JP2004344723A - 変性光触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱安定性や溶媒分散性に優れ、可視光に対する光触媒活性が非常に大きな光触媒を提供する。
【解決手段】遷移金属を含むオキシナイトライド、遷移金属を含むオキシサルファイド、遷移金属を含むナイトライドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)を、トリオルガノシラン単位、モノオキシジオルガノシラン単位、ジオキシオルガノシラン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(b)を用いて変性処理することによって得られたシリコン変性光触媒(A)、及び該シリコン変性光触媒(A)から誘導されるシリカ変性光触媒(B)。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱安定性や溶媒への分散性に優れ、可視光活性の大きな光触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
ある種の物質に、その物質の伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップ(バンドギャップ)よりも大きなエネルギーを持つ光、即ちその物質のバンドギャップに対応する光よりも波長の短い光(励起光)を照射すると、光エネルギーによって価電子帯中の電子の励起(光励起)が起こり、伝導帯に電子が、価電子帯に正孔が生成する。このとき、伝導帯に生成した電子の還元力および/または価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、種々の化学反応を行うことができる。
【0003】
即ち、上記のような物質は、励起光照射下において触媒のように用いることができる。そのため、上記のような物質は光触媒と呼ばれており、その最も代表的な例として酸化チタンが知られている。
しかし、上記酸化チタンは、吸収できる光が紫外光に限られており、太陽光や蛍光灯光などを効率的に利用することができないという問題があった。すなわち、アナターゼ型酸化チタンのバンドギャップが約3.2eVであり、380nm以下の波長の紫外線でのみ光触媒活性を呈するが、約400nm〜800nmの可視光では活性がない。一方、太陽光における紫外線領域の光は数%程度であり、蛍光灯の光などは紫外線領域の光をほとんど含まない。このため、太陽光の下では若干は光触媒活性を示すものの、蛍光灯やランプが利用されている室内や車内では十分な光触媒活性を得ることは全く困難であった。
【0004】
これらの課題に対し、可視光に対する光触媒活性のある可視光応答型の光触媒として、例えば特許文献1、特許文献2では酸素欠陥型の酸化チタンが、さらに、例えば特許文献3〜6では窒素ドープ酸化チタンが提案されている。
しかし、上記可視光応答型光触媒は、XRD分析で解析される構造はアナターゼ型及び/又はルチル型の酸化チタン構造であり、酸化チタン骨格に存在する少量の酸素欠陥や少量の窒素原子によって可視光応答性能が付与されているため、可視光領域において利用できる光は非常に少なく、結果として可視光に対する光触媒活性も小さいという課題があった。
【0005】
上記課題を解決する可視光応答型光触媒として、特許文献7では遷移金属を含むオキシナイトライド化合物が、特許文献8では窒化タンタルが、また特許文献9では遷移金属を含むオキシサルファイド化合物が提案されている。これらの化合物のXRD分析で解析される構造は、前駆体として用いられている酸化物とは異なる単一相構造を有する化合物であり、可視光領域において利用できる光も多く、結果として可視光に対する光触媒活性も非常に大きい優れた可視光応答型光触媒である。
【0006】
しかし、上記の優れた可視光応答型光触媒は、300℃以上の高温で構造が容易に変化し、可視光応答性が消失するという熱安定性が悪い欠点があった(非特許文献1)。この熱安定性の悪さは、例えば光触媒活性を向上するのに有効な助触媒として働く遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物を担持する場合に大きな阻害要因となり、その改善が大きく望まれている。
また、上記の可視光応答型光触媒は水や有機溶媒等への分散性が不十分であり、溶媒中における有機物分解等の光触媒反応効率が悪く、さらに種々の基材の表面に固定化させるのに有効なコーティング剤とすることが非常に困難であった。
【0007】
すなわち、熱安定性や溶媒分散性に優れ、可視光に対する光触媒活性が非常に大きな光触媒は未だ知られていない。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−810706号公報
【特許文献2】
特開2001−212457号公報
【特許文献3】
特開2001−207082号公報
【特許文献4】
特開2001−205103号公報
【特許文献5】
特開2002−029570号公報
【特許文献6】
特開2002−166179号公報
【特許文献7】
特開2002−066333号公報
【特許文献8】
特開2002−233769号公報
【特許文献9】
特開2002−233770号公報
【非特許文献1】
Journal of the European Ceramic Society, 17 (1997) 1813−1818
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、熱安定性や溶媒分散性に優れ、可視光に対する光触媒活性が非常に大きな光触媒を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.遷移金属を含むオキシナイトライド、遷移金属を含むオキシサルファイド、遷移金属を含むナイトライドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)を、式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(b)を用いて変性処理することによって得られるシリコン変性光触媒(A)。
Si− (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。)
−(RSiO)− (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
【0011】
【化3】
Figure 2004344723
【0012】
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
2.発明1のシリコン変性光触媒(A)から誘導されてなるシリカ変性光触媒(B)。
3.発明1のシリコン変性光触媒(A)に光照射することにより得られるシリカ変性光触媒(B)。
4.発明1のシリコン変性光触媒(A)を焼成することにより得られるシリカ変性光触媒(B)。
5.該遷移金属が、Ta、Nb、Ti、Zr、Wからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする発明1のシリコン変性光触媒(A)。
6.該変性剤化合物(b)が、式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)であることを特徴とする発明1のシリコン変性光触媒(A)。
SiO(4−x−y−z)/2 (4)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。
【0013】
また、式中Qは、下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
(あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
(い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
(う)少なくとも1つの分光増感基。
また、0<x<4、0<y<4、0≦z<4、及び(x+y+z)≦4である。)
【0014】
7.該Si−H基含有ケイ素化合物(b1)が、式(5)又は式(6)で表されるモノSi−H基含有化合物、式(7)で表される両末端Si−H基含有化合物、式(8)で表されるHシリコーン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のSi−H基含有ケイ素化合物であることを特徴とする請求項6に記載のシリコン変性光触媒(A)。
【0015】
【化4】
Figure 2004344723
【0016】
(式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、もしくは式(9)で表されるシロキシ基から選ばれた1種以上からなる基を表す。
−O−(RSiO)−SiR ・・・(9)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。また、nは整数であり、0≦n≦1000である。))
