JP2004356847A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】サービスセンタにおいて正確な故障情報が得られるようにした。
【解決手段】撮影レンズ101を経由して入射した被写体の画像を固体撮像素子110で捉えて撮影操作に応じて画像データを生成し、該画像データを記録媒体130に記録するデジタルカメラにおいて、記録媒体130に記録されている画像データをプリントして画像化するときの情報を記録フォーマットとして記録媒体に記録する記録フォーマット設定部120と、このデジタルカメラで発生した故障と故障発生状況とを検知する故障検知部140と、該故障検知部140で検知された故障と故障発生状況とを関連づけて文字データとして記録媒体130に記録する信号処理部112とを備えた。
【選択図】 図2
【解決手段】撮影レンズ101を経由して入射した被写体の画像を固体撮像素子110で捉えて撮影操作に応じて画像データを生成し、該画像データを記録媒体130に記録するデジタルカメラにおいて、記録媒体130に記録されている画像データをプリントして画像化するときの情報を記録フォーマットとして記録媒体に記録する記録フォーマット設定部120と、このデジタルカメラで発生した故障と故障発生状況とを検知する故障検知部140と、該故障検知部140で検知された故障と故障発生状況とを関連づけて文字データとして記録媒体130に記録する信号処理部112とを備えた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影操作に応じて生成した画像データを記録媒体に記録するデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデジタルカメラにおいて、故障等による異常が発生した場合にその異常をカメラ内で検出し、この検出した異常をカメラ内のメモリに記憶しておく技術がある。また、その記憶されている情報を数値データで表わし、サービスセンタ等でその数値データを読み出してその数値データと対応表を比較し、不具合内容を理解する技術もある。
【0003】
また、従来の情報処理装置において、装置の各周辺部の診断を行う診断手段を各周辺部ごとに設けた技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−52012号公報(要約、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、カメラに故障による異常が発生すると、ユーザはそのカメラを例えば、カメラ店などの取次店を経由してリペアセンタに送って持参して修理を依頼し、リペアセンタでは、カメラのメモリから故障情報を読み出してこの情報に基づいて修理を行っている。その場合、上記のように、従来はメモリに記憶されているのは、カメラに発生した異常の状況であり、情報不足の場合が多い。例えば、その異常が常には再現しない異常であるときは、リペアセンタではその異常が発生した原因を種々推測しながら異常再現テストを行う必要があるが、どのようにしたら異常を再現させることができるか分からない場面も多く、結局、異常が再現されないままその異常の発生原因となりうる部品を交換して、正確な原因が不明のまま修理完了とそてユーザに戻してしまい、ユーザに戻ってから異常が再現し、ユーザから苦情を受けることも生じうる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、リペアセンタに従来と比べ故障修理に極めて有益な情報を提供するデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のデジタルカメラは、撮影レンズを経由して入射した被写体の画像を固体撮像素子で捉えて撮影操作に応じて画像データを生成し、該画像データを記録媒体に記録するデジタルカメラにおいて、
このデジタルカメラで発生した故障を検知する故障検知部と、
この故障検知部で検知された故障と該故障が発生したときの故障発生状況とを関連づけて記録媒体に記録する故障記録部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のデジタルカメラでは、発生した故障を故障検知部で検知し、検知された故障と故障発生状況とを関連づけて記録媒体に記録するので、プリントサービスセンタで記録媒体から画像のプリントを行うと共に、故障情報もプリントアウトすることにより、その故障の内容だけでなく、その故障が発生したときの状況がプリント紙に印刷される。ユーザはこのプリント紙と故障が発生したカメラをリペアセンタに送り、修理を依頼する。
【0009】
この故障が発生したときの状況は、具体的にはそのデジタルカメラにより様々であってもよいが、一例として、以下に述べるように、その故障が発生するよりも前にユーザにより行われた様々の操作の履歴や、他の例として強い衝撃が加わったか否か等の情報が得られる。この情報に基づいて、リペアセンタでは、故障が発生したときと同じ手順で操作を行ってみたり、あるいは強い衝撃が加わったのであれば、別な故障を発生させない程度に衝撃を加えたりなどして、ユーザの手元にあるときに発生した故障を高い確率で再現することができる。このように、本発明によれば、故障修理に極めて有益な情報がリペアセンタに伝えられ、これに基づいて的確な修理を行うことが可能となる。
【0010】
上記故障記録部は、故障検知部で検知された故障と該故障が発生したときの故障発生状況とを関連づけた文字データを記録媒体に記録するものであることが好ましい。
【0011】
このように、文字データとして記録すると、例えば、記号や図形等で記録するよりも故障内容等の把握が容易である。リペアセンタにのみに情報を伝達する場合であっても文字データの方が故障内容等の理解が容易であるが、文字データで記録しておくとユーザでもその故障内容等を容易に理解することができる。
【0012】
さらに、上記故障検記録部は、例えば、故障が発生したときのこのデジタルカメラの操作状況を、その故障が発生したときの故障発生状況として採用し、その故障発生状況としての操作状況を記録することが好ましい。これにより、故障発生とカメラ操作の関連性が評価でき、故障修理に際してより有効な情報が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は本発明の実施形態を示す第1のデジタルカメラの外観図であって、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0015】
図1に示すデジタルカメラ10は、カメラボディ100の前面に撮影レンズ101が設けられ、背面にはユーザがこのデジタルカメラ10を使用するときに様々な操作を行うための、操作用のスイッチ群115およびLCD105が設けられている。
【0016】
