JP4343754B2 - トナー - Google Patents
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Description
濁造粒してトナー粒子を作製する溶解懸濁法の場合には、高分子量成分として分子量数十万から数百万の高分子ポリマーを添加すると組成物の粘度が上がり過ぎ粒度分布がブロードとなり易い。また、懸濁重合法においては、架橋性単量体の重合反応により高分子量成分を生成させるのではなく、単量体中に高分子ポリマーをあらかじめ添加しておくことが考えられるが、耐オフセット性に効果がある高分子ポリマーの分子量は数十万〜数百万であり、これらを単量体中に必要量添加し溶解してしまうと、溶解懸濁法と同様、単量体組成物の粘度が上がりすぎ、粒度分布がブロードとなってしまう不具合が生じる。そこで、単量体組成物の粘度に影響の少ない高分子ポリマーを添加する検討を行ったところ、有機液体と該有機液体に不溶な樹脂粒子を少なくとも含む組成物をトナーの製造で用いることで、低温定着性・透明性・高光沢性と耐オフセット性を両立するトナーが得られることがわかった。
(1)着色剤と結着樹脂とを少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記トナー粒子は、重合性単量体を含有する有機液体、該有機液体に不溶な樹脂粒子及び着色剤を少なくとも含有する組成物を水性媒体中で分散造粒し、前記重合体単量体を重合する懸濁重合工程を経て製造されたものであり、
前記樹脂粒子が、個数平均粒径10〜300nmであって、疎水化されたものであり、
前記トナー粒子は120℃における溶融粘度が104Pa・s以下であり、動的粘弾性測定から得られる損失正接tanδが少なくとも100〜140℃に極大値を有し、tanδ(100℃)≧1.0かつtanδ(140℃)≧1.0であり、
前記トナー粒子中に前記樹脂粒子が分散されていることを特徴とするトナー。
(2)前記トナーは平均円形度が0.960以上であることを特徴とする(1)に記載のトナー。
(3)前記樹脂粒子のトナー粒子中の含有指数が30〜60であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナー。
(4)前記樹脂粒子は架橋樹脂粒子であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のトナー。
(5)重合性単量体を含有する有機液体、該有機液体に不溶な樹脂粒子及び着色剤を少なくとも含有する組成物を水性媒体中で分散造粒し、前記重合性単量体を重合する懸濁重合工程を経てトナー粒子を得るトナーの製造方法であって、
前記樹脂粒子が、個数平均粒径10〜300nmであって、疎水化されたものであり、
前記トナー粒子は120℃における溶融粘度が10 4 Pa・s以下であり、動的粘弾性測定から得られる損失正接tanδが少なくとも100〜140℃に極大値を有し、tanδ(100℃)≧1.0かつtanδ(140℃)≧1.0であり、
前記トナー粒子中に前記樹脂粒子が分散されていることを特徴とするトナーの製造方法。
より詳しくは、トナー粒子中の結着樹脂中に熱溶融特性の異なる樹脂粒子を均一分散内包化させることにより、上記物性を示すトナー粒子が得られる。樹脂粒子をトナー粒子に均一分散内包化させるためには、トナー粒子を製造する際の原料組成物として、有機液体、該有機液体に不溶な樹脂粒子、該樹脂粒子以外の結着樹脂又はそれらを構成する重合性単量体等を用い、水性媒体中で懸濁造粒し、有機液体を除去するか又は重合させてトナー粒子を製造することにより達成できる。
機液体として有機溶媒を用い、樹脂粒子、結着樹脂、着色剤等のその他のトナー粒子原料を含有した組成物を水性媒体中で懸濁し、分散造粒する溶融懸濁法における懸濁工程;(2)有機液体として重合性単量体(場合によっては有機溶媒を含む)を用い、樹脂粒子、着
色剤等のその多のトナー粒子原料を含有した組成物を水性媒体中で分散造粒して懸濁重合する懸濁重合法における懸濁工程が挙げられる。
トナー粒子の製造において、組成物に含有される樹脂粒子が有機液体に不溶であることにより前記組成物の粘度を低く抑えることができ、粒径が細かく分布がシャープなトナー粒子の製造が可能となる。
上述の範囲の含有指数となるように樹脂粒子をトナー中に添加することにより上述の溶融特性を達成しうる。トナー製造時に添加する樹脂粒子の量としては重合性単量体の総量100部に対して3〜30部であることで前記含有指数をコントロールできる。
(1)有機液体として有機溶媒を用い、樹脂粒子、結着樹脂、着色剤等のその他のトナー
粒子原料を含有した組成物を水性媒体中で懸濁し、分散造粒する溶融懸濁法により;又は(2)有機液体として結着樹脂を構成する重合性単量体(場合によっては有機溶媒を含む)
を用い、樹脂粒子、着色剤等のその他のトナー粒子原料を含有した組成物を水性媒体中で分散造粒して懸濁重合する懸濁重合法によりトナー粒子を得る。