H−(R SiO)−SiR −Q ・・・(6)
(式中、Rは式(5)で定義した通りである。Qは、下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
【0017】
(あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
(い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
(う)少なくとも1つの分光増感基。
【0018】
mは整数であり、0≦m≦1000である。)
H−(R SiO)−SiR −H ・・・(7)
(式中、Rは式(5)で定義した通りである。mは整数であり、0≦m≦1000である。)
(RHSiO)(R SiO)(RQSiO)(R SiO1/2
・・・(8)
(式中、Rは式(5)で定義した通りであり、Qは式(6)で定義した通りである。aは1以上の整数であり、b及びcは0又は1以上の整数であり、(a+b+c)≦10000であり、そしてdは0又は2である。但し、(a+b+c)が2以上の整数であり且つd=0の場合、該Hシリコーン化合物は環状シリコーン化合物であり、d=2の場合、該Hシリコーン化合物は鎖状シリコーン化合物である。)
【0019】
8.Pt、Rh、Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Fe、Wよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物が坦持されてなる発明1のシリコン変性光触媒(A)。
9.Pt、Rh、Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Fe、Wよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物が坦持されてなる発明2〜4のいずれかのシリカ変性光触媒(B)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の変性光触媒は、遷移金属を含むオキシナイトライド、遷移金属を含むオキシサルファイド、遷移金属を含むナイトライドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)を後述する少なくとも1種の変性剤化合物(b)を用いて変性処理することによって得られるシリコン変性光触媒(A)、及び該シリコン変性光触媒(A)から誘導されるシリカ変性光触媒(B)であり、可視光に対する光触媒活性が非常に大きく、熱安定性や溶媒分散性等に優れる。
【0021】
本発明において光触媒活性とは、光照射によって酸化、還元反応を起こすことを言う。これらの光触媒活性は、例えば光照射時における色素等の有機物の分解性を測定することにより判定することができる。また、可視光に対する光触媒活性とは、少なくとも400〜800nmの可視光照射下での上記光触媒活性を意味する。
本発明において変性とは、後述する少なくとも1種の変性剤化合物(b)を、上記化合物(a)の表面に固定化することを意味する。上記の変性剤化合物の化合物(a)の表面への固定化は、ファン・デル・ワールス力(物理吸着)または化学結合によるものである。特に、化学結合を利用した変性は、変性剤化合物と光触媒との相互作用が強く、変性剤化合物が光触媒粒子の表面に強固に固定化されるので好ましい。
【0022】
本発明において好適に使用できる遷移金属を含むオキシナイトライドは、光触媒活性が大きいものとして、好ましくは遷移金属がTa、Nb、Ti、Zr、Wからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするオキシナイトライドであり、より好ましくは、アルカリ、アルカリ土類及びIIIB族の金属からなる群から選択される少なくとも1つの元素を更に含むことを特徴とするオキシナイトライドであり、更に好ましくはCa、Sr、Ba、Rb、La、Ndからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属元素を更に含むことを特徴とするオキシナイトライドである。
【0023】
上記遷移金属を含むオキシナイトライドの例としては、LaTiON、LaCaTiON(v+w=3)、LaCaTaON(v+w=3)、LaTaON、CaTaON、SrTaON、BaTaON、CaNbON、CaWON、SrWON等の一般式AMO(A=アルカリ金属、アルカリ土類金属、IIIB族金属;M=Ta、Nb、Ti、Zr、W;x+y=3)で表される化合物やTaON、NbON、WON、LiLaTaN等を挙げることができる。これらの中で、LaTiON、LaCaTiON(v+w=3)、LaCaTaON(v+w=3)、TaONが可視光での光触媒活性が非常に大きいため好ましい。
【0024】
上記遷移金属を含むオキシナイトライドは、例えば、金属化合物と含窒素化合物との反応によって得ることができる。原料金属化合物としては、例えば金属酸化物、金属塩、金属錯体を用いることができ、これらの単体、あるいは混合物をアンモニア、アンモニウム塩、ヒドラジン、窒素、金属窒化物、金属アミド、金属アンミン錯体等の含窒素化合物と反応させることによって好ましく合成できる。特に、金属酸化物とアンモニアとの反応(好ましくは300〜1500℃での反応)が上記遷移金属を含むオキシナイトライドの合成方法として有利である。
この反応ではアンモニアは、還元剤と窒素化試薬として働くと考えられる。
また、上記遷移金属を含むオキシナイトライドにおいて、Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Sn、Ni、Fe、Wよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物が坦持されたものは光触媒活性が向上するため好ましい。
【0025】
本発明において好適に使用できる遷移金属を含むオキシサルファイドは、光触媒活性が大きいものとして、好ましくは遷移金属がTa、Nb、Ti、Zr、Wからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするオキシサルファイドであり、より好ましくは、アルカリ、アルカリ土類及びIIIB族の金属からなる群から選択される少なくとも1つの元素を更に含むことを特徴とするオキシサルファイドであり、更に好ましくは希土類元素を更に含むことを特徴とするオキシサルファイドである。
【0026】
上記遷移金属を含むオキシサルファイドの例としては、SmTi、NdTi、LaTi、PrTi、SmNbS等を挙げることができる。これらの中で、SmTi、NdTiが可視光での光触媒活性が非常に大きいため非常に好ましい。
上記遷移金属を含むオキシサルファイドは、例えば該化合物を構成する希土類酸化物あるいは硫化物と遷移金属酸化物あるいはその硫化物とを所望の混合量で混合した後、耐熱性でコンタミネーションを起こさない反応管、例えば石英管、ニオブ管など管中に入れ、真空封緘後、昇温速度(昇温途中での一定温度の保持を含めて)、加熱時間などを制御して焼成することにより得ることができる。反応に用いる希土類酸化物としては酸化サマリウム(Sm)、酸化ランタン(La)、希土類硫化物としては硫化サマリウム(Sm)、硫化ランタン(La)等を好ましいものとして挙げることができる。また、遷移金属酸化物としては、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、遷移金属硫 化物としては硫化チタン(TiS)、硫化ニオブ(Nb)などを好ましいものとして挙げることができる。
【0027】
また、上記遷移金属を含むオキシサルファイドにおいて、Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Sn、Ni、Fe、Wよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物が坦持されたものは光触媒活性が向上するため好ましい。
本発明において好適に使用できる遷移金属を含むナイトライドは、光触媒活性が大きいものとして、好ましくは遷移金属がTa、Nb、Ti、Zr、Wからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするナイトライドである。
【0028】
上記遷移金属を含むナイトライドの例としては、Ta、TiN、Zr、NbN、WN、WN、W等を挙げることができる。これらの中で、斜方晶系Taが可視光での光触媒活性が非常に大きいため好ましい。上記遷移金属を含むナイトライドは、例えば、上述した遷移金属を含むオキシナイトライドの合成方法と同様の方法(金属化合物と含窒素化合物との反応)で、完全に窒化を進めることによって得ることができる。
また、上記遷移金属を含むナイトライドにおいて、Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Sn、Ni、Fe、Wよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物が坦持されたものは光触媒活性が向上するため好ましい。
