JP2013184091A - Vo2分散樹脂層及びその製造方法、積層体、並びにvo2含有組成物 - Google Patents

Vo2分散樹脂層及びその製造方法、積層体、並びにvo2含有組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の可視光透過率と赤外光の調光特性を安定的に得ることが可能なVO分散樹脂層を提供する。また、基材を用いた場合に、基材上に強固に保持されるVO分散樹脂層を提供する。
【解決手段】本発明のVO分散樹脂層は、透光性樹脂中にVO粒子が分散されたものである。VO分散樹脂層中のVO粒子の濃度cは60質量%以下であることが好ましい。VO粒子の濃度c(質量%)と平均凝集径d(nm)、及びVO分散樹脂層の膜厚t(nm)とが、下記式(I)の関係を充足することが好ましい。
20≦ct/d≦250・・・(I)
【選択図】なし

Description

本発明は、VO分散樹脂層及びその製造方法、該VO分散樹脂層を備えた積層体、並びに該VO分散樹脂層の製造に用いられるVO含有組成物に関するものである。
建物及び車両等において、省エネルギー性と快適性とを両立するため、表面に自動調光材料をコーティングした窓が検討されている。
「自動調光材料」は例えば、温度により光線の透過量が変化する材料である。特に、特定の温度以上で赤外光の透過率が低下する自動調光材料は、赤外光を夏期に遮断し冬期に透過させることが可能である。例えば建物及び車両等の窓の表面を自動調光材料でコーティングすることで、夏季における室内の温度上昇を自動的に抑制することができる。室内の明るさを維持しつつ温度上昇を抑制する観点から、可視光の透過率(以下、「可視光透過率」と称する)は温度に依存せずに高いことが望ましい。特に農業用ハウス等の窓の表面をコーティングする場合、植物の成長の観点から、波長430nm、450nm、640nm、及び670nmの光の透過率が高いことが望まれる。
以上の観点から、二酸化バナジウム(VO)が自動調光材料として注目されている。ルチル型のVO結晶は68℃付近の相転移温度で半導体・金属相転移する。可視光透過率は温度によらずほぼ一定であるのに対し、赤外光の透過率は相転移温度未満では高く、相転移温度以上では低い(特許文献2の図4等を参照)。
なお、本明細書では以下、前記した相転移温度を境に赤外光の透過率が変化するVOの特性を「調光特性」と称する。
そこで窓等の用途に向けて、透光性基材の表面にVOをコーティングする方法が検討されている。
特許文献1、2の「背景技術」の項には、VOをガラスの表面にコーティングする方法として、スパッタ法等の気相法(以下、「スパッタ法等の気相法」を単に「気相法」と称する)が記載されている。また、特許文献1、2の[実施例]の項等には、VOを透光性樹脂の表面にコーティングする方法として、VO粒子を透光性樹脂製の接着テープに貼着する方法及び該接着テープに貼着したVO粒子を他の透光性樹脂シートに貼着する方法が記載されている。
特開2007−326276号公報 特開2010−031235号公報
従来の透光性基材の表面にVOをコーティングする方法のうち、気相法は高コストな上、連続生産及び大面積化が難しく、製造上有利とは言えない。さらに、通常300〜500℃の成膜温度が必要であり(特許文献1の段落0049等)、使用可能な透光性基材の種類が制限される。例えば、透光性の樹脂シートは軽量で可撓性を有することから好ましい基材であるものの、気相法によってVOをコーティングすることは困難である。
VO粒子を透光性樹脂製の接着テープに貼着する方法及び該接着テープに貼着したVO粒子を他の透光性樹脂シートに貼着する方法は、低コストで大面積化が可能である。しかしながら、透光性基材の表面のVO粒子の濃度を均一にすることが難しいため、VO粒子の使用量が少ないとVO粒子の濃度が過小な箇所に起因して調光特性が低下し、VO粒子の使用量が多いと可視光の透過率が低下してしまう。
さらに、上記した方法で透光性樹脂の表面にコーティングされたVO粒子は、長期使用において剥離しやすいので、調光特性の低下を起こしやすく、実用性が乏しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、所望の可視光透過率と調光特性を安定的に実現できるVO分散樹脂層を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、透光性基材上に強固に保持されるVO分散樹脂層を備える積層体を提供することを目的とするものである。
本発明のVO分散樹脂層は、透光性樹脂中にVO粒子が分散されたものである。
本発明の積層体は、透光性基材上に上記の本発明のVO分散樹脂層を備えたものである。
本発明のVO含有組成物は、
上記の本発明のVO分散樹脂層の製造に用いられるVO含有組成物であって、
前記VO粒子と、前記透光性樹脂と、当該透光性樹脂を可溶な有機溶剤とを含むものである。
本発明のVO分散樹脂層の製造方法は、
前記VO粒子と、前記透光性樹脂と、当該透光性樹脂を可溶な有機溶剤とを含むVO含有組成物を用意する工程(2)と、
透光性基材上に、前記VO含有組成物を塗布して塗膜を形成する工程(3)と、
前記有機溶媒を除去する工程(4)とを有するものである。
本発明のVO分散樹脂層の製造方法は、
原料としてVを用い、液相で前記VO粒子を合成する工程(1)をさらに有することが好ましい。
本発明によれば、所望の可視光透過率と調光特性を安定的に得ることが可能なVO分散樹脂層を提供することができる。
