JP2004353534A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の回転速度が異常に上昇している状態を運転者に知らせる機能を持たせた電流遮断形の内燃機関用点火装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の回転速度が制限値を超えたときに回転速度制限用スイッチ3Hをオン状態にして点火コイル1Aの一次電流の遮断を阻止することにより点火動作を停止させて回転速度を制限値以下に制限する回転速度制限回路3を備えた電流遮断形の内燃機関用点火装置において、回転速度制限用スイッチ3Hとともにオン状態になる警告表示用スイッチ(TR3)を設け、回転速度制限回路の電源回路3Aから警告表示用スイッチを通して発光ダイオードLDに電流を流すことにより、発光ダイオードLDを発光させて、機関の回転速度が制限値に近づいていることを表示させる。
【選択図】 図1
【解決手段】内燃機関の回転速度が制限値を超えたときに回転速度制限用スイッチ3Hをオン状態にして点火コイル1Aの一次電流の遮断を阻止することにより点火動作を停止させて回転速度を制限値以下に制限する回転速度制限回路3を備えた電流遮断形の内燃機関用点火装置において、回転速度制限用スイッチ3Hとともにオン状態になる警告表示用スイッチ(TR3)を設け、回転速度制限回路の電源回路3Aから警告表示用スイッチを通して発光ダイオードLDに電流を流すことにより、発光ダイオードLDを発光させて、機関の回転速度が制限値に近づいていることを表示させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の過回転を防止する機能を備えた電流遮断形の内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電流遮断形の内燃機関用点火装置として、内燃機関により駆動される発電機内に設けられて、一方の極性の第1の半波の電圧と他方の極性の第2の半波の電圧と一方の極性の第3の半波の電圧とが順次現れる1サイクル半の交流電圧を内燃機関の1回転当たり1回だけ一次コイルに誘起する点火コイルと、点火コイルの一次コイルに対して並列に接続された一次電流制御用スイッチと、一次コイルに第2の半波の電圧が発生したときに一次電流制御用スイッチをオン状態にし、一次コイルから一次電流制御用スイッチを通して流れる一次電流が所定値に達したときに一次電流制御用スイッチをオフ状態にするスイッチ制御回路とを備えたものが用いられている。
【0003】
この種の点火装置では、一次電流制御用スイッチのオフ動作により点火コイルの一次電流を遮断して点火コイルの二次コイルに点火用高電圧を誘起させ、この高電圧を機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加することにより、点火動作を行わせる。
【0004】
内燃機関駆動車両においては、暴走を防止したり、内燃機関が破損したりするのを防ぐため、内燃機関の回転速度を制限する機能を内燃機関用点火装置に持たせることが行われている。
【0005】
上記のような電流遮断形の点火装置に内燃機関の回転速度を制限する機能を持たせるため、本出願人は先に、特許文献1に示されている内燃機関用点火装置を提案した。
【0006】
この既提案の点火装置では、点火回路に回転速度制限回路を接続して、この回転速度制限回路の働きにより、機関の回転速度が制限値を超えたときに点火時期を遅らせるか、または点火動作を停止させることにより、機関の回転速度を低下させるようにしている。
【0007】
特許文献1に示された回転速度制限回路は、一次コイルに対して並列に設けられた回転速度制限用スイッチと、内燃機関の回転速度の上昇に伴って回転速度制限用スイッチをオン状態にするタイミングを進めて、回転速度が制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチをオン状態にするように回転速度制限用スイッチを制御する回転速度制限用スイッチ制御部と、点火コイルの一次コイルに誘起する電圧を直流電圧に変換して回転速度制限用スイッチ制御部に電源電圧を与える電源回路とを備えていて、内燃機関の回転速度が制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチをオン状態にするように回路定数を設定することにより、点火時期に点火コイルの一次電流が遮断されるのを阻止するようにしている。
【0008】
このように構成すると、機関の回転速度が制限値を超えた時に機関の点火動作が停止するため、機関の回転速度が制限値を超えるのを防止することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−337236号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
既提案の内燃機関用点火装置では、機関の回転速度が過度に上昇して回転速度制限回路が働いている状態を運転者に知らせる手段が無かったため、何らかの原因で機関の回転速度が上昇して回転速度制限回路が繰り返し働く状態が生じたときに、運転者がそれに気づかずに運転を続け、内燃機関が損傷するおそれがあった。
【0011】
本発明の目的は、機関の回転速度が制限値に近づいたときに警告表示を行わせることができるようにした内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関により駆動される発電機内に設けられて、一方の極性の第1の半波の電圧と他方の極性の第2の半波の電圧と一方の極性の第3の半波の電圧とが順次現れる1サイクル半の交流電圧を前記内燃機関の1回転当たり1回だけ一次コイルに誘起する点火コイルと、点火コイルの一次コイルに対して並列に接続された一次電流制御用スイッチと、一次コイルに第2の半波の電圧が誘起したときに一次電流制御用イッチをオン状態にし、一次コイルから一次電流制御用スイッチを通して流れる一次電流が所定値に達したときに一次電流制御用スイッチをオフ状態にするスイッチ制御回路とを有する点火回路と、内燃機関の回転速度を制限するように点火回路を制御する回転速度制限回路とを備えた内燃機関用点火装置を対象とする。
【0013】
本発明が対象とする点火装置においては、上記回転速度制限回路が、一次コイルに対して並列に設けられた回転速度制限用スイッチと、内燃機関の回転速度が設定値以下のときには回転速度制限用スイッチをオフ状態に保持し、前記回転速度が設定値を超える領域では内燃機関の回転速度の上昇に伴って回転速度制限用スイッチをオン状態にするタイミングを進めて回転速度が上記設定値よりも高い値に設定された制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチをオン状態にするように、前記内燃機関の回転速度に応じて回転速度制限用スイッチを制御する回転速度制限用スイッチ制御部と、点火コイルの一次コイルに誘起する電圧を直流電圧に変換して回転速度制限用スイッチ制御部に電源電圧を与える電源回路とにより構成される。
【0014】
本発明においては、回転速度制限用スイッチと共にオンオフするように設けられた警告表示用スイッチと、電源回路から警告表示用スイッチを通して駆動電流が与えられて表示動作を行う警告表示器とを設けて、機関の回転速度が制限値に近づいて設定値を超え、回転速度制限用スイッチがオン状態になるようになったときに、電源回路から警告表示用スイッチを通して警告表示器に駆動電流を流すことにより、該警告表示器に表示動作を行わせるようにした。
【0015】
上記警告表示器としては、発光ダイオードのような発光表示手段を用いてもよく、ブザーのような発音表示手段を用いてもよい。
【0016】
上記のように構成すると、機関の回転速度が制限値に近づいた時に警告表示器に表示動作を行わせることができるため、内燃機関の回転速度が制限値に達する前に、回転速度が上昇していることを運転者に知らせることができる。従って、回転速度が過度に上昇して回転速度制限回路が繰り返し回転速度制限動作を行う状態で、機関の運転が継続されて、機関が破損するのを防ぐことができる。
【0017】
本発明の好ましい態様では、上記回転速度制限回路が、内燃機関により駆動される発電機内に設けられて点火コイルの一次コイルに誘起する第1の半波の電圧及び第3の半波の電圧を直流電圧に変換する電源回路と、電源回路から電源電圧が与えられ、一次コイルに第1の半波の電圧が誘起したときにトリガされて内燃機関の1回転当たり1回だけ設定された時間幅を有する矩形波信号を発生する矩形波信号発生回路と、矩形波信号が発生している期間積分コンデンサを一定の時定数で充電し、矩形波信号が消滅している期間積分コンデンサを一定の時定数で放電させて積分コンデンサの両端に三角波形の積分電圧を発生させる積分回路と、積分電圧を基準電圧と比較して積分電圧が基準電圧以下のときに出力が第1の状態になり、積分電圧が基準電圧を超えたときに出力が第2の状態になる比較回路と、一次コイルに対して並列に設けられて比較回路の出力が第1の状態にあるときにオフ状態を保持し、比較回路の出力が第2の状態にあるときにオン状態になるように比較回路の出力に応じてオンオフ制御される回転速度制限用スイッチとにより構成される。
【0018】
上記の回転速度制限回路においては、内燃機関の回転速度が制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチがオン状態になるように矩形波信号の時間幅と積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数とが設定される。
【0019】
このように回転速度制限回路が構成される場合には、比較器の出力が第2の状態になったときにオン状態になる警告表示用スイッチを設けて、電源回路から警告表示用スイッチを通して警告表示器に駆動電流を流すことにより、該警告表示器に表示動作を行わせる。
【0020】
本発明の他の好ましい態様では、上記回転速度制限回路が、点火コイルの一次コイルに誘起する第1の半波の電圧及び第3の半波の電圧を直流電圧に変換する電源回路と、該電源回路から電源電圧が与えられ、点火コイルの一次コイルに第1の半波の電圧が誘起したときにトリガされて内燃機関の1回転当たり1回だけ設定された時間幅を有する矩形波信号を発生する矩形波信号発生回路と、矩形波信号が発生している期間第1の積分コンデンサを一定の時定数で充電し、矩形波信号が消滅している期間第1の積分コンデンサを一定の時定数で放電させて該第1の積分コンデンサの両端に第1の積分電圧を発生させる第1の積分回路と、矩形波信号が発生している間第2の積分コンデンサを一定の時定数で充電し、矩形波信号が消滅したときに第2の積分コンデンサを瞬時に放電させて該第2の積分コンデンサの両端に第2の積分電圧を発生させる第2の積分回路と、第1の積分電圧を基準電圧とを比較して第1の積分電圧が基準電圧以下のときに出力が第1の状態になり、第1の積分電圧が基準電圧を超えたときに出力が第2の状態になる第1の比較器と、第2の積分電圧を参照電圧と比較して第2の積分電圧が参照電圧を超えたときに出力が第1の状態になり、第2の積分電圧が参照電圧以下のときに出力が第2の状態になる第2の比較器と、一次コイルに対して並列に設けられて第1の比較器の出力及び第2の比較器の出力が共に第2の状態にあるときにオン状態になって一次コイルを短絡し、第1の比較器の出力または第2の比較器の出力の少なくとも一方が第1の状態にあるときにオフ状態になるように第1の比較器及び第2の比較器の出力に応じてオンオフ制御される回転速度制限用スイッチとにより構成される。
【0021】
このように回転速度制限回路が構成される場合には、内燃機関の回転速度が制限値に達したときに一次コイルに第2の半波の電圧が誘起している間に第1の積分電圧が基準電圧を超えた状態になるように矩形波信号の時間幅と第1の積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数とが設定され、内燃機関の回転速度が制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングよりも遅れたタイミングで第2の積分電圧が参照電圧を超えるように参照電圧のレベルが設定される。