上述した遷移金属を含むオキシナイトライド、遷移金属を含むオキシサルファイド、遷移金属を含むナイトライドの形状は任意のものであることができるが、結晶粒子径(1次粒子径)が1nm〜100μmの粒子であることが好ましい。
【0029】
本発明において、シリコン変性光触媒(A)を得るのに用いられる少なくとも1種の変性剤化合物(b)は、式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位、及びフッ化メチレン(―CF−)単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる。
Si− (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す)
−(RSiO)− (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
【0030】
【化5】
Figure 2004344723
【0031】
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
本発明において、上述した遷移金属を含むオキシナイトライド、遷移金属を含むオキシサルファイド、遷移金属を含むナイトライドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)の変性剤化合物(b)による変性処理は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、前述した化合物(a)と、同じく前述した変性剤化合物(b)を好ましくは質量比(a)/(b)=0.0001〜10000、より好ましくは(a)/(b)=0.001〜1000の割合で混合し、好ましくは0〜300℃、より好ましくは10〜150℃にて加熱したり、(減圧)蒸留等により該混合物の溶媒組成を変化させる等の操作をすることにより得ることができる。また、変性処理後に未反応の変性剤化合物(b)は、必要に応じ、蒸留や濾過、抽出等によって除去することもできる。
【0032】
本発明の上記変性処理に於いて、化合物(a)と変性剤化合物(b)の比が0.0001以上で、変性剤化合物(b)十分反応し、変性処理が効率的に行われる。また、化合物(a)と変性剤化合物(b)の比が10000以下で、変性処理による効果が十分に発現する。
【0033】
ここで上記変性処理を行う場合、使用できる有機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0034】
本発明のシリコン変性光触媒(A)を得るのに使用される上記変性剤化合物(b)としては、例えばSi−H基、加水分解性シリル基(アルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基、ハロゲン化シリル基、アセトキシシリル基、アミノキシシリル基等)、エポキシ基、アセトアセチル基、チオール基、酸無水物基等の光触媒(a)と反応性を有するケイ素化合物等を挙げることができる。
また、上記変性剤化合物(b)の他の例としては、例えば上記化合物(a)とファン・デル・ワールス力、クーロン力等により相互作用する構造、例えばポリオキシアルキレン基等を有するケイ素化合物等を挙げることができる。
【0035】
本発明において、上記変性剤化合物(b)として、式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)を用いると、非常に効率よく光触媒粒子表面を変性することができるため好ましい。
SiO(4−x−y−z)/2 (4)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。
【0036】
また、式中Qは、下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
(あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
(い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
(う)少なくとも1つの分光増感基。
また、0<x<4、0<y<4、0≦z<4、及び(x+y+z)≦4である。)
【0037】
本発明において、上述した遷移金属を含むオキシナイトライド、遷移金属を含むオキシサルファイド、遷移金属を含むナイトライドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)の上記式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)による変性処理は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、化合物(a)と該Si−H基含有ケイ素化合物(b1)を好ましくは質量比(a)/(b1)=0.0001〜10000、より好ましくは(a)/(b1)=0.001〜1000の割合で、好ましくは0〜200℃にて混合することにより実施できる。この際の混合は、液相、気相、固相のいずれの状態であっても良い。また、上記変性処理による化合物(a)とSi−H基含有ケイ素化合物(b1)との反応は、反応に伴って発生する水素ガス量を測定することにより定量することができる。
【0038】
本発明において、上記化合物(a)のSi−H基含有ケイ素化合物(b1)による変性処理は、Si−H基に対する脱水素縮合触媒を使用して好ましくは0〜150℃で実施することもできる。
この場合、あらかじめ光還元法等の方法で脱水素縮合触媒を化合物(a)に固定し、上記Si−H基含有ケイ素化合物(b1)で変性処理しても良いし、脱水素縮合触媒の存在下に上記Si−H基含有化合物ケイ素(b1)で化合物(a)を変性処理しても良い。
ここでSi−H基に対する脱水素縮合触媒とは、Si−H基と化合物(a)の表面に存在する水酸基やチオール基、アミノ基、カルボキシル基等の活性水素基、さらには水等との脱水素縮合反応を加速する物質を意味し、該脱水素縮合触媒を使用することにより温和な条件で化合物(a)の表面を変性することが可能となる。
【0039】
該脱水素縮合触媒としては、例えば白金族触媒、すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の単体及びその化合物や、銀、鉄、銅、コバルト、ニッケル、錫等の単体及びその化合物が挙げられる。これらの中で白金族触媒が好ましく、白金の単体及びその化合物が特に好ましい。
ここで、上記白金の化合物としては、例えば塩化白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(II)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジエニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体等を使用することができる。
【0040】
また、本発明に好適に使用できるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)としては、例えば式(5)や式(6)で表されるモノSi−H基含有化合物、式(7)で表される両末端Si−H基含有化合物、式(8)で表されるHシリコーン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のSi−H基含有ケイ素化合物を挙げることができる。
【0041】
【化6】
Figure 2004344723
【0042】
(式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、もしくは式(9)で表されるシロキシ基から選ばれた1種以上からなる基を表す。
−O−(RSiO)−SiR ・・・(9)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。また、nは整数であり、0≦n≦1000である。))
H−(R SiO)−SiR −Q ・・・(6)
(式中、Rは式(5)で定義した通りである。Qは、下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
【0043】
(あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
(い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
(う)少なくとも1つの分光増感基。
【0044】
mは整数であり、0≦m≦1000である。)
H−(R SiO)−SiR −H ・・・(7)
(式中、Rは式(5)で定義した通りである。mは整数であり、0≦m≦1000である。)
(RHSiO)(R SiO)(RQSiO)(R SiO1/
