JP3460193B1 - 内燃機関用点火装置の低速時点火時点制御方法 - Google Patents

内燃機関用点火装置の低速時点火時点制御方法

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JP3460193B1 JP2002190970A JP2002190970A JP3460193B1 JP 3460193 B1 JP3460193 B1 JP 3460193B1 JP 2002190970 A JP2002190970 A JP 2002190970A JP 2002190970 A JP2002190970 A JP 2002190970A JP 3460193 B1 JP3460193 B1 JP 3460193B1
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Abstract

【要約】 【課題】 起動時を含む、機関の低速域での回転動作を
安定させることにより、機関の安全性を高めると共に、
効率のよう回転動作を得る。 【解決手段】 容量放電型内燃機関用点火装置におい
て、発電コイルの出力電圧の順電圧分が、継続した点火
動作を得ることができる周期検出電圧値に達した時点で
得た周期検出信号により点火時期信号を演算し、発電コ
イルの出力電圧の遅れ側逆電圧分から、ピーク電圧検出
信号と起動電圧検出信号とを得、待機速度以上では、周
期検出信号の出力時点から点火時期信号の時間後に点火
信号を出力し、待機速度以下では、多数の定電圧特性線
に従って、電圧信号が定電圧特性線で設定される値に達
した時に点火信号を出力し、起動時には、周期検出信号
に従って、起動電圧検出信号により点火信号を出力する
ことにより、低速域における機関の回転のムラに影響さ
れることなく、安全で確実な点火動作を得る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用点火装
置、特には容量放電型点火装置における低速時点火時点
制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】内燃機関の安全で効率の良い運転、燃料
消費率の低減、そして排気ガスの浄化を得るため、点火
時点を所望する時点に正確に制御することが強く要求さ
れるので、特公平7−26602号公報に示されるよう
に、点火時点の制御をマイコン(マイクロコンピュー
タ)を用いて行うようになっている。 【0003】上記した従来技術は、発電コイル(エキサ
イタコイル)の出力電圧を直流電圧に変換する電源回路
を設け、この電源回路をマイコンの電源とし、また機関
の低速時には、パルサコイルから与えられる低速時点火
位置信号により点火信号を与えるようにし、パルサコイ
ル外部割込み信号に従って演算された点火位置を、クロ
ックパルスの計数により計測して点火動作を行う構成と
したものである。 【0004】この構成により、バッテリを用いずにマイ
コンを動作させることができると共に、マイコンを動作
させ得る電圧が得られない機関の、始動時を含む低速時
においても、点火動作を行わせることができる、と云う
優れた機能を発揮する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術にあっては、マイコンを動作させ得る電圧が
得られない機関の低速域においても、点火動作を行わせ
るため、この低速域における機関の運転は、きわめて不
安定なものとなり、このため特に起動時の運転が不安定
となり易い、と云う問題があった。 【0006】また、パルサコイルから与えられる低速時
点火位置信号は、パルサコイルが不動に固定されている
ことから、常に一定した回転角の位置で発生することに
なり、このため低速域では、機関の速度に適応した進角
動作を得ることができず、低速域での機関の運転の不安
定さを解消することができない、と云う問題があった。 【0007】さらに、機関の低速域で、マイコンにより
点火時点を制御する場合であっても、この点火時点の設
定は、得られた回転速度情報に従って設定される時間信
号を、一定のカウント開始位置からクロックパルスをカ
ウントすることにより達成されるものであるので、ピス
トンがその上死点に近づくに従って機関の回転速度が低