【0022】
回転速度制限回路が上記のように構成される場合には、第1の比較器の出力及び第2の比較器の出力が共に第2の状態にあるときにオン状態になるように警告表示用スイッチを設けて、該警告表示用スイッチがオン状態になった時に電源回路から該警告表示用スイッチを通して警告表示器に電流を流して警告表示動作を行わせる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下図1及び図2を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、内燃機関の気筒数の如何に関わりなく実施できるが、本実施形態では、機関の1気筒分の点火装置の構成を示す。
【0024】
図1は、本発明に係わる内燃機関用点火装置の構成例を示したもので同図において、1は点火回路、2は機関の気筒に取り付けられた点火プラグ、3は回転速度制限回路、4は警告表示回路である。
【0025】
点火回路1は、一端が接地された一次コイルW1及び二次コイルW2を有する点火コイル1Aと、点火コイルの一次コイルW1に対して並列に接続された一次電流制御用スイッチ1Bと、スイッチ制御回路1Cとにより構成されている。
【0026】
点火コイル1Aは、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられていて、その一次コイルW1には、図2(A)に示すように、一方の極性(図示の例では負極性)の第1の半波の電圧V11と、他方の極性(図示の例では正極性)の第2の半波の電圧V12と、一方の極性(図示の例では負極性)の第3の半波の電圧V13とが順次現れる1サイクル半の交流電圧が内燃機関の1回転あたり1回だけ誘起する。
【0027】
図示の一次電流制御用スイッチ1Bは、NPNトランジスタをダーリントン接続した複合トランジスタからなっていて、そのコレクタが一次コイルW1の一端(接地側の端子)に接続され、エミッタが一次コイルW1の他端に接続されている。
【0028】
スイッチ制御回路1Cは、トランジスタTR1のコレクタベース間に接続された抵抗R1と、トランジスタTR1のコレクタエミッタ間に接続された抵抗R2及びR3の直列回路と、トランジスタTR1のベース及びエミッタにそれぞれアノード及びカソードが接続され、抵抗R2とR3との接続点にゲートが接続されたサイリスタThとからなっている。
【0029】
点火プラグ2は、高圧コードを通して点火コイルの二次コイルW2に接続されている。
【0030】
図示の点火回路1においては、点火コイルの一次コイルW1に図示の実線矢印方向の第2の半波の電圧が誘起したときに、抵抗R1 を通して複合トランジスタTR1にベース電流が与えられて該トランジスタがオン状態になる。これにより一次コイルW1からトランジスタTR1を通して一次電流が流れ、該一次電流の上昇に伴ってトランジスタTR1 のコレクタエミッタ間の電圧が上昇していく。トランジスタTR1 のコレクタエミッタ間の電圧が設定値に達すると、抵抗R3 の両端の電圧がサイリスタThのトリガ電圧に達して該サイリスタが導通する。サイリスタThが導通すると、トランジスタTR1のベース電流がサイリスタThを通して側路されるため、トランジスタTR1がオフ状態になる。このトランジスタTR1 のオフ動作により、点火コイル1Aの一次電流が遮断されるため、点火コイルの一次コイルにそれまで流れていた一次電流を流し続けようとする極性の高い電圧が誘起する。この電圧は点火コイルの一次、二次間の巻数比により昇圧されるため、点火コイルの二次コイルW2に点火用高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグ2に印加されるため、該点火プラグで火花放電が生じて機関が点火される。
【0031】
図2(A)は一次コイルW1の両端間に生ずる一次電圧V1 の波形を示している。一次電圧V1 は、内燃機関のクランク角位置θ1でその第1の半波の電圧V11が立ち上がる。一次電圧の第2の半波の電圧V12が立ち上がるとトランジスタTR1がオン状態になり、点火コイルに一次電流が流れる。この例では、クランク角位置θi1の位置でトランジスタTR1のコレクタエミッタ間の電圧が設定値に達してサイリスタThが導通し、トランジスタTR1がオフ状態になっている。このトランジスタTR1のオフ動作により、点火コイルの一次コイルに高い電圧が誘起する。
【0032】
回転速度制限回路3は、点火コイルの一次コイルW1に誘起する第1の半波の電圧V11及び第3の半波の電圧V13を一定の直流電圧に変換する電源回路3Aと、タイマICを用いて構成された矩形波信号発生回路3Bと、第1の積分回路3Cと、第2の積分回路3Dと、基準電圧/参照電圧発生回路3Eと、第1の比較器3F1及び第2の比較器3F2と、点火コイルの一次コイルに対して並列に接続された回転速度制限用スイッチ3Hとを備えている。
【0033】
電源回路3Aは、一次コイルの非接地側の端子から引き出された一次端子につながる共通ラインCLにアノードを接続したダイオードD1と、ダイオードD1のカソードに一端を接続したコンデンサC1と、点火コイルの一次コイルの接地側端子につながる接地ラインGLにカソードを接続し、アノードをコンデンサC1の他端に接続したダイオードD2と、ダイオードD1のアノードとダイオードD2のアノードとの間に接続された抵抗R4と、コンデンサC1の一端にアノードが接続されたダイオードD3と、ダイオードD3 のカソードと共通ラインCLとの間に接続されたコンデンサC2と、コンデンサC2の両端に接続されたツェナーダイオードZD1とからなっている。
【0034】
この電源回路においては、一次コイルW1に図示の破線矢印方向の第1及び第3の半波の電圧が誘起したときにコンデンサC1が図示の極性に充電され、コンデンサC1の両端の電圧によりダイオードD3と抵抗R4とを通してコンデンサC2が充電される。このコンデンサC2の充電電圧は、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧に保たれる。
【0035】
コンデンサC2の両端に得られる直流定電圧Vccは、矩形波信号発生回路3Bと、基準電圧/参照電圧発生回路3Eと、第1及び第2の比較器3F及び3Gとに電源電圧として与えられている。
【0036】
図示の電源回路3Aはトリガ信号発生回路を兼ねていて、ダイオードD1 のカソードから引き出された端子tがトリガ信号出力端子となっている。トリガ信号出力端子tと共通ラインCLとの間に得られる電圧は、一次コイルW1が第1の半波の電圧V11及び第3の半波の電圧V13を発生してコンデンサC1の充電が開始される際に、ダイオードD1の順方向電圧降下に相当する低いレベルにまで落ち込んでコンデンサC1に充電電流が流れている間該低いレベルを維持し、コンデンサC1の充電が完了したときにコンデンサC2の端子電圧にほぼ等しいレベルまで上昇する。
【0037】
従って、トリガ信号出力端子tと共通ラインCLとの間には、図2(B)に示すように、一次コイルが第1及び第3の半波の電圧V11及びV13をそれぞれ発生するクランク角位置θ1 及びθ2 で立ち下がる矩形波電圧Vt が得られる。この例では、矩形波電圧Vt のクランク角位置θ1 における立下りの電圧変化が、トリガ信号Vt1として矩形波信号発生回路3Bを構成するタイマICのトリガ端子に与えられる。
【0038】
なおクランク角位置θ2 の位置でも矩形波電圧Vt の立ち下りの変化Vt2が現われるが、後述するようにこの立下りの変化Vt2によりタイマICがトリガされることはない。
【0039】
矩形波信号発生回路3Bは、タイマICと、後記する第2の積分回路とにより、構成される。矩形波信号発生回路3Bを構成するタイマICは、プラス側及びマイナス側の電源端子b1及びb2と、トリガ端子b3と、出力端子b4と、ディスチャージ端子b5と、スレショールド端子b6とを有していて、マイナス側電源端子b2が共通ラインCLに接続されている。タイマICの電源端子b1,b2間には、電源回路3Aから電源電圧が印加され、トリガ端子b3に矩形波電圧Vtが与えられている。タイマICの出力端子b4とプラス側電源端子b1との間に抵抗R5が接続され、出力端子b4と共通ラインCLとの間に抵抗R6を通して第1の積分コンデンサC3が接続されている。また電源端子b1と共通ラインCLとの間に抵抗R7を通して第2の積分コンデンサC4が接続され、抵抗R7と第2の積分コンデンサC4との接続点がディスチャージ端子b5及びスレショールド端子b6に接続されている。
【0040】
図示のタイマICは、トリガ端子b3にトリガ信号が与えられたときにセットされるフリップフロップ回路と、該フリップフロップ回路がリセットされているとき及びセットされているときにそれぞれオン状態及びオフ状態になるディスチャージトランジスタとを有していて、ディスチャージトランジスタがオン状態にあるときに、ディスチャージ端子b5がマイナス側電源端子b2と同電位になるようになっている。
【0041】
クランク角位置θ1で矩形波電圧Vtが立ち下がり、タイマICにトリガ信号が与えられると、その内部のフリップフロップ回路がセットされて出力端子b4の電位が高レベルになり、ディスチャージトランジスタがオフ状態になる。このとき、電源回路3Aの出力電圧により、抵抗R5及びR6を通して第1の積分コンデンサC3が充電されるとともに、抵抗R7を通して第2の積分コンデンサC4が充電される。
【0042】
第2の積分コンデンサC4の両端の電圧が所定のスレショールドレベルに達すると、フリップフロップ回路がリセットされ、出力端子b4の電位がマイナス側電源端子b2の電位に等しくなる。このときディスチャージトランジスタがオン状態になるため、ディスチャージ端子b5の電位がマイナス側電源端子b2の電位に等しくなり、第2の積分コンデンサC4の電荷が瞬時に放電させられる。
【0043】
また第1の積分コンデンサC3の電荷は、抵抗R6と、タイマIC内のフリップフロップ回路を構成しているスイッチ素子とを通して一定の時定数で放電させられる。
【0044】
クランク角位置θ2で矩形波電圧Vtが立ち下がると、タイマICに再度トリガ信号Vt2が与えられるが、タイマIC内のフリップフロップ回路は、一度セットされるとリセットされるまでの間は状態を変化させることがないため、クランク角位置θ2の位置でトリガ端子b3に再度トリガ信号が与えられても、タイマICが再トリガされることはない。
【0045】
従って、タイマICの出力端子b4には、図2(C)に示すように、クランク角位置θ1で立ち上がって一定の時間幅Tを有する矩形波信号Vqが得られる。また第1の積分コンデンサC3の両端には、図2(D)に示すように、矩形波信号Vqが発生している間所定の傾きで上昇し、矩形波信号Vqが消滅している間所定の傾きで下降する三角波形の第1の積分電圧Vc1が得られる。
【0046】
また第2の積分コンデンサC4の両端には、図2(E)に示すように、矩形波信号が発生したときに零レベルから所定の傾きで上昇し、矩形波信号が消滅した時に瞬時に零レベルにもどる波形の第2の積分電圧Vc2が得られる。
【0047】
この例では、抵抗R5と第1の積分コンデンサC3と、タイマIC内のフリップフロップ回路を構成するスイッチ素子とにより、矩形波信号発生回路が矩形波信号Vqを発生している期間第1の積分コンデンサC1を一定の時定数で充電し、矩形波信号Vqが消滅している期間第1の積分コンデンサC1を一定の時定数で放電させて第1の積分コンデンサC1の両端に第1の積分電圧Vc1を発生させる第1の積分回路3Cが構成されている。
【0048】
また抵抗R7と第2の積分コンデンサC4と、タイマIC内のディスチャージトランジスタとにより、矩形波信号Vqが発生している間第2の積分コンデンサC2を一定の時定数で充電し、矩形波信号Vqが消滅したときに第2の積分コンデンサを瞬時に放電させて第2の積分コンデンサの両端に第2の積分電圧を発生させる第2の積分回路3Dが構成されている。
【0049】
この第2の積分回路3DとタイマICとにより矩形波信号発生回路3Bが構成され、第2の積分コンデンサの充電時定数により、矩形波信号発生回路3Bが出力する矩形波信号の時間幅が決められる。
【0050】