本発明はまた、透光性基材を用いた場合に、透光性基材上に良好に保持されるVO分散樹脂層を提供することができる。
実施例1−1で得られた調光シートの調光特性を示すグラフである。 実施例1−1で得られた調光シートの可視光域の光量子密度の計算結果を示すグラフである。 実施例1−1で得られた調光シートの光学顕微鏡写真である。 実施例1−3で得られた調光シートの光学顕微鏡写真である。 実施例2−1で得られた調光シートの光学顕微鏡写真である。 実施例2−2で得られた調光シートの光学顕微鏡写真である。 実施例2−4で得られた調光シートの光学顕微鏡写真である。 実施例3−1で得られた調光シートの光学顕微鏡写真である。 実施例3−2で得られた調光シートの光学顕微鏡写真である。 [実施例]において、計算上、VO分散樹脂層からバインダである透光性樹脂量を除いて求められるVO膜厚と可視光透過率との関係をプロットしたグラフである。
以下、本発明について詳述する。
「VO分散樹脂層」
本発明のVO分散樹脂層は、透光性樹脂中にVO粒子が分散されたものである。
本発明のVO分散樹脂層においては、VO粒子の結晶型は、自動調光性を有することから、ルチル型のVO粒子を用いることが特に好ましい。
ルチル型のVO粒子は、転移温度以下では、単斜晶系(monoclinic)の構造を有するため、M型とも呼ばれる。
本発明の目的を損なわない範囲で、A型、あるいはB型などの他の結晶型のVO粒子を含んでもよい。
本発明で用いるVO粒子の平均一次粒子径、本発明のVO含有組成物中におけるVO粒子の平均分散径d、及び本発明のVO分散樹脂層におけるVO粒子の平均凝集径dは特に制限されない。
VO粒子の平均一次粒子径は780nm以下であることが好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下がさらに好ましい。
製造容易性等を考慮すれば、VO粒子の平均一次粒子径は20nm以上が好ましい。
VO含有組成物中におけるVO粒子の平均分散径dは、20〜780nmであることが好ましい。VO含有組成物のVO粒子の平均分散径dが780nmを超えると、これから得られるVO分散樹脂層における可視光透過率が低下する傾向がある。
VO分散樹脂層におけるVO粒子の平均凝集径dは20〜780nmであることが好ましく、30〜450nmの範囲であることがより好ましく、40〜380nmの範囲であることがさらに好ましい。VO粒子の平均凝集径dが780nmを超えると、可視光透過率が低下する傾向がある。
本発明のVO分散樹脂層におけるVO粒子の濃度cは特に制限されない。
本発明のVO分散樹脂層におけるVO粒子の濃度cは例えば、5〜60質量%が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい(後記[実施例]の項を参照)。濃度cが高いほど調光性能は高くなる傾向があるが、VO粒子の平均凝集径dが大きくなり可視光透過率が低下する傾向となる。VO粒子は得られる範囲で高濃度かつ均一に分散されていることが最も好ましい。
本明細書において、用いるVO粒子の平均一次粒子径及びVO分散樹脂層におけるVO粒子の平均凝集径dは、1万〜2万倍程度の倍率で、VO粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮影し、VO粒子の一次粒子あるいは凝集粒子10個をランダムに選出し、各粒子の最大寸法の平均値として求めるものとする。
本明細書において、VO含有組成物におけるVO粒子の平均分散径dは、レーザー回折散乱式粒度分布計で測定されるメジアン径として求めるものとする。
VO粒子の製造方法は特に制限されず、固相法により合成されたVO焼結体を粉砕する方法及び五酸化二バナジウム(V)を原料として、液相でVOを合成しながら粒子成長させる方法等が挙げられる。
平均一次粒子径が小さく、粒子径のばらつきを抑制するには、Vを原料として、液相でVOを合成しながら粒子成長させる方法が特に好ましい。
を原料として、液相でVOを合成しながら粒子成長させる方法としては、水熱合成法等が挙げられる(後記[実施例]の項を参照)。
該方法においては、必要に応じて、粒子成長の核となる微小なTiO等の核粒子を添加することができる。該核粒子は1種又は2種以上添加することができる。
本発明のVO分散樹脂層では、VO粒子間にバインダである透光性樹脂が介在するため、バインダを用いない従来技術よりも、VO粒子を低濃度で分散させることができる。本発明では、良好な調光特性が得られる範囲内で、VO粒子をなるべく低濃度でほぼ均一に分散させることが可能である。
したがって、本発明によれば、所望の可視光透過率と調光特性を安定的に得ることが可能なVO分散樹脂層を提供することができる。
本発明のVO分散樹脂層ではまた、透光性樹脂がバインダとして機能するので、透光性基材上にVO粒子が強固に保持される。
また、VO粒子がバインダで被覆されることで、その酸化防止効果も得られると考えられる。
本発明のVO分散樹脂層において、VO粒子の濃度c(質量%)と平均凝集径d、及びVO分散樹脂層の膜厚t(nm)が、下記式(I)の関係を充足することが好ましく、下記式(Ia)の関係を充足することが特に好ましい。
20≦ct/d≦250・・・(I)、
60≦ct/d≦110・・・(Ia)
ct/dが過大では、可視光透過率が不充分となる恐れがある。
ct/dが過小では、所望の調光特性が得られなくなる恐れがある。
ct/dを上記規定とすることで、所望の可視光透過率と調光特性を安定的に得ることができる。
