JP2008020578A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、画像形成装置、画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法、画像形成装置、画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な定着性と安定した粉体流動性とを両立させる。
【解決手段】結着樹脂及び離型剤を含有するトナー母粒子と、少なくとも1種以上の外添剤と、を含むトナー粒子は、XPSにより定量されるトナー母粒子表面の離型剤露出率が10〜40%の範囲であり、トナー母粒子表面のうち、離型剤部分および離型剤以外の部分における外添剤の存在率がそれぞれ下記の式で表わされる。外添剤は、好ましくは結着樹脂のガラス転移温度Tg±5(℃)の温度下でトナー母粒子に付着される。
【数1】
Figure 2008020578

【数2】
Figure 2008020578

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等に用いられる静電荷像現像用トナー及びその製造方法、画像形成装置、画像形成方法に関する。
電子写真プロセスとしては、例えば特公昭42−23910号公報等に記載されているように多数の方法が知られている。一般的には、光導電性物質を利用した感光体(潜像保持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像を、トナーを用いて現像しトナー画像を形成した後、感光体表面のトナー画像を、中間転写体を介して若しくは介さずに、用紙等の転写材表面に転写し、この転写画像を加熱、加圧若しくは加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を経て、定着画像が形成される。感光体表面に残ったトナーは、必要に応じて種々の方法によりクリーニングされ、再び上記の複数の工程に供される。
転写材表面に転写された転写画像を定着する定着技術としては、加熱ロール及び加圧ロールからなる一対のロール間に、トナー画像が転写された転写材(以下、適宜、紙又は用紙と称する場合がある。)を挿入し、定着する熱ロール方式(ロールニップ方式)の定着法が一般的である。かかる定着法は、他の定着法に比べ、高速で堅牢な定着像が得られ、エネルギー効率が高く、また溶剤等の揮発による環境への害が少ない。
さらに最近の複写機市場では、生産性の向上を目的として、コピースピードの高速化が図られているが、ロールニップ方式の定着装置を用いて、より高速に定着しようとした場合、トナーと紙に低速の場合と同じだけ熱エネルギーと圧力を与えなければならない。そのためには、ロール押圧接触部(以下、ニップとも称する。)の幅を定着速度に比例して広くする必要がある。ニップ幅を広くする方法としては、両ロール間の荷重を大きくする方法、又は弾性体の厚さを厚くする方法とロール径を大きくする方法がある。荷重を大きくする方法や弾性体の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になったり、定着むらや紙しわが発生したりといった原因になるため、荷重と弾性体厚みには自ずと限界がある。また、ロール径を大きくする方法は、上記のような品質上の問題点はないが、装置が大型になり、またロールを室温から定着可能温度まで上昇させるまでの時間(ウォームアップタイムと言う)が長くなってしまうという問題点を有する。
これらの問題点を解決し、より高速化に対応できるようにするため、例えば、特開昭61−132972号公報に記載されているようなエンドレスベルトを用いた方式(以下、これをベルトニップ方式ともいう。)が提案されている。ベルトニップ方式の定着装置は、複数の支持ロールに回転可能に張架されたエンドレスベルトと、該エンドレスベルトに接触してニップを形成する加熱定着ロールを備える。定着ロールとエンドレスベルトとのニップ間に、未定着トナー画像が形成された用紙が通過し、ニップ間に発生する圧力と熱エネルギーによって定着を行うものである。このような構成にすることにより、エンドレスベルトと加熱定着ロールとにより形成されるニップの幅は従来のロールニップ方式によるニップ幅よりも容易に大きくとることができるので高速化対応が可能となる。また、同じ定着速度で比較した場合には、ロールニップ方式の定着ロールよりも小型化が達成される。
上述したロールニップ方式やベルトニップ方式の定着法は、トナー画像とロール又はベルトが直接接触するために、定着時に、トナーの一部がロール又はベルトに付着する、いわゆるホットオフセットが発生しやすい。特に、定着装置の温度が高い場合、トナーの凝集力が低下して、ホットオフセットが発生しやすいという問題を有していた。
ホットオフセットの発生を防止するために、低分子量重合体と高分子量重合体をブレンドして、適当な分子量分布を持つ樹脂をトナーの結着樹脂として用いることが知られており(例えば、特許文献1)、また、架橋された樹脂を用いることも広く知られている(例えば、特開昭51−23354号公報)。しかしながら、これらの方法では、近年の要求を満たすだけ十分広い定着温度領域を得ることはできない。高分子量重合体や架橋重合体を多量に用いることにより、ホットオフセットは起こりにくくなるが、定着温度が上昇する。一方、定着温度を下げるために低分子量重合体の分子量を下げたり、低分子量重合体の量を多くしたりすると、ホットオフセットの発生する温度が低下する。
また、結着樹脂のガラス転移温度を下げることや、あるいは可塑剤を用いることによっても定着温度を下げることはできるが、トナーが保存時にあるいは現像機内で凝集固結する、いわゆるブロッキングといわれる現象が発生し易くなる。また、樹脂としてはポリエステル系樹脂が使われたりするが、ポリエステル系樹脂を含有するトナーは一般に温湿度の影響を受け易く、低湿時での帯電量過大、高湿時の帯電量不足といった問題が起こり、種々の環境においても安定した帯電量を有するカラートナーの開発が要求されている。
特開2002?148845号公報
上述したように、一般的に定着性能を保持するためには離型剤の添加や結着樹脂の改善などがなされるが、その一方で同時にトナーの帯電性や粉体流動性の悪化などを招く。そこで、帯電制御、粉体流動性を向上させるために外添剤としてシリカ微粉末などの無機粒子を添加させる場合が多い。これにより帯電的に安定かつ優れた粉体流動性を持ったトナーを得ることが出来る。しかしながら、定着時においてこれら外添剤が離型剤のしみ出しを立体的に阻害したり、トナー表面に存在する外添剤がフィラーの役割を果たし、離型剤の粘度が上がって離型効果が低下することで、ホットオフセットなどの定着障害が発生したり、加熱部材表面に外添剤が接触することによって摩耗、傷を生じ易くなるなどといった問題が生じるおそれがある。
本発明は、ホットオフセットなどの問題のない定着性と良好な粉体流動性とを両立させた、静電潜像用トナー及びその製造方法、画像形成方法、画像形成装置を提供するものである。
本発明の構成は以下のとおりである。
(1)結着樹脂及び離型剤を含有するトナー母粒子と、1種以上の外添剤と、を含み、X線光電子分光法(XPS)により定量されるトナー母粒子表面の離型剤露出率が10〜40%の範囲であり、前記トナー母粒子表面のうち、離型剤部分および離型剤以外の部分における前記外添剤の存在率がそれぞれ下記の式で表わされる、静電荷像現像用トナーである。
Figure 2008020578
Figure 2008020578
(2)ガラス転移温度Tgを有する結着樹脂と離型剤とを含有するトナー母粒子を形成する工程と、1種以上の外添剤をTg±5(℃)の温度下で付着させる工程と、を含み、X線光電子分光法(XPS)により定量されるトナー母粒子表面の離型剤露出率が10〜40%の範囲であり、前記トナー母粒子表面のうち、離型剤部分および離型剤以外の部分における前記外添剤の存在率がそれぞれ下記の式で表わされる、静電荷像現像用トナーの製造方法である。
Figure 2008020578
Figure 2008020578
(3)前記トナー母粒子に対し、前記結着樹脂のガラス転移温度Tg±5(℃)の温度下で前記外添剤を付着させてなる、上記(1)に記載の静電荷像現像用トナーである。
(4)下記の式で表されるカバレッジ式Faが20%以上である、上記(1)または(3)に記載の静電荷像現像用トナーである。
Figure 2008020578
(5)前記離型剤の融点が前記結着樹脂のガラス転移温度よりも少なくとも20℃以上高い、上記(1)、(3)または(4)のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーである。
(6)潜像保持体上に潜像を形成する手段と、前記潜像を現像剤保持体上の現像剤を用いて現像し、現像像を転写する手段と、転写像を定着する手段と、を含み、前記現像剤が上記(1)、(3)、(4)または(5)のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含有してなる、画像形成装置である。
(7)潜像保持体上に潜像を形成する工程と、前記潜像を現像剤保持体上の現像剤を用いて現像し、現像像を転写する工程と、転写像を定着する工程と、を含み、前記現像剤が上記(1)、(3)、(4)または(5)のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含有してなる、画像形成方法。