基準電圧/参照電圧発生回路3Eは、電源回路3Aの出力端子間に接続された抵抗R8ないしR10の直列回路からなっていて、抵抗R9とR10との直列回路の両端に基準電圧Vr1を発生し、抵抗R10の両端に参照電圧Vr2を発生する。
【0051】
第1の積分電圧Vc1及び基準電圧Vr1は第1の比較器3F1の非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ入力され、第2の積分電圧Vc2及び参照電圧Vr2は第2の比較器3F2の反転入力端子及び非反転入力端子にそれぞれ入力されている。
【0052】
第1の比較器3F1の出力端子及び第2の比較器3F2の出力端子は、アンド回路を構成するように共通に接続されていて、両比較器の出力端子の共通接続点が抵抗R11を通して電源回路3Aのプラス側出力端子に接続されている。
【0053】
第1の比較器3Fは、第1の積分電圧Vc1を基準電圧Vr1と比較して第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1以下のときに出力が第1の状態(低レベルの状態)になり、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えたときに出力が第2の状態(高レベルの状態)になる。
【0054】
また第2の比較器3F2は、第2の積分電圧Vc1を参照電圧Vr2と比較して、第2の積分電圧Vc1が参照電圧Vr2を超えたときに出力が第1の状態(低レベルの状態)になり、第2の積分電圧Vc2が参照電圧Vr2以下のときに出力が第2の状態(高レベルの状態)になる。
【0055】
この例では、第1の比較器3F1及び第2の比較器3F2により比較回路3Fが構成されていて、第1の比較器3F1の出力及び第2の比較器3F2の出力の少なくとも一方が第1の状態(低レベルの状態)にあるときに比較回路3Fの出力が第1の状態を示し、第1の比較器3F1の出力及び第2の比較器3F2の出力が共に第2の状態(高レベルの状態)にあるときに比較回路3Fの出力が第2の状態を示すようになっている。
【0056】
回転速度制限用スイッチ3Hは、NPNトランジスタをダーリントン接続した複合トランジスタTR2からなっていて、そのコレクタは接地ラインGLを通して点火コイルの一次コイルW1の一端に接続され、そのエミッタは、共通ラインCLを通して点火コイルの一次コイルW1の他端に接続されている。
【0057】
トランジスタTR2のベースには抵抗R12の一端が接続され、抵抗R12の他端は、比較回路3Fの出力端子(第1の比較器3F1の出力端子と第2の比較器3F2の出力端子との共通接続点)にアノードを接続したダイオードD4のカソード、及び共通ラインCLにアノードを接続したダイオードD5のカソードに接続されている。
【0058】
トランジスタTR2 は、比較回路3Fの出力が第1の状態(低レベルの状態)にある時にオフ状態となり、比較回路3Fの出力が第2の状態(高レベルの状態)にある時にオン状態となるように、比較回路13の出力に応じてオンオフ制御される。
【0059】
矩形波信号発生回路3Bから出力される矩形波信号Vq の時間幅Tが一定である場合には、内燃機関の回転速度が高くなればなるほど第1の積分コンデンサC3が放電する時間が短くなるため、第1の積分回路3Cが発生する第1の積分電圧Vc1のレベルが内燃機関の回転速度の上昇に伴って高くなっていき、該第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるクランク角位置が、回転速度の上昇に伴って進んでいく。
【0060】
また、内燃機関の回転速度が一定である場合には、矩形波信号Vqの時間幅Tが短かければ短いほど、第1の積分コンデンサC3の充電時間が短くなるとともに放電時間が長くなって第1の積分電圧Vc1のレベルが低くなるため、矩形波信号の時間幅Tが短くなるに従って第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるクランク角位置が遅れていく。
【0061】
本発明においては、内燃機関の回転速度Nが制限値Ns に達したときに、スイッチ制御回路1Cが一次電流制御用スイッチ1Bをオン状態からオフ状態にするクランク角位置θi1で第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるように、矩形波信号Vqの時間幅Tと、第1の積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数が設定されている。
【0062】
また、図1に示した例では、内燃機関の回転速度Nが制限値Ns に達したときに、スイッチ制御回路1Cにより一次電流制御用スイッチ1Bがオフ状態にされるクランク角位置θi1よりも遅れた(一般的には15°〜25°遅れた)クランク角位置で第2の積分電圧Vc2が参照電圧Vr2を超えるように、該参照電圧Vr2のレベルが設定されている。
【0063】
矩形波信号Vqの時間幅Tは、抵抗R7の抵抗値により調整することができ、参照電圧Vr2のレベルは、基準電圧/参照電圧発生回路3Eの抵抗R9 及びR10の抵抗値の和を変えないで抵抗R9 とR10の抵抗値の比を変えることによって調整することができる。
【0064】
本発明において特に設けられた警告表示回路4は、NPNトランジスタTR3と、抵抗R13及びR14と、発光ダイオードLDとにより構成されている。トランジスタTR3のエミッタは共通ラインCLに接続され、トランジスタTR3のベースは抵抗R13を通して比較回路3Fの出力端子に接続されている。そして、トランジスタTR3のコレクタと電源回路3Aのプラス側出力端子との間に抵抗R14を通して発光ダイオードLDが、そのカソードをトランジスタTR3のコレクタ側に向けた状態で接続され、トランジスタTR3がオン状態になったときに、電源回路3Aから抵抗R14と発光ダイオードLDと、トランジスタTR3とを通して駆動電流が流れて、発光ダイオードLDが発光するようになっている。
【0065】
図示の例では、トランジスタTR3により警告表示用スイッチが構成され、発光ダイオードLDにより警告表示器が構成されている。
【0066】
ここで図1に示した内燃機関用点火装置の回転速度制限動作を、図2を参照して説明する。図2は、図1の回路の各部の電圧波形を内燃機関のクランク角θに対して示したものである。図2において、実線で示した波形は内燃機関の回転速度Nが制限値Ns のとき、また破線で示した波形及びダッシュ(´)を付した記号は、内燃機関の回転速度Nが制限値Ns よりも低いときのものである。
【0067】
内燃機関のクランク角位置θ1 で点火コイルの一次コイルW1に図示の破線矢印方向の第1の半波の電圧V11が誘起すると、電源回路3Aが発生する矩形波電圧Vt(図2B)が立ち下がるため、その立下がりの変化Vt1でタイマICがトリガされて、該タイマICから時間幅Tが一定の矩形波信号Vqが発生する。
【0068】
内燃機関の回転速度が制限値Nsよりも低いときには、図2(C)に破線で示したように、一定の時間幅Tを有する矩形波信号Vq´が、クランク角位置θ1 からθ3 ´までの間高レベルの状態を示し、θ3 ´から次のサイクルのクランク角位置θ1 までの間低レベルの状態を保持する。
【0069】
第1の積分コンデンサC3は、矩形波信号Vq´が高レベルになっている間充電され、矩形波信号Vq´が低レベルとなっている間放電させられる。従って、第1の積分回路3Cは、図2(D)に破線で示した三角波形の第1の積分電圧Vc1´を発生する。
【0070】
第1の比較器3F1は、第1の積分電圧Vc1´を基準電圧Vr1と比較して、図2(D)に示すように、積分電圧Vc1´が基準電圧Vr1以下になるクランク角位置θt2´からクランク角位置θt1´までの区間その出力端子の電位を低レベルの状態(第1の状態)とし、積分電圧Vc1´が基準電圧Vr1を超えた状態となるクランク角位置θt1´らθt2´までの区間その出力端子の電位を高レベルの状態(第2の状態)とする。
【0071】
他方、第2の積分回路3Dが発生する第2の積分電圧の波形は、図2(E)に破線で示したVc2´のようになる。第2の比較器3F2は、第2の積分電圧Vc2´を参照電圧Vr2と比較して、積分電圧Vc2´が参照電圧Vr2を超えた状態になるクランク角位置θs ´からクランク角位置θ3 ´までの区間その出力端子の電位を低レベルの状態(第1の状態)とし、積分電圧Vc2´が参照電圧Vr2以下の状態となる各サイクルのクランク角位置θ3 ´から次のサイクルのクランク角位置θs ´までの区間その出力端子の電位を高レベルの状態(第2の状態)にする。
【0072】
第1の比較器3F1及び第2の比較器3F2の出力は、クランク軸がクランク角位置θ3 ´からθt2´まで回転する間共に高レベルの状態(第2の状態)になる。従って、クランク角位置θ3 ´からθt2´までの間、比較回路3Fの出力が、図2(F)に破線で示した波形Vs ´のように高レベルの状態を保持し、回転速度制限用スイッチ3Hを構成するトランジスタTR2 がオン状態になる。
【0073】
内燃機関の回転速度が制限値Ns よりも低い状態では、点火回路1のスイッチ制御回路1Cが一次電流制御用スイッチ1Bをオフ状態にする(一次電流を遮断する)クランク角位置θi1よりも遅れたクランク角位置θ3 ´で、トランジスタTR2がオン状態になるため、機関の点火時期が回転速度制限回路3の影響を受けることはない。
【0074】
本実施形態では、内燃機関の回転速度が制限値Nsよりも低く設定された設定値以下のときに、第1の積分電圧Vc1´が基準電圧Vr1に達することがないようになっている。従って、回転速度が設定値以下のときには、比較器3F1の出力が第2の状態(高レベルの状態)になることがなく、回転速度制限用スイッチ3Hはオフ状態に保持されたままとなる。
【0075】
また内燃機関の回転速度が制限値Ns に達したときに、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるクランク角位置θt1と点火回路1のスイッチ制御回路3Bが一次電流制御用スイッチ1Bをオフ状態にするクランク角位置θi1とが一致するように、矩形波信号Vqの時間幅と第1の積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数とが設定され、第2の積分電圧Vc2が参照電圧Vr2を超えるクランク角位置θs がクランク角位置θi1よりも遅れた位置になるように、参照電圧Vr2のレベルが設定されている。
【0076】
内燃機関の回転速度が制限値Ns を超える領域では、クランク角位置θi1でスイッチ制御回路1Cが一次電流制御用スイッチ1Bをオフ状態にした後、回転速度制限用スイッチ3Hを構成するトランジスタTR2 がオン状態を保持して点火コイルの一次電流をクランク角位置θs まで流し続け、クランク角位置θsでトランジスタTR2がオフ状態になったときに、点火コイルの一次電流が遮断される。従って、内燃機関の回転速度が制限値Ns を超える領域では機関の点火位置がクランク角位置θs(図2Aにおけるクランク角位置θi2)まで遅れる。
【0077】
このように、回転速度Nが制限値Ns を超えると、点火位置θi がθi1からθi2まで急激に遅角するため、機関の回転速度が低下する。回転速度が制限値Ns よりも低くなると点火位置が再びθi1に復帰して回転速度が上昇する。これらの動作の繰り返しにより、回転速度がほぼ制限値Ns 以下に制限されて、内燃機関の回転速度が制限値を超えるのが防止される。点火位置の遅角量(θi1−θi2)は、例えば15°〜25°に選定するのが適当である。
【0078】
警告表示回路4のトランジスタTR3は、機関の回転速度が設定値を超えて第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるようになったときに、比較回路3Fの出力が第2の状態(高レベルの状態)になっている間オン状態になって発光ダイオードLDを発光させ、警告表示動作を行わせる。
【0079】
内燃機関の回転速度が設定値以下で、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えないときには、比較回路3Fの出力が第2の状態になることがないため、トランジスタTR3がオン状態になることはなく、警告表示動作は行われない。