・・・(8)
(式中、Rは式(5)で定義した通りであり、Qは式(6)で定義した通りである。aは1以上の整数であり、b及びcは0又は1以上の整数であり、(a+b+c)≦10000であり、そしてdは0又は2である。但し、(a+b+c)が2以上の整数であり且つd=0の場合、該Hシリコーン化合物は環状シリコーン化合物であり、d=2の場合、該Hシリコーン化合物は鎖状シリコーン化合物である。)
【0045】
本発明において、上記式(5)で表されるモノSi−H基含有化合物の具体例としては、例えばビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)エチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)n−プロピルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)i−プロピルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)n−ブチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)n−ヘキシルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)シクロヘキシルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)フェニルシラン、ビス(トリエチルシロキシ)メチルシラン、ビス(トリエチルシロキシ)エチルシラン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、トリス(トリエチルシロキシ)シラン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,5,6,6−ノナメチルテトラシロキサン、トリメチルシラン、エチルジメチルシラン、メチルジエチルシラン、トリエチルシラン、フェニルジメチルシラン、ジフェニルメチルシラン、シクロヘキシルジメチルシラン、t−ブチルジメチルシラン、ジ−t−ブチルメチルシラン、n−オクタデシルジメチルシラン、トリ−n−プロピルシラン、トリ−i−プロピルシラン、トリ−i−ブチルシラン、トリ−n−ヘキシルシラン、トリフェニルシラン、アリルジメチルシラン、1−アリル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、クロロメチルジメチルシラン、7−オクテニルジメチルシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルメチルメトキシシラン、ジフェニルメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリス(イソプロポキシ)シラン等を挙げることができる。
【0046】
これらのモノSi−H基含有化合物の中で、化合物(a)の変性処理時におけるSi−H基の反応性(脱水素縮合反応)の良さから、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、ペンタメチルジシロキサン等の分子中にシロキシ基を有するものや、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、ジフェニルメトキシシラン、トリエトキシシラン等の分子中にアルコキシ基を有するものが好ましい。上記分子中にシロキシ基を有するモノSi−H基含有化合物は、化合物(a)の表面との反応選択性に優れるため、特に好ましい。
【0047】
本発明において、上記式(7)で表される両末端Si−H基含有化合物の具体例としては、例えば1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジメチルシロキサン類や、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジエチルシロキサン類や、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジフェニルシロキサン類や、1,3−ジフェニル−1,3−ジメチル−ジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニル−トリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニル−テトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリフェニルメチルシロキサン類や、ジメチルシラン、エチルメチルシラン、ジエチルシラン、フェニルメチルシラン、ジフェニルシラン、シクロヘキシルメチルシラン、t−ブチルメチルシラン、ジ−t−ブチルシラン、n−オクタデシルメチルシラン、アリルメチルシラン等を例示することができる。
【0048】
本発明に用いる上記式(7)で表される両末端Si−H基含有化合物としては、光触媒の変性処理時におけるSi−H基の反応性(脱水素縮合反応)の良さから、好ましくは数平均分子量が10000以下、より好ましくは2000以下、さらに好ましくは1000以下の両末端Si−H基含有化合物が好適に使用できる。
本発明に用いることができる上記式(8)で表されるHシリコーン化合物としては、変性処理時における光触媒粒子の凝集防止の点より、数平均分子量が、好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下、さらに好ましくは2000以下のHシリコーン化合物が好適に使用できる。
また、上記一般式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)として、機能性付与基含有基(Q)を有するもの(式(6)、式(8)であってrが1以上の正数のもの等)を選択すると、本発明で得られるシリコン変性光触媒(A)に種々の機能を付与できるため好ましい。
【0049】
ここで機能性付与基含有基(Q)は下式(10)で表される基であることが好ましい。
−Z−(W) ・・・(10)
(式中、Zは分子量14〜50,000の(a−1)価の有機基を表し、Wは上記式(4)中の機能性付与基(あ)〜(う)からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、aは1〜20の整数である。)
例えば機能性付与基含有基(Q)として、カルボキシル基あるいはその塩を含む1価の基、リン酸基あるいはその塩を含む1価の基、スルホン酸基あるいはその塩を含む1価の基、アミノ基あるいはその塩を含む1価の基、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基[式(4)中の(あ)]を有するものを選択すると、得られるシリコン変性光触媒(A)の水に対する分散安定性が非常に良好なものとなる。
【0050】
また、例えば機能性付与基含有基(Q)として、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、環状酸無水物基、非環状酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基[式(4)中の(い)]を含有する基を選択すると本発明のシリコン変性光触媒(A)は架橋性を有する。
【0051】
また、例えば機能性付与基含有基(Q)として、分光増感基を有するものを選択すると、本発明のシリコン変性光触媒(A)の可視光領域及び/又は赤外光領域の光の照射による光触媒活性や光電変換機能を向上させることができる。
ここで、分光増感基とは、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つ種々の金属錯体や有機色素(即ち、増感色素)に由来する基を意味する。
【0052】
増感色素としては、例えばキサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、スチリル系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素(金属錯体を含む)、ポルフィリン系色素(金属錯体を含む)、トリフェニルメタン系色素、ペリレン系色素、コロネン系色素、アゾ系色素、ニトロフェノール系色素、さらには例えば特開平1−220380号公報や特許出願公表平5−504023号公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体や、他にルテニウムレッド等の金属錯体を挙げることができる。
【0053】
