JP2004347979A - トナーの製造方法、トナー製造装置及びトナー - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真及び静電気録等の用途において静電荷像の現像に用いられるトナーの粒径制御が容易で粒径分布が極めて狭い均一なトナーを製造するトナーの製造方法、トナー製造装置及びトナーを提供する。
【解決手段】断面形状の径及び位置の分布が均一な細孔である貫通孔14を有する多孔質シリコン膜(中間プレート6)を介して、第1室9に供給された合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、第2室10に供給された連続相中に分散させてトナー粒子Tの造粒を行う。
【選択図】 図4
【解決手段】断面形状の径及び位置の分布が均一な細孔である貫通孔14を有する多孔質シリコン膜(中間プレート6)を介して、第1室9に供給された合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、第2室10に供給された連続相中に分散させてトナー粒子Tの造粒を行う。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法によるトナーの製造方法、その方法を適用したトナー製造装置、及びその方法にて製造されるトナーに関し、特に電子写真及び静電記録等の用途において静電荷像の現像に用いられるトナーを製造するトナーの製造方法、トナー製造装置及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真及び静電記録等の用途において静電荷像の現像に用いられるトナーは、熱可塑性樹脂と、着色剤及び帯電制御剤等の添加剤とを溶融混練し、粉砕した後に分級する粉砕法により製造されている。
しかしながらこの粉砕法による製造方法では、多大な設備費用を要し、また多くのエネルギを消費するため、トナーの製造費用の高騰の要因となっている。
特に近年は、画像の高画質化の要請から、粒度分布が狭く粒径の小さいトナーが要求されているが、粉砕時に多大なエネルギを消費する粉砕法では、粒度分布が狭く粒径の小さいトナーを効率的に製造することが困難であり、このような特性を有するトナーを製造するためには更なるコストの高騰を招くこととなる。
【0003】
これらの問題を解決する方法として、懸濁重合法及び乳化重合法等の重合法並びに乳化分散法及び転相乳化法等の液中乾燥法等の粉砕工程を伴わない湿式法が提案されており、湿式法により粉砕法による弊害の解消が見込まれている。
しかし従来の湿式法における造粒工程では撹拌による微粒子化が一般的に行われているが、撹拌による微粒子化では粒度分布の均一な粒子を得ることは極めて困難であるため、トナーの粒径を所望のサイズに制御することが容易ではない。
【0004】
このような問題に対して、熱可塑性樹脂を、ポリカーボネイト膜及びPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)膜等の有機多孔質膜並びに細孔を有する多孔質ガラスを通して液状分散媒体中に分散することとで造粒を行った後、懸濁重合法等の重合法により電子写真用トナーを製造する方法が提案されている。(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−95564号公報
【特許文献2】
特開平7−120974号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の方法にて使用されるポリカーボネイト膜及びPTFE膜等の有機多孔質膜並びに細孔を有する多孔質ガラスに形成されている細孔は、細孔径の分布が不均一であるため、膜を通った粒子の粒度分布が不均一となり、しかも細孔の位置の分布が不均一であるため、膜を通った粒子同士の凝集を招くことになり、トナーの粒度制御及び粒度分布の均一性は十分ではないという問題がある。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、径及び位置の分布が均一な細孔である貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させることにより、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能なトナーの製造方法、その方法を適用したトナー製造装置及びその方法にて製造されるトナーの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のトナーの製造方法は、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法によるトナーの製造方法において、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して連続相中に分散させることを特徴とする。
【0009】
本発明のトナーの製造方法では、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させることにより、多孔質シリコン膜は貫通孔径の分布を均一にすることが容易であるので、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能である。
【0010】
本発明のトナーの製造方法は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、断面形状が長方形状をなすことを特徴とする。
【0011】
本発明のトナーの製造方法では、断面形状が長方形状をなす貫通孔を有する多孔質シリコン膜を用いることにより、分散相及び連続相の界面となる多孔質シリコン膜の表面は、長方形状をなす断面形状により歪みを生じ、その歪みに起因して界面に対して直角で外側から内側方向の力の大きさに分布が生じるため、界面の状態が不安定となり、界面の剪断が促進され、結果として均質なトナー粒子を安定的に製造することが可能である。
なお貫通孔の断面形状が円形である場合、分散相及び連続相の界面となる多孔質シリコン膜の表面の状態が安定となり、界面の剪断が促進され難く、結果として製造されたトナー粒子サイズが大きくなる上に、粒度分布も広くなるという問題が生じる。
【0012】
本発明のトナーの製造方法は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、長辺が0.8〜2.7μmであり、各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上であることを特徴とする。
【0013】
本発明のトナーの製造方法では、多孔質シリコン膜が有する長方形状の貫通孔は、長辺が0.8〜2.7μmであり、各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上であることより、トナーの粒度分布を狭くすることが可能であり、また画質の高い画像を形成することができるトナーを製造することが可能である。
具体的には体積平均粒子径が4μm以下のトナー粒子では個々の粒子の帯電が不十分でトナー飛散及び画像かぶり等の画像不良を招くことになり、体積平均粒子径が8μmを超えるトナー粒子では形成される画像の層厚が大きくなり粒状感の高い画像を形成することとなる。
そして多孔質シリコン膜を用いて造粒を行った場合、得られるトナー粒子の体積平均粒子径は貫通孔の長径の3〜5倍の大きさとなるため、体積平均粒子径が4〜8μmのトナー粒子を得るためには貫通孔の長径を0.8〜2.7μmとすることが効果的である。
しかも各貫通孔の中心間距離を長辺の3倍以上とすることにより、造粒時におけるトナー粒子同士の凝集を防止することができるので、トナーの粒度分布を狭くことが可能となる。
【0014】
本発明のトナーの製造方法は、前記貫通孔は、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置され、短辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔のほぼ2倍に相当することを特徴とする。
【0015】
本発明のトナーの製造方法では、多孔質シリコン膜が有する長方形状の貫通孔を、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置し、しかも短辺方向に並ぶ夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に並ぶ夫々の貫通孔の中心の間隔の2倍に相当するように配置することにより、造粒時にトナー粒子同士の凝集を防止することができるので、トナーの粒度分布を狭くすることが可能である。
【0016】
本発明のトナー製造装置は、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法によりトナーを製造するトナー製造装置において、合成樹脂及び着色剤を含む分散相が供給される第1室と、連続相が供給される第2室と、前記第1室及び第2室の界面に配設された貫通孔を有する多孔質シリコン膜と、前記第1室に供給された分散相を加圧する加圧手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明のトナー製造装置では、第1室に供給された合成樹脂及び着色剤を含む分散相をポンプ等の加圧手段にて加圧することにより、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を通って、第2室に供給された連続相中に合成樹脂及び着色剤を分散させることが可能であり、第1室及び第2室の界面に配設された多孔質シリコン膜は貫通孔径の分布を均一にすることが容易であるので、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能である。
