JP2004347077A

JP2004347077A - 電磁弁ユニット

Info

Publication number: JP2004347077A
Application number: JP2003147182A
Authority: JP
Inventors: Yukinori Otsuka; 幸典大塚
Original assignee: Hitachi Unisia Automotive Ltd
Current assignee: Hitachi Unisia Automotive Ltd
Priority date: 2003-05-26
Filing date: 2003-05-26
Publication date: 2004-12-09
Also published as: US7246863B2; CN100348899C; US20040239178A1; CN1573191A

Abstract

【課題】通電用ターミナルが軸方向外側に突出した複数の電磁コイルを共通ヨーク内に容易に収容配置できるようにする。
【解決手段】共通ヨーク３は、上壁略中央にスリット１９を有する略矩形状断面が長手方向に連続し、かつ長手方向の少なくとも一端が開口する形状とする。各電磁コイル４の通電用ターミナル８を、前記スリット１９を通して共通ヨーク３の上方に突出させるようにして、共通ヨーク３の略矩形状断面内に電磁コイル４の対を並列に収容配置する。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、油圧回路の通路開閉制御等に用いられる複数の電磁弁を集合一体化した電磁弁ユニットに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の電磁弁ユニットとして次のようなものが案出されている（特許文献１参照。）。
【０００３】
この電磁弁ユニットは、一対の電磁弁の電磁コイルが略矩形状断面の共通ヨークに収容され、その共通ヨークに形成された貫通孔を通して、各電磁コイルに対応する弁機能部の部品が組み付けられている。具体的は、共通ヨークは長手方向の端部が開口する略矩形状断面に形成され、その矩形状断面の上壁と下壁の間に一対の電磁コイルが並列に並べて収容配置されている。各電磁コイルが通電されると、これらの電磁コイルの発生磁束は共通ヨークの略矩形状断面を電磁コイルの外側磁路として流れる。また、各電磁コイルには側方に突出する通電用ターミナルが突設され、その通電用ターミナルが共通ヨークの長手方向の端部の開口から外部に突出している。
【０００４】
【特許文献１】
実開平６−３２８６３号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両用アンチロックブレーキ装置等においては、複数の電磁弁が制御基盤やモータ、ポンプ等と共に一体ブロックとして組み付けられるが、このブロック内の部品レイアウトとして、並列配置された複数の電磁弁の上方側に制御基盤を直接配置することが検討されている。
【０００６】
このような部品レイアウトを採用する場合に、上記従来の電磁弁ユニットを用いようとすると、その電磁弁ユニットは電磁コイルの通電用ターミナルが共通ヨークの一側から外部に突出する構造であるため、通電用ターミナルを制御基盤に接続するための配線を長く引き回さなければならない。
【０００７】
また、このような長い配線を無くすためには、通電用ターミナルを各電磁コイルの端面から軸方向外側に突出させる一方で、共通ヨークの上壁にターミナルを外部に出すための貫通孔を設けるようにすれば良いが、このように通電用ターミナルを上壁の貫通孔から外部に突出させるようにすると、共通ヨークに対する電磁コイルの組付けが難しくなり、組付作業性が大幅に低下してしまう。
【０００８】
そこでこの出願の発明は、通電用ターミナルが軸方向外側に突出した複数の電磁コイルを共通ヨーク内に容易に収容配置することのできる電磁弁ユニットを提供しようとするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための手段として、この出願の発明は、共通ヨークを、上壁略中央にスリットを有する略矩形状断面が長手方向に連続し、かつ長手方向の少なくとも一端が開口する形状とする一方、各電磁コイルの端面に、通電用ターミナルを軸方向外側に向かって突設し、前記共通ヨークの略矩形状断面内に複数の電磁コイルを並列に収容配置すると共に、各電磁コイルの通電用ターミナルを、前記スリットを通して共通ヨークの上方に突出させるようにした。