これらの増感色素の中で、400nm以上の波長領域で吸収を持ち、かつ最低空軌道のエネルギー準位(励起状態の酸化還元電位)が化合物(a)の伝導帯のエネルギー準位より高いという特徴を有するものが好ましい。このような増感色素の特徴は、赤外・可視・紫外領域における光の吸収スペクトルの測定、電気化学的方法による酸化還元電位の測定(例えばT.Tani, Photogr. Sci. Eng., 14, 72 (1970); R.W.Berriman et al., ibid., 17. 235 (1973); P.B.Gilman Jr., ibid., 18, 475 (1974)等)、分子軌道法を用いたエネルギー準位の算定(例えばT.Tani et al., Photogr. Sci. Eng., 11, 129 (1967); D.M.Sturmer et al., ibid., 17. 146 (1973); ibid., 18, 49 (1974); R.G.Selby et al., J. Opt. Soc. Am., 33, 1 (1970)等)、更には化合物(a)と分光増感色素によって作成したGratzel型湿式太陽電池の光照射による起電力の有無や効率等によって確認することができる。
【0054】
上記の特徴を有する増感色素の例としては、9−フェニルキサンテン骨格を有する化合物、2,2−ビピリジン誘導体を配位子として含むルテニウム錯体、ペリレン骨格を有する化合物、フタロシアニン系金属錯体、ポルフィリン系金属錯体等を挙げることができる。
【0055】
本発明において、上述した機能性付与基含有基(Q)を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得る方法としては、
(Q−1):下記一般式(11)で表されるSi−H基含有化合物と、機能性付与基[式(4)中の(あ)〜(う)]を有する炭素−炭素不飽和結合化合物をヒドロシリル化反応させる方法。
(Q−2):下記一般式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物と、反応性基[式(4)中の(い)]を有する炭素−炭素不飽和結合化合物をヒドロシリル化反応させて反応性基を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得た後、該反応性基と反応性を有する機能性付与基含有化合物を反応させる方法が挙げられる。
(x+z)SiO(4−x−y−z)/2 (11)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基を表す。
また、0<(x+z)<4、0<y<4、及び(x+y+z)≦4である。)
【0056】
まず、機能性付与基(Q)を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得る方法として、上述した(Q−1)の方法[以下(Q−1)−方法]について説明する。
【0057】
(Q−1)−方法において、上記式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物に、機能性付与基として親水性基を導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基、環状酸無水物からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基を有するオレフィン類、アリルエーテル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
【0058】
上記親水性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の好ましい具体例として、例えば式(12)で表されるポリオキシエチレン基含有アリルエーテルや、さらには5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルコハク酸無水物等を挙げることができる。
CH=CHCHO(CHCHO) (12)
(式中、bは1〜1000の整数を表す。Rは、水素原子或いは直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基を表す。)
【0059】
また、上記式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物に反応性基を導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1種の反応性基を有するオレフィン類、アリルエーテル類、アリルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
【0060】
上記反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の好ましい具体例として、例えばアリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリル、ジアリルエーテル、ジアリルフタレート、(メタ)アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ヘキセン−2−オン、アリルイソシアネート、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、アリルアミン、アリルイソチオシアネート、アリルセミカルバジド、(メタ)アクリル酸ヒドラジド、4−アリルオキシメチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン等を挙げることができる。
【0061】
また、上記式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物に分光増感基を導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、前述した分光増感色素を有するオレフィン類、アリルエーテル類、アリルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。これらは、例えば前述した反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物と、該反応性基と反応性を有する分光増感色素との反応によって容易に得ることができる。
【0062】
例えば、反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の反応性基がエポキシ基、(環状)酸無水物、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基、ケト基、(メタ)アクリロイル基の場合は、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、ヒドラジン残基、(メタ)アクリロイル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を有する分光増感色素であり、逆に反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の反応性基がアミノ基、カルボキシル基、水酸基、ヒドラジン残基、(メタ)アクリロイル基の場合は、エポキシ基、(環状)酸無水物、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基、ケト基、(メタ)アクリロイル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を有する分光増感色素が挙げられる。
【0063】
上記反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物とそれに反応性を有する分光増感色素との反応は、各々の反応性基の種類に応じた反応温度、反応圧力、溶媒等の反応条件を選択して実施できる。その際、分光増感色素の安定性の点から、反応温度としては300℃以下が好ましく、150℃以下0℃以上がさらに好ましい。
【0064】
(Q−1)−方法において、上記炭素−炭素不飽和結合化合物と上記式(14)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物とのヒドロシリル化反応は、好ましくは触媒の存在下、有機溶媒の存在下あるいは非存在下において0〜200℃で炭素−炭素不飽和結合化合物(C)と式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1’)を、重量比(C)/(b1’)=0.01以上、より好ましくは(C)/(b1’)=0.01〜2、さらに好ましくは(C)/(b1’)=0.01〜1で接触させることにより行うことができる。
【0065】
上記ヒドロシリル化反応の触媒としては、白金族触媒、すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の化合物が適しているが、特に白金の化合物とパラジウムの化合物が好適である。白金の化合物としては、例えば塩化白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(II)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジエニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体や白金の単体、アルミナやシリカや活性炭に固体白金を担持させたものが挙げられる。パラジウムの化合物としては、例えば塩化パラジウム(II)、塩化テトラアンミンパラジウム(II)酸アンモニウム、酸化パラジウム(II)等が挙げられる。