この操作用のスイッチ群115は、デジタルカメラを作動させるための電源スイッチ102、撮影と再生とを自在に切替える撮影・再生切替レバー103、実行キー106a、キャンセルキー106b、十字キー107および閃光発光部104のポップアップスイッチ108などがある。この十字キー107の内側には表示部107aが設けられていてLCD105に表示される選択メニューの項目が十字キー107によって選択できるようになっている。さらにはLCD105の表示、非表示の切替を行うための表示キー1051も設けられている。また、このデジタルカメラ10の上方にはレリーズ釦109が配備されている。このレリーズ釦109が全押しされると撮影の開始指示がデジタルカメラ内部の後述する信号処理部へと伝えられる。
【0017】
また、このデジタルカメラ10は、撮影・再生切替レバー103によって撮影と再生との切替が自在になっており、撮影を行うときにはユーザによって撮影・再生切替レバー103が撮影側103aに切り替えられ、再生を行うときには撮影・再生切替レバー103が再生側103bに切り替えられる。また、夜間撮影も行えるように閃光発光装置104が配備されている。
【0018】
図2は、デジタルカメラ10の内部に設けられている信号処理回路の一例を示すブロック構成図である。
【0019】
本実施形態のデジタルカメラ10ではすべての処理がCPU111によって制御されており、このCPU111の制御のもとにDSP112によって固体撮像素子(以下CCDという)110で得られた画像データの処理が行われる。このCPU111とDSP112とは図示しないバスで接続されており、このバスを介してデータのやりとりが行われる。CPU111にはSDRAM113とFLASHROM114とが接続されている。SDRAM113にはDSP112で処理が行われる画像データが記憶され、FLASHROM114にはCPU111に処理を実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0020】
CPU111の入力部には、図1に示した各種キーおよびスイッチからなる操作用のスイッチ群115の操作に応じた電気信号が入力される。このスイッチ群115には、図1に示した電源スイッチ102、撮影・再生切替レバー103、表示キー1051、実行キー106a、キャンセルキー106b、上キー1071、右キー1072、下キー1073、左キー1074の4つのキーで構成される十字キー107、レリーズ釦109に同期して作動するシャッタスイッチなどがある。このシャッタスイッチにはレリーズ釦109の半押し状態と全押し状態とが区別されるように二つの接点が備えられており、レリーズ釦109の半押し状態は撮影のスタンバイ状態を示すものとしてCPU111に認識される。
【0021】
また、本実施形態のデジタルカメラ10ではLCD105に表示メニューの表示が可能な構成になっており、そのメニューで表示される項目の選択が上記十字キー107により行われる。
【0022】
この十字キー107ではLCD105に表示される選択メニューの、複数の項目の中のいずれかが選択できるようになっている。図1に示した十字キーの4つのキーのうち、上キー1071が押されたら上方向へLCD105の画面に表示されたカーソルが移動し、右キー1072が押されたらカーソルが右方向へ移動する構成になっている。
【0023】
これらのキー1071〜1074が押されたときに、それらのキー1071〜1074が押されたことがCPU111に認識され、CPU111では4つのキー1071〜1074のうち、いずれかのキーが押されたことに基づいてバスを経由させてLCD105へカーソルの移動指示が転送される。そうすると複数表示されている項目の中のいずれかにカーソルが移動してそれらの項目の中のいずれかがその移動したカーソルにより選択される。
【0024】
カーソルが項目の中のいずれかに置かれた状態で実行キー106aが押されればその項目が実行される。したがってユーザはLCD105に表示されたカーソルにより、選択メニューの中の、複数の項目のいずれかを選択することができる。
【0025】
撮影・再生切替レバー103が再生側103bに切り替えられると記録媒体からの再生が行われる。このときには撮影を行うための指示を行うレリーズ釦などからの信号が入力されても処理は行われない。
【0026】
次にCPU111の出力部を説明する。CPU111の出力部にはタイミングジェネレータ(以下TGという)116、フォーカスレンズ118を駆動するためのモータドライバ(以下DRVという)117、および閃光発光部104に閃光発光を行わせる閃光発光装置104aが接続されている。
【0027】
撮影を行うときにはLCD105上に被写体像が被写体の動きにあわせて表示されている。この表示されている被写体の像を見ながら、ユーザによりフレーミングが行なわれ、レリーズ釦109が全押しされたら撮影が行なわれる。このレリーズ釦109が全押しされたら、CPU111では撮影開始を指示する信号がTG116へ出力される。TG116ではこの指示を受けてCCD110へレリーズ釦109が押下されたことを知らせる信号が供給される。この信号を受けてCCD110ではレリーズ釦109が全押しされたときにCCD110によって撮像されていた画像データがRGB信号として出力される。
【0028】
CCD110で得られた撮像信号はRGB信号となってCDSおよびA/D部119へ供給される。このCDSおよびA/D部119で雑音の低減が行われてからデジタル信号に変換され、デジタルのRGB信号となってDSP112へ供給される。このDSP112内には画像信号処理部、圧縮処理部、AE(AutoExposure)検出部、AWB(Auto White Balance)検出部、ビデオエンコーダ、音声信号処理部などの各信号処理部が包含されている。
【0029】
このDSP112でCCD110で得られたRGB信号からなる画像データに一連の処理が施され、その処理が施された画像データがLCD105、記録媒体130といった出力機器へ出力される。以上がCCD110により得られた撮影信号の流れである。
【0030】
次に、前述した撮影・再生切替レバー103が撮影側103aに切り替えられ、撮影が行われるときの画像データの流れを説明する。
【0031】
撮影が行われるときには、CPU111の入力部に接続されている撮影・再生切替レバー103が撮影側103aに切り替えられる。
【0032】
このようなデジタルカメラ10ではレリーズ釦109が押されていなくてもLCD105の画面に撮影レンズが向けられた方向の被写体像がスルー画像として常に表示されている。この表示されているスルー画像は、CCD110から所定の間隔ごとに読み出されるRGB信号から成る画像データがDSP112内の画像信号処理部でYC信号に変換され、そのYC信号がDSP112内のビデオエンコーダを経由してLCD105に供給されて得られるものである。このようなスルー画像の表示が行われているときにはスルー画像ごとにDSP112で露出調節、焦点調節といったカメラ特有の信号処理が行われている。