本発明によれば、良好な定着性と安定した粉体流動性とを両立させることが可能となる。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像する現像剤、さらにそのような現像剤を用いた画像形成方法として、以下のような静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略す場合がある)及び画像形成方法を用いることで、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記手段の作用効果について、簡単に説明すると以下のようになる。
定着工程において、トナーは加熱されることにより溶融し、紙へと定着される。その際、トナー中に含有されている離型剤が溶融することにより、定着部材との付着力を抑え、剥離するにいたる。この工程において、離型剤は十分にトナー表面へとしみ出すことが必要となってくる。効率よく離型剤がしみ出す方法として、離型剤がトナー表面に多く露出していることが考えられる。具体的にはトナー表面の離型剤露出率(表面露出量)が10〜40%の範囲であることが望ましい。トナー表面の離型剤露出率(表面露出量)が40%を超えるよう、あまりに多くの離型剤が露出していると、定着性能では優れた効果を発揮するが、トナー間の付着力が高まり、流動性の悪化や、キャリア、現像ロール、感光体などへのフィルミングの発生などが生じ得る。逆にトナー表面の離型剤露出率(表面露出量)が10%を下回るような、トナー表面の離型剤露出が少ない場合には、たとえ初期的には定着性能に影響がない状態でも、長期の維持性に難がある場合があるばかりでなく、さらに定着器が劣化した場合、高温側のオフセット、低温側の定着画像強度に悪影響を及ぼすおそれがある。
トナー表面の離型剤露出率(表面露出量)が10〜40%の範囲にするためには、例えば離型剤の表面露出率を0%付近になるようにトナー母粒子を作製し、後述するような比較的高温度での外添条件によって、離型剤成分の表面露出率を制御することができる。
表面露出量は例えば日本電子社製X線光電子分光測定機(XPS)などの測定機により、樹脂、顔料、離型剤に起因するピークを分離して定量することができる。
トナーの安定した帯電特性・粉体特性獲得のためには無機粒子のような外添剤が不可欠である。無機粒子としては一般に酸化チタンやアルミナ、シリカなどが多く使われ、トナー母粒子の表面上に付着した状態で存在するが、トナー母粒子の表面が軟らかいほど外添剤が強く付着し、硬いほど弱く付着する傾向にある。また、外添剤は、トナー母粒子の表面のうち、軟らかい部分から先に付着する傾向にある。
一般的に結着樹脂と離型剤では離型剤の方が軟らかい性質を持つので、トナー母粒子の表面上に結着樹脂と離型剤が存在した場合は、離型剤部分に多くの外添剤が強く付着した状態で存在することとなる。離型剤部分に付着した外添剤は、定着時に離型剤のしみ出しを立体的に阻害し、離型剤による十分な潤滑効果が得られず、結果的にホットオフセットなどの定着障害を引き起こす要因ともなり得る。
さらに、これらの外添剤が離型剤と混合した際に、外添剤がフィラー的な存在となり粘度が増加し、これにより定着障害を引き起こす場合もある。仮に外添量が少なく離型剤のしみ出し阻害がないとしても、例えば、キャリアなどのストレスを受けた劣化トナーの場合には、離型剤部分に存在する外添剤はトナー母粒子の内部に埋没しやすく、流動性の悪化や転写不良などをもたらす要因ともなり得る。
上記のように、定着には離型剤が必要であるが、その反面、トナーの流動性悪化をもたらすおそれがある。この流動性の改善として外添剤を添加する方法がとられるが、これら外添剤により離型剤のしみ出し阻害や粘度の上昇などの障害をもたらす。そこで、本発明ではトナー母粒子の表面において、離型剤部分の外添剤の占有面積率と離型剤部分以外の部分(以下、「離型剤以外の部分」とも称する)の外添剤の占有面積率を下記のように規定し、これを満たすトナーを作製することにより、定着性かつ粉体流動性に優れた静電荷像現像用トナーを実現するに至った。つまり、十分に離型剤しみ出し効果が発揮でき、かつ外添剤との増粘を避けるためには、離型剤部分での外添剤の占有面積率を少なくするのが好ましい。さらに離型剤部分以外に外添剤が存在することでトナーの流動性を獲得することが可能となった。
このような付着状態にする方法としては、比較的温度の高い状態で外添剤を混合することによって離型剤と樹脂との粘度差を低くする方法が好適である。すなわち、比較的高温で外添することにより、外添剤の離型剤への選択的な付着を制御するのと同時に、離型剤のトナー表面への適度な染み出しを制御する。そこで本発明の実施の形態では外添剤をブレンドする際に樹脂のガラス転移温度±5℃以内、他の実施の形態においては樹脂のガラス転移温度±3℃以内に保った温度下で離型剤および樹脂を含むトナー母粒子と、外添剤とをブレンドすることでこれを実現した。
さらに、(離型剤の融点)−(樹脂のガラス転移温度Tg)が20℃以上であることにより、表面における離型剤の含有率を適度な範囲で制御できる。これは樹脂のTg付近で外添するときに、離型剤の粘度が低い方が樹脂に優先的に付着することが出来るためであるのと、離型剤のトナー母粒子表面への染み出しに時間がかかるため、離型剤の過剰な表面露出率を制御できるためであると推定される。
具体的にはトナー母粒子の表面におけるそれぞれの単位面積あたりの外添剤占有面積率で規定することが可能である。このとき、下記に示す式のように、離型剤部分では外添剤占有面積率を15%以下、離型剤部分以外での外添剤占有面積率を20%以上100%以下にすることが望ましい。離型剤部分の外添剤占有面積率が15%より多いと、離型剤のしみ出しを立体的に阻害したり、離型剤粘度を増加させたりといった、定着不良の原因となり得る。さらに劣化トナーでの外添剤埋没促進による流動性の悪化などが発生するおそれがある。一方、離型剤部分以外での外添剤占有面積率が20%より少ないと、十分なトナー流動性を保つことが出来ないし、100%より多いとトナー母粒子の表面に付着していない、遊離外添剤などが離型剤部分へ付着することとなり、同様の定着不良を引き起こすおそれがあり、いずれも好ましくない。
Figure 2008020578
Figure 2008020578
ここで、トナー母粒子の表面における外添剤の占有面積率は、例えば、結晶化度の違いから四三酸化ルテニウム染色法により離型剤とそれ以外の部分とで材料間のコントラストを付けた後、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、その画像をルーゼックス画像解析装置に取り込み、離型剤部分の面積とそれ以外の部分の面積およびそれぞれに存在する外添剤の投影面積を求め、観察したトナーの平均値を算出し、それぞれの値から存在率を計算することが可能である。四三酸化ルテニウム染色法の、より具体的な方法としては以下の通りである。
<1>包埋
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(旭化成ケミカル社)7gと硬化剤であるZENAMID250(ヘンケルジャパン社)3gを静かに混合、調製した後、トナーを1g混合し放置し固化させ、切削用サンプルを作製した。
<2>切削
ダイヤモンドナイフ(型番Type Cryo DIATOME社製)を備え付けた切削装置LEICAウルトラミクロトーム(型番ULTRACUT UCT 日立ハイデクノロジーズ社製)を用いて、−100℃下にて包埋した切削用サンプルを切削し、観察用サンプルを作成した。
<3>染色
観察用サンプルを4酸化ルテニウム(添川理化学社製)雰囲気下であるデシケーター内に放置し、染色した(染色具合の判断は、同時に放置したテープの染色具合より判断した)。
<4>観察
染色した観察用サンプルより、走査型電子顕微鏡にて染色したトナーの断面図を観察した。
外添剤粒子をトナー母粒子にブレンドさせるには、例えば高速混合機によって行うことができる。具体的には、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等が挙げられる。しかし、トナー粒子表面に外添剤粒子を保持させる装置はこれらに限定されるものではない。一例としてヘンシェルミキサーを使用する場合は、撹拌羽根の形状、周速、混合時間等を適宜調整することにより、外添剤粒子を良好に付着させることができる。ここで、本発明においてはこれらブレンド装置の利用において恒温槽などを利用することによりブレンド槽内をトナー樹脂のガラス転移温度±5℃に保つことが好適である。
トナー母粒子に添加する外添剤としては無機粒子や樹脂粒子などを好適に使用することが可能である。無機粒子の例として、シリカやチタニア、酸化チタンなどを挙げることが可能であるがこれに限らない。また、樹脂粒子の例として、ポリメチルメタクリレート、フェノール樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、スチレン樹脂、スチレン-メチルメタクリレート樹脂などを挙げることが可能であるが外添可能な粒子であればこれに限らない。トナーの流動性確保のためには、次に示す外添剤のトナー母粒子に対する被覆率Faの値が20%以上となるように外添剤の添加量を規定することが必要である。外添剤が1種類の材料からなる場合には、Faは、Fa=(31/2×Dt×σt)/(2π×da×σa)として表すことが可能であり、式中、Dtはトナー母粒子の体積平均粒子径D50を、σtはトナー母粒子の比重を、daは外添剤の体積平均粒子径D50を、σaは外添剤の比重をそれぞれ表す。なお、外添剤が2種以上の場合の総被覆率は、それぞれの比重・粒径から求められる、それぞれの外添剤における被覆率の総和となる。なお、トナー母粒子の比重σtおよび外添剤の比重σaは、例えばJIS K0061−92に準拠して測定することが可能である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂及び離型剤を含有するトナー母粒子と、少なくとも1種以上の外添剤と、を含む。またトナー母粒子には、所望により着色剤、内添剤等が添加される。このトナーの体積平均粒子径d50は、一般に3μm〜10μm程度のものが好適に使用されるが、適用する現像装置や画像形成装置において使用可能なものであれば特に制限されない。