本発明のVO分散樹脂層の膜厚tは特に制限されない。
VO分散樹脂層の膜厚tが過小では、VO粒子の量が不充分となる恐れがある。
VO分散樹脂層の膜厚tが過大では、VO粒子の量が多くなりすぎる、あるいは、均一成膜が難しく、VO粒子の凝集が生じやすくなるなどの理由により、所望の可視光透過率が得られなくなる恐れがある。
本発明のVO分散樹脂層の膜厚tは例えば、5000nm以下が好ましく、3000nm以下がより好ましく、2000nm以下が特に好ましい(後記[実施例]の項を参照)。
本発明のVO分散樹脂層の膜厚tは例えば、1000nm以上が好ましい(後記[実施例]の項を参照)。
SiO等の他の無機酸化物に比して、VOは比較的表面疎水性が高い。
従来は、VO粒子の表面をシランカップリング剤で処理して、親水化させることが好ましいとされている(例えば、特許文献2の段落0075及び0085を参照)。
本発明では、VO分散樹脂層の成膜に際して、透光性樹脂を可溶する有機溶媒を用いる。そのため、VO粒子としては粒子合成後にシランカップリング剤等による表面親水化処理が施されていないものを用いることが好ましい。この方が、VO粒子と有機溶媒とのなじみが良く、VO粒子が有機溶媒中に良好に分散され、均一なVO分散樹脂層が得られやすい。これは、本発明者が見出した新規な知見である。
本明細書において、「VO粒子の表面親水化処理」とは、シランカップリング剤等を用いて、VO粒子の表面に親水性の官能基を導入することを指す。
透光性樹脂としては特に制限されず、公知の透光性樹脂を1種又は2種以上使用することができる。
透光性樹脂としては、VO粒子の分散性が向上することから、VO粒子とのなじみが良いものが好ましく、エステル系樹脂等が好ましく用いられる。
後記[実施例]の項において示すように、本発明者は例えば、透光性樹脂としてエステル系樹脂を用いることで、分散剤等の添加なく、透光性樹脂中にVO粒子を良好に分散させることに成功している。
本発明のVO分散樹脂層は、必要に応じて、レベリング剤、分散安定剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤等の添加剤を1種又は2種以上含むことができる。
ルチル型のVO結晶は68℃付近の相転移温度で半導体・金属相転移する特性を有し、環境温度依存型の調光特性を発現することができる。
VOは主に赤外光に対して調光特性を発現する。具体的には、可視光透過率は温度によらずほぼ一定であるのに対し、赤外光の透過率は68℃未満では高く68℃以上では低い。
本発明のVO分散樹脂層は例えば、夏期には太陽光を反射させて光及び熱を遮断し、冬期には太陽光を透過させて光及び熱を透過させる調光層として使用できる。
さらに、本発明のVO分散樹脂層は、VO粒子の相転移特性(特に、調光温度)を制御する目的で、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、フッ素(F)、及びリン(P)から選ばれる元素を含む単体及び/又は化合物を含んでもよい。かかる目的において、該単体及び/又は化合物の総量は、添加元素として、バナジウム元素の0.1〜5.0モル%の範囲が好ましく、0.2〜2.0モル%の範囲がより好ましい。
本発明によれば、例えば、波長1500nmの光について、下記式(II)で表されるTrが40%以上であるVO分散樹脂層を提供することができる(後記[実施例]の項を参照)。
Tr(%)=(T(20℃)−T(80℃))/T(20℃)×100・・・(II)
(式中、T(80℃)は80℃における波長1500nmの光の透過率であり、T(20℃)は20℃における波長1500nmの光の透過率である。)
本発明のVO分散樹脂層は、20℃と80℃における可視光透過率がいずれも30%以上であることが好ましく、いずれも50%以上であることがより好ましい。ここで、可視光透過率は、JIS K7105に記載された方法で測定した全光線透過率として評価するものとする。
本発明のVO分散樹脂層は、農業用ハウス等の植物生育用設備の窓に用いる場合、植物の成長の観点から、波長430nm、450nm、640nm、および670nmの光の透過率が高いことが望まれる。20℃と80℃における波長430nmおよび450nmの透過率がいずれも3%以上であることが好ましく、いずれも10%以上であることがより好ましい。また20℃と80℃における波長640nmおよび670nmの透過率がいずれも30%以上であることが好ましく、いずれも45%以上であることがより好ましい。
ここで、上記透過率は分光光度計で測定できる。
通常の光は波長30nm以下の範囲で大きな透過率の変化はないので、波長430nm、450nm、640nm、および670nmの光の透過率を測定する代わりに、簡易的に波長430〜450nmのいずれかの波長の光および640〜670nmのいずれかの波長の光の透過率を測定することで評価してもよい。
本発明のVO分散樹脂層は、赤外光に対しては良好な調光特性を発現しつつ、可視光に対しては温度によらず良好な透過率を有するので、建物及び車両等の窓ガラス、特に農業用ハウスの窓ガラス等に好ましく利用できる。
「積層体」
本発明の積層体は、透光性基材上に上記の本発明のVO分散樹脂層を備えたものである。
透光性基材を用いることによって、VO分散樹脂層の均一性などを確認する製品検査において光学検査が容易である。また積層体を窓ガラスなどの代替として用いることもできる。
本発明の積層体は、VO分散樹脂層以外の任意の層を備えることができる。