【0033】
ここでユーザが求めている被写体がLCD105の画面にスルー画像として表示されていたら、ユーザによりレリーズ釦109が全押しされる。ユーザによってレリーズ釦109が全押しされるとCPU111からTG116に対して撮影の開始指示が出される。この開始指示を受けてCCD110ではRGB信号が出力される。なお、前述したようにレリーズ釦109には半押しと全押しの二つの操作態様があり、一気に全押しされたときであってもレリーズ釦109が半押しされた状態もCPU111では認識され、一瞬半押し状態になった時点では撮影スタンバイの状態になっている。
【0034】
この出力されたRGB信号はCDSおよびA/D変換部119でデジタル信号に変換され、DSP112内の画像入力コントローラによってDSP112側へ導かれ、その導かれたRGB信号がDSP112内のバスを介してSDRAM121に供給され、SDRAM121にデジタル信号のRGB信号が書き込まれる。そしてすべての画像データに対応するRGB信号の取り込みが完了したら、今度はSDRAM121からRGB信号が読み出されてDSP112に供給される。DSP112ではRGB信号からYC信号への変換が行なわれ、さらにDSP121内で圧縮された画像データがインタフェース120を介して記録媒体130に供給され、この記録媒体130に画像データがJPEG圧縮ファイルとして記録される。
【0035】
なおDSP112とCPU111とはバスによって接続されており、このバスを介してアドレス、データのやりとりが行われる。CPU111には内部にレジスタが各種用意されており、これらのレジスタの内容が各信号処理部の処理の進行状況に応じて書き換えられる。CPU内111ではこのレジスタの内容を判読してFLASHROM114内に格納されているプログラムの手順にしたがった処理が行われる。
【0036】
以上が本実施形態のデジタルカメラ10で撮影が行われるときに記録媒体130に記録されるまでの画像データの流れである。
【0037】
本発明のデジタルカメラは、以下に示すように、デジタルカメラで発生した故障と、その故障が発生した状況とを検知し、最終的には記録媒体に記録するようにしたものである。
【0038】
図2に示すように、DSP112には、デジタルカメラ10で発生した故障を検知する故障検知部140が設けられている。
【0039】
このデジタルカメラでは、ユーザにより、例えば図1(b)に示した、電源スイッチ102、撮影・再生切替レバー103、実行キー106a、キャンセルキー106b、十字キー107、ポップアップスイッチ108などのスイッチ群115の操作、あるいはレリーズ釦109が操作される。
【0040】
これらの操作が行われると、各操作が行われるごとにDSP112ではその操作が検出されてその操作に応じた作動が行われ、さらに、そのDSP112からの指示により、SDRAM121にその操作が行われたことが書き込まれる。したがって、SDRAM121には、各操作とそれらの操作が行われた順序とを示す操作履歴が蓄積される。
【0041】
さらに、カメラの作動を検知するため作動検知センサ160が取付られている。なお、図の例では、代表的に1個の作動検知センサ160のみを示しているが、例えば、撮影レンズ118のホームポジションおよび移動位置を検知する位置検知センサ、CCD110の出力信号を検知する信号検知センサ、LCD105の表示状態を検知する表示検知センサ、SDRAM113およびFLASHROM114のアクセス信号を検知する信号検知センサ、閃光発光装置104の発光を検知する発光検知センサ、その他の作動検知センサがカメラ構成部品の作動を検知する各箇所に設けられている。
【0042】
ユーザによりカメラ操作が行われると、このカメラはそのカメラ操作に応じて作動し、上記の作動検知センサによりその作動が正常に行われたか否かが検知され、作動が正常に行われたときは、SDRAM121にその作動が行われたことが書き込まれる。これにより、そのSDRAM121には、上記の操作履歴と共にカメラ各部の作動の順序を表わす作動履歴も蓄積される。作動が正常に行われなかった場合、作動が正常に行われないということはすなわち故障が発生したのであり、このときの故障内容が記録媒体130に記録され、さらに、その故障が発生するまでの間にSDRAM121に蓄積された操作履歴や作動履歴、さらには以下に述べる衝撃履歴や異常温度履歴が記録されたときは、それらの履歴も、その記録媒体130に今回記録した故障と対応づけられて記録される。
【0043】
このデジタルカメラは、さらに、落下や衝突によりカメラに一定以上の衝撃が加わったことを検知する衝撃センサ161が設けられている。この衝撃センサ161によりこのデジタルカメラに一定以上の衝撃が加わったことが検知されると、SDRAM121に衝撃情報が記録され、この衝撃情報もこのデジタルカメラに関して過去に生じたことの1つの履歴となる。
【0044】
さらにまた、このデジタルカメラ10には、カメラが置かれた環境の温度を検知する温度センサ162が設けられている。この温度センサ162により、このデジタルカメラ10が正常な温度範囲を超えた高温下、あるいはその正常な温度範囲を下回った低温下(異常温度)に置かれたことが検知されると、SDRAM121にその旨が記録され、これもこのデジタルカメラが過去に被ったことの1つの履歴となる。
【0045】
上述したように、故障発生時には、その故障の内容が記録媒体に記録されると共に、上記の各種の履歴がSDRAM121から読み出されて記録媒体130に転送され、その記録媒体に今回の故障と対応づけられて記録される。
【0046】
なお、このデジタルカメラで発生する故障には、例えば、電源スイッチ102を操作したときに電源が入らない、レリーズ釦109を操作しても撮影ができない、閃光発光部104が発光しない、撮影した画像がぼけている等、ある操作状況で期待されたような正常な作動が行われないという現象であり、それら種々の故障のうち、このデジタルカメラ10で記録媒体に記録する故障は、例えば、ピントが正しく合っておらずピンボケぎみであったり、フラッシュ撮影時の発光量が正常でなかったりなど、ユーザには、一見しただけでは分かりにくい故障、あるいは再現性に乏しい故障である。これに対し、例えば、電源スイッチ102を操作しても電源が入らない、という故障等、ユーザに一見して分かる重大故障の場合は、記録媒体に書き込む必要はない。
【0047】
但し、一見して分かる故障であっても、記録媒体に書き込むことが可能なときは書き込みようにしてもよい。例えば、電源が入らないという故障の場合、ここで説明している実施形態のデジタルカメラの場合は、電源が入らないと記録媒体をアクセスすることができず、その故障を記録媒体に書き込ませることは不可能であるが、バックアップ電源を備え、電源オフ時であっても記録媒体をアクセスすることができるように構成し、その電源スイッチを操作しても電源が入らない、といった故障も書き込むようにしてもよい。