【0018】
本発明のトナー製造装置は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、ドライエッチング法にて形成したことを特徴とする。
【0019】
本発明のトナー製造装置では、ドライエッチング法にて形成した貫通孔を有する多孔質シリコン膜を用いることにより、ドライエッチング法は多孔質シリコン膜に対して直角をなす方向のみに貫通孔の加工を行うことができるので、精度の良い貫通孔の加工を実現し、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能である。
【0020】
本発明のトナー製造装置は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、断面形状が長方形状をなすことを特徴とする。
【0021】
本発明のトナー製造装置では、断面形状が長方形状をなす貫通孔を有する多孔質シリコン膜を用いることにより、分散相及び連続相の界面となる多孔質シリコン膜の表面は、長方形状をなす断面形状により歪みを生じ、その歪みに起因して界面に対して直角で外側から内側方向の力の大きさに分布が生じるため、界面の状態が不安定となり、界面の剪断が促進され、結果として均質なトナー粒子を安定的に製造することが可能である。
【0022】
本発明のトナー製造装置は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、長辺が0.8〜2.7μmであり、各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上であることを特徴とする。
【0023】
本発明のトナー製造装置では、多孔質シリコン膜が有する長方形状の貫通孔は、長辺が0.8〜2.7μmであり、各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上であることにより、トナーの粒度分布を狭くすることが可能であり、また画質の高い画像を形成することができるトナーを製造することが可能である。
【0024】
本発明のトナー製造装置は、前記貫通孔は、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置され、短辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔のほぼ2倍に相当することを特徴とする。
【0025】
本発明のトナー製造装置では、多孔質シリコン膜が有する長方形状の貫通孔を、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置し、しかも短辺方向に並ぶ夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に並ぶ夫々の貫通孔の中心の間隔のほぼ2倍に相当するように配置することにより、造粒時にトナー粒子同士の凝集を防止することができるので、トナーの粒度分布を狭くすることが可能である。
【0026】
本発明のトナーは、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法にて製造されるトナーにおいて、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して連続相中に分散させることにより製造されることを特徴とする。
【0027】
本発明のトナーでは、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させることにより、多孔質シリコン膜は貫通孔径の分布を均一にすることが容易であるので、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能である。
【0028】
本発明のトナーは、体積粒度分布の変動係数が20以下であることを特徴とする。
【0029】
本発明のトナーでは、多孔質シリコン膜を用いることで粒度分布を狭く制御することが可能であり、特に体積粒度分布の変動係数を20以下とすることにより、体積粒度分布が25程度である従来の湿式法にて製造したトナーと比較して、低付着量での高画質化及びトナー消費量の低減を実現することが可能である。
【0030】
本発明のトナーは、着色剤の濃度が4〜20重量%であることを特徴とする。
【0031】
本発明のトナーでは、着色剤の濃度を4〜20重量%となるように調整することにより、透明性、隠蔽性、色再現性及び定着性に優れた均一な高濃度画像を形成することが可能である。
具体的には着色剤の濃度が4重量%未満の場合には、透明性は良好であるが隠蔽性が不十分となり均一な高濃度画像を形成することができず、また20重量%を超えると合成樹脂成分の減少による定着強度の低下が顕著となるので、着色剤の濃度を4〜20重量%とすることにより高濃度画像を形成することが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
本発明のトナーは、熱可塑性樹脂等の合成樹脂及び顔料等の着色剤を主原料とし、懸濁重合法及び乳化重合法等の重合法並びに乳化分散法及び転相乳化法等の液中乾燥法等の粉砕工程を伴わない湿式法、具体的には合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して連続相中に分散させてトナー粒子を造粒することにより製造され、電子写真及び静電記録等の用途において静電荷像の現像に用いられる。
【0033】
先ず本発明のトナーの製造方法にて用いられる主原料について説明する。
本発明のトナーの製造方法にて用いられる合成樹脂の種類は、電子写真及び静電記録技術において用いられるトナー用の合成樹脂で有れば特に制限はない。
具体的には、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレンとポリビニルトルエンと等のスチレン及びそれらのスチレンの置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、及びスチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン変性レジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、並びにパラフィンワックス等の樹脂を単独又は2種以上の組み合わせとして使用することができる。
また前記合成樹脂は、ジビニルベンゼン等の公知の架橋剤によって部分架橋しているものでも、架橋していない線形の分子構造を持った合成樹脂でもよい。
【0034】
さらに原料として用いられる合成樹脂は、熱及び機械的圧力等の外部からのエネルギ付与によって重合反応が開始する分子構造を持つ合成樹脂でも良く、このような合成樹脂を用いた場合には、トナー粒子の造粒工程中又は造粒工程後に、熱及び機械的圧力等のエネルギを外部から付与することにより重合反応が進行し、熱的又は機械的に高強度のトナー粒子が製造される。
なお外部から付与するエネルギの量を制御することにより、熱的又は機械的に所望の特性を備えるトナー粒子が製造される。
【0035】
本発明のトナーの製造方法にて用いられる着色剤の種類は、電子写真及び静電記録技術において用いられるトナー用の着色剤で有れば特に制限はない。
具体的には、従来からモノクロ用として用いられているカーボンブラック及びニグロシン染料等の着色剤、更にはアゾ系染料、アントラキノン系染料、インジゴ染料、フタロシアニン系染料、及びキサンテン系染料等の染料、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、及び金属錯体系顔料等の有機系顔料、酸化チタン、カーボンブラック、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、及び酸化クロム、ベルリンブルー等の無機系顔料、並びにアルミニウム粉等の金属粉等の公知の染料及び顔料が本発明のトナーの主原料である着色剤として用いることができる。
【0036】
なおトナーに含まれる着色剤の濃度は4〜20重量%となるように調整することが望ましく、4〜20重量%となるように調整することにより、透明性、隠蔽性、色再現性及び定着性に優れた均一な高濃度画像を形成することが可能となる。
着色剤の濃度が4重量%未満の場合には、透明性は良好であるが隠蔽性が不十分となり均一な高濃度画像を形成することができず、また20重量%を超えると合成樹脂成分が減少し、十分な定着強度が得られず実使用に耐えないからである。
また合成樹脂及び着色剤等のトナー構成成分中には、その使用目的及び使用条件に応じて造粒工程前後に、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤、及び導電剤を混入しても良い。
【0037】
合成樹脂及び着色剤等のトナー構成成分を含む分散相を構成する液体としては、トナー構成成分を溶解する溶媒及びトナー構成成分を分散させる分散媒のいずれを用いてもよく、造粒後の粒子の形状又は構造に応じて選択すればよい。
分散相を構成する液体として用いられる溶媒は、合成樹脂及び着色剤等のトナー成分の組み合わせにも依存する場合もあるが、一般的には合成樹脂に対する依存性が強く、合成樹脂との相溶性を有するものを選択することが好ましい。
【0038】
例えば合成樹脂としてスチレン−アクリル樹脂を用いた場合には、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、及びトルエン等の溶媒を選択することが好ましく、合成樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合には、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、及びトルエン等の溶媒を選択すれば良い。