本発明のトナー母粒子に含まれる結着樹脂は特に制限されない。具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;さらにアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン系不飽和酸単量体;さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類単量体の単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、又は、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
これらの結着樹脂は、まず樹脂粒子分散液を作製した後に、トナー母粒子を作製することも可能である。このとき、付加重合系単量体の場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合を実施して樹脂粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に溶かし、イオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザなどの分散機により水系媒体中に粒子状に分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を得ることができる。
離型剤の具体例としては、例えば、各種エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらの離型剤は、水系媒体中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断付与能力を有するホモジナイザや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザ、ゴーリン社製)で粒子状に分散させ、体積平均粒子径(D50)が1μm以下、好ましくは100〜500nm程度の粒子の分散液を作製することができる。
なお、離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することが可能である。
なお、離型剤の融点は、組み合わせて使用される結着樹脂または結着樹脂粒子のガラス転移温度Tgよりも高いことが好ましく、Tgよりも少なくとも20℃高いことが離型剤部分での外添剤の占有面積率を少なくすることができるという観点で好ましい。
着色剤としては次のようなものを使用することができる。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG、等を挙げることができる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンB レーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等を挙げることができる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどを挙げることができる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を挙げることができる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等があげられる。
また、これらの着色剤は単独もしくは混合して使用されてよい。これらの着色剤は、例えば、回転せん断型ホモジナイザやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて着色剤粒子の分散液を調製することができる。また、これらの着色剤は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザによって水系に分散することもできる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。
着色剤は、トナー構成固体分総質量に対して、例えば2〜15質量%の範囲で添加することができる。黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、他の着色剤とは異なり、例えば12〜60質量%添加することができる。
着色剤の配合量は、定着時の発色性を確保するための必要量である。また、トナー中の着色剤粒子の中心径(メジアン径)は100〜330nmにすることにより、OHP透明性及び発色性を確保することができる。
なお、着色剤粒子の中心径(メジアン径)は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することが可能である。
また、磁性トナーとして用いる場合は、磁性粉を含有させても良い。具体的には、磁場中で磁化される物質を用いるが、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等の化合物が使用される。水相中でトナーを得るときには、磁性体の水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは予め磁性体の表面を改質し、例えば疎水化処理等を施しておくことが好ましい。
また、内添剤としてフェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用したり、帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することが出来るが、廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
(静電荷現像トナーの製造方法)
本発明の実施の形態に使用されるトナーにおいて、製造方法は公知のいかなる方法でも良く、例えば混練粉砕法、縣濁重合法、乳化重合凝集法、液中乾燥法、分散重合法などの公知の製造法が挙げられるが、これに限定されるものではない。また必要に応じて、球形化工程や分級工程などを好適に追加することもできるが、少なくとも、ガラス転移温度Tgを有する結着樹脂と離型剤とを含有するトナー母粒子を形成する工程と、少なくとも1種以上の外添剤をTg±5(℃)の温度下で付着させる工程と、を含むものである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
<結着樹脂粒子分散液(以下、結着樹脂分散液とも記す)(1)の調製>
スチレン 275部、アクリル酸n−ブチル 125部、アクリル酸 6部、ドデカンチオール 6部および四臭化炭素 4部(以上、和光純薬工業(株)製)を混合して溶解した重合性組成物を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)8部をイオン交換水550部に溶解した水溶液にフラスコ中で乳化分散し、20分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)5部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら、内容物が80℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ個数平均粒子径が105nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移温度を測定したところTgが44.3℃、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として測定したところ重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)が28,000の樹脂粒子が分散された結着樹脂分散液(1)が得られた。
<結着樹脂分散液(2)の調製>
スチレン 290部、アクリル酸n−ブチル 110部、アクリル酸 6部、ドデカンチオール 6部および四臭化炭素 4部(以上、和光純薬工業(株)製)を混合して溶解した重合性組成物を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解した水溶液にフラスコ中で乳化分散し、20分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら、内容物が80℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ個数平均粒子径が125nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移温度を測定したところTgが49℃、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として測定したところ重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)が32,500の樹脂粒子が分散された結着樹脂分散液(2)が得られた。