【００１０】
この発明の場合、共通ヨーク内に電磁コイルを収容配置するときには、共通ヨークの長手方向の端部の開口から電磁コイルの対を挿入するが、この際、各電磁コイルは通電用ターミナルを上方側に向けておき、通電用ターミナルを共通ヨークの上壁のスリット内を通過させる。したがって、この発明においては、このようにして各電磁コイルはほぼ一定姿勢を保ったまま共通ヨーク内の所定位置まで容易に挿入することできるため、組付作業性が大幅に向上する。
【００１１】
前記共通ヨークの下壁には、共通ヨークが被取付ブロックに取付けられるときにばね作用を為す弾性支持片を一体に形成するようにしても良い。この場合、共通ヨークを被取付ブロックに取付けるときの同ヨークのガタ付きを防止することができると共に、弾性支持片が共通ヨークと一体であることから、部品点数の増加を無くすことができる。
【００１２】
また、前記共通ヨークの下壁は、複数の電磁コイルの下面側で連続させるようにしても良い。この場合、共通ヨークの下壁側で広い連続したエリアを複数の電磁コイルの共通磁路として利用することが可能となる。したがって、このことから共通ヨークを薄肉化することも可能となる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
次に、この出願の発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
【００１４】
最初に、図１〜図５に示す第１の実施形態について説明する。この実施形態の電磁弁ユニット１は車両用アンチロックブレーキ装置の通路開閉制御に用いられるものであり、制御基盤やモータ、ポンプ等と共に一体ブロックとして組み付けられるようになっている。図面には示されていないが、制御基盤は電磁弁ユニット１の上部に組み付けられるようになっている。
【００１５】
この電磁弁ユニット１は８個の電磁弁２（図５参照。）が一つの共通ヨーク３に一体に組み付けられて成り、各電磁弁２は、図２に示すように共通ヨーク３のほか、電磁コイル４と弁機能部５とを主構成要素として備えている。電磁コイル４は、樹脂製のボビン６にコイル巻線７が巻回され、そのコイル巻線７の端末が通電用ターミナル８に接続されている。ボビン６の軸方向の一端側部には略方形状の突起３０が設けられ、その突起３０に前記通電用ターミナル８が軸方向外側に向かって突出している。
【００１６】
弁機能部５は、図２中の左右のもので構造が若干異なるが、いずれも基本構成は同様となっている。即ち、弁機能部５は、略筒状のバルブボディ９内にアーマチュア１０が収容され、そのアーマチュア１０の先端部に設けられた弁体１１がバルブシート１２の通路を開閉するようになっている。バルブボディ９は、基端部が電磁コイル４のボビン６内に嵌着固定され、先端部が被取付ブロックであるＡＢＳハウジング１３の上面に嵌合状態で取り付けられるようになっている。バルブボディ９の先端が嵌合されるＡＢＳハウジング１３の取付穴１４には第１ポート１５と第２ポート１６が設けられ、前記弁体１１によるバルブシート１２の通路の開閉によって両ポート１５，１６の連通と遮断を切換えるようになっている。ただし、図２中の左側の電磁弁２は常閉形であって弁体１１はスプリング１７によって閉弁方向に付勢されており、右側の電磁弁２は常開形であって弁体１１はスプリング１７によって開弁方向に付勢されている。
【００１７】
ここで、電磁弁ユニット１の共通ヨーク３は、図３，図４に示すように上壁１８の中央に長手方向に沿う幅広のスリット１９を有する略矩形状断面に形成され、かつ、その長手方向の両端が開口している（開口は、図中符号３１で示す。）。この共通ヨーク３は、各電磁コイル４の外側磁路を構成するものであり、磁性を有する金属材料によって形成されている。
【００１８】
共通ヨーク３の略矩形状断面には、図１，図５に示すように電磁コイル４が対を成して並列に収容配置され、その電磁コイル４の対が共通ヨーク３の長手方向に４段になって収容されている。そして、各電磁コイル４の対は共通ヨーク３のスリット１９を挟んで左右に振り分けられるが、各電磁コイル４は、突起３０と通電用ターミナル８をスリット１９から外側に突出させるようにして、端部の開口３１から共通ヨーク３内にスライド挿入される。