【0039】
また分散相を構成する液体として分散媒を用いる場合、合成樹脂及び着色剤等のトナー構成成分の粒子を安定して分散させるために分散安定剤を添加する様にしても良く、分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、及びメチルセルロース等のトナー構成成分を安定して分散媒中に分散させることが可能な薬剤が用いられる。
【0040】
なおトナー構成成分の量と溶媒又は分散媒の量との割合は任意に設定することが可能であるが、トナー構成成分の重量比の増加に伴い分散相の粘度は増大するので、多孔質シリコン膜の貫通孔を通過させることが困難となり、またトナー構成成分の重量比の減少に伴いトナー粒子の収率の低下による生産性の悪化を招くこととなる。
【0041】
これらの問題を解消するためには、トナー構成成分の量と、溶媒又は分散媒の量との割合は、溶媒又は分散媒100重量部に対して分散相中の固形分5〜70重量部、好ましくは30〜60重量部、更に好ましくは40〜50重量部とすることが適当である。
なおトナー構成成分を複数種類用い、溶媒又は分散媒を適宜選択することにより、多種類のトナー形状及び構造の組み合わせを実現することが可能である。
【0042】
多孔質シリコン膜の貫通孔を通過した分散相を分散させる連続相は、合成樹脂及び着色剤等のトナー成分の組み合わせに依存する場合もあるが、一般的には合成樹脂に対する依存性が強く、合成樹脂と非相溶性であるものを選択することが好ましい。
例えば水、メタノール及びエタノール等のアルコール類、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素類、並びにシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類等の薬剤を選択すれば良い。
【0043】
次に本発明のトナー製造装置について説明する。
図1は本発明のトナー製造装置を模式的に示す断面図である。
図1中1は本発明のトナー製造装置であり、トナー製造装置1は、外枠2及び外枠2に嵌挿する内枠3を備えており、外枠2及び内枠3にて、板状をなす第1プレート4及び第2プレート5並びに中間プレート6の縁部全体を挟持することにより、第1プレート4及び第2プレート5並びに中間プレート6が枠内にシールを介して挟着されている。
中間プレート6は、第1プレート4及び第2プレート5の間に配置されており、第1プレート4及び中間プレート6の間には第1環状スペーサ7が挟入されているため、第1プレート4及び中間プレート6の間には第1室9が形成され、中間プレート6及び第2プレート5の間には第2環状スペーサ8が挟入されているため、中間プレート6及び第2プレート5の間には第2室10が形成されている。
即ち中間プレート6は、第1室9及び第2室10の界面に配設されていることになる。
【0044】
第2プレート5、中間プレート6、第1環状スペーサ7及び第2環状スペーサ8の縁部付近には対応する位置に夫々一対の第1開口部11,11が設けられており、一方の第1開口部11は分散相を供給する供給口となっており、他方の第1開口部11には封止部材12により封止されているため、一方の第1開口部11から分散相を供給することにより、第1室9は分散相にて液封される。
第2プレート5、中間プレート6及び第2環状スペーサ8に設けられた第1開口部11,11の内側には、対応する位置に夫々一対の第2開口部13,13が設けられており、一方の第2開口部12は連続層を供給する供給口となっており、他方の第2開口部13は連続層を排出する排出口となっているため、一方の第2開口部13から連続層を供給することにより、第2室10は連続層にて液封され、更に他方の第2開口部13から排出される。
なお中間プレート6には、ドライエッチング法にて形成した細孔である貫通孔14が多数穿設されており、分散相中の合成樹脂及び着色剤が、貫通孔14を介して連続相中に分散される。
【0045】
分散相を供給する供給口となっている一方の第1開口部11には、第1ポンプP1を有する第1配管15の一端が液密に嵌挿されており、第1ポンプP1を稼動させることにより、第1配管15の他端に設けられた第1リザーバ16に貯留された分散相が一方の第1開口部11から第1室9へ液密に供給される。
連続相を供給する供給口となっている一方の第2開口部13には、第2ポンプP2を有する第2配管17の一端が液密に嵌挿されており、第2ポンプP2を稼動させることにより、第2配管17の他端に設けられた第2リザーバ18に貯留された連続相が一方の第2開口部13から第2室10へ液密に供給される。
連続相を排出させる排出口となっている他方の第2開口部13には、第3ポンプP3を有する第3配管19の一端が液密に嵌挿されており、第3ポンプP3を稼動させることにより、第3配管19の他端に設けられた第3リザーバ20へ連続相が回収される。
【0046】
第2プレート5は2枚の板材5a,5b重ねた形状であり、板材5a,5bの中央部は窓としての機能を有する開口部が設けられており、開口部に透明のガラス板又はプラスチック板を用いた透明プレート5cが板材5a,5bにシールを介して挟着されている。
そして透明プレート5cから第2室10の状況を撮影すべくCCDカメラ等の光学読取機構21が配設されており、光学読取機構21により第2室10内部の状況を外部から監視することができる。
【0047】
図2は本発明のトナー製造装置1が備える中間プレート6を示す平面図であり、図3は本発明のトナー製造装置1が備える中間プレート6の一部を破断させた斜視図である。
中間プレート6は、正方形状をなす多孔質シリコン膜であり、トナー製造装置1に組み込んだ場合に第2プレート5が有する透明プレート5cの位置に対応する中央部に、半導体集積回路の製造時に適用されるドライエッチング法にて形成した細孔である多数の貫通孔14が穿設されている。
貫通孔14の断面形状は、長辺が0.8〜2.7μmで短辺は長辺の1/2程度の長方形状をなしており、各貫通孔14の中心間距離は、長辺の3倍以上の間隔で配置されている。
図3は図2に示した中間プレート6を拡大した一部破断斜視図であり、図3ではT1として示した長辺が2μmであり、短辺が1μmの貫通孔14が形成された中間プレート6を例示している。
また貫通孔14は長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置され、短辺方向に配置された夫々の貫通孔14の中心の間隔は、長辺方向に配置された夫々の貫通孔14の中心の間隔のほぼ2倍に相当する。
【0048】
貫通孔14の断面形状を長方形状に形成することにより、膜表面部に存在する分散相と連続相との界面が断面形状により歪みを生じ、その歪みに起因して界面に対して直角で外側から内側方向の力の大きさに分布が生じるため、界面の状態が不安定となり、界面の剪断が促進され、結果として均質なトナー粒子を安定的に製造することが可能となる。
しかも各貫通孔14の中心間距離を長辺の3倍以上の間隔で配置することにより、造粒時にトナー粒子同士が凝集することを防止するので、トナーの粒度分布を狭くすることが可能である。
なお貫通孔14の断面形状が円形の場合、膜表面部に存在する分散相と連続相との界面の状態が安定し、界面の剪断が促進されにくく、製造されたトナー粒子サイズが大きくなる上に、粒度分布も広くなる。
【0049】
また貫通孔14を長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置することにより、即ち直交する格子の格子点の位置に貫通孔14を配置し、しかも短辺方向に配置された夫々の貫通孔14の中心の間隔を、長辺方向に配置された夫々の貫通孔14の中心の間隔のほぼ2倍に相当するように配置することにより、単位面積当たりの開口率が最大となるため、最も効率よく、小粒径で粒度分布が均一なトナー粒子を得ることが可能である。
【0050】
さらに中間プレート6の4つの頂点の中で、対角となる2つの頂点付近には一対の第1開口部11,11が夫々設けられており、一方の第1開口部11は分散相を供給するための供給口として用いられる。
【0051】
図4は本発明のトナー製造装置1が備える中間プレート6の貫通孔14を通過する粒子を模式的に示した斜視図である。
図4は図3の斜視図にて示した貫通孔14を分散相中の合成樹脂及び着色剤が通過してトナー粒子Tが形成される状況を模式的に示しており、図4に示した中間プレート6の下方が分散相、そして中間プレート6の上方が連続相となっている。
図4に示す様に本発明のトナー製造方法では、合成樹脂及び着色剤を含む分散相が、分散相及び連続相の界面となる多孔質シリコン膜である中間プレート6に設けられた貫通孔14を通って連続相中にトナー粒子Tとして分散する。
【0052】
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
図1乃至図4を用いて説明した本発明のトナー製造装置1を用いたトナー粒子を製造する工程として、第1リザーバ16内に、合成樹脂及び着色剤を調合した分散相を貯留し、第2リザーバ18内に連続相を貯留する。
そして第1ポンプP1を稼動させることにより、第1リザーバ16内に貯留された分散相を、第1配管15を介して第1室9へ液密に供給し、また第2リザーバ18内に貯留された連続相を、第2配管17を介して第2室9へ液密に供給する。
第1室9内に供給される分散相は、加圧手段として用いられる第1ポンプP1により1〜20kPa程度の所定の圧力で加圧されており、第2室10内に供給された連続相より高圧な状態となるため、分散相中に含まれる合成樹脂及び着色剤が、多孔質シリコン膜である中間プレート6に設けられた貫通孔14を通って連続相中にトナー粒子Tとして分散される造粒が行われる。
そして第3ポンプP3を稼動させることにより、造粒されたトナー粒子Tを含む連続相は第3配管19を介して第3リザーバ20へ回収される。
