JP2004347071A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Hiroki Tanaka
大記 田中
Jun Watanabe
純 渡辺
Yuichi Shibukawa
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Abstract

【課題】バリエータ寿命及び伝達効率の向上を図る。
【解決手段】トロイダル型無段変速機において、ローディング手段は、伝達トルクの増大に応じて入力ディスクの押付力を増大するカム機構を用いた第一ローディング手段34と、前記入力ディスク20aと前記出力ディスク20bとの少なくとも一方の背面に設けられ、この入出力ディスクとの間で潤滑油が充填される油室56を形成し、かつ前記トルク伝達軸の一部の反力を取るピストン53を備え、前記入出力ディスクの回転速度に応じて生じる遠心力により前記油室内の潤滑油が入出力ディスクの押付力を増大する第二ローディング手段とを備える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などに採用されるトロイダル型無段変速機の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
入出力ディスクとパワーローラとの間の摩擦力により駆動力を伝達するトロイダル型無段変速機は、この摩擦力を発生させる為に入力ディスクをパワーローラに押し付けるローディングカム装置を備える。ローディングカム装置は、無段変速機の入力軸と一体に回転するカム板と、このカム板と入力ディスクの背面との間に配置された複数のパワーローラとから構成される。さらにパワーローラが接触するカム板のカム面と入力ディスク背面は凹凸状に形成される。このように構成されて、入力軸が回転することによりカム板が回転し、カム板の凹凸面で形成したカム面がパワーローラを入力ディスク背面に押し付ける。押し付けられた入力ディスクはパワーローラを押し、パワーローラは出力ディスクを押し、各ディスクとパワーローラ間の摩擦により駆動力が入力ディスクから出力ディスクに伝達される。また、ローディングカム装置が入力ディスクを押していない場合には、各ディスクとパワーローラ間の接触を維持するための予圧を付与する皿バネが設置される。
【0003】
また、入力ディスクを押し付ける方法として、ローディングカム装置の代わりに油圧装置を用いた技術がある(特許文献1参照。)。これは各ディスクとパワーローラ間の押付力をセンサにより検出してコントローラに出力し、コントローラは入力された押付力に基づいて必要な押付力を発生するように油圧制御するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−004113号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ローディングカム装置による従来例にあっては、押付力は伝達する入力トルク比例する。したがって、低トルク高回転時にはパワーローラを回転支持する玉軸受が、パワーローラのジャイロモーメントによるスピンを生じて焼き付きを発生する恐れがあり、対策として皿バネによる押付力を常に過大に発生させている。この皿バネによる押付力は、入力軸の最大回転速度で生じるジャイロモーメントの最大値以上である必要があり、低回転速度では過剰な押付力を発生することになる。この過剰な押付力によりバリエータ寿命及び伝達効率が低下する恐れがある。
【0006】
ローディングカム装置の代わりに油圧装置を用いた場合には、変速速度に伴う押付力を発生するための油圧を生じる油圧ポンプを備える必要があり、装置の大型化や伝達効率の低下を招き、また油圧制御に必要な各種センサ等の設置により装置が複雑になり、コストの上昇を招いた。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、皿バネによる過剰な入力ディスクへの押付力を抑制し、バリエータ寿命及び伝達効率の向上を図るとともに入力トルク及び回転速度に対応する押付力を生じるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トロイダル型無段変速機において、前記入力ディスクと前記出力ディスクとの少なくとも一方の背面にピストンを備え、このピストンを備えた入出力ディスクとピストンの間で潤滑油が充填される油室を形成し、入力ディスクを押し付けるローディング手段は、伝達トルクの増大に応じて入力ディスクの押付力を増大するカム機構を用いた第一ローディング手段と、前記入力ディスクと前記出力ディスクとの少なくとも一方の背面に設けられ、この入出力ディスクとの間で潤滑油が充填される油室を形成し、かつ前記トルク伝達軸の一部の反力を取るピストンを備え、前記入出力ディスクの回転速度に応じて生じる遠心力により前記油室内の潤滑油が入出力ディスクの押付力を増大する第二ローディング手段とを備える。