【0066】
また、ヒドロシリル化反応に使用できる有機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0067】
次に、機能性付与基を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得る方法として、上述した(Q−2)の方法[以下(Q−2)−方法]について説明する。
(Q−2)−方法において使用される反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物としては、(Q−1)−方法において述べたものを挙げることができる。また、上述した式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物と該反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物とのヒドロシリル化反応は、(Q−1)−方法で述べたヒドロシリル化反応と同じ条件で実施することができる。
【0068】
(Q−2)−方法によると、上記ヒドロシリル化反応によって反応性基を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得ることができる。この反応性基を有するSi−H基含有ケイ素化合物とそれに反応性を有する機能性付与基含有化合物との反応は、各々の反応性基の種類に応じた反応温度、反応圧力、溶媒等の反応条件を選択して実施できる。その際、Si−H基の安定性の点から、反応温度としては300℃以下が好ましく、150℃以下0℃以上がさらに好ましい。
【0069】
本発明によって得られた上記シリコン変性光触媒(A)は、有機溶媒分散性や樹脂相溶性の発現、架橋性能の発現等、様々な機能が付与され、熱安定性が向上した可視光応答性に優れる光触媒である。
また、本発明のシリコン変性光触媒(A)は、例えば光照射や焼成等により親水性及び光触媒活性が増大したシリカ変性光触媒(B)に誘導することができる。
【0070】
ここで、シリコン変性光触媒(A)からシリカ変性光触媒(B)への誘導とは、シリコン変性光触媒(A)の上記変性剤化合物(b)に由来する珪素原子に結合した有機基(R)の少なくとも一部(好ましくは5モル%以上、更に好ましくは50モル%以上)を水酸基及び/又は該水酸基の脱水縮合反応で生成するシロキサン結合に変換することを意味する。
上記シリコン変性光触媒(A)からシリカ変性光触媒(B)への誘導は、赤外線分光分析、29Si核磁気共鳴分析、X線光電子分光分析等により解析する事ができる。
【0071】
本発明において、シリコン変性光触媒(A)の光照射によるシリカ変性光触媒(B)への誘導は、シリコン変性光触媒(A)に該シリコン変性光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの波長を有する光を、好ましくは−50〜300℃で1分以上、更に好ましくは1時間以上照射することにより達成できる。
この際、シリコン変性光触媒(A)への光照射は任意の方法でできるが、粉体の状態での光照射や、溶媒が共存した状態で撹拌下に光照射する方法が好ましい。
【0072】
また、シリコン変性光触媒(A)の光照射によるシリカ変性光触媒(B)への誘導は、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、鉄、銅、コバルト、ニッケル、錫等の化合物の存在下に実施すると効率的に実施できるので好ましい。これらの中で白金族化合物は光触媒反応の助触媒として働く事ができるためより好ましく、白金化合物が特に好ましい。
【0073】
ここで、上記白金化合物としては、例えば塩化白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(II)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジエニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体等を挙げる事ができる。
【0074】
上記シリコン変性光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの波長を有する光の光源としては、太陽光や室内照明灯等の一般住宅環境下で得られる光の他、ブラックライト、キセノンランプ、水銀灯、LED等の光が利用できる。
本発明において、シリコン変性光触媒(A)の焼成によるシリカ変性光触媒(B)への誘導は、シリコン変性光触媒(A)を空気中、真空中、窒素気流中、アルゴン気流中、ヘリウム気流中、アンモニア気流中、硫化水素気流中、水素気流中等の焼成雰囲気下で、好ましくは250〜1500℃、更に好ましくは300〜1100℃で、好ましくは1分以上、更に好ましくは1時間以上焼成することにより達成できる。
【0075】
本発明によって得られる上記シリカ変性光触媒(B)は、水分散性に優れ、強いルイス酸点を有し、熱安定性が向上した可視光応答性の良好な光触媒である。
本発明の変性光触媒[シリコン変性光触媒(A)及びシリカ変性光触媒(B)]の原料として用いる遷移金属を含むオキシナイトライド、遷移金属を含むオキシサルファイド、遷移金属を含むナイトライドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)は、可視光応答性が良好な光触媒であるが、加熱により可視光応答性を失う(耐熱性が非常に悪い)欠点を有している。
【0076】
すなわち、上記遷移金属を含むオキシナイトライド及び遷移金属を含むナイトライドは、加熱により脱窒素反応が起こり、遷移金属を含む酸化物に変化することにより可視光に対する光触媒活性を失う。
また、上記遷移金属を含むオキシサルファイドは、加熱により脱硫黄反応が起こり遷移金属を含む酸化物に変化して可視光に対する光触媒活性を失う。
ところで、非特許文献1[Journal of the European Ceramic Society, 17 (1997) 1813−1818]によると、遷移金属を含むオキシナイトライドの加熱による酸化物への変化は、示差熱・熱重量同時解析(TG−DTA解析)により2つのパターン(図1:タイプ(a)、図2:タイプ(b))で起こり、熱安定性はTG−DTA解析の各々のパターンにおける酸化開始温度(Tox)で評価できる事を示唆している。
【0077】
本発明の変性光触媒[シリコン変性光触媒(A)及びシリカ変性光触媒(B)]は、その原料として用いる遷移金属を含むオキシナイトライド、遷移金属を含むオキシサルファイド、遷移金属を含むナイトライドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)の耐熱性が大きく向上[TG−DTA解析の各々のパターンにおける酸化開始温度(Tox)が高温側にシフト]したものである。
このことにより、本発明の変性光触媒は、それ自体の耐久性が優れたものとなると同時に、光触媒活性を向上させる助触媒として働く遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物を担持するのに有効な400℃以上の高温での焼成が可能となる。
本発明の変性触媒[シリコン変性光触媒(A)及びシリカ変性光触媒(B)]は、Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Sn、Ni、Fe、Wよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物が坦持された系が、光触媒活性が非常に高く好ましい。
【0078】
本発明によって提供される変性触媒[シリコン変性光触媒(A)及びシリカ変性光触媒(B)]は、紫外線だけでなく可視光によっても優れた有機物分解等の光触媒活性を有するため、抗菌、防汚、防臭、NOx分解等の様々な機能を発現し、大気、水等の環境浄化等の用途に使用することができる。
本発明によって提供される変性触媒[シリコン変性光触媒(A)及びシリカ変性光触媒(B)]であって、光照射により20℃における水との接触角が60゜以下(好ましくは10゜以下)となった親水性のものは、鏡やガラスの曇りを防止する防曇技術、さらには建築外装等に対する防汚技術や帯電防止技術等への応用が可能であり、窓ガラス、鏡、レンズ、ゴーグル、カバー、碍子、建材、建物外装、建物内装、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、各種表示装置、照明装置、住宅設備、食器、台所用品、家庭用電気製品、磁気光記録メディアや光記録メディア等の用途に使用することができる。
【0079】