【0053】
連続相中におけるトナー粒子の造粒状況は、第1室9内の分散相の流速及び圧力並びに第2室10内の連続相の流速及び圧力を制御することにより、調整することが可能であり、トナー粒子Tの粒径は透明プレート5cを介して光学読取機構21により監視することが可能である。
即ち光学読取機構21によりトナー粒子Tの粒径を監視しながら第1室9内の分散相の流速及び圧力並びに第2室10内の連続相の流速及び圧力を制御することにより、造粒状況を調整し、所望の粒径及び粒度分布のトナー粒子Tを製造することが可能である。
【0054】
そして本発明のトナーの製造方法を用いて製造されたトナーは、一成分現像剤又はキャリアと混合した二成分現像剤として使用することが可能であり、二成分現像剤として使用する場合のキャリアとしては、鉄粉及びフェライト等の磁性粉体並びにガラスビーズ、更にはこれらの表面を樹脂で処理した材料を用いることが可能である。
【0055】
【実施例】
次に実施例として本発明のトナーの製造方法による実験例を説明する。
(実験例1)
ポリエステル樹脂(Mn=17,000)100重量部をトルエン400重量部に溶解し、カーボンブラック5重量部及びワックス2.5重量部を添加し、ボールミルに入れて3時間混合して分散させることにより分散相を調合する。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部とポリビニルアルコール5重量部を水500重量部に完全溶解して連続相を調合する。
調合した分散相200重量部を、多孔質シリコン膜(長径T1:0.8μm、膜面積:10mm四方、膜厚:100μm)に通し、12kPaの駆動圧力で連続相中に乳化分散する。
そして減圧蒸留により、塩化メチレンおよびn−ヘキサンを除去し、濾過水洗を行った後、乾燥することにより、体積平均粒子径4.1μm(変動係数:20)のトナー粒子Aが得られた。
さらに得られたトナー粒子Aと、平均粒子径60μmのフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が5重量%になるように調製し、2成分の現像剤を作製し、シャープ社製AR−C150を用いて、シャープ社製フルカラー専用紙(品番:PP106A4C)上にトナー付着量が0.8mg/cm2になるように調製して印字し、外部定着機を用いて定着し、画像サンプルS1を作製した。
【0056】
(実験例2)
実験例1において、長径T1:1.8μm、膜面積:10mm四方、及び膜厚:100μmの多孔質シリコン膜を使用する以外は、実験例1と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径5.6μm(変動係数:19)のトナー粒子Bが得られた。
そして得られたトナー粒子Bに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS2を作製した。
【0057】
(実験例3)
実験例1において、長径T1:2.7μm、膜面積:10mm四方、及び膜厚:100μmの多孔質シリコン膜を使用する以外は、実験例1と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径7.8μm(変動係数:17)トナー粒子Cが得られた。
そして得られたトナー粒子Cに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS3を作製した。
【0058】
(実験例4)
実験例1において、長径T1:0.5μm、膜面積:10mm四方、及び膜厚:100μmの多孔質シリコン膜を使用する以外は、実験例1と同様の操作を行い、体積平均粒子径2.5μm(変動係数:30)トナー粒子Dが得られた。
そして得られたトナー粒子Dに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS4を作製した。
【0059】
(実験例5)
実験例1において、長径T1:3.0μm、膜面積:10mm四方、及び膜厚:100μmの多孔質シリコン膜を使用する以外は、実験例1と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径12μm(変動係数:15)トナー粒子Eが得られた。
そして得られたトナー粒子Eに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS5を作製した。
【0060】
(実験例6)
実験例2において、カーボンブラックを3重量部添加する以外は、実験例2と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径6.0μm(変動係数:18)トナー粒子Fが得られた。
そして得られたトナー粒子Fに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS6を作製した。
【0061】
(実験例7)
実験例2において、カーボンブラックを22重量部添加する以外は、実験例2と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径6.5μm(変動係数:19)トナー粒子Gが得られた。
そして得られたトナー粒子Gに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS7を作製した。
【0062】
実験例1乃至7にて得られたトナー粒子A〜Gの特性を、夫々以下に示す方法を用いて評価する。
(評価1:トナー粒子径)
得られたトナー粒子の体積平均粒子径及び体積粒度分布の変動係数は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定する。
【0063】
(評価2:画像濃度)
作製した画像サンプルの画像濃度は、X−Rite938分光測色濃度計(日本平版機材株式会社)により測定し、画像濃度が1.4以上であれば、良好と判断する。
【0064】
(評価3:定着性)
所定濃度の定着画像に1kgの荷重をかけた消しゴムを3往復させる擦り試験において、擦る前と後との画像濃度変化を反射濃度計によって測定し、画像の残存率を求める。
そして濃度の違う7点からグラフを描かせ、最低残存率を評価する。
なお最低残存率が60%以上のものを合格(○)と判断する。
【0065】
評価1乃至3の評価方法により夫々のトナー粒子及び画像サンプルを○、△及び×の三段階で評価した結果を下記の表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1に示す様に本発明のトナーの製造方法にて製造したトナー粒子及び画像サンプルは、貫通孔の長径T1を0.8〜2.7μmとした場合に、体積平均粒子径が4〜8μmで変動係数が20以下となる好ましいトナー粒子を得ることができ、特に着色剤の濃度を4〜20重量%に調整することにより、良好な評価が示される。
【0068】
前記実施の形態では、多孔質シリコン膜に穿設する断面形状が長方形状である貫通孔を、直交する格子の格子点の位置に配置する形態を示したが、実施を行う上で好ましい形態を例示したものであり、本発明はこれに限らず、多孔質シリコン膜を介して分散相中の合成樹脂及び着色剤を連続相中に分散する形態で有れば、断面形状及び配置を任意の形態に設計することが可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係るトナーの製造方法、トナー製造装置及びトナーでは、断面形状の径及び位置の分布が均一な細孔である貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させることにより、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能であり、これにトナーの製造費用が高騰することを抑制し、高画質な画像を形成させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー製造装置を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明のトナー製造装置が備える中間プレートを示す平面図である。
【図3】本発明のトナー製造装置が備える中間プレートの一部を破断させた斜視図である。
【図4】本発明のトナー製造装置が備える中間プレートの貫通孔を通過する粒子を模式的に示した斜視図である。
【符号の説明】
1 トナー製造装置
6 中間プレート(多孔質シリコン膜)
9 第1室
10 第2室
14 貫通孔
T トナー粒子
【発明の属する技術分野】
本発明は合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法によるトナーの製造方法、その方法を適用したトナー製造装置、及びその方法にて製造されるトナーに関し、特に電子写真及び静電記録等の用途において静電荷像の現像に用いられるトナーを製造するトナーの製造方法、トナー製造装置及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真及び静電記録等の用途において静電荷像の現像に用いられるトナーは、熱可塑性樹脂と、着色剤及び帯電制御剤等の添加剤とを溶融混練し、粉砕した後に分級する粉砕法により製造されている。
しかしながらこの粉砕法による製造方法では、多大な設備費用を要し、また多くのエネルギを消費するため、トナーの製造費用の高騰の要因となっている。
特に近年は、画像の高画質化の要請から、粒度分布が狭く粒径の小さいトナーが要求されているが、粉砕時に多大なエネルギを消費する粉砕法では、粒度分布が狭く粒径の小さいトナーを効率的に製造することが困難であり、このような特性を有するトナーを製造するためには更なるコストの高騰を招くこととなる。
【0003】
