JP2004354631A - シアン現像剤用キャリヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の導電剤を配合した場合と同程度の導電性を有するためチャージアップの問題を生じない樹脂の被覆層を備える上、特にフルカラー画像形成用としてシアントナーの色相を阻害するおそれのない、新規なシアン現像剤用キャリヤを提供する。
【解決手段】芯材の表面を、導電剤としてフタロシアニン系化合物を含有する樹脂の被覆層で被覆した。
【選択図】 なし
【解決手段】芯材の表面を、導電剤としてフタロシアニン系化合物を含有する樹脂の被覆層で被覆した。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にフルカラー画像形成用として好適な、シアントナーとともに二成分シアン現像剤を構成するためのシアン現像剤用キャリヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる電子写真法を利用した、フルカラー画像対応の静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの機能を2つ以上有する複合機などの画像形成装置においては、シアン、マゼンタおよびイエローの3色、またはこの3色にブラックを加えた4色の静電潜像現像用カラートナーを重ね合わせて、その混色によりフルカラー画像を表現するのが一般的である。
【0003】
また各色のトナーの現像方式としては、通常の、単色の画像形成装置の場合と同様に、トナーとキャリヤとを所定の比率で配合した二成分現像剤を混合することでトナーを摩擦帯電させるとともに、キャリヤによってトナーを搬送して感光体表面の静電潜像と接触させる、いわゆる二成分現像方式が広く行われている。通常の、単色の画像形成装置用のキャリヤとしては、例えば磁性体粒子などの芯材の表面を、トナーのスペントなどを防止するために樹脂の被覆層で被覆した、いわゆるコート型のものが用いられる。
【0004】
またコート型のキャリヤの被覆層は、特にトナーが正帯電系である場合、自身が負帯電性であるため摩擦帯電によってトナーを正帯電させる正帯電付与性を有するフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂などによって形成するのが好ましい。
しかし樹脂の被覆層は、そのままでは抵抗値が高過ぎる上、正帯電付与性が強すぎるため、トナーのチャージアップの問題を生じやすい。そして長期間に亘って装置の現像器内でかく拌を続けると、形成画像に濃度不良を生じるおそれがある。
【0005】
そこで、例えばカーボンブラックや酸化チタン、アルミナなどの導電剤を含有させることによって被覆層の抵抗値を下げたり、あるいは正帯電性である4級アンモニウム塩等の電荷制御剤を含有させることで被覆層の負帯電性と、トナーに対する正帯電付与性とを弱めたりして、チャージを低減することが行われる(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−286429号公報(特許請求の範囲、第0003欄〜第0007欄)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のうちカーボンブラックは黒色であるため、フルカラー画像形成用の画像形成装置に使用して、長期間に亘って装置の現像器内でかく拌を続けた際に、被覆層から脱落してトナー中に混入するとトナーの色相を阻害してしまい、良好なフルカラー画像を形成できないという問題がある。
そこで特許文献1においては、被覆層の最表面を、酸化チタンやアルミナなどの白色の導電剤を含有させた層としている。そしてかかる構成によれば、表面に露出した導電剤は白色であるため、被覆層から脱落してトナー中に混入しても、その色相を阻害しないとしている。
【0008】
しかし発明者の検討によると、明度の高い白色の導電剤や、同じく白色である電荷制御剤は、フルカラー画像形成用のシアン、マゼンタおよびイエローの3色のうち特に明度の低いシアントナーに混入した際にその色相を阻害するため、特許文献1の構成では依然として良好なフルカラー画像を形成できないことが判った。
本発明の目的は、従来の導電剤を配合した場合と同程度の導電性を有するためチャージアップの問題を生じない樹脂の被覆層を備える上、特にフルカラー画像形成用としてシアントナーの色相を阻害するおそれのない、新規なシアン現像剤用キャリヤを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するため、発明者は、被覆層に含有させる導電材料について種々検討した結果、フタロシアニン系化合物が、被覆層に適度な導電性を付与してトナーのチャージアップを防止できる上、シアントナーと同系色であって、被覆層から脱落してトナー中に混入してもその色相を阻害しないため、良好なフルカラー画像を形成できることを見出した。