【0048】
なお、上記の実施形態のデジタルカメラ10では、直近に電源が投入された以降の各種の履歴がSDRAM121に記録され、その履歴は電源オフで消去されるように構成されているが、電源オフでも履歴が消去されないようにSDRAM121を介在させることなく、直接に記録媒体に記録するように構成してもよい。但し、その場合、記録媒体130に多数の履歴情報が蓄積されすぎて画像の記録に支障を生じることを避けるため、直近の一定数の履歴のみ記録し、それ以前の履歴は消去あるいは上書きするすることが好ましい。
【0049】
また、ここで説明している実施形態としてのデジタルカメラ10では、故障内容と各種履歴を記録媒体に記録するにあたっても工夫がなされている。すなわち、詳細は後述するようにこのデジタルカメラ10は記録媒体のDPOF(後述する)に、その故障の概略のみが記録され、その記録媒体内のDPOFの欄以外の欄に、そのDPOFの欄の記録に対応づけて詳細を記録する。こうすることにより、ユーザは、デジタルカメラ10のLCD105の画面にDPOFの欄の内容を表示して故障等概要を知ることができ、ユーザからプリント依頼を受けて記録媒体を受け取ったサービスセンタでは、依頼を受けたプリントを作成すると共に、そのユーザに向けて故障履歴の詳細情報をプリントアウトしてユーザに渡すサービスを行うことができる。
【0050】
図3は、記録媒体130へのDPOFの記載例を示している。
【0051】
同図に示すように、DPOFの記載欄には、従来と同様、プリントして画像化するときの情報を記録フォーマットである、HDR(Header)、JOBが記載され、その下部に本発明に係わる故障情報である、VUQ RGN(Vender Unique Regin:ベンダー固有領域)、VUQ VNM(Vender Name:ベンダー名称)、VUQ DTM(Date Time:日付)、VUQ Error(故障内容)、およびVUQ BGN(Bigin)についてのデータが記載されている。これらのデータがDSP112からインタフェース120に送られ、記録媒体130に記録される。
【0052】
プリントサービスセンタに画像プリントを依頼するにあたり、ユーザは、十字キー107で選択メニューの中の、記録媒体に記録されている画像データをプリントして画像化するときの情報の設定部であるDPOFを選択すると、LCD105にDPOFが表示される。このとき、DPOFの表示画面に故障内容も表示される。
【0053】
図4は、LCD105に表示されるDPOFの表示画面の例を示している。通常、DPOFの表示画面170には、全コマ設定/解除、確認/解除、1コマ設定、日付なし、等の文字が表示されている。そして、故障が発生した場合、DPOFの画面106の下部に、上記DPOF指定画面に加えて故障内容(図示の例では電源オン時にフォーカスエラーが発生)を表示するようになっている。これにより、ユーザはどの部分が故障したかの概略をLCD105の画面で知ることができる。なお、カメラのLCD105の画面に表示することのできる故障内容は表示スペースも限られているため概略のみであり、故障修理のためにはさらに詳細を知る必要がある。そこで、以下のように、記録媒体140から詳細な故障情報をプリントアウトするようになっている。
【0054】
図5は、ユーザ、プリントサービスセンタおよびリペアセンタにおける処理の流れを示している。
【0055】
ユーザは、記録媒体130をプリントサービスセンタ(カメラ店等の取次店)に持参し、プリントサービスセンタでは画像プリントとともに記録媒体130から故障情報をプリントアウトする。プリントアウトされた故障情報は、LCD105の画面が図3に示すような概略であるのに対し、上記のように、故障内容のほか、「いつ、どういう操作、状況下で故障が起きたか」という故障発生状況も含まれた詳細な情報である。例えば、撮影レンズ118の移動機構に故障があればその故障名、そのときのカメラ操作状況、その故障が発生した時点に至る過去の衝撃履歴、温度履歴、および故障発生日付も表示されたものである。
【0056】
プリントサービスセンタは、カメラ10とともに、このような詳細な故障情報が印刷されたプリント紙180をリペアセンタに送り、リペアセンタではこの故障情報に基づいて修理を行う。このプリント紙には、上記のような詳細な故障情報が印刷されているため、リペアセンタでは故障が発生したときと同じ手順で操作を行ってみたり、あるいは強い衝撃が加わったときの衝撃センサ161が検知した衝撃履歴があれば、別な故障を発生させない程度に衝撃を加えたり、さらには温度センサ162でカメラが置かれた温度履歴を参照するなどして、ユーザの手元にあるときに発生した故障を高い確率で再現することができる。このように、故障修理に極めて有益な情報がリペアセンタに伝えられるため、リペアセンタではこれに基づいて的確な修理を行うことが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、サービスセンタにおいて故障内容、故障が起きたときの状況等の正確な故障情報が得られるため、この情報に基づいてリペアセンタで的確な修理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルカメラの外観図であって、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図2】図1のデジタルカメラ内に配備される信号処理部の構成ブロック図である。
【図3】記録媒体へのDPOFの記載例を示す図である。
【図4】DPOF表示画面の一例を示す図である。
【図5】ユーザ、プリントサービスセンタおよびリペアセンタにおける処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
100 デジタルカメラ
101 撮影レンズ
110 CCD
111 CPU(信号処理部)
112 DSP(画像信号処理部)
114 SDRAM(記憶部)
120 インタフェース(故障記録部)
130 記録媒体
140 故障検知部
160 作動検知センサ
161 衝撃センサ
162 温度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影操作に応じて生成した画像データを記録媒体に記録するデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデジタルカメラにおいて、故障等による異常が発生した場合にその異常をカメラ内で検出し、この検出した異常をカメラ内のメモリに記憶しておく技術がある。また、その記憶されている情報を数値データで表わし、サービスセンタ等でその数値データを読み出してその数値データと対応表を比較し、不具合内容を理解する技術もある。