【0080】
このように、本発明においては、内燃機関の回転速度が制限値に近づいたときに警告表示用スイッチをオン状態にして、警告表示動作を行わせるため、機関の回転速度が制限値に近づいていることを運転者に知らせることができ、回転速度が過度に上昇している状態で運転が継続されて機関が破損するのを防ぐことができる。
【0081】
図1に示した実施形態では、矩形波信号発生回路3Bと、比較回路3Fとにより、内燃機関の回転速度が設定値以下のときには回転速度制限用スイッチ3Hをオフ状態に保持し、回転速度が設定値を超える領域では内燃機関の回転速度の上昇に伴って回転速度制限用スイッチをオン状態にするタイミングを進めて回転速度が設定値よりも高い値に設定された制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオン状態からオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチをオン状態にするように、内燃機関の回転速度に応じて回転速度制限用スイッチを制御する回転速度制限用スイッチ制御部が構成され、この回転速度制限用スイッチ制御部と、電源回路3Aと、回転速度制限用スイッチ3Hとにより、回転速度制限回路3が構成されている。
【0082】
図3は、本発明に係わる内燃機関用点火装置の他の実施形態を示したものである。図3に示した内燃機関用点火装置は、図1に示した点火装置から第2の比較器3F2を省略して第1の比較器3F1のみにより比較回路を構成した点、及び抵抗R8及びR9により基準電圧Vr1を発生する基準電圧発生回路が構成されている点を除き、図1に示した例と同様に構成されている。
【0083】
図4は、図3の回路の各部の電圧波形を内燃機関のクランク軸の回転角θに対して示したもので、図4(B)ないし(D)に示された波形はそれぞれ図2(B)ないし(D)に示された波形と同様である。図2(E)に示した第2の積分電圧の波形は省略され、比較器3F1の出力波形が図4(E)に示されている。
【0084】
図3に示した実施形態では、比較器3F1が第1の積分電圧Vc1を基準電圧Vr1と比較して、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1以下のときにその出力を第1の状態(この例では低レベルの状態)とし、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えているときにその出力を第2の状態(この例では高レベルの状態)とする。
【0085】
この例では、比較器13F1の出力が低レベルの状態にあるときに回転速度制限用スイッチ3H(トランジスタTR2)がオフ状態を保持し、比較器3F1の出力が高レベルの状態にあるときにトランジスタTR2がオン状態を保持する。この例においても、内燃機関の回転速度Nが制限値Ns に達したときに、スイッチ制御回路3Bが一次電流制御用スイッチ3Aをオン状態からオフ状態にするクランク角位置θi1で第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるように、矩形波信号Vq の時間幅Tと、第1の積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数が設定されている。
【0086】
内燃機関の回転速度が制限値Nsよりも低いときには、第1の積分回路3Cで発生する第1の積分電圧Vc1が図4(D)に破線で示した波形Vc1´のようになり、該積分電圧Vc1´はクランク角位置θt1´からθt2´までの間基準電圧Vr1を超えた状態となって、比較器3F1の出力が図4(E)に破線で示した波形Vs ´のようにクランク角位置θt1´からθt2´までの間高レベルの状態(第2の状態)となる。従って、回転速度制限用スイッチ3H(トランジスタTR2)がクランク角位置θt1´からθt2´までの間オン状態になるが、クランク角位置θt1´は一次電流制御用スイッチ1Aがオン状態からオフ状態にされるクランク角位置θi1よりも遅れた位置であるので、内燃機関の点火時期が影響を受けることはない。
【0087】
内燃機関の回転速度が制限値Nsに達すると、第1の積分回路3Cで発生する第1の積分電圧Vc1が図4(D)に実線で示した波形Vc1のようになり、クランク角位置θt1からθt2までの間積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えた状態となって、比較器3F1の出力が図4(E)に実線で示す波形Vs のようにクランク角位置θt1からθt2までの間高レベルの状態(第2の状態)を保持する。従って、回転速度制限用スイッチ3Hはクランク角位置θt1からθt2までの間オン状態を保持する。回転速度が制限値Ns に達したときにクランク角位置θt1と一次電流制御用スイッチ1Bがオフ状態にされるクランク角位置θi1とが一致するように設定されているため、回転速度が制限値Ns を超えると、クランク角位置θi1で一次電流制御用スイッチ1Bが遮断されても回転速度制限用スイッチ3Hを通して点火コイルの一次電流が流れ続けるようになり、点火用高電圧の発生が停止する。従って機関が失火状態となり、その回転速度が制限値を超えるのが防止される。
【0088】
なお、内燃機関の回転速度が制限値Nsに達したときに、第1の積分電圧Vc1の波高位置付近がクランク角位置θi1で基準電圧Vr1を超えるように設定しておけば、回転速度が制限値Nsを超えたときに回転速度制限用スイッチ3Hがオン状態になった後再びオフ状態にされるクランク角位置θt2を、一次コイルW1が第2の半波の電圧V12を発生している区間に位置させるようにすることができる。このように設定した場合には、回転速度が制限値Nsを超えたときに機関を失火させることなく、点火時期を遅角させることにより内燃機関の回転速度を制限値以下に制限する動作を行わせることができる。
【0089】
本実施形態においても、警告表示回路4のトランジスタTR3は、内燃機関の回転速度が制限値に近づいて、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるようになったときに、比較器3F1の出力が第2の状態(高レベルの状態)になっている間オン状態になって発光ダイオードLDを発光させ、警告表示動作を行わせる。
【0090】
上記の実施形態では、スイッチ制御回路1Cを構成するスイッチ素子としてサイリスタThを用いたが、このスイッチ素子はオンオフ制御が可能なものであればよく、サイリスタThに代えてトランジスタ等の他のスイッチ素子を用いることもできる。
【0091】
また上記の実施形態では、回転速度制限用スイッチ3HとしてトランジスタTR2を用いたが、このスイッチ3Hもオンオフ可能なスイッチ素子からなっていればよく、MOSFETなどの他の半導体素子によりこのスイッチ3Hを構成することもできる。
【0092】
上記の実施形態では、警告表示器として発光ダイオードを用いたが、ブザーのような発音表示手段を警告表示器として用いてもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、機関の回転速度が制限値に近づいた時に警告表示用スイッチを駆動して警告表示器に表示動作を行わせるようにしたため、機関の回転速度が制限値に近づいていることを運転者に知らせることができ、回転速度が過度に上昇している状態で運転が継続されて機関が破損するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示した回路図である。
【図2】図1の点火装置の各部の電圧、電流波形等を機関のクランク角に対して示した波形図である。
【図3】本発明の他の実施形態の構成を示した回路図である。
【図4】図3の点火装置の各部の電圧、電流波形等を機関のクランク角に対して示した波形図である。
【符号の説明】
1…点火回路、1A…点火コイル、W1…一次コイル、W2…二次コイル、1B…一次電流制御用スイッチ、1C…スイッチ制御回路、3…回転速度制限回路、3A…回転速度制限用スイッチ、3B…矩形波信号発生回路、3C…第1の積分回路、3F1…第1の比較器、3F2…第2の比較器、3H…回転速度制限用スイッチ、4…警告表示回路、TR3…トランジスタ(警告表示用スイッチ)、LD…発光ダイオード(警告表示器)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の過回転を防止する機能を備えた電流遮断形の内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電流遮断形の内燃機関用点火装置として、内燃機関により駆動される発電機内に設けられて、一方の極性の第1の半波の電圧と他方の極性の第2の半波の電圧と一方の極性の第3の半波の電圧とが順次現れる1サイクル半の交流電圧を内燃機関の1回転当たり1回だけ一次コイルに誘起する点火コイルと、点火コイルの一次コイルに対して並列に接続された一次電流制御用スイッチと、一次コイルに第2の半波の電圧が発生したときに一次電流制御用スイッチをオン状態にし、一次コイルから一次電流制御用スイッチを通して流れる一次電流が所定値に達したときに一次電流制御用スイッチをオフ状態にするスイッチ制御回路とを備えたものが用いられている。
【0003】
この種の点火装置では、一次電流制御用スイッチのオフ動作により点火コイルの一次電流を遮断して点火コイルの二次コイルに点火用高電圧を誘起させ、この高電圧を機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加することにより、点火動作を行わせる。
【0004】
内燃機関駆動車両においては、暴走を防止したり、内燃機関が破損したりするのを防ぐため、内燃機関の回転速度を制限する機能を内燃機関用点火装置に持たせることが行われている。
【0005】
上記のような電流遮断形の点火装置に内燃機関の回転速度を制限する機能を持たせるため、本出願人は先に、特許文献1に示されている内燃機関用点火装置を提案した。
【0006】
この既提案の点火装置では、点火回路に回転速度制限回路を接続して、この回転速度制限回路の働きにより、機関の回転速度が制限値を超えたときに点火時期を遅らせるか、または点火動作を停止させることにより、機関の回転速度を低下させるようにしている。
【0007】
特許文献1に示された回転速度制限回路は、一次コイルに対して並列に設けられた回転速度制限用スイッチと、内燃機関の回転速度の上昇に伴って回転速度制限用スイッチをオン状態にするタイミングを進めて、回転速度が制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチをオン状態にするように回転速度制限用スイッチを制御する回転速度制限用スイッチ制御部と、点火コイルの一次コイルに誘起する電圧を直流電圧に変換して回転速度制限用スイッチ制御部に電源電圧を与える電源回路とを備えていて、内燃機関の回転速度が制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチをオン状態にするように回路定数を設定することにより、点火時期に点火コイルの一次電流が遮断されるのを阻止するようにしている。
【0008】
このように構成すると、機関の回転速度が制限値を超えた時に機関の点火動作が停止するため、機関の回転速度が制限値を超えるのを防止することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−337236号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
既提案の内燃機関用点火装置では、機関の回転速度が過度に上昇して回転速度制限回路が働いている状態を運転者に知らせる手段が無かったため、何らかの原因で機関の回転速度が上昇して回転速度制限回路が繰り返し働く状態が生じたときに、運転者がそれに気づかずに運転を続け、内燃機関が損傷するおそれがあった。
【0011】