【0009】
【発明の効果】
したがって、本発明は、入力ディスクの押付力を入力トルクと入力ディスクの回転速度に応じて変化することができる。また、パワーローラの回転速度の上昇により増大するパワーローラのジャイロモーメントを、トルク伝達軸の回転速度の上昇に伴って遠心力により増大する油圧力を用いて抑制することができるため、バリエータ寿命及び伝達効率を向上することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明を適用するトロイダル型無段変速機の概略図を示す。トロイダル型無段変速機10は、図1において、図示しないエンジンジンの回転が、トルクコンバータ12を介してトロイダル型無段変速機10に入力されるようになっている。
【0012】
トルクコンバータ12は、ポンプインペラ12a、タービンランナ12b及びステータ12cに加えて、ロックアップクラッチ12dが設けられている。
【0013】
そして、トロイダル型無段変速機10は、トルクコンバータ12の出力回転軸14と同軸上に配置されるトルク伝達軸16が設けられ、このトルク伝達軸16に第一トロイダル変速部18と第二トロイダル変速部20とが同軸上に配置されている。
【0014】
トルク伝達軸16は中空に形成されるとともに、ハウジング22に対し軸方向へ微小量だけ変位可能に取り付けられている。トルク伝達軸16の中空部には潤滑油が充填されており、後述のボールスプライン24、26等の潤滑に用いられる。
【0015】
第一及び第二トロイダル変速部18、20は、それぞれの対向面がトロイダル曲面で形成される一対の第一入力ディスク18a、第一出力ディスク18b及び第二入力ディスク20a、第二出力ディスク20bと、これらの対向面間に摩擦接触されるパワーローラ18c、18d、及び20c、20dとによって構成される。
【0016】
第一トロイダル変速部18は、トルク伝達軸16の図中左側に配置されるとともに、第二トロイダル変速部20は、トルク伝達軸16の図中右側に配置され、かつ、それぞれの第一入力ディスク18a及び第二入力ディスク20aは、それぞれトルク伝達軸16の両端側に配置されるとともに、第一出力ディスク18b及び第二出力ディスク20bは互いに内側に配置されている。そして、第一及び第二入力ディスク18a、20aはボールスプライン24、26を介して、トルク伝達軸16に回転方向で結合する一方、軸方向へ変位可能に支持される。
【0017】
一方、上記第一及び第二出力ディスク18b、20bは、トルク伝達軸16に対して相対回転可能に軸支された出力ギア28にスプライン結合され、第一及び第二出力ディスク18b、20bへ伝達された回転力は、出力ギア28及びこれに噛み合いされる入力ギア30aを介してカウンターシャフト30に伝達され、さらに、回転力出力経路を介して図示しない出力軸へ伝達される。
【0018】
ところで、第一入力ディスク18aの外側には、ローディングカム装置(第一ローディング手段)34が設けられ、このローディングカム装置34には、図示しないエンジンからの回転が入力され、入力トルクに応じた押付力を図中右方向へ向けて発生し、第一入力ディスク18aを第二入力ディスク20aへ向けて押し付ける。
【0019】
ローディングカム装置34のローディングカム34aは、スラストベアリング36を介してトルク伝達軸16上で相対回転可能に軸支される。
【0020】
また、第二入力ディスク20aとトルク伝達軸16の図中右側端部との間には、予圧力を発生する皿バネ38が設けられている。
【0021】
したがって、ローディングカム装置34で発生される押付力は、第一入力ディスク18aに作用するとともに、トルク伝達軸16及び上記皿バネ38を介して第二入力ディスク20aにも作用し、かつ、皿バネ38によって発生される予圧力は、第二入力ディスク20aに作用するとともに、トルク伝達軸16及びローディングカム装置34を介して第一入力ディスク18aにも作用するようになっている。
【0022】
なお、ローディングカム装置34とトルクコンバータ12との間の回転力入力経路には、車両の前進時と後進時の回転方向を切り換える前後進切換装置40が設けられる。
【0023】
前後進切換装置40は、ダブルプラネタリー方式の遊星歯車機構42と、遊星歯車機構42のキャリア42aを上記出力回転軸14に締結可能なフォワードクラッチ44と、遊星歯車機構42のリングギア42bを上記ハウジング22に締結可能なリバースブレーキ46とによって構成される。
【0024】