【0003】
また、従来の情報処理装置において、装置の各周辺部の診断を行う診断手段を各周辺部ごとに設けた技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−52012号公報(要約、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、カメラに故障による異常が発生すると、ユーザはそのカメラを例えば、カメラ店などの取次店を経由してリペアセンタに送って持参して修理を依頼し、リペアセンタでは、カメラのメモリから故障情報を読み出してこの情報に基づいて修理を行っている。その場合、上記のように、従来はメモリに記憶されているのは、カメラに発生した異常の状況であり、情報不足の場合が多い。例えば、その異常が常には再現しない異常であるときは、リペアセンタではその異常が発生した原因を種々推測しながら異常再現テストを行う必要があるが、どのようにしたら異常を再現させることができるか分からない場面も多く、結局、異常が再現されないままその異常の発生原因となりうる部品を交換して、正確な原因が不明のまま修理完了とそてユーザに戻してしまい、ユーザに戻ってから異常が再現し、ユーザから苦情を受けることも生じうる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、リペアセンタに従来と比べ故障修理に極めて有益な情報を提供するデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のデジタルカメラは、撮影レンズを経由して入射した被写体の画像を固体撮像素子で捉えて撮影操作に応じて画像データを生成し、該画像データを記録媒体に記録するデジタルカメラにおいて、
このデジタルカメラで発生した故障を検知する故障検知部と、
この故障検知部で検知された故障と該故障が発生したときの故障発生状況とを関連づけて記録媒体に記録する故障記録部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のデジタルカメラでは、発生した故障を故障検知部で検知し、検知された故障と故障発生状況とを関連づけて記録媒体に記録するので、プリントサービスセンタで記録媒体から画像のプリントを行うと共に、故障情報もプリントアウトすることにより、その故障の内容だけでなく、その故障が発生したときの状況がプリント紙に印刷される。ユーザはこのプリント紙と故障が発生したカメラをリペアセンタに送り、修理を依頼する。
【0009】
この故障が発生したときの状況は、具体的にはそのデジタルカメラにより様々であってもよいが、一例として、以下に述べるように、その故障が発生するよりも前にユーザにより行われた様々の操作の履歴や、他の例として強い衝撃が加わったか否か等の情報が得られる。この情報に基づいて、リペアセンタでは、故障が発生したときと同じ手順で操作を行ってみたり、あるいは強い衝撃が加わったのであれば、別な故障を発生させない程度に衝撃を加えたりなどして、ユーザの手元にあるときに発生した故障を高い確率で再現することができる。このように、本発明によれば、故障修理に極めて有益な情報がリペアセンタに伝えられ、これに基づいて的確な修理を行うことが可能となる。
【0010】
上記故障記録部は、故障検知部で検知された故障と該故障が発生したときの故障発生状況とを関連づけた文字データを記録媒体に記録するものであることが好ましい。
【0011】
このように、文字データとして記録すると、例えば、記号や図形等で記録するよりも故障内容等の把握が容易である。リペアセンタにのみに情報を伝達する場合であっても文字データの方が故障内容等の理解が容易であるが、文字データで記録しておくとユーザでもその故障内容等を容易に理解することができる。
【0012】
さらに、上記故障検記録部は、例えば、故障が発生したときのこのデジタルカメラの操作状況を、その故障が発生したときの故障発生状況として採用し、その故障発生状況としての操作状況を記録することが好ましい。これにより、故障発生とカメラ操作の関連性が評価でき、故障修理に際してより有効な情報が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は本発明の実施形態を示す第1のデジタルカメラの外観図であって、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0015】
図1に示すデジタルカメラ10は、カメラボディ100の前面に撮影レンズ101が設けられ、背面にはユーザがこのデジタルカメラ10を使用するときに様々な操作を行うための、操作用のスイッチ群115およびLCD105が設けられている。
【0016】
この操作用のスイッチ群115は、デジタルカメラを作動させるための電源スイッチ102、撮影と再生とを自在に切替える撮影・再生切替レバー103、実行キー106a、キャンセルキー106b、十字キー107および閃光発光部104のポップアップスイッチ108などがある。この十字キー107の内側には表示部107aが設けられていてLCD105に表示される選択メニューの項目が十字キー107によって選択できるようになっている。さらにはLCD105の表示、非表示の切替を行うための表示キー1051も設けられている。また、このデジタルカメラ10の上方にはレリーズ釦109が配備されている。このレリーズ釦109が全押しされると撮影の開始指示がデジタルカメラ内部の後述する信号処理部へと伝えられる。
【0017】
また、このデジタルカメラ10は、撮影・再生切替レバー103によって撮影と再生との切替が自在になっており、撮影を行うときにはユーザによって撮影・再生切替レバー103が撮影側103aに切り替えられ、再生を行うときには撮影・再生切替レバー103が再生側103bに切り替えられる。また、夜間撮影も行えるように閃光発光装置104が配備されている。
【0018】
図2は、デジタルカメラ10の内部に設けられている信号処理回路の一例を示すブロック構成図である。
【0019】
本実施形態のデジタルカメラ10ではすべての処理がCPU111によって制御されており、このCPU111の制御のもとにDSP112によって固体撮像素子(以下CCDという)110で得られた画像データの処理が行われる。このCPU111とDSP112とは図示しないバスで接続されており、このバスを介してデータのやりとりが行われる。CPU111にはSDRAM113とFLASHROM114とが接続されている。SDRAM113にはDSP112で処理が行われる画像データが記憶され、FLASHROM114にはCPU111に処理を実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0020】