下すると云う、低速域特有の回転ムラが発生すると、結
果的には点火時点が大幅に進角されてしまうことにな
り、このためキックバックが発生する恐れがある、と云
う問題があった。 【0008】そこで、本発明は、上記した従来技術にお
ける問題点を解消すべく創案されたもので、起動時を含
む機関の低速域での運転を安定させることを技術的課題
とし、もって機関の安全性を高めると共に、確実な点火
動作を得ることを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
る本発明の手段は、二次側に点火栓を接続した点火コイ
ルと、内燃機関により駆動される高圧磁石発電機内の発
電コイルと、点火コイルの一次側に設けられて、発電コ
イルの出力電圧の順電圧分で充電される充電コンデンサ
と、この充電コンデンサの電荷を導通により点火コイル
の一次コイルに放電させる放電用スイッチング素子と、
を有する容量放電型内燃機関用点火装置における低速時
点火時点制御方法であること、発電コイルの出力電圧の
順電圧分が、継続した点火動作を得ることができる電圧
値として、予め設定した周期検出電圧値に達した点火時
期算出開始時点で、周期検出信号を発生させ、この周期
検出信号に従って、回転速度を算出すること、発電コイ
ルの出力電圧の遅れ側逆電圧分が、ピーク電圧値に達し
たピーク検出時点でピーク電圧検出信号を発生させると
共に、遅れ側逆電圧分が、周期検出信号が出力された条
件下で、ピーク検出時点後の、キックバックエリア外の
内燃機関の上死点にできる限り近く位置し、かつ確実に
検出できる値に設定した起動電圧値に達した起動時点
で、起動電圧検出信号を発生させること、機関が安定し
て回転する速度域の下限である下限速度以下の低速域で
は、この下限速度時の遅れ側逆電圧分を、設定進角特性
線と設定された許容誤差範囲とに従って決定される分圧
比で、起動電圧値を基点として分圧して、各分圧値を一
定とした角度・速度特性を示す定電圧特性線を得、遅れ
側逆電圧分の値が許容誤差範囲内の定電圧特性線上の値
と一致した時点で点火信号を放電用スイッチング素子に
出力すること、起動時には、起動時点に点火信号を放電
用スイッチング素子に出力すること、にある。 【0010】容量放電型内燃機関用点火装置の発電コイ
ルの出力電圧から、周期検出信号、ピーク電圧検出信号
そして起動電圧検出信号を得、この周期検出信号から得
られた点火時期信号、またはピーク電圧検出信号、さら
には起動電圧検出信号に従って点火信号を出力するの
で、点火信号を出力するための、また回転速度を検出す
るためのコイルであるパルサコイルを必要としない。 【0011】起動時においては、周期検出信号が出力さ
れた条件下、すなわち内燃機関の回転速度が、発電コイ
ルに、継続した点火動作を行わせることのできる出力電
圧を発生させる速度に達している条件下で、内燃機関の
上死点に対してわずかに進角した位置、もしくは殆ど進
角していない位置である起動時点で、点火動作を行うの
で、キックバックを起こすことなく、安全に起動すると
共に、起動電圧値が確実に検出できる値に設定されてい
るので、確実に起動することになる。 【0012】機関の回転動作状態が不安定となりがちで
あるとされている、下限速度以下の、起動時を含む低速
域において、算出した回転速度時の遅れ側逆電圧分の値
が、許容誤差範囲内に位置する各定電圧特性線の何れか
と一致した位置(回転角位置)で点火信号を出力する。 【0013】このように、遅れ側逆電圧分の値が、許容
誤差範囲内の各定電圧特性線の何れかの値と一致するこ
とにより、点火信号を出力するので、機関の回転動作の
不安定に影響されることなく、遅れ側逆電圧分の値が、
確実な点火動作を得ることのできる値に達したところ
で、点火動作を行うことになり、これにより点火動作が
安定したものとなる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例
を、本発明を実施する回路の一例を示す図面を参照しな
がら説明する。 【0015】図1は、容量放電型点火回路と組合わさっ
て内燃機関用点火装置を構成する、点火時点制御装置1
の具体的な回路構成を示す回路図で、点火時点制御装置
1は、定電圧電源部2とマイコン部3と周期信号発生部
4と電圧検出部5とから構成されている。 【0016】点火時点制御装置1が組付けられる容量放
