JP2004356742A - 信号波形劣化補償器 - Google Patents

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Abstract

【課題】波形劣化の検出範囲を拡大、またマルチビットレート対応可能とする。
【解決手段】入力ファイバ101から入力された波形劣化したNRZ光信号を波長分散補償器(もしくは偏波分散補償器)102に入力して補償する。一方、光検出器106は出力光の一部を受信し、サンプリング回路(A/Dコンバータ)107で受信波形強度を非同期サンプリングする。制御回路103は得られた波形振幅の度数分布から、N次の偶数モーメント(Nは4以上)を算出し、この値が最小となるように制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバを用いた光情報伝送に関し、特に伝送中の信号波形劣化を補償する補償器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超高速光通信分野では、伝送路光ファイバや使用する部品の持つ波長分散や偏波分散、帯域制限という現象が、伝送速度や伝送距離の大きな制限要因となっている。「波長分散(CD: Chromatic Dispersion)」とは、波長の異なる光が光ファイバ中で異なる速度で伝送される現象である(以下、単に分散と言った場合は波長分散を指す)。高速で変調された光信号の光スペクトルは異なる波長成分を含み、これらの成分は波長分散の影響によりそれぞれ異なる時刻に受信端に到着し、その結果、伝送後の光波形は大きな波形歪を引き起こすことが知られている。このような波長分散の影響を避けるため、波長分散補償という技術が検討されている(以下、単に分散補償と記述した場合、波長分散補償を指す)。波長分散補償とは、伝送路に用いられる光ファイバと逆の波長分散特性を持った光デバイスを光送信機や受信機内に配置することにより、光ファイバの波長分散特性を打ち消し、受信される光波形の歪みを防ぐ手法である。波長分散補償方式としては、伝送路と逆符号の波長分散を持つ分散補償ファイバや、光干渉計、光回路、光ファイバグレーティング、光トランスバーサルフィルタなどを用いる手法等が検討されている。また、受信機内に電気トランスバーサルフィルタなどの電気的補償回路を配置して波形劣化を補償することも検討されている。
【0003】
特に10Gbit/s以上の光信号を数100km以上伝送する場合、光ファイバの温度の変化による波長分散量の変動が問題となることが知られており、変動に応じて補償量を可変する可変分散補償技術が検討されている。本技術で用いる可変波長分散補償器には、例えば光ファイバグレーティングに温度勾配や歪を与えたり、光干渉系に温度や位相の変化を与えたりして波長分散量を可変とするものが知られている。また、上記電気トランスバーサルフィルタの場合、フィルタ特性を可変することで可変の補償が可能となる。このような可変分散補償器は、高速の光送受信器の波長分散耐力の不足を補うためにも用いられる。例えば、40Gbit/s光送受信器の分散耐力幅は最大でも80ps/nm程度と極めて小さく、広く用いられるシングルモードファイバ(SMF)わずか4km分である。したがって、固定の波長分散補償デバイスを用いた伝送では、伝送距離が4km変わるごとに補償量の違うデバイスを取りかえて伝送路分散を80ps/nm以下にする必要があるため、分散補償器の種類が多くなり、その管理やコスト、補償器の製造・配置のためインストールに要する時間が長くなるなど大きな問題となる。また一方で伝送路の波長分散量や長さを高精度に測定する必要が出たり、ユーザが簡単に伝送経路の変更ができなくなるなど多くの支障が生じる。
【0004】
そこで、可変波長分散補償器を受信器の直前に配置し、受信波形や伝送特性の劣化量を検出して常に最適の受信波形となるように波長分散量を自動的に可変する、自動波長分散補償技術が検討されている。この技術によって、高速の光送受信器であっても従来同様に、伝送路波長分散を考慮せずともユーザが装置を接続すれば動作する状態、すなわち「プラグ&プレイ」を実現することができる。
【0005】
一方、「偏波分散(PMD: Polarization Mode Dispersion)」とは、光ファイバの2つの主軸(TEおよびTM)間で光信号の伝送速度が異なる現象である。その結果、TE・TMの2つの主軸に分配された光信号は互いに異なった時刻に受信端に到着し、大きな波形歪を引き起こすことが知られている。このような偏波分散の影響を避けるため、偏波分散補償という技術が検討されている。偏波分散補償とは、伝送路に伝送路と逆の偏波分散を持った素子などを挿入して光波形の歪みを防ぐ手法である。また、受信機内にトランスバーサルフィルタなどの電気的補償回路を配置して、偏波分散による波形劣化を補償することも検討されている。波長分散と異なり、光ファイバ伝送路の偏波分散量は周囲の温度変化や入射偏波状態の変動などによって時々刻々変化することが知られており、このため劣化量を検出して常に劣化が最小の最適な補償状態に制御する、自動偏波分散補償が必須となっている。
【0006】
また、「帯域制限」とは、伝送路として使用するマルチモード光ファイバ、光信号の生成や受信に使用する半導体レーザやフォトダイオード、IC等の帯域の限界によって光信号の高周波成分など特定の帯域成分が失われる現象であり、高速の光伝送において受信光波形の波形劣化につながる。帯域制限に対しても、光もしくは電気トランスバーサルフィルタなどの補償回路を配置して弱くなった高周波成分を補償することが検討されているが、本現象も光ファイバへの入射モードや光ファイバの状態・伝送距離、個々の光送信器の光源の光スペクトル特性や変調特性に大きく依存するため、あらかじめ補償量を決めることができず、劣化量を検出して常に劣化が最小の最適な補償状態に制御する、自動補償が必須となる。なお、この補償は、帯域制限に限らず、同時に波長分散や偏波分散による劣化の一部、波形の初期符号間干渉などにも補償効果がある。
【0007】
このように光ファイバ伝送で用いられる多くの可変光・電気の補償器の自動制御には、なんらかの波形や伝送特性の劣化量を検出する技術が必要となる。図2に、可変分散補償や偏波分散補償における波形劣化検出の代表的手法であるクロック抽出・最大制御法を用いた、従来の自動波長分散補償器の構成例を示す。
【0008】