メチレン脂肪酸モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸又はメタクリル酸誘導体等を挙げることが出来る。
トナー粒子の溶融粘度測定は、高架式フローテスター(島津フローテスターCFT−500形:(株)島津製作所製)を用いて行う。先ず加圧成形器を用いて成形した約1.5gの試料を一定温度下でプランジャーにより98.0Nの荷重をかけ直径1mm、長さ1mmのノズルより押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量(流出速度)を測定する。この流出速度を各温度(100℃〜180℃の温度範囲を5℃間隔)で測定し、この値より見掛粘度η’を次式(I)により求め、この値を本発明の溶融粘度と定義する。
η’:見掛けの粘度(Pa・s)、
TW’:管壁の見掛けのずり応力(N/m2)、
DW’:管壁の見掛けのずり速度(sec−1)、
Q:流出速度(m3/sec)、
P:押出圧力(N/m2)、
R:ノズルの半径(m)、
L:ノズルの長さ(m)である。
トナー粒子の動的粘弾性は、粘弾性測定装置(レオメーター RDA−II型:レオメトリックス社製)を用いて測定を行う。得られた損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)の値から、損失正接tanδ(=G”/G’)を求める。
測定治具:弾性率が高い場合には直径7.9mm、弾性率が低い場合には直径25mmのパラレルプレートを使用する。
測定試料:トナー粒子又は結着樹脂を加熱、溶融後に直径約8mm、高さ2〜5mmの円柱状試料又は直径約25mm、厚さ2〜3mmの円盤状試料に成型して使用する。
測定周波数:6.28ラジアン/秒
測定歪の設定:初期値を0.1%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
試料の伸長補正:自動測定モードにて調整。
測定温度:25℃より200℃まで毎分1℃で昇温する。
本発明におけるトナー粒子の平均円形度は、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置(FPIA−1000型:東亜医用電子(株)製)を用いて測定を行い、下式(II)を用いて算出する。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物等を除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機(UH−50型:(株)エスエムテー製)に振動子として直径5mm
のチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。トナー粒子濃度が3000〜10000個/μlとなる様に分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定装置としては、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。測定方法としては、前記電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約2分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。それから、体積分布から求めた体積平均粒径を求めることができる。
トナーの製造に用いる樹脂粒子原料の個数平均粒径の測定は以下の手順で行う。まず樹脂粒子の形態が紛体の場合にはカーボンシート上にそのまま、分散液の場合にはカーボンシートに微量滴下し乾燥させる。それをアルミ試料台に貼り付け、走査型電子顕微鏡(FE−SEM S−4500:(株)日立製作所製)を用いて5,000倍の写真を撮り、その写真をもとに、デジタイザ等の測長手段を用いて水平フェレ径と垂直フェレ径を測定し、2者の平均を粒子1個の粒径とする。これを累積300個について測定を繰り返し、それらの算術平均値を個数平均粒径とする。
また、トナー粒子中に分散された樹脂粒子の粒径は、ミクロトーム等切削手段を用いてトナーの超薄切片(厚さ50〜100nm程度)を作成し、オスミウム酸又はルテニウム酸により染色を行う。そのサンプルを透過型電子顕微鏡(FE−TEM H7500:(株)日立製作所製)を用いて2万倍の写真を撮る。その写真をもとにデジタイザ等の測長手段を用いて上記と同様に粒子の粒径を測定し、個数平均粒径を算出する。
トナーの製造に用いる樹脂粒子やトナー粒子のガラス転移点は、DSC測定装置(M−DSC TA−インストルメンツ社製)を用いて測定する。測定試料には、6mgを精秤して用いる。精秤した測定試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲20℃〜200℃の間で、昇温速度4℃/分で常温常湿下で測定を行った。このとき、モジュレーション振幅±0.6℃、周波数1/minで測定する。そして、得られるリバーシングヒートフロー曲線から、ガラス転移点(Tg)を計算する。計算は、ベースラインと吸熱による曲線の夫々の接線の交点を結ぶ直線の中点を求め、これをTgとする。