これらの問題を解決する方法として、懸濁重合法及び乳化重合法等の重合法並びに乳化分散法及び転相乳化法等の液中乾燥法等の粉砕工程を伴わない湿式法が提案されており、湿式法により粉砕法による弊害の解消が見込まれている。
しかし従来の湿式法における造粒工程では撹拌による微粒子化が一般的に行われているが、撹拌による微粒子化では粒度分布の均一な粒子を得ることは極めて困難であるため、トナーの粒径を所望のサイズに制御することが容易ではない。
【0004】
このような問題に対して、熱可塑性樹脂を、ポリカーボネイト膜及びPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)膜等の有機多孔質膜並びに細孔を有する多孔質ガラスを通して液状分散媒体中に分散することとで造粒を行った後、懸濁重合法等の重合法により電子写真用トナーを製造する方法が提案されている。(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−95564号公報
【特許文献2】
特開平7−120974号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の方法にて使用されるポリカーボネイト膜及びPTFE膜等の有機多孔質膜並びに細孔を有する多孔質ガラスに形成されている細孔は、細孔径の分布が不均一であるため、膜を通った粒子の粒度分布が不均一となり、しかも細孔の位置の分布が不均一であるため、膜を通った粒子同士の凝集を招くことになり、トナーの粒度制御及び粒度分布の均一性は十分ではないという問題がある。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、径及び位置の分布が均一な細孔である貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させることにより、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能なトナーの製造方法、その方法を適用したトナー製造装置及びその方法にて製造されるトナーの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のトナーの製造方法は、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法によるトナーの製造方法において、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して連続相中に分散させることを特徴とする。
【0009】
本発明のトナーの製造方法では、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させることにより、多孔質シリコン膜は貫通孔径の分布を均一にすることが容易であるので、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能である。
【0010】
本発明のトナーの製造方法は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、断面形状が長方形状をなすことを特徴とする。
【0011】
本発明のトナーの製造方法では、断面形状が長方形状をなす貫通孔を有する多孔質シリコン膜を用いることにより、分散相及び連続相の界面となる多孔質シリコン膜の表面は、長方形状をなす断面形状により歪みを生じ、その歪みに起因して界面に対して直角で外側から内側方向の力の大きさに分布が生じるため、界面の状態が不安定となり、界面の剪断が促進され、結果として均質なトナー粒子を安定的に製造することが可能である。
なお貫通孔の断面形状が円形である場合、分散相及び連続相の界面となる多孔質シリコン膜の表面の状態が安定となり、界面の剪断が促進され難く、結果として製造されたトナー粒子サイズが大きくなる上に、粒度分布も広くなるという問題が生じる。
【0012】
本発明のトナーの製造方法は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、長辺が0.8〜2.7μmであり、各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上であることを特徴とする。
【0013】
本発明のトナーの製造方法では、多孔質シリコン膜が有する長方形状の貫通孔は、長辺が0.8〜2.7μmであり、各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上であることより、トナーの粒度分布を狭くすることが可能であり、また画質の高い画像を形成することができるトナーを製造することが可能である。
具体的には体積平均粒子径が4μm以下のトナー粒子では個々の粒子の帯電が不十分でトナー飛散及び画像かぶり等の画像不良を招くことになり、体積平均粒子径が8μmを超えるトナー粒子では形成される画像の層厚が大きくなり粒状感の高い画像を形成することとなる。
そして多孔質シリコン膜を用いて造粒を行った場合、得られるトナー粒子の体積平均粒子径は貫通孔の長径の3〜5倍の大きさとなるため、体積平均粒子径が4〜8μmのトナー粒子を得るためには貫通孔の長径を0.8〜2.7μmとすることが効果的である。
しかも各貫通孔の中心間距離を長辺の3倍以上とすることにより、造粒時におけるトナー粒子同士の凝集を防止することができるので、トナーの粒度分布を狭くことが可能となる。
【0014】
本発明のトナーの製造方法は、前記貫通孔は、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置され、短辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔のほぼ2倍に相当することを特徴とする。
【0015】
本発明のトナーの製造方法では、多孔質シリコン膜が有する長方形状の貫通孔を、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置し、しかも短辺方向に並ぶ夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に並ぶ夫々の貫通孔の中心の間隔の2倍に相当するように配置することにより、造粒時にトナー粒子同士の凝集を防止することができるので、トナーの粒度分布を狭くすることが可能である。
【0016】
本発明のトナー製造装置は、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法によりトナーを製造するトナー製造装置において、合成樹脂及び着色剤を含む分散相が供給される第1室と、連続相が供給される第2室と、前記第1室及び第2室の界面に配設された貫通孔を有する多孔質シリコン膜と、前記第1室に供給された分散相を加圧する加圧手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明のトナー製造装置では、第1室に供給された合成樹脂及び着色剤を含む分散相をポンプ等の加圧手段にて加圧することにより、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を通って、第2室に供給された連続相中に合成樹脂及び着色剤を分散させることが可能であり、第1室及び第2室の界面に配設された多孔質シリコン膜は貫通孔径の分布を均一にすることが容易であるので、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能である。
【0018】
本発明のトナー製造装置は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、ドライエッチング法にて形成したことを特徴とする。
【0019】
本発明のトナー製造装置では、ドライエッチング法にて形成した貫通孔を有する多孔質シリコン膜を用いることにより、ドライエッチング法は多孔質シリコン膜に対して直角をなす方向のみに貫通孔の加工を行うことができるので、精度の良い貫通孔の加工を実現し、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能である。
【0020】
本発明のトナー製造装置は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、断面形状が長方形状をなすことを特徴とする。
【0021】
本発明のトナー製造装置では、断面形状が長方形状をなす貫通孔を有する多孔質シリコン膜を用いることにより、分散相及び連続相の界面となる多孔質シリコン膜の表面は、長方形状をなす断面形状により歪みを生じ、その歪みに起因して界面に対して直角で外側から内側方向の力の大きさに分布が生じるため、界面の状態が不安定となり、界面の剪断が促進され、結果として均質なトナー粒子を安定的に製造することが可能である。
【0022】
本発明のトナー製造装置は、前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、長辺が0.8〜2.7μmであり、各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上であることを特徴とする。
【0023】
本発明のトナー製造装置では、多孔質シリコン膜が有する長方形状の貫通孔は、長辺が0.8〜2.7μmであり、各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上であることにより、トナーの粒度分布を狭くすることが可能であり、また画質の高い画像を形成することができるトナーを製造することが可能である。
【0024】
本発明のトナー製造装置は、前記貫通孔は、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置され、短辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔のほぼ2倍に相当することを特徴とする。