光ファイバ伝送によって光ファイバの波長分散・偏波分散などを受けて劣化した光デジタル情報信号は、入力光ファイバ101を介して従来の自動波長分散補償器120に入力される。光信号は、可変光波長分散補償器102を透過することで波長分散による劣化の補償を受け、その後、出力光ファイバ105より出力される。なお、補償器102に偏波分散補償器を用いた場合、ほとんど同一の構成で可変偏波分散補償器を構成することも可能である。補償後の光信号は、光分岐器104でその一部が分岐され、光検出器106に導かれて電気信号に変換される。その電気信号を整流回路121で整流し、その出力信号を透過中心帯域がビットレートに等しいバンドパスフィルタ122でフィルタリングすることによって、受信信号中のクロック成分を抽出する。このクロック信号の強度は受信波形のアイ開口度にほぼ比例するので、最大値制御回路123から得られる制御信号103を可変光波長分散補償器102に入力して波長分散量を変更し、クロック信号が最大となるよう最大値制御を行うことで、常に波形劣化を最小に保つことができる。
【0009】
このようなクロック抽出による可変波長分散補償器の制御は、例えば文献”Extracted−Clock Power Level Monitoring Scheme for Automatic Dispersion Equalization in High−Speed Optical Transmission Systems” (IEICE Trans. Commun., Vol.E84−B, No.11 Nov. 2001)に報告されている。本論文の図6には、20Gbit/sのNRZ(Non Return to Zero)/RZ(Return to Zero)方式におけるクロック成分強度と伝送路の波形分散量の関係が示されている。例えば、図6(b)中に実線で示されるNRZ信号の場合、クロック信号の強度(縦軸)は波長分散量(横軸)が−150ps/nmの点で最大強度となっており、この位置でほぼ波形が最良となる。この点を中心とし、波長分散量が+50ps/nm〜−350ps/nmの幅およそ400ps/nmの範囲ではクロック強度が単峰性で上に凸となっており、クロック最大となる方向に可変分散補償器の補償量を制御すれば、常に最良の波形を得ることができる。
【0010】
【非特許文献1】
”Extracted−Clock Power Level Monitoring Scheme for Automatic Dispersion Equalization in High−Speed Optical Transmission Systems” (IEICE Trans. Commun., Vol.E84−B, No.11 Nov. 2001)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のようなクロック最大制御では、波形劣化が大きくなるとクロック信号の強度が単峰性を失ってしまい最良波形への引きこみができなくなるという問題がある。例えば引きこみ可能な分散量の幅は、上記文献の図6の実験結果では20Gbit/sNRZ光信号でおよそ400ps/nmの範囲、RZ信号でおよそ250ps/nmとなる。この値はビットレートの二乗に反比例するため、ビットレート40Gbit/sに換算すると、それぞれ100ps/nm(NRZ)、80ps/nm(RZ)となる。これはほぼ40Gbit/s受信器の分散耐力幅に相当する。すなわち「受信器が受信可能な波形は最良点に引きこめる」程度の検出範囲であることがわかる。実用的なプラグ&プレイを実現するには、波形劣化の検出範囲はできる限り広いことが望ましく、例えば可変分散補償器や可変偏波分散補償器の補償範囲をカバーする必要がある。例えば40Gbit/sの可変分散補償においては、10Gbit/sの送受信器と同程度の使い勝手を目安として、10Gbit/s送受信器の分散耐力(>800〜500ps/nm)の実現が目安となる。すなわち最低でも±250ps/nm程度が必要とされており、検出範囲の広い波形劣化検出法が必要となっている。
【0012】
また上記の問題は、図2が自動偏波分散補償器である場合にも同様に存在する。通常のNRZ送受信器の偏波分散耐力幅はビット幅の約1/3程度(例えばビットレートが40Gbit/sのNRZ信号の場合ビット幅25psであり、送受信器の偏波分散耐力はおよそ7.5ps)である。クロック抽出を用いた波形劣化検出法の場合、検出範囲は最大1/2ビットとなる。この理由は、偏波分散による波形は光ファイバ伝送路の2つの主軸を伝送された波形の和となるため、偏波分散量がちょうど1ビットの場合、劣化した光信号の波形が再び2値の波形に戻ってしまい、偏波分散量ゼロの場合と同じ強度のクロック信号が生じるためである。すなわち、クロック信号の強度が単峰である偏波分散量の範囲は0〜1/2ビットである。光ファイバの偏波分散量は通常伝送距離の平方根に比例し、その値は0.1ps/km1/2程度である。しかしながら、敷設された光ファイバ伝送路には偏波分散量の多い特性の悪いものも混在しており、そのような光ファイバの偏波分散量は最大2.0ps/km1/2に達するといわれている。このような光ファイバでは、わずか100kmの伝送路で20psの分散量(40Gbit/sの場合、ビット幅の80%)に達する。このため、偏波分散補償器においても検出範囲の広い波形劣化検出法が必要とされている。
【0013】
先に述べた帯域劣化の補償に際しても、同様の波形劣化検出方式が必須となる。これもクロック信号強度の検出によって制御は可能ではあるが、上記の波長分散・PMD補償同様に検出範囲が不足するためである。
【0014】
さらに、従来のクロック抽出方式においては、検出回路の検出特性が光信号のビットレートに強く依存し、ビットレートの異なる光信号の補償には適用できないという問題点があった。光信号のビットレートの種類は近年大きく増しており、同じ10Gbit/sと言われるシステムでもSONET信号の9.95Gbit/s、FEC(Forward Error Correction)を用いた伝送システムの10.7Gbit/sや12.6Gbit/s、10Gイーサの12.5Gbit/sなど多岐にわたっている。クロック抽出方式では、バンドパスフィルタ122としてQ値が数100と帯域幅の極めて狭いフィルタを使用する必要があるため、一つの回路でこのような広範囲のビットレートに対応することは困難である。一方では製品種類を減らして低コスト化を図ることが必要となっており、また製品を購入した顧客側の便を増す必要もあるため、自動補償器の波形劣化検出回路のマルチビットレート化の必要性が高まっている。