例えば、透光性基材上に後記ペースト状等のVO含有組成物を塗布し、有機溶媒の少なくとも一部を除去した後、他の塗布剤あるいはフィルム等を積層することができる。
例えば、VO分散樹脂層上に、粘着層あるいは接着層を積層することができる。積層体の最表面に粘着層あるいは接着層を設けることで、この粘着層あるいは接着層を介して、他の材料にVO分散樹脂層を容易に貼着することができる。
本発明の積層体は、VO分散樹脂層に透光性樹脂を含んでいるので、透光性基材として熱可塑性樹脂を用い、表面にVO分散樹脂層を備えた場合、VO分散樹脂層側を他の材料に熱融着させることができる。
本発明の積層体は、他の材料にVO分散樹脂層を貼着又は熱融着した後、透光性基材をVO分散樹脂層から剥離する転写シートとして使用することができる。
透光性基材の材料としては特に制限されないが、ガラス、及び透光性樹脂等が挙げられる。このうち、Roll to Rollによる連続生産が可能であり、ガラス等の任意の材料への貼着が容易であることから、透光性樹脂が好ましい。該透光性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
「VO含有組成物」
本発明のVO含有組成物は、
上記の本発明のVO分散樹脂層の製造に用いられ、VO粒子と、透光性樹脂と、当該透光性樹脂を可溶な有機溶剤とを含むものである。
VO含有組成物に用いられる有機溶剤は特に制限されず、用いる透光性樹脂の種類、及び有機溶媒除去時の揮発性等を考慮して選定される。
有機溶剤としては例えば、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン等のエーテル、メチルエチルケトン等のケトン、及び2−プロパノール等のアルコール等が挙げられる。これらは1種又は2種以上用いることができる。
VO含有組成物には、必要に応じて、レベリング剤、分散安定剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤等の添加剤を1種又は2種以上含むことができる。
VO含有組成物の固形分濃度は特に制限されず、均一な塗布成膜が可能な粘度範囲内で決定される。
VO含有組成物は、塗工可能であれば、液状でもペースト状でもよい。
均一な塗布成膜が可能なことから、VO含有組成物中のVO粒子と透光性樹脂との総量の割合(固形分濃度)は例えば、10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%が特に好ましい。
「VO分散樹脂層の製造方法」
本発明のVO分散樹脂層の製造方法は、
上記の本発明のVO分散樹脂層の製造方法であって、
VO粒子と、透光性樹脂と、この透光性樹脂を可溶な有機溶剤とを含むVO含有組成物を用意する工程(2)と、
透光性基材上に、上記VO含有組成物を塗布して塗膜を形成する工程(3)と、
有機溶媒を除去する工程(4)とを有するものである。
VO含有組成物の塗布成膜方法は特に制限されず、バーコータ等を用いた塗布法等が挙げられる。
塗膜の膜厚は、VO含有組成物の固形分濃度及び乾燥後に得られるVO分散樹脂層の所望の膜厚に応じて設計される。
本発明のVO分散樹脂層の製造方法は、
を原料として、液相でVO粒子を合成する工程(1)をさらに有することが好ましい。
工程(1)は特に限定されず、例えば以下の工程(1−1)〜(1−3)を含むことができる。
<工程(1−1)>
はじめに、バナジウムを含む化合物と水とを含む溶液を用意する。
例えば、五酸化二バナジウム(V)と水とを混合し、上記溶液を調製することができる。なお、この「溶液」は、Vがイオン状態で溶解した溶液であっても、Vが溶解せず、懸濁した状態の懸濁溶液であってもよい。
上記溶液には、任意で、酸化剤および/または還元剤を添加してもよい。あるいは、この溶液には、任意で、pH調整剤を添加してもよい。
酸化剤および/または還元剤としては例えば、シュウ酸、酢酸、ギ酸、マロン酸、プロピオン酸、コハク酸、クエン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、酪酸、吉草酸、安息香酸、没食子酸、メリト酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、アコニット酸、グルタル酸、メタノール、フェノール、エチレングリコール、クレゾール、エタノール、ジメチルホルムアルデヒド、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、プロパノール、ブタノール、ヒドラジン、過酸化水素、過酢酸、クロラミン、ジメチルスルホキシド、メタクロロ過安息香酸、および硝酸からなる群から選定された少なくとも1種が使用できる。なお、当然のことながら、これらの物質は、水和物であってもよい(以下のpH調整剤も同様である)。
pH調整剤としては例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、フッ酸、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、および水酸化カルシウム等が挙げられる。これらの化合物から、1つまたは複数の化合物が選定されてもよい。
なお、前記酸化剤、還元剤、及びpH調整剤の記載は一例に過ぎず、これら以外の物質を選定してもよい。
<工程(1−2)>
次に、工程(1−1)で用意した溶液中に、ルチル型結晶相を含むTiO粒子を添加し、懸濁液を調製する。
ルチル型結晶相を含むTiO粒子は、市販のものを使用してもよく、あるいはTiO以外のチタン含有前駆体から調製したものを使用してもよい。