電型点火回路は、二次側に点火栓9を接続している点火
コイル8と、内燃機関により駆動される高圧磁石発電機
を構成する発電コイル6と、点火コイル8の一次側に設
けられて、発電コイル6の出力電圧Eの順電圧分e1で
充電される充電コンデンサc6と、この充電コンデンサ
c6の電荷を導通により点火コイル8の一次コイルに放
電させる、放電用スイッチング素子7とを有して構成さ
れている。 【0017】発電コイル6に誘起した出力電圧Eの順電
圧分e1は、充電用ダイオードd2を通って充電コンデ
ンサc6に充電され、この充電コンデンサc6に充電され
た電荷は、放電エネルギー回生用ダイオードd6を逆並
列接続し、ゲート安定化抵抗r8を接続したサイリスタ
である放電用スイッチング素子7のトリガにより点火コ
イル8の一次コイルに放電され、これにより点火コイル
8の二次コイルに高電圧を誘起して点火栓9に火花放電
を発生させて、内燃機関を点火動作させる。 【0018】点火時点制御装置1の定電圧電源部2は、
発電コイル6の出力電圧Eの逆電圧分e2(図4参照)
を充電して、一定電圧値の出力を、マイコン部3、周期
信号発生部4そして電圧検出部5に供給するもので、整
流ダイオードd3で整流された発電コイル6の出力電圧
Eの逆電圧分e2を、電流制限抵抗r1を通して、過電
圧防止用ツェナーダイオード23を並列接続している電
源コンデンサc1に充電し、この充電電圧が予め設定さ
れた一定電圧値に達すると、ベースに電圧安定化ツェナ
ーダイオード22とベース抵抗r2とを接続した電圧安
定化トランジスタ21が導通して、一定電圧を出力す
る。 【0019】この定電圧電源部2の一定電圧値は、マイ
コン部3のマイコン30の動作可能電圧の上限値に近い
値、具体的には5Vに設定されており、これにより定電
圧出力信号中にサージノイズが侵入したとしても、この
サージノイズの影響を受けないようにしている。 【0020】マイコン部3は、マイコン30とリセット
IC32とから構成されていて、定電圧電源部2の出力
端子に並列に挿入接続されたリセットIC32は、リセ
ットノイズ除去用コンデンサc3を接続した出力端子
を、マイコン30のリセットポートに接続し、定電圧電
源部2の出力電圧値が予め設定した一定値に達したこと
を検出して、マイコン30を立ち上げる。 【0021】クロック発生器31を組付けたマイコン3
0は、電源ノイズ除去用コンデンサc2を介して定電圧
電源部2から定電圧信号を入力し、点火信号供給用抵抗
r3を介して点火信号s4を出力する。 【0022】周期信号発生部4は、定電圧電源部2から
定電圧信号を、波形整形用抵抗r5を介して信号発生ト
ランジスタ40に与えておき、信号発生トランジスタ4
0のベースに接続された検出ツェナーダイオード41と
電圧検出抵抗r4との直列回路により、発電コイル6の
出力電圧Eの順電圧分e1が、予め設定した周期検出電
圧値v1を越えたならば、信号発生トランジスタ40を
オンさせ、この信号発生トランジスタ40と波形整形用
抵抗r5との接続点の電位を周期検出信号s1としてマ
イコン部3に出力する。なお、信号発生トランジスタ4
0と波形整形用抵抗r5との直列回路には、ノイズ除去
用ダイオードd1とノイズ除去用コンデンサc4との直
列回路が並列接続されている。 【0023】電圧検出部5は、発電コイル6の出力電圧
Eの遅れ側逆電圧分e2を、電圧設定用分圧抵抗r6と
r7との直列回路に加え、両電圧設定用分圧抵抗r6、
r7の分圧点の電圧を電圧信号s6として、マイコン部
3に出力する。なお、両電圧設定用分圧抵抗r6、r7
の分圧点とアースとの間には、ノイズ除去用コンデンサ
c5を接続している。 【0024】周期信号発生部4で設定した周期検出電圧
値v1は、内燃機関を安定して起動させることができる
回転速度域になって得られる順電圧分e1の値に従っ
て、例えば40V程度に設定されるが、この順電圧分e
1の値が周期検出電圧値v1に達するのと前後して、定
電圧電源部2の定電圧出力信号が出力されるので、周期
検出信号s1の出力とほぼ同時にマイコン30が立ち上
げられる。 【0025】マイコン30は、周期検出信号s1が入力
されると、この入力時点を点火時期算出開始時点t1と
して、次の点火時期算出開始時点t1までの時間を測定
して回転速度を演算し、この演算した回転速度に対応し