<結着樹脂分散液(3)の調製>
スチレン 305部、アクリル酸n−ブチル 95部、アクリル酸 6部、ドデカンチオール 6部および四臭化炭素 4部(以上、和光純薬工業(株)製)を混合して溶解した重合性組成物を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)12部をイオン交換水550部に溶解した水溶液にフラスコ中で乳化分散し、20分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)3部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら、内容物が80℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ個数平均粒子径が150nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移温度を測定したところTgが53℃、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として測定したところ重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)が33,500の樹脂粒子が分散された結着樹脂分散液(3)が得られた。
<結着樹脂分散液(4)の調製>
スチレン 328部、アクリル酸n−ブチル 72部、アクリル酸 6部、ドデカンチオール 6部および四臭化炭素 4部(以上、和光純薬工業(株)製)を混合して溶解した重合性組成物を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)12部をイオン交換水550gに溶解した水溶液にフラスコ中で乳化分散し、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)3部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ個数平均粒子径が178nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移温度を測定したところTgが58.2℃、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として測定したところ重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)が35,000の樹脂粒子が分散された結着樹脂分散液(4)が得られた。
<結着樹脂分散液(5)の調製>
スチレン 340部、アクリル酸n−ブチル 60部、アクリル酸 6部、ドデカンチオール 6部および四臭化炭素 4部(以上、和光純薬工業(株)製)を混合して溶解した重合性組成物を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)12部をイオン交換水550gに溶解した水溶液にフラスコ中で乳化分散し、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)3部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ個数平均粒子径が215nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移温度を測定したところTgが64.8℃、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として測定したところ重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)が49,000の樹脂粒子が分散された結着樹脂分散液(5)が得られた。
<結着樹脂分散液(6)の調製>
スチレン 360部、アクリル酸n−ブチル 40部、アクリル酸 6部、ドデカンチオール 6部および四臭化炭素 4部(以上、和光純薬工業(株)製)を混合して溶解した重合性組成物を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)12部をイオン交換水550gに溶解した水溶液にフラスコ中で乳化分散し、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)3部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ個数平均粒子径が230nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移温度を測定したところTgが71.2℃、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として測定したところ重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)が51,000の樹脂粒子が分散された結着樹脂分散液(6)が得られた。
得られた結着樹脂分散液(1)〜(6)において、樹脂粒子のガラス転移温度Tgおよび体積平均粒子径D50について表1に示す。
Figure 2008020578
<着色剤粒子分散液(以下、着色剤分散液とも記す)の調製>
カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 50部、ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製) 5部およびイオン交換水 200部を混合して、溶解、ホモジナイザ(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径D50が200nmである着色剤(ブラック顔料)粒子が分散された着色剤分散液を調製した。
<離型剤粒子分散液(以下、離型剤分散液とも記す)(1)の調製>
脂肪酸エステル系(ユニスターH−476D、日本油脂株式会社製、融点:53℃) 80部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK) 1.0部およびイオン交換水 120部を、95℃に溶解させた後、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザ(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒子径D50が180nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(1)を調製した。
<離型剤分散液(2)の調製>
エステルワックス(EW−440A:理研ビタミン(株)製、融点:60℃) 80部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK) 1.0部およびイオン交換水 120部を、95℃に溶解させた後、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザ(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒子径D50が180nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(2)を調製した。
<離型剤分散液(3)の調製>
パラフィンワックス(HNP−12:日本精蝋株式会社製、融点:67℃) 80部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK) 1.0部およびイオン交換水 120部を、95℃に溶解させた後、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザ(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒子径D50が180nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(3)を調製した。
<離型剤分散液(4)の調製>
ポリワックス725(東洋ペトロライト株式会社製、融点:103℃) 80部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK) 1.0部およびイオン交換水 120部を、115℃に溶解させた後、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザ(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒子径D50が180nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(4)を調製した。
<離型剤分散液(5)の調製>
ポリエチレンワックスPE130(三井化学株式会社製、融点:128℃) 80部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK) 1.0部およびイオン交換水 120部を、145℃に溶解させた後、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザ(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒子径D50が180nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(5)を調製した。