【0010】
したがって請求項1記載の発明は、シアントナーとともに二成分シアン現像剤を構成するためのシアン現像剤用キャリヤであって、芯材の表面を、導電剤としてフタロシアニン系化合物を含有する樹脂の被覆層で被覆したことを特徴とするシアン現像剤用キャリヤである。
なお被覆層中に含有させるフタロシアニン系化合物の割合は特に限定されないが、被覆層を形成する樹脂100重量部に対するフタロシアニン系化合物の含有割合が0.5重量部未満では、当該フタロシアニン系化合物の添加効果としての、被覆層の抵抗値を下げてトナーのチャージアップを防止する効果が不十分になるおそれがある。また含有割合が6.0重量部を超えると、被覆層の抵抗値が低くなりすぎて、トナーに対する正帯電付与性が不十分になり、それに伴って帯電不良のトナーの飛散による機内汚れや、感光体表面のフィルミング等が発生するおそれがある。
【0011】
したがって請求項2記載の発明は、被覆層が、樹脂100重量部に対して、フタロシアニン系化合物を0.5〜6.0重量部の割合で含有する請求項1記載のシアン現像剤用キャリヤである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。
《シアン現像剤用キャリヤ》
被覆層を形成する樹脂としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、不飽和ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂などを挙げることができる。
【0013】
中でも特に、トナーに対する正帯電付与性や機械的強度等を考慮すると、前述したフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂が好ましい。
また被覆層中に含有させるフタロシアニン系化合物としては、例えば無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの、従来公知の種々のフタロシアニン系化合物のうち、特にシアントナーの色相に影響を及ぼさないか、あるいは影響を及ぼすおそれの少ない、シアンまたはそれに近い色相を有する種々の化合物が好ましい。
【0014】
フタロシアニン系化合物の、被覆層への含有割合は、前記のように樹脂100重量部に対して0.5〜6.0重量部であるのが好ましい。
芯材としては、例えば鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、上記各種材料の微粉末を樹脂粒子中に分散させた複合構造を有する粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子などを挙げることができる。
【0015】
中でも酸化鉄、還元鉄等の鉄系の粒子やフェライト粒子が好ましく、フェライト粒子としては、例えば亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、リチウム系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライトなどの粒子を挙げることができる。
芯材の表面に被覆層を形成するには、まず被覆層を構成する各成分を適当な溶媒に溶解または分散してコーティング剤を調製し、それを芯材の表面に塗布した後、加熱して溶媒を乾燥、除去するとともに樹脂を硬化させればよい。コーティング剤の塗布方法としては、例えば機械的混合法、噴霧法、浸漬法、流動層法、転動層法等の公知の方法を、いずれも採用できる。
【0016】
溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類などの中から、被覆層を形成する樹脂を良好に溶解または分散し得るものを選択して使用すればよい。
かくして形成される本発明のシアン現像剤用キャリヤの粒径は、使用する装置のシステム等に応じて適宜、選択すればよいが、通常は、体積基準の中心粒径が35〜100μmであるのが好ましく、40〜65μmであるのがさらに好ましい。
【0017】
《シアントナー》
上記本発明のシアン現像剤用キャリヤとともに二成分シアン現像剤を構成するシアントナーは、従来同様に形成することができる。