CPU111の入力部には、図1に示した各種キーおよびスイッチからなる操作用のスイッチ群115の操作に応じた電気信号が入力される。このスイッチ群115には、図1に示した電源スイッチ102、撮影・再生切替レバー103、表示キー1051、実行キー106a、キャンセルキー106b、上キー1071、右キー1072、下キー1073、左キー1074の4つのキーで構成される十字キー107、レリーズ釦109に同期して作動するシャッタスイッチなどがある。このシャッタスイッチにはレリーズ釦109の半押し状態と全押し状態とが区別されるように二つの接点が備えられており、レリーズ釦109の半押し状態は撮影のスタンバイ状態を示すものとしてCPU111に認識される。
【0021】
また、本実施形態のデジタルカメラ10ではLCD105に表示メニューの表示が可能な構成になっており、そのメニューで表示される項目の選択が上記十字キー107により行われる。
【0022】
この十字キー107ではLCD105に表示される選択メニューの、複数の項目の中のいずれかが選択できるようになっている。図1に示した十字キーの4つのキーのうち、上キー1071が押されたら上方向へLCD105の画面に表示されたカーソルが移動し、右キー1072が押されたらカーソルが右方向へ移動する構成になっている。
【0023】
これらのキー1071〜1074が押されたときに、それらのキー1071〜1074が押されたことがCPU111に認識され、CPU111では4つのキー1071〜1074のうち、いずれかのキーが押されたことに基づいてバスを経由させてLCD105へカーソルの移動指示が転送される。そうすると複数表示されている項目の中のいずれかにカーソルが移動してそれらの項目の中のいずれかがその移動したカーソルにより選択される。
【0024】
カーソルが項目の中のいずれかに置かれた状態で実行キー106aが押されればその項目が実行される。したがってユーザはLCD105に表示されたカーソルにより、選択メニューの中の、複数の項目のいずれかを選択することができる。
【0025】
撮影・再生切替レバー103が再生側103bに切り替えられると記録媒体からの再生が行われる。このときには撮影を行うための指示を行うレリーズ釦などからの信号が入力されても処理は行われない。
【0026】
次にCPU111の出力部を説明する。CPU111の出力部にはタイミングジェネレータ(以下TGという)116、フォーカスレンズ118を駆動するためのモータドライバ(以下DRVという)117、および閃光発光部104に閃光発光を行わせる閃光発光装置104aが接続されている。
【0027】
撮影を行うときにはLCD105上に被写体像が被写体の動きにあわせて表示されている。この表示されている被写体の像を見ながら、ユーザによりフレーミングが行なわれ、レリーズ釦109が全押しされたら撮影が行なわれる。このレリーズ釦109が全押しされたら、CPU111では撮影開始を指示する信号がTG116へ出力される。TG116ではこの指示を受けてCCD110へレリーズ釦109が押下されたことを知らせる信号が供給される。この信号を受けてCCD110ではレリーズ釦109が全押しされたときにCCD110によって撮像されていた画像データがRGB信号として出力される。
【0028】
CCD110で得られた撮像信号はRGB信号となってCDSおよびA/D部119へ供給される。このCDSおよびA/D部119で雑音の低減が行われてからデジタル信号に変換され、デジタルのRGB信号となってDSP112へ供給される。このDSP112内には画像信号処理部、圧縮処理部、AE(AutoExposure)検出部、AWB(Auto White Balance)検出部、ビデオエンコーダ、音声信号処理部などの各信号処理部が包含されている。
【0029】
このDSP112でCCD110で得られたRGB信号からなる画像データに一連の処理が施され、その処理が施された画像データがLCD105、記録媒体130といった出力機器へ出力される。以上がCCD110により得られた撮影信号の流れである。
【0030】
次に、前述した撮影・再生切替レバー103が撮影側103aに切り替えられ、撮影が行われるときの画像データの流れを説明する。
【0031】
撮影が行われるときには、CPU111の入力部に接続されている撮影・再生切替レバー103が撮影側103aに切り替えられる。
【0032】
このようなデジタルカメラ10ではレリーズ釦109が押されていなくてもLCD105の画面に撮影レンズが向けられた方向の被写体像がスルー画像として常に表示されている。この表示されているスルー画像は、CCD110から所定の間隔ごとに読み出されるRGB信号から成る画像データがDSP112内の画像信号処理部でYC信号に変換され、そのYC信号がDSP112内のビデオエンコーダを経由してLCD105に供給されて得られるものである。このようなスルー画像の表示が行われているときにはスルー画像ごとにDSP112で露出調節、焦点調節といったカメラ特有の信号処理が行われている。
【0033】
ここでユーザが求めている被写体がLCD105の画面にスルー画像として表示されていたら、ユーザによりレリーズ釦109が全押しされる。ユーザによってレリーズ釦109が全押しされるとCPU111からTG116に対して撮影の開始指示が出される。この開始指示を受けてCCD110ではRGB信号が出力される。なお、前述したようにレリーズ釦109には半押しと全押しの二つの操作態様があり、一気に全押しされたときであってもレリーズ釦109が半押しされた状態もCPU111では認識され、一瞬半押し状態になった時点では撮影スタンバイの状態になっている。
【0034】
この出力されたRGB信号はCDSおよびA/D変換部119でデジタル信号に変換され、DSP112内の画像入力コントローラによってDSP112側へ導かれ、その導かれたRGB信号がDSP112内のバスを介してSDRAM121に供給され、SDRAM121にデジタル信号のRGB信号が書き込まれる。そしてすべての画像データに対応するRGB信号の取り込みが完了したら、今度はSDRAM121からRGB信号が読み出されてDSP112に供給される。DSP112ではRGB信号からYC信号への変換が行なわれ、さらにDSP121内で圧縮された画像データがインタフェース120を介して記録媒体130に供給され、この記録媒体130に画像データがJPEG圧縮ファイルとして記録される。
【0035】
なおDSP112とCPU111とはバスによって接続されており、このバスを介してアドレス、データのやりとりが行われる。CPU111には内部にレジスタが各種用意されており、これらのレジスタの内容が各信号処理部の処理の進行状況に応じて書き換えられる。CPU内111ではこのレジスタの内容を判読してFLASHROM114内に格納されているプログラムの手順にしたがった処理が行われる。
【0036】
以上が本実施形態のデジタルカメラ10で撮影が行われるときに記録媒体130に記録されるまでの画像データの流れである。