【0015】
上記では、特に波長分散補償におけるクロック最大制御の例をあげたが、同様の従来技術として広く用いられる技術としては、伝送特性の指標のひとつである、受信データの符号誤り率が最小となるように制御する誤り率最小制御がある。この制御も上記のクロック抽出方式と同様に、波形劣化の検出範囲が不足する問題がある。すなわち受信器内で適正なクロック抽出を行い、受信器がある程度正常にデジタルデータを認識している場合にしか制御信号を得ることができないためである。この検出範囲はクロック抽出最大制御の場合同様大きく不足し、また同様にマルチビットレート対応も困難である。さらに、受信器から得られる符号誤り情報を受け取ってはじめて補償器の制御が可能となるため、補償器と受信器を別個の製品として分離することが困難という問題点がある。
【0016】
本発明の目的は、可変波長分散補償や、可変偏波分散補償、可変帯域補償などに用いる波形劣化検出法において、上記のような問題点を解決し実用的な波形劣化補償器を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、光検出器で光デジタル情報信号を電気デジタル情報信号に変換し、サンプリング回路を用いて情報信号のビットタイミングに非同期で電気デジタル情報信号の振幅をサンプリングして振幅度数分布を取得し、制御回路内で該度数分布から波形劣化量に対応する信号を抽出し、波形劣化を最小とするような制御信号を得る方式によって解決することができる。特に、この制御信号によって可変光信号波形劣化補償回路もしくは可変電気信号波形劣化補償回路の補償量を制御することによって、信号波形劣化を自動的に最小に補償することが可能となる。
【0018】
上記の波形劣化補償回路として、波長分散補償回路、偏波分散劣化補償回路、帯域劣化補償回路、またはトランスバーサルフィルタもしくは識別帰還補償器を含む補償回路を用いることで、光ファイバ伝送における劣化要因を効果的に補償することが可能となる。
【0019】
また、マルチビットレート対応とするためには、複数の異なるビットレートの情報信号が入力された場合でも上記の非同期のサンプリングを保証する必要がある。これは、サンプリング回路のサンプリング周波数を前記ビットレートの取りうるすべての値と互いに素とすることによって、もしくはサンプリング回路のサンプリングタイミングをランダムとすることによって、もしくはサンプリング周波数を複数の異なる値に切り替えることによって、もしくは該サンプリング周波数を時間的に変化させることによって実現できる。
【0020】
また、光検出器からサンプリング回路に至る経路の周波数帯域を、情報信号のビットレートの1/2以下とすることによって、さらに広範囲の波形劣化の検出と補償が可能となる。
【0021】
上記の制御回路では、度数分布の2次以上の統計モーメントを算出し、算出した統計モーメントが最大、最小、もしくは一定値となるように信号波形劣化補償回路を制御することで、波形の劣化を効果的に検出し、波形劣化を自動補償することが可能となる。例えば、情報信号がNRZ形式の場合には、統計モーメントとして4次以上の偶数モーメントのいずれかを算出し、それが最小となるように、もしくは2次のモーメントを算出し、それが一定値となるように、制御回路が信号波形劣化補償回路を制御すればよい。また、情報信号がRZ形式の場合には、統計モーメントとして2次の偶数モーメントを算出し、その値が最大となるように、もしくは4次以上の偶数モーメントのいずれかを算出し、それが最小となるように制御回路が信号波形劣化補償回路を制御すればよい。
【0022】
また、誤動作を防ぎ、波形劣化の検出範囲や感度を拡大するためには、光信号無の状態では信号波形劣化補償回路の制御を停止し、光信号有の状態で信号波形劣化補償回路の制御を実施するようにする。さらには、信号波形劣化補償回路の電源投入もしくは外部からの指示信号入力後もしくは光信号が無から有に変化した場合に、制御回路は、最初、低次の統計モーメントを用いて信号波形劣化補償回路を制御し、その後、より高次の統計モーメントもしくは他の方式によって生成した制御信号を用いるように制御アルゴリズムの切替を行うことが有効である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は本発明の第1の実施例を示す構成図であり、本発明を適用した自動波長分散補償器100の構成例を示している。
【0025】
入力光ファイバ101から入力された光デジタル情報信号は、可変光波長分散補償器102を透過することで波長分散による劣化の補償を受け、補償後の光信号として出力光ファイバ105より出力される。補償後の光信号の一部は光分岐器104で分岐され、光検出器106で電気信号に変換されたのち、サンプリング回路であるA/D変換器107に入力される。A/D変換器107は、クロック発生器108の発生する情報信号と非同期のサンプリングクロック109のタイミングに従い、入力電気信号の振幅をサンプリングする。制御回路110は、デジタル化された振幅情報を一定時間蓄積して得た振幅の度数分布から、受信信号の波形劣化に対応した波長分散量の制御信号103を生成し、これを可変光波長分散補償器102に入力し、可変光波長分散補償器102の波長分散量を波形劣化が最小となるように制御する。これによって自動波長分散補償機能を実現することができる。なお、補償器102として偏波分散補償器を用いた場合、ほとんど同一の構成で可変偏波分散補償器を構成することができる。
【0026】
図3は、40Gbit/sのNRZ光信号伝送時の受信波形(左)と、受信波形を非同期にサンプリングして得た振幅度数分布(右)を示している。図3(a)は、伝送路の波長分散量を受信波形劣化が最小となる−40ps/nmに設定した場合である。左側の受信波形にはほとんど符号間干渉がなく、右側の振幅度数分布は正規化したマークレベル(1)とスペースレベル(0)に鋭いピークを持つことがわかる。一方、図3(b)は、波長分差量を−200ps/nmと大きくし、大きな波形劣化を発生させた状態である。左図のように波形は大きく歪み、これに伴って右側の度数分布の鋭いピークは失われ、分布が平坦になっていることがわかる。このように、受信波形の振幅度数分布情報と波形劣化の度合が密接に関係していることが分かる。本発明では、上記のような波形振幅のサンプリングをビットタイミングと非同期で行うことが本質的に重要である。これは、波形の中心だけではなく、ビットの境目にあたる肩の部分での波形劣化情報を取り込むことによって、波形の変化を高感度に検出できるからである。