ここで、TiO粒子の一次平均粒径は、10〜500nm程度であることが好ましく、50〜100nm程度であることがより好ましい。TiO粒子の一次平均粒径を50〜100nm程度にすることにより、最終的に得られるVO粒子の一次平均粒径を有意に微細化することができ、例えば100〜200nmとすることができる。
添加するTiO粒子の量は、特に限られない。例えば、バナジウム源の質量から換算したVOの量と添加するTiOの量比(VO:TiO)は、5:95〜95:5の範囲とすることができる。この場合、最終的に得られるVO粒子中に含まれるTiOの質量(全粒子に対する質量)を、5〜95質量%程度とすることができる。
特に、バナジウム源の質量から換算したVOの量と添加するTiOの量比(VO:TiO)は、10:90〜90:10の範囲であることが好ましく、この場合、最終的に得られるVO粒子中に含まれるTiOの質量(全粒子に対する質量)は、10〜90質量%程度となる。
バナジウム源の質量から換算したVOの量と添加するTiOの量比(VO:TiO)は、例えば2:1である。
必要に応じて、上記懸濁液にさらに、以下の物質群Aから選定された少なくとも1つの元素及び/又はその化合物を添加してもよい。これにより、最終的に得られるVO粒子の相転移特性(特に、調光温度)を制御することができる。
物質群A:タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、フッ素(F)およびリン(P)。
<工程(1−3)>
次に、工程(1−2)で調製した懸濁液を用いて、水熱反応処理を行う。
水熱反応処理には、通常の場合、オートクレーブのような水熱反応容器が使用される。
処理温度は通常、例えば200℃〜300℃の範囲である。本発明の方法では、前述の効果、すなわち、ルチル型結晶相を含むTiO粒子が、ルチル型結晶相のVOの種結晶として機能するため、280℃以下、250℃以下、あるいは220℃以下の比較的低い温度でも、良好な調光性を有するVO粒子を再現性良く形成することができる。
処理時間は、懸濁液の量、処理温度、処理圧力、および懸濁液中のVとTiOの量比等によっても変化するが、おおよそ1時間〜7日の範囲であり、例えば24時間程度である。
<工程(1−4)>
工程(1−3)後、必要に応じて、得られたVO粒子の表面に、コーティング処理または表面改質処理を行ってもよい。これにより、表面が保護および/または表面改質されたVO粒子を得ることができる。また、VO粒子の光学特性(調光特性)を制御することができる。コーティング処理または表面改質処理は例えば、シランカップリング剤を用いて実施することができる。
以上の工程により、ルチル型結晶相を含むVO粒子が沈殿した溶液が得られる。その後、溶液から沈殿物をろ過回収して、これを洗浄及び乾燥処理することにより、ルチル型結晶相を含むVO粒子が得られる。
工程(2)において、一次粒子径20〜200nmのVO粒子と、透光性樹脂と、有機溶剤とを撹拌して、平均分散径d20〜780nmのVO粒子を含有するVO含有組成物を調製することが好ましい。
VO含有組成物中のVO粒子の平均分散径dを上記範囲内とすることで、得られるVO分散樹脂層中のVO粒子の平均凝集径dを、安定的に、可視光域の波長以下の20〜780nmとすることができる。
塗膜中の有機溶媒の除去方法は特に制限されず、加熱乾燥、減圧乾燥、及び減圧加熱乾燥等が挙げられる。
本発明のVO分散樹脂層の製造方法は、気相法と異なり、高価な成膜装置せず、成膜時に高温加熱が不要であるのでエネルギーコストが小さく、用いる基材も制限されない。
本発明のVO分散樹脂層の製造方法では、用いる基材に制限がないため、基材として可撓性シートを用いることができる。そのため、Roll to Rollの連続生産が可能であり、生産性に優れている。
本発明のVO分散樹脂層の製造方法では、大面積化も容易である。
本発明のVO分散樹脂層の製造方法によれば、透光性樹脂をバインダとして用いているので、従来技術よりも基材上にVO粒子を低濃度で分散させることができ、所望の可視光透過率と調光特性を有するVO分散樹脂層を安定的に製造することができる。
本発明のVO分散樹脂層の製造方法において、VO含有組成物の材料混合時、若しくは塗膜形成前に、撹拌によりVO粒子の一次粒子同士の凝集を低減させることで、VO分散樹脂層中におけるVO粒子の分散性をより均一にすることができ、好ましい。
本発明のVO分散樹脂層の製造方法によれば、透光性樹脂をバインダとして用いているので、基材上にVO分散樹脂層を良好に保持させることができる。
以上で説明したように、本発明によれば、所望の可視光透過率と調光特性を安定的に得ることが可能なVO分散樹脂層及びその製造方法を提供することができる。
本発明によればまた、透光性基材上に良好に保持されるVO分散樹脂層及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(合成例1)VO粒子の合成
まず、五酸化バナジウム(V)((株)和光純薬工業社製、試薬特級)、シュウ酸二水和物((COOH)・2HO)((株)和光純薬工業社製、試薬特級)、及び純水200mlを、室温(20〜25℃)にて1:2:300のモル比で混合及び攪拌して、水溶液を調製した。さらに、pH調整のため、この水溶液に1.5mlの硫酸を添加した。
次に、上記溶液10mlに、種結晶として、市販の二酸化チタン(TiO)粉末(純度99%以上、平均粒径100nm以下、ルチル相率40%以上)を、Vに対して質量比50%の量で添加し、懸濁液を得た。