(樹脂粒子の作製)
500mLフラスコにイオン交換水100部、界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)2.5部を投入し、溶解させる。窒素バブリング(100ml/min)を20分間行った後、さらに下記の単量体を約20分かけて滴下し、単量体分散液を作製した。
・メチルメタクリレート 35部
・ジビニルベンゼン 0.7部
・ドデカンチオール 1.0部
次に2Lフラスコにイオン交換水417部に0.12M−Na3PO4水溶液265部を投入し62℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.2M−CaCl2水溶液40部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水性分散媒体を得た。
・スチレン 85部
・2−エチルへキシルアクリレート 15部
・パラフィンワックス(m.p.75℃) 10部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.8部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 3部
(共重合比80:3:17、Mw=15000、Mn=6700)
・ジ-tert-ブチルサリチル酸Al化合物 1.8部
(E−88:オリエント化学(株)製)
・上記架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子のキシレン分散液A
(固形分35%) 50部
M S−4500:(株)日立製作所製)で観察したところ、表面には樹脂粒子が観察されなかったが、トナー粒子断面を染色超薄切片法により透過型電子顕微鏡(FE−TEM
H7500:(株)日立製作所製)で観察したところ、スチレン−アクリル樹脂を主体とする結着樹脂中に個数平均粒径112nmのポリメチルメタクリレート樹脂粒子が均一に微分散され、内包化されていることが確認できた。得られたトナー粒子の溶融粘度、動的粘弾性、平均円形度、トナー中の樹脂粒子の含有指数を測定した結果を表1に示す。
PS:ポリスチレン
EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
MEK:メチルエチルケトン
Xy:キシレン
BMA:ブチルメタクリレート
得られたトナー粒子100部に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ微粉体0.7部を外添し、トナーを得た。このトナー7部に対し、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体で表面被覆したCu−Zn−Fe系フェライトキャリア93部を混合し、現像剤とした。得られた現像剤を用いてキヤノン(株)製のフルカラーレーザーコピア複写機CLC−500改造機(現像容器の現像剤担持体表面粗さをRz=10μmになるようにマット化)により定着評価用未定着画像を出力した。
定着評価、光沢度及びOHP画像の透明性の測定は下記方法に基づいて行った。
調製したトナーを使用して、前記複写機の改造機によってトナーの未定着画像を転写紙の表面に作成する。転写紙としてはキヤノン(株)製のカラーレーザーコピア用紙を用い、ベタ画像部のトナーの転写重量が約0.75mg/cm2となるような未定着画像を転写紙上に作成する。
外部定着器として、図1に示す定着器を使用する。図1に示す定着器において、可変に
温度調整可能なヒータ25aを内蔵している芯金上に、厚さ2mmの硬度30度のシリコーンゴム層を有し、その上に厚さ50μmのPFA樹脂層を有する直径40mmの定着ローラ25と、芯金上に厚さ1mmのシリコーンゴム層を有し、その上に厚さ50μmのPFA樹脂層を有する直径40mmの加圧ローラ26とが具備されている。定着ローラ25と加圧ローラ26のニップを7.0mmにし、定着スピード140mm/secで、100℃から250℃の温度まで5℃おきに温度調整をかけて定着を行う。定着性は定着画像(低温オフセットした画像も含む)を50g/cm2の荷重をかけシルボン紙(Lenz
Cleaning Paper “dasper(R)”:Ozu Paper Co.Ltd製)で10回擦り、擦り前後の濃度低下率が10%未満になる温度を定着開始点とする。
日本電色(株)製のVG−10型光沢度計を用いた。測定にあたっては、まず定電圧装置により6Vにセットし、次いで投光角度、受光角度をそれぞれ60°に合わせ、0点調整及び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に前記試料画像を置き、さらに白色紙を3枚上に重ね測定を行い、標示部に示される数値を%単位で読みとった。
市販のオーバーヘッドプロジェクターを用いて、トランスペアレンシーフィルムに形成したハーフトーンベタ画像を投影して、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:透明性に優れ、明暗ムラも無く、色再現性も優れる(良)。