【0037】
本発明のデジタルカメラは、以下に示すように、デジタルカメラで発生した故障と、その故障が発生した状況とを検知し、最終的には記録媒体に記録するようにしたものである。
【0038】
図2に示すように、DSP112には、デジタルカメラ10で発生した故障を検知する故障検知部140が設けられている。
【0039】
このデジタルカメラでは、ユーザにより、例えば図1(b)に示した、電源スイッチ102、撮影・再生切替レバー103、実行キー106a、キャンセルキー106b、十字キー107、ポップアップスイッチ108などのスイッチ群115の操作、あるいはレリーズ釦109が操作される。
【0040】
これらの操作が行われると、各操作が行われるごとにDSP112ではその操作が検出されてその操作に応じた作動が行われ、さらに、そのDSP112からの指示により、SDRAM121にその操作が行われたことが書き込まれる。したがって、SDRAM121には、各操作とそれらの操作が行われた順序とを示す操作履歴が蓄積される。
【0041】
さらに、カメラの作動を検知するため作動検知センサ160が取付られている。なお、図の例では、代表的に1個の作動検知センサ160のみを示しているが、例えば、撮影レンズ118のホームポジションおよび移動位置を検知する位置検知センサ、CCD110の出力信号を検知する信号検知センサ、LCD105の表示状態を検知する表示検知センサ、SDRAM113およびFLASHROM114のアクセス信号を検知する信号検知センサ、閃光発光装置104の発光を検知する発光検知センサ、その他の作動検知センサがカメラ構成部品の作動を検知する各箇所に設けられている。
【0042】
ユーザによりカメラ操作が行われると、このカメラはそのカメラ操作に応じて作動し、上記の作動検知センサによりその作動が正常に行われたか否かが検知され、作動が正常に行われたときは、SDRAM121にその作動が行われたことが書き込まれる。これにより、そのSDRAM121には、上記の操作履歴と共にカメラ各部の作動の順序を表わす作動履歴も蓄積される。作動が正常に行われなかった場合、作動が正常に行われないということはすなわち故障が発生したのであり、このときの故障内容が記録媒体130に記録され、さらに、その故障が発生するまでの間にSDRAM121に蓄積された操作履歴や作動履歴、さらには以下に述べる衝撃履歴や異常温度履歴が記録されたときは、それらの履歴も、その記録媒体130に今回記録した故障と対応づけられて記録される。
【0043】
このデジタルカメラは、さらに、落下や衝突によりカメラに一定以上の衝撃が加わったことを検知する衝撃センサ161が設けられている。この衝撃センサ161によりこのデジタルカメラに一定以上の衝撃が加わったことが検知されると、SDRAM121に衝撃情報が記録され、この衝撃情報もこのデジタルカメラに関して過去に生じたことの1つの履歴となる。
【0044】
さらにまた、このデジタルカメラ10には、カメラが置かれた環境の温度を検知する温度センサ162が設けられている。この温度センサ162により、このデジタルカメラ10が正常な温度範囲を超えた高温下、あるいはその正常な温度範囲を下回った低温下(異常温度)に置かれたことが検知されると、SDRAM121にその旨が記録され、これもこのデジタルカメラが過去に被ったことの1つの履歴となる。
【0045】
上述したように、故障発生時には、その故障の内容が記録媒体に記録されると共に、上記の各種の履歴がSDRAM121から読み出されて記録媒体130に転送され、その記録媒体に今回の故障と対応づけられて記録される。
【0046】
なお、このデジタルカメラで発生する故障には、例えば、電源スイッチ102を操作したときに電源が入らない、レリーズ釦109を操作しても撮影ができない、閃光発光部104が発光しない、撮影した画像がぼけている等、ある操作状況で期待されたような正常な作動が行われないという現象であり、それら種々の故障のうち、このデジタルカメラ10で記録媒体に記録する故障は、例えば、ピントが正しく合っておらずピンボケぎみであったり、フラッシュ撮影時の発光量が正常でなかったりなど、ユーザには、一見しただけでは分かりにくい故障、あるいは再現性に乏しい故障である。これに対し、例えば、電源スイッチ102を操作しても電源が入らない、という故障等、ユーザに一見して分かる重大故障の場合は、記録媒体に書き込む必要はない。
【0047】
但し、一見して分かる故障であっても、記録媒体に書き込むことが可能なときは書き込みようにしてもよい。例えば、電源が入らないという故障の場合、ここで説明している実施形態のデジタルカメラの場合は、電源が入らないと記録媒体をアクセスすることができず、その故障を記録媒体に書き込ませることは不可能であるが、バックアップ電源を備え、電源オフ時であっても記録媒体をアクセスすることができるように構成し、その電源スイッチを操作しても電源が入らない、といった故障も書き込むようにしてもよい。
【0048】
なお、上記の実施形態のデジタルカメラ10では、直近に電源が投入された以降の各種の履歴がSDRAM121に記録され、その履歴は電源オフで消去されるように構成されているが、電源オフでも履歴が消去されないようにSDRAM121を介在させることなく、直接に記録媒体に記録するように構成してもよい。但し、その場合、記録媒体130に多数の履歴情報が蓄積されすぎて画像の記録に支障を生じることを避けるため、直近の一定数の履歴のみ記録し、それ以前の履歴は消去あるいは上書きするすることが好ましい。
【0049】
また、ここで説明している実施形態としてのデジタルカメラ10では、故障内容と各種履歴を記録媒体に記録するにあたっても工夫がなされている。すなわち、詳細は後述するようにこのデジタルカメラ10は記録媒体のDPOF(後述する)に、その故障の概略のみが記録され、その記録媒体内のDPOFの欄以外の欄に、そのDPOFの欄の記録に対応づけて詳細を記録する。こうすることにより、ユーザは、デジタルカメラ10のLCD105の画面にDPOFの欄の内容を表示して故障等概要を知ることができ、ユーザからプリント依頼を受けて記録媒体を受け取ったサービスセンタでは、依頼を受けたプリントを作成すると共に、そのユーザに向けて故障履歴の詳細情報をプリントアウトしてユーザに渡すサービスを行うことができる。
【0050】
図3は、記録媒体130へのDPOFの記載例を示している。
【0051】
同図に示すように、DPOFの記載欄には、従来と同様、プリントして画像化するときの情報を記録フォーマットである、HDR(Header)、JOBが記載され、その下部に本発明に係わる故障情報である、VUQ RGN(Vender Unique Regin:ベンダー固有領域)、VUQ VNM(Vender Name:ベンダー名称)、VUQ DTM(Date Time:日付)、VUQ Error(故障内容)、およびVUQ BGN(Bigin)についてのデータが記載されている。これらのデータがDSP112からインタフェース120に送られ、記録媒体130に記録される。
