JP2004346260A - サーモクロミックフィルムおよびサーモクロミックガラス - Google Patents

サーモクロミックフィルムおよびサーモクロミックガラス Download PDF

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則幸 山本
Hisao Suzuki
久男 鈴木
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Abstract

【目的】本発明は、赤外線に対するサーモクロミック特性が高く、且つ可視光領域における透明性が高いサーモクロミックフィルムを提供することを第一の課題とし、そのサーモクロミックフィルムを用いたサーモクロミックガラスを提供することを第2の課題とするものである。
【構成】二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部をタングステン、モリブデン、ニオブ、およびタンタルから選ばれる少なくとも1種以上の原子で置換した二酸化バナジウムを、フィルムに含有させたものが赤外線に対するサーモクロミック特性が高く、且つ可視光領域における透明性が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境温度によって自動的に赤外線透過量を調節できるサーモクロミックフィルムに関し、特に建築物や自動車の窓等に有用なサーモクロミックフィルムやサーモクロミックガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物や自動車の窓ガラスを通して室内に照射される太陽光を遮断することにより、室内の温度上昇を抑制して冷房効率を高めることが求められている。
太陽光、特に熱線(赤外線)を遮蔽する方法として、透明フィルム表面にアルミニウム、銀、金などの金属膜を蒸着等で形成した熱線反射フィルムを窓に貼付する方法(例えば特許文献1、特許文献2参照)、赤外線遮蔽剤を含有する赤外線遮蔽層を設けた赤外線遮蔽フィルム(例えば特許文献3、特許文献4参照)、酸化インジウムドープ酸化錫(ITO)粉末をバインダー樹脂に含有させた層をポリエステルフィルム上に形成させたもの(例えば特許文献5参照)、アンチモンドープ酸化錫層をガラス基板上に形成させる方法(例えば特許文献6参照)等がある。これらの方法は、室内温度が快適な温度以上になる場合は効果的であるが、冬場や朝夕の室内温度が快適な温度以下において赤外線を取り入れたい場合でも赤外線を遮蔽してしまうという欠点が指摘されている。
【0003】
温度の変化によって透過率、反射率等の光学特性が可逆的に変化することをサーモクロミック現象と言う。
このサーモクロミック現象を有する材料として幾つかの遷移金属酸化物が知られていて、特に、二酸化バナジウムは高いサーモクロミック特性を示すことが知られている。二酸化バナジウムの結晶は、約68℃で可逆的に半導体−金属相転移が発生する。相転移温度以下では半導体相を示すが、相転移温度以上では金属相に転移し、赤外線透過率が大幅に変化する。この透過率が変化する波長はおよそ800nm以上であり、それ以下の波長の透過率はほとんど変化しない。よって、相転移温度の上下で可視光透過率はほとんど変化しない特徴がある。
【0004】
二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部を他の金属原子(W、Mo、Nb、Ta、Re等)で置換することにより、相転移温度を変えることができることが知られている。
バナジウムターゲットとタングステンターゲット、あるいはバナジウムターゲットとモリブデンターゲットを反応性二元同時スパッタすることによってサーモクロミック材料を作製する方法が提案されている(例えば特許文献7、特許文献8参照)。しかし、これらの方法では、大面積化が困難で、高コストである。さらに製造に数100℃の加熱が必要なためガラス等の耐熱性を有する基材にしか使えないという問題がある。
【0005】
また、バナジウム、あるいはバナジウムとタングステンとを溶解させた過酸化水素水を基板上にスピンコーティングした後、数100℃で還元焼成する方法も提案されている(例えば非特許文献1参照)。この方法も、大面積化が困難で、製造に数100℃の加熱が必要なため、ガラス等の耐熱性を有する基材にしか使えないという問題がある。
【0006】
さらに、赤外線を遮蔽する別の機構を用いた材料も提案されている。透明導電膜を配した一対のガラス基板の間に液晶物質を保持させたもので、電源をオンにすることにより液晶が配向し透明性が向上し、一方、電源をオフにすることにより配向していた液晶が元の状態に戻り透明性が低下するものである(例えば特許文献9参照)。この方法は、電力を必要とすること、環境温度によって自動的には透明性が変化せず、操作が必要なこと、赤外線のみでなく可視光透過率も下がるといった問題がある。
【0007】
○先行文献
【特許文献1】
特開昭57−59748号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平57−59749号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平7−100996号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平8−281860号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】