そして、前後進切換装置40では、フォワードクラッチ44を締結するとともに、リバースブレーキ46を解放することにより、エンジン回転と同方向の回転がローディングカム装置34へ入力され、かつ、フォワードクラッチ44を解放してリバースブレーキ46を締結することにより、逆方向の回転が入力されるようになっている。なお、遊星歯車機構42で、42cはサンギア、42d、42eは互いに噛み合いされるプラネタリギアである。
【0025】
第一トロイダル変速部18及び第二トロイダル変速部20に設けられたパワーローラ18c、18d及び20c、20dは、中心軸cを挟んで対向配置され、これらパワーローラは、図示しない変速制御装置としての変速制御弁及び油圧アクチュエータを介して、車両の運転条件に応じて傾斜(傾転)され、第一及び第二入力ディスク18a、20aの回転を無段階に変速して第一及び第二出力ディスク18b、20bに伝達するようになっている。
【0026】
すなわち、パワーローラ18c、18d及び20c、20dは、それぞれのパワーローラ18c、18a及び20c、20dに対応して設けられた図示しない油圧アクチュエータによって上下移動されるトラニオンに、ピボットシャフトを介して回転自在に装着され、トラニオンが上下移動されることによって、パワーローラ18c、18d及び20c、20dは傾転(トラニオンの軸回りの運動)できるようになっている。
【0027】
したがって、パワーローラ18c、18d及び20c、20aの傾転量、すなわち、これらトラニオンの回転量は、油圧アクチュエータの軸方向変位量によって決定されることになる。
【0028】
図2と図3は、本発明の特徴的な構成を含む第二入力ディスク20a部の詳細形状を説明するための断面図である。
【0029】
トルク伝達軸16の外径部と螺合するナット50が設けられ、ナット50とスプライン26との間にカラー51が設置され、スプライン26のボールの位置が規制される。またナット50と第二入力ディスク20aとの間にはストッパ52が設置されており、前述のローディングカム装置34の作用により生じた押付力は、ナット51、ストッパ52を介して第二入力ディスク20aに伝達される。さらに第二入力ディスク20aとナット50との間にはピストン53と、ピストン53を第二入力ディスク20a側に付勢する皿バネ38が共締めされる。
【0030】
ピストン53は円盤状に形成され、第二入力ディスク20aとの間に所定の油室56が生じるように隙間を持って形成される。またピストン53は、その外周部53aが第二入力ディスク20a側に曲折して第二入力ディスク20aの外周部に接触するように形成される。そしてピストン53の外周部53aと第二入力ディスク20aの外周部との間にはシール材54が設置される。
【0031】
トルク伝達軸16、カラー51、ストッパ52およびピストン53には、ピストン53と第二入力ディスク20aとの間の油室56にトルク伝達軸16内の潤滑油が流通するように油路16a、55a、55b、55cが形成される。なお、これら油路16a、55a、55b、55cは、トルク伝達軸16、カラー51及びストッパ52間に相対変位が生じた場合であっても潤滑油が油室56に流通されるように形状を設定する。
【0032】
なお、油室56に流通した潤滑油はピストン53の外周側からはシール材54の作用により外部に漏出することはない。また、ピストン53の内周とストッパ52の外周との間にはわずかな隙間が形成されており、この隙間から潤滑油が外部に漏出される。
【0033】
次に作用を説明する。
【0034】
トルク伝達軸16が回転を開始すると、遠心力によりトルク伝達軸16内部の潤滑油が前述の油路16a、55a、55b、55cを通じて油室56に流入する。
【0035】
油室56に溜まった潤滑油は、第二入力ディスク20aの回転による遠心力で油室56の外周方向に移動しようとし、これにより第二入力ディスク20aをトルク伝達軸16の軸方向への押し付ける力が発生する。この押付力を発生する遠心油圧力は第二入力ディスク20aの回転速度の二乗で増大して第二入力ディスク20aを介してパワーローラ20cに作用し、同様に回転速度の二乗で増大するパワーローラ20cのジャイロモーメントを抑制する効果を発揮する。また、ピストン53とストッパー52との間には前述のように微小の隙間が設けてあり、トルク伝達軸16の回転速度が低下して遠心力が低下した場合には、この隙間から潤滑油が抜けてゆくことによって、押付力を低下する。また、高トルク・高回転時において、ローディングカム装置34による押付力が、遠心力により生じる遠心油圧力を上回る場合には、油室56がピストン53によって押し付けられるため、潤滑油は前述の隙間から外部へと排出される。この時、ピストン53は第二入力ディスク20aに接触するまで変位し、直接第二入力ディスク20aを押し付ける。
【0036】