B:若干明暗ムラがあるものの、実用上問題ない(可)。
C:明暗ムラがあり、色再現性に乏しい(悪い)。
(樹脂粒子の作製)
500mLフラスコにイオン交換水100部、界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)2.0部を投入し、溶解させる。窒素バブリング(100ml/min)を
20分間行った後、さらに下記の単量体を約20分かけて滴下し、単量体分散液を作製した。
・ジビニルベンゼン 0.8部
・ドデカンチオール 1.0部
上記分散液を内温が70℃になるように昇温し、そこに過硫酸アンモニウム水溶液5.0部(10wt%)を2時間かけて滴下した。さらに約4時間そのまま放置した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し架橋スチレン樹脂粒子を得た。Tgは95℃で個数平均粒径は200nmであった。得られた樹脂粒子を実施例1と同様にシランカップリング処理し、架橋ポリスチレン樹脂粒子のキシレン分散液Bを得た。
次に、2Lフラスコにイオン交換水417部に0.12M−Na3PO4水溶液265部を投入し、62℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.2M−CaCl2水溶液40部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水性分散媒体を得た。
・スチレン 85部
・n−ブチルアクリレート 15部
・ジビニルベンゼン 0.075部
・パラフィンワックス(m.p.75℃) 10部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.8部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 3部
(共重合比80:3:17、Mw=15000、Mn=6700)
・ジ-tert-ブチルサリチル酸Al化合物 1.8部
(E−88:オリエント化学(株)製)
・架橋ポリスチレン樹脂粒子のキシレン分散液B 50部
(固形分35%)
重合反応終了後、84℃に保温しながらさらにフラスコ内を350mb(3.5×104Pa)まで減圧し蒸留を行った。留分が150重量部となったところで加熱を停止した。放置冷却した後に反応生成物を取り出し、塩酸を加えて、Ca3(PO4)2を溶解し、濾過・水洗乾燥することにより、重合トナー粒子を得た。得られたトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、体積平均粒径5.8μm、標準偏差1.46とシャープな粒度分布を有していた。トナー粒子の表面を電子顕微鏡(FE−SEM:日立製作所製S4500)で観察したところ表面には樹脂粒子が観察されなかったため、添加した
架橋ポリスチレン樹脂粒子がトナー中に内包化されていることが確認された。得られたトナー粒子の溶融粘度、動的粘弾性、平均円形度を測定した結果を表1に示す。
得られたトナー粒子を実施例1と同様にトナーを製造し、次いで現像剤化して、評価した。その結果、低温定着性、透明性に優れ光沢値も高く、しかも耐高温オフセット性も良好であった。結果を表2に示す。
(トナー粒子の製造)
2Lフラスコにイオン交換水417部に0.13M−Na3PO4水溶液265部を投入し、62℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.3M−CaCl2水溶液40部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水性分散媒体を得た。
・スチレン 85部
・2−エチルへキシルアクリレート 15部
・パラフィンワックス(m.p.75℃) 10部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.8部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 3部
(共重合比80:3:17、Mw=15000、Mn=6700)
・ジ-tert-ブチルサリチル酸Al化合物 1.8部
これを用いて実施例1と同様にトナー粒子を製造したところ、体積平均粒径6.0μm、標準偏差1.53であるシャープな粒度分布を有するトナー粒子が得られた。
得られたトナー粒子を実施例1と同様にトナーを製造し、次いで現像剤化して、評価した。その結果、低温定着性に優れ、画像の光沢は高かったものの、165℃で高温オフセットが生じ、耐オフセット性に劣っていることが判明した。結果を表2に示す。
(トナー粒子の製造)
2Lフラスコにイオン交換水417部に0.13M−Na3PO4水溶液265部を投入し、62℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.3M−CaCl2水溶液40部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水性分散媒体を得た。