すなわち粉砕、分級法などで製造した、ポリエステルなどの定着用樹脂中に、シアン系の着色剤、電荷制御剤、オフセット制御剤、および必要に応じてその他の添加剤を分散させた構造を有するシアントナー粒子を、シリカなどの外添剤で表面処理してシアントナーを形成することができる。
【0018】
二成分シアン現像剤におけるトナー濃度は2〜15重量%であるのが好ましい。
本発明のシアン現像剤用キャリヤは、フルカラー画像形成装置用の二成分シアン現像剤として使用するのが好ましい。
これによりシアントナーのスペントやチャージアップなどを防止しながら、良好な色相のフルカラー画像を形成することができる。
【0019】
ただし本発明のシアン現像剤用キャリヤは、単色の画像形成装置用のカラートナーなどとして使用することも可能である。
【0020】
【実施例】
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1〜5
(被覆層用のコーティング剤の調製)
シリコーン系樹脂〔東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR−2411〕100重量部と、銅フタロシアニン〔山陽色素(株)製の商品名シアニンブルーKRO〕0.3重量部(実施例1)、0.5重量部(実施例2)、3.0重量部(実施例3)、6.0重量部(実施例4)または6.5重量部(実施例5)とをトルエンに溶解させて被覆層用のコーティング剤を調製した。
【0021】
(シアン現像剤用キャリヤの製造)
マンガン−マグネシウム系フェライトの芯材粒子の表面に、流動層法によって上記のコーティング剤を塗布し、250℃で3時間、加熱してトルエンを乾燥、除去するとともにシリコーン系樹脂を硬化させることで被覆層を形成して、体積基準の中心粒径が60μmのシアン現像剤用キャリヤを製造した。被覆層の被覆量は、芯材100重量部に対して0.6重量部とした。
【0022】
比較例1
銅フタロシアニンを添加しなかったこと以外は実施例1〜5と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
実施例6〜8
シリコーン系樹脂に代えて、フッ素系樹脂であるフッ化ビニリデン〔ダイキン工業(株)社製のVT−50〕100重量部を使用したこと以外は実施例2〜4と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
【0023】
比較例2
銅フタロシアニンを添加しなかったこと以外は実施例6〜8と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
比較例3
銅フタロシアニンに代えてカーボンブラック〔三菱化学(株)製のM4100〕を使用したこと以外は実施例3と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
【0024】
比較例4
銅フタロシアニンに代えて酸化チタン〔チタン工業(株)製のSTT−65C〕を使用したこと以外は実施例3と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
比較例5
銅フタロシアニンに代えて電荷制御剤〔クラリアント社製のコピーチャージPSY〕を使用したこと以外は実施例3と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
【0025】
シアントナーの作製
(ポリエステル樹脂の合成)
シアントナー粒子用のポリエステル樹脂を、下記の合成スキームで合成した。ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4.0molと、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.0molと、テレフタル酸4.5molと、そして無水トリメリット酸0.5molとを、酸化ジブチル錫4gとともに反応容器に入れ、窒素雰囲気下、230℃で8時間反応させた後、反応系から分取し、洗浄、乾燥させてポリエステル樹脂を合成した。
【0026】
(シアントナー粒子の製造)
上記ポリエステル樹脂100重量部に、銅フタロシアニン系顔料〔山陽色素(株)製の商品名シアニンブルーKRO〕5重量部、電荷制御剤〔藤倉化成(株)製のFCA201PS〕5重量部、およびポリプロピレンワックス〔三洋化成(株)製の商品名ユーメックス100TS〕2重量部を加えて、ヘンシェルミキサーで十分に前混合し、次いで2軸押出式混練機を用いて溶融混練し、ジェットミルを用いて粉砕した後、風力分級機を用いて分級して、体積基準の中心粒径が8.0±0.5μmであるシアントナー粒子を製造した。