【0027】
制御回路102では、度数分布から波形劣化量を示す指標を取出すことが必要となる。本発明ではこのような指標として、振幅度数分布のN次の統計モーメントを利用する。図4は、40Gbit/sNRZ光信号伝送において、受信波形と非同期にサンプリングした度数分布のn次統計モーメントと波長分散の関係を示した図であり、本発明の効果を示している。本例では光波形をランダムなタイミングで10000回程度サンプリングし、その振幅の度数分布からまず1次のモーメントである振幅平均値μ、2次のモーメントである標準偏差σを算出した。ついで、これらの値で正規化したn次のモーメントmを、次式を用いて算出した(Xは各振幅サンプルの値、Kはサンプル数)。
【0028】
【数1】
Figure 2004356742
【0029】
図中のm1〜m8の曲線は、それぞれ波形の1次〜8次のモーメントをプロットしたものである。なおグラフの微小な凹凸はサンプリングタイミングを乱数としたために発生した分布の片寄りであり、取得サンプル数を多くすることで平滑化される。また、図に黒ひし形でマークした点線は受信波形のアイ開口劣化をdBで算出したものであり、この値が小であるほど波形劣化が小さいことになる。すなわち、横軸の波長分散量が−40ps/nm程度の点で波形劣化が最小であり、この点から離れるに従って波形劣化が大きくなる様子がわかる。一方、図から、1次のモーメントは一定値であるが、2次以上のモーメントは波長分散に対し大きく値が変化するため、波形劣化最小制御に利用できることが分かる。
【0030】
例えば3次以上の奇数のモーメントは、波長分散がゼロで最小値を示し、次数Nが大となるほど急激に変化する曲線となる。したがって、3次以上の奇数のモーメントが最小となるように制御することで、波長分散ゼロの点への制御が可能となる。この制御が可能な理由は、奇数次のモーメントが受信波形の振幅値分布の上下対称性に対応しているためである。例えば3次の統計モーメントは歪度と呼ばれており、この値を最小にすることは振幅分布をできる限り上下対称とすることに相当する。一般に受信波形が最も上下対称となるのは、波長分散やPMDがゼロの点であり、波長分散ゼロの点が制御点となる。
【0031】
一方、2次のモーメントを制御に用いることも可能であり、図4の場合にはその値が1.0と一定値になるように制御することによって、波形がほぼ最適な点へのフィードバック制御が可能となる。波形劣化の検出可能範囲は2次のモーメントが右下がりの領域であり、その範囲はおよそ180ps/nmである。
【0032】
また、4次以上の偶数モーメントは波形が最適となる−40ps/nm付近で極小値を取り、その両側の広い範囲で下に凸のカーブとなっている。4次のモーメントは尖度と呼ばれ、統計分布の尖りの度合いを表す統計量である。この値を最小にすることは、振幅分布が0と1の両極端に分離することを意味しており、すなわち波形劣化が最小と言うことに対応する。例えば、4次のカーブ(図中のm4)はおよそ600ps/nmの範囲で下に凸であり、従来のクロック抽出法(100ps/nm)のおよそ6倍と極めて広い範囲で波形劣化を最小に制御することができる。
【0033】
このような統計モーメントは統計分布の状態を表す普遍的な正規化パラメータであり、信号レベルの変化や経年劣化による受信器内の利得や損失の変化、識別タイミングのずれ、光信号の雑音の有無などに影響を受けず、さらに波形のアイ開口点が無くなりクロック抽出もできないほど劣化した波形に対しても、容易に計算が可能であるという利点を持つ。この結果、波形劣化量の検出範囲も他の方式と比べ極めて広いという特徴を持つ。特に偶数次のモーメントを用いる場合、波長分散ゼロではなく、波形劣化最小の点が制御点となるため、波長分散や偏波分散、帯域劣化以外の劣化要素に対しても補償が行えるという利点がある。例えば、光ファイバの非線型効果である自己位相変調効果が生じると最適な受信波形を得るための波長分散量が異なる値となるが、本発明の偶数次モーメントを用いた制御では非線型効果の影響も含めて最適制御を行うため劣化を防止できる。また信号雑音の影響は信号の0、1レベルが広がるものであるため、上記モーメントへの影響は小さく、サンプリング回数を増やせば平均化されるため本発明の動作に本質的な影響はない。
【0034】
これらの統計モーメントは、制御回路110の内部に配置した演算ユニット(CPU)の演算処理で簡単に算出することができる。図5は制御回路110の構成例を、また図6はその動作アルゴリズムの一例を示している。
【0035】
制御回路110には、サンプルデータの入力端子124から、サンプリング回路(A/D変換器)107の出力である振幅サンプル値Xiが入力される。演算ユニット125はこのデータが一定個数Kになるまで蓄え、その後、各サンプルデータXiのn次モーメントを算出する。演算ユニット110はさらに、n次モーメントのいずれかを最大もしくは最小もしくは一定値となるように可変光波長分散補償器102を制御すべく、D/A変換器126−1,126−2に値を設定し、制御信号の出力端子127から制御信号を出力する。必要に応じてサンプリングクロックなどのサンプリングタイミングを示す信号を、演算ユニットなどに直接入力し、サンプル数の計数や演算のタイミング信号として利用しても構わない。
【0036】
本例では2つのD/A変換器126−1,126−2を用いて2組の制御信号を出力しているが、これは制御対象となる補償器の制御信号数や、使用する補償器の数に依存する。例えばトランスバーサル光フィルタや偏波分散補償器では複数の制御端子を持つのが普通であり、また偏波分散・波長分散・帯域劣化を同時に補償する場合や、補償範囲の異なる2つの補償器を縦続接続する場合などにも複数の制御信号が必要となる。単純な可変分散補償器の制御の場合などは、制御信号はひとつでも構わない。
【0037】
制御回路110で用いられる最大・最小制御のアルゴリズムは、一般に最大・最小制御に用いる手法であれば特に制限はない。例えば、制御工学の教科書に見られる山登り法、最大傾斜法、制御信号のディザリングなどの一変数もしくは多変数制御手法を用いることが可能である。例えば、複数の制御信号をそれぞれ一定量ずつ変化させてn次モーメントの変化量を測定し、その傾斜が正もしくは負に最大となる方向に複数の制御信号の組(ベクトル)を変化させることで、n次モーメントの最大もしくは最小制御が実現できる。