得られた離型剤分散液(1)〜(5)において、離型剤の融点および体積平均粒子径D50について表2に示す。
Figure 2008020578
<トナー母粒子(1)の調製>
結着樹脂分散液(2) 180部、着色剤分散液 250部、離型剤分散液(4) 50部およびカチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製) 1.5部を、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら、60℃まで300分間かけて昇温させた。60℃において結着樹脂分散液(2)を50部加え15分放置した後に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製)3部を追加し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら95℃まで加熱し、95℃で5時間保持した。冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、トナー母粒子(1)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ5.8μmであった。
<トナー母粒子(2)の調製>
トナー母粒子(1)の調製において、結着樹脂分散液(2)の代わりに結着樹脂分散液(3)を用いた以外は、トナー母粒子(1)の調製と同様にして、トナー母粒子(2)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ6.0μmであった。
<トナー母粒子(3)の調製>
トナー母粒子(1)の調製において、結着樹脂分散液(2)の代わりに結着樹脂分散液(4)を用いた以外は、トナー母粒子(1)の調製と同様にして、トナー母粒子(3)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ6.4μmであった。
<トナー母粒子(4)の調製>
トナー母粒子(1)の調製において、結着樹脂分散液(2)の代わりに結着樹脂分散液(5)を用いた以外は、トナー母粒子(1)の調製と同様にして、トナー母粒子(4)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ6.8μmであった。
<トナー母粒子(5)の調製>
トナー母粒子(1)の調製において、結着樹脂分散液(2)の代わりに結着樹脂分散液(1)を用いた以外は、トナー母粒子(1)の調製と同様にして、トナー母粒子(5)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ5.2μmであった。
<トナー母粒子(6)の調製>
トナー母粒子(1)の調製において、結着樹脂分散液(2)の代わりに結着樹脂分散液(6)を用いた以外は、トナー母粒子(1)の調製と同様にして、トナー母粒子(6)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ7.0μmであった。
<トナー母粒子(7)の調製>
トナー母粒子(3)の調製において、離型剤分散液(4)の代わりに離型剤分散液(3)を用いた以外は、トナー母粒子(3)の調製と同様にして、トナー母粒子(7)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ6.4μmであった。
<トナー母粒子(8)の調製>
トナー母粒子(3)の調製において、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)により混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら、60℃まで100分間かけて昇温させた以外は、トナー母粒子(3)の調製と同様にして、トナー母粒子(8)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ2.5μmであった。
<トナー母粒子(9)の調製>
トナー母粒子(3)の調製において、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)により混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら、60℃まで400分間かけて昇温させた以外は、トナー母粒子(3)の調製と同様にして、トナー母粒子(9)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ12.5μmであった。
<トナー母粒子(10)の調製>
トナー母粒子(3)の調製において、離型剤分散液(4)を20部として用いた以外は、トナー母粒子(3)の調製と同様にして、トナー母粒子(10)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ12.5μmであった。
<トナー母粒子(11)の調製>
トナー母粒子(3)の調製において、離型剤分散液(4)を62部として用いた以外は、トナー母粒子(3)の調製と同様にして、トナー母粒子(11)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ8.0μmであった。
<トナー母粒子(12)の調製>
トナー母粒子(1)の調製において、離型剤分散液(4)の代わりに離型剤分散液(2)を用いた以外は、トナー母粒子(1)の調製と同様にして、トナー母粒子(12)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ5.8μmであった。
<トナー母粒子(13)の調製>
トナー母粒子(1)の調製において、離型剤分散液(4)の代わりに離型剤分散液(5)を用いた以外は、トナー母粒子(1)の調製と同様にして、トナー母粒子(13)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ5.8μmであった。
<トナー母粒子(14)の調製>
トナー母粒子(5)の調製において、離型剤分散液(4)の代わりに離型剤分散液(1)を用いた以外は、トナー母粒子(5)の調製と同様にして、トナー母粒子(14)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ5.2μmであった。
<トナー母粒子(15)の調製>
トナー母粒子(14)の調製において、結着樹脂分散液(1)の代わりに結着樹脂分散液(2)を用いた以外は、トナー母粒子(14)の調製と同様にして、トナー母粒子(15)を得た。
このトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TAII)を用いて測定したところ5.2μmであった。
得られたトナー母粒子(1)〜(15)において、使用した樹脂分散液および離型剤分散液の組み合わせと、離型剤の融点と樹脂のTgとの差、さらに体積平均粒子径D50について表3に示す。
Figure 2008020578
<トナー粒子(1)の調製>
トナー母粒子(1)100部に、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径40nm、シリコーンオイル処理、以下同様)1.5部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度54℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(1)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は30%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は13%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は47%であった。
<トナー粒子(2)の調製>
トナー母粒子(2)100部に、シリカ1.45部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度48℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(2)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は14%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は8%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は51%であった。
<トナー粒子(3)の調製>
トナー母粒子(3)100部に、シリカ1.36部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度59℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(3)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は22%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は10%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は50%であった。
<トナー粒子(4)の調製>