本発明の目的は、機関の回転速度が制限値に近づいたときに警告表示を行わせることができるようにした内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関により駆動される発電機内に設けられて、一方の極性の第1の半波の電圧と他方の極性の第2の半波の電圧と一方の極性の第3の半波の電圧とが順次現れる1サイクル半の交流電圧を前記内燃機関の1回転当たり1回だけ一次コイルに誘起する点火コイルと、点火コイルの一次コイルに対して並列に接続された一次電流制御用スイッチと、一次コイルに第2の半波の電圧が誘起したときに一次電流制御用イッチをオン状態にし、一次コイルから一次電流制御用スイッチを通して流れる一次電流が所定値に達したときに一次電流制御用スイッチをオフ状態にするスイッチ制御回路とを有する点火回路と、内燃機関の回転速度を制限するように点火回路を制御する回転速度制限回路とを備えた内燃機関用点火装置を対象とする。
【0013】
本発明が対象とする点火装置においては、上記回転速度制限回路が、一次コイルに対して並列に設けられた回転速度制限用スイッチと、内燃機関の回転速度が設定値以下のときには回転速度制限用スイッチをオフ状態に保持し、前記回転速度が設定値を超える領域では内燃機関の回転速度の上昇に伴って回転速度制限用スイッチをオン状態にするタイミングを進めて回転速度が上記設定値よりも高い値に設定された制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチをオン状態にするように、前記内燃機関の回転速度に応じて回転速度制限用スイッチを制御する回転速度制限用スイッチ制御部と、点火コイルの一次コイルに誘起する電圧を直流電圧に変換して回転速度制限用スイッチ制御部に電源電圧を与える電源回路とにより構成される。
【0014】
本発明においては、回転速度制限用スイッチと共にオンオフするように設けられた警告表示用スイッチと、電源回路から警告表示用スイッチを通して駆動電流が与えられて表示動作を行う警告表示器とを設けて、機関の回転速度が制限値に近づいて設定値を超え、回転速度制限用スイッチがオン状態になるようになったときに、電源回路から警告表示用スイッチを通して警告表示器に駆動電流を流すことにより、該警告表示器に表示動作を行わせるようにした。
【0015】
上記警告表示器としては、発光ダイオードのような発光表示手段を用いてもよく、ブザーのような発音表示手段を用いてもよい。
【0016】
上記のように構成すると、機関の回転速度が制限値に近づいた時に警告表示器に表示動作を行わせることができるため、内燃機関の回転速度が制限値に達する前に、回転速度が上昇していることを運転者に知らせることができる。従って、回転速度が過度に上昇して回転速度制限回路が繰り返し回転速度制限動作を行う状態で、機関の運転が継続されて、機関が破損するのを防ぐことができる。
【0017】
本発明の好ましい態様では、上記回転速度制限回路が、内燃機関により駆動される発電機内に設けられて点火コイルの一次コイルに誘起する第1の半波の電圧及び第3の半波の電圧を直流電圧に変換する電源回路と、電源回路から電源電圧が与えられ、一次コイルに第1の半波の電圧が誘起したときにトリガされて内燃機関の1回転当たり1回だけ設定された時間幅を有する矩形波信号を発生する矩形波信号発生回路と、矩形波信号が発生している期間積分コンデンサを一定の時定数で充電し、矩形波信号が消滅している期間積分コンデンサを一定の時定数で放電させて積分コンデンサの両端に三角波形の積分電圧を発生させる積分回路と、積分電圧を基準電圧と比較して積分電圧が基準電圧以下のときに出力が第1の状態になり、積分電圧が基準電圧を超えたときに出力が第2の状態になる比較回路と、一次コイルに対して並列に設けられて比較回路の出力が第1の状態にあるときにオフ状態を保持し、比較回路の出力が第2の状態にあるときにオン状態になるように比較回路の出力に応じてオンオフ制御される回転速度制限用スイッチとにより構成される。
【0018】
上記の回転速度制限回路においては、内燃機関の回転速度が制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチがオン状態になるように矩形波信号の時間幅と積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数とが設定される。
【0019】
このように回転速度制限回路が構成される場合には、比較器の出力が第2の状態になったときにオン状態になる警告表示用スイッチを設けて、電源回路から警告表示用スイッチを通して警告表示器に駆動電流を流すことにより、該警告表示器に表示動作を行わせる。
【0020】
本発明の他の好ましい態様では、上記回転速度制限回路が、点火コイルの一次コイルに誘起する第1の半波の電圧及び第3の半波の電圧を直流電圧に変換する電源回路と、該電源回路から電源電圧が与えられ、点火コイルの一次コイルに第1の半波の電圧が誘起したときにトリガされて内燃機関の1回転当たり1回だけ設定された時間幅を有する矩形波信号を発生する矩形波信号発生回路と、矩形波信号が発生している期間第1の積分コンデンサを一定の時定数で充電し、矩形波信号が消滅している期間第1の積分コンデンサを一定の時定数で放電させて該第1の積分コンデンサの両端に第1の積分電圧を発生させる第1の積分回路と、矩形波信号が発生している間第2の積分コンデンサを一定の時定数で充電し、矩形波信号が消滅したときに第2の積分コンデンサを瞬時に放電させて該第2の積分コンデンサの両端に第2の積分電圧を発生させる第2の積分回路と、第1の積分電圧を基準電圧とを比較して第1の積分電圧が基準電圧以下のときに出力が第1の状態になり、第1の積分電圧が基準電圧を超えたときに出力が第2の状態になる第1の比較器と、第2の積分電圧を参照電圧と比較して第2の積分電圧が参照電圧を超えたときに出力が第1の状態になり、第2の積分電圧が参照電圧以下のときに出力が第2の状態になる第2の比較器と、一次コイルに対して並列に設けられて第1の比較器の出力及び第2の比較器の出力が共に第2の状態にあるときにオン状態になって一次コイルを短絡し、第1の比較器の出力または第2の比較器の出力の少なくとも一方が第1の状態にあるときにオフ状態になるように第1の比較器及び第2の比較器の出力に応じてオンオフ制御される回転速度制限用スイッチとにより構成される。
【0021】
このように回転速度制限回路が構成される場合には、内燃機関の回転速度が制限値に達したときに一次コイルに第2の半波の電圧が誘起している間に第1の積分電圧が基準電圧を超えた状態になるように矩形波信号の時間幅と第1の積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数とが設定され、内燃機関の回転速度が制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングよりも遅れたタイミングで第2の積分電圧が参照電圧を超えるように参照電圧のレベルが設定される。
【0022】
回転速度制限回路が上記のように構成される場合には、第1の比較器の出力及び第2の比較器の出力が共に第2の状態にあるときにオン状態になるように警告表示用スイッチを設けて、該警告表示用スイッチがオン状態になった時に電源回路から該警告表示用スイッチを通して警告表示器に電流を流して警告表示動作を行わせる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下図1及び図2を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、内燃機関の気筒数の如何に関わりなく実施できるが、本実施形態では、機関の1気筒分の点火装置の構成を示す。
【0024】
図1は、本発明に係わる内燃機関用点火装置の構成例を示したもので同図において、1は点火回路、2は機関の気筒に取り付けられた点火プラグ、3は回転速度制限回路、4は警告表示回路である。
【0025】
点火回路1は、一端が接地された一次コイルW1及び二次コイルW2を有する点火コイル1Aと、点火コイルの一次コイルW1に対して並列に接続された一次電流制御用スイッチ1Bと、スイッチ制御回路1Cとにより構成されている。
【0026】
点火コイル1Aは、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられていて、その一次コイルW1には、図2(A)に示すように、一方の極性(図示の例では負極性)の第1の半波の電圧V11と、他方の極性(図示の例では正極性)の第2の半波の電圧V12と、一方の極性(図示の例では負極性)の第3の半波の電圧V13とが順次現れる1サイクル半の交流電圧が内燃機関の1回転あたり1回だけ誘起する。
【0027】
図示の一次電流制御用スイッチ1Bは、NPNトランジスタをダーリントン接続した複合トランジスタからなっていて、そのコレクタが一次コイルW1の一端(接地側の端子)に接続され、エミッタが一次コイルW1の他端に接続されている。
【0028】
スイッチ制御回路1Cは、トランジスタTR1のコレクタベース間に接続された抵抗R1と、トランジスタTR1のコレクタエミッタ間に接続された抵抗R2及びR3の直列回路と、トランジスタTR1のベース及びエミッタにそれぞれアノード及びカソードが接続され、抵抗R2とR3との接続点にゲートが接続されたサイリスタThとからなっている。
【0029】
点火プラグ2は、高圧コードを通して点火コイルの二次コイルW2に接続されている。
【0030】
図示の点火回路1においては、点火コイルの一次コイルW1に図示の実線矢印方向の第2の半波の電圧が誘起したときに、抵抗R1 を通して複合トランジスタTR1にベース電流が与えられて該トランジスタがオン状態になる。これにより一次コイルW1からトランジスタTR1を通して一次電流が流れ、該一次電流の上昇に伴ってトランジスタTR1 のコレクタエミッタ間の電圧が上昇していく。トランジスタTR1 のコレクタエミッタ間の電圧が設定値に達すると、抵抗R3 の両端の電圧がサイリスタThのトリガ電圧に達して該サイリスタが導通する。サイリスタThが導通すると、トランジスタTR1のベース電流がサイリスタThを通して側路されるため、トランジスタTR1がオフ状態になる。このトランジスタTR1 のオフ動作により、点火コイル1Aの一次電流が遮断されるため、点火コイルの一次コイルにそれまで流れていた一次電流を流し続けようとする極性の高い電圧が誘起する。この電圧は点火コイルの一次、二次間の巻数比により昇圧されるため、点火コイルの二次コイルW2に点火用高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグ2に印加されるため、該点火プラグで火花放電が生じて機関が点火される。
【0031】
図2(A)は一次コイルW1の両端間に生ずる一次電圧V1 の波形を示している。一次電圧V1 は、内燃機関のクランク角位置θ1でその第1の半波の電圧V11が立ち上がる。一次電圧の第2の半波の電圧V12が立ち上がるとトランジスタTR1がオン状態になり、点火コイルに一次電流が流れる。この例では、クランク角位置θi1の位置でトランジスタTR1のコレクタエミッタ間の電圧が設定値に達してサイリスタThが導通し、トランジスタTR1がオフ状態になっている。このトランジスタTR1のオフ動作により、点火コイルの一次コイルに高い電圧が誘起する。
【0032】
回転速度制限回路3は、点火コイルの一次コイルW1に誘起する第1の半波の電圧V11及び第3の半波の電圧V13を一定の直流電圧に変換する電源回路3Aと、タイマICを用いて構成された矩形波信号発生回路3Bと、第1の積分回路3Cと、第2の積分回路3Dと、基準電圧/参照電圧発生回路3Eと、第1の比較器3F1及び第2の比較器3F2と、点火コイルの一次コイルに対して並列に接続された回転速度制限用スイッチ3Hとを備えている。
【0033】
電源回路3Aは、一次コイルの非接地側の端子から引き出された一次端子につながる共通ラインCLにアノードを接続したダイオードD1と、ダイオードD1のカソードに一端を接続したコンデンサC1と、点火コイルの一次コイルの接地側端子につながる接地ラインGLにカソードを接続し、アノードをコンデンサC1の他端に接続したダイオードD2と、ダイオードD1のアノードとダイオードD2のアノードとの間に接続された抵抗R4と、コンデンサC1の一端にアノードが接続されたダイオードD3と、ダイオードD3 のカソードと共通ラインCLとの間に接続されたコンデンサC2と、コンデンサC2の両端に接続されたツェナーダイオードZD1とからなっている。