【0038】
なお本発明に類似した波形の非同期度数分布の利用例としては、例えば”Quality Monitoring of Optical Signals Influenced by Chromatic Dispersion in a Transmission Fiber using Averaged Q−Factor Evaluation” (IEEE Photonics Technology Letters, Vol.13, No.4, Apr. 2001)などがある。この文献は、波長分散の影響下でも信号品質を示すQ値(SN比)が検出が可能であることを示したものであり、本発明の目的とする波長波形劣化補償器の制御とは関連がない。とくにQ値検出は、波形の度数分布のうち信号強度と雑音強度の比を求めることが目的であり、本発明が目的とする波形歪の検出とは本質的に異なるものである。例えば上記文献では、度数分布の2つのピークから信号の0、1レベルを判定し、中間のレベルの信号を閾値処理して捨て、信号強度と雑音成分(0、1レベルの広がり)の比を算出している。これに対し本発明では、統計モーメントを機械的に計算するため、0、1レベルの判定や閾値処理は不要であり、またこれらのピークが判定できないほど波形が歪んだ状態でも適用が可能である。また、雑音自体は本発明で算出する統計モーメントにはほとんど影響を与えず、本発明ではむしろ0と1の中間レベルの信号を波形劣化の度合を示す尺度として積極的に利用しているため、両者は大きく異なっている。
【0039】
図7は本発明の第2の実施形態であり、本発明を適用した光伝送装置の構成を示している。光送信器130から出力された光信号は、光ファイバ伝送路131−1を伝送されたのち、光ファイバアンプなどの光増幅器によって構成された光中継器132で光のまま増幅され、再び光ファイバ伝送路131−2を伝送され、光プリアンプ133で増幅されて本発明の自動波長分散補償器(もしくは偏波分散補償器)100に入力される。波形劣化を補償された光信号は、光受信器134に入力されて電気情報信号に戻される。本配置では、本発明の自動波長分散補償器100と光受信器134の間に電気信号のやりとりがないため、両者を完全に独立の装置として構成できる。このため自動波長分散補償器100をマルチビットレート対応の汎用品とすることで、保守・保有製品数を削減したり、受信器134と別個に独立な製品とすることが可能という利点がある。また、自動波長分散補償器100を、光受信器134の直前に限らず、光ファイバ伝送路の任意位置、例えば光中継器132の直後などに配置することで伝送途中での波形歪を補償し、伝送距離を拡大することが可能という利点もある。
【0040】
なお、本実施例の光中継器や光プリアンプなどの光アンプは、エルビウムなどの希土類を用いた光ファイバアンプや、ラマン光増幅器、半導体光増幅器などを必要に応じて任意の個所に挿入することが可能である。
【0041】
図8は本発明の第3の実施形態であり、本発明を波長多重伝送装置に適用した例、および本発明を光受信器内に組み込んだ例を示している。光送信器130−1、130−2、130−3から出力された互いに異なる波長λ1、λ2、λ3の光信号は、光波長合波器137で合波されて一本の光ファイバ伝送路131を伝送され、光プリアンプ133で増幅された後、光波長分波器138で再び波長λ1、λ2、λ3ごとに分離される。各波長の光信号はそれぞれ、本発明の自動波長分散補償器(もしくは偏波分散補償器)を組み込んだ自動波長分散補償光受信器135−1,135−2,135−3に入力される。本構成では、光検出器106をデジタル情報受信用の光受信器の光検出部と共用することによって、高周波部品点数を削減し、低コスト化を図っている。すなわち光検出器106から出力される電気信号は2つに分岐され、その一方はクロック・データ再生回路136に入力され、デジタル情報信号が再生される。もう一方は、前記の実施形態と同様にA/D変換器107に入力されて振幅値のサンプリングに用いられる。
【0042】
図9は本発明の第4の実施形態であり、前記実施例のA/D変換器107を可変識別回路140で置き換え、サンプリング回路の実現性を向上した例である。現在の技術では、サンプリング速度が数GHzを越えるA/D変換器はコスト面などから実現がやや困難であり、一方、識別回路は動作クロック速度が50GHzを越えるものが比較的容易に実現されている。本構成では、光検出器106から出力された電気信号波形は、可変識別回路140に入力され、クロック発生器108の発生する非同期サンプリングクロック109の示すタイミングで振幅0もしくは1のデジタル信号に変換されたのちに、積分回路142を通して制御回路110に入力される。
【0043】
制御回路110は識別レベル参照信号141を出力し、可変識別回路140の識別レベルを情報信号のビットレート及び非同期クロック108に比べてゆっくりと変化させる。例えば識別レベル参照信号141が振幅値Vrを取る場合、識別回路140から出力されるデジタルデータ中で振幅1が現れる確率は、入力信号の振幅値がVrを越える確率に等しくなる。したがってVrを波形の振幅範囲の下限から上限までゆっくりとスイープしながら、識別回路140の出力信号が1となる確率を調べれば、入力信号振幅の累積度数分布を取得することができる。積分回路142の積分時定数を、前記サンプリング速度より十分遅くまた前記スイープ速度より速くなるように設定すれば、積分回路142から出力される信号電圧が前記の識別回路140の出力信号が1となる確率に対応することになる。振幅度数分布はこの累積度数分布を微分することによって算出することができるので、本構成は前記のA/D変換器をサンプリング回路とした構成と同じ効果を持つ。
【0044】
なお、積分回路142は、可変識別回路140の出力するデータのうち振幅0もしくは1の確率に対応する出力を出す回路であれば実装形態が異なっても構わない。例えば、高速のカウンタによって振幅1の回数を計数して出力するなどの形態でも実現可能である。また、必要に応じてその積分作用を制御回路の内部で実施しても構わない。
【0045】