次に、上記懸濁液を市販の水熱反応用オートクレーブ(三愛化学社製、HU−25型)(SUS製本体、及び25ml容積のテフロン(登録商標)製内筒を備える)内に密封配置し、220℃で24時間保持して、水熱反応させた。
得られた沈殿生成物をろ過し、水及びエタノールで洗浄した後、これを60℃の定温乾燥機で10時間乾燥して、ルチル型結晶からなるVO粒子を得た。得られたVO粒子のSEM像を取得し、平均一次粒子径を求めたところ、50nmであった。
(実施例1−1)
合成例1で得られたルチル型VO粒子31.6質量部、バインダとしてのエステル系樹脂4.3質量部、トルエン32質量部、及び、メチルエチルケトン(MEK)32質量部を、ビーズミルを用いて混合撹拌して、ペーストを調製した。さらに、このペースト5質量部、エステル系樹脂15質量部、及び、MEK5質量部を、ビーズミルを用いて混合撹拌し、塗膜形成用ペースト(VO含有組成物)を調製した。
上記塗膜形成用ペーストの調製に際しては、材料をビーズミルを用いて混合撹拌することで、VO粒子の一次粒子同士の凝集を低減させるようにした。
得られた塗膜形成用ペーストの固形分濃度は24.6質量%であり、固形分中のVO粒子濃度cは25.7質量%であった。得られた塗膜形成用ペーストにおけるVO粒子の平均分散径dをレーザー回折散乱式粒度分布計を用いて求めたところ、579nmであった。
バーコータを用い、得られた塗膜形成用ペーストを膜厚1mmの可撓性アクリルシート((株)クラレ社製「コモグラス」)上に塗工した。塗膜を、100℃で2分間、加熱乾燥して、VO分散樹脂層を形成した。乾燥後に得られたVO分散樹脂層の膜厚tは1686nmであった。得られたVO分散樹脂層におけるVO粒子を光学顕微鏡で観察し、均一に分散していることを確認した。
以上のようにして、透光性基材であるアクリルシート上にVO分散樹脂層を備えた調光シート(積層体)を得た。
実施例1−1の主な製造条件を表1−1に示す。
<可視光透過率の評価>
濁度計(日本電子工業(株)製、HAZE METER NDH5000)を用いてJIS K7361−1に準拠した方法で測定した全光線透過率を可視光透過率とした。
図1に測定結果を示す。
実施例1−1において得られた調光シートは、20℃と80℃のいずれも可視光透過率に顕著な差は見られず、充分な透過率を有していた。20℃と80℃のいずれについても、可視光透過率は59.0%と良好であった。
<波長450nm、650nm、1500nmにおける透過率の評価>
加熱アタッチメント付分光光度計(日本分光社製「V−570型」、測定波長:190〜2500nm)を用いて、20℃及び80℃における調光シートの波長ごとの透過率(光透過スペクトル)を測定した。
波長450nmにおける透過率は、20℃及び80℃のいずれにおいても49%であった。また、波長650nmにおける透過率は、20℃及び80℃のいずれにおいても62%であった。実施例1−1において得られた調光シートは、780nmを超える波長の光については、20℃と80℃では光透過特性が大きく異なり、良好な調光性を発現するものであった。
波長1500nmの赤外光について、下記式(II)で表されるTrは43%であった。
Tr(%)=(T(20℃)−T(80℃))/T(20℃)×100・・・(II)
(式中、T(80℃)は80℃における波長1500nmの光の透過率であり、T(20℃)は20℃における波長1500nmの光の透過率である。)
上記光透過スペクトルのデータを基に、公知方法により、可視光の光量子密度を求めた。計算結果を図2に示す。図2のデータは20℃のデータを基に計算したものであるが、温度によらず、可視光透過率は同等であったので、80℃についても、可視光の光量子密度の計算結果は図2と同様である。実施例1−1において得られた調光シートは、植物の成長に必要な光を充分に透過可能であり、農業用として利用できることが確認された。
実施例1−1の光学特性の評価結果を表1−2に示す。
ペースト中のVO粒子の平均分散径dと、得られるVO分散樹脂層中のVO粒子の平均凝集径dとは通常一致しないが、表1−1には、参考値として、ペースト中のVO粒子の平均分散径dを用いて求めたct/d値について示してある。
<光学顕微鏡観察>
実施例1−1において得られた調光シートについて、光学顕微鏡観察を実施した。得られた光学顕微鏡写真を図3に示す。図中、黒く見える部分がVO粒子である。
VO分散樹脂層において、VO粒子が、大きな凝集塊がなく、ほぼ均一に良好に分散されていることが確認された。
<赤外光照射試験>
上面に開口部(縦100mm×横100mm)を有する合板(厚さ12mm)製の試験箱(縦100mm×横100mm×深さ150mm)を用意した。この試験箱の内部に、試験箱の開口部から15mm下の位置の温度を測定する第1の温度計と、内底面から15mm上の位置の温度を測定する第2の温度計とを設置した。試験箱の開口部を覆うように、縦100mm×横100mmに切断した調光シートを設置した。
試験箱上に設置した調光シートの上方から赤外線ランプを用いて赤外光(100V、185W)を照射した。調光シートの表面温度が60℃に達してから60分後に、調光シートの表面温度及び裏面温度と、試験箱内部の調光シートから15mm下の温度(温度1)と、試験箱内部の内底面から15mm上の温度(温度2)とを測定した。
得られた結果を表5に示す。
実施例1−1において得られた調光シートは、表面温度が61.8℃であっても、試験箱内部の温度は27.8〜30.0℃に保たれており、約60℃の条件において、調光シートによって赤外光が良好に遮蔽されることが示された。
