減速率設定手段3G(図1)により設定された所定の減速率だけ(図4)ラム速度vが減速されるように、ラム駆動制御手段3Jが(図1)前記流量制御バルブ13を(図2)絞りこむ。
【0028】
これにより、ラム動作切換バルブ12のポートPとBを通過し、油圧シリンダ5の上部室5Aに流入する作動油の量が少なくなり、ラム速度vが上記所定の減速率だけ減速され、例えば−v2から−v3に減速されるので(図3(B)のt3)、ラム20は−v3で超低速下降するようになる(図3(C)のt3〜t4)。
【0029】
また、ラム動作切換バルブ12(図2)を中立にすると、ポートAとBは閉鎖され、ポートPとTが連通するので、油圧シリンダ5は動作せず、ラム20は停止する。
【0030】
例えば、前記したように、検出圧力pが(図3(A))閾値Tを越えラム速度vを所定の減速率だけ(図4)減速した場合でも(図3(B)のt3、図5のステップ109))、その後作業者のミスなどが原因で検出圧力pが金型耐圧Kを越えたときには(図3(A)のt3′、図5のステップ110のYES)、ラム速度vを−v3から0に切り換えて(図3(B)のt3′)ラム20が非常停止するように(図3(C)のt3′、図5のステップ112)、ラム動作切換バルブ12(図2)を中立にする。
【0031】
この場合、ラム20は慣性により若干下降し続けるが、その前に(図3(B)と図3(C)のt3〜t3′、図5のステップ109)十分減速しているので、金型破損は防止される。
【0032】
また、例えばラム20が超低速下降後(図3(C)のt3〜t4)、下限に到達した場合には(図3(C)のt4)、ラム動作切換バルブ12を中立にすれば、ラム速度vはそれまでの−v3から0になり(図3(B)のt4)、ラム20は(図3(C))、従来どおり停止しワークWを加圧した状態で曲げ加工を行う(図3(C)のt4〜t5)。
【0033】
更に、ラム動作切換バルブ12(図2)のポートPとA、ポートBとTを連通させると、作動油は、油圧シリンダ5の下部室5Bに流入してピストンを押し上げ、そのとき上部室5Aの作動油は、流出して油タンク15に戻ることにより、ラム20が上昇する。
【0034】
この場合、ラム20の上昇速度+v1は(図3(B)のt5以降)、同様に、前記流量制御バルブ13(図2)により制御される。
【0035】
例えば、加工終了後(図3(C)のt5)ラム20を高速上昇させる場合には従来どおりラム速度が増速されるように、ラム駆動制御手段3Jが(図1)前記流量制御バルブ13を(図2)開く。
【0036】
これにより、ラム動作切換バルブ12のポートPとAを通過し、油圧シリンダ5の下部室5Bに流入する作動油の量も多くなり、ラム速度vは(図3(B))、加工中の0から+v1に切り換わるので(図3(B)のt5)、ラム20が+v1で高速上昇することにより(図3(C)のt5以降)、上限位置に戻る。
【0037】
上記構成を有する曲げ機械1のNC装置3は、CPU3Aと、入出力手段3Bと、記憶手段3Cと、曲げ順・金型決定手段3Dと、金型耐圧演算手段3Eと、閾値設定手段3Fと、圧力判定手段3Hと、ラム駆動制御手段3Jにより構成されている。
【0038】
CPU3Aは、本発明の動作手順(図5に相当)に従って、曲げ順・金型決定手段3D(図1)、金型耐圧演算手段3Eなど図1の装置全体を統括制御する。
【0039】
入出力手段3B、キーボードなどの入力手段と画面などの出力手段から成り、製品情報(図5のステップ101)、例えばCAD情報、その他加工プログラムなどを入力し、その結果は画面で確認できるようになっている
【0040】
記憶手段3Cは(図1)、金型耐圧演算手段3Eが金型耐圧を演算する場合に必要な単位長さ当たりの耐圧や(kトン/mm)、該金型耐圧に基づいて、閾値設定手段3Fが閾値を設定する場合や、減速率設定手段3Gが減速率を設定する場合に必要な情報のデータテーブル(図4)などを予め記憶しておく。
【0041】
曲げ順・金型決定手段3Dは(図1)、前記入出力手段3Bを介して入力された製品情報に基づいて、曲げ順、金型を決定すると共に(図5のステップ102)、金型レイアウト、更にはD値、L値なども決定する。
【0042】
金型耐圧演算手段3Eは(図1)、前記曲げ順・金型決定手段3Dにより決定された金型の曲げ長さ(Lmm)と、前記記憶手段3Cに記憶されている単位長さ当たりの耐圧(kトン/mm)を乗算することにより(L×k)、金型耐圧K(図3(A))を演算する。
【0043】