た点火時期を、予め記憶した多数のデータの中から選定
して、この次の点火時期算出開始時点t1が位置するサ
イクルの点火時期演算信号s5を作成する。 【0026】また、マイコン30は、電圧検出部5から
電圧信号s6が入力されると、これをA/Dコンバータ
に入力し、遅れ側逆電圧分e2の電圧値がピーク電圧値
v2に達したことを検出するピーク電圧検出信号s2
と、キックバックエリアmの外の内燃機関の上死点にで
きる限り近く位置し、かつ確実に検出できる値、例えば
0.3Vに設定された起動電圧値v3に達したことを検
出する起動電圧検出信号s3とを作成する。 【0027】次に、点火装置の動作を、起動時から順に
説明する。 【0028】内燃機関を回転させて、定電圧電源部2か
ら一定電圧が出力されると、これをリセットIC32が
検知して、マイコン30を、そのリセットを解除して立
ち上げるので、マイコン30は、初期設定を行ってから
待機状態に入る。 【0029】電圧検出部5に対応したマイコン30の部
分には、図2で示す、設定進角特性線kが予め設定され
ているが、安定した機関の回転動作が得られる下限であ
る下限速度x以下の、フライホイール効果が充分に発揮
されないので、回転動作が必ずしも安定しない低速域で
は、図3に示す進角動作を行う。 【0030】すなわち、下限速度x時の、ピーク電圧値
v2以後の電圧信号s6を、設定進角特性線kと許容誤
差範囲g(例えば、回転角2°)とに従って決定される
分圧比で、起動電圧値v3を基点として分圧して、複数
の定電圧特性線fを得ておく。 【0031】この状態から(以下、図3参照)、最初の
周期検出信号s1が入力されると、これに従って直後に
入力される電圧信号s6から、回転速度および許容誤差
範囲gに関係なく、起動電圧値v3を分圧点として得ら
れた最低位の定電圧特性線f1により起動電圧値v3を
検出して起動電圧検出信号s3を発生させ、この起動電
圧検出信号s3の発生に従って、直ちに点火信号s4を
点火回路の放電用スイッチング素子7に出力して、起動
の点火動作を行う。 【0032】周期検出信号s1は、内燃機関が、確実に
点火動作を行うことのできる、回転速度域に達すること
により得られる、周期検出電圧値v1に従って得たもの
であり、起動電圧値v3は、キックバックエリアmの外
に位置するように設定されているので、キックバックを
起こすことなく、内燃機関を安全にかつ確実に起動させ
る。 【0033】次の点火動作、すなわち2度目の点火動作
は、起動時の周期検出信号s1に従って回転速度を算出
し、ピーク電圧値v2以後の電圧信号s6の値が、算出
された回転速度時の実動進角特性線jの値と等しくなっ
た時点で、点火動作を行う。 【0034】例えば、算出された回転速度が750rp
mであったとすると、許容誤差範囲g内で、回転速度7
50rpmに対応するのは定電圧特性線f1だけである
ので、電圧信号s6の値が、この定電圧特性線f1が設
定する電圧値、すなわち起動電圧値v3と同じ電圧値と
なった時点で点火動作を行う。 【0035】機関の回転速度が上がって800rpmと
なると、許容誤差範囲g内で、この回転速度800rp
mに対応する定電圧特性線fは、2番目の定電圧特性線
f2だけであるので、電圧信号s6の値が、この定電圧
特性線f2が設定する電圧値、例えば0.45Vに達し
た時点で点火動作を行う。 【0036】すなわち、下限速度x(例えば、1500
rpm)以下の起動時を含む低速域での実動進角特性線
jは、回転速度の上昇に従って、順に上位の定電圧特性
線fにステップして行くと云う、鋸歯状の進角動作を行
うことになる。 【0037】このように、低速域では、従来のように、
予め定めた一定の時点からの算出された時間の経過によ
り点火時点を定めるのではなく、入力された電圧信号s
6の値が、設定された電圧値に達することにより点火時
点を定めるので、例え、機関の回転動作にムラが発生し
て、実質的に回転速度が低下した状態となっても、従来
のように、点火時点が不正に大幅に進角されてしまい、
時としてキックバックが発生する、と云う危険の恐れが
全くなく、安全で確実な点火動作を行う。 【0038】内燃機関の回転速度が、回転動作が安定す
る下限速度xから、内燃機関に負荷を結合しても良い速
度として予め設定した待機速度y(例えば、4000r