【0027】
(シアントナーの作製)
上記シアントナー粒子100重量部に、外添剤としてのシリカ〔日本アエロジル(株)製のREA200HS〕0.5重量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合することによって、シアントナー粒子の表面をシリカで表面処理してシアントナーを作製した。
二成分シアン現像剤の調製
上記シアントナーを、各実施例、比較例で作製したシアン現像剤用キャリヤと混合して二成分シアン現像剤を調製した。トナー濃度は5重量%とした。
【0028】
実機試験その1
上記二成分シアン現像剤を、フルカラーレーザープリンタ〔京セラミタ(株)製のFS8000C〕に使用して、温度23℃、相対湿度65%の常温、常湿環境下で、シアン単色のベタ画像を30000枚、連続して出力した。
そして出力1枚目と30000枚目の画像の、それぞれベタ部の画像濃度と、余白部のカブリ濃度とを反射濃度計〔東京電色(株)製のTC−6DS〕を使用して測定した。
【0029】
また上記1枚目と30000枚目の画像のベタ部を、それぞれ分光測色計〔ミノルタ(株)製のCM−3700α〕を用いて測色して、その明度L*を求めた。測色の条件は、光源:D65、視野:10°とした。
帯電量測定
二成分シアン現像剤中のトナーの、上記連続画像出力前と連続画像出力後の、それぞれの時点での帯電量Q/M〔μC/g〕を、QMメータ〔TREK社製のモデル210HS〕を用いて測定した。
【0030】
実機試験その2
二成分シアン現像剤を、上記と同じフルカラーレーザープリンタに使用して、温度10℃、相対湿度15%の低温、低湿環境下で、シアン単色のベタ画像を10000枚、連続して出力した。
そして10000枚目の画像の、ベタ部の画像濃度を、上記反射濃度計を使用して測定した。
【0031】
また10000枚目の画像のベタ部を、上記分光測色計〔ミノルタ(株)製のCM−3700α〕を用いて、同条件で測色して、その明度L*を求めた。
実機試験その3
二成分シアン現像剤を、上記と同じフルカラーレーザープリンタに使用して、温度35℃、相対湿度85%の高温、高湿環境下で、シアン単色のベタ画像を30000枚、連続して出力した後、プリンタから感光体を取り出してその表面を目視にて観察した。そしてその表面にトナーのフィルミングが全く発生していないものを良好(○)、僅かに発生しているものの実用上、差し支えないものをやや良好(△)、フィルミングが発生しているものを不良(×)として評価した。
【0032】
以上の結果を表1、2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
両表より、被覆層に銅フタロシアニンを含有させなかった比較例1、2はいずれも、連続画像出力によってトナーの帯電量が大きく上昇するとともに、画像濃度が著しく低下しており、トナーのチャージアップが発生していることがわかった。
また被覆層にカーボンブラックを含有させた比較例3は、連続画像出力によってベタ部の明度L*が大きく低下しており、カーボンブラックが被覆層から脱落してシアントナー中に混入することで、当該シアントナーの色相を阻害していることがわかった。
【0036】
また、被覆層に酸化チタンを含有させた比較例4、および電荷制御剤を含有させた比較例5は、逆に連続画像出力によってベタ部の明度L*が大きく上昇しており、酸化チタンや電荷制御剤被覆層から脱落してシアントナー中に混入することで、当該シアントナーの色相を阻害していることがわかった。
これに対し各実施例は、連続画像出力によって画像濃度が殆ど変化しておらず、トナーのチャージアップの発生を確実に防止できることがわかった。
【0037】
また各実施例は、連続画像出力によってベタ部の明度L*が殆ど変化しておらず、銅フタロシアニンが被覆層から脱落してシアントナー中に混入しても、当該シアントナーの色相を阻害しないことがわかった。
さらに各実施例を比較すると、いずれも常温、常湿環境下では全く問題がないものの、低温、低湿環境下では、被覆層における銅フタロシアニンの含有割合が0.5重量部未満である実施例1において、連続画像出力後に僅かに、トナーの帯電量が上昇し、かつ画像濃度が低下してチャージアップが発生しかかっていることがわかった。また高温、高湿環境下では、被覆層における銅フタロシアニンの含有割合が6.0重量部を超える実施例5において、連続画像出力後に僅かにフィルミングが発生していることがわかった。
【0038】