閾値設定手段3Fは(図1)、前記金型耐圧演算手段3Eで演算された金型耐圧Kに基づいて、閾値T(図3(A))を設定する。
【0044】
この閾値Tは、ラム速度vを(図3(B))減速させるのに必要な検出圧力p(図3(A))の限界値であって金型耐圧Kより低い値であり、検出圧力pが該閾値Tを越えた場合には(図3(A)のt3)、ラム速度vを対応する減速率(図4)だけ減速させる(図3(B)のt3)。
【0045】
上記閾値Tは、前記したように金型耐圧Kよりも低く、該金型耐圧Kの一定の割合を閾値Tとして設定することができ、そのためのデータテーブルが(図4)前記したように、記憶手段3Cに(図1)記憶されている。
【0046】
図4においては、金型耐圧Kに対する閾値の設定割合が、70%、80%、90%となっており、それぞれの場合に、設定される閾値Tは、T=K×70%、K×80%、K×90%となる。
【0047】
この場合の閾値Tの設定の仕方としては、当初の作業者の指定により、固定値とするか(例えば、安全を見込んで常に最も低い閾値Tとなるように、T=K×70%とする)、又は手動・自動により、任意の値とすることができる(例えば、加工条件により、上記T=K×70%、又はK×80%、又はK×90%をその都度閾値Tとして設定する)。
【0048】
従って、例えば自動設定の場合には、閾値設定手段3Fは(図1)、前記金型耐圧演算手段3Eにより演算された金型耐圧Kに基づいて、記憶手段3Cのデータテーブル(図4)を検索し、加工条件により、例えばK×70%を閾値Tとして自動的に設定する。
【0049】
減速率設定手段3Gは(図1)、前記閾値Tに対応した減速率を設定する。
【0050】
この減速率は、ラム速度vを(図3(B))減速する場合の該ラム速度vの減少する割合であって、前記閾値Tと密接な関連を有し、閾値Tが大きくなれば、減速率も大きくなるというように、両者は対応しており、そのために、既述したデータテーブルに(図4)、減速率がデータとして格納されている。
【0051】
図4において、閾値TをT=K×70%、K×80%、K×90%とした場合には、減速率は、それぞれ50%、60%、70%である。
【0052】
この場合の減速率の設定の仕方としては、前記閾値Tの場合と同様に、当初の作業者の指定により、固定値とするか(例えば、安全を見込んで常に最も遅いラム速度となるように、減速率は70%とする)、又は手動・自動により、任意の値とすることができる(例えば、加工条件により、上記50%、又は60%、又は70%をその都度減速率として設定する)。
【0053】
従って、例えば自動設定の場合には、減速率設定手段3Gは(図1)、前記閾値設定手段3Fにより設定された閾値T=K×70%に基づいて、記憶手段3Cのデータテーブル(図4)を検索し、このK×70%に対応した減速率50%を自動的に設定する。
【0054】
圧力判定手段3Hは(図1)、前記検出圧力p(図3(A))を常に監視し、該検出圧力pが閾値T又は金型耐圧Kを越えたか否かを判定し、所定の処置をする。
【0055】
例えば、圧力判定手段3Hは(図1)、検出圧力pと(図3(A))と閾値Tを比較し、該検出圧力pが閾値Tを越えたと判定した場合には(図3(A)のt3、図5のステップ108のYES)、その旨を後述するラム駆動制御手段3Jに知らせ、該ラム駆動制御手段3Jがラム速度vを減速できるようにする(図3(B)のt3、図5のステップ109)。
【0056】
また、例えば、圧力判定手段3Hは(図1)、前記ラム速度vが減速された後(図3(B)のt3、図5のステップ109)、検出圧力pと(図3(A))と金型耐圧Kを比較し、該検出圧力pが金型耐圧Kを越えたと判定した場合には(図3(A)のt3′、図5のステップ110のYES)、その旨を同様にラム駆動制御手段3Jに知らせ、ラム速度vを減速後の−v3の途中から0に切り換えて(図3(B)のt3′)ラム20を非常停止させるようにする(図3(C)のt3′、図5のステップ112)。
【0057】
ラム駆動制御手段3Jは(図1)、油圧回路2を制御することにより、ラム駆動源である油圧シリンダ5(図1)を作動させ、ラム20を上下動させる。
【0058】
例えば、ラム駆動制御手段3Jは、検出圧力pが閾値Tを越えたことを、前記圧力判定手段3Hから知らされると、減速率設定手段3Gにより設定された減速率(例えば50%)だけ(図4)ラム速度vが減速されるように(例えば−v2から−v3に減速されるように(図3(B)のt3))、前記油圧回路2の流量制御バルブ13を(図2)絞りこむことにより、ラム20を(図3(C))−v3で超低速下降させる(図3(C)のt3〜t4)。