【0034】
この電源回路においては、一次コイルW1に図示の破線矢印方向の第1及び第3の半波の電圧が誘起したときにコンデンサC1が図示の極性に充電され、コンデンサC1の両端の電圧によりダイオードD3と抵抗R4とを通してコンデンサC2が充電される。このコンデンサC2の充電電圧は、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧に保たれる。
【0035】
コンデンサC2の両端に得られる直流定電圧Vccは、矩形波信号発生回路3Bと、基準電圧/参照電圧発生回路3Eと、第1及び第2の比較器3F及び3Gとに電源電圧として与えられている。
【0036】
図示の電源回路3Aはトリガ信号発生回路を兼ねていて、ダイオードD1 のカソードから引き出された端子tがトリガ信号出力端子となっている。トリガ信号出力端子tと共通ラインCLとの間に得られる電圧は、一次コイルW1が第1の半波の電圧V11及び第3の半波の電圧V13を発生してコンデンサC1の充電が開始される際に、ダイオードD1の順方向電圧降下に相当する低いレベルにまで落ち込んでコンデンサC1に充電電流が流れている間該低いレベルを維持し、コンデンサC1の充電が完了したときにコンデンサC2の端子電圧にほぼ等しいレベルまで上昇する。
【0037】
従って、トリガ信号出力端子tと共通ラインCLとの間には、図2(B)に示すように、一次コイルが第1及び第3の半波の電圧V11及びV13をそれぞれ発生するクランク角位置θ1 及びθ2 で立ち下がる矩形波電圧Vt が得られる。この例では、矩形波電圧Vt のクランク角位置θ1 における立下りの電圧変化が、トリガ信号Vt1として矩形波信号発生回路3Bを構成するタイマICのトリガ端子に与えられる。
【0038】
なおクランク角位置θ2 の位置でも矩形波電圧Vt の立ち下りの変化Vt2が現われるが、後述するようにこの立下りの変化Vt2によりタイマICがトリガされることはない。
【0039】
矩形波信号発生回路3Bは、タイマICと、後記する第2の積分回路とにより、構成される。矩形波信号発生回路3Bを構成するタイマICは、プラス側及びマイナス側の電源端子b1及びb2と、トリガ端子b3と、出力端子b4と、ディスチャージ端子b5と、スレショールド端子b6とを有していて、マイナス側電源端子b2が共通ラインCLに接続されている。タイマICの電源端子b1,b2間には、電源回路3Aから電源電圧が印加され、トリガ端子b3に矩形波電圧Vtが与えられている。タイマICの出力端子b4とプラス側電源端子b1との間に抵抗R5が接続され、出力端子b4と共通ラインCLとの間に抵抗R6を通して第1の積分コンデンサC3が接続されている。また電源端子b1と共通ラインCLとの間に抵抗R7を通して第2の積分コンデンサC4が接続され、抵抗R7と第2の積分コンデンサC4との接続点がディスチャージ端子b5及びスレショールド端子b6に接続されている。
【0040】
図示のタイマICは、トリガ端子b3にトリガ信号が与えられたときにセットされるフリップフロップ回路と、該フリップフロップ回路がリセットされているとき及びセットされているときにそれぞれオン状態及びオフ状態になるディスチャージトランジスタとを有していて、ディスチャージトランジスタがオン状態にあるときに、ディスチャージ端子b5がマイナス側電源端子b2と同電位になるようになっている。
【0041】
クランク角位置θ1で矩形波電圧Vtが立ち下がり、タイマICにトリガ信号が与えられると、その内部のフリップフロップ回路がセットされて出力端子b4の電位が高レベルになり、ディスチャージトランジスタがオフ状態になる。このとき、電源回路3Aの出力電圧により、抵抗R5及びR6を通して第1の積分コンデンサC3が充電されるとともに、抵抗R7を通して第2の積分コンデンサC4が充電される。
【0042】
第2の積分コンデンサC4の両端の電圧が所定のスレショールドレベルに達すると、フリップフロップ回路がリセットされ、出力端子b4の電位がマイナス側電源端子b2の電位に等しくなる。このときディスチャージトランジスタがオン状態になるため、ディスチャージ端子b5の電位がマイナス側電源端子b2の電位に等しくなり、第2の積分コンデンサC4の電荷が瞬時に放電させられる。
【0043】
また第1の積分コンデンサC3の電荷は、抵抗R6と、タイマIC内のフリップフロップ回路を構成しているスイッチ素子とを通して一定の時定数で放電させられる。
【0044】
クランク角位置θ2で矩形波電圧Vtが立ち下がると、タイマICに再度トリガ信号Vt2が与えられるが、タイマIC内のフリップフロップ回路は、一度セットされるとリセットされるまでの間は状態を変化させることがないため、クランク角位置θ2の位置でトリガ端子b3に再度トリガ信号が与えられても、タイマICが再トリガされることはない。
【0045】
従って、タイマICの出力端子b4には、図2(C)に示すように、クランク角位置θ1で立ち上がって一定の時間幅Tを有する矩形波信号Vqが得られる。また第1の積分コンデンサC3の両端には、図2(D)に示すように、矩形波信号Vqが発生している間所定の傾きで上昇し、矩形波信号Vqが消滅している間所定の傾きで下降する三角波形の第1の積分電圧Vc1が得られる。
【0046】
また第2の積分コンデンサC4の両端には、図2(E)に示すように、矩形波信号が発生したときに零レベルから所定の傾きで上昇し、矩形波信号が消滅した時に瞬時に零レベルにもどる波形の第2の積分電圧Vc2が得られる。
【0047】
この例では、抵抗R5と第1の積分コンデンサC3と、タイマIC内のフリップフロップ回路を構成するスイッチ素子とにより、矩形波信号発生回路が矩形波信号Vqを発生している期間第1の積分コンデンサC1を一定の時定数で充電し、矩形波信号Vqが消滅している期間第1の積分コンデンサC1を一定の時定数で放電させて第1の積分コンデンサC1の両端に第1の積分電圧Vc1を発生させる第1の積分回路3Cが構成されている。
【0048】
また抵抗R7と第2の積分コンデンサC4と、タイマIC内のディスチャージトランジスタとにより、矩形波信号Vqが発生している間第2の積分コンデンサC2を一定の時定数で充電し、矩形波信号Vqが消滅したときに第2の積分コンデンサを瞬時に放電させて第2の積分コンデンサの両端に第2の積分電圧を発生させる第2の積分回路3Dが構成されている。
【0049】
この第2の積分回路3DとタイマICとにより矩形波信号発生回路3Bが構成され、第2の積分コンデンサの充電時定数により、矩形波信号発生回路3Bが出力する矩形波信号の時間幅が決められる。
【0050】
基準電圧/参照電圧発生回路3Eは、電源回路3Aの出力端子間に接続された抵抗R8ないしR10の直列回路からなっていて、抵抗R9とR10との直列回路の両端に基準電圧Vr1を発生し、抵抗R10の両端に参照電圧Vr2を発生する。
【0051】
第1の積分電圧Vc1及び基準電圧Vr1は第1の比較器3F1の非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ入力され、第2の積分電圧Vc2及び参照電圧Vr2は第2の比較器3F2の反転入力端子及び非反転入力端子にそれぞれ入力されている。
【0052】
第1の比較器3F1の出力端子及び第2の比較器3F2の出力端子は、アンド回路を構成するように共通に接続されていて、両比較器の出力端子の共通接続点が抵抗R11を通して電源回路3Aのプラス側出力端子に接続されている。
【0053】
第1の比較器3Fは、第1の積分電圧Vc1を基準電圧Vr1と比較して第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1以下のときに出力が第1の状態(低レベルの状態)になり、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えたときに出力が第2の状態(高レベルの状態)になる。
【0054】
また第2の比較器3F2は、第2の積分電圧Vc1を参照電圧Vr2と比較して、第2の積分電圧Vc1が参照電圧Vr2を超えたときに出力が第1の状態(低レベルの状態)になり、第2の積分電圧Vc2が参照電圧Vr2以下のときに出力が第2の状態(高レベルの状態)になる。
【0055】
この例では、第1の比較器3F1及び第2の比較器3F2により比較回路3Fが構成されていて、第1の比較器3F1の出力及び第2の比較器3F2の出力の少なくとも一方が第1の状態(低レベルの状態)にあるときに比較回路3Fの出力が第1の状態を示し、第1の比較器3F1の出力及び第2の比較器3F2の出力が共に第2の状態(高レベルの状態)にあるときに比較回路3Fの出力が第2の状態を示すようになっている。
【0056】
回転速度制限用スイッチ3Hは、NPNトランジスタをダーリントン接続した複合トランジスタTR2からなっていて、そのコレクタは接地ラインGLを通して点火コイルの一次コイルW1の一端に接続され、そのエミッタは、共通ラインCLを通して点火コイルの一次コイルW1の他端に接続されている。
【0057】
トランジスタTR2のベースには抵抗R12の一端が接続され、抵抗R12の他端は、比較回路3Fの出力端子(第1の比較器3F1の出力端子と第2の比較器3F2の出力端子との共通接続点)にアノードを接続したダイオードD4のカソード、及び共通ラインCLにアノードを接続したダイオードD5のカソードに接続されている。
【0058】
トランジスタTR2 は、比較回路3Fの出力が第1の状態(低レベルの状態)にある時にオフ状態となり、比較回路3Fの出力が第2の状態(高レベルの状態)にある時にオン状態となるように、比較回路13の出力に応じてオンオフ制御される。
【0059】
矩形波信号発生回路3Bから出力される矩形波信号Vq の時間幅Tが一定である場合には、内燃機関の回転速度が高くなればなるほど第1の積分コンデンサC3が放電する時間が短くなるため、第1の積分回路3Cが発生する第1の積分電圧Vc1のレベルが内燃機関の回転速度の上昇に伴って高くなっていき、該第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるクランク角位置が、回転速度の上昇に伴って進んでいく。
【0060】
また、内燃機関の回転速度が一定である場合には、矩形波信号Vqの時間幅Tが短かければ短いほど、第1の積分コンデンサC3の充電時間が短くなるとともに放電時間が長くなって第1の積分電圧Vc1のレベルが低くなるため、矩形波信号の時間幅Tが短くなるに従って第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるクランク角位置が遅れていく。
【0061】
本発明においては、内燃機関の回転速度Nが制限値Ns に達したときに、スイッチ制御回路1Cが一次電流制御用スイッチ1Bをオン状態からオフ状態にするクランク角位置θi1で第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるように、矩形波信号Vqの時間幅Tと、第1の積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数が設定されている。
【0062】
また、図1に示した例では、内燃機関の回転速度Nが制限値Ns に達したときに、スイッチ制御回路1Cにより一次電流制御用スイッチ1Bがオフ状態にされるクランク角位置θi1よりも遅れた(一般的には15°〜25°遅れた)クランク角位置で第2の積分電圧Vc2が参照電圧Vr2を超えるように、該参照電圧Vr2のレベルが設定されている。
【0063】
矩形波信号Vqの時間幅Tは、抵抗R7の抵抗値により調整することができ、参照電圧Vr2のレベルは、基準電圧/参照電圧発生回路3Eの抵抗R9 及びR10の抵抗値の和を変えないで抵抗R9 とR10の抵抗値の比を変えることによって調整することができる。
【0064】