【0025】
本発明のトナー製造装置では、多孔質シリコン膜が有する長方形状の貫通孔を、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置し、しかも短辺方向に並ぶ夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に並ぶ夫々の貫通孔の中心の間隔のほぼ2倍に相当するように配置することにより、造粒時にトナー粒子同士の凝集を防止することができるので、トナーの粒度分布を狭くすることが可能である。
【0026】
本発明のトナーは、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法にて製造されるトナーにおいて、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して連続相中に分散させることにより製造されることを特徴とする。
【0027】
本発明のトナーでは、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させることにより、多孔質シリコン膜は貫通孔径の分布を均一にすることが容易であるので、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能である。
【0028】
本発明のトナーは、体積粒度分布の変動係数が20以下であることを特徴とする。
【0029】
本発明のトナーでは、多孔質シリコン膜を用いることで粒度分布を狭く制御することが可能であり、特に体積粒度分布の変動係数を20以下とすることにより、体積粒度分布が25程度である従来の湿式法にて製造したトナーと比較して、低付着量での高画質化及びトナー消費量の低減を実現することが可能である。
【0030】
本発明のトナーは、着色剤の濃度が4〜20重量%であることを特徴とする。
【0031】
本発明のトナーでは、着色剤の濃度を4〜20重量%となるように調整することにより、透明性、隠蔽性、色再現性及び定着性に優れた均一な高濃度画像を形成することが可能である。
具体的には着色剤の濃度が4重量%未満の場合には、透明性は良好であるが隠蔽性が不十分となり均一な高濃度画像を形成することができず、また20重量%を超えると合成樹脂成分の減少による定着強度の低下が顕著となるので、着色剤の濃度を4〜20重量%とすることにより高濃度画像を形成することが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
本発明のトナーは、熱可塑性樹脂等の合成樹脂及び顔料等の着色剤を主原料とし、懸濁重合法及び乳化重合法等の重合法並びに乳化分散法及び転相乳化法等の液中乾燥法等の粉砕工程を伴わない湿式法、具体的には合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して連続相中に分散させてトナー粒子を造粒することにより製造され、電子写真及び静電記録等の用途において静電荷像の現像に用いられる。
【0033】
先ず本発明のトナーの製造方法にて用いられる主原料について説明する。
本発明のトナーの製造方法にて用いられる合成樹脂の種類は、電子写真及び静電記録技術において用いられるトナー用の合成樹脂で有れば特に制限はない。
具体的には、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレンとポリビニルトルエンと等のスチレン及びそれらのスチレンの置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、及びスチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン変性レジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、並びにパラフィンワックス等の樹脂を単独又は2種以上の組み合わせとして使用することができる。
また前記合成樹脂は、ジビニルベンゼン等の公知の架橋剤によって部分架橋しているものでも、架橋していない線形の分子構造を持った合成樹脂でもよい。
【0034】
さらに原料として用いられる合成樹脂は、熱及び機械的圧力等の外部からのエネルギ付与によって重合反応が開始する分子構造を持つ合成樹脂でも良く、このような合成樹脂を用いた場合には、トナー粒子の造粒工程中又は造粒工程後に、熱及び機械的圧力等のエネルギを外部から付与することにより重合反応が進行し、熱的又は機械的に高強度のトナー粒子が製造される。
なお外部から付与するエネルギの量を制御することにより、熱的又は機械的に所望の特性を備えるトナー粒子が製造される。
【0035】
本発明のトナーの製造方法にて用いられる着色剤の種類は、電子写真及び静電記録技術において用いられるトナー用の着色剤で有れば特に制限はない。
具体的には、従来からモノクロ用として用いられているカーボンブラック及びニグロシン染料等の着色剤、更にはアゾ系染料、アントラキノン系染料、インジゴ染料、フタロシアニン系染料、及びキサンテン系染料等の染料、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、及び金属錯体系顔料等の有機系顔料、酸化チタン、カーボンブラック、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、及び酸化クロム、ベルリンブルー等の無機系顔料、並びにアルミニウム粉等の金属粉等の公知の染料及び顔料が本発明のトナーの主原料である着色剤として用いることができる。
【0036】
なおトナーに含まれる着色剤の濃度は4〜20重量%となるように調整することが望ましく、4〜20重量%となるように調整することにより、透明性、隠蔽性、色再現性及び定着性に優れた均一な高濃度画像を形成することが可能となる。
着色剤の濃度が4重量%未満の場合には、透明性は良好であるが隠蔽性が不十分となり均一な高濃度画像を形成することができず、また20重量%を超えると合成樹脂成分が減少し、十分な定着強度が得られず実使用に耐えないからである。
また合成樹脂及び着色剤等のトナー構成成分中には、その使用目的及び使用条件に応じて造粒工程前後に、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤、及び導電剤を混入しても良い。
【0037】
合成樹脂及び着色剤等のトナー構成成分を含む分散相を構成する液体としては、トナー構成成分を溶解する溶媒及びトナー構成成分を分散させる分散媒のいずれを用いてもよく、造粒後の粒子の形状又は構造に応じて選択すればよい。
分散相を構成する液体として用いられる溶媒は、合成樹脂及び着色剤等のトナー成分の組み合わせにも依存する場合もあるが、一般的には合成樹脂に対する依存性が強く、合成樹脂との相溶性を有するものを選択することが好ましい。
【0038】
例えば合成樹脂としてスチレン−アクリル樹脂を用いた場合には、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、及びトルエン等の溶媒を選択することが好ましく、合成樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合には、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、及びトルエン等の溶媒を選択すれば良い。
【0039】
また分散相を構成する液体として分散媒を用いる場合、合成樹脂及び着色剤等のトナー構成成分の粒子を安定して分散させるために分散安定剤を添加する様にしても良く、分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、及びメチルセルロース等のトナー構成成分を安定して分散媒中に分散させることが可能な薬剤が用いられる。
【0040】
なおトナー構成成分の量と溶媒又は分散媒の量との割合は任意に設定することが可能であるが、トナー構成成分の重量比の増加に伴い分散相の粘度は増大するので、多孔質シリコン膜の貫通孔を通過させることが困難となり、またトナー構成成分の重量比の減少に伴いトナー粒子の収率の低下による生産性の悪化を招くこととなる。
【0041】
これらの問題を解消するためには、トナー構成成分の量と、溶媒又は分散媒の量との割合は、溶媒又は分散媒100重量部に対して分散相中の固形分5〜70重量部、好ましくは30〜60重量部、更に好ましくは40〜50重量部とすることが適当である。
なおトナー構成成分を複数種類用い、溶媒又は分散媒を適宜選択することにより、多種類のトナー形状及び構造の組み合わせを実現することが可能である。
【0042】
多孔質シリコン膜の貫通孔を通過した分散相を分散させる連続相は、合成樹脂及び着色剤等のトナー成分の組み合わせに依存する場合もあるが、一般的には合成樹脂に対する依存性が強く、合成樹脂と非相溶性であるものを選択することが好ましい。
例えば水、メタノール及びエタノール等のアルコール類、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素類、並びにシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類等の薬剤を選択すれば良い。
【0043】
次に本発明のトナー製造装置について説明する。
図1は本発明のトナー製造装置を模式的に示す断面図である。
図1中1は本発明のトナー製造装置であり、トナー製造装置1は、外枠2及び外枠2に嵌挿する内枠3を備えており、外枠2及び内枠3にて、板状をなす第1プレート4及び第2プレート5並びに中間プレート6の縁部全体を挟持することにより、第1プレート4及び第2プレート5並びに中間プレート6が枠内にシールを介して挟着されている。