【0059】
以下、前記構成を有する本発明の動作を図5に基づいて説明する。
【0060】
(1)加工開始までの動作(図5のステップ101〜105)。
図5のステップ101において、製品情報を入力し、ステップ102において、曲げ順、金型を決定し、ステップ103において、決定された金型に基づいて、金型耐圧Kを演算し、ステップ104において、演算した金型耐圧Kに対して、閾値Tを設定し、ステップ105において、ラム速度vの減速率を設定する。
【0061】
即ち、CPU3Aは(図1)、入出力手段3Bを介して製品情報、例えばCAD情報が入力されたこと検知すると、曲げ順・金型決定手段3Dを制御して曲げ順、金型を決定させ、更には、金型レイアウト、D値、L値などを決定させると共に金型耐圧演算手段3Eを制御して、金型耐圧Kを演算させる。
【0062】
その後、CPU3Aは、閾値設定手段3Fと減速率設定手段3Gを制御し、記憶手段3Cのデータテーブル(図4)を検索させ、前記演算された金型耐圧Kに基づいて、例えばK×70%を閾値Tとして自動的に設定させると共に、その閾値Tに対応した例えば50%を減速率として自動的に設定させる。
【0063】
この設定された閾値Tと減速率のうち、閾値Tは、圧力判定手段3Hに、減速率は、ラム駆動制御手段3Jにそれぞれ送られる。
【0064】
(2)加工開始後ラム速度vを減速するまでの動作(図5のステップ106〜109)。
図5のステップ106において、加工を開始し、ステップ107において、圧力を検出し、ステップ108において、検出圧力pが閾値Tを越えたか否かを判断し、越えた場合には(YES)、ステップ109において、ラム速度vを減速する。
【0065】
前記図5のステップ105でラム速度vの減速率が設定された後、例えば作業者がスタートスイッチ(図示省略)を押すと、それを検知したCPU3Aは(図1)、加工開始と見做す。
【0066】
加工開始と見做したCPU3Aは、ラム駆動制御手段3Jを介して油圧回路2を制御することにより、油圧シリンダ5を駆動してラム20(図3(C))を高速下降させ、パンチPがワークWに接触する直前で(図3(C)のt1)、ラム速度vを(図3(B))高速度−v1から低速度−v2に切り換え(図3(B)のt1)、該ラム20を低速下降させそのままパンチPをワークWと接触させて(図3(C)のt2)、曲げ加工を開始させる。
【0067】
パンチPがワークWと接触した後、(図3(C)のt2以降)、金型P、Dが受ける曲げ圧力は(図3(A))、急激に上昇し、該曲げ圧力は、既述したように、圧力センサ4(図1)で検出され、その検出圧力pは(図3(A))、圧力判定手段3H(図1)において、閾値Tと比較される。
【0068】
そして、圧力判定手段3Hは、検出圧力pが(図3(A))閾値Tを越えたと判断した場合には(図3(A)のt3)、それを検知したCPU3Aは、ラム駆動制御手段3Jを介して前記油圧回路2を制御し、それにより、ラム速度vを(図3(B))、設定された例えば50%の減速率だけ−v2から−v3に減速させる(図3(B)のt3)。
【0069】
これにより、ラム20は(図3(C))−v3で超低速下降するようになる(図3(C)のt3〜t4)。
【0070】
(3)ラム速度vを減速した後の動作。
(3)−A 検出圧力pが金型耐圧Kを越えた場合の動作。
図5のステップ110において、検出圧力pが金型耐圧Kを越えたか否かを判断し、越えた場合には(YES)、ステップ112において、ラム20を非常停止させる。
【0071】
即ち、前記ラム速度vを減速させた場合でも(図3(B)のt3、図5のステップ109)、圧力判定手段3Hは(図1)、検出圧力pが(図3(A))金型耐圧Kを越えたと判定した場合には(図3(A)のt3′)、それを検知したCPU3Aは(図1)、ラム駆動制御手段3Jを介して油圧回路2を制御し、ラム速度vを超低速度−v3から急遽ゼロに切り換え(図3(B)のt3′)、超低速下降しているラム20を非常停止させる(図3(C)のt3′)。
【0072】
これにより、既述したように、作業者のミスなどが原因で検出圧力pが金型耐圧Kを越えたときでも、ラム20が非常停止することにより(図3(C)のt3′)、金型破損は防止される。
【0073】
(3)−B 検出圧力pが金型耐圧Kを越えない場合の動作。