【００１９】
また、共通ヨーク３の上壁１８と下壁２０には、共通ヨーク３に収容配置された各電磁コイル４に弁機能部５を組付けるための複数の貫通孔２１，２２が形成されている。ここで、共通ヨーク３に挿入した各電磁コイル４はこれらの各ボビン６の孔を貫通孔２１，２２に対して位置合わせする必要があるが、各電磁コイル４は方形状の突起３０をスリット１９の縁に沿わせてスライドさせることにより容易に位置合わせすることができる。
【００２０】
また、共通ヨーク３の下壁２０の中央には、図４に示すように取付孔２３が形成され、この取付孔２３を通して共通ヨーク３をＡＢＳハウジング１３にねじ止めできるようになっている。尚、このねじ止めは上壁１８のスリット１９を通して行うことができる。さらに、下壁２０には、一対の幅の狭いスリット２４，２４が長手方向の両端部から中央に向かって夫々設けられ、そのスリット２４，２４間に形成された短冊状の板状片２５が付根部分から斜めに切り起こされている。この板状片２５は、共通ヨーク３がＡＢＳハウジング１３に取り付けられるときにばね作用を為す弾性支持片として機能する。
【００２１】
この電磁弁ユニット１は、以上構成を説明したように、複数の電磁弁２を共通ヨーク３に取り付けた状態において、すべて通電用ターミナル８が共通ヨーク３の上方に突出することとなるため、電磁弁ユニット１の上面に制御基盤を取り付けると同時に、すべての通電用ターミナル８を長い配線を用いることなく制御基盤に直接接続することができる。
【００２２】
そして、この電磁弁ユニット１の場合、電磁コイル４を共通ヨーク３に組付けるに際して、通電用ターミナル８をスリット１９から上方に突出させるようにして、すべての電磁コイル４を共通ヨーク３に端部の開口３１からスライド挿入することができるため、組付け作業を極めて容易に行うことができる。したがって、組付け作業の煩雑化を招くことなく、電磁弁ユニット１の上面に制御基盤を配置することができる。
【００２３】
また、この実施形態の電磁弁ユニット１は、ばね作用を為す板状片２５が共通ヨーク３の下壁２０に切り起こし形成されているため、共通ヨーク３をＡＢＳハウジング１３にねじ止めするときやそのねじ止め後のガタ付きをこの板状片２５によって確実に抑制することができる。さらに、板状片２５が共通ヨーク３に一体に形成されているため、部品点数の増加を無くすことができるという利点がある。また、板状片２５の切り起こし部はその両側のスリット２４部分で対を成す電磁弁２の磁路を分断することとなるため、対を成す電磁弁２，２相互間の磁束の干渉を無くすことができる。したがって、夫々の電磁弁２の作動性能を高めることができる。
【００２４】
尚、この実施形態では、共通ヨーク３に４対の電磁コイル４を取り付けたが、共通ヨーク３の長さ等を変更すれば任意数の対を取り付けることが可能である。ただし、この実施形態のように電磁コイル４の対を長手方向に複数段に設けるようにした場合、長手方向で隣接する電磁コイル４，４同士で共通ヨーク３上の同一磁路エリアを共用することができるため、共通ヨーク３の肉厚増加等を招くことなく磁路抵抗の低減を図ることができる。
【００２５】
つづいて、図６〜図８に示す第２の実施形態について説明する。
【００２６】
この実施形態の電磁弁ユニットは、共通ヨーク１０３の下壁２０にスリットと板状片が形成されていない点のみが異なり、他の部分は第１の実施形態と同様の構成となっている。したがって、第１の実施形態と同一部分に同一符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
【００２７】
尚、この実施形態の電磁弁ユニットは、上述のようにＡＢＳハウジング（図示せず。）に対する取付時にばね作用を為す板状片が共通ヨーク１０３に切り起こし成形されていないため、共通ヨーク１０３をＡＢＳハウジングに取り付けるときには別体のばね部材（図示せず。）を共通ヨーク１０３とＡＢＳハウジングの間に介在させる。
【００２８】