したがって本発明では、パワーローラの回転速度の上昇により増大するパワーローラ20cの玉軸受のジャイロモーメントを、トルク伝達軸16の回転速度の上昇に伴って遠心力により増大する遠心油圧力を用いて抑制することができる一方、ローディングカム装置34を備えたため、入力トルクに応じた押付力を生じることができる。
【0037】
ジャイロモーメントを抑制することができるため、皿バネ38による予圧を低減し、バリエータ寿命及び伝達効率を向上することができる。さらにローディングカム装置の代わりに油圧装置を用いた場合の油圧ポンプやセンサ類を必要としないので、変速機が複雑になることがなく、コストの低減を可能とする。
【0038】
また、皿バネ38がピストン53を第二入力ディスク20a側に付勢するように皿バネ38を配置したので、油室56内に配置することがなく、皿バネ38が潤滑油の流れを滞らせることがない。
【0039】
なお、高トルク時には、ローディングカム装置34により、入力ディスク20aに作用する押付力は入力トルクに比例して大きくなり、第二入力ディスク20aの弾性変形が生じる。この変形により、ピストン53と第二入力ディスク20aの背面20eとの油室56が大きくなり、シール材54から潤滑油が漏洩する可能性が考えられるが、これは以下の理由で構造上生じることはない。
【0040】
第二入力ディスク20aの変形モードには変速比により2パターン考えられ、第1パターンの図4、図5に示す変速比がローの状態では、第二入力ディスク20aはディスク背面20eの中央部で、ナット50により第二出力ディスク20b方向に押し付けられる。また、パワーローラ20cは第二入力ディスク20aの軸心付近に接触して第二入力ディスク20aを押し付ける。このとき第二入力ディスク20aの弾性変形により、入力ディスク背面20eは、パワーローラ20cの方向へと変形し、ピストン53との距離が開くことになるが、モーメントアームが短いため、少量のモーメントしか発生せず、結果として、第二入力ディスク20aの背面20eの変形も少量となる。すなわち、変速比がローの場合には、第二入力ディスク20aの変形によるシール材54からの潤滑油漏れは発生しない。
【0041】
第2のパターンとして図6、図7に示す変速比がハイの場合、第二入力ディスク20aは前述の変速比がローの場合と同様に、第二入力ディスク20aの背面20eの中央で押し付けられるが、パワーローラ20cは第二入力ディスク20aの外周側を押し付ける。図6にしめすように、ローディングカム装置34による押付力が働く力点と、パワーローラ20cの押付力の反力が働く力点との距離が離れているため、第二入力ディスク20aには大きなモーメントが働き、変速比ローの状態よりも大きい弾性変形をする。しかし、この場合では、第二入力ディスク20aはパワーローラ20cから離れる方向へと変形すると同時にピストン53も同じ方向に変形するため、第二入力ディスク20aの背面20eとピストン53の間が広がることはない。したがって、この場合においても、入力ディスク変形によるシール材54からの潤滑油漏れは起こらない。
【0042】
また、油室を第1入力ディスク18aの背面、または、ローディングカム装置34を構成するカム板の背面に設けることも可能である。また、本発明は前述のように皿バネ38の作用を低減する作用があるため、機能上では皿バネ38、カラー51及びストッパ52を取り除くことも可能であり、これは変速機の軸長の短縮や構造の簡素化などに効果がある。
【0043】
なお、請求項1の第二ローディング手段は、第二入力ディスク20aと、ピストン53と、油室56に潤滑油を供給する油路16a、55a、55b、55cとから構成される。
【0044】
図8、図9に第2の実施形態の構成を示す。この実施形態は、第1実施の形態に対して油室の構成を変更したものである。具体的には第1の実施形態では、ピストン53を第二入力ディスク20aの径より大きく設定して油室56を形成したが、この実施形態では、第二入力ディスク20aよりピストンが大きいため、変速機の寸法が大きくなってしまうという問題があるが、第2の実施形態では、第二入力ディスク20aの背面20eに環状の凹部20fを形成し、この凹部20fにピストン57を嵌め込み、油室58を形成するようにした。なお、油室58からの潤滑油の漏洩を防止するためのシール材59がピストン57の外周部に設置される。このような構成により変速機の径方向の寸法を大型化することなく、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
なお、本実施形態の潤滑油を油室に導く油路は、第二入力ディスク20aとトルク伝達軸16のスプライン26の溝部でない部位とに形成される。
【0046】