本発明において特に設けられた警告表示回路4は、NPNトランジスタTR3と、抵抗R13及びR14と、発光ダイオードLDとにより構成されている。トランジスタTR3のエミッタは共通ラインCLに接続され、トランジスタTR3のベースは抵抗R13を通して比較回路3Fの出力端子に接続されている。そして、トランジスタTR3のコレクタと電源回路3Aのプラス側出力端子との間に抵抗R14を通して発光ダイオードLDが、そのカソードをトランジスタTR3のコレクタ側に向けた状態で接続され、トランジスタTR3がオン状態になったときに、電源回路3Aから抵抗R14と発光ダイオードLDと、トランジスタTR3とを通して駆動電流が流れて、発光ダイオードLDが発光するようになっている。
【0065】
図示の例では、トランジスタTR3により警告表示用スイッチが構成され、発光ダイオードLDにより警告表示器が構成されている。
【0066】
ここで図1に示した内燃機関用点火装置の回転速度制限動作を、図2を参照して説明する。図2は、図1の回路の各部の電圧波形を内燃機関のクランク角θに対して示したものである。図2において、実線で示した波形は内燃機関の回転速度Nが制限値Ns のとき、また破線で示した波形及びダッシュ(´)を付した記号は、内燃機関の回転速度Nが制限値Ns よりも低いときのものである。
【0067】
内燃機関のクランク角位置θ1 で点火コイルの一次コイルW1に図示の破線矢印方向の第1の半波の電圧V11が誘起すると、電源回路3Aが発生する矩形波電圧Vt(図2B)が立ち下がるため、その立下がりの変化Vt1でタイマICがトリガされて、該タイマICから時間幅Tが一定の矩形波信号Vqが発生する。
【0068】
内燃機関の回転速度が制限値Nsよりも低いときには、図2(C)に破線で示したように、一定の時間幅Tを有する矩形波信号Vq´が、クランク角位置θ1 からθ3 ´までの間高レベルの状態を示し、θ3 ´から次のサイクルのクランク角位置θ1 までの間低レベルの状態を保持する。
【0069】
第1の積分コンデンサC3は、矩形波信号Vq´が高レベルになっている間充電され、矩形波信号Vq´が低レベルとなっている間放電させられる。従って、第1の積分回路3Cは、図2(D)に破線で示した三角波形の第1の積分電圧Vc1´を発生する。
【0070】
第1の比較器3F1は、第1の積分電圧Vc1´を基準電圧Vr1と比較して、図2(D)に示すように、積分電圧Vc1´が基準電圧Vr1以下になるクランク角位置θt2´からクランク角位置θt1´までの区間その出力端子の電位を低レベルの状態(第1の状態)とし、積分電圧Vc1´が基準電圧Vr1を超えた状態となるクランク角位置θt1´らθt2´までの区間その出力端子の電位を高レベルの状態(第2の状態)とする。
【0071】
他方、第2の積分回路3Dが発生する第2の積分電圧の波形は、図2(E)に破線で示したVc2´のようになる。第2の比較器3F2は、第2の積分電圧Vc2´を参照電圧Vr2と比較して、積分電圧Vc2´が参照電圧Vr2を超えた状態になるクランク角位置θs ´からクランク角位置θ3 ´までの区間その出力端子の電位を低レベルの状態(第1の状態)とし、積分電圧Vc2´が参照電圧Vr2以下の状態となる各サイクルのクランク角位置θ3 ´から次のサイクルのクランク角位置θs ´までの区間その出力端子の電位を高レベルの状態(第2の状態)にする。
【0072】
第1の比較器3F1及び第2の比較器3F2の出力は、クランク軸がクランク角位置θ3 ´からθt2´まで回転する間共に高レベルの状態(第2の状態)になる。従って、クランク角位置θ3 ´からθt2´までの間、比較回路3Fの出力が、図2(F)に破線で示した波形Vs ´のように高レベルの状態を保持し、回転速度制限用スイッチ3Hを構成するトランジスタTR2 がオン状態になる。
【0073】
内燃機関の回転速度が制限値Ns よりも低い状態では、点火回路1のスイッチ制御回路1Cが一次電流制御用スイッチ1Bをオフ状態にする(一次電流を遮断する)クランク角位置θi1よりも遅れたクランク角位置θ3 ´で、トランジスタTR2がオン状態になるため、機関の点火時期が回転速度制限回路3の影響を受けることはない。
【0074】
本実施形態では、内燃機関の回転速度が制限値Nsよりも低く設定された設定値以下のときに、第1の積分電圧Vc1´が基準電圧Vr1に達することがないようになっている。従って、回転速度が設定値以下のときには、比較器3F1の出力が第2の状態(高レベルの状態)になることがなく、回転速度制限用スイッチ3Hはオフ状態に保持されたままとなる。
【0075】
また内燃機関の回転速度が制限値Ns に達したときに、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるクランク角位置θt1と点火回路1のスイッチ制御回路3Bが一次電流制御用スイッチ1Bをオフ状態にするクランク角位置θi1とが一致するように、矩形波信号Vqの時間幅と第1の積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数とが設定され、第2の積分電圧Vc2が参照電圧Vr2を超えるクランク角位置θs がクランク角位置θi1よりも遅れた位置になるように、参照電圧Vr2のレベルが設定されている。
【0076】
内燃機関の回転速度が制限値Ns を超える領域では、クランク角位置θi1でスイッチ制御回路1Cが一次電流制御用スイッチ1Bをオフ状態にした後、回転速度制限用スイッチ3Hを構成するトランジスタTR2 がオン状態を保持して点火コイルの一次電流をクランク角位置θs まで流し続け、クランク角位置θsでトランジスタTR2がオフ状態になったときに、点火コイルの一次電流が遮断される。従って、内燃機関の回転速度が制限値Ns を超える領域では機関の点火位置がクランク角位置θs(図2Aにおけるクランク角位置θi2)まで遅れる。
【0077】
このように、回転速度Nが制限値Ns を超えると、点火位置θi がθi1からθi2まで急激に遅角するため、機関の回転速度が低下する。回転速度が制限値Ns よりも低くなると点火位置が再びθi1に復帰して回転速度が上昇する。これらの動作の繰り返しにより、回転速度がほぼ制限値Ns 以下に制限されて、内燃機関の回転速度が制限値を超えるのが防止される。点火位置の遅角量(θi1−θi2)は、例えば15°〜25°に選定するのが適当である。
【0078】
警告表示回路4のトランジスタTR3は、機関の回転速度が設定値を超えて第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるようになったときに、比較回路3Fの出力が第2の状態(高レベルの状態)になっている間オン状態になって発光ダイオードLDを発光させ、警告表示動作を行わせる。
【0079】
内燃機関の回転速度が設定値以下で、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えないときには、比較回路3Fの出力が第2の状態になることがないため、トランジスタTR3がオン状態になることはなく、警告表示動作は行われない。
【0080】
このように、本発明においては、内燃機関の回転速度が制限値に近づいたときに警告表示用スイッチをオン状態にして、警告表示動作を行わせるため、機関の回転速度が制限値に近づいていることを運転者に知らせることができ、回転速度が過度に上昇している状態で運転が継続されて機関が破損するのを防ぐことができる。
【0081】
図1に示した実施形態では、矩形波信号発生回路3Bと、比較回路3Fとにより、内燃機関の回転速度が設定値以下のときには回転速度制限用スイッチ3Hをオフ状態に保持し、回転速度が設定値を超える領域では内燃機関の回転速度の上昇に伴って回転速度制限用スイッチをオン状態にするタイミングを進めて回転速度が設定値よりも高い値に設定された制限値に達したときにスイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオン状態からオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチをオン状態にするように、内燃機関の回転速度に応じて回転速度制限用スイッチを制御する回転速度制限用スイッチ制御部が構成され、この回転速度制限用スイッチ制御部と、電源回路3Aと、回転速度制限用スイッチ3Hとにより、回転速度制限回路3が構成されている。
【0082】
図3は、本発明に係わる内燃機関用点火装置の他の実施形態を示したものである。図3に示した内燃機関用点火装置は、図1に示した点火装置から第2の比較器3F2を省略して第1の比較器3F1のみにより比較回路を構成した点、及び抵抗R8及びR9により基準電圧Vr1を発生する基準電圧発生回路が構成されている点を除き、図1に示した例と同様に構成されている。
【0083】
図4は、図3の回路の各部の電圧波形を内燃機関のクランク軸の回転角θに対して示したもので、図4(B)ないし(D)に示された波形はそれぞれ図2(B)ないし(D)に示された波形と同様である。図2(E)に示した第2の積分電圧の波形は省略され、比較器3F1の出力波形が図4(E)に示されている。
【0084】
図3に示した実施形態では、比較器3F1が第1の積分電圧Vc1を基準電圧Vr1と比較して、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1以下のときにその出力を第1の状態(この例では低レベルの状態)とし、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えているときにその出力を第2の状態(この例では高レベルの状態)とする。
【0085】
この例では、比較器13F1の出力が低レベルの状態にあるときに回転速度制限用スイッチ3H(トランジスタTR2)がオフ状態を保持し、比較器3F1の出力が高レベルの状態にあるときにトランジスタTR2がオン状態を保持する。この例においても、内燃機関の回転速度Nが制限値Ns に達したときに、スイッチ制御回路3Bが一次電流制御用スイッチ3Aをオン状態からオフ状態にするクランク角位置θi1で第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるように、矩形波信号Vq の時間幅Tと、第1の積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数が設定されている。
【0086】
内燃機関の回転速度が制限値Nsよりも低いときには、第1の積分回路3Cで発生する第1の積分電圧Vc1が図4(D)に破線で示した波形Vc1´のようになり、該積分電圧Vc1´はクランク角位置θt1´からθt2´までの間基準電圧Vr1を超えた状態となって、比較器3F1の出力が図4(E)に破線で示した波形Vs ´のようにクランク角位置θt1´からθt2´までの間高レベルの状態(第2の状態)となる。従って、回転速度制限用スイッチ3H(トランジスタTR2)がクランク角位置θt1´からθt2´までの間オン状態になるが、クランク角位置θt1´は一次電流制御用スイッチ1Aがオン状態からオフ状態にされるクランク角位置θi1よりも遅れた位置であるので、内燃機関の点火時期が影響を受けることはない。
【0087】
内燃機関の回転速度が制限値Nsに達すると、第1の積分回路3Cで発生する第1の積分電圧Vc1が図4(D)に実線で示した波形Vc1のようになり、クランク角位置θt1からθt2までの間積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えた状態となって、比較器3F1の出力が図4(E)に実線で示す波形Vs のようにクランク角位置θt1からθt2までの間高レベルの状態(第2の状態)を保持する。従って、回転速度制限用スイッチ3Hはクランク角位置θt1からθt2までの間オン状態を保持する。回転速度が制限値Ns に達したときにクランク角位置θt1と一次電流制御用スイッチ1Bがオフ状態にされるクランク角位置θi1とが一致するように設定されているため、回転速度が制限値Ns を超えると、クランク角位置θi1で一次電流制御用スイッチ1Bが遮断されても回転速度制限用スイッチ3Hを通して点火コイルの一次電流が流れ続けるようになり、点火用高電圧の発生が停止する。従って機関が失火状態となり、その回転速度が制限値を超えるのが防止される。
【0088】