中間プレート6は、第1プレート4及び第2プレート5の間に配置されており、第1プレート4及び中間プレート6の間には第1環状スペーサ7が挟入されているため、第1プレート4及び中間プレート6の間には第1室9が形成され、中間プレート6及び第2プレート5の間には第2環状スペーサ8が挟入されているため、中間プレート6及び第2プレート5の間には第2室10が形成されている。
即ち中間プレート6は、第1室9及び第2室10の界面に配設されていることになる。
【0044】
第2プレート5、中間プレート6、第1環状スペーサ7及び第2環状スペーサ8の縁部付近には対応する位置に夫々一対の第1開口部11,11が設けられており、一方の第1開口部11は分散相を供給する供給口となっており、他方の第1開口部11には封止部材12により封止されているため、一方の第1開口部11から分散相を供給することにより、第1室9は分散相にて液封される。
第2プレート5、中間プレート6及び第2環状スペーサ8に設けられた第1開口部11,11の内側には、対応する位置に夫々一対の第2開口部13,13が設けられており、一方の第2開口部12は連続層を供給する供給口となっており、他方の第2開口部13は連続層を排出する排出口となっているため、一方の第2開口部13から連続層を供給することにより、第2室10は連続層にて液封され、更に他方の第2開口部13から排出される。
なお中間プレート6には、ドライエッチング法にて形成した細孔である貫通孔14が多数穿設されており、分散相中の合成樹脂及び着色剤が、貫通孔14を介して連続相中に分散される。
【0045】
分散相を供給する供給口となっている一方の第1開口部11には、第1ポンプP1を有する第1配管15の一端が液密に嵌挿されており、第1ポンプP1を稼動させることにより、第1配管15の他端に設けられた第1リザーバ16に貯留された分散相が一方の第1開口部11から第1室9へ液密に供給される。
連続相を供給する供給口となっている一方の第2開口部13には、第2ポンプP2を有する第2配管17の一端が液密に嵌挿されており、第2ポンプP2を稼動させることにより、第2配管17の他端に設けられた第2リザーバ18に貯留された連続相が一方の第2開口部13から第2室10へ液密に供給される。
連続相を排出させる排出口となっている他方の第2開口部13には、第3ポンプP3を有する第3配管19の一端が液密に嵌挿されており、第3ポンプP3を稼動させることにより、第3配管19の他端に設けられた第3リザーバ20へ連続相が回収される。
【0046】
第2プレート5は2枚の板材5a,5b重ねた形状であり、板材5a,5bの中央部は窓としての機能を有する開口部が設けられており、開口部に透明のガラス板又はプラスチック板を用いた透明プレート5cが板材5a,5bにシールを介して挟着されている。
そして透明プレート5cから第2室10の状況を撮影すべくCCDカメラ等の光学読取機構21が配設されており、光学読取機構21により第2室10内部の状況を外部から監視することができる。
【0047】
図2は本発明のトナー製造装置1が備える中間プレート6を示す平面図であり、図3は本発明のトナー製造装置1が備える中間プレート6の一部を破断させた斜視図である。
中間プレート6は、正方形状をなす多孔質シリコン膜であり、トナー製造装置1に組み込んだ場合に第2プレート5が有する透明プレート5cの位置に対応する中央部に、半導体集積回路の製造時に適用されるドライエッチング法にて形成した細孔である多数の貫通孔14が穿設されている。
貫通孔14の断面形状は、長辺が0.8〜2.7μmで短辺は長辺の1/2程度の長方形状をなしており、各貫通孔14の中心間距離は、長辺の3倍以上の間隔で配置されている。
図3は図2に示した中間プレート6を拡大した一部破断斜視図であり、図3ではT1として示した長辺が2μmであり、短辺が1μmの貫通孔14が形成された中間プレート6を例示している。
また貫通孔14は長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置され、短辺方向に配置された夫々の貫通孔14の中心の間隔は、長辺方向に配置された夫々の貫通孔14の中心の間隔のほぼ2倍に相当する。
【0048】
貫通孔14の断面形状を長方形状に形成することにより、膜表面部に存在する分散相と連続相との界面が断面形状により歪みを生じ、その歪みに起因して界面に対して直角で外側から内側方向の力の大きさに分布が生じるため、界面の状態が不安定となり、界面の剪断が促進され、結果として均質なトナー粒子を安定的に製造することが可能となる。
しかも各貫通孔14の中心間距離を長辺の3倍以上の間隔で配置することにより、造粒時にトナー粒子同士が凝集することを防止するので、トナーの粒度分布を狭くすることが可能である。
なお貫通孔14の断面形状が円形の場合、膜表面部に存在する分散相と連続相との界面の状態が安定し、界面の剪断が促進されにくく、製造されたトナー粒子サイズが大きくなる上に、粒度分布も広くなる。
【0049】
また貫通孔14を長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置することにより、即ち直交する格子の格子点の位置に貫通孔14を配置し、しかも短辺方向に配置された夫々の貫通孔14の中心の間隔を、長辺方向に配置された夫々の貫通孔14の中心の間隔のほぼ2倍に相当するように配置することにより、単位面積当たりの開口率が最大となるため、最も効率よく、小粒径で粒度分布が均一なトナー粒子を得ることが可能である。
【0050】
さらに中間プレート6の4つの頂点の中で、対角となる2つの頂点付近には一対の第1開口部11,11が夫々設けられており、一方の第1開口部11は分散相を供給するための供給口として用いられる。
【0051】
図4は本発明のトナー製造装置1が備える中間プレート6の貫通孔14を通過する粒子を模式的に示した斜視図である。
図4は図3の斜視図にて示した貫通孔14を分散相中の合成樹脂及び着色剤が通過してトナー粒子Tが形成される状況を模式的に示しており、図4に示した中間プレート6の下方が分散相、そして中間プレート6の上方が連続相となっている。
図4に示す様に本発明のトナー製造方法では、合成樹脂及び着色剤を含む分散相が、分散相及び連続相の界面となる多孔質シリコン膜である中間プレート6に設けられた貫通孔14を通って連続相中にトナー粒子Tとして分散する。
【0052】
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
図1乃至図4を用いて説明した本発明のトナー製造装置1を用いたトナー粒子を製造する工程として、第1リザーバ16内に、合成樹脂及び着色剤を調合した分散相を貯留し、第2リザーバ18内に連続相を貯留する。
そして第1ポンプP1を稼動させることにより、第1リザーバ16内に貯留された分散相を、第1配管15を介して第1室9へ液密に供給し、また第2リザーバ18内に貯留された連続相を、第2配管17を介して第2室9へ液密に供給する。
第1室9内に供給される分散相は、加圧手段として用いられる第1ポンプP1により1〜20kPa程度の所定の圧力で加圧されており、第2室10内に供給された連続相より高圧な状態となるため、分散相中に含まれる合成樹脂及び着色剤が、多孔質シリコン膜である中間プレート6に設けられた貫通孔14を通って連続相中にトナー粒子Tとして分散される造粒が行われる。
そして第3ポンプP3を稼動させることにより、造粒されたトナー粒子Tを含む連続相は第3配管19を介して第3リザーバ20へ回収される。
【0053】
連続相中におけるトナー粒子の造粒状況は、第1室9内の分散相の流速及び圧力並びに第2室10内の連続相の流速及び圧力を制御することにより、調整することが可能であり、トナー粒子Tの粒径は透明プレート5cを介して光学読取機構21により監視することが可能である。
即ち光学読取機構21によりトナー粒子Tの粒径を監視しながら第1室9内の分散相の流速及び圧力並びに第2室10内の連続相の流速及び圧力を制御することにより、造粒状況を調整し、所望の粒径及び粒度分布のトナー粒子Tを製造することが可能である。
【0054】
そして本発明のトナーの製造方法を用いて製造されたトナーは、一成分現像剤又はキャリアと混合した二成分現像剤として使用することが可能であり、二成分現像剤として使用する場合のキャリアとしては、鉄粉及びフェライト等の磁性粉体並びにガラスビーズ、更にはこれらの表面を樹脂で処理した材料を用いることが可能である。
【0055】
【実施例】
次に実施例として本発明のトナーの製造方法による実験例を説明する。
(実験例1)
ポリエステル樹脂(Mn=17,000)100重量部をトルエン400重量部に溶解し、カーボンブラック5重量部及びワックス2.5重量部を添加し、ボールミルに入れて3時間混合して分散させることにより分散相を調合する。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部とポリビニルアルコール5重量部を水500重量部に完全溶解して連続相を調合する。
調合した分散相200重量部を、多孔質シリコン膜(長径T1:0.8μm、膜面積:10mm四方、膜厚:100μm)に通し、12kPaの駆動圧力で連続相中に乳化分散する。
そして減圧蒸留により、塩化メチレンおよびn−ヘキサンを除去し、濾過水洗を行った後、乾燥することにより、体積平均粒子径4.1μm(変動係数:20)のトナー粒子Aが得られた。
さらに得られたトナー粒子Aと、平均粒子径60μmのフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が5重量%になるように調製し、2成分の現像剤を作製し、シャープ社製AR−C150を用いて、シャープ社製フルカラー専用紙(品番:PP106A4C)上にトナー付着量が0.8mg/cm2になるように調製して印字し、外部定着機を用いて定着し、画像サンプルS1を作製した。