図10は本発明の第5の実施形態であり、可変電気信号波形劣化補償回路によって受信波形の劣化補償を行った例である。可変電気信号波形劣化補償回路として、本例ではトランスバーサルフィルタと識別帰還型等化器を用いている。3タップ型のトランスバーサルフィルタ部は、光検出器106の出力部の後ろに縦続接続された3つの1ビット遅延回路144−1〜144−3、各ビット遅延回路の出力信号の一部を分岐し重み計数a0〜a2を乗算する3つの重み付け回路145、これら3つの重み付け回路の出力信号を加算する2つの加算回路146で構成されている。また、1タップ型の識別帰還等化部は、クロック・データ再生回路136で識別再生されたデータを遅延させてフィードバックする1ビット遅延回路144−4と、重みb0の重み付け回路145と、一個の加算回路146から構成されている。
【0046】
光検出器106から得られた電気信号は、最初のトランスバーサルフィルタ部が線形フィルタとして働き、波形等化を受ける。また同時に、クロック・データ再生回路の後から識別後のデジタル信号の一部が帰還されて加算されることで非線型等化を受ける。これらの波形等化特性や周波数特性は、可変識別回路140、クロック発生器108、積分回路142、および制御回路110で構成された本発明の非同期波形劣化検出部によって検出された波形劣化量が最小となるように、制御回路110が重み付け回路145の重みを変化することによって制御される。この制御アルゴリズムは、前述の最大値・最小値制御とほぼ同一である。このように、本発明は電気領域の補償回路を制御する場合にも有効であり、この場合、波長分散・偏波分散・帯域劣化、さらには送信波形が元から持つ符号間干渉などの多くの波形劣化要因を補償することが可能である。
【0047】
図11は、本発明において光信号がRZ変調されている場合の波長分散量とn次モーメントの関係を示す図である。波形劣化の検出特性はNRZの場合と大きく異なり、n次モーメントのカーブが周期的に大きくうねっている。このため、検出範囲はNRZの場合に比べて狭いものの、例えば2次のモーメント(太線)が最大になるように制御を行うことでおよそ130ps/nmと、クロック抽出方式の1.6倍の制御範囲となる。
【0048】
図4や図11に示す波形劣化の検出範囲は、前記の実施例で光検出器106からサンプリング回路(A/D変換器107、もしくは可変識別器140)に至る経路の周波数帯域幅を十分小さくすることで大きく改善できる。例えば図12(a)(b)は、それぞれNRZ、RZ光信号を受信する場合に、上記帯域を信号ビットレートの1/4に削減した例を示す。
【0049】
デジタル信号を歪無く受信するためにはナイキスト定理から、少なくともビットレートの1/2の帯域が必要と言われるが、本発明ではあえて波形劣化検出部の帯域をこの値より低く設定することにより、信号の高周波成分を落し、波形をなまらせている。この結果、両図に見られるように波長分散の変化に対するモーメントの変化は極めてなだらかとなり、単峰性となる検出範囲が大幅に拡大し、また従来は使用できなかったモーメント成分も制御に使用可能となっている。この理由は、帯域削減によって、波長分散に対して波形の急激な変化を引き起こす高周波成分が失われるためである。また同時に雑音成分も減少するという効果がある。例えばNRZ信号の場合、4次のモーメントの最小制御時の波形劣化の検出範囲は、900ps/nm以上と従来方式に比べおよそ9倍に拡大されおり、非常に有効な手法である。RZ信号の場合、検出帯域を制限すると波形がNRZ様となるため、検出特性が大きく変わり、さらに有効性が高い。例えば2次のモーメント最大制御の場合、およそ幅550ps/nmと従来の7倍に拡大されている。また、4次以上の偶数モーメントや奇数モーメントの最小制御も適用可能となる。
【0050】
図13は本発明の第6の実施形態であり、波長多重信号の補償例である。本例では、波長分散補償器102は光波長分波器138の直前に挿入され、分離前の複数の光信号の劣化を一括して補償している。このような補償は、光エタロンや光トランスバーサルフィルタなどの波長に対して周期性のある波長分散補償器や、波長範囲の十分に広い補償器を用いることで可能である。また、本発明の信号波形劣化補償器150を波長λ1の光信号に対応した光受信器134−1の直前に配置し、制御回路110から得られた制御信号103によって波長分散補償器102を制御している。この場合、波長分散補償器102は波長λ1の受信波形が最適となるように動作するが、波長λ2、λ3についても同時に波長分散が補償され良好な受信波形が得られる。
【0051】
また、本実施形態においては、光検出器106とA/D変換器107の間に帯域幅がビットレートの1/4程度のローパスフィルタ151が配置され、波形劣化検出部の帯域を削減することで前述の図12のように検出特性の改善を図っている。このような帯域削減には必ずしもローパスフィルタなどの部品は必要ではなく、光検出器106やA/Dコンバータ107に意図的に帯域幅の狭い安価な部品を使用してコストを低減することも可能である。また、これらの部品の帯域幅削減も受信波形を十分なまらせることが目的なので、高精度に制御する必要はない。したがって、受信信号のビットレートがある程度変化しても問題なく動作し、マルチビットレート対応と両立が可能である。
【0052】
図14は本発明の第7の実施形態であり、マルチビットレート対応の偏波分散補償器を構成した例である。本例では、偏波コントローラ152の直後に、偏波保持ファイバなどの偏波分散素子153を配置することで偏波分散補償器を構成している。偏波コントローラは通常2〜4の制御入力端子を持ち、本例では制御回路110から4本の制御信号103を生成して同時に制御を行っている。偏波分散補償回路には必要に応じて高次の偏波分散などを補償するように補償機能を追加・拡大しても構わず、また波長分散補償回路を設けて同時に制御を行なっても構わない。また偏波分散素子153の偏波分散量を可変にしたり、本補償回路をさらに多段に接続する構成も可能であり、この場合にはすべての可変要素は制御回路110からの制御信号103で制御すればよい。
【0053】
また、本発明をマルチビットレート対応とするには、複数のビットレートの信号に対してサンプリングタイミングが常に情報信号のビットタイミングと非同期となるようにする必要がある。例えばクロック発生器108の出力するサンプリングクロック109がちょうどビットレートの整数倍や整数分の一となると、常にビットの同じ時刻のみの振幅をサンプリングするため、正しい振幅度数分布が得られなくなるという問題がある。そこで本実施形態では、低周波発信器154によって周波数Δfの低周波信号を生成し、この周波数で周期的にクロック周波数をdfだけずらし、どのようなビットレートの信号とも同期しないようにしている。
【0054】