そしてこれらのことから、被覆層における銅フタロシアニンの含有割合は、0.5〜6.0重量部であるのが好ましいことがわかった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にフルカラー画像形成用として好適な、シアントナーとともに二成分シアン現像剤を構成するためのシアン現像剤用キャリヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる電子写真法を利用した、フルカラー画像対応の静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの機能を2つ以上有する複合機などの画像形成装置においては、シアン、マゼンタおよびイエローの3色、またはこの3色にブラックを加えた4色の静電潜像現像用カラートナーを重ね合わせて、その混色によりフルカラー画像を表現するのが一般的である。
【0003】
また各色のトナーの現像方式としては、通常の、単色の画像形成装置の場合と同様に、トナーとキャリヤとを所定の比率で配合した二成分現像剤を混合することでトナーを摩擦帯電させるとともに、キャリヤによってトナーを搬送して感光体表面の静電潜像と接触させる、いわゆる二成分現像方式が広く行われている。通常の、単色の画像形成装置用のキャリヤとしては、例えば磁性体粒子などの芯材の表面を、トナーのスペントなどを防止するために樹脂の被覆層で被覆した、いわゆるコート型のものが用いられる。
【0004】
またコート型のキャリヤの被覆層は、特にトナーが正帯電系である場合、自身が負帯電性であるため摩擦帯電によってトナーを正帯電させる正帯電付与性を有するフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂などによって形成するのが好ましい。
しかし樹脂の被覆層は、そのままでは抵抗値が高過ぎる上、正帯電付与性が強すぎるため、トナーのチャージアップの問題を生じやすい。そして長期間に亘って装置の現像器内でかく拌を続けると、形成画像に濃度不良を生じるおそれがある。
【0005】
そこで、例えばカーボンブラックや酸化チタン、アルミナなどの導電剤を含有させることによって被覆層の抵抗値を下げたり、あるいは正帯電性である4級アンモニウム塩等の電荷制御剤を含有させることで被覆層の負帯電性と、トナーに対する正帯電付与性とを弱めたりして、チャージを低減することが行われる(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−286429号公報(特許請求の範囲、第0003欄〜第0007欄)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のうちカーボンブラックは黒色であるため、フルカラー画像形成用の画像形成装置に使用して、長期間に亘って装置の現像器内でかく拌を続けた際に、被覆層から脱落してトナー中に混入するとトナーの色相を阻害してしまい、良好なフルカラー画像を形成できないという問題がある。
そこで特許文献1においては、被覆層の最表面を、酸化チタンやアルミナなどの白色の導電剤を含有させた層としている。そしてかかる構成によれば、表面に露出した導電剤は白色であるため、被覆層から脱落してトナー中に混入しても、その色相を阻害しないとしている。
【0008】
しかし発明者の検討によると、明度の高い白色の導電剤や、同じく白色である電荷制御剤は、フルカラー画像形成用のシアン、マゼンタおよびイエローの3色のうち特に明度の低いシアントナーに混入した際にその色相を阻害するため、特許文献1の構成では依然として良好なフルカラー画像を形成できないことが判った。
本発明の目的は、従来の導電剤を配合した場合と同程度の導電性を有するためチャージアップの問題を生じない樹脂の被覆層を備える上、特にフルカラー画像形成用としてシアントナーの色相を阻害するおそれのない、新規なシアン現像剤用キャリヤを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するため、発明者は、被覆層に含有させる導電材料について種々検討した結果、フタロシアニン系化合物が、被覆層に適度な導電性を付与してトナーのチャージアップを防止できる上、シアントナーと同系色であって、被覆層から脱落してトナー中に混入してもその色相を阻害しないため、良好なフルカラー画像を形成できることを見出した。
【0010】
したがって請求項1記載の発明は、シアントナーとともに二成分シアン現像剤を構成するためのシアン現像剤用キャリヤであって、芯材の表面を、導電剤としてフタロシアニン系化合物を含有する樹脂の被覆層で被覆したことを特徴とするシアン現像剤用キャリヤである。