トナー母粒子(4)100部に、シリカ1.28部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度66℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(4)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は30%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は12%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は47%であった。
<トナー粒子(5)の調製>
トナー母粒子(3)100部に、シリカ2.27部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度59℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(5)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは50%、XPSによる離型剤露出率は20%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は11%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は50%であった。
<トナー粒子(6)の調製>
トナー粒子(3)の調製において、シリカを0.91部として用いた以外は、トナー粒子(3)の調製と同様にして、トナー粒子(6)を得た。
このトナーの外添剤カバレッジFaは20%、XPSによる離型剤露出率は24%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は8%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は22%であった。
<トナー粒子(7)の調製>
トナー粒子(5)の調製において、ブレンド槽内温度を58℃とした以外は、トナー粒子(5)の調製と同様にして、トナー粒子(7)を得た。
このトナーの外添剤カバレッジFaは50%、XPSによる離型剤露出率は20%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は10%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は95%であった。
<トナー粒子(8)の調製>
トナー粒子(3)の調製において、ブレンド槽内温度を61.2℃とした以外は、トナー粒子(3)の調製と同様にして、トナー粒子(8)を得た。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は25%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は12%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は50%であった。
<トナー粒子(9)の調製>
トナー粒子(3)の調製において、ブレンド槽内温度を55.2℃とした以外は、トナー粒子(3)の調製と同様にして、トナー粒子(9)を得た。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は20%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は10%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は53%であった。
<トナー粒子(10)の調製>
トナー粒子(3)の調製において、シリカを0.45部として用いた以外は、トナー粒子(3)の調製と同様にして、トナー粒子(10)を得た。
このトナーの外添剤カバレッジFaは10%、XPSによる離型剤露出率は22%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は8%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は20%であった。
<トナー粒子(11)の調製>
トナー粒子(3)の調製において、シリカを5.44部として用いた以外は、トナー粒子(3)の調製と同様にして、トナー粒子(11)を得た。
このトナーの外添剤カバレッジFaは120%、XPSによる離型剤露出率は22%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は13%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は80%であった。
<トナー粒子(12)の調製>
トナー母粒子(7)100部に、シリカ1.36部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度57.2℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(12)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は38%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は13%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は20%であった。
<トナー粒子(13)の調製>
トナー粒子(3)の調製において、トナー母粒子(3)の代わりにトナー母粒子(10)を用いた以外は、トナー粒子(3)の調製と同様にして、トナー粒子(13)を得た。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は11%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は7%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は53%であった。
<トナー粒子(14)の調製>
トナー粒子(3)の調製において、トナー母粒子(3)の代わりにトナー母粒子(11)を用いた以外は、トナー粒子(3)の調製と同様にして、トナー粒子(14)を得た。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は38%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は13%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は41%であった。
<トナー粒子(15)の調製>
トナー母粒子(5)100部に、シリカ1.67部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度36.3℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(15)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は12%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は11%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は49%であった。
<トナー粒子(16)の調製>
トナー母粒子(6)100部に、シリカ1.24部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度71.2℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(16)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は30%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は14%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は48%であった。
<トナー粒子(17)の調製>
トナー母粒子(8)100部に、シリカ3.48部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度59℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(17)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は20%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は12%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は49%であった。
<トナー粒子(18)の調製>
トナー母粒子(9)100部に、シリカ0.7部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度59℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(18)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は25%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は10%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は50%であった。