図10と図11は第3の実施形態の構成を示す。この実施形態は、第一、第二出力ディスク18b、20bの背面18g、20gに第2実施形態と同様の構成により油室60を形成したものである。この実施形態では、トルク伝達軸16から油室60に潤滑油を流通させる油路をトルク伝達軸16と出力ギア28とピストン62とに形成する(図11中、それぞれ61a、61b、61cで示す。)。なお、油圧発生時にはトルク伝達軸16と出力ディスクとの間に軸方向の相対移動が生じるため各油路間に軸方向のずれが生じ潤滑油の流れが滞ることが考えられるため、トルク伝達軸16の外周と出力ギア26の外周に油路より幅広の油溝63a、63bを形成し、油路への潤滑油の流通を容易にしている。また、この実施形態では、ピストン62の内周と出力ギア28の外周との間及び出力ディスク18b、20bの内周と出力ギア28の外周との間に隙間が形成されており、出力ディスクの低回転となり遠心力が低下したときに、この隙間から油室60内の潤滑油が流出される。また、高トルク・高回転の場合においてローディングカム装置34による押付力が遠心油圧力を上回る場合には、油室60がピストン62により押され、潤滑油が隙間から外部に流出する。このとき出力ディスク20bはピストン62に接触し、ピストン62を押す。このようにして第1の実施形態と同様に、入力回転速度及び変速比に応じて変化するパワーローラの玉軸受に作用するジャイロモーメントを遠心油圧力により抑制することができる。
【0047】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するトロイダル型無段変速機の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の全体構成図である。
【図3】第二入力ディスク部の拡大図である。
【図4】入力ディスク変形モードを説明する概念図である(変速比ローの場合)。
【図5】入力ディスク変形モードを説明する図である(変速比ローの場合)。
【図6】入力ディスク変形モードを説明する概念図である(変速比ハイの場合)。
【図7】入力ディスク変形モードを説明する図である(変速比ハイの場合)。
【図8】第2の実施形態の全体構成図である。
【図9】第二入力ディスク部の拡大図である。
【図10】第3の実施形態の全体構成図である。
【図11】第二出力ディスク部の拡大図である。
【符号の説明】
10 無段変速機
16 トルク伝達軸
18a 第一入力ディスク
18b 第一出力ディスク
18c、18d、20c、20d パワーローラ
20a 第二入力ディスク
20b 第二出力ディスク
26 スプライン
28 出力ギア
50 ナット
51 カラー
52 ストッパ
53、57 ピストン
54 シール材
55a、55b、55c 油路
56、58 油室

Claims (5)

  1. トルク伝達軸に支持された入力ディスク及び出力ディスクとの対向面に挟持されて傾転自在な一対のパワーローラと、
    前記パワーローラをそれぞれ傾転可能に軸支するとともに、入出力ディスクの回転接線方向及び該接線回りに変位可能な一対のトラニオンと、
    前記入力ディスクを前記パワーローラを介して前記出力ディスクに押し付けつつ、トルク伝達軸とともに回転させるローディング手段と、
    を備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記ローディング手段は、
    伝達トルクの増大に応じて入力ディスクの押付力を増大するカム機構を用いた第一ローディング手段と、
    前記入力ディスクと前記出力ディスクとの少なくとも一方の背面に設けられ、この入出力ディスクとの間で潤滑油が充填される油室を形成し、かつ前記トルク伝達軸の一部の反力を取るピストンを備え、
    前記入出力ディスクの回転速度に応じて生じる遠心力により前記油室内の潤滑油が入出力ディスクの押付力を増大する第二ローディング手段と、
    を備えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記トルク伝達軸の内部に潤滑油が充填される中空部を設け、この中空部から前記油室に潤滑油を供給することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記ピストンの直径を前記入出力ディスクの直径より小さく設定したことを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記ピストンと前記ピストンを設けた入出力ディスク間にシール材を設けたことを特徴とする請求項1または3に記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 前記ピストンを前記ピストンを設けた入出力ディスク側に押し付けるバネ部材を設けたことを特徴とする請求項1と3と4のいずれか一つに記載のトロイダル型無段変速機。
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