なお被覆層中に含有させるフタロシアニン系化合物の割合は特に限定されないが、被覆層を形成する樹脂100重量部に対するフタロシアニン系化合物の含有割合が0.5重量部未満では、当該フタロシアニン系化合物の添加効果としての、被覆層の抵抗値を下げてトナーのチャージアップを防止する効果が不十分になるおそれがある。また含有割合が6.0重量部を超えると、被覆層の抵抗値が低くなりすぎて、トナーに対する正帯電付与性が不十分になり、それに伴って帯電不良のトナーの飛散による機内汚れや、感光体表面のフィルミング等が発生するおそれがある。
【0011】
したがって請求項2記載の発明は、被覆層が、樹脂100重量部に対して、フタロシアニン系化合物を0.5〜6.0重量部の割合で含有する請求項1記載のシアン現像剤用キャリヤである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。
《シアン現像剤用キャリヤ》
被覆層を形成する樹脂としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、不飽和ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂などを挙げることができる。
【0013】
中でも特に、トナーに対する正帯電付与性や機械的強度等を考慮すると、前述したフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂が好ましい。
また被覆層中に含有させるフタロシアニン系化合物としては、例えば無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの、従来公知の種々のフタロシアニン系化合物のうち、特にシアントナーの色相に影響を及ぼさないか、あるいは影響を及ぼすおそれの少ない、シアンまたはそれに近い色相を有する種々の化合物が好ましい。
【0014】
フタロシアニン系化合物の、被覆層への含有割合は、前記のように樹脂100重量部に対して0.5〜6.0重量部であるのが好ましい。
芯材としては、例えば鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、上記各種材料の微粉末を樹脂粒子中に分散させた複合構造を有する粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子などを挙げることができる。
【0015】
中でも酸化鉄、還元鉄等の鉄系の粒子やフェライト粒子が好ましく、フェライト粒子としては、例えば亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、リチウム系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライトなどの粒子を挙げることができる。
芯材の表面に被覆層を形成するには、まず被覆層を構成する各成分を適当な溶媒に溶解または分散してコーティング剤を調製し、それを芯材の表面に塗布した後、加熱して溶媒を乾燥、除去するとともに樹脂を硬化させればよい。コーティング剤の塗布方法としては、例えば機械的混合法、噴霧法、浸漬法、流動層法、転動層法等の公知の方法を、いずれも採用できる。
【0016】
溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類などの中から、被覆層を形成する樹脂を良好に溶解または分散し得るものを選択して使用すればよい。
かくして形成される本発明のシアン現像剤用キャリヤの粒径は、使用する装置のシステム等に応じて適宜、選択すればよいが、通常は、体積基準の中心粒径が35〜100μmであるのが好ましく、40〜65μmであるのがさらに好ましい。
【0017】
《シアントナー》
上記本発明のシアン現像剤用キャリヤとともに二成分シアン現像剤を構成するシアントナーは、従来同様に形成することができる。
すなわち粉砕、分級法などで製造した、ポリエステルなどの定着用樹脂中に、シアン系の着色剤、電荷制御剤、オフセット制御剤、および必要に応じてその他の添加剤を分散させた構造を有するシアントナー粒子を、シリカなどの外添剤で表面処理してシアントナーを形成することができる。
【0018】
二成分シアン現像剤におけるトナー濃度は2〜15重量%であるのが好ましい。
本発明のシアン現像剤用キャリヤは、フルカラー画像形成装置用の二成分シアン現像剤として使用するのが好ましい。
これによりシアントナーのスペントやチャージアップなどを防止しながら、良好な色相のフルカラー画像を形成することができる。