(実施例1−2〜1−6)
塗膜形成用ペーストにおける固形分濃度と固形分中のVO粒子濃度、及びVO分散樹脂層の膜厚tのうち少なくとも1つのファクターを変更した以外は、実施例1−1と同様にして、調光シートを作製し、同様に評価した。
実施例1−2〜1−6において、塗膜形成用ペーストにおけるVO粒子の平均分散径dをレーザー回折散乱式粒度分布計を用いて求めたところ、実施例1−1と同様、いずれも579nmであった。また、得られたVO分散樹脂層におけるVO粒子を光学顕微鏡で観察し、均一に分散していることを確認した。
主な製造条件を表1−1に、光学特性の評価結果を表1−2に示す。
実施例1−2〜1−6では、塗膜形成用ペーストにおける固形分濃度と固形分中のVO粒子濃度を、実施例1−1と同等あるいはそれ以下とした。これらの例では、実施例1−1と同様に、VO粒子が大きな凝集なく、ほぼ均一に良好に分散され、良好な可視光透過率を有する調光シートが得られた。
VO分散樹脂層の膜厚tが大きくなる程、全光線透過率は低下する傾向がある。
塗膜形成用ペーストにおける固形分濃度と固形分中のVO粒子濃度が大きくなる程、全光線透過率は低下する傾向がある。
VO分散樹脂層の膜厚tを6000nm以上と最も大きくした実施例1−3は、他の実施例に比して、全光線透過率が劣る結果となった。ただし、VO分散樹脂層の膜厚を6000nm以上と最も大きくした実施例1−3の調光シートにおいても、VO粒子は大きな凝集なく、ほぼ均一に分散されていた。実施例1−3の調光シートの光学顕微鏡写真を図4に示しておく。
(実施例2−1〜2−4)
塗膜形成用ペーストにおける固形分濃度と固形分中のVO粒子濃度、及びVO分散樹脂層の膜厚のうち少なくとも1つのファクターを変更した以外は、実施例1−1と同様にして、調光シートを作製し、同様に評価した。
実施例2−1〜2−4において、塗膜形成用ペーストにおけるVO粒子の平均分散径dをレーザー回折散乱式粒度分布計を用いて求めたところ、実施例1−1と同様、いずれも579nmであった。また、得られたVO分散樹脂層におけるVO粒子を光学顕微鏡で観察し、均一に分散していることを確認した。
主な製造条件を表2−1に、光学特性の評価結果を表2−2に示す。
実施例2−1〜2−4では、塗膜形成用ペーストにおける固形分中のVO粒子濃度を、実施例1−1以上とした。
これらの例では、VO粒子に多少の凝集は見られたが、VO粒子が良好に分散され、実施例1−1と同様、良好な可視光透過率を有する調光シートが得られた。
20≦ct/d≦250を充足する実施例2−1、2−3、2−4において、特に良好な結果が得られた。
実施例2−1、2−2、2−4で得られた調光シートの光学顕微鏡写真を図5〜図7に示す。
(実施例3−1〜3−2)
実施例3−1〜3−2では、合成例1で得られたVO粒子を、シランカップリング剤(信越化学工業(株)社製KBM−603)の5質量%水溶液中に4時間浸漬させて、VO粒子の表面を親水化処理した。その後、VO粒子を回収し、110℃で1時間、乾燥処理を行った。
表面親水化処理後のVO粒子を用い、塗膜形成用ペーストにおける固形分濃度と固形分中のVO粒子濃度、及びVO分散樹脂層の膜厚tのうち少なくとも1つのファクターを変更した以外は、実施例1−1と同様にして、調光シートを作製し、同様に評価した。
実施例3−1〜3−2において、塗膜形成用ペーストにおけるVO粒子の平均分散径dをレーザー回折散乱式粒度分布計を用いて求めたところ、実施例1−1と同様、いずれも579nmであった。また、得られたVO分散樹脂層におけるVO粒子を光学顕微鏡で観察し、均一に分散していることを確認した。
主な製造条件を表3−1に、光学特性の評価結果を表3−2に示す。
実施例3−1〜3−2においても、VO粒子に多少の凝集は見られたが、VO粒子が良好に分散され、実施例1−1と同様、良好な全光線透過率を有する調光シートが得られた。
ただし、VO粒子の表面に親水化処理を実施した実施例3−1〜3−2では、VO粒子の表面に親水化処理を実施しなかった他の実施例と比較して、VO粒子により大きな凝集が見られた。VO粒子に対して表面親水化処理を実施しない方が、VO粒子がより均一に分散した膜が得られることが明らかとなった。
なお、実施例3−1〜3−2では、VO粒子に比較的大きな凝集が見られたが、後記比較例2に比べると、はるかに凝集のレベルは低く抑えられていた。
(結果のまとめ)
実施例1−1〜1−6、実施例2−1〜2−4、及び実施例3−1〜3−2の結果から、以下のことが言える。
VO分散樹脂層中のVO粒子濃度cは、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
VO分散樹脂層中のVO粒子の濃度c(質量%)、ペースト中の平均分散径d(nm)、及びVO分散樹脂層の膜厚t(nm)が、下記式(III)の関係を充足することが好ましく、下記式(IIIa)の関係を充足することが特に好ましい。
20≦ct/d≦250・・・(III)、
60≦ct/d≦110・・・(IIIa)
VO分散樹脂層の膜厚tは、5000nm以下が好ましく、3000nm以下がより好ましく、2000nm以下が特に好ましい。
参考までに、計算上、VO分散樹脂層からバインダである透光性樹脂量を除いて求められるVO膜厚と20℃と80℃における全光線透過率との関係をプロットしたグラフを図10に示す。