特開平11−305033号公報(特許請求の範囲)
【特許文献6】
特開平3−103341号公報(特許請求の範囲)
【特許文献7】
特開平7−331430号公報(特許請求の範囲)
【特許文献8】
特開平8−3546号公報(特許請求の範囲)
【特許文献9】
特開平8−286192号公報(特許請求の範囲)
【非特許文献1】
Ikuya Takahashi et.al. ,Jpn. J. Appl. Pyhs., 35, 438(1996)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、赤外線に対するサーモクロミック特性が高く、且つ可視光領域における透明性が高いサーモクロミックフィルムを提供することを第一の課題とし、そのサーモクロミックフィルムを用いたサーモクロミックガラスを提供することを第2の課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部をタングステン、モリブデン、ニオブ、およびタンタルから選ばれる少なくとも1種以上の原子で置換した二酸化バナジウム(金属ドープ二酸化バナジウムという)を、フィルムに含有させたものが赤外線に対するサーモクロミック特性が高く、且つ可視光領域における透明性が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
○金属ドープ二酸化バナジウム
二酸化バナジウムは様々な結晶相が存在するが、単斜晶結晶と正方晶結晶(ルチル型)が可逆的に相転移する。その相転移温度は約68℃のため、用途によってはそのまま使えることもあるが、建築物や自動車などの窓に使用することを考えた場合、対象物における快適な温度と不快な温度との境界領域に相転移温度を設定することが好ましい。
二酸化バナジウム中のバナジウム原子の一部をタングステン、モリブデン、ニオブ、およびタンタル等の原子で置換することにより相転移温度を変えることができ、本発明に用いることができる。これら金属原子の二酸化バナジウムに対する置換量は、10原子%以下が好ましく、0.5原子%以上が好ましい。更に好ましくは1〜8原子%であり、特に好ましくは、1.5〜7原子%である。
これら金属の中で、置換量と相転移温度との関係からタングステンおよびモリブデンが好ましい。
【0012】
金属ドープ二酸化バナジウムの粒径は特に限定されないが、可視光透過性を高めるためには、メジアン径が0.4μm以下が好ましく、5nm以上が好ましく、更に0.1μm以下が好ましい。また、最大径が1μm以下が好ましく、更に0.8μm以下であることが好ましい。
【0013】
○金属ドープ二酸化バナジウムの製造方法
金属ドープ二酸化バナジウムの製造方法は特に限定されない。例えば、バナジルトリイソプロポキシド等のバナジウムアルコキシドと、タングステンペンタイソプロポキシド等のタングステンアルコキシドおよび/またはモリブデンペンタエトキシド等のモリブデンアルコキシド等とを混合し、水や酸により加水分解させて金属ドープ五酸化二バナジウムを作製し、これを還元することにより金属ドープ二酸化バナジウムを製造する方法がある。また、五塩化バナジウムの塩酸溶液と、五塩化タングステンおよび/または五塩化モリブデン等の塩酸溶液とを混合し、水やアルカリにより加水分解させて金属ドープ五酸化二バナジウムを作製し、これを還元することにより金属ドープ二酸化バナジウムを製造する方法が例示できる。また、バナジウムの化合物を蓚酸に溶解し、これにタングステンおよび/またはモリブデンの化合物を蓚酸に溶解したものを加え、この溶液をアルカリにより加水分解させて金属ドープ酸化バナジウムを作製し、これを焼成、さらに還元することにより金属ドープ二酸化バナジウムを製造する方法が例示できる。また、バナジウムの化合物を過酸化水素水に溶解し、これにタングステンおよび/またはモリブデンの化合物を過酸化水素水に溶解したものを加え、この溶液をアルカリにより加水分解させて金属ドープ酸化バナジウムを作製し、これを焼成、さらに還元することにより金属ドープ二酸化バナジウムを製造する方法が例示できる。また、バナジン酸カリウム水溶液に、タングステン酸カリウム水溶液および/またはモリブデン酸カリウム水溶液を加え、この溶液を酸、またはアルカリで加水分解させて金属ドープ酸化バナジウムを作製し、これを焼成、さらに還元することにより金属ドープ二酸化バナジウムを製造する方法などが例示できる。
【0014】
金属ドープ二酸化バナジウムを製造するとき、焼成温度として300〜700℃が好ましく、更に好ましくは350〜600℃であり、特に好ましくは350〜500℃である。また、金属ドープ二酸化バナジウム中の5価のバナジウムを4価に還元処理することも好ましい。この場合、例えば水素雰囲気下または水素気流中(例えば5%水素含有アルゴンガス)、300〜700℃で加熱処理することが好ましく、更に好ましくは350〜600℃であり、特に好ましくは350〜500℃である。なお、加熱時間により加熱温度を調節することもできる。
【0015】
○金属ドープ二酸化バナジウムの保護層
金属ドープ二酸化バナジウムのバナジウムの価数は4価であるため、空気中で5価に酸化される恐れがある。よって、酸化を抑制するため、金属ドープ二酸化バナジウムに保護層を設けることが好ましい。