なお上記の可変非同期サンプリングは必ずしも偏波分散補償に限らず、波長分散補償など他の補償にも問題なく適用可能である。また非同期化の手法についても、サンプリングタイミングをランダムにする、もしくはサンプリング入力光デジタル信号の取りうるビットレート範囲と互いに素とする手法がある。例えば後者の場合、信号ビットレートの範囲が9.95328Gbit/s〜12.5Gbit/sであったとすると、サンプリング周波数はこれらの値の整数倍や整数分の一とならない範囲(例えば6.25GHz〜9.9GHz)から選択し、7GHzなどに設定すればよい。また特にこれらが満たせない場合、受信ビットレートや周波数範囲を検出しサンプリング周波数を複数の値に切りかえることでも非同期性を保証できる。
【0055】
図15は本発明の第8の実施形態であり、制御回路110の制御アルゴリズムをフローチャートで示したものである。本例では、制御回路110は電源投入などによって制御動作が開始(Start)されると、引き込み制御の実施状態(Pull−in Process)を経て、引き込み終了後に精密制御状態(accurate control)に遷移する。特に電源投入後などに光信号が無から有に変化した場合には波形が大きく劣化している可能性があるため、制御回路110はまず引きこみ検出範囲の広い、できる限り低次のモーメント(NRZ波形の場合、例えば4次のモーメントm)を用いて引きこみ制御を行うのが望ましい。その後、もしくは最小値に到達したと判断した場合(図15のminimized)、もしくは波形劣化が一定量以下になった場合、もしくは制御回路110の出力する制御信号が定常状態になった場合、もしくは一定時間経過後などに引き込み状態終了と判断し、制御回路110はより波形劣化検出感度の高いモーメント(例えば8次モーメントm)を用いた精密制御アルゴリズム(accurate control)に切りかえることで、制御の引きこみ範囲と感度を両立する。切りかえるアルゴリズムの種類は2つ以上であっても構わず、またこのうち一方の制御アルゴリズム、特に引きこみ範囲が狭くて済む精密制御アルゴリズムには、従来のクロック最大制御などを用いても構わない。
【0056】
また本例では精密制御アルゴリズム(accurate control)の実施状態で、外部からのリセット信号(reset)がONになった場合にも再び引き込み動作を開始するものとしている。これは誤った制御点に誤引き込みを行なった場合や、受信すべき信号を意図的にスイッチングする場合などに、意図的に引き込み動作を行なわせるためである。このようなリセット信号は、符号誤り数が一定値を超えた場合や、機器のエラー信号に連動して発生することができる。
【0057】
また、図1に代表されるいずれの実施形態においても、制御回路110は、A/D変換器107や可変識別回路140の出力信号の強度などから光信号の有無を検出することが可能である。もしくは光信号と波長多重して送られる監視信号や、光受信器、または外部入力信号などから光信号の有無を通知される場合がある。図15では光信号が消失した場合(signal loss)、制御回路110は制御動作を停止する(Idol)。その後、光信号が再入力された場合(signal ON)、再び引き込み動作(pull−in)から動作を再開する。このようにすることで、光信号断時の無駄な動作を停止して消費電力を低減し、また装置故障中や瞬断中の波形劣化を最小にし、光信号の再入力時の引きこみ時間を最小にとどめることが可能となる。なお、光信号断の時間が短い場合や光信号断中の状態変化が少ないと考えられる場合(例えば装置の修理や部品交換をせずに信号が再開した場合など)には、精密制御状態から制御動作を再開しても構わない。
【0058】
以上説明したように、本発明では、波形を非同期でサンプリングすることで、マルチビットレート対応にでき、また波形劣化の検出範囲を従来の手法より大きく拡大できる波形劣化補償器が得られる。マルチビットレート対応とできることにより、波形劣化補償器を光受信器とは別の汎用品して独立に製品化することが可能となり、また製品数を削減することが可能になる。また、波形劣化補償回路も、劣化補償器部分を必要に応じて取りかえることで偏波分散補償や波長分散補償、帯域劣化補償などの多くの補償に共通に利用でき、製品数や製品コストを低減できる。また、偏波分散補償や波長分散補償、帯域劣化補償などの多くの制御を一個の波形劣化検出回路で制御することによって、構成を簡素化し、コストを低減できる。
【0059】
また、統計分布の状態を表す普遍的な正規化パラメータである統計モーメントを用いて制御を行なうため、信号レベルの変化や経年劣化による受信器内の利得や損失の変化、識別タイミングのずれ、光信号の雑音の有無などの影響を受けず、さらに波形のアイ開口点が無くなりクロック抽出もできないほど劣化した波形に対しても、容易に制御信号が算出可能である。このため、従来の手法のおよそ6倍という広い検出範囲が実現できる。また特に偶数次のモーメントを用いる場合、波形劣化最小の点が制御点となり、波長分散や偏波分散、帯域劣化以外の劣化要素、例えば光ファイバの非線型効果である自己位相変調効果に対しても補償が行える。
【0060】
また、検出部の帯域をビットレートの1/2以下に削減した場合、NRZ信号の検出範囲をさらに上記の1.5倍以上に拡大できる。特にRZ方式に適用した場合には、検出特性をNRZと同等にし、検出範囲もNRZ並に拡大できるほか、同じ劣化検出回路をNRZ信号と共用できる。
【0061】
サンプリング周波数は、ビットレートの取りうるすべての値と互いに素であるようにしたり、サンプリングタイミングをランダムにしたり、サンプリング周波数を複数の異なる周波数に切り替えたり、サンプリング周波数を時間的に変化させることによって、どのようなビットレートの信号とも同期しないようにするのが好ましい。
【0062】
また、制御アルゴリズムの切替えを行なうことによって、波形劣化の検出感度と検出範囲を両立し、自動波形劣化補償器の自動引き込み範囲を広くしたまま自動補償の精度を向上することが可能となる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によると、検出範囲が広く、一つの回路で広範囲のビットレートに対応することの可能な信号波形劣化補償器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す構成図である。
【図2】従来の自動波長分散補償器の構成図である。
【図3】本発明の原理となる受信波形と非同期振幅度数分布の関係を示す図である。