【0056】
(実験例2)
実験例1において、長径T1:1.8μm、膜面積:10mm四方、及び膜厚:100μmの多孔質シリコン膜を使用する以外は、実験例1と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径5.6μm(変動係数:19)のトナー粒子Bが得られた。
そして得られたトナー粒子Bに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS2を作製した。
【0057】
(実験例3)
実験例1において、長径T1:2.7μm、膜面積:10mm四方、及び膜厚:100μmの多孔質シリコン膜を使用する以外は、実験例1と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径7.8μm(変動係数:17)トナー粒子Cが得られた。
そして得られたトナー粒子Cに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS3を作製した。
【0058】
(実験例4)
実験例1において、長径T1:0.5μm、膜面積:10mm四方、及び膜厚:100μmの多孔質シリコン膜を使用する以外は、実験例1と同様の操作を行い、体積平均粒子径2.5μm(変動係数:30)トナー粒子Dが得られた。
そして得られたトナー粒子Dに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS4を作製した。
【0059】
(実験例5)
実験例1において、長径T1:3.0μm、膜面積:10mm四方、及び膜厚:100μmの多孔質シリコン膜を使用する以外は、実験例1と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径12μm(変動係数:15)トナー粒子Eが得られた。
そして得られたトナー粒子Eに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS5を作製した。
【0060】
(実験例6)
実験例2において、カーボンブラックを3重量部添加する以外は、実験例2と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径6.0μm(変動係数:18)トナー粒子Fが得られた。
そして得られたトナー粒子Fに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS6を作製した。
【0061】
(実験例7)
実験例2において、カーボンブラックを22重量部添加する以外は、実験例2と同様の操作を行う。
これにより体積平均粒子径6.5μm(変動係数:19)トナー粒子Gが得られた。
そして得られたトナー粒子Gに対して、実験例1と同様の操作を行うことにより、画像サンプルS7を作製した。
【0062】
実験例1乃至7にて得られたトナー粒子A〜Gの特性を、夫々以下に示す方法を用いて評価する。
(評価1:トナー粒子径)
得られたトナー粒子の体積平均粒子径及び体積粒度分布の変動係数は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定する。
【0063】
(評価2:画像濃度)
作製した画像サンプルの画像濃度は、X−Rite938分光測色濃度計(日本平版機材株式会社)により測定し、画像濃度が1.4以上であれば、良好と判断する。
【0064】
(評価3:定着性)
所定濃度の定着画像に1kgの荷重をかけた消しゴムを3往復させる擦り試験において、擦る前と後との画像濃度変化を反射濃度計によって測定し、画像の残存率を求める。
そして濃度の違う7点からグラフを描かせ、最低残存率を評価する。
なお最低残存率が60%以上のものを合格(○)と判断する。
【0065】
評価1乃至3の評価方法により夫々のトナー粒子及び画像サンプルを○、△及び×の三段階で評価した結果を下記の表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1に示す様に本発明のトナーの製造方法にて製造したトナー粒子及び画像サンプルは、貫通孔の長径T1を0.8〜2.7μmとした場合に、体積平均粒子径が4〜8μmで変動係数が20以下となる好ましいトナー粒子を得ることができ、特に着色剤の濃度を4〜20重量%に調整することにより、良好な評価が示される。
【0068】
前記実施の形態では、多孔質シリコン膜に穿設する断面形状が長方形状である貫通孔を、直交する格子の格子点の位置に配置する形態を示したが、実施を行う上で好ましい形態を例示したものであり、本発明はこれに限らず、多孔質シリコン膜を介して分散相中の合成樹脂及び着色剤を連続相中に分散する形態で有れば、断面形状及び配置を任意の形態に設計することが可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係るトナーの製造方法、トナー製造装置及びトナーでは、断面形状の径及び位置の分布が均一な細孔である貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して、合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させることにより、トナーの粒径制御が容易で粒度分布が極めて狭い均一なトナーを製造することが可能であり、これにトナーの製造費用が高騰することを抑制し、高画質な画像を形成させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー製造装置を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明のトナー製造装置が備える中間プレートを示す平面図である。
【図3】本発明のトナー製造装置が備える中間プレートの一部を破断させた斜視図である。
【図4】本発明のトナー製造装置が備える中間プレートの貫通孔を通過する粒子を模式的に示した斜視図である。
【符号の説明】
1 トナー製造装置
6 中間プレート(多孔質シリコン膜)
9 第1室
10 第2室
14 貫通孔
T トナー粒子
Claims (12)
- 合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法によるトナーの製造方法において、
合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して連続相中に分散させることを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、断面形状が長方形状をなすことを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、
長辺が0.8〜2.7μmであり、
各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上である
ことを特徴とする請求項2に記載のトナーの製造方法。 - 前記貫通孔は、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置され、
短辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔のほぼ2倍に相当する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のトナーの製造方法。 - 合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法によりトナーを製造するトナー製造装置において、
合成樹脂及び着色剤を含む分散相が供給される第1室と、
連続相が供給される第2室と、
前記第1室及び第2室の界面に配設された貫通孔を有する多孔質シリコン膜と、
前記第1室に供給された分散相を加圧する加圧手段と
を備えることを特徴とするトナー製造装置。 - 前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、ドライエッチング法にて形成したことを特徴とする請求項5に記載のトナー製造装置。
- 前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、断面形状が長方形状をなすことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のトナー製造装置。
- 前記多孔質シリコン膜が有する貫通孔は、
長辺が0.8〜2.7μmであり、
各貫通孔の中心間距離は長辺の3倍以上である
ことを特徴とする請求項7に記載のトナー製造装置。 - 前記貫通孔は、長辺の方向及び短辺の方向に夫々等間隔に配置され、
短辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔は、長辺方向に配置された夫々の貫通孔の中心の間隔のほぼ2倍に相当する
ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のトナー製造装置。 - 合成樹脂及び着色剤を含む分散相を連続相中に分散させる湿式法にて製造されるトナーにおいて、
合成樹脂及び着色剤を含む分散相を、貫通孔を有する多孔質シリコン膜を介して連続相中に分散させることにより製造されることを特徴とするトナー。 - 体積粒度分布の変動係数が20以下であることを特徴とする請求項10に記載のトナー。
- 着色剤の濃度が4〜20重量%であることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のトナー。
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-
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