<トナー粒子(19)の調製>
トナー母粒子(12)100部に、シリカ1.5部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度60℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(19)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は41%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は30%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は20%であった。
<トナー粒子(20)の調製>
トナー母粒子(13)100部に、シリカ1.25部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度69℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(20)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは25%、XPSによる離型剤露出率は30%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は10%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は8%であった。
<トナー粒子(21)の調製>
トナー母粒子(13)100部に、シリカ2.5部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度48℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(21)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは50%、XPSによる離型剤露出率は8%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は42%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は25%であった。
<トナー粒子(22)の調製>
トナー母粒子(12)100部に、シリカ2.27部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度49℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(22)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは50%、XPSによる離型剤露出率は23%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は30%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は25%であった。
<トナー粒子(23)の調製>
トナー母粒子(13)100部に、シリカ2.27部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度33℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(23)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは50%、XPSによる離型剤露出率は3%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は33%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は55%であった。
<トナー粒子(24)の調製>
トナー母粒子(14)100部に、シリカ1.67部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度45.3℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(24)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は35%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は14%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は45%であった。
<トナー粒子(25)の調製>
トナー母粒子(15)100部に、シリカ1.67部を、5リットルヘンシェルミキサーを用いブレンド槽内温度50℃、周速30m/sで、15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子(25)を作製した。
このトナーの外添剤カバレッジFaは30%、XPSによる離型剤露出率は30%、画像解析におけるトナー母粒子表面の離型剤部分における外添剤存在率(A)は14%、離型剤以外の部分における外添剤存在率(B)は42%であった。
このようにして得られたトナー粒子(1)〜(25)について、表4にまとめた。
Figure 2008020578
<キャリア粒子の調製>
トルエン(和光純薬社製、特級)17部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(三菱レイヨン社製、成分比:40/60、Mw、80000)3部、及びカーボンブラック(R330:キャボット社製)0.2部を混合し、10分間スターラーで撹拌させて、カーボンブラックが分散した被覆層形成用溶液を調製した。次に、この被覆液とフェライト粒子(体積平均粒径:45μm)100部とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを作製した。このキャリアは、1000V/cmの電界印加時の体積固有抵抗値が1014Ωcmであった。
<現像剤(1)〜(25)の調製>
トナー粒子(1)6部とキャリア粒子100部をV−ブレンダーにより40rpmで20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより電子写真用現像剤(以下、現像剤とも称する)(1)を作製した。また、トナー粒子(1)をトナー粒子(2)〜(25)に替えることにより、現像剤(1)と同様にして現像剤(2)〜(25)をそれぞれ調製した。
[実施例1]
<トナー粉体特性の評価>
表5に示すような環境下において予め保存しておいたトナー粒子(1)2gを目開き75μmの篩にのせ、振幅1mmで90秒間振動させて、篩上に残る粉体の量に基づいて判断した。
Figure 2008020578
結果を表6に示す。なお、粉体特性についての具体的な評価基準は、以下の通りである。◎:篩上にトナーがほとんど残らず、優れている(残量1%未満)、○:篩上にトナーがあまり残らず、実使用において問題なし(残量1〜5%未満)、△:篩上にトナーが残り、実使用においてやや問題あり(残量5〜20%未満)、×:篩上にかなりのトナーが残り、実使用において重大な問題があり、不適(残量20%以上)。
<ホットオフセット性の評価>
現像剤(1)を使用して、あらかじめ定着装置のみを取り外した市販の電子写真複写機(A−COLOR630、富士ゼロックス社製)により出力操作を行い、未定着画像を得た。本未定着画像は、2cm×2cmの正方形の画像にトナーの載り量が4.5g/mとなるように現像トナー量を調整した。次いで、シリコーンゴム層をフッ素樹脂(PFA)で被覆した加熱ローラーおよび表面層がシリコーンゴムで形成される加圧ローラーからなる外部定着機を用いて、定着温度を180℃〜230℃の間で段階的に上昇させながらホットオフセット発生温度を測定し、オフセット性を評価した。具体的には、5℃ごとに上昇させる各温度で未定着画像を定着装置に通した直後、画像が形成されていない白紙を1枚通したときのトナー残像の有無をホットオフセット発生の指標とした。結果を表6に示す。なお、表6中のホットオフセット発生温度の欄において、「>230℃」と記載したものは、本評価試験における温度領域において、ホットオフセットが発生しなかったことを示す。
[実施例2]