保護層としては、シランカップリング剤で金属ドープ二酸化バナジウムを表面処理する方法、テトラエトキシシラン、チタンテトライソプロポキシドなどの金属のエトキシドや、硫酸チタニルや塩化アルミニウムなどの金属の塩を金属ドープ二酸化バナジウムの表面に付着させた後、加水分解することにより酸化物層や水酸化物層を形成させ方法等が挙げられる。そして、これを乾燥させるとき、60〜150℃に加熱しても良く、80〜120℃に加熱しても良い。
【0016】
○サーモクロミックフィルム
本発明の金属ドープ二酸化バナジウムをフィルムに添加することによりサーモクロミックフィルムを作製することができる。ここでいうフィルムとは、ガラスに貼り付けたり、ガラスに挟み込むことに用いられる膜厚の薄いものも、あるいはそれ自身がある程度の強度を有するいわゆるシート状や板状のものも含む。シート状や板状とは、例えば0.1mm程度のものから1cm程度のものである。
【0017】
本発明のサーモクロミックフィルムを作製するときに用いる樹脂は、フィルムとして形成できるものであれば、天然樹脂、半合成樹脂、および合成樹脂のいずれであってもよく、また熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。具体的な樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、およびフェノール樹脂等がある。
【0018】
金属ドープ二酸化バナジウムの樹脂への使用量は、樹脂の種類、厚さ、および用途等により異なるが、樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。0.5質量部未満では、サーモクロミック効果が不十分になる恐れがあり、30質量部を超えると可視光の透過性が低下する恐れがある。
【0019】
金属ドープ二酸化バナジウムは、樹脂と混合、混練し、常法によりフィルム化することができる。例えば、インフレーション加工、カレンダー加工、またはTダイ加工を用いることができる。
さらに、フィルムの片面または両面に樹脂層を設けて多層フィルムとすることができる。金属ドープ二酸化バナジウムはどの層に入れてもかまわない。多層フィルムは常法により、例えば、ドライラミネーション、ヒートラミネーション、インフレーション共押し出しにより作製することが出来る。また、樹脂に金属ドープ二酸化バナジウムを添加し塗工することも出来る。塗工方法として、ブレードコーティング、グラビアコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、キスコティング、スプレーコティング、オフセットグラビアコーティング、ディップコート、バーコート、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、エアナイフコーティング、マイヤーバーコーティング、またはスプレーコーティング等を用いることができる。
【0020】
サーモクロミックフィルムに加工するとき必要に応じ、可塑剤、滑剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤、熱安定剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、分散剤、および/または表面改質剤等を樹脂に配合することができる。
【0021】
○サーモクロミックガラス
本発明のサーモクロミックフィルムを、ガラスに貼り付けること、あるいは、複数のガラスの間に挟み込むことにより、サーモクロミックガラスを得ることができる。また、ガラスと、アクリル板のような透明な樹脂板またはフィルムとの間に挟み込んでもよい。また、透明な樹脂板に貼り付けまたは複数の透明な樹脂板の間に挟み込んでもよい。
【0022】
○用途
本発明のサーモクロミックフィルムやサーモクロミックガラスは、建築物や自動車などの窓に用いることができる。その他にも、装飾用のディスプレー、農業用のシートやガラス、およびテントやタープといったアウトドア用品、さらには野外用のウェア等にも用いることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。部とは質量部を示し、Mはモル濃度を示す。
【0024】
<合成例1>
バナジルトリイソプロポキシド13.7g、モリブデンペンタエトキシド0.73gをイソプロパノール500mlに溶解した。この溶液にイオン交換水15mlを添加し室温で72時間攪拌後、溶媒を除去した。残渣を解砕後、400℃で2時間焼成し、引き続き水素気流中で450℃で2時間焼成することによりモリブデンドープ二酸化バナジウム(MDV1)を得た。
【0025】
<合成例2>
モリブデンペンタエトキシドのかわりに、タングスンペンタイソプロポキシド0.54gを加えた以外は合成例1と同様の操作を行ない、タングステンドープ二酸化バナジウム(WDV1)を得た。
【0026】
<合成例3>
0.5M−蓚酸500mlにバナジウム酸アンモニウム11.7gおよびタングステン酸アンモニウム0.52gを添加し、80℃に加熱して蓚酸溶液を作製した。これを加熱したまま2M−アンモニア水溶液をpHが12になるまで添加し、沈殿を得た。ろ過、水洗し、この沈殿を粉砕後、水素気流中で450℃で2時間焼成することによりタングステンドープ二酸化バナジウム(WDV2)を得た。