理論上求められるVO膜厚は、VO分散樹脂層中のVO粒子の量に対応する。図10には、VO分散樹脂層中のVO粒子の量が多くなる程、全光線透過率が低下する傾向があることが示されている。このことは、VO分散樹脂層中において、VO粒子は良好な調光特性が得られる範囲内で、なるべく低濃度で均一に分散されることが好ましいことを示している。
(比較例1)
厚さ1mmのアクリルシート((株)クラレ社製コモグラス)をそのまま調光シートとし、実施例1−1と同様に評価した。
結果を表5に示す。
比較例1で得られた調光シートは、20℃と80℃における光学透過特性に差が認められず、波長1500nmにおけるTrは0%であった。
実施例1−1と同様に、赤外光照射試験を実施したところ、調光シートの表面温度が60℃に達してから60分後の、試験箱内部の調光シートから15mm下の温度(温度1)と、試験箱内部の内底面から15mm上の温度(温度2)とはいずれも、実施例1−1より高く、約60℃の条件における調光シートによる赤外光遮蔽効果は、実施例1−1より劣るものであった。
(比較例2)
合成例1で得られたVO粒子を、市販の透光性の接着テープ上に接着し、これを厚さ1mmのアクリルシート((株)クラレ社製コモグラス)に貼り付けたものを調光シートとし、実施例1−1と同様に評価した。
比較例2で得られた調光シートを光学顕微鏡で観察したところ、VO粒子がほとんど隙間なく密集したものであった。比較例2の全光線透過率は63%であった。実施例と同様の方法で20℃及び80℃における波長430nm、450nm、640nmおよび670nmの光線の透過率を測定したところ、表4に示すとおり、いずれも低いものであった。
その他の結果を表5に示す。
比較例2で得られた調光シートは、20℃と80℃では光透過特性が大きく異なり、調光性を発現するものであった。しかしながら、波長1500nmの赤外光について、下記式(II)で表されるTrは67%であった。
Tr(%)=(T(20℃)−T(80℃))/T(20℃)×100・・・(II)
(式中、T(80℃)は80℃における波長1500nmの光の透過率であり、T(20℃)は20℃における波長1500nmの光の透過率である。)
本発明のVO分散樹脂層は、温度に応じて光透過特性の異なる調光板あるいは調光シート等の調光体に利用でき、建物及び車両等の窓ガラス、及び農業用シート等に好適に利用することができる。

Claims (13)

  1. 透光性樹脂中にVO粒子が分散されたVO分散樹脂層。
  2. 前記VO粒子の濃度cが60質量%以下である請求項1に記載のVO分散樹脂層。
  3. 前記VO粒子の濃度c(質量%)と平均凝集径d(nm)、及び前記VO分散樹脂層の膜厚t(nm)が、下記式(I)の関係を充足する請求項1又は2に記載のVO分散樹脂層。
    20≦ct/d≦250・・・(I)
  4. 前記透光性樹脂は、エステル系樹脂を含む請求項1〜3のいずれかに記載のVO分散樹脂層。
  5. 波長1500nmの光について、下記式(II)で表されるTrが40%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のVO分散樹脂層。
    Tr(%)=(T(20℃)−T(80℃))/T(20℃)×100・・・(II)
    (式中、T(80℃)は80℃における波長1500nmの光の透過率であり、T(20℃)は20℃における波長1500nmの光の透過率である。)
  6. 20℃と80℃における波長380〜780nmの光の透過率がいずれも50%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のVO分散樹脂層。
  7. 透光性基材上に請求項1〜6のいずれかに記載のVO分散樹脂層を備えた積層体。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のVO分散樹脂層の製造に用いられるVO含有組成物であって、
    前記VO粒子と、前記透光性樹脂と、当該透光性樹脂を可溶な有機溶剤とを含むVO含有組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のVO分散樹脂層の製造方法であって、
    前記VO粒子と、前記透光性樹脂と、当該透光性樹脂を可溶な有機溶剤とを含むVO含有組成物を用意する工程(2)と、
    透光性基材上に、前記VO含有組成物を塗布して塗膜を形成する工程(3)と、
    前記有機溶媒を除去する工程(4)とを有するVO分散樹脂層の製造方法。
  10. を原料として、液相で前記VO粒子を合成する工程(1)をさらに有する請求項9に記載のVO分散樹脂層の製造方法。
  11. 工程(2)において、一次粒子径20〜200nmの前記VO粒子と、前記透光性樹脂と、前記有機溶剤とを撹拌して、平均分散径d20〜780nmの前記VO粒子を含有するVO含有組成物を調製する請求項9又は10に記載のVO分散樹脂層の製造方法。
  12. 前記VO粒子として、表面が親水化処理されていないものを用いる請求項9〜11のいずれかに記載のVO分散樹脂層の製造方法。
  13. 工程(1)が、
    バナジウムを含む化合物と水とを含む溶液を用意する工程(1−1)と、
    前記溶液にルチル型結晶相を含むTiO粒子を添加して、懸濁液を調製する工程(1−2)と、
    前記懸濁液を水熱反応させて、ルチル型結晶相を含む前記VO粒子を合成する工程(1−3)とを含む請求項10に記載のVO分散樹脂層の製造方法。
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