pm)までの速度範囲に上昇したならば、図5に示すよ
うに、ピーク電圧値v2を検出したピーク電圧検出信号
s2が出力されるピーク検出時点t3のすぐ後に、点火
信号s4を出力する。 【0039】この、下限速度xから待機速度yまでの速
度範囲では、上記したように、点火時点はピーク検出時
点t3のすぐ後となるのであるが、この“ピーク検出時
点t3のすぐ後”とは、“ピーク電圧検出を確認してか
ら”を意味しており、この確認処理は、回転速度が低い
ほど長くなるように設定し、これによりこの速度範囲で
の点火時点のわずかな進角を得るようにしている。 【0040】内燃機関の回転速度が、負荷を結合して稼
動することが可能な待機速度yから、効率の良い稼動を
得ることのできるほぼ上限である、予め設定された上限
速度z(例えば、8000rpm)までの速度範囲で
は、図6に示すように、前回の周期検出信号s1の入力
時点である点火時期算出開始時点t1から今回の点火時
期算出開始時点t1までの時間から、この今回の点火時
期算出開始時点t1での回転速度を算出し、この算出し
た回転速度に対応して予め設定記憶させてある点火時期
信号を選定する点火時期演算信号s5を得、この点火時
期演算信号s5で得た点火時期信号を今回の点火時期算
出開始時点t1からカウントし、点火時期信号の時間経
過後に点火信号s4を出力する。 【0041】この待機速度yから上限速度zまでの速度
範囲域にあっては、各回転速度に最も適合した進角が得
られるので、内燃機関の出力は充分に高められ、結合し
た負荷の効率の良い稼動を得ることができる。 【0042】内燃機関の回転速度が、上限速度zを越え
て上昇すると、図7に示すように、点火時期演算信号s
5が、得られた点火時期信号よりもその時間が長くな
り、このため点火信号s4を得ることができなくなるの
で、前のサイクルの点火時期演算信号s5で得られた点
火時期信号を、そのまま次のサイクルで使用する。 【0043】この場合、当然の事ながら、内燃機関の効
率は低下することになるので、内燃機関の速度上昇は抑
制され、これにより過回転防止効果が発揮されることに
なる。 【0044】 【発明の効果】本発明は、上記した構成となっているの
で、以下に示す効果を奏する。 【0045】起動時において、内燃機関の回転速度が、
発電コイルに、継続した点火動作を行わせることのでき
る出力電圧を発生させる速度に達している条件下で、内
燃機関の上死点に対してわずかに進角した位置、もしく
は殆ど進角していない位置であると共に、キックバック
エリア外に位置する起動電圧値を検出することにより起
動するので、確実にそして安全に起動することができ
る。 【0046】機関の回転動作状態が不安定となりがちで
あるとされている、下限速度以下の、起動時を含む低速
域において、算出した回転速度時の遅れ側逆電圧分の値
が、許容誤差範囲内に位置する各定電圧特性線の何れか
と一致した位置(回転角位置)で点火信号を出力するの
で、低速域の機関の回転動作の不安定に影響されること
なく、電圧信号の値が、目標とする値に達したところ
で、点火動作を行うことになり、これにより点火動作
が、不正に大幅な進角の発生しない、安定したものとな
る。 【0047】さらに、低速域における点火時点は、鋸歯
状とは云え、回転速度の上昇に従って、設定進角特性線
に沿って進角するので、低速域における進角動作を確実
に得ることができ、これにより機関の回転動作が不安定
である低速域から、機関の回転動作が安定する下限速度
以上の速度域に、速やかに移行することができ、機関の
安定した運転を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を実施する点火時点制御装置の回路構成
の一例を示す、電気回路図。 【図2】予め設定される設定進角特性線の一例を示す、
特性線図。 【図3】図2に示した特性線図における低速域の詳細を
示す、特性線図。 【図4】本発明の起動時における動作例を示す、動作線
図。 【図5】本発明の下限速度から待機速度までの範囲の動
作例を示す、動作線図。 【図6】本発明の待機速度から上限速度までの範囲の動
作例を示す、動作線図。 【図7】本発明の上限速度以上の範囲での動作例を示