【0019】
ただし本発明のシアン現像剤用キャリヤは、単色の画像形成装置用のカラートナーなどとして使用することも可能である。
【0020】
【実施例】
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1〜5
(被覆層用のコーティング剤の調製)
シリコーン系樹脂〔東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR−2411〕100重量部と、銅フタロシアニン〔山陽色素(株)製の商品名シアニンブルーKRO〕0.3重量部(実施例1)、0.5重量部(実施例2)、3.0重量部(実施例3)、6.0重量部(実施例4)または6.5重量部(実施例5)とをトルエンに溶解させて被覆層用のコーティング剤を調製した。
【0021】
(シアン現像剤用キャリヤの製造)
マンガン−マグネシウム系フェライトの芯材粒子の表面に、流動層法によって上記のコーティング剤を塗布し、250℃で3時間、加熱してトルエンを乾燥、除去するとともにシリコーン系樹脂を硬化させることで被覆層を形成して、体積基準の中心粒径が60μmのシアン現像剤用キャリヤを製造した。被覆層の被覆量は、芯材100重量部に対して0.6重量部とした。
【0022】
比較例1
銅フタロシアニンを添加しなかったこと以外は実施例1〜5と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
実施例6〜8
シリコーン系樹脂に代えて、フッ素系樹脂であるフッ化ビニリデン〔ダイキン工業(株)社製のVT−50〕100重量部を使用したこと以外は実施例2〜4と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
【0023】
比較例2
銅フタロシアニンを添加しなかったこと以外は実施例6〜8と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
比較例3
銅フタロシアニンに代えてカーボンブラック〔三菱化学(株)製のM4100〕を使用したこと以外は実施例3と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
【0024】
比較例4
銅フタロシアニンに代えて酸化チタン〔チタン工業(株)製のSTT−65C〕を使用したこと以外は実施例3と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
比較例5
銅フタロシアニンに代えて電荷制御剤〔クラリアント社製のコピーチャージPSY〕を使用したこと以外は実施例3と同様にしてコーティング剤を調製し、シアン現像剤用キャリヤを製造した。
【0025】
シアントナーの作製
(ポリエステル樹脂の合成)
シアントナー粒子用のポリエステル樹脂を、下記の合成スキームで合成した。ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4.0molと、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.0molと、テレフタル酸4.5molと、そして無水トリメリット酸0.5molとを、酸化ジブチル錫4gとともに反応容器に入れ、窒素雰囲気下、230℃で8時間反応させた後、反応系から分取し、洗浄、乾燥させてポリエステル樹脂を合成した。
【0026】
(シアントナー粒子の製造)
上記ポリエステル樹脂100重量部に、銅フタロシアニン系顔料〔山陽色素(株)製の商品名シアニンブルーKRO〕5重量部、電荷制御剤〔藤倉化成(株)製のFCA201PS〕5重量部、およびポリプロピレンワックス〔三洋化成(株)製の商品名ユーメックス100TS〕2重量部を加えて、ヘンシェルミキサーで十分に前混合し、次いで2軸押出式混練機を用いて溶融混練し、ジェットミルを用いて粉砕した後、風力分級機を用いて分級して、体積基準の中心粒径が8.0±0.5μmであるシアントナー粒子を製造した。
【0027】
(シアントナーの作製)
上記シアントナー粒子100重量部に、外添剤としてのシリカ〔日本アエロジル(株)製のREA200HS〕0.5重量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合することによって、シアントナー粒子の表面をシリカで表面処理してシアントナーを作製した。
二成分シアン現像剤の調製
上記シアントナーを、各実施例、比較例で作製したシアン現像剤用キャリヤと混合して二成分シアン現像剤を調製した。トナー濃度は5重量%とした。