なお、内燃機関の回転速度が制限値Nsに達したときに、第1の積分電圧Vc1の波高位置付近がクランク角位置θi1で基準電圧Vr1を超えるように設定しておけば、回転速度が制限値Nsを超えたときに回転速度制限用スイッチ3Hがオン状態になった後再びオフ状態にされるクランク角位置θt2を、一次コイルW1が第2の半波の電圧V12を発生している区間に位置させるようにすることができる。このように設定した場合には、回転速度が制限値Nsを超えたときに機関を失火させることなく、点火時期を遅角させることにより内燃機関の回転速度を制限値以下に制限する動作を行わせることができる。
【0089】
本実施形態においても、警告表示回路4のトランジスタTR3は、内燃機関の回転速度が制限値に近づいて、第1の積分電圧Vc1が基準電圧Vr1を超えるようになったときに、比較器3F1の出力が第2の状態(高レベルの状態)になっている間オン状態になって発光ダイオードLDを発光させ、警告表示動作を行わせる。
【0090】
上記の実施形態では、スイッチ制御回路1Cを構成するスイッチ素子としてサイリスタThを用いたが、このスイッチ素子はオンオフ制御が可能なものであればよく、サイリスタThに代えてトランジスタ等の他のスイッチ素子を用いることもできる。
【0091】
また上記の実施形態では、回転速度制限用スイッチ3HとしてトランジスタTR2を用いたが、このスイッチ3Hもオンオフ可能なスイッチ素子からなっていればよく、MOSFETなどの他の半導体素子によりこのスイッチ3Hを構成することもできる。
【0092】
上記の実施形態では、警告表示器として発光ダイオードを用いたが、ブザーのような発音表示手段を警告表示器として用いてもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、機関の回転速度が制限値に近づいた時に警告表示用スイッチを駆動して警告表示器に表示動作を行わせるようにしたため、機関の回転速度が制限値に近づいていることを運転者に知らせることができ、回転速度が過度に上昇している状態で運転が継続されて機関が破損するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示した回路図である。
【図2】図1の点火装置の各部の電圧、電流波形等を機関のクランク角に対して示した波形図である。
【図3】本発明の他の実施形態の構成を示した回路図である。
【図4】図3の点火装置の各部の電圧、電流波形等を機関のクランク角に対して示した波形図である。
【符号の説明】
1…点火回路、1A…点火コイル、W1…一次コイル、W2…二次コイル、1B…一次電流制御用スイッチ、1C…スイッチ制御回路、3…回転速度制限回路、3A…回転速度制限用スイッチ、3B…矩形波信号発生回路、3C…第1の積分回路、3F1…第1の比較器、3F2…第2の比較器、3H…回転速度制限用スイッチ、4…警告表示回路、TR3…トランジスタ(警告表示用スイッチ)、LD…発光ダイオード(警告表示器)。
Claims (3)
- 内燃機関により駆動される発電機内に設けられて、一方の極性の第1の半波の電圧と他方の極性の第2の半波の電圧と一方の極性の第3の半波の電圧とが順次現れる1サイクル半の交流電圧を前記内燃機関の1回転当たり1回だけ一次コイルに誘起する点火コイルと、前記点火コイルの一次コイルに対して並列に接続された一次電流制御用スイッチと、前記一次コイルに第2の半波の電圧が誘起したときに前記一次電流制御用イッチをオン状態にし、前記一次コイルから一次電流制御用スイッチを通して流れる一次電流が所定値に達したときに前記一次電流制御用スイッチをオフ状態にするスイッチ制御回路とを有する点火回路と、
前記一次コイルに対して並列に設けられた回転速度制限用スイッチと、前記内燃機関の回転速度が設定値以下のときには前記回転速度制限用スイッチをオフ状態に保持し、前記回転速度が設定値を超える領域では内燃機関の回転速度の上昇に伴って回転速度制限用スイッチをオン状態にするタイミングを進めて回転速度が前記設定値よりも高い値に設定された制限値に達したときに前記スイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで回転速度制限用スイッチをオン状態にするように、前記内燃機関の回転速度に応じて回転速度制限用スイッチを制御する回転速度制限用スイッチ制御部と、前記点火コイルの一次コイルに誘起する電圧を直流電圧に変換して前記回転速度制限用スイッチ制御部に電源電圧を与える電源回路とを有する回転速度制限回路とを備えた内燃機関用点火装置において、
前記回転速度制限用スイッチと共にオンオフするように設けられた警告表示用スイッチと、前記電源回路から前記警告表示用スイッチを通して駆動電流が与えられて表示動作を行う警告表示器とを具備してなる内燃機関用点火装置。 - 内燃機関により駆動される発電機内に設けられて、一方の極性の第1の半波の電圧と他方の極性の第2の半波の電圧と一方の極性の第3の半波の電圧とが順次現れる1サイクル半の交流電圧を前記内燃機関の1回転当たり1回だけ一次コイルに誘起する点火コイルと、前記点火コイルの一次コイルに対して並列に接続された一次電流制御用スイッチと、前記一次コイルに第2の半波の電圧が誘起したときに前記一次電流制御用イッチをオン状態にし、前記一次コイルから一次電流制御用スイッチを通して流れる一次電流が所定値に達したときに前記一次電流制御用スイッチをオフ状態にするスイッチ制御回路とを有する点火回路と、
前記一次コイルに誘起する第1の半波の電圧及び第3の半波の電圧を直流電圧に変換する電源回路と、前記電源回路から電源電圧が与えられ、前記一次コイルに前記第1の半波の電圧が誘起したときにトリガされて設定された時間幅を有する矩形波信号を前記内燃機関の1回転当たり1回だけ発生する矩形波信号発生回路と、前記矩形波信号が発生している期間積分コンデンサを一定の時定数で充電し、前記矩形波信号が消滅している期間前記積分コンデンサを一定の時定数で放電させて前記積分コンデンサの両端に積分電圧を発生させる積分回路と、前記積分電圧を基準電圧と比較して前記積分電圧が基準電圧以下のときに出力が第1の状態になり、前記積分電圧が基準電圧を超えたときに出力が第2の状態になる比較回路と、前記一次コイルに対して並列に設けられて前記比較回路の出力が第1の状態にあるときにオフ状態を保持し、前記比較回路の出力が第2の状態にあるときにオン状態になるように前記比較回路の出力に応じてオンオフ制御される回転速度制限用スイッチとを有する回転速度制限回路とを備え、
前記内燃機関の回転速度が制限値に達したときに前記スイッチ制御回路が前記一次電流制御用スイッチをオフ状態にするタイミングで前記回転速度制限用スイッチがオン状態になるように前記矩形波信号の時間幅と前記積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数とが設定されている内燃機関用点火装置において、
前記比較器の出力が第2の状態になったときにオン状態になる警告表示用スイッチと、前記電源回路から前記警告表示用スイッチを通して駆動電流が与えられて表示動作を行う警告表示器とを具備してなる内燃機関用点火装置。 - 内燃機関により駆動される発電機内に設けられて、一方の極性の第1の半波の電圧と他方の極性の第2の半波の電圧と一方の極性の第3の半波の電圧とが順次現れる交流電圧を前記内燃機関の1回転当たり1回だけ一次コイルに誘起する点火コイルと、前記点火コイルの一次コイルに対して並列に接続された一次電流制御用スイッチと、前記一次コイルに第2の半波の電圧が誘起したときに前記一次電流制御用スイッチをオン状態にし、前記一次コイルから一次電流制御用スイッチを通して流れる一次電流が所定値に達したときに前記一次電流制御用スイッチをオフ状態にするスイッチ制御回路とを有する点火回路と、
前記一次コイルに誘起する第1の半波の電圧及び第3の半波の電圧を直流電圧に変換する電源回路と、前記電源回路から電源電圧が与えられ、前記一次コイルに前記第1の半波の電圧が誘起したときにトリガされて前記内燃機関の1回転当たり1回だけ設定された時間幅を有する矩形波信号を発生する矩形波信号発生回路と、前記矩形波信号が発生している期間第1の積分コンデンサを一定の時定数で充電し、前記矩形波信号が消滅している期間前記第1の積分コンデンサを一定の時定数で放電させて前記第1の積分コンデンサの両端に第1の積分電圧を発生させる第1の積分回路と、前記矩形波信号が発生している間第2の積分コンデンサを一定の時定数で充電し、前記矩形波信号が消滅したときに前記第2の積分コンデンサを瞬時に放電させて前記第2の積分コンデンサの両端に第2の積分電圧を発生させる第2の積分回路と、前記第1の積分電圧を基準電圧と比較して前記第1の積分電圧が基準電圧以下のときに出力が第1の状態になり、前記第1の積分電圧が基準電圧を超えたときに出力が第2の状態になる第1の比較器と、前記第2の積分電圧を参照電圧と比較して前記第2の積分電圧が参照電圧を超えたときに出力が第1の状態になり、前記第2の積分電圧が前記参照電圧以下のときに出力が第2の状態になる第2の比較器と、前記一次コイルに対して並列に設けられて、前記第1の比較器の出力及び第2の比較器の出力が共に第2の状態にあるときにオン状態になって前記一次コイルを短絡し、前記第1の比較器の出力または第2の比較器の出力の少なくとも一方が第1の状態にあるときにオフ状態になって前記一次コイルの短絡を解除するように前記第1の比較器及び第2の比較器の出力に応じてオンオフ制御される回転速度制限用スイッチとを有する回転速度制限回路とを備え、
前記内燃機関の回転速度が制限値に達したときに前記スイッチ制御回路が一次電流制御用スイッチをオン状態からオフ状態にするタイミングで前記第1の積分電圧が前記基準電圧を超えた状態になるように前記矩形波信号の時間幅と前記第1の積分コンデンサの充電時定数及び放電時定数とが設定され、前記内燃機関の回転速度が前記制限値に達したときに前記スイッチ制御回路が前記一次電流制御用スイッチをオン状態からオフ状態にするタイミングよりも遅れたタイミングで前記第2の積分電圧が前記参照電圧を超えるように前記参照電圧のレベルが設定されている内燃機関用点火装置において、
前記第1の比較器の出力及び第2の比較器の出力が共に第2の状態にあるときにオン状態になる警告表示用スイッチと、前記電源回路から前記警告表示用スイッチを通して駆動電流が与えられて表示動作を行う警告表示器とを具備してなる内燃機関用点火装置。
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JP2003151296A JP2004353534A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 内燃機関用点火装置 |
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JP2003151296A JP2004353534A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 内燃機関用点火装置 |
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JP2003151296A Pending JP2004353534A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 内燃機関用点火装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008041534A (ja) * | 2006-08-09 | 2008-02-21 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用補強型電解質膜、その製造方法、燃料電池用膜−電極接合体、及びそれを備えた固体高分子型燃料電池 |
JP2017125484A (ja) * | 2016-01-15 | 2017-07-20 | 富士電機株式会社 | スイッチ装置 |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151296A patent/JP2004353534A/ja active Pending
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