【図4】本発明における波長分散量とn次モーメントの関係を示す図である。
【図5】本発明における制御回路110の構成を示す図である。
【図6】本発明における制御回路110の動作アルゴリズムを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す構成図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す構成図である。
【図9】本発明の第4の実施形態を示す構成図である。
【図10】本発明の第5の実施形態を示す構成図である。
【図11】RZ変調光信号に対する波長分散量とn次モーメントの関係を示す図である。
【図12】本発明の波形劣化検出部の帯域削減の効果を示す図である。
【図13】本発明の第6の実施形態を示す構成図である。
【図14】本発明の第7の実施形態を示す構成図である。
【図15】本発明の第8の実施形態で、制御回路110の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100…自動波長分散補償器(もしくは偏波分散補償器)、101…入力光ファイバ、102…可変光波長分散補償器(もしくは偏波分散補償器)、103…制御信号、104…光分岐器、105…出力光ファイバ、106…光検出器、107…サンプリング回路(A/D変換器)、108…クロック発生器、109…サンプリングクロック、110…制御回路、120…自動波長分散補償器、121…整流回路、122…バンドパスフィルタ、123…最大値制御回路、124…サンプルデータの入力端子、125…演算ユニット(CPU)、126…D/A変換器、127…制御信号の出力端子、130…光送信器、131…光ファイバ伝送路、132…光中継器、133…光プリアンプ、134…光受信器、135…自動波長分散補償光受信器、136…クロック・データ再生回路、137…光波長合波器、138…光波長分波器、140…サンプリング回路(可変識別回路)、141…識別レベル参照信号、142…積分回路、143…本発明の自動波形劣化補償器、144…1ビット遅延回路、145…重み付け回路、146…加算回路、150…本発明の波形劣化補償器、151…ローパスフィルタ、152…偏波コントローラ、153…偏波分散素子、154…低周波発信器

Claims (12)

  1. 光デジタル情報信号を電気デジタル情報信号に変換して出力する光検出器と、
    情報信号のビットタイミングに非同期で前記電気デジタル情報信号の振幅をサンプリングし振幅度数分布を取得するサンプリング回路と、
    前記度数分布から制御信号を生成する制御回路とを含むことを特徴とする信号波形劣化補償器。
  2. 光デジタル情報信号を電気デジタル情報信号に変換して出力する光検出器と、
    情報信号のビットタイミングに非同期で前記電気デジタル情報信号の振幅をサンプリングし振幅度数分布を取得するサンプリング回路と、
    前記光デジタル情報信号又は前記電気デジタル情報信号を入力とする可変信号波形劣化補償回路と、
    前記度数分布から制御信号を生成する制御回路とを備え、
    前記制御回路によって生成された制御信号によって前記可変信号波形劣化補償回路の補償量を制御することを特徴とする信号波形劣化補償器。
  3. 請求項2記載の信号波形劣化補償器において、前記可変信号波形劣化補償回路は前記光デジタル情報信号を入力とする可変光信号波形劣化補償回路であることを特徴とする信号波形劣化補償器。
  4. 請求項2記載の信号波形劣化補償器において、前記可変信号波形劣化補償回路は前記電気デジタル情報信号を入力とする可変電気信号波形劣化補償回路であることを特徴とする信号波形劣化補償器。
  5. 請求項2記載の信号波形劣化補償器において、前記可変信号波形劣化補償回路は波長分散補償回路、偏波分散劣化補償回路もしくは帯域劣化補償回路であることを特徴とする信号波形劣化補償器。
  6. 請求項2記載の信号波形劣化補償器において、該可変信号波形劣化補償回路はトランスバーサルフィルタもしくは識別帰還補償器を含むことを特徴とする信号波形劣化補償器。
  7. 請求項1又は2記載の信号波形劣化補償器において、前記情報信号のビットレートが複数の異なる値を取り、前記サンプリング回路のサンプリング周波数が前記ビットレートの取りうるすべての値と互いに素であること、前記サンプリング回路のサンプリングタイミングがランダムであること、前記サンプリング周波数が複数の異なる周波数に切り替え可能であること、もしくは前記サンプリング周波数が時間的に変化することを特徴とする信号波形劣化補償器。
  8. 請求項1又は2記載の信号波形劣化補償器において、前記光検出器から前記サンプリング回路に至る経路の周波数帯域が前記情報信号のビットレートの1/2以下であることを特徴とする信号波形劣化補償器。
  9. 請求項1又は2記載の信号波形劣化補償器において、前記制御回路は前記度数分布の2次以上の統計モーメントを算出し、算出した統計モーメントが最大、最小、もしくは一定値となるように信号波形劣化補償回路を制御することを特徴とする信号波形劣化補償器。
  10. 請求項9記載の信号波形劣化補償器において、前記情報信号がNRZ(Non Return to Zero)形式であり、前記制御回路は、2次のモーメントを算出しその値が一定値となるように、もしくは4次以上の偶数モーメントのいずれかを算出しその値が最小となるように前記信号波形劣化補償回路を制御することを特徴とする信号波形劣化補償器。
  11. 請求項9記載の信号波形劣化補償器において、前記情報信号がRZ(Return to Zero)形式であり、前記制御回路は、2次のモーメントを算出しその値が最大となるように、もしくは4次以上の偶数モーメントのいずれかを算出しその値が最小となるように前記信号波形劣化補償回路を制御することを特徴とする信号波形劣化補償器。
  12. 請求項9記載の信号波形劣化補償器において、前記制御回路は、電源投入もしくは外部からの指示信号入力後もしくは光信号が無から有に変化した場合に相対的に低次の統計モーメントに基づいて前記信号波形劣化補償回路を制御し、その後、相対的に高次の統計モーメントもしくは他の方式によって生成した制御信号を用いて前記信号波形劣化補償回路を制御するように制御アルゴリズムの切替を行うことを特徴とする信号波形劣化補償器。
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