本発明によって提供される変性触媒[シリコン変性光触媒(A)及びシリカ変性光触媒(B)]であって光電変換機能を有するものは、太陽エネルギーの電力変換等の機能を発現することが可能であり、(湿式)太陽電池等に用いる光半導体電極等の用途に使用することができる。
また、本発明によって提供される、光照射によって水との濡れ性が変化(疎水性から親水性への変化、あるいは親水性から疎水性への変化)するシリコーン変性光触媒(A)は、オフセット印刷用原版等への応用に対し非常に有用である。
【0080】
【実施例】
以下の実施例、参考例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例、参考例及び比較例中において、各種の物性は下記の方法で測定した。1.熱安定性
熱安定性は、示差熱・熱重量同時測定装置(セイコー電子工業(株)製 TG/DTA200)を用い、大気下で30℃から1100℃まで毎分10℃の昇温を行い、酸化開始温度(Tox)測定することにより評価した。
2.赤外線吸収スペクトル
赤外線吸収スペクトルは、FT/IR−410(日本分光(株)製)を用い、デュラサンプラーIR(エス.ティ.ジャパン(株))で拡散反射スペクトルとして測定した。
3.水の接触角
サンプルの表面に脱イオン水の滴を乗せ、20℃で1分間放置した後、協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて測定した。
【0081】
4.光触媒活性
メチレンブルーの0.01mmol/lの水溶液10gにサンプル0.01gを添加し、蛍光灯を1日間照射した後、メチレンブルーの分解の程度(退色の程度に基づき、目視で評価)に基づき、光触媒の活性を以下の4段階で評価した。
なおこのときの光強度は、トプコン製UVR−2型紫外線強度計を用いて測定した紫外線強度(受光部として、上記UD−36型受光部を使用)が2〜3μW/cm、同紫外線強度計を用いて測定した可視光強度{受光部として、トプコン製UD−40型受光部(波長370〜490nmの光に対応)を使用}が75〜80μW/cmであった。
◎:メチレンブルーの青色が消失し、透明になる。
○:メチレンブルーの青色がわずかに残る。
△:メチレンブルーの青色が、試験前に比べて薄くなる。
×:メチレンブルーの青色が、試験前とほぼ同じ。
【0082】
5.有機溶剤分散性
トルエン2gにサンプル0.01gを添加して1分間超音波処理を行ってから5分間静置した後、サンプルの分散の程度(目視で評価)に基づき、有機溶剤分散性を以下の3段階で評価した。
◎:サンプルが完全に分散。
○:サンプルがわずかに沈殿。
×:サンプルが完全に沈殿。
【0083】
[実施例1]
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に1.0gのLaTiONを添加し50℃に昇温した。これに5.0gのビス(トリメチルシロキシ)メチルシランを50℃にて撹拌下に約5分かけて添加し、さらに50℃で5時間撹拌を続けた。ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランの反応に伴い生成した水素ガス量は23℃において5.0mlであった。続いて、反応液から未反応のビス(トリメチルシロキシ)メチルシランを減圧加熱除去し、シリコン変性LaTiONを得た。得られたシリコン変性LaTiONの赤外線吸収スペクトルを測定したところ、Si−CH基の吸収(1271cm−1)が観測された。
【0084】
得られたシリコン変性LaTiONのTG−DTA解析のパターンはタイプ(b)[図2]で酸化開始温度(Tox)は570℃であり、熱安定性がLaTiON[酸化開始温度(Tox):380℃]より大きく向上していた。
また、シリコン変性LaTiONの有機溶剤分散性は良好(○)であり、LaTiONの有機溶剤分散性(×)が変性処理により向上していた。
【0085】
[実施例2]
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に1.25gのTaONを添加し70℃に昇温した。これに6.25gのビス(トリメチルシロキシ)メチルシランを70℃にて撹拌下に約5分かけて添加し、さらに70℃で5時間撹拌を続けた。ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランの反応に伴い生成した水素ガス量は23℃において8.0mlであった。続いて、反応液から未反応のビス(トリメチルシロキシ)メチルシランを減圧加熱除去し、シリコン変性TaONを得た。得られたシリコン変性TaONの赤外線吸収スペクトルを測定したところ、Si−CH基の吸収(1271cm−1)が観測された。
得られたシリコン変性TaONのTG−DTA解析のパターンはタイプ(a)[図1]で酸化開始温度(Tox)は820℃であり、熱安定性がTaON[酸化開始温度(Tox):750℃]より大きく向上していた。
また、シリコン変性TaONの有機溶剤分散性は良好(○)であり、TaONの有機溶剤分散性(×)が変性処理により向上していた。
【0086】
[実施例3]
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に0.5gのTaを添加し50℃に昇温した。これに2.5gのジメチルエトキシシランを撹拌下に50℃にて約5分かけて添加し、さらに50℃で5時間撹拌を続けた。ジメチルエトキシシランの反応に伴い生成した水素ガス量は23℃において57.0mlであった。続いて、反応液から未反応のジメチルエトキシシランを減圧加熱除去し、シリコン変性Taを得た。得られたシリコン変性Taの赤外線吸収スペクトルを測定したところ、Si−CH基の吸収(1271cm−1)が観測された。
得られたシリコン変性TaのTG−DTA解析のパターンはタイプ(a)[図1]で酸化開始温度(Tox)は480℃であり、熱安定性がTa[酸化開始温度(Tox):400℃]より向上していた。
また、シリコン変性Taの有機溶剤分散性は良好(○)であり、Taの有機溶剤分散性(×)が変性処理により向上していた。
【0087】
[実施例4]
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に0.8gのSmTiを添加し50℃に昇温した。これに4.0gのビス(トリメチルシロキシ)メチルシランを50℃にて撹拌下に約5分かけて添加し、さらに50℃で5時間撹拌を続けた。ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランの反応に伴い生成した水素ガス量は23℃において3.0mlであった。続いて、反応液から未反応のビス(トリメチルシロキシ)メチルシランを減圧加熱除去し、シリコン変性SmTiを得た。得られたシリコン変性SmTiの赤外線吸収スペクトルを測定したところ、Si−CH基の吸収(1271cm−1)が観測された。
得られたシリコン変性SmTiの酸化開始温度(Tox)は800℃であり、熱安定性がSmTi[酸化開始温度(Tox):500℃]より大きく向上していた。
また、シリコン変性SmTiの有機溶剤分散性は良好(○)であり、SmTiの有機溶剤分散性(×)が変性処理により向上していた。
【0088】
[実施例5]
実施例1で得たシリコン変性LaTiONを錠剤成型器・錠剤成型器用プレス(日本分光(株)製)を用いてシリコン変性LaTiONの錠剤とした。得られた錠剤の水接触角は98゜であった。続いて、この錠剤に蛍光灯の光[トプコン製UVR−2型紫外線強度計を用いて測定した紫外線強度(受光部として、上記UD−36型受光部を使用)が20〜22μW/cm、同紫外線強度計を用いて測定した可視光強度{受光部として、トプコン製UD−40型受光部(波長370〜490nmの光に対応)を使用}が750〜800μW/cmとなるように調整した]を5日間照射したところ、光照射後の錠剤の水接触角は4゜となった。
【0089】
[実施例6]
実施例2で得たシリコン変性TaONに、実施例5と同じ強度の蛍光灯の光を10日間照射した。光照射後の試料の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、Si−CH基の吸収(1271cm−1)がほぼ消失し、代わりにSi−OH基に起因する3700〜3800cm−1の吸収が観測された。すなわち、シリコン変性TaONに光照射を行うことによってシリカ変性TaONを得た。
得られたシリカ変性TaONの酸化開始温度(Tox)は850℃であり、熱安定性がTaON[酸化開始温度(Tox):750℃]より大きく向上していた。
また、得られたシリカ変性TaONの光触媒活性評価を実施したところ、良好な結果(○)であった。
【0090】
[実施例7]
実施例1で得たシリコン変性LaTiONに、実施例5と同じ強度の蛍光灯の光を10日間照射した。光照射後の試料の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、Si−CH基の吸収(1271cm−1)がほぼ消失し、代わりにSi−OH基に起因する3700〜3800cm−1の吸収が観測された。すなわち、シリコン変性LaTiONに光照射を行うことによってシリカ変性LaTiONを得た。