【0027】
<合成例4>
イオン交換水500mlに、バナジン酸カリウム3.9gおよびモリブデン酸ナトリウム1.21gを溶解させた。この溶液に2M−アンモニア水溶液をpHが12.5になるまで添加し、沈殿を得た。ろ過、水洗し、この沈殿を粉砕後、800℃で4時間焼成した。その後更に粉砕し、水素気流中で450℃で2時間焼成することによりモリブデンドープ二酸化バナジウム(MDV2)を得た。
【0028】
<合成例5>
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコンーン製KBM−403)0.1gを、イオン交換水0.1gを含むエタノールに溶解し、合成例1で得たモリブデンドープ二酸化バナジウム5.0gと混合した。窒素気流中で100℃で乾燥後、粉砕し、保護層を設けたモリブデンドープ二酸化バナジウム(P1MDV1)を得た。
【0029】
<合成例6>
テトラエトキシシラン0.5g、3%−アンモニア水溶液0.56g、をエタノールに50mlに溶解し、合成例1で得たモリブデンドープ二酸化バナジウム5gと混合した。窒素気流中で100℃で乾燥、粉砕後、さらに300℃で1時間加熱することにより、保護層を設けたモリブデンドープ二酸化バナジウム(P2MDV1)を得た。
【0030】
<実施例1−6、および比較例1>
合成例1−6で得たモリブデンドープ二酸化バナジウムやタングステンドープ二酸化バナジウムなどの金属ドープ二酸化バナジウムを、下記記載の組成で混合後、Tダイ法により、厚さ50μのサーモクロミックフィルムを得た。また金属ドープ二酸化バナジウムを添加せずにフィルムを作製した(比較例1)。
・金属ドープ二酸化バナジウム 3部
・ポリエスル樹脂”EASTAR”Copolyester6763(イーストマンケミカル社製) 97部
得られたフィルムの20℃および40℃における可視光透過率(550nm)、20℃および40℃における赤外線透過率(2500nm)、を測定した。また、測定温度を変えて2500nmにおける赤外線透過率を測定し、相転移温度を求めた。その結果を表2に示した。
【0031】
【表1】
Figure 2004346260
【0032】
【表2】
Figure 2004346260
【0033】
<実施例7>
合成例1で得たMDV1を、紫外線硬化型樹脂に下記記載の組成で配合した。
Figure 2004346260
この組成物を、厚さ50μmのポリエステルフィルム(ユニチカ(株)製コンブレットMS)に、硬化後の厚さが1.5μmとなるようにバーコティング法で塗布し、乾燥後、UV照射して組成物を硬化させることにより、サーモクロミックフィルムを得た。
得られたフィルムの20℃および40℃における可視光透過率(550nm)、20℃および40℃における赤外線透過率(2000nm)、を測定した。その結果を表3に示した。
【0034】
【表3】
Figure 2004346260
【0035】
<実施例8、9、比較例2>
実施例5で作製したフィルムをソーダガラス板2枚の間に挟み込みサーモクロミックガラスを得た(実施例8)。
また、実施例7で作製したフィルムの片面にアクリル系粘着剤を塗布してガラス板に貼り付けることによりサーモクロミックガラスを得た(実施例9)。
サーモクロミック材料を添加していないポリエステルフィルムを実施例8と同様にガラス板に挟み込んだものを比較例2とした。
これらを実施例7と同様評価し、結果を表4に示した。
【0036】
【表4】
Figure 2004346260
【0037】
【発明の効果】
本発明のサーモクロミックフィルム等は、可視光領域の透明性が高く、且つ設定温度以上で赤外線の透過率を制御できる材料である。よって、建築物や自動車などの窓に用いた場合、従来品のように可視光領域の透明性を低下させることなく、また、赤外線を取り入れたい温度域では赤外線の透過率を抑制することなく、取り入れ不用の温度域で赤外線の透過性を制御することができる。このため、効果的に環境負荷を低減できる材料である。

Claims (5)

  1. 二酸化バナジウムのバナジウム原子に対し、タングステン、モリブデン、ニオブ、およびタンタルから選ばれる少なくとも1種以上の原子で0.5〜10原子%置換した金属ドープ二酸化バナジウムを含有することを特徴とするサーモクロミックフィルム。
  2. 二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部を置換する原子が、タングステンおよびモリブデンから選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載の金属ドープ二酸化バナジウムを含有することを特徴とするサーモクロミックフィルム。
  3. 金属ドープ二酸化バナジウムのメジアン径が0.4μm以下であり、かつ最大径が1μm以下である請求項1〜2記載のサーモクロミックフィルム。
  4. 金属ドープ二酸化バナジウムに保護層を設けたことを特徴とする請求項1〜3記載のサーモクロミックフィルム
  5. 請求項1〜4記載のサーモクロミックフィルムをガラスに貼付、あるいは複数のガラスの間に挟みこんだことを特徴とするサーモクロミックガラス。
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