図5のステップ110において、検出圧力pが金型耐圧Kを越えたか否かを判断し、越えない場合には(YES)、ステップ112において、ラム20が下限に到達した後、ラム速度vをゼロにして加工を行う。
【0074】
即ち、ラム速度vを減速後(図3(B)のt3、図5のステップ109)、圧力判定手段3Hを(図1)介して検出圧力pが(図3(A))金型耐圧Kを越えないと判定した場合には(図3(A)のt3〜t4)、CPU3Aは(図1)、ラム20が(図3(C)のt4)下限に到達したことを検知したときに、ラム駆動制御手段3J(図1)を介して油圧回路2を制御し、ラム速度vを−v3から0に切り換えて(図3(B)のt4)ラム20を(図3(C))従来どおり停止させワークWを加圧した状態で曲げ加工を行う(図3(C)のt4〜t5)。
【0075】
【発明の効果】
上記のとおり、本発明の構成によれば、検出圧力が金型耐圧より低い閾値を越えた場合に、ラム速度を対応減速率だけ減速させることにより、ラムをそれまでの低速度より更に遅い超低速度で下降させるので、その後検出圧力が金型耐圧を越えることなく加工が行われ、金型の破損が確実に防止され、そのため加工が続行され、また作業者が危険に晒されることも無くなる。
【0076】
また、ラム速度を対応減速率だけ減速させた後でも、作業者のミスにより検出圧力が金型耐圧を越えた場合には、ラムを非常停止させるので、金型の破損は確実に防止される。
【0077】
従って、本発明によれば、曲げ加工装置において、金型の破損を確実に防止することにより、加工効率の向上を図ると共に、作業者の安全を確保するという効果を奏することとなった。
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す全体図である。
【図2】本発明による油圧回路2の詳細図である。
【図3】本発明による検出圧力pとラム速度vとラムストロークsの説明図である。
【図4】本発明による閾値を設定する場合の金型耐圧に対する設定割合と、該設定された閾値に対応する減速率との関係を示す図である。
【図5】本発明の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 曲げ機械
2 油圧回路
3 NC装置
3A CPU
3B 入出力手段
3C 記憶手段
3D 曲げ順・金型決定手段
3E 金型耐圧演算手段
3F 閾値設定手段
3G 減速率設定手段
3H 圧力判定手段
3J ラム駆動制御手段
4 圧力検出手段
5 油圧シリンダ
5A 上部室
5B 下部室
12 ラム動作切換バルブ
13 流量制御バルブ
14 圧力制御バルブ
15 油タンク
16 油圧ポンプ
20 上部テーブル
21 下部テーブル
D ダイ
M 電動機
K 金型耐圧
P パンチ
T 閾値
W ワーク
p 検出圧力
s ラムストローク
v ラム速度
Claims (5)
- 金型耐圧よりも低い圧力限界値であってラム速度を減速させるのに必要な閾値と、該閾値に対応したラム速度減速率をそれぞれ設定した後、ラム駆動源の圧力を検出し、該検出圧力が閾値を越えた場合に、ラム速度を対応減速率だけ減速させることを特徴とする曲げ加工方法。
- 上記閾値と減速率は一定の関連を有し、閾値が大きくなれば、減速率も大きくなる請求項1記載の曲げ加工方法。
- 上記検出圧力が金型耐圧を越えた場合には、ラムを非常停止させる請求項1記載の曲げ加工方法。
- ラム駆動源の圧力を検出する圧力センサなどの圧力検出手段を備えた曲げ加工装置において、
製品情報に基づいて、曲げ順、金型を決定する曲げ順・金型決定手段と、
該決定した金型に基づいて、金型耐圧を演算する金型耐圧演算手段と、
該演算した金型耐圧よりも低い圧力限界値であって、ラム速度を減速させるのに必要な閾値を設定する閾値設定手段と、
該設定した閾値に対応したラム速度減速率を設定する減速率設定手段と、
上記圧力検出手段による検出圧力が閾値を越えたか否かを判定する圧力判定手段と、
該検出圧力が閾値を越えた場合に、ラム速度を対応減速率だけ減速させるラム駆動制御手段を有することを特徴とする曲げ加工装置。 - 上記閾値を設定する場合の金型耐圧に対する設定割合と、該設定された閾値に対応する減速率とをデータテーブルとして構成し、該データテーブルを記憶する記憶手段を有する請求項4記載の曲げ加工装置。
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