得られたシリカ変性LaTiONの酸化開始温度(Tox)は580℃であり、熱安定性がTaON[酸化開始温度(Tox):380℃]より大きく向上していた。
また、得られたシリカ変性LaTiONの光触媒活性評価を実施したところ、良好な結果(○)であった。
【0091】
[実施例8]
実施例7で得たシリカ変性LaTiONの0.2gに0.1質量%のRu(CO)12を含有するテトラヒドロフラン溶液2gを添加して1時間攪拌した後、テトラヒドロフランを蒸発除去し、さらに大気中400℃で3時間加熱することによりRuOを担持したシリカ変性LaTiONを得た。
得られたRuO担持シリカ変性LaTiONの光触媒活性評価を実施したところ、非常に良好な結果(◎)であった。
【0092】
[比較例1]
LaTiONの光触媒活性評価を実施したところ、実施例7で得られたシリカ変性LaTiONより劣る結果(△〜○)であった。
【0093】
[比較例2]
0.2gのLaTiONに0.1質量%のRu(CO)12を含有するテトラヒドロフラン溶液2gを添加して1時間攪拌した後、テトラヒドロフランを蒸発除去し、さらに大気中400℃で3時間加熱した。
得られた試料の光触媒活性評価を実施したところ、光触媒活性は処理前のLaTiONより低下(×〜△)していた。
【0094】
[比較例3]
アナターゼ型酸化チタン[ST−01/石原産業(株)]の光触媒活性評価を実施したところ、非常に悪い結果(×)であった。
【0095】
[比較例4]
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に1.0gのアナターゼ型酸化チタン[ST−01/石原産業(株)]を添加し50℃に昇温した。これに5.0gのビス(トリメチルシロキシ)メチルシランを50℃にて撹拌下に約5分かけて添加し、さらに50℃で5時間撹拌を続けた。ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランの反応に伴い生成した水素ガス量は23℃において15.2mlであった。続いて、反応液から未反応のビス(トリメチルシロキシ)メチルシランを減圧加熱除去し、シリコン変性アナターゼ型酸化チタンを得た。得られたシリコン変性アナターゼ型酸化チタンの赤外線吸収スペクトルを測定したところ、Si−CH基の吸収(1271cm−1)が観測された。
得られたシリコン変性アナターゼ型酸化チタンを錠剤成型器・錠剤成型器用プレス(日本分光(株)製)を用いて錠剤とし、水の接触角を測定したところ105゜であった。続いて、この錠剤に実施例5と同じ強度の蛍光灯の光を5日間照射したが、光照射後の錠剤の水接触角は102゜であり、ほとんど変化がなかった。
【0096】
【発明の効果】
本発明によって、熱安定性や溶媒分散性に優れ、可視光に対する光触媒活性が非常に大きい変性光触媒[シリコン変性光触媒(A)及びシリカ変性光触媒(B)]を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、非特許文献1による遷移金属を含むオキシナイトライドの示差熱・熱重量同時解析(TG−DTA解析)のパターン[タイプ(a)]を示す図である。
【図2】図2は、非特許文献1による遷移金属を含むオキシナイトライドの示差熱・熱重量同時解析(TG−DTA解析)のパターン[タイプ(b)]を示す図である。

Claims (9)

  1. 遷移金属を含むオキシナイトライド、遷移金属を含むオキシサルファイド、遷移金属を含むナイトライドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)を、式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(b)を用いて変性処理することによって得られるシリコン変性光触媒(A)。
    Si− (1)
    (式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。)
    −(RSiO)− (2)
    (式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
    Figure 2004344723
    (式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
  2. 請求項1記載のシリコン変性光触媒(A)から誘導されてなるシリカ変性光触媒(B)。
  3. 請求項1記載のシリコン変性光触媒(A)に光照射することにより得られるシリカ変性光触媒(B)。
  4. 請求項1記載のシリコン変性光触媒(A)を焼成することにより得られるシリカ変性光触媒(B)。
  5. 該遷移金属が、Ta、Nb、Ti、Zr、Wからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン変性光触媒(A)。
  6. 該変性剤化合物(b)が、式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン変性光触媒(A)。
    SiO(4−x−y−z)/2 (4)
    (式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。
    また、式中Qは、下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
    (あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
    (い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
    (う)少なくとも1つの分光増感基。
    また、0<x<4、0<y<4、0≦z<4、及び(x+y+z)≦4である。)
  7. 該Si−H基含有ケイ素化合物(b1)が、式(5)又は式(6)で表されるモノSi−H基含有化合物、式(7)で表される両末端Si−H基含有化合物、式(8)で表されるHシリコーン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のSi−H基含有ケイ素化合物であることを特徴とする請求項6に記載のシリコン変性光触媒(A)。
    Figure 2004344723
    (式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、もしくは式(9)で表されるシロキシ基から選ばれた1種以上からなる基を表す。
    −O−(RSiO)−SiR ・・・(9)
    (式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。また、nは整数であり、0≦n≦1000である。))
    H−(R SiO)−SiR −Q ・・・(6)
    (式中、Rは式(5)で定義した通りである。Qは、下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
    (あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
    (い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
    (う)少なくとも1つの分光増感基。
    mは整数であり、0≦m≦1000である。)
    H−(R SiO)−SiR −H ・・・(7)
    (式中、Rは式(5)で定義した通りである。mは整数であり、0≦m≦1000である。)
    (RHSiO)(R SiO)(RQSiO)(R SiO1/2
    ・・・(8)
    (式中、Rは式(5)で定義した通りであり、Qは式(6)で定義した通りである。aは1以上の整数であり、b及びcは0又は1以上の整数であり、(a+b+c)≦10000であり、そしてdは0又は2である。但し、(a+b+c)が2以上の整数であり且つd=0の場合、該Hシリコーン化合物は環状シリコーン化合物であり、d=2の場合、該Hシリコーン化合物は鎖状シリコーン化合物である。)
  8. Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Sn、Ni、Fe、Wよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物が坦持されてなる請求項1に記載のシリコン変性光触媒(A)。
  9. Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Sn、Ni、Fe、Wよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属及び/又は該遷移金属の酸化物が坦持されてなる請求項2〜4のいずれかに記載のシリカ変性光触媒(B)。
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