す、動作線図。 【符号の説明】 1 ; 点火時点制御装置 2 ; 定電圧電源部 20; 電圧安定化トランジスタ 21; 電圧安定化ツェナーダイオード 22; 過電圧防止用ツェナーダイオード c1; 電源コンデンサ r1; 電流制限抵抗 r2; ベース抵抗 3 ; マイコン部 30; マイコン 31; クロック発生器 32; リセットIC c2; 電源ノイズ除去用コンデンサ c3; リセットノイズ除去用コンデンサ r3; 点火信号供給用抵抗 4 ; 周期信号発生部 40; 信号発生トランジスタ 41; 検出ツェナーダイオード r4; 電圧検出抵抗 r5; 波形整形用抵抗 d1; ノイズ除去用ダイオード c4; ノイズ除去用コンデンサ 5 ; 電圧検出部 r6; 電圧設定用分圧抵抗 r7; 電圧設定用分圧抵抗 c5; ノイズ除去用コンデンサ 6 ; 発電コイル 7 ; 放電用スイッチング素子 8 ; 点火コイル 9 ; 点火栓 c6 ; 充電コンデンサ d2 ; 充電用ダイオード d3 ; 整流ダイオード d4 ; 整流ダイオード d5 ; 整流ダイオード d6 ; 放電エネルギー回生用ダイオード r8 ; ゲート安定化抵抗 E ; 出力電圧 e1 ; 順電圧分 e2 ; 逆電圧分 v1 ; 周期検出電圧値 v2 ; ピーク電圧値 v3 ; 起動電圧値 s1 ; 周期検出信号 s2 ; ピーク電圧検出信号 s3 ; 起動電圧検出信号 s4 ; 点火信号 s5 ; 点火時期演算信号 s6 ; 電圧信号 t1 ; 点火時期算出開始時点 t2 ; 起動時点 t3 ; ピーク検出時点 x ; 下限速度 y ; 待機速度 z ; 上限速度 k ; 設定進角特性線 j ; 実動進角特性線 f ; 定電圧特性線 g ; 許容誤差範囲 m ; キックバックエリア
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 3/04 F02P 15/00 F02P 5/15

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 二次側に点火栓(9)を接続した点火コイ
    ル(8)と、内燃機関により駆動される高圧磁石発電機内
    の発電コイル(6)と、前記点火コイル(8)の一次側に設け
    られて、前記発電コイル(6)の出力電圧(E)の順電圧分(e
    1)で充電される充電コンデンサ(c6)と、該充電コンデン
    サ(c6)の電荷を導通により前記点火コイル(8)の一次コ
    イルに放電させる放電用スイッチング素子(7)と、を有
    する容量放電型内燃機関用点火装置において、前記順電
    圧分(e1)が、継続した点火動作を得ることができる電圧
    値として、予め設定した周期検出電圧値(v1)に達した点
    火時期算出開始時点(t1)で周期検出信号(s1)を発生さ
    せ、該周期検出信号(s1)に従って、回転速度を算出し、
    また前記出力電圧(E)の遅れ側逆電圧分(e2)が、ピーク
    電圧値(v2)に達したピーク検出時点(t3)でピーク電圧検
    出信号(s2)を発生させると共に、前記遅れ側逆電圧分(e
    2)が、前記周期検出信号(s1)が出力された条件下で、前
    記ピーク検出時点(t3)後の、キックバックエリア(m)外
    の内燃機関の上死点にできる限り近く位置し、かつ確実
    に検出できる値に設定した起動電圧値(v3)に達した起動
    時点(t2)で、起動電圧検出信号(s3)を発生させ、機関が
    安定して回転する速度域の下限である下限速度(x)以下
    の低速域では、該下限速度(x)時の遅れ側逆電圧分(e2)
    を、設定進角特性線(k)と設定された許容誤差範囲(g)と
    に従って決定される分圧比で、前記起動電圧値(v3)を基
    点として分圧して、各分圧値を一定とした角度・速度特
    性を示す定電圧特性線(f)を得、前記遅れ側逆電圧分(e
    2)の値が許容誤差範囲(g)内の定電圧特性線(f)上の値と
    一致した時点で点火信号(s4)を放電用スイッチング素子
    (7)に出力し、起動時には、前記起動時点(t2)に点火信
    号(s4)を放電用スイッチング素子(7)に出力する内燃機
    関用点火装置の低速時点火時点制御方法。
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