【0028】
実機試験その1
上記二成分シアン現像剤を、フルカラーレーザープリンタ〔京セラミタ(株)製のFS8000C〕に使用して、温度23℃、相対湿度65%の常温、常湿環境下で、シアン単色のベタ画像を30000枚、連続して出力した。
そして出力1枚目と30000枚目の画像の、それぞれベタ部の画像濃度と、余白部のカブリ濃度とを反射濃度計〔東京電色(株)製のTC−6DS〕を使用して測定した。
【0029】
また上記1枚目と30000枚目の画像のベタ部を、それぞれ分光測色計〔ミノルタ(株)製のCM−3700α〕を用いて測色して、その明度L*を求めた。測色の条件は、光源:D65、視野:10°とした。
帯電量測定
二成分シアン現像剤中のトナーの、上記連続画像出力前と連続画像出力後の、それぞれの時点での帯電量Q/M〔μC/g〕を、QMメータ〔TREK社製のモデル210HS〕を用いて測定した。
【0030】
実機試験その2
二成分シアン現像剤を、上記と同じフルカラーレーザープリンタに使用して、温度10℃、相対湿度15%の低温、低湿環境下で、シアン単色のベタ画像を10000枚、連続して出力した。
そして10000枚目の画像の、ベタ部の画像濃度を、上記反射濃度計を使用して測定した。
【0031】
また10000枚目の画像のベタ部を、上記分光測色計〔ミノルタ(株)製のCM−3700α〕を用いて、同条件で測色して、その明度L*を求めた。
実機試験その3
二成分シアン現像剤を、上記と同じフルカラーレーザープリンタに使用して、温度35℃、相対湿度85%の高温、高湿環境下で、シアン単色のベタ画像を30000枚、連続して出力した後、プリンタから感光体を取り出してその表面を目視にて観察した。そしてその表面にトナーのフィルミングが全く発生していないものを良好(○)、僅かに発生しているものの実用上、差し支えないものをやや良好(△)、フィルミングが発生しているものを不良(×)として評価した。
【0032】
以上の結果を表1、2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
両表より、被覆層に銅フタロシアニンを含有させなかった比較例1、2はいずれも、連続画像出力によってトナーの帯電量が大きく上昇するとともに、画像濃度が著しく低下しており、トナーのチャージアップが発生していることがわかった。
また被覆層にカーボンブラックを含有させた比較例3は、連続画像出力によってベタ部の明度L*が大きく低下しており、カーボンブラックが被覆層から脱落してシアントナー中に混入することで、当該シアントナーの色相を阻害していることがわかった。
【0036】
また、被覆層に酸化チタンを含有させた比較例4、および電荷制御剤を含有させた比較例5は、逆に連続画像出力によってベタ部の明度L*が大きく上昇しており、酸化チタンや電荷制御剤被覆層から脱落してシアントナー中に混入することで、当該シアントナーの色相を阻害していることがわかった。
これに対し各実施例は、連続画像出力によって画像濃度が殆ど変化しておらず、トナーのチャージアップの発生を確実に防止できることがわかった。
【0037】
また各実施例は、連続画像出力によってベタ部の明度L*が殆ど変化しておらず、銅フタロシアニンが被覆層から脱落してシアントナー中に混入しても、当該シアントナーの色相を阻害しないことがわかった。
さらに各実施例を比較すると、いずれも常温、常湿環境下では全く問題がないものの、低温、低湿環境下では、被覆層における銅フタロシアニンの含有割合が0.5重量部未満である実施例1において、連続画像出力後に僅かに、トナーの帯電量が上昇し、かつ画像濃度が低下してチャージアップが発生しかかっていることがわかった。また高温、高湿環境下では、被覆層における銅フタロシアニンの含有割合が6.0重量部を超える実施例5において、連続画像出力後に僅かにフィルミングが発生していることがわかった。
【0038】
そしてこれらのことから、被覆層における銅フタロシアニンの含有割合は、0.5〜6.0重量部であるのが好ましいことがわかった。
Claims (2)
- シアントナーとともに二成分シアン現像剤を構成するためのシアン現像剤用キャリヤであって、芯材の表面を、導電剤としてフタロシアニン系化合物を含有する樹脂の被覆層で被覆したことを特徴とするシアン現像剤用キャリヤ。
- 被覆層が、樹脂100重量部に対して、フタロシアニン系化合物を0.5〜6.0重量部の割合で含有する請求項1記載のシアン現像剤用キャリヤ。
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