実施例1におけるトナー粒子(1)および、トナー粒子(1)とキャリア粒子を用いて作製された現像剤(1)に代えて、トナー粒子(2)および現像剤(2)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例3]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(3)および現像剤(3)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例4]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(4)および現像剤(4)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例5]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(5)および現像剤(5)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例6]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(6)および現像剤(6)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例7]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(7)および現像剤(7)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例8]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(8)および現像剤(8)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例9]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(9)および現像剤(9)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例10]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(10)および現像剤(10)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例11]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(11)および現像剤(11)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例12]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(12)および現像剤(12)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例13]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(13)および現像剤(13)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例14]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(14)および現像剤(14)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例15]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(15)および現像剤(15)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例16]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(16)および現像剤(16)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例17]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(17)および現像剤(17)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例18]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(18)および現像剤(18)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例19]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(24)および現像剤(24)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[実施例20]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(25)および現像剤(25)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[比較例1]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(19)および現像剤(19)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[比較例2]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(20)および現像剤(20)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[比較例3]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(21)および現像剤(21)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[比較例4]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(22)および現像剤(22)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
[比較例5]
実施例1におけるトナー粒子(1)および現像剤(1)に代えて、トナー粒子(23)および現像剤(23)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に各評価試験を実施した。表6に結果を示す。
Figure 2008020578
本発明は、例えば電子写真法、静電記録法等を使用した現像装置、画像形成装置において好適に利用することが可能である。

Claims (7)

  1. 結着樹脂及び離型剤を含有するトナー母粒子と、
    1種以上の外添剤と、
    を含み、
    X線光電子分光法(XPS)により定量されるトナー母粒子表面の離型剤露出率が10〜40%の範囲であり、
    前記トナー母粒子表面のうち、離型剤部分および離型剤以外の部分における前記外添剤の存在率がそれぞれ下記の式で表わされることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    Figure 2008020578
    Figure 2008020578
  2. ガラス転移温度Tgを有する結着樹脂と離型剤とを含有するトナー母粒子を形成する工程と、
    1種以上の外添剤をTg±5(℃)の温度下で付着させる工程と、
    を含み、
    X線光電子分光法(XPS)により定量されるトナー母粒子表面の離型剤露出率が10〜40%の範囲であり、
    前記トナー母粒子表面のうち、離型剤部分および離型剤以外の部分における前記外添剤の存在率がそれぞれ下記の式で表わされることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
    Figure 2008020578
    Figure 2008020578
  3. 前記トナー母粒子に対し、前記結着樹脂のガラス転移温度Tg±5(℃)の温度下で前記外添剤を付着させてなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 下記の式で表されるカバレッジ式Faが20%以上であることを特徴とする請求項1または3に記載の静電荷像現像用トナー。
    Figure 2008020578
  5. 前記離型剤の融点が前記結着樹脂のガラス転移温度よりも少なくとも20℃以上高いことを特徴とする請求項1、3または4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 潜像保持体上に潜像を形成する手段と、
    前記潜像を現像剤保持体上の現像剤を用いて現像し、現像像を転写する手段と、
    転写像を定着する手段と、
    を含み、
    前記現像剤が請求項1、3、4または5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含有してなることを特徴とする画像形成装置。
  7. 潜像保持体上に潜像を形成する工程と、
    前記潜像を現像剤保持体上の現像剤を用いて現像し、現像像を転写する工程と、
    転写像を定着する工程と、
    を含み、
    前記現像剤が請求項1、3、4または5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含有してなることを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US11531283B2 (en) * 2021-05-24 2022-12-20 Fujifilm Business Innovation Corp. White toner for electrostatic image development, electrostatic image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, image forming method, toner set for electrostatic image development, and electrostatic image developer set

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