この実施形態の電磁弁ユニットは、第１の実施形態と基本構成が同様であるため、上述した第１の実施形態と同様の作用効果を得ることができるが、共通ヨーク１０３の下壁２０にスリットと板状片が形成されていないことから、略矩形状断面内で対を成して配置される電磁コイル４の磁路が下壁２０部分で連続することとなる。このため、共通ヨーク１０３に配置された電磁コイル４の磁束は、図６，図７に示すように下壁２０の幅方向中央部付近まで大きく回り込んで流れる。したがって、この実施形態の電磁弁ユニットにおいては、各電磁コイル４が実質的に利用できる磁路断面が大きくなり、その分磁路抵抗が小さくなるため、共通ヨーク１０３をより薄肉化できるという利点がある。
【００２９】
尚、この発明の実施形態は以上で説明したものに限るものではなく、例えば、上記の各実施形態では共通ヨークの長手方向の両端部が開口したものについて説明したが、共通ヨークは長手方向の一方側の端部のみが開口する形状であっても良い。ただし、上記の実施形態のように共通ヨークを両端部が開口する形状にした場合には、共通ヨークを板材のプレス加工によって容易に成形することができる。また、電磁コイルは必ずしも全てが対を成さなければならないものではなく、対を成さない単独の電磁コイルがあっても良い。また、以上では、この発明にかかる電磁弁ユニットをアンチロックブレーキ装置の通路開閉制御に用いる実施形態について説明したが、この電磁弁ユニットは他の装置に適用することも可能である。
【００３０】
次に、上記の各実施形態から把握し得る請求項に記載以外の発明について、以下にその作用効果と共に記載する。
【００３１】
（イ）前記共通ヨークに、前記電磁コイルの対を長手方向に沿って複数段に配置したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか記載の電磁弁ユニット。
【００３２】
この場合、共通ヨークの長手方向の長さを伸ばすだけで、より複数の電磁コイルを共通ヨーク内に容易に、かつ、効率良く収容配置することが可能となる。
【００３３】
（ロ）前記弾性支持片は、共通ヨークの下壁を部分的に切り起こして形成したことを特徴とする請求項２に記載の電磁弁ユニット。
【００３４】
この場合、弾性支持片の切り起こしによって共通ヨークの下壁に空隙ができるため、その空隙によって電磁コイル相互の磁束の干渉を回避することができる。したがって、各電磁弁を正確に作動させることができる。
【００３５】
（ハ）共通ヨークへの挿入時に、スリットの縁部に摺接可能な突起を電磁コイルに形成したことを特徴とする請求項１〜３，（イ），（ロ）のいずれかに記載の電磁弁ユニット。
【００３６】
この場合、電磁コイルを共通ヨーク内に挿入配置する際に、突起をスリットの縁部に摺接させることによって電磁コイルの位置決めをガイドすることができるため、電磁コイルの組付作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この出願の発明の第１の実施形態を示す斜視図。
【図２】同実施形態を示す断面図。
【図３】同実施形態の共通ヨークを正面側から見た斜視図。
【図４】同実施形態の共通ヨークを背面側から見た斜視図。
【図５】同実施形態を示す分解斜視図。
【図６】この出願の発明の第２の実施形態を示すもので、共通ヨークを正面側から見た斜視図。
【図７】同実施形態の共通ヨークを背面側から見た斜視図。
【図８】同実施形態を示す分解斜視図。
【符号の説明】
１…電磁弁ユニット
２…電磁弁
３，１０３…共通ヨーク
４…電磁コイル
８…通電用ターミナル
１３…ＡＢＳハウジング（被取付ブロック）
１９…スリット
２０…下壁
２５…板状片（弾性支持片）
３１…開口

Claims

複数の電磁弁の電磁コイルが共通ヨークの内部に収容配置され、前記共通ヨークが各電磁コイルの外側磁路を成すように構成された電磁弁ユニットであって、前記各電磁コイルに通電用ターミナルが突設されたものにおいて、
前記共通ヨークを、上壁略中央にスリットを有する略矩形状断面が長手方向に連続し、かつ長手方向の少なくとも一端が開口する形状とする一方、前記各電磁コイルの端面に、通電用ターミナルを軸方向外側に向かって突設し、前記共通ヨークの略矩形状断面内に複数の電磁コイルを並列に収容配置すると共に、各電磁コイルの通電用ターミナルを、前記スリットを通して共通ヨークの上方に突出させたことを特徴とする電磁弁ユニット。
共通ヨークが被取付ブロックに取付けられるときにばね作用を為す弾性支持片を、前記共通ヨークの下壁に一体に形成したことを特徴とする請求項１に記載の電磁弁ユニット。
前記共通ヨークの下壁を、複数の電磁コイルの下面側で連続させたことを特徴とする請求項１または２に記載の電磁弁ユニット。