・スチレン 85部
・2−エチルへキシルアクリレート 15部
・ジビニルベンゼン 0.3部
・パラフィンワックス(m.p.75℃) 10部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.8部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 3部
(共重合比80:3:17、Mw=15000、Mn=6700)
・ジ-tert-ブチルサリチル酸Al化合物 1.8部
(E−88:オリエント化学(株)製)
得られたトナー粒子を実施例1と同様にトナーを製造し、次いで現像剤化して、評価した。その結果、耐高温オフセット性は高かったものの、定着開始温度も145℃と高く、光沢値も16と低かった。結果を表2に示す。
(樹脂粒子の作製)
500mLフラスコにイオン交換水100部、界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)0.75部を投入し、溶解させた。窒素バブリング(100ml/min)を20分間行った後、さらに下記の単量体を約20分かけて滴下し、単量体分散液を作製した。
・スチレン 40部
・ジビニルベンゼン 0.8部
・ドデカンチオール 1.0部
次に、2Lフラスコにイオン交換水417部に0.12M−Na3PO4水溶液265部を投入し、62℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.2M−CaCl2水溶液40部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水性分散媒体を得た。
・スチレン 82部
・ブチルメタクリレート 18部
・ジビニルベンゼン 0.075部
・パラフィンワックス(m.p.75℃) 10部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.8部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 3部
(共重合比80:3:17、Mw=15000、Mn=6700)
・ジ-tert-ブチルサリチル酸Al化合物 1.8部
(E−88:オリエント化学(株)製)
・架橋ポリスチレン樹脂粒子のキシレン分散液C(固形分35%)15部
(トナー、現像剤の製造及びその評価)
得られたトナー粒子を実施例1と同様にトナーを製造し、次いで現像剤化して、評価した。その結果、耐高温オフセット性は高かったが、定着開始温度も155℃と高く、光沢値も12と低かった。さらにOHP透過性はトナー内部に存在する架橋樹脂粒子の粒径が大きいためかCランクとなった。結果を表2に示す。
S 転写材
25 回転加熱部材(加熱ローラー)
25a 加熱体(ヒーター)
26 回転加圧部材(加圧ローラー)
20 搬送ベルト
Claims (5)
- 着色剤と結着樹脂とを少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記トナー粒子は、重合性単量体を含有する有機液体、該有機液体に不溶な樹脂粒子及び着色剤を少なくとも含有する組成物を水性媒体中で分散造粒し、前記重合体単量体を重合する懸濁重合工程を経て製造されたものであり、
前記樹脂粒子が、個数平均粒径10〜300nmであって、疎水化されたものであり、
前記トナー粒子は120℃における溶融粘度が104Pa・s以下であり、動的粘弾性測定から得られる損失正接tanδが少なくとも100〜140℃に極大値を有し、tanδ(100℃)≧1.0かつtanδ(140℃)≧1.0であり、
前記トナー粒子中に前記樹脂粒子が分散されていることを特徴とするトナー。 - 前記トナーは平均円形度が0.960以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記樹脂粒子のトナー粒子中の含有指数が30〜60であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記樹脂粒子は架橋樹脂粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
- 重合性単量体を含有する有機液体、該有機液体に不溶な樹脂粒子及び着色剤を少なくとも含有する組成物を水性媒体中で分散造粒し、前記重合性単量体を重合する懸濁重合工程を経てトナー粒子を得るトナーの製造方法であって、
前記樹脂粒子が、個数平均粒径10〜300nmであって、疎水化されたものであり、
前記トナー粒子は120℃における溶融粘度が10 4 Pa・s以下であり、動的粘弾性測定から得られる損失正接tanδが少なくとも100〜140℃に極大値を有し、tanδ(100℃)≧1.0かつtanδ(140℃)≧1.0であり、
前記トナー粒子中に前記樹脂粒子が分散されていることを特徴とするトナーの製造方法。
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