【0052】
プリントサービスセンタに画像プリントを依頼するにあたり、ユーザは、十字キー107で選択メニューの中の、記録媒体に記録されている画像データをプリントして画像化するときの情報の設定部であるDPOFを選択すると、LCD105にDPOFが表示される。このとき、DPOFの表示画面に故障内容も表示される。
【0053】
図4は、LCD105に表示されるDPOFの表示画面の例を示している。通常、DPOFの表示画面170には、全コマ設定/解除、確認/解除、1コマ設定、日付なし、等の文字が表示されている。そして、故障が発生した場合、DPOFの画面106の下部に、上記DPOF指定画面に加えて故障内容(図示の例では電源オン時にフォーカスエラーが発生)を表示するようになっている。これにより、ユーザはどの部分が故障したかの概略をLCD105の画面で知ることができる。なお、カメラのLCD105の画面に表示することのできる故障内容は表示スペースも限られているため概略のみであり、故障修理のためにはさらに詳細を知る必要がある。そこで、以下のように、記録媒体140から詳細な故障情報をプリントアウトするようになっている。
【0054】
図5は、ユーザ、プリントサービスセンタおよびリペアセンタにおける処理の流れを示している。
【0055】
ユーザは、記録媒体130をプリントサービスセンタ(カメラ店等の取次店)に持参し、プリントサービスセンタでは画像プリントとともに記録媒体130から故障情報をプリントアウトする。プリントアウトされた故障情報は、LCD105の画面が図3に示すような概略であるのに対し、上記のように、故障内容のほか、「いつ、どういう操作、状況下で故障が起きたか」という故障発生状況も含まれた詳細な情報である。例えば、撮影レンズ118の移動機構に故障があればその故障名、そのときのカメラ操作状況、その故障が発生した時点に至る過去の衝撃履歴、温度履歴、および故障発生日付も表示されたものである。
【0056】
プリントサービスセンタは、カメラ10とともに、このような詳細な故障情報が印刷されたプリント紙180をリペアセンタに送り、リペアセンタではこの故障情報に基づいて修理を行う。このプリント紙には、上記のような詳細な故障情報が印刷されているため、リペアセンタでは故障が発生したときと同じ手順で操作を行ってみたり、あるいは強い衝撃が加わったときの衝撃センサ161が検知した衝撃履歴があれば、別な故障を発生させない程度に衝撃を加えたり、さらには温度センサ162でカメラが置かれた温度履歴を参照するなどして、ユーザの手元にあるときに発生した故障を高い確率で再現することができる。このように、故障修理に極めて有益な情報がリペアセンタに伝えられるため、リペアセンタではこれに基づいて的確な修理を行うことが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、サービスセンタにおいて故障内容、故障が起きたときの状況等の正確な故障情報が得られるため、この情報に基づいてリペアセンタで的確な修理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルカメラの外観図であって、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図2】図1のデジタルカメラ内に配備される信号処理部の構成ブロック図である。
【図3】記録媒体へのDPOFの記載例を示す図である。
【図4】DPOF表示画面の一例を示す図である。
【図5】ユーザ、プリントサービスセンタおよびリペアセンタにおける処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
100 デジタルカメラ
101 撮影レンズ
110 CCD
111 CPU(信号処理部)
112 DSP(画像信号処理部)
114 SDRAM(記憶部)
120 インタフェース(故障記録部)
130 記録媒体
140 故障検知部
160 作動検知センサ
161 衝撃センサ
162 温度センサ
Claims (3)
- 撮影レンズを経由して入射した被写体の画像を固体撮像素子で捉えて撮影操作に応じて画像データを生成し、該画像データを記録媒体に記録するデジタルカメラにおいて、
このデジタルカメラで発生した故障を検知する故障検知部と、
該故障検知部で検知された故障と該故障が発生したときの故障発生状況とを関連づけて記録媒体に記録する故障記録部とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。 - 前記故障記録部は、前記故障検知部で検知された故障と該故障が発生したときの故障発生状況とを関連づけた文字データを記録媒体に記録するものであることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
- 前記故障記録部は、故障が発生したときのこのデジタルカメラの操作履歴を該故障が発生したときの故障発生状況として該故障と対応づけて記録するものであることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
Priority Applications (1)
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JP2003150813A JP2004356847A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | デジタルカメラ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008283519A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Mitsubishi Electric Corp | 情報記録再生装置 |
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2003
- 2003-05-28 JP JP2003150813A patent/JP2004356847A/ja not_active Withdrawn
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US8477214B2 (en) | 2009-08-31 | 2013-07-02 | Canon Kabushiki Kaisha | Imaging apparatus, lens unit, and methods for controlling the same |
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